まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、図1、図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には上皿3がある。上皿3の下部には、上皿3に収容しきれない遊技球を貯留する下皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上方位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516が設けられている。プッシュボタン516は、プッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120によって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30によって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
このように、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は近接スイッチを用いて構成し、第1〜第3入賞確認スイッチ14b,15b,23aはフォトセンサを用いているが、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aの検出方式はこの実施例で示したものにかぎらず、例えば、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23と、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとで異なる検出方式であれば、逆に第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23としてフォトセンサを用い、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして近接スイッチを用いてもよい。この場合、フォトセンサである第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23の検出結果にもとづいて特別図柄の変動表示や賞球払出処理が実行され、近接スイッチである第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aの検出結果は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口の異常入賞の判定のみに用いられることになる。また、例えば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23または第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いてもよい。
また、この実施例では、特別図柄の変動表示や賞球払出処理の実行の契機となる第1,2始動口スイッチ14a,15aカウントスイッチ23は、異常入賞の判定に用いられる第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aよりも上流側に設けられていたが、異常入賞の判定に用いられるスイッチの下流側に設けてもよい。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ156はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25aを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1および図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLEDが設けられている。なお、賞球LED51および球切れLEDは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当り」または「非確変大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、特定遊技状態としての大当り状態(例えば、15ラウンド大当り状態など)に移行する。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球(賞球)が得られる。
「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば、100回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このような「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「確変大当り」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ120が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、主基板31は基板収納ケース1800に収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板910には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿4に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図17に示す始動口信号、図柄確定回数1信号、遊技機固有情報、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号、ドア開放信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、主基板31は、パチンコ遊技機1の背面における中央部側に設けられており、ターミナル基板160は、主基板31の上方近傍の位置であるパチンコ遊技機1の背面における上部側に設けられている。そして、ターミナル基板160は、主基板31に対して信号線ケーブル169を介して接続されている。
球タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れ検出スイッチ167が設けられている。球切れ検出スイッチ167が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて上皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て下皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ156(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ120)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ120にも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30からの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ120で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU121およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ120を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU121は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU121は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU121は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU121は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU121から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU121が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられ、該操作レバー600の前後左右方向の傾倒操作を検出するレバースイッチ510a〜510d、操作杆に設けられたトリガの操作を検出するトリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ120(演出制御用CPU121)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516aからの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ120(演出制御用CPU121)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ120(演出制御用CPU121)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
以下、本発明が適用されたパチンコ遊技機1の構造を、図4〜図16にもとづいて説明する。図4は、パチンコ遊技機を右斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図5は、パチンコ遊技機を開放した状態を示す斜視図である。尚、以下においては、パチンコ遊技機1を正面から見た場合の上下左右方向を基準として説明する。
図4及び図5に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。外枠100は、木製の板材からなる上板100a及び下板100dと、鉄製の板材からなる左右の側板100b,100cと、から構成され、上板100aの左右端部と左右の側板100b,100cの上端部及び下板100dの左右端部と左右の側板100b,100cの下端部とをL字金具100eにて連結することにより方形枠状に構成されている。尚、左右の側板100b,100cは鉄材にて構成されていたが、アルミ材等他の金属材にて構成してもよい。
左右の側板100b,100cは、縦長帯状の鉄板を左右幅方向の中央部を中心に左右側を後方に折り曲げて2重構造としており、外側の折曲片には、縦長凹部110aと横長凹部110bとが長手方向に向けて交互に形成されている。このように折曲げ加工による2重構造及びプレス加工による縦長凹部110a及び横長凹部110bの形成により剛性を持たせることで、上板100a,下板100dのような木製の板材と同等もしくはそれ以上の剛性を有するとともに、上板100a,下板100dよりも幅寸法が肉薄の側板100b,100cを構成することができる。
前面枠101は、外枠100の開口を閉塞する閉塞位置において、該前面枠101の背面の周縁部が外枠100の前端部に当接するように配置され、このときに背面から突出する部位や該背面に搭載される各種部品等は外枠100の内側に収容される。よって、上記ように左右の側板100b,100cの左右幅寸法を肉薄として外枠100の開口の左右幅寸法を極力長寸とすることで、前面枠101の背面から突出する部位や各種部品等が、開閉時や閉塞時において左右の側板100b,100cの内面と干渉することが防止される。
図4に示すように、上板100aの後端面において、前面枠101を閉鎖位置に配置したときに該前面枠101の背面上部に設けられる球タンク38に対応する箇所に、球タンク38の上面開口の前端部を上方に臨ませるための切欠部111が形成されている。これにより球タンク38を極力前方に配置することができるため、球タンク38が背面側に大きく突出してパチンコ遊技機1の前後幅寸法が大となることが防止される。また、外枠100の下部前面には合成樹脂材からなる横長の化粧パネル112が取り付けられている。
上板100aの左端部と左の側板100bの上端部とを連結するL字金具100eの前端からは、前面枠101の左側辺上部を枢支する縦断面L字形の枢支片100fが前方に向けて延設されている。また、左の側板100bの下部所定箇所からは、前面枠101の左側辺下部を枢支する枢支片100gが前方に向けて延設されている。
図5に示すように、前面枠101は、中央に縦長長方形状の開口部115が形成されており、開口部115の左側上下部には係止凹部116a,116bが設けられ、右側上下部には後述する盤押え具118a,118bが設けられており、遊技盤6の左端部を図中太矢印に示すように係止凹部116a,116bに差し込んだ状態で右端部を盤押え具118a,118bで係止することにより該遊技盤6が前面に取り付けられるようになっている。係止凹部116a,116bには後述する盤押えバネ119a,119bが設けられており、係止凹部116a,116bに係止された遊技盤6の前後のガタツキが防止される。
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成されたベニヤ合板からなり、その背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット49等が一体的に取り付けられている。そして、遊技盤6と変動表示制御ユニット49とが一体的に組み付けられた遊技盤ユニットを前面枠101の前面に取り付ける際には、遊技盤6の背面に設けられた変動表示制御ユニット49を、開口部115を介して前面枠101の背面側に臨ませることができるようになっている。
尚、本実施例の遊技盤6は、ベニヤ合板等の木材にて構成されていたが、合成樹脂製の盤面板とスペーサ部材とから構成されていてもよい。
また、遊技盤6の背面におけるアウト口26の形成位置には、下面側に開口するアウト口カバー26aが該アウト口26を背面側から覆うように取り付けられており、遊技盤6の前面側からアウト口26を通過して背面側に誘導された遊技球を下向きに落下させるようになっている。
次に、前面枠101の前面の構成について、図6〜図9にもとづいて説明する。図6は、前面枠を示す正面図である。図7は、前面枠の前面の構成を示す分解斜視図である。図8は、同じく前面枠の前面の構成を示す分解斜視図である。図9は、(a)は球ストッパーユニットの構成を示す分解斜視図、(b)は返却通路ユニットを示す斜視図である。
前面枠101は、合成樹脂材により中央に開口部115を有する四角枠状に構成されている。前面枠101の左上角部には、内蝶番上650がネジ650aにより前面側から固着され、左下角部には、内蝶番下651がネジ651aにより背面側から固着されている。内蝶番上650から前方に突出する突出片の先端下面には軸ピン650b(図6参照)が下方に向けて突設され、内蝶番下651から前方に突出する突出片の先端上面には軸穴651bが形成されており、軸ピン650bを外枠100の枢支片100fに上方から枢支するとともに、軸穴651bを外枠100の枢支片100gに上方から枢支することにより、外枠100に対して前面枠101がこれら軸ピン650b及び軸穴651bを中心に回転可能に枢支されるようになっている。
前面枠101の前面左側辺には、横断面略コ字形をなす棒状の補強板金652がネジ652aにより取り付けられている。補強板金652の上部には、ガラス扉枠102の上部を軸支するヒンジ板金上653がネジ653aにより取り付けられ、補強板金652における開口部115の下部付近には、ガラス扉枠102の下部及び下扉枠103の上部を軸支するヒンジ板金中654がネジ654aにより取り付けられ、補強板金652の下部には、下扉枠103の下部を軸支する軸ピン655bが上向きに突設されたヒンジ板金下655がネジ655aにより取り付けられている。これらヒンジ板金上653、ヒンジ板金中654、ヒンジ板金下655は補強板金652に一部が重なるように取り付けられている。尚、ヒンジ板金上653の前面には前面枠101の背面側から取り付けられるネジ656aにより軸カバー上656が取り付けられ、ヒンジ板金下655には軸カバー下657がネジ657aにより該ヒンジ板金下655の下方から取り付けられる。
前面枠101にガラス扉枠102を軸支するには、ヒンジ板金中654の軸ピン654bにガラス扉枠102の下部の軸穴(図示略)を挿通した状態で、ガラス扉枠102の上部の軸ピン(図示略)をヒンジ板金上653のガイド溝660に挿通すればよい。また、前面枠101に下扉枠103を軸支するには、ヒンジ板金下655の軸ピン655bに下扉枠103の下部の軸穴(図示略)を挿通した状態で、下扉枠103の上部の軸ピン(図示略)をヒンジ板金中654の軸支凹部(図示略)に挿入すればよい。
前面枠101の下辺部には、下扉枠103を係止する係止穴685a,685b及び挿通穴685cが形成された補強板金下680がネジ680aにより取り付けられているとともに、右辺部には、補強板金右681がネジ681aにより取り付けられている。また、開口部115の下辺部には、補強板金中682がネジ682aにより取り付けられているとともに、その右側には、下扉枠103を係止する係止穴684が形成されたロック板中683がネジ683aにより取り付けられている。ロック板中683の右側には、前面枠101に形成された下扉枠103を係止する係止穴686の前面開口の右側を閉鎖するように上皿ロック板687がネジ687aにより取り付けられている。
開口部115の左側上部に形成された係止凹部116aには、盤押えバネ119aがネジ119cにより取り付けられ、開口部115の左側下部に形成された係止凹部116bには、盤押えバネ119bがネジ119dにより取り付けられている。また、開口部115の右側上部には盤押え具118aがネジ118cにより取り付けられ、開口部115の右側下部には盤押え具118bがネジ118cにより取り付けられている。尚、盤押え具118a,118bは、ロック解除状態において前面側を向く図示しない押え片に遊技盤6の背面を当接させたまま後方に向けて押圧することにより、図示しないロック片が遊技盤6の前面に係止され、押え片とロック片とが遊技盤6の周縁を前後から挟持することによりロック状態となって遊技盤6が固定され、図示しない操作片を手前側に引っ張ることによりロック状態を解除することで遊技盤6を前面側に取り外すことができるようになっている。尚、盤押え具118a,118bのロックを解除した状態では、ガラス扉枠102を前面枠101の前面を閉塞する閉塞位置に配置することができないようになっている。
図6及び図8に示すように、前面枠101の前面における開口部115の左側下部には、前面枠101の背面に設けられる球払出装置97から払い出される遊技球を前面枠101の前面側に払い出すための払出連絡口700が形成されている。払出連絡口700の下方には、下扉枠103を開放したときにおける該払出連絡口700からの遊技球の落下を防止するための球ストッパー701が設けられている。
図9(a)に示すように、球ストッパー701は、該球ストッパー701の前面を覆うように前面枠101に取り付けられるストッパーベース702に対して上下方向に移動自在に設けられている。また、ストッパーベース702の左側には、正面視略くの字形をなすストッパーリンク703が、軸ピン703aを介して揺動自在に設けられている。
ストッパーリンク703は、上端部に球ストッパー701に係止される係止部703bが形成されているとともに、下端部に接触部703cが形成されている。また、ストッパーベース702に対し図示しないコイルバネにより上方に付勢されており、下扉枠103が開放された状態において球ストッパー701を払出連絡口700の前面に配置させて払出連絡口700からの遊技球の落下を防止する。そして、下扉枠103が閉塞位置に位置したときに、該下扉枠103の背面に突設された後述するストッパー押下部(図示略)に形成された傾斜面により接触部703cが接触し、コイルバネの付勢力に抗して正面視時計回りに押し下げられることで、球ストッパー701を払出連絡口700の前面から退避させて、払出連絡口700から上皿3に遊技球を流下可能とする。
前面枠101の前面右側下部には、上皿3に待機している遊技球を遊技領域7に向けて打ち出す打球ハンマ722を含む打球発射装置としての打球モータセット706がネジ706aにより取り付けられるとともに、打球モータセット706により遊技球を打ち出す操作を行うためのハンドル5及びスピーカ27を含むハンドルユニット707がネジ707aにより取り付けられている。
ハンドルユニット707の左側には、打球モータセット706により打ち出されたものの、遊技領域7まで到達せずに戻ってきたファール球と、球払出装置97から払い出された賞球のうち上皿3が満杯で溢れた溢れ球と、を下皿4に返却するための返却通路を構成する返却通路カバー710がネジ710aにより前面側から取り付けられている。
図9(b)に示すように、返却通路カバー710は、前面枠101(枠体)の前面に取り付けられることで、該前面枠101の前面と返却通路カバー710とにより、下方に向けて左右に蛇行する返却通路782(誘導通路)(図中矢印で示す部分)を構成する。上部には、ファール球受入口711が形成されているとともに、前面下部には、返却通路内を流下した遊技球を排出する返却連絡口712(排出口)が形成されている。尚、下扉枠103(開閉扉)側には、返却連絡口712から排出された遊技球を受け入れて下皿4に導入する導入連絡口730が形成されている(図1及び図12参照)。
本実施例のパチンコ遊技機1では、下皿4に遊技球が満杯になると、返却通路782まで遊技球が詰まってしまう場合がある。このように下皿4から返却通路782まで遊技球が詰まった状態において、パチンコ店の従業員等の作業者が下扉枠103を開放してメンテナンス等を行うことがある。具体的には、例えば、操作レバー600及びプッシュボタン516のメンテナンスや、打球発射装置及びこの打球発射装置の操作を行うためのハンドル5のメンテナンスや、後述する整流器200のメンテナンス等、これら装置類の不具合を解消する際において作業者が下扉枠103を開放することがある。
このように下扉枠103を開放した際に、遊技球が返却連絡口712からこぼれ落ちることを防止するために、返却通路カバー710の背面には、返却連絡口712を開閉可能とするシャッタ713a(排出規制部)を有するシャッタ部材713と、シャッタ部材713を操作可能とする操作部材714(被押圧部)と、からなるシャッタユニットが返却連絡口712の左側に配設されている。尚、返却通路カバー710とシャッタユニットとで返却通路ユニットを構成する。
次に、返却通路ユニットの構造について、図10〜図14にもとづいて説明する。図10は、(a)はシャッタ部材が開放された状態の返却通路ユニットを示す斜視図、(b)はシャッタ部材が閉塞された状態の返却通路ユニットを示す斜視図である。図11は、(a)はシャッタ部材が開放された状態の返却通路ユニットを示す正面図、(b)はシャッタ部材が閉塞された状態の返却通路ユニットを示す正面図である。図12は、(a)はシャッタ部材が開放された状態の返却通路ユニットを示す横断平面図、(b)はシャッタ部材が閉塞された状態の返却通路ユニットを示す横断平面図である。図13は、(a)は操作部材が所定量押圧された状態の返却通路ユニットを示す正面図、(b)は操作部材が所定量押圧された状態の返却通路ユニットを示す横断平面図である。図14は、(a)はシャッタ部材及び操作部材を示す正面図、(b)はシャッタ部材及び操作部材を示す背面図、(c)はシャッタ部材及び操作部材を示す縦断側面図である。
図10に示すように、返却通路カバー710における返却連絡口712の左側近傍には、シャッタ部材713を保持する保持部717が形成されている。この保持部717は、縦断側面視で略コ字状に前方側に突出するように形成されている。また、図12に示すように、前面枠101には、返却通路カバー710の保持部717に対応する位置に、シャッタ部材713を配置する配置部719が形成されている。シャッタ部材713は、返却通路カバー710の保持部717及び前面枠101の配置部719の間に収納される略箱状の箱部713bを有している。尚、図14(c)に示すように、このシャッタ部材713の箱部713bは、縦断側面視で前方側が開口する略コ字形状をなしており、この箱部713bに前方側から操作部材714が出入りするようになっている。
図12に示すように、シャッタ部材713は、返却通路カバー710の背面側で保持部717に保持された状態で左右方向にスライド移動可能に配設され、シャッタ部材713の左側に配設されたコイルバネ731により返却連絡口712側に付勢されている。また、コイルバネ731の右端は、シャッタ部材713の箱部713bの左側面に設けられたバネ取付凸部713cに取り付けられるとともに、コイルバネ731の左端は、返却通路カバー710に設けられたバネ取付凸部710bに取り付けられる。
また、図14(a)及び図14(b)に示すように、シャッタ部材713には、箱部713bの前端縁から上方に延びる上部板状部713dと下方に延びる下部板状部713eとが設けられている。尚、上部板状部713dには、左右方向に延びる被案内孔713fが形成されている。そして、この被案内孔713fには、返却通路カバー710の背面側に突出された案内凸部710cが配置されるようになっている。更に、下部板状部713eには、その下端縁の左右2箇所に被案内凸片713gが形成されている。尚、返却通路カバー710の保持部717の下部には、左右方向に延びる2つの案内溝717aが左右に並んで形成されており(図9(b)参照)、シャッタ部材713の2つの被案内凸片713gがそれぞれ案内溝717aに保持される。
また、シャッタ部材713が左右方向にスライド移動する際には、シャッタ部材713が案内凸部710c及び案内溝717aによって案内されるようになっている。尚、シャッタ部材713の左右方向の移動範囲は、案内溝717aの左右寸法によって規制されており、シャッタ部材713の被案内凸片713gが案内溝717aの左右端縁に係止されることで、シャッタ部材713の移動が停止されるようになっている。
図10及び図12に示すように、返却通路カバー710の保持部717の一部は、前方に突出された段状に形成されており、返却通路カバー710の前面(返却通路782の前面)と面一をなす前面部717bが設けられている。更に、この前面部717bと同一位置まで前端が突出されて操作部材714が枢支される略矩形状の突出部717cが設けられている。そして、保持部717における前面部717b及び突出部717cに亘って操作部材714が露呈される横長長方形状の操作開口716が形成されている。
また、図9(b)に示すように、操作部材714は、平面視で略扇形状をなし、この操作部材714の前端部を貫通する上下方向を向く軸部材715が設けられている。そして、この軸部材715の上下端部が突出部717cに枢支されることで(図14(c)参照)、操作部材714が水平揺動可能に設けられる。そして、操作部材714の後面側は湾曲された形状となっており、シャッタ部材713の箱部713b内で操作部材714が自在に揺動される。更に、操作部材714の後端左側には、その上下両面に係止凸部714aが突設されているとともに、シャッタ部材713の箱部713bの上下面には、操作部材714の係止凸部714aが係止される前後方向に延びる係止孔713hが形成されている。
また、図14(a)及び図14(b)に示すように、シャッタ部材713の返却連絡口712側には、返却連絡口712を開閉可能とするシャッタ713aが延設されている。更に、このシャッタ713aは、側面視で略L字形状をなし(図9(b)参照)、返却連絡口712にて複数の遊技球を正面側及び上面側から覆うようになっている。尚、シャッタ713aは、その先端(右側端部)に向けて肉薄に形成されており(図12参照)、後述するように、返却連絡口712を閉鎖する際に、この返却連絡口712に複数の遊技球が連なっていても、シャッタ713aを差し込むことができる。
図10(a)、図11(a)、及び図12(a)に示すように、下扉枠103の背面、つまり、前面枠101との対向面には、操作部材714を押圧する押圧片718(押圧部)が背面側に向かって突設されている。また、操作部材714には、押圧片718により押圧される被押圧面714b(被押圧部)が設けられている。また、操作部材714は、押圧片718から係止凸部714aの近傍部位まで延び、操作部材714を補強する補強部714cを有している。また、下扉枠103は、図12において左側を中心軸として揺動されて開閉動作がなされるようになっている。そして、押圧片718は、横断平面視で先端に向けて窄まる先細り形状をなし、押圧片718の右側面の傾斜が大きくなっており、下扉枠103の閉鎖動作に伴って押圧片718が返却通路カバー710の操作開口716からシャッタ部材713の箱部713b内に挿入し易い形状となっている。
下扉枠103が閉鎖されたときには、押圧片718が前方から操作部材714の被押圧面714bに当接し、さらに押圧片718が操作開口716内に入り込み、この被押圧面714bが押圧片718によって後方側(奥側)に向かって押圧されることにより、操作部材714が平面視で反時計回りに揺動される。そして、操作部材714の揺動に伴って、係止凸部714aの位置が左方向(返却連絡口712から離れる方向)に移動し、シャッタ部材713が左方向にスライド移動され、非規制位置に位置する。この状態において、返却連絡口712が開放され、返却連絡口712から排出された遊技球が導入連絡口730に向かって流下可能となる。
図10(b)、図11(b)及び図12(b)に示すように、下扉枠103が開放されたときは、押圧片718が操作開口716から抜け出され、最終的に操作部材714から離れるとともに、コイルバネ731の付勢力によりシャッタ部材713が返却連絡口712側に移動し、操作部材714が軸部材715を中心軸として時計回りに揺動される。そして、シャッタ部材713が右方向(返却連絡口712に向かう方向)にスライド移動され、規制位置に位置してシャッタ713aが返却連絡口712を閉鎖する。このとき、操作部材714の一部が操作開口716から前方側(外方側)に突出された状態で、操作部材714の揺動及びシャッタ部材713のスライド移動が停止される。
尚、下扉枠103の開放により、返却連絡口712と導入連絡口730との間に遊技球が落下可能な隙間が形成される前に、シャッタ713aが返却連絡口712を閉鎖する規制位置まで移動するようにすることが好ましい。
また、この下扉枠103が開放された状態では、操作部材714の被押圧面714bが正面側を向いている。より詳しくは、操作部材714の被押圧面714bは、正面側から若干左方向に向いており、前面枠101の左側辺に枢支された下扉枠103の閉鎖動作に伴って、左前側から円弧軌道を描いて向かってくる押圧片718が、被押圧面714bを押圧し易くなっている。更に尚、操作部材714の揺動量とシャッタ部材713の移動量は比例しており、操作部材714の一部が操作開口716から突出した位置から操作部材714の揺動が開始されることで、操作部材714の揺動量を大きく確保することができる。その結果、シャッタ部材713の移動量も大きく確保することができ、特に、シャッタ部材713及び操作部材714の前後幅寸法を抑えつつ、シャッタ部材713の左右方向の移動距離を長く確保でき、返却連絡口712の開口を大きく形成できる。
また、図12(a)に示すように、シャッタ713aが返却連絡口712を開放した状態では、返却連絡口712の開口寸法L1は、約25mm程度となっており、遊技球の直径D(約11mm)よりも大きく形成され、約2個の遊技球が同時に通過できる程度の開口寸法となっている。尚、この状態におけるシャッタ部材713の位置が本実施例における非規制位置となっている。
また、図12(b)に示すように、シャッタ713aが返却連絡口712を閉鎖した状態では、返却連絡口712の開口寸法L2は、遊技球の直径Dよりも小さくなり、遊技球が返却連絡口712を通過できないようになる。尚、この状態におけるシャッタ部材713の位置が本実施例における規制位置となっている。尚、本実施例では、シャッタ713aが返却連絡口712を閉鎖した状態であっても、若干の開口寸法L2が生じるが、シャッタ713aの先端を返却連絡口712の内周面に接触させて間隙が全く生じないように閉鎖してもよい。
図13(a)及び図13(b)に示すように、下扉枠103が開放された状態において、例えば、遊技場の店員等、通路内の球詰まりの解除や点検作業を行う作業者の手指等が不用意に操作部材714の被押圧面714bに接触してしまう場合がある。このような場合に、操作開口716が突出部717cの前端及び前面部717bによって囲まれていることで、作業者の手指等における被押圧面714bに接触している周囲の部位が、突出部717cの前端または前面部717bに接触するので、操作部材714が深く押し込まれないようになっている。
すなわち、本実施例の操作開口716は、図13(b)中に2点鎖線で示す手から分かるように、指先を差し込むことは可能であるが、手全体を差し込むことはできない大きさに形成されている。そのため、指を意図的に操作開口716に差し込んで被押圧面714bを深く押すことは可能であるが、突出部717cの前端及び前面部717bから突出している被押圧面714bに不用意に接触する場合、操作開口716の周囲の突出部717cの前端及び前面部717bに指以外の部位(例えば、手のひらや手の甲)などが接触することで指だけが操作開口716に深く押し込まれることが阻止され、これにより操作部材714の被押圧面714bが突出部717cの前端及び前面部717bよりも後方側(奥側)に押圧されることが防止される。尚、本実施例では、操作開口716を囲む突出部717cの前端及び前面部717bによって、本発明の押圧阻止部が構成されている。
また、本実施例では、作業者が被押圧面714bを深く押すことで返却通路782内の遊技球を意図的に抜くことが可能であるため、例えば、返却通路782内にて発生した球詰まりを解消したり、通路内のメンテナンス等を行うことができる。
尚、この状態では、操作部材714が揺動されてシャッタ部材713が左方向(返却連絡口712から離れる方向)に若干移動されるようになっているが、本実施例のシャッタ部材713は、操作部材714の被押圧面714bが突出部717cの前端及び前面部717bと略同位置まで押し込まれても、返却連絡口712に生じる開口寸法L3が、遊技球の直径Dよりも小さくなるように構成されている。そのため、遊技球が返却連絡口712からこぼれ落ちることを防止できる。尚、この状態におけるシャッタ部材713の位置は、前述した規制位置と非規制位置との中間位置にあり、遊技球の排出を規制する本実施例における中間規制位置となっている。
上記のように返却通路782に遊技球が詰まる状況としては、例えば、大当りなどが発生して、上皿3から溢れた溢れ球により下皿4が満杯になって返却通路782まで球が詰まるといった状況が考えられる。また、このような状況で下扉枠103を開放する必要が生じる場合としては、例えば、返却通路782や払出通路795で球詰まりが発生することや、下扉枠103や前面枠101の内部で何らかの支障が生じた場合、あるいは、開発や製造時において点検等を行う場合などが考えられる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、下扉枠103(開閉扉)が開放されているときに、押圧片718(押圧部)以外の対象物、例えば、作業者の手指等が操作部材714(被押圧部)に接触しても、手指の他の部位が操作部材714の周囲にある突出部717cの前端及び前面部717b(押圧阻止部)に当接することにより操作部材714が奥側まで押し込まれることが阻止され、これによりシャッタ713a(排出規制部)が非規制位置まで変位することが防止されるので、遊技球(遊技媒体)が返却連絡口712(排出口)からこぼれ落ちないようにすることができる。
また、本実施例では、軸部材715を中心とする操作部材714における図12(b)に示すシャッタ閉となる位置と図12(a)に示すシャッタ開の状態となる位置との間の揺動範囲において、シャッタ713aが操作部材714に連動してスライド移動するようにシャッタ713aと操作部材714との連係に遊びを持たせていない。よって、押圧片718による最小限の押圧ストロークでシャッタ713aを効率よく移動させることができるので、押圧片718を大きく突出させる必要がない。
このようなものにおいて、操作部材714(被押圧部)が突出部717cの前端及び前面部717b(押圧阻止部)と同位置まで押し込まれても、シャッタ713a(排出規制部)は中間規制位置まで移動するものの、非規制位置まで移動して返却連絡口712(排出口)が開放されることがないため、遊技球(遊技媒体)が返却連絡口712からこぼれ落ちることを防止できる。
尚、中間規制位置とは、非規制位置と規制位置との間の範囲であれば任意の位置であり、非規制位置から規制位置までの移動距離の中間位置に限定されるものではない。
また、本実施例では、この下扉枠103が開放された状態では、操作部材714の被押圧面714bは、正面側から若干左方向に向いており、作業者の手指等が操作部材714の被押圧面714bに左側から接触された場合には、操作部材714が反時計回りに揺動してシャッタ部材713が動作されてしまうようになっているが、作業者の手指等が操作部材714の被押圧面714bに右側から接触された場合には、操作部材714が時計回りに揺動するようになっており、シャッタ部材713に対して影響を与えないようになっている。そして、前述したように、下扉枠103は、左側を中心軸として揺動されて開閉動作がなされるため(図12参照)、下扉枠103は右側が大きく開放されるようになっており、作業者の手指等は右側から進入するようになっているとともに、操作部材714は、下扉枠103と同様に、被押圧面714bの左側が軸部材715により軸支されている。その結果、作業者の手指等が操作部材714の被押圧面714bに左側から接触される可能性は低く、かつ右側から接触される可能性は高くなっている。このように、操作部材714の被押圧面714bを正面側から若干左方向に向くように構成することで、返却連絡口712からこぼれ落ちる可能性を低くすることができる。
また、本実施例では、下扉枠103に遊技球を返却する下皿4が設けられ、この下皿4に返却するための返却連絡口712にシャッタ部材713が設けられる構成となっているが、下扉枠103に下皿4が設けられていないパチンコ遊技機1に本発明を適用してもよく、返却連絡口712を通過した遊技球が下扉枠103から直接外部に流下して球貯留箱(いわゆるドル箱)に遊技球が排出されるものであってもよい。
また、本実施例では、遊技領域7まで到達せずに戻ってきたファール球と、球払出装置97から払い出された賞球のうち上皿3が満杯で溢れた溢れ球と、を下皿4に返却する返却通路782に設けられた返却連絡口712にシャッタ部材713が設けられる構成となっているが、その他の連絡通路に本発明を適用してもよく、例えば、賞球に応じて球払出装置97から払い出された払出球が流入する払出通路795に、球ストッパー701に替えてシャッタ部材を設け、このシャッタ部材に本発明を適用してもよい。
また、本実施例では、遊技領域7まで到達せずに戻ってきたファール球と、球払出装置97から払い出された賞球のうち上皿3が満杯で溢れた溢れ球と、を下皿4に返却するための返却通路782を構成する返却通路カバー710等の部材が前面枠101に設けられていることで、下扉枠103側に返却通路782を設けなくて済むため、下扉枠103の構成が簡素化され、前後幅寸法等を肉薄とすることができるようになっているが、これらの部材が下扉枠103側に設けられていてもよい。
また、本実施例では、開閉扉の一例として下扉枠103を記載したが、下扉枠103以外の開閉扉を適用してもよい。
また、本実施例では、操作開口716を囲む突出部717cの前端及び前面部717bによって、本発明の押圧阻止部が構成されているが、本発明の押圧阻止部の形状等は、突出部717cの前端及び前面部717bに限定されるものではなく、例えば、操作部材714を囲むように複数の棒状の突起を設け、この突起により作業者の手指等が不用意に操作部材714に接触してしまうことを阻止するようにしてもよいし、フレーム状の部材を操作部材714の周囲に配置して、作業者の手指等が不用意に操作部材714に接触してしまうことを阻止するようにしてもよい。
また、本実施例では、操作部材714の被押圧面714bが突出部717cの前端及び前面部717bと略同位置まで押し込まれた場合に、操作部材714が揺動されてシャッタ部材713が左方向(返却連絡口712から離れる方向)に移動され、返却連絡口712の開口寸法L3が形成されるようになっているが、シャッタ部材713の係止孔713hの左右幅を広く形成し、この係止孔713hと操作部材714の係止凸部714aとの間に遊び(間隙)を設け、操作部材714の被押圧面714bが、突出部717cの前端及び前面部717bと略同位置まで押し込まれた場合であっても、シャッタ部材713が全く動かずに、操作部材714の被押圧面714bが、突出部717cの前端及び前面部717bと略同位置よりも押し込まれた場合に、シャッタ部材713が動き出す構成であってもよい。
また、本実施例では、操作部材714が水平揺動可能に設けられ、シャッタ部材713が左右方向のスライド移動可能に設けられているが、操作部材714とシャッタ部材713の動作態様はこれに限ることなく、例えば、操作部材を前後方向に直線移動するようにして、シャッタ部材に操作部材が接触する楔状の傾斜面を設け、操作部材の直線移動に伴ってシャッタ部材がスライド移動する構成としてもよいし、操作部材を前後方向に直線移動するようにして、この操作部材に接触されるシャッタ部材が揺動動作を行うようにしてもよい。
また、シャッタ部材713は、操作部材714の動作に応じて左右方向にスライド移動可能に設けられていたが、上下方向に移動可能に設けられていてもよい。あるいは、導入連絡口730の一側辺を中心として回動可能に設けた扉部材としてもよい。
また、本実施例では、前面枠101に返却連絡口712が設けられ、この返却連絡口712から遊技球がこぼれ落ちることを阻止するためのシャッタ部材713が設けられているが、下扉枠103側に遊技球がこぼれ落ちる可能性がある排出口がある場合には、この下扉枠103側の排出口にシャッタ部材を設けるようにしてもよい。
また、本実施例では、操作部材714は、平面視で略扇形状をなしているが、操作部材714の形状は略扇形状に限ることなく、操作部材が平面視で三角形状や円形状をなしていてもよいし、操作部材が真っ直ぐな棒状部材であってもよいし、湾曲した棒部材であってもよい。
また、本実施例では、下扉枠103が開放される状態では、操作部材714の一部が操作開口716から前方側(外方側)に突出される態様となっているが、仮に、下扉枠103が開放される状態においても、操作部材714を操作開口716が突出しない態様とすれば、作業者の手指等が不用意に操作部材714に接触してしまうことを防止できる。しかしながら、その場合には、下扉枠103側の押圧片718(押圧部)を長く形成しなければならず、この押圧片718が作業者に触れて破損してしまう可能性があったり、下扉枠103を揺動させて開閉する際に、押圧片718と操作部材714との位置合わせがし難くなり、押圧片718が当たるように操作部材714の左右幅寸法を大きく形成しなければならなくなったりする。あるいは、操作部材714及びシャッタ部材713の動作量が小さくなってしまうため、非規制位置において導入連絡口730の開口を大きくすることが困難となる、といった新たな課題が発生してしまう虞がある。そこで、本実施例のように、操作部材714の一部が操作開口716から前方側(外方側)に突出される態様にすることで、押圧片718及び操作部材714を小型化でき、かつ破損等も防止できるようになる。
次に、遊技球の流れについて、図15及び図16に基づいて説明する。図15は、前面枠の背面側における遊技球の流れを示す概略説明図である。図16は、前面枠の前面側における遊技球の流れを示す概略説明図である。
図示しない遊技機設置島から球タンク38に供給された、賞球に応じて球払出装置97から払い出された払出球は、満タン経路ユニット763の払出通路795に流入する。払出通路795を流下した遊技球は、払出連絡口797b,700を介して上皿3に払い出される。
また、上皿3が満杯になり払出通路795の屈曲部まで球詰まり状態になると、後続の払出球は、屈曲部にて溢れて溢れ球通路796に流入し、溢れ球連絡口797cから流出し、溢れ球通路781上に落下される。溢れ球通路781上に落下した溢れ球は、溢れ球口780を介して前面枠101の前面側に誘導された後、返却通路782を流下して、返却連絡口712から流出して下皿4に流出される。
上皿3に払い出された払出球は、上皿3から後述する整流器200に送り出される。整流器200は、発射装置の発射動作に連動して遊技球を1球ずつ発射装置の発射レール720に供給する。
発射レール720に供給された遊技球は、打球ハンマ722により遊技領域7に向けて打ち出される。打ち出された発射球のうち、勢いが弱く遊技領域7に到達せずに戻ってきた戻り球は、ファール球受入口711から返却通路782に流入し、溢れ球と同様に下皿4に返却される。
遊技領域7に打ち出された遊技球のうち、大入賞口、始動入賞口13,14に入賞した入賞球及びいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口26に流入したアウト球は、遊技盤6の背面側に誘導された後、第2受入口764bに落下し、排出経路765を流下した後、排出口768から図示しない遊技機設置島の回収樋に排出される。
一方、遊技領域7に打ち出された遊技球のうち入賞口29a〜29dに入賞した普通入賞球は、遊技盤6の背面側に誘導された後、第1受入口764aに落下し、普通入賞経路764を流下する途中で入賞口スイッチ30により検出される。そして、排出経路765に合流し、排出口768から図示しない遊技機設置島の回収樋に排出される。
次に、ターミナル基板160及びターミナル基板160が設けられるカバー扉302について図17から図24を参照して詳述する。
図20〜図22に示すように、このターミナル基板160は、背面視で四角形状をなす板状をなす基板部材161を有しており、この基板部材161の背面には、主基板31(情報出力回路64(図2参照))等と繋がる信号線ケーブル169が着脱されるケーブル接続部162と、ホールコンピュータ等の外部装置に繋がる出力線(図示略)を接続するための複数の接続孔部164が設けられた実装部材163と、が実装されている。
また、ターミナル基板160の実装部材163は、背面視で横長の長方形状をなす箱状をなしており、その背面に複数の接続孔部164が左右方向に並んで配置されている。尚、複数の接続孔部164は、実装部材163の中央部に上下2列となって配置されており、それぞれの接続孔部164は、後述する各種信号に対応した出力信号を出力するようになっている。尚、実装部材163の内部構造の図示は省略するが、この実装部材163の内部における各接続孔部164に対応する位置には、各出力線の先端を挟持するための接続ピンチ(図示略)が設けられている。この接続ピンチを閉じる方向、即ち出力線の先端を挟持する方向に付勢するためのバネ(図示略)が設けられている。そして、実装部材163には、バネ(図示略)の付勢力に抗して接続ピンチ(図示略)を開放させる操作部165が設けられている。
この操作部165は、各接続孔部164に対応して複数設けられている。各操作部165は、側面視で略鉤状をなし、上方側の接続孔部164に対応する操作部165は背面側に向けて上方向(突出方向)に突出され、下方側の接続孔部164に対応する操作部165は背面側に向けて下方向(突出方向)に突出される。尚、上下の操作部165の列の間に、接続孔部164の列が配置されている。
また、各操作部165は、その基端側を揺動軸として前後方向に揺動される。前述の接続ピンチ(図示略)を開放させる際には、操作部165を背面側から前方に向かって押圧操作をすることで、操作部165が揺動され、接続ピンチ(図示略)を開放される。そして、接続ピンチが開放された状態で接続孔部164に出力線の先端を挿入し、操作部165の押圧操作をやめると、バネ(図示略)の付勢力によって接続ピンチが閉じるようになり、出力線が保持されるようになる。
尚、左右方向に並んだ各操作部165は、所定の操作部165を押圧操作する際に、隣り合う操作部165が押圧操作の邪魔にならないように、左右方向に交互に異なる形状となっている。具体的には、長寸の操作部165と短寸の操作部165とが交互に配置され、長寸の操作部165と短寸の操作部165とは、その突出する角度が若干異なっている。図22に示すように、長寸の操作部165は、上下方向に延びているとともに、短寸の操作部165は、若干後方に傾くように上下方向に延びている。尚、ターミナル基板160において、短寸の操作部165が最も背面側に突出された部位となっている。
図17は、ターミナル基板160に出力される各種信号を示すブロック図である。図17に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ156からターミナル基板160に対して、始動口信号、図柄確定回数1信号、遊技機固有情報、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、およびセキュリティ信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ156側の情報出力処理によって出力される。また、この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ37aから、主基板31を経由して、ターミナル基板160に対して、賞球信号1および遊技機エラー状態信号が、払出制御用マイクロコンピュータ37a側の情報出力処理によって出力される。
さらに、この実施の形態では、ガラス扉枠102が前面枠101に対して開放された場合、または、前面枠101が外枠100に対して開放された場合に出力されるドア開放信号が、ドア開放スイッチ401からバックアップ電源回路402を経由した後、直接にターミナル基板160に対して出力される。尚、バックアップ電源回路402を経由することで、営業時間外などのパチンコ遊技機1に電力が供給されていない状態であっても、ガラス扉枠102または前面枠101の開放を検出できるとともに、開放を検出したときにはドア開放信号を出力できるようになっている。
尚、本実施例では、ドア開放信号がドア開放スイッチ401からバックアップ電源回路402を経由してターミナル基板160に出力されるようになっていたが、バックアップ電源回路402を経由せずに、ドア開放スイッチ401から直接ターミナル基板160に対してドア開放信号が出力されるようにしてもよい。更に、ドア開放信号は、ドア開放スイッチ401から主基板31もしくは払出制御基板37のいずれか一方または両方を経由してターミナル基板160に出力されるようにしてもよい。
尚、払出制御用マイクロコンピュータ37aから出力される賞球信号1および遊技機エラー状態信号や、ドア開放スイッチ401から出力されるドア開放信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ156を介してターミナル基板160に対して出力されるようにしてもよい。
また、ドア開放スイッチ401は、前面枠101の背面における開口部115の右側上部に設けられたドア開放検出ユニット400に設けられており(図18参照)、ガラス扉枠102が前面枠101に対して開放された場合、または、前面枠101自体が外枠100に対して開放された場合に、ドア開放信号を出力するようになっている。
始動口信号は、始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号である。図柄確定回数1信号は、特別図柄の変動回数を通知するための信号である。遊技機固有情報は、パチンコ遊技機1の各製品ごとに、あるいは、遊技制御用マイクロコンピュータ156の各チップごとに、予め個別に付与されたチップ個別ナンバ等を含む情報である。大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号である。大当り2信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)で、または特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。大当り3信号は、15ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号である。時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号である。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。具体的には、始動口スイッチ14aの検出結果と入賞確認スイッチ14bの検出結果とにもとづいて、始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。
尚、セキュリティ信号として外部出力される信号は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、始動入賞口14への異常入賞にかぎらず、入賞口29a〜29dへの異常入賞を検出して、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた磁石センサで異常磁気を検出した場合や、遊技機に設けられた電波センサで異常電波を検出した場合に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。また、例えば、遊技機に設けられた各種スイッチの異常を検出した場合(例えば、入力値が閾値を超えたと判定したことにより、短絡などの発生を検出した場合)に、セキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。そのように、大入賞口への異常入賞や異常磁気エラー、異常電波エラーについてもターミナル基板160の共通のコネクタ(図示略)からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成すれば、1本の信号線さえ接続すればホールコンピュータなど外部装置でエラー検出を行えるようにすることができ、エラー検出に関する作業負担を軽減することができる。
また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ156と払出制御用マイクロコンピュータ37aとの間の通信エラーを検出した場合にも、ターミナル基板160の共通のコネクタ(図示略)からセキュリティ信号として外部出力可能なように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、払出制御用マイクロコンピュータ37aから後述する接続OKコマンドや賞球個数受付コマンドを受信できなかったことにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタからセキュリティ信号として外部出力してもよい。また、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、シリアル通信回路(図示略)のステータスレジスタAのビット0〜4のいずれかのエラービットの値がセットされていることにもとづいて通信エラーが発生したと判定し、ターミナル基板160の共通のコネクタからセキュリティ信号として外部出力してもよい。
尚、セキュリティ信号用の信号線およびコネクタ(図示略)とは別に、遊技制御用マイクロコンピュータ156と払出制御用マイクロコンピュータ37aとの間の通信エラー専用の信号線およびコネクタをターミナル基板160に設けてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ156と払出制御用マイクロコンピュータ37aとの間の通信エラーを検出した場合には、セキュリティ信号とは別の信号として、ターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力するようにしてもよい。
また、賞球信号1は、賞球払出を1個検出するごとに出力される信号である。また、遊技機エラー状態信号は、遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号である。尚、賞球払出を1個検出するごとに賞球信号1を外部出力するのではなく、賞球払出を所定個(例えば、10個)検出するごとに何らかの賞球信号を出力するようにしてもよい。
ドア開放信号は、ガラス扉枠102が前面枠101に対して開放された状態であること、または、前面枠101自体が外枠100に対して開放された状態であることを示す信号である。尚、これらの信号の他に、例えば、電源投入信号など、任意の信号がターミナル基板160を経由してホールコンピュータなどの外部装置に出力されるようにしてもよい。電源投入信号は、パチンコ遊技機1の電源投入時に、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたことを示す信号である。電源投入時に情報出力条件が成立したとして遊技機固有情報を出力する場合には、この遊技機固有情報とともに電源投入信号を、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始された状態を示す状態信号として外部装置に出力すればよい。
尚、特に図示はしないが、ターミナル基板160には、主基板31等から出力された信号を外部に出力できるようにしつつ、外部装置からターミナル基板160に対して入力される信号を受信できないようにするフォトカプラやリレー等により構成される受信防止部が設けられている。この受信防止部により各出力線は、ターミナル基板160から外部装置に出力される信号のみを送信し、外部装置からターミナル基板160に入力される信号を拒否するようになっている。
図19に示すように、遊技盤6の背面には、前面が開口する箱状に形成されたベースカバー301が、前面開口を遊技盤6の背面に対向させた状態、つまり、遊技盤6の背面を被覆するように取り付けられる。このベースカバー301の内部には、例えば、演出表示装置9の表示画面に対し進出可能に設けられる演出用可動物(図示略)を駆動する演出駆動ユニット(図示略)や該演出表示装置9が前面開口から組み付けられるとともに、背面には、主基板31を収納する基板収納ケース1800及び演出制御基板80を収納する基板収納ケース310が取り付けられている。
尚、遊技盤6をベースカバー301に取り付ける際には、ベースカバー301の位置決め用ボス312a〜312dを、カバー体用位置決め穴265a〜265dに挿入して位置決めを行う。そして、遊技盤6の背面側に位置決めされた遊技用部品ユニット300は、各取付穴314に背面側から取付ネジ313を取り付け、スペーサ部材250の背板252に形成されたネジ穴に螺入することで、遊技盤6の背面における所定の取り付け位置に所定の姿勢で取り付けられる(止着される)。このようにベースカバー301は、演出駆動ユニット(図示略)、演出表示装置9、基板収納ケース1800,310を組み付けて一体化した状態で遊技盤6に取り付けるための部材であり、遊技盤6とこのベースカバー301に組み付けられた演出駆動ユニット(図示略)や演出表示装置9、基板収納ケース1800,310を含めて遊技用部品ユニット300が構成される。
また、ベースカバー301の背面には、基板収納ケース1800,310が取り付けられる基板取付部304が凹設されており、この基板取付部304の背面には、これら基板収納ケース1800,310や信号線ケーブル169等を保護するために覆うカバー扉302が開閉可能に取り付けられている。また、このカバー扉302を揺動させるために、カバー扉302の左側縁辺には、上下2つの揺動軸部305が設けられている。これらの揺動軸部305は、基板取付部304の左側縁部に設けられた上下2つの軸受け部(図示略)に枢支されている。尚、カバー扉302の背面は、ベースカバー301の背面上部と面一をなしている。更に、図20に示すように、カバー扉302の左右縁辺には、平面視で角部が切り欠かれるように傾斜された傾斜縁辺306,307が形成されている。
尚、図2に示すように、カバー扉302により基板取付部304が閉鎖された状態において、基板収納ケース310全体と、基板収納ケース1800の上部に凹設された配線接続部が被覆されるようになっている。つまり、基板収納ケース1800は配線接続部のみがカバー扉302により被覆されるようになっている。
図18に示すように、カバー扉302を開放した際に、カバー扉302の左側に配置される球払出装置97(図2参照)が設けられた払出ケース40Aにカバー扉302の左側の傾斜縁辺306が接触されるようになっており、この傾斜縁辺306が形成されていることで、角部として形成されているものと比較して、カバー扉302を大きく開放することができる。
また、ターミナル基板160は、カバー扉302の左側縁辺近傍、つまり、カバー扉302の揺動軸部305の近傍位置に配置される。このようにすることで、カバー扉302を開放して作業を行う際に、ターミナル基板160が配置される後述する配置凹部308が、カバー扉302において作業者から離れた位置に配置され、このカバー扉302の裏面側に突出する配置凹部308が作業の邪魔にならずに済むばかりか、カバー扉302が開閉する際におけるターミナル基板160の移動距離を小さくできるので、主基板31とターミナル基板160を繋ぐ信号線ケーブル169の長さを短く構成できる。
尚、本実施例では、ターミナル基板160がカバー扉302の左側縁辺近傍に配置されているが、ターミナル基板160の配置位置は、カバー扉302の左側縁辺近傍に限らず、カバー扉302のいずれの位置に配置してもよい。また、本実施例では、ターミナル基板160をカバー扉302に設けているが、ターミナル基板160を設ける位置はカバー扉302に限らず、ベースカバー301に設けてもよいし、前面枠101の背面等、パチンコ遊技機1の背面であればどこに設けてもよい。
図18に示すように、パチンコ遊技機1において、外枠100と前面枠101とガラス扉枠102と遊技用部品ユニット300とのうち、遊技用部品ユニット300の背面が最も後方に突出されている。そのため、パチンコ遊技機1の搬送時等において、パチンコ遊技機1を壁に立掛けたり床等に載置した際に、遊技用部品ユニット300の背面、つまりベースカバー301及びカバー扉302の背面が壁や床等に接触されるようになっている。
図20に示すように、カバー扉302の背面には、ターミナル基板160が配置される配置凹部308が形成されている。この配置凹部308は背面視で四角形状をなし、ターミナル基板160の基板部材161が収容できる寸法に形成されている。また、配置凹部308は、カバー扉302の左側の傾斜縁辺306の近傍位置に形成され、配置凹部308の一部(左側)は、カバー扉302の左側の傾斜縁辺306に重なる位置に形成されている(図21参照)。
尚、前述したように、カバー扉302の左側縁辺に設けられた上下2つの揺動軸部305は、配置凹部308を避けるように設けられ、特に、上方側の揺動軸部305が配置凹部308の上方位置に配置されており、ベースカバー301に設けられた軸受け部(図示略)の構成とともに、配置凹部308と干渉しないようになっている。
図21及び図24に示すように、配置凹部308の左側がカバー扉302の左側の傾斜縁辺306に重なる位置に形成されることで、ターミナル基板160をカバー扉302の左側(揺動軸部305側)にさらに寄せて配置することができる。また、配置凹部308の左側の縁辺308aが鋭角に形成され、この縁辺308aの強度が向上される。更に、配置凹部308の背面側開口における左右縁辺308a,308bのうち、右側の縁辺308bは、カバー扉302の背面と同一位置となっているが、左側の縁辺308aは、右側の縁辺308bよりも奥面側(前側)に配置されており、左側の縁辺308aと右側の縁辺308bとの間に所定寸法hの突出差が設けられている。尚、配置凹部308の背面側開口における左右縁辺308a,308bを前後方向の同位置となるように形成してもよい。
図21及び図23に示すように、ターミナル基板160は、基板部材161が配置凹部308の奥面側(前側)に配置されるとともに、実装部材163及びケーブル接続部162が背面側(後側)に配置される。また、基板部材161は、その上縁辺の角部161aが、配置凹部308の上部に設けられた抑え部308cにより前方側に移動不能に係合されるとともに、その下縁辺に形成された被係合部161bが、配置凹部308の下部に設けられた係合片308dに弾性係合されることで、配置凹部308内で移動不能に固定される。尚、係合片308dは、背面側に延びる板状をなし、その先端を指で下方に押圧することで、係合片308dが撓むようになっている。この係合片308dを下方側に撓ませることで、基板部材161の被係合部161bを脱することが可能になり、配置凹部308に取り付けたターミナル基板160を取り外すことができる。
図20及び図22に示すように、ターミナル基板160のケーブル接続部162は、基板部材161の下端に実装されており、このケーブル接続部162に接続される信号線ケーブル169を下方に延設するためのケーブル用開口部309が、配置凹部308の下部側に開口されている。また、ターミナル基板160を取り付けた状態の配置凹部308には、ターミナル基板160の一部を覆う基板用カバー部材303が設けられている。
基板用カバー部材303は、配置凹部308と同様に背面視で四角形状をなし、中央部が開口する枠状部材となっている。この基板用カバー部材303の中央開口303aに向かって傾斜される傾斜面を有する上下の傾斜壁部303b,303cと、中央開口303aの左右に配置されて後述する突出リブ303d’,303e’を有する突出壁部303d,303eとが設けられている。更に、基板用カバー部材303には、その上端縁に2つの係合部303fが設けられ、この係合部303fは、前述の配置凹部308の上側の縁辺に形成された2つの被係合部308fに係合される。そして、基板用カバー部材303の下部に設けられた板部303gには、配置凹部308の下側の縁辺に設けられた位置決め用凸部308hに係合される凹部303hが形成されている。
更に、基板用カバー部材303の板部303gには、基板用カバー部材303を固定するためのネジ311が挿通される挿通孔303iが設けられるとともに、配置凹部308の下部には、ネジ311が螺着される螺着孔308eが形成されている。また、基板用カバー部材303の板部303gには、前述した配置凹部308の下部に設けられた係合片308dが配置される貫通孔303kが形成されている。
また、基板用カバー部材303を配置凹部308に取り付けた際に、ターミナル基板160の実装部材163は、基板用カバー部材303の中央開口303aに配置され、背面側に露呈するようになっている。そのため、カバー扉302を開放することなく、基板用カバー部材303内に配置された実装部材163の操作部165を操作することができる。
図21及び図24に示すように、基板用カバー部材303における左右の突出壁部303d,303eの先端部(背面側)は、上下方向に延びる突出リブ303d’,303e’となっている。尚、突出壁部303d,303eの肉厚は、その奥部側(前部側)から背面側(後部側)の突出リブ303d’,303e’まで同一の肉厚となっている。更に、突出リブ303d’,303e’には、その角部が切り欠かれて形成された傾斜部Kが形成されている。
図22及び図24に示すように、ターミナル基板160の実装部材163に設けられた複数の操作部165うち、最も背面側に突出された操作部165よりも、突出リブ303d’,303e’が背面側に突出されている。つまり突出リブ303d’,303e’の突出端部から操作部165の背面側の突出端部までの間に、所定寸法dの空間部が形成されている。このように配置凹部308の開口縁辺に、基板用カバー部材303を介して突出リブ303d’,303e’が設けられることで、パチンコ遊技機1の搬送時等において、パチンコ遊技機1を壁に立掛けたり床等に載置した際に背面の突出リブ303d’,303e’が壁や床等に接触することで、実装部材163に壁や床等が接触しにくくなるため、ターミナル基板160の実装部材163を保護することができる。
また、突出リブ303d’,303e’は、カバー扉302の背面よりも背面側に突出されている。つまり遊技用部品ユニット300において、突出リブ303d’,303e’が最も背面側に突出された部位となっている。更に、突出リブ303d’,303e’を突出させることで、パチンコ遊技機1を壁に立掛けたり床等に載置した際に背面の突出リブ303d’,303e’が壁や床等に接触することで、球払出装置97(図2参照)が設けられた払出ケース40A(図18参照)に壁や床等が接触しにくくなるため、払出ケース40Aを保護することができる。
また、前述したように、ターミナル基板160の実装部材163の接続孔部164に出力線を接続する際に、実装部材163の操作部165を押圧操作するようになっている。そして、基板用カバー部材303の上下に傾斜壁部303b,303cが形成されていることで、実装部材163の操作部165の押圧操作がし易いようになっている、さらに、この傾斜壁部303b,303cに対応する位置、つまり実装部材163の上下位置には、突出リブ303d’,303e’のようなリブが形成されていないので、操作部165を操作する作業者の手指等が突出リブ303d’,303e’により邪魔されずに済むようになり、ターミナル基板160の操作性を向上させることができる。
尚、ターミナル基板160の実装部材163を保護する突出リブ303d’,303e’が、カバー扉302の配置凹部308に着脱自在な基板用カバー部材303に設けられていることで、長期の使用により突出リブ303d’,303e’が摩耗したり破損したりしても、基板用カバー部材303のみを交換することで修復が可能となっている。更に、基板用カバー部材303は、ネジ311によりカバー扉302の配置凹部308に取り付けられており、ネジ311を外すことで容易に基板用カバー部材303を配置凹部308から取り外すことができ、さらに、ターミナル基板160も配置凹部308の係合片308dを操作することで、容易に配置凹部308から取り外すことができる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、パチンコ遊技機1の背面の所定箇所に設けられ、外部装置に遊技に関する情報を出力するためのターミナル基板160(外部端子基板)が収容される配置凹部308(凹部)を備え、配置凹部308の開口周縁の少なくとも一部に沿って、ターミナル基板160に実装される実装部材163よりも背面側に突出する突出リブ303d’,303e’(突出部)が設けられていることで、例えば、パチンコ遊技機1の搬送時等において、パチンコ遊技機1を壁に立掛けたり床等に載置した際に背面の突出リブ303d’,303e’が壁や床等に接触することで、実装部材163に壁や床等が接触しにくくなるため、ターミナル基板160(外部端子基板)の実装部材163を保護することができる。
尚、本発明の凹部には、配置凹部308のみならず、この配置凹部308に基板用カバー部材303を取り付けた状態で、ターミナル基板160の実装部材163が配置される基板用カバー部材303の内側の範囲も含む。更に尚、基板用カバー部材303と配置凹部308が形成されるカバー扉302とを一体的に構成し、ターミナル基板160の実装部材163が配置される凹部を設けてもよい。
尚、本実施例では、基板用カバー部材303に突出リブ303d’,303e’を形成しているが、カバー扉302における配置凹部308の背面側開口における左右縁辺308a,308bに突出リブを形成するようにしてもよく、この配置凹部308の背面側開口における左右縁辺308a,308bの突出リブにより、ターミナル基板160(外部端子基板)の実装部材163を保護するようにしてもよい。
また、本実施例では、配置凹部308の開口周縁の少なくとも一部に沿って、実装部材163よりも背面側に突出するように設けられる突出部として、配置凹部308の開口左右側辺に沿って延設される突出リブ303d’,303e’が適用されていたが、配置凹部308の開口周縁に沿って形成されていれば、突出リブ303d’,303e’のように周縁に沿って延設される壁部のようなものに限定されず、例えば、複数の凸部を連続的に配設することにより柵状にしてもよい。
また、実装部材163は、情報の出力に用いる出力線を接続する接続部材であり、出力線の接続の際に操作される操作部165を有し、操作部165は背面側に向けて開口周縁に近づくように突出され、突出リブ303d’,303e’は、配置凹部308の開口周縁における操作部165の突出方向に対し交差しない部位に設けられることで、ターミナル基板160(外部端子基板)の操作部165の突出方向に突出リブ303d’,303e’(突出部)が無いことで、操作部165を操作する作業者の手指等が突出リブ303d’,303e’により邪魔されずに済むので、ターミナル基板160の操作性を向上させることができる。
図24に示すように、配置凹部308の背面側開口における左右縁辺308a,308bのうち、左側の縁辺308aは、右側の縁辺308bよりも奥面側(前側)に配置されていることで、仮に、基板用カバー部材303が無かった場合に、パチンコ遊技機1の背面側に壁などの角部が配置凹部308内に入り込み易くなり、ターミナル基板160の特に左側の操作部165に壁などの角部が当たって破損しやすくなる虞があるが、本実施例では、配置凹部308に基板用カバー部材303が取り付けられ、少なくとも左側の突出リブ303d’が突出されていることで、壁などの角部が配置凹部308内に入り込むことを防止できる。
図22〜図24に示すように、基板用カバー部材303における突出壁部303d,303eの奥部側(前部側)の端部は、ターミナル基板160の基板部材161から離間されており、突出リブ303d’,303e’の先端側(後部側)に外部から荷重や衝撃が加わっても、この荷重や衝撃が基板部材161に伝達される虞がなく、基板部材161を保護することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、貸し出された貸出球や払い出された賞球が遊技者により指触可能に構成されたパチンコ遊技機1とされていたが、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えばメダル(遊技媒体)やクレジット等の遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンも適用可能である。また、遊技用価値として遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うスロットマシンであってもよい。