JP4101920B2 - 二つの部材の連結具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二つの部材の一方に掛合させた後、この二つの部材の他方に設けられた取付穴に差し入れ当該取付穴に掛合させて、この二つの部材を連結させる連結具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の連結具として、図10に示されるように、一端側で一体に連接され、かつ、略平行に配された板状をなす一対の弾性脚片100、100の内側に、間隔を開けて先端を向き合わせる掛合突部101を有すると共に、先端外側に穴縁部を挟み付ける突片103と段差面104とからなる取付穴Hへの掛合部105を備えたものがあった。
【0003】
かかる従来の連結具によれば、先ず、一方の部材P1に設けられた突き出し板状をなし、かつ、所定位置に掛合穴Taを備えた取付部Tを前記一対の弾性脚片100、100間にこの一対の弾性脚片100、100を開き出す向きに弾性変形させながら挟み込み状に受け入れさせることにより、前記掛合突部101を当該掛合穴Taに入り込ませ、掛合させることができ、これにより、当該一方の部材P1に連結具を掛合させることができる。次いで、他方の部材P2に設けられた取付穴Hに、このように一方の部材P1に掛合された連結具を前記一対の弾性脚片100、100の連接側から差し入れることにより、前記一対の弾性脚片100、100を閉じ込み方向に弾性変形させながら、前記掛合部105において弾性復帰させ、当該掛合部105により掛合させ、これにより当該他方の部材P2に連結具を掛合させることができる。この結果、この従来の連結具を介して、前記一方の部材P1と他方の部材P2との連結をなすことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、かかる従来の連結具にあっては、前記一対の弾性脚片100、100が略平行に配されているため、前記一方の部材P1に設けられた取付部Tの受け入れ操作にあたり、この一対の弾性脚片100、100の先端間に当該取付部Tの突き出し端が適切に入り込むようにするための位置合わせに相応の配慮を払わせるものであった。前記一対の弾性脚片100、100間の間隔を広げれば、この位置合わせの容易化は図れるが、単純に両弾性脚片100間の間隔を広げた場合、連結具の小型化に難を生じさせるばかりか、取付部Tとの間のガタつき等の不具合を別途防止する配慮が必要となる。
【0005】
また、かかる従来の連結具にあっては、前記一対の弾性脚片100、100にそれぞれ設けられた前記掛合突部101が先端を向き合わせるように配されているため、この先端を突き合わせる位置より先には前記掛合穴Taに当該掛合突部101を入り込ませることができないものであった。このため、かかる掛合穴Taと掛合突部101との掛合面積をより大きく確保し難いものであった。この掛合面積を単純に増やそうとした場合、向き合った掛合突部101の先端間の間隔を狭めざるを得ず、このように、向き合った掛合突部101の先端間の間隔を狭めると、前記取付部Tの受け入れに伴う前記一対の弾性脚片100、100の弾性変形量が多くなるため、当該取付部Tへの掛合操作を行い難くしてしまう。
【0006】
そこで、この発明は、従来の不都合を解消することを目的とし、より具体的な目的の一つとしては、この種の連結具において、一対の弾性脚片間への二つの部材の一方に設けた取付部の受け入れ、掛合をスムースになすことができると共に、この二つの部材の他方に設けられた取付穴への差し入れを利用して、当該一方の部材に設けた取付部への掛合状態を強固にし得、かつ、当該取付穴への弾性脚片の掛合状態も強固なものとなし得るようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明にあっては、二つの部材の連結具が以下の(1)〜(4)の構成を備えたものとした。
(1)相互に連結される二つの部材の一方に設けられた取付穴への差し入れ端部と、この差し入れ端部から一体に設けられ、かつ、この差し入れ端部との連接部から先端側に向かうに連れてその内側が互いに離れ出すように設けられたそれぞれ細長い板片状をなす一対の弾性脚片とを有し、
(2)当該一対の弾性脚片の向き合った側には、当該一対の弾性脚片の先端側からの当該一対の弾性脚片間への相互に連結される二つの部材の他方に設けられた取付部の受け入れに伴って当該一対の弾性脚片を開き出し方向に弾性変形させ、かつ、当該取付部に設けた掛合穴に当該一対の弾性脚片の弾性復帰により入り込み仮掛合される掛合突部が備えられていると共に、
(3)前記一対の弾性脚片の外側には、前記取付部への仮掛合状態において、前記取付穴への前記差し入れ端部側からの差し入れに伴って、閉じ込み方向に弾性変形される当該一対の弾性脚片の弾発により当該取付穴の穴縁部に掛合される掛合部が設けてあり、
(4)前記取付穴の穴縁部と前記掛合部との掛合状態において閉じ込まれた前記一対の弾性脚片により、前記掛合突部と前記取付部の掛合穴との本掛合がなされる構成としてある。
【0008】
前記(1)および(2)の構成、特に、前記一対の弾性脚片が先端側に向かうに連れて互いに離れ出すように設けられていることから、格別の位置合わせを要することなく、前記一対の弾性脚片間への前記取付部の受け入れをなすことができる。
【0009】
また、このように受け入れた取付部における前記掛合穴に、この受け入れに伴って前記掛合突部を仮掛合させることができる。
【0010】
また、前記(3)の構成、特に、閉じ込み方向に弾性変形される前記一対の弾性脚片の弾発により前記取付穴の穴縁部に掛合される掛合部が当該一対の弾性脚片に設けてあることから、かかる弾発により当該掛合部は穴縁部から外れ出さない向きに当該穴縁部に押し付けられるものとされ、当該取付穴との掛合状態を安定的に確保することができる。
【0011】
また、前記(4)の構成により、前記掛合突部と前記取付部の掛合穴との本掛合を、前記取付穴の穴縁部と前記掛合部との掛合状態における前記一対の弾性脚片の閉じ込み方向への弾性変形を利用してなすことができ、また、この結果、前記仮掛合状態における前記掛合突部と掛合穴との掛合面積を小さくしていても、本掛合状態において当該掛合面積を大きく確保することが可能とされ、前記取付部の受け入れにあたっての前記前記一対の弾性脚片の離れ出す向きへの弾性変形量が最小になるように、前記掛合突部の突き出し量を設定することができる。したがって、前記取付部の受け入れ操作をスムースになすことができる。
【0012】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明にかかる二つの部材の連結具における一対の弾性脚片の一方に設けられた掛合突部と、当該一対の弾性脚片の他方に設けられた掛合突部とが、当該一対の弾性脚片が閉じ込み方向に弾性変形された際に、互いに突き当たらない位置に設けてあるものとした。
【0013】
かかる構成によれば、前記一対の弾性脚片における掛合突部が、当該一対の弾性脚片の閉じ込み方向への弾性変形に際し、互いに突き当たらない位置に設けてあることから、本掛合状態において掛合突部と前記掛合穴との掛合面積を可能な限り大きく確保することができ、取付部との掛合状態をより高く確保することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の典型的な実施の形態の一例について、図1ないし図9に基づいて説明する。
【0015】
なお、ここで図1は、この実施の形態にかかる連結具と、この連結具により連結される二つの部材の要部とを、それぞれ斜視の状態で示している。また、図2は、連結具と相互に連結される二つの部材の一方に設けられた取付部6とを、また、図3は、相互に連結される二つの部材の一方に設けられた取付部6に連結具を仮掛合させる直前の状態を、また、図4は、かかる仮掛合をさせた状態を、さらに、図5は、仮掛合状態にある連結具における差し入れ端部2側からこの連結具を取付穴7に差し入れて本掛合させた状態を、当該連結具を側方から見た状態とし、かつ、当該取付部6および取付穴7の設けられた部材を縦断面の状態として、それぞれ示している。また、図6は、図5の状態を図5の右側から見た状態として示している。また、図7は、連結具を側方から見た状態として、また、図8は、図7の右側から、また、図9は、図7の下側から見た状態として、それぞれ示している。
【0016】
この実施の形態にかかる連結具は、一対の弾性脚片1、1を有している。そして、この連結具は、この一対の弾性脚片1、1間に受け入れられ、この受け入れに伴って当該連結具に仮掛合される突き出し状の取付部6を備えた二つの部材の他方(以下、この他方の部材を第一の部材P1という。)と、この取付部6に仮掛合された連結具を受け入れ、この受け入れに伴って当該連結具に掛合されると共に、この掛合により前記取付部6と連結具とを本掛合させる取付穴7を備えた二つの部材の一方(以下、この一方の部材を第二の部材P2という。)とを、この連結具を介して連結させる機能を有している。
【0017】
前記一対の弾性脚片1、1は、それぞれ細長い板片状をなすと共に、その一面側を向き合わせた状態で、一端側において一体に連接されており、この連接側が前記第二の部材P2の取付穴7への差し入れ端部2としてある。また、かかる一対の弾性脚片1、1は、前記差し入れ端部2側から先端部3側に向かうに連れて互いに離れ出すように、構成されている。すなわち、かかる一対の弾性脚片1、1の向き合った面間の寸法は、概ね、前記差し入れ端部2側で狭く、この差し入れ端部2側から先端部3側に向かうに連れて徐々に広くなり、当該先端部3側においてもっとも広くなっている。
【0018】
より詳細には、前記差し入れ端部2は、この実施の形態にあっては、前記弾性脚片1と同じ幅を備えた細長い連接板部21と、この連接板部21の長さ方向に亙る両側縁部においてそれぞれ、当該側縁部から一体に当該連接板部21に略直交する向きで、同じ方向に突き出す立ち上がり板部22とを有している。一対の立ち上がり板部22、22は、その向き合った内面を略平行にするように形成してあり、この実施の形態にあっては、前記一対の弾性脚片1、1間に受け入れられた前記第一の部材P1の取付部6の突き出し端6a部が、前記仮掛合状態において、この一対の立ち上がり板部22間にガタなく収まる構成としてある。
【0019】
前記一対の弾性脚片1、1はそれぞれ、前記のように構成される差し入れ端部2における立ち上がり板部22の突き出し端部22aに一端側を一体に連接させている。かかる一対の弾性脚片1、1は、少なくとも、前記立ち上がり板部22との連接部において、この立ち上がり板部22よりも薄肉となるように形成されており、かかる一対の弾性脚片1、1の向き合った側において、当該立ち上がり板部22との間に段差部23が形成されている。この結果、この実施の形態にあっては、かかる一対の弾性脚片1、1は概ね、当該段差部23を中心に開き出し方向に、または、閉じ込み方向に、弾性変形して移動される構成とされている。
【0020】
また、この実施の形態にあっては、前記一対の弾性脚片1、1における互いに向き合った面側であって、当該弾性脚片1の長さ方向略中程の位置にそれぞれ、他の弾性脚片1側に向けて突き出す板片状の掛合突部4が一体に設けられている。かかる掛合突部4はそれぞれ、その板面を前記差し入れ端部2における連接板部21の内面に向き合わせるように形成されている。
【0021】
また、この実施の形態にあっては、前記一対の弾性脚片1、1の一方における掛合突部4と当該一対の弾性脚片1、1の他方における掛合突部4とが、この一対の弾性脚片1、1が前記閉じ込み方向に弾性変形して移動された状態において、互いに突き当たらない位置に設けてある。また、かかる一対の弾性脚片1、1の一方における掛合突部4の先端と、他方における掛合突部4の先端との間には、この一対の弾性脚片1、1が弾性変形されない状態において、弾性脚片1の弾性変形による移動方向に向けて間隔xが形成されるようにしてある。
【0022】
なお、この実施の形態にあっては、前記掛合突部4における先端部であって、前記差し入れ端部2に向けられない面側に、この掛合突部4の先端に向けて次第に当該掛合突部4を細める向きの傾斜面41が形成してある。また、かかる掛合突部4が設けられた位置から前記弾性脚片1の先端側までの箇所は、この掛合突部4が設けられた箇所から前記差し入れ端部2との連接部までの箇所より、前記一対の弾性片の向き合った側において低められた構成としてあり、かかる掛合突部4が設けられた位置には段差部42が形成されている。
【0023】
また、前記一対の弾性脚片1、1は、互いに向き合わない側、すなわち、外側においても、前記差し入れ端部2との連接部側から先端側に向けて、この先端側に向かうに連れてその外面を互いに離れ出すようにしてある。
【0024】
また、かかる一対の弾性脚片1、1はそれぞれ、その外側において、前記差し入れ端部2との連接部側からこの弾性脚片1の先端側に向けて次第に当該弾性脚片1を厚くする傾斜面51aを備えた隆起部51を有している。この隆起部51は前記掛合突部4が設けられた位置に対してやや先端側に近付いた位置で終了しており、前記傾斜面51aと頂部51bを介して連続され、かつ、前記弾性脚片1の先端側に向けられた段差面51cを有している。
【0025】
また、かかる一対の弾性脚片1、1はそれぞれ、その先端部3における外側に、前記隆起部51の段差面51cに向けて斜め上方に突き出す突片52を有している。この突片52と前記隆起部51との間には、間隔yが形成されている。
【0026】
この実施の形態にかかる連結具は、以上の構成を備えていることから、第一に、前記差し入れ端部2を構成する一対の立ち上がり板部22、22の内面間に受け入れられ、かつ、一対の前記掛合突部4、4の先端間の前記間隔xよりも大きい厚さと、前記差し入れ端部2を構成する前記連接板部21の内面と前記掛合突部4との間の間隔以内に、この掛合突部4を入り込ませる掛合穴6bを貫通状態に備えた取付部6に対し、この取付部6を前記一対の弾性脚片1、1間に当該弾性脚片1の先端部3側から受け入れさせることにより、ワンタッチで、かつ、スムースに仮掛合させることができる。
【0027】
すなわち、前記取付部6を前記一対の弾性脚片1、1間にその先端部6側から受け入れさせるように、当該取付部6の突き出し端6a側から当該取付部6に被せるように連結具を移動させると、先ず、当該取付部6の突き出し端6aが前記一対の掛合突部4、4に突き当たり、この突き当たりにより、当該一対の弾性脚片1、1は開き出し方向に弾性変形される。次いで、前記取付部6が一対の弾性脚片1、1の基部側にさらに入り込むように連結具を移動させると、前記一対の掛合突部4、4の一方が前記掛合穴6bの一方側から、また、当該掛合突部4の他方が当該掛合穴6bの他方側から、それぞれ当該掛合穴6bに入り込む位置に至る。この位置に至ると、開き出し方向に弾性変形された一対の弾性脚片1、1は弾性復帰して閉じ込み方向に移動され、前記掛合穴6bに前記掛合突部4の先端側をそれぞれ入り込ませ、当該掛合穴6bに仮掛合される。
【0028】
この仮掛合をさせるための前記取付部6の前記一対の弾性脚片1、1間への受け入れは、この一対の弾性脚片1、1が先端側に向かうに連れて互いに離れ出すように構成されていることから、格別の配慮をすることなくスムースになすことができる。また、前記掛合突部4における弾性脚片1の先端に向けられた側には、前記傾斜面41が形成されていることから、前記取付部6の突き出し端6aの当該掛合突部4の乗り越えを円滑に行わせることができる。
【0029】
この実施の形態にあっては、前記取付部6を前記第一の部材P1に形成させるものとしている。また、この実施の形態にあっては、かかる取付部6の一例として、この取付部6を、前記一対の弾性脚片1、1をその幅側で収める間隔を開けて配された一対のガイド側板6c、6cと、この一対のガイド側板6c、6c間に亙って設けられ、かつ、前記一対の弾性脚片1、1間に受け入れられる差し入れ板6dとから構成している。差し入れ板6dは、前記一対の弾性脚片1、1における一対の掛合突部4、4の先端間の前記間隔xよりも厚肉に構成されると共に、前記差し入れ端部2を構成する一対の立ち上がり板部22、22間に収まる厚さに構成されている。また、この差し入れ板6dは、この差し入れ板6dにおける突き出し端6aが前記差し入れ端部2の連接板部21内面に近接された状態において、前記掛合突部4が位置する位置に、当該差し入れ板6dの幅方向に沿って長いスリット状をなす前記掛合穴6bを貫通状態に有している。かかる差し入れ板6dの突き出し端6aには、面取り部6eが形成されており、前記掛合突部4の傾斜面41とあいまって当該掛合突部4の乗り越えがスムースになされるようにしてある。
【0030】
また、この実施の形態にかかる連結具は、第二に、前記差し入れ端部2を差し入れ可能な大きさを有し、かつ、前記一対の弾性脚片1、1における前記隆起部51の段差面51cと前記突片52との間にある当該両弾性脚片1、1の外面5a間に亙る寸法よりも小さくなる向き合った穴縁部を有し、さらに、一方の穴縁から他方の穴縁までの寸法を前記隆起部51の段差面51cから前記突片52までの間隔yと略等しくするか、小さくする取付穴7に対し、前記取付部6に対し仮掛合状態にした後、前記差し入れ端部2側から差し入れることにより、当該取付穴7にワンタッチで掛合させることができると共に、この取付穴7への掛合により前記一対の弾性脚片1、1を閉じ込み方向に弾性変形させて、前記取付部6への仮掛合状態を本掛合状態に移行させることができる。
【0031】
すなわち、前記仮掛合状態にある連結具が、前記差し入れ端部2側から前記取付穴7に入り込まされるように取付穴7側又は連結具側を移動させると、先ず、前記隆起部51における傾斜面51aと当該取付穴7の穴縁との当接により、前記一対の弾性脚片1、1は閉じ込み方向に弾性変形される。この後、さらに前記取付穴7内に連結具が入り込まされると、当該取付穴7の差し入れ先側にある穴縁7aを前記隆起部51の頂部51bが乗り越えるに至り、この乗り越えにより閉じ込み方向に弾性変形された前記一対の弾性脚片1、1は開き出し方向にやや弾性復帰して移動される。この結果、前記取付穴7の差し入れ先側にある穴縁7a部に前記隆起部51の段差面51cを、この反対側の穴縁7b部に前記突片52を、それぞれ掛合させることができ、かかる取付穴7への連結具の掛合をワンタッチでなすことができる。すなわち、この実施の形態にあっては、前記隆起部51の段差面51cと前記突片52とにより前記取付穴7への掛合部5を構成している。前記一対の弾性脚片1、1は、かかる取付穴7への掛合状態においても閉じ込み方向に弾性変形されているので、前記一対の弾性脚片1、1における前記隆起部51の段差面51cと前記突片52との間にある当該弾性脚片1の外面5aは当該取付穴7の穴内壁面7c側に押し付けられた状態とされ、この取付穴7への掛合状態を安定的に維持することができる。
【0032】
また、前記取付穴7への前記掛合により、前記一対の弾性脚片1、1は閉じ込み方向に弾性変形されることから、前記取付部6に設けられた掛合穴6bに入り込み、仮掛合された前記掛合突部4はさらに当該掛合穴6b内に入り込まされ、当該掛合穴6bに本掛合されるに至る。
【0033】
この実施の形態にあっては、前記一対の弾性脚片1、1における掛合突部4が、当該一対の弾性脚片1、1の閉じ込み方向への弾性変形に際し、互いに突き当たらない位置に設けてあることから、本掛合状態において掛合突部4と前記掛合穴6bとの掛合面積を可能な限り大きく確保することができ、取付部6との掛合状態をより高く確保することができる。
【0034】
なお、この実施の形態にあっては、閉じ込み方向への前記一対の弾性脚片1、1の弾性変形に伴って、一方の弾性脚片1に設けられた掛合突部4の長さ方向に亙る一側端面43と、他方の弾性脚片1に設けられた掛合突部4の長さ方向に亙る一側端面43とが略接し合うように、それぞれの掛合突部4の突設位置が設定されている。また、それぞれの掛合突部4における前記接し合わされる側端面43と先端面とが接し合うコーナー部には、両掛合突部4の前記仮掛合位置から本掛合位置への移動をスムースならしめるように、面取り部44が形成されている。
【0035】
この実施の形態にあっては、前記取付穴7を前記第二の部材P2に形成させるものとしている。また、この実施の形態にあっては、かかる第二の部材P2を、前記一対の弾性脚片1、1のそれぞれにおける前記隆起部51における段差面51cと前記突片52間の間隔yと略等しい肉厚に構成してあると共に、前記取付穴7の一例として、この第二の部材P2に向き合った一対の穴縁部間の間隔を、前記一対の弾性脚片1、1における前記隆起部51の段差面と前記突片52との間にある当該両弾性脚片1、1の外面5a間に亙る寸法よりも小さくする長方形状の穴として構成している。
【0036】
なお、前記一対の弾性脚片1、1に所望の弾性変形特性を付与する観点から、前記連結具は典型的には、プラスチック材料の射出成形により構成される。
【0037】
【発明の効果】
この発明にかかる二つの部材の連結具によれば、前記一対の弾性脚片が先端側に向かうに連れて互いに離れ出すように設けられていることから、格別の位置合わせを要することなく、一対の弾性脚片間への相互に連結される二つの部材の一方に設けた取付部の受け入れ、仮掛合をスムースになすことができる。
【0038】
また、相互に連結される二つの部材の他方に設けた前記取付穴の穴縁部に掛合される掛合部が、この取付穴への差し入れ端部からの差し入れにより閉じ込み方向に弾性変形される前記一対の弾性脚片に設けてあることから、かかる弾性変形に伴う弾発により当該掛合部は当該取付穴の穴縁部から外れ出さない向きに当該穴縁部に押し付けられるものとされ、当該取付穴との掛合状態を安定的に確保することができる。
【0039】
また、前記掛合突部と前記取付部の掛合穴との本掛合を、前記取付穴の穴縁部と前記掛合部との掛合状態における前記一対の弾性脚片の閉じ込み方向への弾性変形を利用してなすことができ、これにより、前記一方の部材に設けた取付部への掛合状態を強固にすることができる。
【0040】
また、前記仮掛合状態における前記掛合突部と掛合穴との掛合面積を小さくしていても、本掛合状態において当該掛合面積を大きく確保することが可能とされ、前記取付部の受け入れにあたっての前記前記一対の弾性脚片の離れ出す向きへの弾性変形量が最小になるように、前記掛合突部の突き出し量を設定することができる。したがって、前記取付部の受け入れ操作をスムースになすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連結具、第一の部材P1および第二の部材P2の分離斜視図
【図2】連結具と第一の部材P1とを、第一の部材P1の一部を断面にして示した側面図
【図3】連結具と第一の部材P1とを、第一の部材P1の一部を断面にして示した側面図
【図4】連結具と第一の部材P1とを、第一の部材P1の一部を断面にして示した側面図(仮掛合状態)
【図5】連結具と第一の部材P1とを、第一の部材P1の一部を断面にして示した側面図(本掛合状態)
【図6】連結具と第一の部材P1とを、第一の部材P1の一部を断面にして、図5と異なる向きから見て示した側面図(本掛合状態)
【図7】連結具の側面図
【図8】図7と異なる向きから見た連結具の側面図
【図9】連結具の底面図
【図10】従来例を示す構成図
【符号の説明】
1 弾性脚片
2 差し入れ端部
4 掛合突部
5 掛合部
6 取付部
6b 掛合穴
7 取付穴

Claims (2)

  1. 相互に連結される二つの部材の一方に設けられた取付穴への差し入れ端部と、この差し入れ端部から一体に設けられ、かつ、この差し入れ端部との連接部から先端側に向かうに連れてその内側が互いに離れ出すように設けられたそれぞれ細長い板片状をなす一対の弾性脚片とを有し、
    当該一対の弾性脚片の向き合った側には、当該一対の弾性脚片の先端側からの当該一対の弾性脚片間への相互に連結される二つの部材の他方に設けられた取付部の受け入れに伴って当該一対の弾性脚片を開き出し方向に弾性変形させ、かつ、当該取付部に設けた掛合穴に当該一対の弾性脚片の弾性復帰により入り込み仮掛合される掛合突部が備えられていると共に、
    前記一対の弾性脚片の外側には、前記取付部への仮掛合状態において、前記取付穴への前記差し入れ端部側からの差し入れに伴って、閉じ込み方向に弾性変形される当該一対の弾性脚片の弾発により当該取付穴の穴縁部に掛合される掛合部が設けてあり、
    前記取付穴の穴縁部と前記掛合部との掛合状態において閉じ込まれた前記一対の弾性脚片により、前記掛合突部と前記取付部の掛合穴との本掛合がなされる構成としてあることを特徴とする二つの部材の連結具。
  2. 一対の弾性脚片の一方に設けられた掛合突部と、当該一対の弾性脚片の他方に設けられた掛合突部とが、当該一対の弾性脚片が閉じ込み方向に弾性変形された際に、互いに突き当たらない位置に設けてあることを特徴とする請求項1記載の二つの部材の連結具。
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