JP4101604B2 - 球抜きユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機内に貯留された遊技球を前記遊技機から排出させる球抜きユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、遊技機としてのパチンコ機は、賞球や貸球(CR機の場合)を排出する際に球排出装置を動作させて、パチンコ機背面上部の球貯溜タンクから供給されるパチンコ球を所定数ずつパチンコ機前面下部の球皿に排出する。通常は、球排出装置に供給するパチンコ球は、機内に貯えた状態で使用されるため、機台交換時や保守点検時等には、機内からパチンコ球を球抜きする必要がある。
【0003】
このため、従来の一般的なパチンコ機は、球皿に通じる球流下路以外に、機外に通じる球抜き用流下路を設け、球抜き時に流路切換え機構によりパチンコ球の流路を球抜き用流下路に切り換えて、機内に貯えられたパチンコ球を球抜きするようにしている。
【0004】
例えば、特許文献1では、営業中は、ホールコンピュータから球抜き制御回路に球抜き禁止信号を入力して球抜きを禁止し、かつ、電源切換スイッチを遊技位置に切り換えて、払出制御回路と遊技制御回路に電源を供給して遊技を可能にすると共に、球抜き制御回路への電源供給を遮断している。
【0005】
一方、球抜きを行う時は、ホールコンピュータによる球抜き禁止信号を解除すると共に、電源切換スイッチを球抜き位置に切り換えて、球抜き制御回路のみに電源を供給する。
【0006】
この状態で、パチンコ機の裏面に配置された球抜きスイッチを特定の操作パターンで操作すると、球抜き制御回路は、球排出装置を連続的に排出動作させて、機内のパチンコ球を、賞球が流下する場合と同じ球流下路から球皿内へ排出させて球抜きを行う。しかし、このように、ホールコンピュータによる制御を行うとなると、コストが高くなってしまう。
【0007】
一方、特許文献2では、図8に示すように、裏セット本体100に設けられた機構板102には、球タンク(図示省略)及び球タンクと連通する球通路103が配設されており、この球通路103の一部には、球抜口104が設けられている。
【0008】
この球抜口104には、揺動して球抜口104を開閉させる弁部材6が設けられており、略へ字状に形成された弁部材106が反時計回りに回動すると、弁部材106の弁部106Aが球抜口104を開放して、遊技球を球抜き通路105へ案内するようになっている。
【0009】
また、弁部材106には弁部106Aの反対側に係合部106Bが設けられており、機構板102に揺動可能に配設されたロック片108と係合可能となっている。
【0010】
ここで、図9に示すように、機構板102にはロック片108と直交する方向に対して揺動可能に軸支されたレバー片110が設けられており、このレバー片110は、起立した状態で配置され、ストッパ112によって保持されている。
【0011】
また、レバー片110には、ロック片108に連結されたロッド114の先端部が当接しており、レバー片110を揺動させることによって、ロッド114を介してロック片108が時計回りに下方へ向かって回動する。
【0012】
これにより、ロック片108に係合された弁部材106の係合部106Bが係合解除され、弁部材106が時計回りに回動して弁部材106の弁部106Aによって、球抜口104が開放される。
【0013】
具体的には、遊技盤が取付けられた遊技盤枠115に形成された穴部118から専用のピン部材120を挿通させ、裏セット本体100の裏面側に配設されたレバー片110をピン部材120の先端部で押圧すると、ストッパ112は弾性変形し、弾性力が蓄積される。
【0014】
そして、球抜きが完了すると弁部材106が弁部材106自体の重量バランスにより時計回りに回動し、係合部106Bがロック片108の上に載置され、ロック片108と係合可能な状態となる。一方、レバー片110の押圧力を解除すると、ストッパ112が復元して、レバー片110を元の位置に戻す。これにより、ロッド114を介してロック片108が反時計回りに上方へ向かって回動し、これにより、球抜口104が閉止される。
【0015】
このように、球抜口104を開閉させる弁部材106及び弁部材106を揺動させるレバー片110を裏セット本体100の裏面側に配設することで、遊技者が直接レバー片110を操作するということはできないため、遊技者による不正を防止することはできるが、機構が複雑で、部品点数が多いため、コストアップとなってしまう。
【0016】
さらに、特許文献3において、図10及び図11に示すように、パチンコ機116の裏面側には、箱体118が設けられており、箱体118内には箱体118の開口を閉塞する平板状の作動部材120が収納されている。
【0017】
この作動部材120の一端側には、張出片122、124が張り出しており、この張出片122、124には穴部126、128が形成されている。この穴部126、128には固定軸130が貫通しており、固定軸130が箱体118に固定された状態で、箱体118に対して作動部材120が揺動可能に軸支される。
【0018】
また、張出片122の内面には、穴部128の近傍に溝部132が設けられており、この溝部132にはうず巻ばね134の一端部が固定されている。一方、張出片122には、図示しない挿通穴が貫通しており、この挿通穴にうず巻ばね134の他端部が挿通して箱体118に固定される。
【0019】
ここで、うず巻ばね134は、一端部を作動部材120に固定し、他端部を箱体118に固定して、作動部材120の自由端側を箱体118の底面から離間させる方向へ付勢している。
【0020】
ところで、作動部材120の自由端側に位置する箱体118の底面には、球抜き操作を行なう制御スイッチ140が配設されており、うず巻ばね134の付勢力の抗する方向へ作動部材120を押圧すると、作動部材120を介して、制御スイッチ140のスイッチ部140Aが押圧されるようになっている。
【0021】
そして、作動部材120を押圧する押圧力を解除すると、うず巻ばね134の復元力によって、作動部材120が制御スイッチ140のスイッチ部140Aから離間し、元の位置に戻る。
【0022】
ここで、パチンコ機116の外周側には、貫通穴142が形成されており、作動部材120を押圧可能なピン部材144が挿通可能となっている。このピン部材144を挿通させ、作動部材120を押圧し、作動部材120を介して制御スイッチ140のスイッチ部140Aを押圧することで、スイッチ部140Aをピン部材144の先端面で押圧するよりも、確実にスイッチ部140Aを押圧することができるようにしている。
【0023】
しかし、貫通穴142はできるだけパチンコ機116の端部側に設けた方が良く、また、スイッチ部140Aは貫通穴142の中心線上に配設しなければならないため、制御スイッチ140の配設自由度が狭くなってしまう。また、作動部材120及び固定軸130へのうず巻ばね134の装着が面倒であり、作業工数が増大し、コストアップの原因となってしまう。
【0024】
【特許文献1】
特開2000−126410公報(第4−5頁、図1)
【特許文献2】
特開平7−246277号公報(第2−3頁、図1−図3)
【特許文献3】
特開平5−168754号公報(第3頁、図3−図5)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、簡単な構成で球抜き操作が可能となる球抜きユニットを安価で提供することを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、遊技機内に貯留された遊技球を前記遊技機から排出させる球抜きユニットにおいて、遊技盤が設けられた遊技盤枠と、前記遊技盤枠に対して回動可能に軸支された裏セット本体と、を有する遊技機に用いられ、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に配設され遊技球の排出動作を制御する制御スイッチと、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に配設され前記制御スイッチを作動させる作動手段と、前記遊技盤枠の前面側から前記作動手段を操作する操作手段と、を有し、前記作動手段が、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に設けられた凹部と、前記凹部内に収納された基体部と、前記基体部に突設され、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に対して揺動可能に軸支された軸体と、前記基体部から延出し、前記操作手段によって操作されると、軸体に回転モーメントを発生させる押圧レバーと、前記基体部から延出し、前記押圧レバーが回転すると、前記基体部の揺動によって前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に当接して弾性力が蓄積されると共に、前記制御スイッチを作動させる作動片と、を有することを特徴としている。
【0027】
請求項1に記載の発明では、遊技盤枠又は裏セット本体には凹部が備えられており、この凹部内には基体部が収納されている。基体部からは軸体が突設し、遊技盤枠又は裏セット本体に対して揺動可能に軸支されている。この基体部から押圧レバー及び作動片を延出させている。
【0028】
押圧レバーは、操作手段によって操作されると、軸体に回転モーメントを発生させ、作動片は、押圧レバーが回転すると、基体部の揺動によって遊技盤枠又は裏セット本体に当接して弾性力を蓄積すると共に制御スイッチを作動させる。
【0029】
作動片は、遊技盤又は裏セット本体に当接して弾性力を蓄積するため、押圧レバーを操作する力を解除すると、蓄積された弾性力によって復元し、押圧レバーを元の位置に復帰させることができる。
【0030】
このように、押圧レバー及び作動片を基体部から延出させることで、押圧レバー及び作動片を基体部と一体に設けることができ、また、操作手段によって操作された押圧レバーを、作動片によって復帰させることで、押圧レバーを復帰させる手段としてうず巻ばね等を用いた場合と比較して、部品点数を削減することができると共に、うず巻ばねを取り付ける手間が省けるため、作業工数も削減され、コストの軽減を図ることができる。また、ばねのへたりがないため、押圧レバーの復帰力のバラツキが小さい。
【0031】
請求項2に記載の発明は、前記押圧レバーが、前記基体部から前記軸体と平行に延出し、前記作動片が、前記軸体を間に置いて前記押圧レバーの反対側に前記凹部からはみ出した状態で、押圧レバーが延出された方向に対して略直交する方向へ延出し、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に当接した状態で弾性力が蓄積されると共に伸長することを特徴としている。
【0032】
請求項2に記載の発明では、作動片を、押圧レバーが延出された方向に対して略直交する方向へ延出させ、また、遊技盤枠又は裏セット本体に当接した状態で弾性力が蓄積されると共に伸長させることで、押圧レバーが操作手段から受ける力の向きと作動片が移動する方向とを変えることができる。
【0033】
例えば、操作手段を、遊技盤枠に形成された貫通穴と、この貫通穴に挿通可能なピン部材と、で構成し、貫通穴にピン部材を挿通させて、ピン部材の先端部で押圧レバーを押圧する場合、従来では、制御スイッチを構成するスイッチ部を、ピン部材を挿通させる貫通穴の中心線上に配置しなければならなかったが、押圧レバーが操作手段(ピン部材)から受ける力の向きと作動片が移動する方向とを変えることで、制御スイッチの配設の自由度が増大する。
【0034】
すなわち、貫通穴はできるだけ、遊技機の端部側に配置した方が良いが、制御スイッチは配線等の関係で裏セット本体の端部側に配置させることはあまり好ましくない。このため、押圧レバーがピン部材から受ける力の向きと作動片が移動する方向とを変えることで、貫通穴と制御スイッチとを離間させた状態で配置することが可能となる。
【0035】
請求項3に記載の発明では、作動片に対向して基体部から弾性片を延出させており、この弾性片は、凹部に当接して押圧レバーが回転した状態で弾性力が蓄積される。
【0036】
このため、押圧レバーを回転させる力を解除すると、弾性片の復元力によって押圧レバーを元の位置に復帰させることが可能となる。従って、押圧された押圧レバーを弾性片によって元の位置に復帰させるようにすることで、押圧レバーを復帰させるための作動片の弾性力を軽減させることができる。
【0037】
このため、例えば、制御スイッチを作動させるために制御スイッチを押圧する場合、作動片の弾性力を軽減させることで、制御スイッチを押圧する押圧力を小さくすることができるので、制御スイッチに必要以上の負荷が掛からないようにすることができる。
【0038】
請求項4に記載の発明では、遊技盤枠又は裏セット本体に凹部を凹設している。この凹部内には基体部及び弾性片を収納し、作動片は凹部からはみ出させている。このように、遊技盤枠又は裏セット本体に凹部を凹設することで、遊技盤枠又は裏セット本体に、別部品として、凹部を有する箱体などを設ける必要はないので、その分コストダウンを図ることができる。
【0039】
請求項5に記載の発明では、作動片を制御スイッチへガイドするガイドリブを設けている。押圧レバーの回転によって作動片は遊技盤枠又は裏セット本体に当接した状態で伸長するが、ガイドリブによって、作動片を制御スイッチへ向けて真直ぐに伸長させることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る球抜きユニットについて説明する。
【0041】
まず、遊技機としてのパチンコ機の球排出機構について概要を説明する。
【0042】
図2に示すように、パチンコ機10の裏セット本体12の上部には、パチンコ球を貯溜する球貯溜タンク14が設けられている。この球貯溜タンク14は、タンクレール16と連通しており、球貯溜タンク14から流れ出るパチンコ球を整列状態で流下させている。
【0043】
このタンクレール16の下端には、球供給路18が設けられており、球供給路18の下端には球排出装置20が配設されている。この球排出装置20には、パチンコ球を受け入れ可能な複数の凹部25Aが形成されたスプロケット25が配設されており、球供給路18から流下されたパチンコ球は、スプロケット25の凹部25A内に受け入れられた状態で正逆回転式のスプロケット25の回転によって、球排出装置20から排出される。
【0044】
この球排出装置20にはパチンコ機10の裏側から見て左側下部に賞/貸球流下路22が連通しており、右側下部に球抜き流下路23が連通している。このため、球排出装置20から排出されるパチンコ球は、スプロケット25が反時計方向に回転すると、賞/貸球流下路22へ案内され、スプロケット25が時計方向に回転すると、球抜き流下路23へ案内される。
【0045】
一方、パチンコ機10の前面側には、遊技盤24の下方に上球皿26及び下球皿28が設けられている。上球皿26は球流下路22と連通しており、球流下路22へ案内された遊技球は上球皿26へ排出される。
【0046】
球排出装置20から排出されるパチンコ球によって上球皿26内が満杯になったとき、後続のパチンコ球はオーバーフロー通路27を経由して下球皿28内へ排出される。ここで、オーバーフロー通路27には、パチンコ球貯留量が満杯か否かを検出する満杯検出スイッチ30が設けられている。
【0047】
上球皿26及び下球皿28が満杯となり満杯検出スイッチ30の検出位置までパチンコ球が溜まると、満杯検出スイッチ30の出力がオン状態となり、球箱(図示省略)へ遊技球を排出するようアナウンス等の報知が為される。尚、満杯検出スイッチ30は賞/貸球流下路22に設けるようにしても良い。
【0048】
一方、裏セット本体12の下部には制御基板31が設けられている。この制御基板31には、球排出装置20の通常の排出動作(賞球や貸球の排出動作)を制御する払出制御回路34と、球排出装置20の球抜き動作を制御する球抜き制御回路36とが設けられている。
【0049】
遊技中に、パチンコ球が図1に示す遊技盤24に設けられた入賞装置32に入賞すると、図示しない入賞球センサから出力される入賞球検出信号に基づいて、払出制御回路34へ信号が送信され、これにより、球排出装置20が駆動して、入賞価値に応じた所定数のパチンコ球(賞球)を排出させる。この排出された賞球は球流下路22を通って上球皿26内へ流下する。
【0050】
また、球貸し機能を備えた「CR機」の場合は、パチンコ機10の前面の図示しないカードユニットに球貸し用の磁気カードが挿入され球貸し信号が入力されると、払出制御回路34へ信号が送信され、これにより、球排出装置20が駆動して、支払い代価に応じた所定数のパチンコ球(貸球)が排出される。この排出された貸球は球流下路22を通って上球皿26内へ流下する。
【0051】
一方、機台交換時や保守点検時等、機内からパチンコ球を球抜きする必要がある時は、球抜き制御回路36へ信号を送信し(後述する)、これにより、球排出装置20を連続的に排出動作(球抜き動作)させて、球貯溜タンク14から球排出装置20までの球供給路18内のパチンコ球を、球抜き流下路23へ案内してパチンコ機10外へ排出させて球抜きする。
【0052】
ここで、球抜き流下路23には、パチンコ球の通過を検出する球通過センサ38が設けられており、球排出装置20の球抜き動作中に、球通過センサ38により、パチンコ球の通過が検出されない時間が所定時間以上となったときに、機内のパチンコ球が全て球抜きされたと判断して、球排出装置20の球抜き動作を終了する。
【0053】
一方、パチンコ機10の上方部には、球排出装置20の球抜き動作を報知する球抜き報知手段として球抜き報知ランプ(図示省略)が設けられており、球排出装置20が球抜き動作している間、パチンコ機10の上方部の球抜き報知ランプに報知信号が入力され、球抜き報知ランプが点灯又は点滅する。これにより、球抜き中であることを、パチンコ店の従業員に報知する。
【0054】
次に、本発明の実施の形態に係る球抜きユニットについて説明する。
【0055】
まず、図1及び図5に示すように、本発明の実施の形態に係る球抜きユニットを用いるパチンコ機10では、遊技盤24を覆うガラス85が取付けられたガラス枠86、遊技盤24が取付けられた遊技盤枠88を貫通する貫通穴90(操作手段)がパチンコ機10の外縁側に設けられている。
【0056】
一方、図4に示すように、裏セット本体12には、略直方体状の凹部40が凹設されており、この凹部40の幅方向の両側壁40Aの中央部には、内縁部から所定の距離を置いて底面40Bへ向かって略矩形状の開口部42が形成されている。
【0057】
ここで、凹部40内には、図3及び図4に示す箱状のベース部材44が収納可能となっており、このベース部材44の幅方向に配置された一対の側壁44Aには、略矩形状の切り込み部46が底面44B側の辺を残して形成されている。この切り込み部46の内側には、係合片48が設けられており、この係合片48の先端部には、ベース部材44の側壁44Aの外面から張り出す爪部50が突設されている。
【0058】
また、係合片48の側端部には、係合片48の基部から爪部50の先端部に架けて徐々に拡幅するステイ52が設けられており、爪部50を補強すると共に、凹部40内にベース部材44を収納させるとき、ステイ52の先端面が凹部40の側壁40Aの内面に当接可能となっている。
【0059】
さらに、係合片48は、凹部40に形成された開口部42内を挿通可能となっており、凹部40内にベース部材44を収納させるとき、係合片48のステイ52が凹部40の側壁40Aの内面に当接し、ステイ52の拡幅に伴って、係合片48同士を徐々に挟幅させ、係合片48の爪部50が開口部42に到達すると、係合片48が拡幅して、爪部50が開口部42の周縁部に係止される。
【0060】
これにより、ベース部材44が凹部40内に抜け止めされた状態で収納され、ベース部材44が凹部40内に収容された状態でベース部材44の側壁44A、44Cの先端面が裏セット本体12の裏面と面一となる。
【0061】
また、ベース部材44の両側壁44Cの略中央部には、貫通穴54が形成されており、貫通穴54から側壁44Cの上縁部に架けて溝部55が凹設され、側壁44Cが薄肉となっている。
【0062】
一方、ベース部材44には押圧部材56の一部が収容可能となっている。この押圧部材56には略箱状の基体部58が備えられており、基体部58の下方隅部には、基体部58の幅方向に沿って軸部62が突設されている。
【0063】
ベース部材44内に基体部58を挿入し、軸部62を溝部55に沿って移動させ、軸部62を貫通穴54内に貫通させることで、押圧部材56がベース部材44に対して回動可能に軸支される。
【0064】
ここで、軸部62の上方には、ストッパ64が突設しており、押圧部材56がベース部材44に対して回動可能に軸支された状態で、ストッパ64の先端面の一部がベース部材44の側壁44Cの先端面に当接可能となっている。
【0065】
また、ストッパ64の先端面には、傾斜部64Aが設けられており、押圧部材56が所定角度回動した状態で、傾斜部64Aが側壁44Cの先端面に当接し、これにより、押圧部材56の回動が規制されるようになっている。
【0066】
一方、基体部58の幅方向の一方の側壁上部からは、中央部に肉盗み用の中空部66が凹設された略直方体状の連結部68が張り出しており、ベース部材44の幅よりも広く形成され、ベース部材44から食み出した状態で配置される。
【0067】
この連結部68の端部には、連結部68の張り出し方向に対して直交する方向へ向かってベース部材44の側壁44Cに対して平行に、中央部に肉盗み用の中空部70が凹設された略直方体状の押圧レバー72が設けられている。
【0068】
この押圧レバー72の、ベース部材44の側壁44Cから離間する側(押圧ポイント)を押圧すると、軸部62には回転モーメントが発生し、押圧部材56が回転するが、この押圧ポイントと、ガラス枠86、遊技盤枠88を貫通する貫通穴90の位置とが一致するように配置されている。
【0069】
ところで、基体部58の下方からは、軸部62の反対側の隅部から延出し、軸部62側へ向かって湾曲する弾性片74が設けられている。この弾性片74は基体部58がベース部材44に軸支された状態でベース部材44の底面に当接しており、押圧レバー72が押圧された状態で、この弾性片74には弾性力が蓄積される。
【0070】
また、基体部58の幅方向の他方の側壁上縁部からは、上方へ向かって立ち上がった後、弾性片74と略対面するように湾曲する作動片76が延出しており、作動片76の先端部には、基体部58の側壁44Aと略平行に形成された当接部78が設けられている。
【0071】
この作動片76は基体部58がベース部材44に軸支された状態でベース部材44からはみ出しており、当接部78が裏セット本体12の裏面に当接可能となっている。このため、押圧レバー72を押圧し、押圧部材56を回動させると、当接部78が裏セット本体12の裏面に当接した状態のまま、弾性力が蓄積されると共に作動片76が伸長し、当接部78はベース部材44の側壁44Aから離間する方向へスライド移動する。
【0072】
一方、当接部78の移動軌跡上には、マイクロスイッチ80が配設されており、当接部78によって押圧可能となっている。このマイクロスイッチ80は球排出装置20(図2参照)と電気的に接続されており、マイクロスイッチ80が押圧され、スイッチがON状態になると、球抜き制御回路36(図2参照)へ信号が送信され、球排出装置20が連続的に排出動作(球抜き動作)を行なう。
【0073】
また、マイクロスイッチ80の近傍には、凹部40側へ向かって平行にガイドリブ82(図7参照)が立設している。このガイドリブ82の離間距離は、当接部78の幅よりも若干大きくしており、ガイドリブ82の間を当接部78が通過可能となっている。
【0074】
ここで、マイクロスイッチ80は裏セット本体12の裏面に固着された台座84を介して裏セット本体12の裏面に固定しても良い。この場合、台座84を摩擦係数の低い材質で形成することで、当接部78の摺動抵抗を低くすることができる。
【0075】
次に、本形態に係る球抜きユニットの作用について説明する。
【0076】
図5及び図6に示すように、ガラス枠86、遊技盤枠88を貫通する操作手段としての貫通穴90を設け、この貫通穴90と押圧部材56に備えられた押圧レバー72の押圧ポイント(押圧によって軸部62に回転モーメントを発生させる箇所)の位置を一致させることで、パチンコ機10の前面側から、操作手段としてのピン部材92を貫通穴90に挿通して、裏セット本体12に配設された押圧部材56の押圧レバー72を押圧するだけで、押圧部材56を介して、パチンコ球の排出動作を制御する球抜き制御回路36へ信号を送信するマイクロスイッチ80を押圧することができる。
【0077】
すなわち、パチンコ機10の前面側からパチンコ球の排出動作を制御することができる。このため、パチンコ球をパチンコ機10から排出させるときに、ガラス枠86及び遊技盤枠88を開放させる必要がないので、作業が簡単で、短時間で作業を行なうことができる。
【0078】
また、マイクロスイッチ80は裏セット本体12の裏面に配設しているため、遊技者が直接マイクロスイッチ80を押圧することはできない。このため、遊技者の不正を防止することができる。
【0079】
一方、押圧部材56において、基体部58から押圧レバー72、作動片76及び弾性片74を延出させ、基体部58と押圧レバー72と作動片76と弾性片74とを一体に設けることで、押圧レバー72を復帰させる手段としてうず巻ばね等を用いた場合と比較して、部品点数を削減することができると共に、うず巻ばねを取り付ける手間が省けるため、作業工数も削減され、コストの軽減を図ることができる。また、ばねのへたりがないため、押圧レバー72の復帰力のバラツキが小さい。
【0080】
また、作動片76を、押圧レバー72が延出された方向に対して略直交する方向へ延出させ、また、裏セット本体12に当接した状態で弾性力を蓄積させ、伸長させることで、押圧レバー72がピン部材92から受ける力の向きと作動片76がマイクロスイッチ80を押圧する力の向きとを変えることができる。
【0081】
具体的には、押圧レバー72が押圧されると、基体部58の揺動によって作動片76が裏セット本体12に当接する。この状態からさらに基体部58が揺動すると、作動片76は裏セット本体12に当接した状態のまま弾性力が蓄積されると共に伸長する。従って、作動片76が伸長する方向へマイクロスイッチ80を配設することで、マイクロスイッチ80を押圧することが可能となる。
【0082】
従来では、図11に示すように、制御スイッチ140を構成するスイッチ部140Aを、ピン部材144を挿通させる貫通穴142の中心線上に配置しなければならなかったが、図5及び図6に示すように、押圧レバー72がピン部材92から受ける力の向きと作動片76がマイクロスイッチ80へ与える力の向きとを変えることで、制御スイッチ80を貫通穴90の中心線上に配置する必要はなくなり、マイクロスイッチ80の配設の自由度が増大する。
【0083】
すなわち、貫通穴90はできるだけ、パチンコ機10の端部側に配置した方が良いが、マイクロスイッチ80は配線等の関係で裏セット本体12の端部側に配置させることはあまり好ましくない。
【0084】
このため、押圧レバー72がピン部材92から受ける力の向きと作動片が制御スイッチへ与える力の向きとを変えることで、貫通穴90とマイクロスイッチ80とを離間させた状態で配置することが可能となる。
【0085】
また、基体部58の裏面から、軸部62の反対側の隅部から軸部62側へ向かって湾曲する弾性片74を延出させ、この弾性片74を基体部58がベース部材44に軸支された状態でベース部材44の底面に当接させることで、押圧レバー72を押圧し、押圧部材56を回動させると、弾性片74には弾性力が蓄積されるため、押圧レバー72への押圧力を解除すると、弾性片74は復元し、押圧レバー72を元の状態に復帰させることができる。
【0086】
このように、押圧された押圧レバー72を弾性片74によって元の位置に復帰させるようにすることで、押圧レバー72を復帰させるための作動片76の弾性力を軽減させることができる。従って、マイクロスイッチ80を押圧する押圧力を小さくすることができ、マイクロスイッチ80に必要以上の負荷が掛からないようにすることができる。
【0087】
しかし、これは、必ずしも押圧部材56には弾性片74が必要であるというものではなく、作動片76に押圧レバー72を復帰させるための弾性力を蓄積させるようにしても良いのは勿論のことである。
【0088】
また、マイクロスイッチ80の近傍に、凹部40側へ向かって平行にガイドリブ82を立設させ、ガイドリブ82の間を当接部78を通過させて、当接部78をマイクロスイッチ80へガイドするようにしている。
【0089】
これにより、押圧レバー72の押圧によって、作動片76が裏セット本体12に当接した状態で伸長するときに、作動片76をマイクロスイッチ80へ向けて真直ぐに伸長させることができる。
【0090】
さらに、基体部58と、押圧レバー72と、作動片76と、弾性片74と、を一体成形することで、部品点数が少なくなると共に、組付けする必要はなく、作業工数を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【0091】
なお、ここでは、裏セット本体12に凹部40を凹設し、この凹部40内にベース部材44を収納するようにしたが、必ずしもベース部材44を用いる必要はなく、図7に示すように、裏セット本体94に凹設した凹部96に直接押圧部材56を回動可能に軸支させても良い。
【0092】
このように、裏セット本体94に凹部96を凹設することで、裏セット本体94に、別部品として、ベース部材44(図3参照)を設ける必要はないので、その分コストダウンを図ることができる。
【0093】
また、球抜きユニットの設置構成は、本実施例のように回動方向が縦方向になる構成に限定されず、回動方向を適宜変更(例えば、横方向)して設置しても良い。さらに、ここでは、マイクロスイッチ80及び押圧部材56を裏セット本体12に配設したが、遊技盤枠88に設置しても良い。
【0094】
また、本形態では、賞/貸球流下路22と球抜き流下路23を別々に設けたパチンコ機に適用させたが、賞球、貸球及び球抜きの際のパチンコ球の流下路を一つにしたパチンコ機に対して本発明の球抜きユニットを適用させても良い。
【0095】
さらに、作動片76の先端部に設けられた当接部78によってマイクロスイッチ80を押圧したが、球抜き操作を行う制御スイッチを作動させることができれば良いため、これに限るものではなく、マイクロスイッチの代わりに光センサなどの非接触センサを用いても良い。
【0096】
この場合、図示はしないが、例えば、非接触センサとしてフォトインタラプタを用い、作動片の先端部に設けられた当接部を案内するガイドリブに、フォトインタラプタの発光素子と受光素子とを対面させた状態で配設すると共に、押圧レバーが押圧されると、作動片の当接部が発光素子と受光素子との間に配置されるようにし、受光素子には球排出装置を制御する制御スイッチを接続して、受光素子に光が到達しないと、制御スイッチが作動して、球抜き操作が行われるようにしても良い。但し、非接触センサによって制御スイッチを作動させることができれば良いため、これに限るものではない。
【0097】
また、本形態では、操作手段として、遊技盤枠に貫通穴を設け、この貫通穴にピン部材を挿通して押圧レバーを押圧したが、パチンコ機10の前面側から押圧レバーを操作することができれば良いため、これに限るものではなく、例えば、遊技盤枠に出没可能な突出部を設け、この突出部を押圧することで押圧レバーが押圧されるようにしても良い。
【0098】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、請求項1に記載の発明では、押圧レバー及び作動片を基体部から延出させることで、押圧レバー及び作動片を基体部と一体に設けることができ、また、操作手段によって操作された押圧レバーを、作動片によって復帰させることで、押圧レバーを復帰させる手段としてうず巻ばね等を用いた場合と比較して、部品点数を削減することができると共に、うず巻ばねを取り付ける手間が省けるため、作業工数も削減され、コストの軽減を図ることができる。また、ばねのへたりがないため、押圧レバーの復帰力のバラツキが小さい。
【0099】
請求項2に記載の発明では、押圧レバーが操作手段から受ける力の向きと作動片が移動する方向とを変えることで、制御スイッチの配設の自由度が増大する。このため、貫通穴と制御スイッチとを離間させた状態で配置することが可能となる。
【0100】
請求項3に記載の発明では、押圧された押圧レバーを弾性片によって元の位置に復帰させるようにすることで、押圧レバーを復帰させるための作動片の弾性力を軽減させることができる。このため、制御スイッチを押圧する押圧力を小さくすることができるので、制御スイッチに必要以上の負荷が掛からないようにすることができる。
【0101】
請求項4に記載の発明では、遊技盤枠又は裏セット本体に凹部を凹設することで、遊技盤枠又は裏セット本体に、別部品として、凹部を有する箱体などを設ける必要はないので、その分コストダウンを図ることができる。請求項5に記載の発明では、ガイドリブによって、作動片を制御スイッチへ向けて真直ぐに伸長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る球抜きユニットが用いられたパチンコ機の前面側を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る球抜きユニットが用いられたパチンコ機の背面側を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る球抜きユニットを示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る球抜きユニットを組み付けた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る球抜きユニットの押圧レバーが押圧されていない状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る球抜きユニットの押圧レバーが押圧された状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る球抜きユニットの変形例を示す分解斜視図である。
【図8】従来の球抜きユニットを示す正面図である。
【図9】従来の球抜きユニットを示す斜視図である。
【図10】従来の球抜きユニットの他の例を示す分解斜視図である。
【図11】従来の球抜きユニットの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 パチンコ機
12 裏セット本体
40 凹部(作動手段)
56 押圧部材(作動手段)
58 基体部(作動手段)
62 軸部(軸体、作動手段)
72 押圧レバー(作動手段)
74 弾性片
76 作動片(作動手段)
80 マイクロスイッチ(制御スイッチ)
82 ガイドリブ
88 遊技盤枠
90 貫通穴(操作手段)
92 ピン部材(操作手段)
94 裏セット本体
96 凹部(作動手段)

Claims (5)

  1. 遊技機内に貯留された遊技球を前記遊技機から排出させる球抜きユニットにおいて、
    遊技盤が設けられた遊技盤枠と、
    前記遊技盤枠に対して回動可能に軸支された裏セット本体と、
    を有する遊技機に用いられ、
    前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に配設され、遊技球の排出動作を制御する制御スイッチと、
    前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に配設され、前記制御スイッチを作動させる作動手段と、
    前記遊技盤枠の前面側から前記作動手段を操作する操作手段と、
    を有し、
    前記作動手段が、
    前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に設けられた凹部と、
    前記凹部内に収納された基体部と、
    前記基体部に突設され、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に対して揺動可能に軸支された軸体と、
    前記基体部から延出し、前記操作手段によって操作されると、軸体に回転モーメントを発生させる押圧レバーと、
    前記基体部から延出し、前記押圧レバーが回転すると、前記基体部の揺動によって前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に当接して弾性力が蓄積されると共に、前記制御スイッチを作動させる作動片と、
    で構成されたことを特徴とする球抜きユニット。
  2. 前記押圧レバーが、前記基体部から前記軸体と平行に延出し、前記作動片が、前記軸体を間に置いて前記押圧レバーの反対側に前記凹部からはみ出した状態で、押圧レバーが延出された方向に対して略直交する方向へ延出し、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に当接した状態で弾性力が蓄積されると共に伸長することを特徴とする請求項1に記載の球抜きユニット。
  3. 前記作動片に対向して前記基体部から延出し、前記凹部に当接して押圧レバーが回転した状態で弾性力が蓄積される弾性片を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の球抜きユニット。
  4. 前記凹部が、前記遊技盤枠又は前記裏セット本体に凹設されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の球抜きユニット。
  5. 前記作動片を前記制御スイッチへガイドするガイドリブを設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の球抜きユニット。
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