JP3939525B2 - 可搬型作業機の排気系構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マフラからフレームへの伝熱を抑制する可搬型作業機の排気系構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、可搬型作業機の代表であるエンジン発電機等では、排気マフラからの輻射熱による熱害を防止するため、排気マフラをマフラカバーで覆うようにしている。
【0003】
ところで、この種のマフラカバーは板金製が多いため、マフラからの輻射熱により加熱昇温され易い。そのため、例えば特開2000−328957号公報には、マフラカバーをアウタカバーとインナカバーから成る二重構造とし、このアウタカバーとインナカバーとの間に通気層を形成することで、アウタカバーの加熱昇温を抑制する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した先行技術に開示されている技術では、二重構造のマフラカバーの外周に形成されたフランジ部を、エンジン及び発電機を搭載するフレームの上部に架設した支持メンバに固設しているため、この支持メンバを介してインナカバーの熱がフレームに直接伝熱されてしまう不具合がある。
【0005】
又、マフラカバーがフレームに直接固設されているため、例えばインナカバーに排気マフラが接触している場合は、この排気マフラの振動がインナカバーを介してフレームに伝達されて、振動、騒音を増長してしまう不都合がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、マフラカバーからフレームへの伝熱を防止すると共に、エンジン振動がマフラカバーを介してフレームへ伝達されることを抑制し、更に、排気マフラ自体の高温化を抑制させることの可能な可搬型作業機の排気系構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による可搬型作業機の排気系構造は、フレームにエンジンと該エンジンで駆動する負荷手段とを搭載すると共に、上記フレームに上記エンジンの排気系に連通する排気マフラを覆うマフラカバーを固設する可搬型作業機において、上記マフラカバーが上記排気マフラの外周を囲う枠体と該枠体の開口面を覆う遮蔽部材とを備え、上記枠体を断熱性部材で形成し、上記遮蔽部材を伝熱性部材で形成し、上記枠体を介して上記遮蔽部材を上記フレームに固設したことを特徴とする。
【0008】
この場合、好ましくは、上記枠体が樹脂製であり、上記遮蔽部材が金属製であることを特徴とする。
【0009】
このような構成では、マフラカバーを排気マフラの外周を囲う枠体と、この枠体の開口面を覆う遮蔽部材とに分割し、枠体を断熱性部材で形成し、遮蔽部材を伝熱性部材で形成すると共に、遮蔽部材を枠体を介してフレームに固設するようにしたので、排気マフラの輻射熱で加熱昇温された遮蔽部材の熱がフレームに伝達され難くなる。又排気マフラの輻射熱は遮蔽部材で受熱されて放熱されるため、排気マフラの加熱昇温が抑制される。更に、遮蔽部材が枠体を介してフレームに固設されているため、排気マフラが遮蔽部材に接触している場合であっても、枠体の緩衝作用により、遮蔽部材の受けたエンジン振動がフレームへ直接伝達され難くなり、振動、騒音が低減される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。ここで、図1はエンジン発電機の背面から観た斜視図、図2はマフラカバーと排気マフラとパイプフレームとの分解斜視図、図3はエンジン発電機の正面から観た斜視図、図4はエンジン発電機の側面図、図5はエンジン発電機の要部断面側面図である。
【0011】
図中の符号1は可搬型作業機の一例であるエンジン発電機であり、パイプフレーム2にエンジン3と、負荷手段の一例である発電機4とが搭載されていると共に、このエンジン3と発電機4との上方に燃料タンク5が取付けられている。
【0012】
パイプフレーム2は矩形枠状に形成された1本のパイプを屈曲させて形成されたもので、前後に逆U字状の互いに平行な垂立部2a、2bが形成され、この両垂立部2a,2bの下部に一対の互いに平行な水平部2cが連続されている。更に、両垂立部2a,2b間の上部両側間が、サイドビーム6を介して連設されており、このサイドビーム6に上方から燃料タンク5が載置固定され、この燃料タンク5によりパイプフレーム2の上部が閉塞されている。
【0013】
又、パイプフレーム2の互いに平行な水平部2c間に、下方に開口する断面ハット型に形成された2本のベースプレート7が所定の間隔を開けて架設されており、両ベースプレート7上に、エンジン3と、後述する発電機4のエンドカバー25とがマウントラバー8を介して支持されている。又、エンジン3の排気系には、図2に示す排気管34を介して排気マフラ11が連通されており、この排気マフラ11は図示しないステーを介してエンジン3に固設されている。
【0014】
又、パイプフレーム2に形成されている一方の垂立部2a側が、この垂立部2aに装着固定されているコントロールユニット9にて閉塞され、他方の垂立部2b側が、この垂立部2bに装着固定されているマフラカバー10にて閉塞されている。
【0015】
尚、以下の説明では、便宜的に、コントロールユニット9の固設されている側を「前方」、マフラカバー10の固設されている側を「後方」と称する。
【0016】
又、マフラカバー10は、枠体12と遮蔽部材としての背面プレート13とを備えている。枠体12は断熱部材の一例であるナイロン等の樹脂を素材とする成型品であり、一方背面プレート13は伝熱性を有するアルミニュウム、鉄等を素材とする金属板を加工して形成したものである。
【0017】
枠体12の外周にはフランジ部12aが形成されており、又、中央に開口面12bが開口されている。この開口面12bが、その外周にフランジ部13aを形成する背面プレート13にて閉塞される。
【0018】
一方、パイプフレーム2の垂立部2bには後側ブラケット14が溶接等の手段により固設されており、この後側ブラケット14に、後方から枠体12に形成されたフランジ部12aが当接され、更にその上面に背面プレート13に形成されたフランジ部13aが当接され、この両フランジ部12a,13aが、図示しないねじを介して後側ブラケット14に共締めされる。
【0019】
背面プレート13には複数のルーバ13b、及び通気口13cが形成されていると共に、排気マフラ11の排出端から延出するテールパイプ11aを臨ませる排気孔13dが開口されている。
【0020】
枠体12にはエンジン3と一体の排気マフラ11が臨まされると共に、この排気マフラ11の表面が背面プレート13内面に近接されている。
【0021】
又、図5に示すように、エンジン3から前方へ延出するクランク軸3aの軸端に、フライホイールを兼用する冷却ファン17が固設されており、この冷却ファン17の発電機4側に指向する面の外周に冷却フィン16が突設されている。
【0022】
又、冷却ファン17に、リコイルスタータ18を構成するリコイル軸18aが固設されている。この冷却ファン17は遠心式であり、中心部から外周方向へ冷却風が放出される。
【0023】
又、冷却ファン17の外周を覆うファンカバー20の後端が開口されており、この後端がエンジン3、及び、このエンジン3を覆うエンジンカバー(図示せず)に形成されたフランジ21に固設されている。一方、ファンカバー20の前端から前方へ爪部20aが延出されている(尚、図5においては、爪部20aの一部が省略されている)。更に、この爪部20aの外周に、発電機用ダクト19の後端が装着され、この発電機用ダクト19の後端面がファンカバー20の前面に固定されている。
【0024】
又、リコイル軸18aの軸端に、発電機4を構成する、ドラム状に形成されたアウタロータ22が固設されている。この発電機4はアウタロータ型の多極発電機であり、アウタロータ22の内周に複数の永久磁石23が等間隔に配列され、この永久磁石23の内周に、ステータ24が対設されている。このステータ24はステータコアと、このステータコアに巻回されたステータコイル(何れも図示せず)とで形成されており、このステータ24が発電機用エンドカバー25の内周面に突設されているボス25aに掛止され、図示しないボルトを介して固定されている。
【0025】
この発電機用エンドカバー25の後方へ開口する開口端が、ファンカバー20から延出する爪部20aに装着固定されており、この発電機用エンドカバー25の外周と、発電機用ダクト19の内周との間に、冷却風通路26が形成されている。
【0026】
一方、パイプフレーム2の垂立部2aには前側ブラケット27が溶接等の手段により固設されており、この前側ブラケット27に、コントロールユニット9を構成するコントロールパネル28がねじ止めされている。このコントロールパネル28には、エンジンスイッチ、エンジン停止スイッチ、出力する電力の周波数を50Hzと60Hzとに切換える周波数切換スイッチ等のスイッチ類、電力出力用コンセント、電流が設定値を超えたときに出力電流を遮断するブレーカ等の部品が配設されている。
【0027】
このコントロールパネル28にインバータユニット29を構成する放熱ケース29aが固設されており、この放熱ケース29aの背面にインバータ回路30が収容されている。このインバータ回路30は、発電機4で発電した電力を、所定周波数の電力に変換するもので、比較的大きな発熱量を有している。更に、放熱ケース29aの前面に放熱フィン29bが形成されている。
【0028】
又、コントロールパネル28の背面に樹脂製の枠体31が装着固定されている。この枠体31に、放熱ケース29aの外周に遊挿されるダクト部31aが形成されている。又、コントロールパネル28の前面に前面カバー32が装着されており、この前面カバー32とコントロールパネル28との外縁が、パイプフレーム2の垂立部2aに設けられた前側ブラケット27に固設されている。更に、この前面カバー32の、放熱ケース29aに対向する面に、ルーバ32aが複数形成されている。
【0029】
図5に示すように、発電機4を構成する発電機用エンドカバー25の端面が、インバータユニット29の背面に、近接された状態で配設されており、この発電機用エンドカバー25の外周に配設されている発電機用ダクト19が、その後方に対峙されている。尚、図3、図4の符号33は、リコイルスタータ18に巻装されているリコイルロープの先端に連結されたリコイルノブである。
【0030】
次に、このような構成による本実施の形態の作用について説明する。
エンジン3が稼働して、クランク軸3aが回転すると、このクランク軸3aに、リコイル軸18aを介して連設する発電機4のアウタロータ22が回転し、このアウタロータ22の内周に固設されている複数の永久磁石23の内周に対設するステータ24のコイルに起電力が発生する。
【0031】
そして、この起電力が、インバータ回路30に送電され、所定周波数の交流に変換されて、コントロールパネル28に配設されている電力出力用コンセントへ出力される。
【0032】
一方、エンジン3の稼働によりフライホイールを兼用する冷却ファン17が回転すると、発電機4に設けられている発電機用エンドカバー25に開口されている通気口(図示せず)、及びこの発電機用エンドカバー25と、この発電機用エンドカバー25の外周に配設されている発電機用ダクト19との間に形成された冷却風通路26から冷却風が発電機4内部に導入されて、発電機4内を冷却する。
【0033】
又、冷却風は、前面カバー32に形成されているルーバ32aからも導入される。このルーバ32aから導入された冷却風は、このルーバ32aの内面に対設されている放熱ケース29aの放熱フィン29bに沿って流れ、放熱フィン29bを冷却した後、発電機4の方向へ流れる。従って、放熱ケース29aは冷却風によっても強制的に冷却されるため、インバータ回路30を効率よく冷却させることができる。
【0034】
一方、発電機4内を通過した冷却風は冷却ファン17の中心部から外周方向へ放出される。冷却ファン17の外周にはファンカバー20が配設されており、冷却ファン17により外周方向へ放出された冷却風は、ファンカバー20にガイドされて、エンジン3の方向へ放出され、エンジン3を冷却する。
【0035】
そして、エンジン3を通過した冷却風は、その後方に配設されているマフラカバー10へ導かれ、このマフラカバー10を構成する枠体12に臨まされている排気マフラ11を冷却した後、この枠体12の開口面12bに装着されている背面プレート13に穿設されているルーバ13b、及び通気口13cを通過して外方へ排出される。
【0036】
ところで、排気マフラ11の輻射熱を最も受ける背面プレート13は金属製であるため、この背面プレート13の放熱作用により、排気マフラ11の高温化を抑制することができる。
【0037】
一方、排気マフラ11の外周が樹脂製の枠体12により囲まれているため、枠体12の断熱作用により、排気マフラ11の輻射熱がパイプフレーム2へ直接伝達されることが無く、更に、背面プレート13の外周に形成されているフランジ部13aが、枠体12の外周に形成されているフランジ部12aを介して、後側ブラケット14にねじ止めされているので、このフランジ部12aの断熱作用により、背面プレート13の熱がパイプフレーム2側へ伝達されることが無く、従って、パイプフレーム2の加熱昇温を未然に防止することができる。
【0038】
更に、この背面プレート13に対して排気マフラ11が近接しており、背面プレート13に排気マフラ11を介してエンジン振動が伝達されやすい場合であっても、この背面プレート13が枠体12を介して、後側ブラケット14に固設されているので、背面プレート13の振動がパイプフレーム2に直接伝達されず、振動、騒音を抑制することができる。
【0039】
尚、本発明は上述した実施の形態に限るものではなく、例えばマフラカバー10を構成する背面プレート13を二重構造とし、両プレート間に空気層を形成させて、外表面の昇温を抑制するようにしても良い。
【0040】
又、対象とする可搬型作業機もエンジン発電機に限らず、負荷手段を給水ポンプとするエンジンポンプ等であっても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、マフラカバーからフレームへの伝熱を防止すると共に、エンジン振動がマフラカバーを介してフレームへ伝達されることが抑制されるばかりでなく、排気マフラの高温化をも抑制することができる等、優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン発電機の背面から観た斜視図
【図2】マフラカバーと排気マフラとパイプフレームとの分解斜視図
【図3】エンジン発電機の正面から観た斜視図
【図4】エンジン発電機の側面図
【図5】エンジン発電機の要部断面側面図
【符号の説明】
1 エンジン発電機(可搬型作業機)
2 パイプフレーム
3 エンジン
4 発電機(負荷手段)
11 排気マフラ
10 マフラカバー
12 枠体
12b 開口面
13 背面プレート(遮蔽部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、マフラからフレームへの伝熱を抑制する可搬型作業機の排気系構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、可搬型作業機の代表であるエンジン発電機等では、排気マフラからの輻射熱による熱害を防止するため、排気マフラをマフラカバーで覆うようにしている。
【0003】
ところで、この種のマフラカバーは板金製が多いため、マフラからの輻射熱により加熱昇温され易い。そのため、例えば特開2000−328957号公報には、マフラカバーをアウタカバーとインナカバーから成る二重構造とし、このアウタカバーとインナカバーとの間に通気層を形成することで、アウタカバーの加熱昇温を抑制する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した先行技術に開示されている技術では、二重構造のマフラカバーの外周に形成されたフランジ部を、エンジン及び発電機を搭載するフレームの上部に架設した支持メンバに固設しているため、この支持メンバを介してインナカバーの熱がフレームに直接伝熱されてしまう不具合がある。
【0005】
又、マフラカバーがフレームに直接固設されているため、例えばインナカバーに排気マフラが接触している場合は、この排気マフラの振動がインナカバーを介してフレームに伝達されて、振動、騒音を増長してしまう不都合がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、マフラカバーからフレームへの伝熱を防止すると共に、エンジン振動がマフラカバーを介してフレームへ伝達されることを抑制し、更に、排気マフラ自体の高温化を抑制させることの可能な可搬型作業機の排気系構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による可搬型作業機の排気系構造は、フレームにエンジンと該エンジンで駆動する負荷手段とを搭載すると共に、上記フレームに上記エンジンの排気系に連通する排気マフラを覆うマフラカバーを固設する可搬型作業機において、上記マフラカバーが上記排気マフラの外周を囲う枠体と該枠体の開口面を覆う遮蔽部材とを備え、上記枠体を断熱性部材で形成し、上記遮蔽部材を伝熱性部材で形成し、上記枠体を介して上記遮蔽部材を上記フレームに固設したことを特徴とする。
【0008】
この場合、好ましくは、上記枠体が樹脂製であり、上記遮蔽部材が金属製であることを特徴とする。
【0009】
このような構成では、マフラカバーを排気マフラの外周を囲う枠体と、この枠体の開口面を覆う遮蔽部材とに分割し、枠体を断熱性部材で形成し、遮蔽部材を伝熱性部材で形成すると共に、遮蔽部材を枠体を介してフレームに固設するようにしたので、排気マフラの輻射熱で加熱昇温された遮蔽部材の熱がフレームに伝達され難くなる。又排気マフラの輻射熱は遮蔽部材で受熱されて放熱されるため、排気マフラの加熱昇温が抑制される。更に、遮蔽部材が枠体を介してフレームに固設されているため、排気マフラが遮蔽部材に接触している場合であっても、枠体の緩衝作用により、遮蔽部材の受けたエンジン振動がフレームへ直接伝達され難くなり、振動、騒音が低減される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。ここで、図1はエンジン発電機の背面から観た斜視図、図2はマフラカバーと排気マフラとパイプフレームとの分解斜視図、図3はエンジン発電機の正面から観た斜視図、図4はエンジン発電機の側面図、図5はエンジン発電機の要部断面側面図である。
【0011】
図中の符号1は可搬型作業機の一例であるエンジン発電機であり、パイプフレーム2にエンジン3と、負荷手段の一例である発電機4とが搭載されていると共に、このエンジン3と発電機4との上方に燃料タンク5が取付けられている。
【0012】
パイプフレーム2は矩形枠状に形成された1本のパイプを屈曲させて形成されたもので、前後に逆U字状の互いに平行な垂立部2a、2bが形成され、この両垂立部2a,2bの下部に一対の互いに平行な水平部2cが連続されている。更に、両垂立部2a,2b間の上部両側間が、サイドビーム6を介して連設されており、このサイドビーム6に上方から燃料タンク5が載置固定され、この燃料タンク5によりパイプフレーム2の上部が閉塞されている。
【0013】
又、パイプフレーム2の互いに平行な水平部2c間に、下方に開口する断面ハット型に形成された2本のベースプレート7が所定の間隔を開けて架設されており、両ベースプレート7上に、エンジン3と、後述する発電機4のエンドカバー25とがマウントラバー8を介して支持されている。又、エンジン3の排気系には、図2に示す排気管34を介して排気マフラ11が連通されており、この排気マフラ11は図示しないステーを介してエンジン3に固設されている。
【0014】
又、パイプフレーム2に形成されている一方の垂立部2a側が、この垂立部2aに装着固定されているコントロールユニット9にて閉塞され、他方の垂立部2b側が、この垂立部2bに装着固定されているマフラカバー10にて閉塞されている。
【0015】
尚、以下の説明では、便宜的に、コントロールユニット9の固設されている側を「前方」、マフラカバー10の固設されている側を「後方」と称する。
【0016】
又、マフラカバー10は、枠体12と遮蔽部材としての背面プレート13とを備えている。枠体12は断熱部材の一例であるナイロン等の樹脂を素材とする成型品であり、一方背面プレート13は伝熱性を有するアルミニュウム、鉄等を素材とする金属板を加工して形成したものである。
【0017】
枠体12の外周にはフランジ部12aが形成されており、又、中央に開口面12bが開口されている。この開口面12bが、その外周にフランジ部13aを形成する背面プレート13にて閉塞される。
【0018】
一方、パイプフレーム2の垂立部2bには後側ブラケット14が溶接等の手段により固設されており、この後側ブラケット14に、後方から枠体12に形成されたフランジ部12aが当接され、更にその上面に背面プレート13に形成されたフランジ部13aが当接され、この両フランジ部12a,13aが、図示しないねじを介して後側ブラケット14に共締めされる。
【0019】
背面プレート13には複数のルーバ13b、及び通気口13cが形成されていると共に、排気マフラ11の排出端から延出するテールパイプ11aを臨ませる排気孔13dが開口されている。
【0020】
枠体12にはエンジン3と一体の排気マフラ11が臨まされると共に、この排気マフラ11の表面が背面プレート13内面に近接されている。
【0021】
又、図5に示すように、エンジン3から前方へ延出するクランク軸3aの軸端に、フライホイールを兼用する冷却ファン17が固設されており、この冷却ファン17の発電機4側に指向する面の外周に冷却フィン16が突設されている。
【0022】
又、冷却ファン17に、リコイルスタータ18を構成するリコイル軸18aが固設されている。この冷却ファン17は遠心式であり、中心部から外周方向へ冷却風が放出される。
【0023】
又、冷却ファン17の外周を覆うファンカバー20の後端が開口されており、この後端がエンジン3、及び、このエンジン3を覆うエンジンカバー(図示せず)に形成されたフランジ21に固設されている。一方、ファンカバー20の前端から前方へ爪部20aが延出されている(尚、図5においては、爪部20aの一部が省略されている)。更に、この爪部20aの外周に、発電機用ダクト19の後端が装着され、この発電機用ダクト19の後端面がファンカバー20の前面に固定されている。
【0024】
又、リコイル軸18aの軸端に、発電機4を構成する、ドラム状に形成されたアウタロータ22が固設されている。この発電機4はアウタロータ型の多極発電機であり、アウタロータ22の内周に複数の永久磁石23が等間隔に配列され、この永久磁石23の内周に、ステータ24が対設されている。このステータ24はステータコアと、このステータコアに巻回されたステータコイル(何れも図示せず)とで形成されており、このステータ24が発電機用エンドカバー25の内周面に突設されているボス25aに掛止され、図示しないボルトを介して固定されている。
【0025】
この発電機用エンドカバー25の後方へ開口する開口端が、ファンカバー20から延出する爪部20aに装着固定されており、この発電機用エンドカバー25の外周と、発電機用ダクト19の内周との間に、冷却風通路26が形成されている。
【0026】
一方、パイプフレーム2の垂立部2aには前側ブラケット27が溶接等の手段により固設されており、この前側ブラケット27に、コントロールユニット9を構成するコントロールパネル28がねじ止めされている。このコントロールパネル28には、エンジンスイッチ、エンジン停止スイッチ、出力する電力の周波数を50Hzと60Hzとに切換える周波数切換スイッチ等のスイッチ類、電力出力用コンセント、電流が設定値を超えたときに出力電流を遮断するブレーカ等の部品が配設されている。
【0027】
このコントロールパネル28にインバータユニット29を構成する放熱ケース29aが固設されており、この放熱ケース29aの背面にインバータ回路30が収容されている。このインバータ回路30は、発電機4で発電した電力を、所定周波数の電力に変換するもので、比較的大きな発熱量を有している。更に、放熱ケース29aの前面に放熱フィン29bが形成されている。
【0028】
又、コントロールパネル28の背面に樹脂製の枠体31が装着固定されている。この枠体31に、放熱ケース29aの外周に遊挿されるダクト部31aが形成されている。又、コントロールパネル28の前面に前面カバー32が装着されており、この前面カバー32とコントロールパネル28との外縁が、パイプフレーム2の垂立部2aに設けられた前側ブラケット27に固設されている。更に、この前面カバー32の、放熱ケース29aに対向する面に、ルーバ32aが複数形成されている。
【0029】
図5に示すように、発電機4を構成する発電機用エンドカバー25の端面が、インバータユニット29の背面に、近接された状態で配設されており、この発電機用エンドカバー25の外周に配設されている発電機用ダクト19が、その後方に対峙されている。尚、図3、図4の符号33は、リコイルスタータ18に巻装されているリコイルロープの先端に連結されたリコイルノブである。
【0030】
次に、このような構成による本実施の形態の作用について説明する。
エンジン3が稼働して、クランク軸3aが回転すると、このクランク軸3aに、リコイル軸18aを介して連設する発電機4のアウタロータ22が回転し、このアウタロータ22の内周に固設されている複数の永久磁石23の内周に対設するステータ24のコイルに起電力が発生する。
【0031】
そして、この起電力が、インバータ回路30に送電され、所定周波数の交流に変換されて、コントロールパネル28に配設されている電力出力用コンセントへ出力される。
【0032】
一方、エンジン3の稼働によりフライホイールを兼用する冷却ファン17が回転すると、発電機4に設けられている発電機用エンドカバー25に開口されている通気口(図示せず)、及びこの発電機用エンドカバー25と、この発電機用エンドカバー25の外周に配設されている発電機用ダクト19との間に形成された冷却風通路26から冷却風が発電機4内部に導入されて、発電機4内を冷却する。
【0033】
又、冷却風は、前面カバー32に形成されているルーバ32aからも導入される。このルーバ32aから導入された冷却風は、このルーバ32aの内面に対設されている放熱ケース29aの放熱フィン29bに沿って流れ、放熱フィン29bを冷却した後、発電機4の方向へ流れる。従って、放熱ケース29aは冷却風によっても強制的に冷却されるため、インバータ回路30を効率よく冷却させることができる。
【0034】
一方、発電機4内を通過した冷却風は冷却ファン17の中心部から外周方向へ放出される。冷却ファン17の外周にはファンカバー20が配設されており、冷却ファン17により外周方向へ放出された冷却風は、ファンカバー20にガイドされて、エンジン3の方向へ放出され、エンジン3を冷却する。
【0035】
そして、エンジン3を通過した冷却風は、その後方に配設されているマフラカバー10へ導かれ、このマフラカバー10を構成する枠体12に臨まされている排気マフラ11を冷却した後、この枠体12の開口面12bに装着されている背面プレート13に穿設されているルーバ13b、及び通気口13cを通過して外方へ排出される。
【0036】
ところで、排気マフラ11の輻射熱を最も受ける背面プレート13は金属製であるため、この背面プレート13の放熱作用により、排気マフラ11の高温化を抑制することができる。
【0037】
一方、排気マフラ11の外周が樹脂製の枠体12により囲まれているため、枠体12の断熱作用により、排気マフラ11の輻射熱がパイプフレーム2へ直接伝達されることが無く、更に、背面プレート13の外周に形成されているフランジ部13aが、枠体12の外周に形成されているフランジ部12aを介して、後側ブラケット14にねじ止めされているので、このフランジ部12aの断熱作用により、背面プレート13の熱がパイプフレーム2側へ伝達されることが無く、従って、パイプフレーム2の加熱昇温を未然に防止することができる。
【0038】
更に、この背面プレート13に対して排気マフラ11が近接しており、背面プレート13に排気マフラ11を介してエンジン振動が伝達されやすい場合であっても、この背面プレート13が枠体12を介して、後側ブラケット14に固設されているので、背面プレート13の振動がパイプフレーム2に直接伝達されず、振動、騒音を抑制することができる。
【0039】
尚、本発明は上述した実施の形態に限るものではなく、例えばマフラカバー10を構成する背面プレート13を二重構造とし、両プレート間に空気層を形成させて、外表面の昇温を抑制するようにしても良い。
【0040】
又、対象とする可搬型作業機もエンジン発電機に限らず、負荷手段を給水ポンプとするエンジンポンプ等であっても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、マフラカバーからフレームへの伝熱を防止すると共に、エンジン振動がマフラカバーを介してフレームへ伝達されることが抑制されるばかりでなく、排気マフラの高温化をも抑制することができる等、優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン発電機の背面から観た斜視図
【図2】マフラカバーと排気マフラとパイプフレームとの分解斜視図
【図3】エンジン発電機の正面から観た斜視図
【図4】エンジン発電機の側面図
【図5】エンジン発電機の要部断面側面図
【符号の説明】
1 エンジン発電機(可搬型作業機)
2 パイプフレーム
3 エンジン
4 発電機(負荷手段)
11 排気マフラ
10 マフラカバー
12 枠体
12b 開口面
13 背面プレート(遮蔽部材)
Claims (2)
- フレームにエンジンと該エンジンで駆動する負荷手段とを搭載すると共に、上記フレームに上記エンジンの排気系に連通する排気マフラを覆うマフラカバーを固設する可搬型作業機において、
上記マフラカバーが上記排気マフラの外周を囲う枠体と該枠体の開口面を覆う遮蔽部材とを備え、
上記枠体を断熱性部材で形成し、
上記遮蔽部材を伝熱性部材で形成し、
上記枠体を介して上記遮蔽部材を上記フレームに固設したことを特徴とする可搬型作業機の排気系構造。 - 上記枠体が樹脂製であり、上記遮蔽部材が金属製であることを特徴とする請求項1記載の可搬型作業機の排気系構造。
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