JP4101494B2 - エンジン発電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力制御ユニットの放熱性を高めるようにしたエンジン発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋外等で運転する汎用の電源装置として利用されるエンジン発電機において、近年は発電機の出力をインバータ等の電力制御ユニットで制御するニーズが高まっている。
【0003】
電力制御ユニットが大電流を取り扱う場合、この電力制御ユニットの発熱量が大きくなるため、熱対策が必要となる。電力制御ユニットに熱対策を施したものとして、例えば、特開2000−213361号公報には、冷却風を導くダクト内に電力制御ユニットを配設し、このダクト内を流れる冷却風により電力制御ユニットを冷却する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した公報に開示されている技術では、電力制御ユニットを冷却風を導入するダクト内に配設する必要性から、この電力制御ユニットのレイアウト、或いはダクトのレイアウトが制約を受けてしまう。
【0005】
特に、電力制御ユニットには発電機、及びコントロールパネルに配設されているスイッチ、コンセント類から、これらを接続する多数の配線が延出されているため、ダクトとコントロールパネルとの間が比較的離れている場合は、配線が複雑化してしまい、組立てが煩雑化する不具合がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、設計の自由度が増し、製造組立てが容易で、電力制御ユニットの放熱性を向上させることの可能なエンジン発電機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、エンジンと該エンジンにより駆動される発電機及び冷却ファンをフレームに搭載したエンジン発電機において、前記発電機の出力を制御する電力制御回路を収容した放熱ケースを、伝熱性を有する材料で形成したコントロールパネルに固設すると共に、冷却風導入口を有する前面カバーを前記放熱ケースが前記冷却風導入口と対向するように前記コントロールパネルに取付けて、前記コントロールパネルと前記放熱ケースと前記前面カバーとを一体化したコントロールユニットを形成し、該コントロールユニットを前記フレームに取付けることを特徴とする。
【0008】
このような構成では、電力制御回路を収容した放熱ケースを伝熱性を有するコントロールパネルに固設したので、電力制御回路の発熱がコントロールパネルを介して放熱され、又放熱ケースによりコントロールパネルを補強することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。ここで、図1はエンジン発電機の斜視図、図2はエンジン発電機の側面図、図3はエンジン発電機の要部断面側面図、図4は電力制御部の分解斜視図である。
【0010】
同図の符号1はエンジン発電機であり、パイプフレーム2にエンジン3と発電機4とが搭載されていると共に、このエンジン3と発電機4との上方に燃料タンク5が取付けられている。
【0011】
パイプフレーム2は矩形枠状に形成された1本のパイプを屈曲させて形成されたもので、前後に逆U字状の互いに平行な垂立部2a、2bが形成され、この両垂立部2a,2bの下部に一対の互いに平行な水平部2cが連続されている。更に、両垂立部2a,2b間の上部両側間が、サイドビーム6を介して連設されており、このサイドビーム6に上方から燃料タンク5が載置固定され、この燃料タンク5によりパイプフレーム2の上部が閉塞されている。
【0012】
又、パイプフレーム2の互いに平行な水平部2c間に、2本のベースプレート7が所定の間隔を開けて架設されており、両ベースプレート7上に、エンジン3と、後述する発電機4のエンドカバー25とがマウントラバー8を介して支持されている。
【0013】
又、パイプフレーム2に形成されている一方の垂立部2a側が、この垂立部2aに装着固定されているコントロールユニット9にて閉塞され、他方の垂立部2b側が、この垂立部2bに装着固定されているマフラカバー10にて囲繞されている。
【0014】
尚、以下の説明では、便宜的に、コントロールユニット9の固設されている側を「前方」、マフラカバー10の固設されている側を「後方」と称する。
【0015】
又、マフラカバー10は、エンジン3の排気系に設けられたマフラ(図示せず)を覆うもので、その両側に形成されたフランジ部12aが、パイプフレーム2の垂立部2bに溶接等の手段により固設されている後側ブラケット14にねじ止めされている。
【0016】
又、図3に示すように、エンジン3から前方へ延出するクランク軸3aの軸端に、フライホイールを兼用する冷却ファン17が固設されており、この冷却ファン17の発電機4側に指向する面の外周に冷却フィン16が突設されている。
【0017】
又、冷却ファン17に、リコイルスタータ18を構成するリコイル軸18aが固設されている。この冷却ファン17は遠心式であり、中心部から外周方向へ冷却風が放出される。
【0018】
又、冷却ファン17の外周を覆うファンカバー20の後端が開口されており、この後端がエンジン3、及び、このエンジン3を覆うエンジンカバー(図示せず)に形成されたフランジ21に固設されている。一方、ファンカバー20の前端から前方へ爪部20aが延出されている(尚、図3においては、爪部20aの一部が省略されている)。更に、この爪部20aの外周に、発電機用ダクト19の後端が装着され、この発電機用ダクト19の後端面がファンカバー20の前面に固定されている。
【0019】
又、リコイル軸18aの軸端に、発電機4を構成する、ドラム状に形成されたアウタロータ22が固設されている。この発電機4はアウタロータ型の多極発電機であり、アウタロータ22の内周に複数の永久磁石23が等間隔に配列され、この永久磁石23の内周に、ステータ24が対設されている。このステータ24はステータコアと、このステータコアに巻回されたステータコイル(何れも図示せず)とで形成されており、このステータ24が発電機用エンドカバー25の内周面に突設されているボス25aに掛止され、図示しないボルトを介して固定されている。
【0020】
この発電機用エンドカバー25の後方へ開口する開口端が、ファンカバー20から延出する爪部20aに装着固定されており、この発電機用エンドカバー25の外周と、発電機用ダクト19の内周との間に、冷却風通路26が形成されている。尚、図示しないがエンドカバー25には多数の通気口が穿設されており、この通気口を介して内部に冷却風が導入される。
【0021】
一方、パイプフレーム2の垂立部2aには前側ブラケット27が溶接等の手段により固設されており、この前側ブラケット27に、コントロールユニット9を構成するコントロールパネル28がねじ止めされている。このコントロールパネル28は、アルミニュウム板、鉄板等の伝熱性の高い板材を加工して形成されており、エンジンスイッチ、エンジン停止スイッチ、出力する電力の周波数を50Hzと60Hzとに切換える周波数切換スイッチ等のスイッチ類、電力出力用コンセント、電流が設定値を超えたときに出力電流を遮断するブレーカ等の部品が配設されていると共に、電力制御ユニット取付け用孔部28aが穿設されている。
【0022】
この電力取付け用孔部28aに、電力制御ユニットとしてのインバータユニット29を構成する放熱ケース29aが固設され、更に、この放熱ケース29aにインバータ回路30が収容されている。このインバータ回路30は、発電機4で発電した電力を、所定周波数の電力に変換するもので有り、比較的大きな発熱量を有する。又、放熱ケース29aの前面に放熱フィン29bが形成されている。
【0023】
更に、このコントロールパネル28の背面に樹脂製の枠体31が装着固定されている。この枠体31に、放熱ケース29aの外周に遊挿されるダクト部31aが形成されている。又、コントロールパネル28の前面に前面カバー32が装着されており、この前面カバー32とコントロールパネル28との外縁が、パイプフレーム2の垂立部2aに設けられた前側ブラケット27に固設されている。更に、この前面カバー32の、放熱ケース29aに対向する面に、ルーバ32aが複数形成されている。
【0024】
図3に示すように、発電機4を構成する発電機用エンドカバー25の端面が、インバータユニット29の背面に、近接された状態で配設されており、同図、及び図4に示すように、この発電機用エンドカバー25の外周に配設されている発電機用ダクト19が、その後方に対峙されている。
【0025】
尚、図1、図2の符号33は、リコイルスタータ18に巻装されているリコイルロープの先端に連結されたリコイルノブである。
【0026】
次に、このような構成による本実施の形態の作用について説明する。
エンジン3が稼働して、クランク軸3aが回転すると、このクランク軸3aに、リコイル軸18aを介して連設する発電機4のアウタロータ22が回転し、このアウタロータ22の内周に固設されている複数の永久磁石23の内周に対設するステータ24のコイルに起電力が発生する。
【0027】
そして、この起電力が、インバータ回路30に送電され、所定周波数の交流に変換されて、コントロールパネル28に配設されている電力出力用コンセントへ出力される。
【0028】
このとき、インバータ回路30で発生する発熱は、このインバータ回路30を固設する放熱ケース29aに伝達され、この放熱ケース29aを介して放熱される。更に、この放熱ケース29aが、伝熱性の高い板材を用いて形成されたコントロールパネル28に固設されているため、このコントロールパネル28からも放熱される。
【0029】
その結果、インバータ回路30の放熱効率が良くなり、このインバータ回路30を、従来のように発電機用ダクト19内に配設して、冷却風により冷却する必要が無くなり、従って、発電機用ダクト19に対して比較的離れた位置に配設することが可能となり、設計の自由度を増すことができる。
【0030】
又、インバータ回路30を固設する放熱ケース29aが、コントロールパネル28に固設されているため、インバータ回路30と、コントロールパネル28に配設されている周波数切換えスイッチ、電力出力用コンセント等の部品との距離が近接されると共に、これらをユニット化させることができるため、これらの部品の配線、組立てが容易になる。
【0031】
又、放熱ケース29aをコントロールパネル28に固設したので、放熱ケース29aがコントロールパネル28の補強部材として機能させることができ、コントロールパネル28の強度が向上する。
【0032】
一方、エンジン3の稼働により冷却ファン17が回転すると、発電機4に設けられている発電機用エンドカバー25に開口されている通気口(図示せず)、及びこの発電機用エンドカバー25とこの発電機用エンドカバー25の外周に配設されている発電機用ダクト19との間に形成された冷却風通路26から冷却風が発電機4内部に導入されて、発電機4内を冷却する。
【0033】
又、冷却風は、前面カバー32に形成されているルーバ32aからも導入される。このルーバ32aから導入された冷却風は、このルーバ32aの内面に対設されている放熱ケース29aの放熱フィン29bに沿って流れ、放熱フィン29bを冷却した後、発電機4の方向へ流れる。従って、放熱ケース29aは冷却風によっても強制的に冷却されるため、インバータ回路30を効率よく冷却させることができる。
【0034】
一方、発電機4内を通過した冷却風は冷却ファン17の中心部から外周方向へ放出される。冷却ファン17の外周にはファンカバー20が配設されており、冷却ファン17により外周方向へ放出された冷却風は、ファンカバー20にガイドされて、エンジン3の方向へ放出され、エンジン3を冷却する。
【0035】
その後、エンジン3を冷却した冷却風は、エンジン3の後方に配設されているマフラカバー10へ導かれ、このマフラカバー10に配設されているマフラ(図示せず)を冷却した後、後方へ排出される。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、電力制御回路を収容した放熱ケースを伝熱性の高い材料で形成されたコントロールパネルに固設したので、電力制御回路の放熱性が向上する。
【0037】
又、コントロールパネルと放熱ケースと前面カバーとを一体化してコントロールユニットを形成したので、配線接続が簡素化され、設計の自由度が増し、組立、配線が容易になる。
【0038】
更に、放熱ケースをコントロールパネルの補強部材として機能させることができるため、コントロールパネルの強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン発電機の斜視図
【図2】エンジン発電機の側面図
【図3】エンジン発電機の要部断面側面図
【図4】電力制御部の分解斜視図
【符号の説明】
1 エンジン発電機
2 パイプフレーム
3 エンジン
4 発電機
28 コントロールパネル
29 インバータユニット(電力制御ユニット)
Claims (3)
- エンジンと該エンジンにより駆動される発電機及び冷却ファンをフレームに搭載したエンジン発電機において、
前記発電機の出力を制御する電力制御回路を収容した放熱ケースを、伝熱性を有する材料で形成したコントロールパネルに固設すると共に、冷却風導入口を有する前面カバーを前記放熱ケースが前記冷却風導入口と対向するように前記コントロールパネルに取付けて、前記コントロールパネルと前記放熱ケースと前記前面カバーとを一体化したコントロールユニットを形成し、該コントロールユニットを前記フレームに取付ける
ことを特徴とするエンジン発電機。 - 前記フレームは、パイプを矩形枠状に屈曲させて形成したパイプフレームである
ことを特徴とする請求項1記載のエンジン発電機。 - 前記コントロールユニットを前記冷却ファンの上流側に取付けた
ことを特徴とする請求項1又は2記載のエンジン発電機。
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