JP4101298B2 - タンパク質の製造のための磁気活性化細胞の分類 - Google Patents

タンパク質の製造のための磁気活性化細胞の分類 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明の分野は組み換えDNA技術を用いる抗体の作製である。
発明の背景
モノクローナル抗体を製造する能力は診断薬及び治療薬に大変革を起こしている。典型的には、抗体を産生するマウスリンパ球を不死化し、従って、マウス抗体を産生する細胞の無限の供給を保証することによりモノクローナル抗体は製造される。しかしながら、多くのヒト用途のために、ヒト抗体を製造することが望ましい。例えば、ヒトへのヒト抗体の投与は投与された抗体に対する潜在的な免疫反応を回避し、それらの反応は抗体が投与された目的を無にする可能性があるので、診断または治療のいずれかの目的のためにヒトに投与される抗体はヒト抗体であることが好ましい。
さらに、ある種の状況では、診断法において検出される抗原に対する抗体を他の動物が作ることができないので、診断目的のためにヒト抗体を用いることが必須である。例えば、他の動物はヒトRh抗原を検出することができる抗体を作ることができないので、ヒト赤血球(RBC)のRh表現型を決定するためには、抗−Rh抗体を含むヒト血清を用いなければならない。
エプスタイン・バーウイルス(EBV)によるトランスフォーメーションまたは細胞融合を用いてヒトBリンパ球を不死化することによるインビトロでのヒト抗体の製造は、ネズミの系と比較してEBVによるトランスフォーメーション及び細胞融合の両方の比較的低い効率のために技術的困難をはらんでいる。これらの問題を克服するために、展示M13バクテリオファージを用いたヒト抗体の製造方法が開発されている(Burton等、1994、Adv.Immunol57:191−280)。本質的には、抗体産生細胞の集団より得られたmRNAからcDNAライブラリーを作製する。mRNAは再編成された免疫グロブリン(Ig)遺伝子をコードし、従って、cDNAは同じものをコードする。増幅されたcDNAをM13発現ベクター中にクローン化し、ヒトFabフラグメントを表面上に発現するファージのライブラリーを作製する。目的の抗体を展示するファージを抗原結合により選択し、そしてバクテリア中で増殖させて可溶性のヒトFab Igを製造する。従って、通常のモノクローナル抗体合成と異なり、この方法はヒトIgを発現する細胞よりむしろヒトIgをコードするDNAを不死化する。
バクテリオファージを用いる抗体の作製と関係するいくつかの難題がある。例えば、精製工程は必ずタンパク質の可溶化を伴い、それはあるタンパク質をその上に存在する抗原性部位の破壊を伴って永久的に変性させる可能性があるので、多くのタンパク質を非変性状態で精製することができない。従って、そのようなタンパク質を固相に結合させることができず、それ故、それらに結合する抗体を保有するファージのパンニングのために用いることができない。そのようなタンパク質の例はヒトRh抗原である。
その問題を解決するために、完全なRBCをパンニング抗原として用いる方法が開発された(Siegel等、1994、Blood 83:2334−2344)。しかしながら、ファージは生来「粘着性」であり、そしてRBCは多数の抗原を細胞表面上に発現するので、適切な抗体を表面上に発現しないファージの十分量もRBCに付着し、従って、その方法は所望する特異性の抗体を発現するファージの単離のためには非実用的になる。
De Kruif等(1995、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:3938−3942)は抗体をコードするファージを単離する方法を開示しており、その場合、抗体を発現するファージを抗原を発現する細胞及び抗原を発現しない細胞の混合物とインキュベートする。抗体を発現するファージは抗原を発現する細胞に結合する。ファージとの結合後に、蛍光標識された抗体を抗原発現細胞に特異的に付加し、それらの細胞をそれらに結合した抗体発現ファージと共に混合物から取り出す。蛍光標識された細胞の単離は、高価で時間のかかる方法の蛍光活性化細胞分類(FACS)の技術を用いて実施する。
迅速且つ経済的であり、そしてヒトにおける診断及び治療用途のために有用な非常に多数のタンパク質結合タンパク質を与える、組み換えタンパク質、好ましくは抗体を単離する方法に対する必要性が依然としてある。
発明の要約
本発明はタンパク質を発現するウイルスベクター中にDNAライブラリーを作製し、その場合、タンパク質はウイルスベクターの表面上に発現され、そしてそのタンパク質は抗原保有部分に結合することができ、抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し、磁気標識細胞とタンパク質を発現するウイルスを抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下でインキュベートして混合物を形成し、その場合、ウイルスは磁気標識細胞に結合し、ウイルスが結合した細胞を混合物から単離し、そしてそこからタンパク質をコードするDNAを得ることを含んでなるタンパク質をコードするDNAを単離する方法に関する。
また、本発明はタンパク質を発現するウイルスベクター中にDNAライブラリーを作製し、その場合、タンパク質はウイルスベクターの表面上に発現され、そしてそのタンパク質は抗原保有部分に結合することができ、抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し、磁気標識細胞とタンパク質を発現するウイルスを抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下でインキュベートして混合物を形成し、その場合、ウイルスは磁気標識細胞に結合し、ウイルスが結合した細胞を混合物から単離し、そしてそこからタンパク質を単離することを含んでなるタンパク質を単離する方法にも関する。
一つの態様として、ウイルスベクターはバクテリオファージであり、そして別の態様として、バクテリオファージはM13である。
本発明の一つの態様として、タンパク質は抗体、リガンド及びホルモンよりなる群から選択され、そして別の態様として、タンパク質は抗体であり、それは抗−Rh赤血球抗体のような抗−赤血球表面抗原抗体であってもよい。
本発明のさらに別の態様として、抗原保有部分はタンパク質、脂質、炭水化物、核酸、並びにタンパク質、脂質、炭水化物及び核酸の少なくとも一つの複合体よりなる群から選択される。
抗原保有部分は抗原及び受容体よりなる群から選択される膜結合タンパク質であってもよい。別の態様として、膜結合タンパク質はRh抗原のような赤血球抗原のような抗原である。
また、本発明はタンパク質を発現するウイルスベクター中に合成DNAライブラリーを作製し、抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し、磁気標識細胞とタンパク質を発現するウイルスを抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下でインキュベートして混合物を形成し、その場合、ウイルスは磁気標識細胞に結合し、ウイルスが結合した細胞を混合物から単離し、そしてそれからタンパク質をコードするDNAを得ることを含んでなる抗原保有部分に結合することができるタンパク質をコードするDNAを単離する方法にも関する。
本発明はさらにタンパク質を発現するウイルスベクター中に合成DNAライブラリーを作製し、抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し、磁気標識細胞とタンパク質を発現するウイルスを抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下でインキュベートして混合物を形成し、その場合、ウイルスは磁気標識細胞に結合し、ウイルスが結合した細胞を混合物から単離し、そしてそれからタンパク質を単離することを含んでなる抗原保有部分に結合することができるタンパク質を単離する方法に関する。
また、抗原保有部分に結合することができるタンパク質を単離する方法も提供される。それらの方法はタンパク質をコードするDNAからタンパク質を発現させ、その場合、DNAは本明細書に記述される方法により得られ、そしてそのように発現されたタンパク質を単離することを含んでなる。
また本発明に含まれるものは本明細書に記述される方法に従って得られるタンパク質をコードする単離されたDNAである。
また、本発明は本明細書に記述される方法に従って得られるタンパク質の実質的に純粋な調製物にも関する。
【図面の簡単な説明】
図1は磁気活性化細胞分類を用いる細胞表面Fab−ファージパンニングの方法の図である。
図2はヒトRBCの細胞表面ビオチン化を示すグラフである。
図3は本発明の抗原−陽性、抗原−陰性細胞分離方法を実証する一連のグラフである。
図4は抗−Rh(D)Fab/ファージ凝集力価を測定したマイクロプレート凝集アッセイの像である。
図5は選択した抗−Rh(D)Fab/ファージクローンのRh(D)結合エピトープの決定を示すマイクロプレート凝集アッセイの像である。
図6はゲルカードアッセイにおけるFab/ファージ抗体の使用を示す像である。
発明の詳細な説明
本発明により、タンパク質をコードするDNA及びそれによりコードされるタンパク質を単離する新規な方法が提供され、その場合にタンパク質は好ましくは抗体であり、そのタンパク質は抗原保有部分に特異的に結合することができる。
本明細書に例示されるように、その方法はヒト抗体をコードするバクテリオファージを作製することを含んでなるがそれに限定されない。具体的には本発明において、M13糸状ファージライブラリーによりコードされる抗−Rh(D)RBC Fab/ファージ抗体が得られる。高度免疫感作された提供者から得られる抗体産生細胞から、まず抗体産生細胞において発現されるmRNAに由来するcDNAを得ることによりライブラリーを作製する。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びDNAのIgをコードするフラグメントに特異的なプライマーを用いてそのようなcDNAのフラグメントを得る。そのようにして得られたIgに特異的なDNAをバクテリオファージ中にクローン化する。ストレプトアビジンを結合した磁気ミクロビーズで前以て被覆した抗原陽性のビオチン化RBC標的細胞及び過剰の非標識RBCの混合物に対してIgフラグメントをコードするバクテリオファージをパンニングする。ファージ表面上に抗体を発現するバクテリオファージで、それらの抗体が標的細胞抗原に特異的であるものは標識された細胞に結合する。これらのファージを磁気カラムを用いて非標識細胞に結合したファージ及び細胞に結合しないファージから分離する。そのように分離されたファージは標的細胞上の抗原に特異的な抗体をコードし、展示する。
ファージ抗体ライブラリーを作製するために、まず、ファージ表面上に発現される所望するタンパク質、例えば、所望する抗体を発現する細胞から単離されるmRNAからcDNAライブラリーを得る。逆転写酵素を用いてmRNAのcDNAコピーを生成する。Igフラグメントを特定するcDNAをPCRにより得、得られたDNAを適当なバクテリオファージベ中にクローン化してIg遺伝子を特定するDNAを含んでなるバクテリオファージDNAライブラリーを作製する。異種起源のDNAを含んでなるバクテリオファージライブラリーの作製方法は当該技術分野でよく知られており、例えば、Sambrook等(1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、NY)に記述されている。
また、PCR増幅されたIgをコードするcDNAのフラグメントよりむしろcDNAを用いてバクテリオファージライブラリーを得ることもできる。cDNAライブラリーの作製はリガンド等のような抗体ではないタンパク質の単離のために有用である。
所望するタンパク質、例えば抗体をコードするバクテリオファージを、その対応する結合タンパク質、例えば抗体が向けられる抗原への結合に利用できるようにタンパク質をその表面上に展示するように設計することができる。従って、特定の抗体を発現するバクテリオファージを対応する抗原を発現する細胞の存在下でインキュベートした場合、バクテリオファージは細胞に結合する。抗体を発現しないバクテリオファージは細胞に結合しない。
バクテリオファージのパンニング、すなわち、所望する抗体を発現するファージの選択のために、対応する抗原を発現する細胞をビオチンのような検出可能な標識で標識する。次に、ストレプトアビジンを結合した磁気ビーズを細胞に付加する。それらの細胞を抗原を発現しない過剰の非標識細胞と混合する。次に、この細胞混合物をファージライブラリーとインキュベートし、その場合、抗体を発現するファージは抗原を発現する細胞に結合する。混合物中の過剰の非標識細胞の存在は、抗体を発現しないが、それとは別に抗原を発現する細胞に非特異的に結合する可能性があるバクテリオファージを除く手段として役立つ。本発明を実施するための実験方法の詳細は本明細書において実験の詳細の節に与えられる。
結合した抗体発現ファージを有する抗原発現細胞を混合物から磁気的に取り出す。磁気除去の一つの例は、カラムの周りの磁場の選択的存在または非存在下で磁性及び非磁性細胞の混合物をカラム中に流し入れることを含む。あるいはまた、単に試験管の側面に磁石を保持し、それらの細胞を内壁に引き付け、次に溶液から非磁性細胞を注意深く除くことにより、溶液中の非磁性細胞から磁性細胞を分離することができる。
従って、本発明の方法は磁気標識された受容体陽性粒子(すなわち、細胞)及び非標識受容体陰性粒子の混合物に対して負及び正の選択を同時に実施することにより、天然または合成のファージDNAライブラリーに由来する特定のファージ展示リガンドを発現するものに関して組み換えファージの集団を濃縮する方法を含む。
「バクテリオファージ」及び「ファージ」という用語は本明細書において互換的に用いられ、バクテリアに感染するウイルスをさす。本明細書で用いられる「バクテリオファージライブラリー」または「ファージライブラリー」という用語の使用は、異種起源のDNA、すなわち、バクテリアウイルスにより生来コードされないDNAを含んでなるバクテリアウイルスの集団を意味する。
「ウイルスベクター」という用語は異種起源のDNAが挿入されているウイルスを含む。ウイルスベクターはバクテリオファージであってもよく、または真核生物ウイルスであってもよい。
本明細書に用いられる「標的細胞」という用語は、所望する抗体を捜し出す抗原を発現する細胞を意味する。
本明細書に用いられる「パンニング」または「パンニングした」という用語は、所望する抗体をコードするファージを選択する工程を意味する。
本明細書に用いられる「Fab/ファージ」という用語は、抗体のFab部分を発現するファージ粒子を意味する。
本明細書に用いられる「scFv/ファージ」という用語は、単鎖として抗体のFv部分を発現するファージ粒子を意味する。
「過剰の非標識細胞」は、標識細胞の数を超える非標識細胞の量を意味する。好ましくは、標識細胞対非標識細胞の比率は約1:2である。より好ましくは、標識細胞対非標識細胞の比率は約1:4より大きい。さらにより好ましくは、標識細胞対非標識細胞の比率は約1:10より大きい。
本明細書において例示される本発明の方法は抗体分子のFab部分をコードするファージの作製を記述するが、本方法はFab抗体をコードするファージの作製のみに限定されると解釈されるべきではない。むしろ、単鎖抗体をコードするファージ(scFv/ファージ抗体ライブラリー)も本発明に含まれる。Fab分子は全Ig軽鎖を含んでなり、すなわち、それらは軽鎖の可変及び定常領域の両方を含んでなるが、重鎖の可変領域及び一番目の定常領域ドメイン(CH1)のみを含む。単鎖抗体分子はIg Fvフラグメントを含んでなる単鎖のタンパク質を含んでなる。Ig Fvフラグメントは抗体の重及び軽鎖の可変領域のみを含み、その中に定常領域を含まない。Marks等、1991、J.Mol.Biol222:581−597に記述された方法に従ってscFv DNAを含んでなるファージライブラリーを作製することができる。Fab DNAを含んでなるファージライブラリーに対して本明細書に記述したように、所望する抗体の単離のためにそのように作製したファージのパンニングを実施する。
また、本発明は重及び軽鎖可変領域がほとんど全ての可能な特異性を含むようにそれらを合成することができる合成ファージ展示ライブラリーも含むと解釈されるべきである。従って、抗体展示ライブラリーは「天然」または「合成」(Barbas、1995、Nature Medicine :837−839;de Kruif等、1995、J.Mol.Biol248:97−105)であってもよい。「天然の」抗体を含んでなる抗体展示ライブラリーを実験実施例の節に記述したように作製する。「合成の」抗体を含んでなる抗体展示ライブラリーをBarbas(1995、上記)及びその中に引用された参考文献に記述された方法に従って作製する。
本発明の方法はさらに本明細書に例示されるM13以外のファージを含んでなるファージ展示ライブラリーの作製を含むと解釈されるべきである。ラムダファージのような他のバクテリオファージも本発明の方法に有用である可能性がある。表面上に異種起源のDNAによりコードされるペプチドを展示するラムダファージ展示ライブラリーは作製されている(Sternberg等、1995、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:1609−1613)。さらに、本発明の方法を真核生物ウイルスのようなバクテリオファージ以外のウイルスを含むように拡張することができると考えられる。実際、哺乳類への送達のために適当な遺伝子をコードし、そしてその遺伝子が送達される特定の細胞型または組織を標的とすることができる抗体をコード及び展示する真核生物ウイルスを作製することができる。例えば、機能的抗体フラグメントを展示するレトロウイルスベクターが作製されている(Russell等、1993、Nucl.Acids.Res21:1081−1085)。
抗体を作製することができる赤血球抗原はRh(D)、Rh(C)、Rh(c)、Rh(E)、Rh(e)を初めとするRh抗原、並びにケル式、ダッフィ式、リュテラン式及びキッド式血液型の赤血球抗原を初めとする他の非Rh抗原を含むがそれらに限定されない。
従って、本発明の方法は抗−Rh(D)抗体をコードするDNAの単離のみに限定されず、むしろ、あらゆるRBC抗原または限定されないが腫瘍特異的抗原、バクテリア抗原等のような他の細胞抗原に対する抗体をコードするDNAの単離のために用いることができる。また、本発明の方法は多数の臨床的に重要な血小板抗原、注目すべきものとしてP1A1/P1A2、Baka/Bakb、PenA/PenB等に特異的なファージ抗体を作製することにより血小板の型を決めるためにも有用である。
本発明はさらに実質性(例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺)及び非実質性(例えば、骨髄)の両方の器官または組織移植の場合に、可能性のある移植適合に関して提供者及び宿主を照合する目的のためにHLA抗原に関して提供者の白血球の型を決めるために有用である。
こららの非赤血球抗原のいずれかに対する抗体を発現するファージの結合を検出するために、赤血球の凝集または捕捉に関して本明細書に記述した方法に従って非赤血球細胞を凝集または捕捉することができる。凝集または捕捉の前に、凝集または捕捉を肉眼またはスキャナーで識別できるように染色または他の標識化技術により細胞を「目に見える」ようにすることができる。
本発明の方法は抗原保有部分が可溶性形態で容易に精製されない場合に、抗原保有部分に結合するタンパク質を作製するために最も有用である。従って、抗原保有部分は他の構造、通常、細胞膜または細胞小器官膜のような細胞中の膜と結合している抗原を含む。
本発明では、抗原保有部分はタンパク質、脂質、炭水化物または核酸であってもよく、またはそれはタンパク質、脂質、炭水化物及び核酸の少なくとも2つの複合体であってもよく、細胞中の多数の抗原保有部分がこれらの部分のいずれかのみで構成されないことが理解される。好ましくは、抗原保有部分は抗原または受容体タンパク質のような膜結合タンパク質である。しかしながら、抗原保有部分が炭水化物である場合、それは糖脂質上に発現される炭水化物、例えば、P式血液型抗原または他の抗原であってもよい。
本明細書に用いられる「抗原保有部分」という用語は抗体が結合する分子を意味する。
また、本発明の方法は自己免疫性溶血性貧血(AIHA)に関与するもの(Siegel等、1994、Structural analysis of red cell autoantibodies、Garratty(編集)Immunobiology of Transfusion Medicine、Dekker、New York、New York)のような自己免疫抗体の作製のためにも有用である。細胞表面膜に結合しているかまたは細胞小器官膜に結合している細胞抗原に対して向けられる自己免疫抗体を本明細書に記述する技術を用いて単離することができる。自己免疫疾患及び抗体を単離することができるそれらに関係する抗原は以下のもの:重症筋無力症(アセチルコリン受容体;ニューロン)、慢性炎症性脱髄多発性ニュロパシー(ミエリン;ニューロン)、自己免疫性甲状腺疾患(甲状腺刺激ホルモン受容体;甲状腺細胞)、原発性胆汁性肝硬変(ミトコンドリアの自己抗原;肝臓ミトコンドリア)、特発性血小板減少性紫班病(血小板膜インテグリン;血小板)、尋常性天疱瘡(表皮抗原;表皮)及びグッドパスチャー症候群(基底膜抗原;腎臓または肺細胞)を含むがそれらに限定されない。
実際、本発明の方法は細胞上に発現される抗原に対するあらゆる抗体をコードするDNAクローンを単離するために有用であり、その細胞を磁気標識で標識することができ、そしてアッセイで必要とされる過剰の非標識細胞を与えるために十分な量で非標識形態で得ることができる。
さらに、本発明の方法は抗体をコードするDNAの単離に限定されず、むしろ、限定されないが、例えば、細胞受容体タンパク質、ペプチドホルモン等に結合するリガントのような細胞タンパク質に対する特異性を有する他のペプチドまたはタンパク質をコードするDNAの単離のためにも用いることができる。
また、本発明は細胞標識剤としてビオチンの使用に限定されると解釈されるべきではない。細胞への付加がその上に発現されるあらゆる表面タンパク質の構造保全性を妨げず、そしてそのような標識により常磁性ミクロビーズまたは他の磁気物質をそれに付加することができる場合、他の標識を用いることができる。他のそのような標識は活性化アミン、カルボキシルまたはチオール基を保有する磁気ビーズと直接誘導化する(derivitized)ことができる細胞表面タンパク質または炭水化物を含むがそれらに限定されない。さらに、フルオレセインまたはローダミンのような染料もビオチンと同様な方法で細胞に共有結合的に結合することができ、そして抗−染料抗体で被覆した磁気ビーズをそれに付加することができる。
本発明は本明細書に記述される方法を用いて作製されるタンパク質及びそれらをコードするDNAを含む。抗体をコードするDNAを単離するために、例えば、本発明の方法に従って得られる抗体発現ファージからDNAを抽出する。そのような抽出技術は当該技術分野でよく知られており、例えば、Sambrook等(上記)に記述されている。
本明細書に用いられる「単離されたDNA」は、生来存在する状態で隣接する配列から精製されているDNA配列、セグメントまたはフラグメント、例えば、フラグメントに通常隣接する配列、例えばフラグメントが生来存在するゲノム中でそれに隣接する配列から取り出されているDNAフラグメントをさす。また、その用語はDNAに生来付随する他の成分、例えば、細胞中で生来それに付随するRNAまたはDNAまたはタンパク質から実質的に精製されているDNAにも当てはまる。
また、本発明は本発明の方法に従って単離されるDNAに実質的に相同なDNAも含むと解釈されるべきである。好ましくは、実質的に相同なDNAは本発明の方法を用いて得られるDNAに約50%相同であり、より好ましくは約70%相同であり、さらにより好ましくは約80%相同であり、そして最も好ましくは約90%相同である。
本明細書に用いられる場合「相同な」は、2個のポリマー分子間、例えば2個の核酸分子、例えば2個のDNA分子もしくは2個のRNA分子間、または2個のポリペプチド分子間のサブユニット配列の類似性をさす。2個の分子の両方のサブユニット位置が同じモノマーサブユニットで占められる場合、例えば、2個のDNA分子の各々のある位置がアデニンで占められる場合、それらはその位置で相同である。2個の配列間の相同性は一致するまたは相同な位置の数の直接関数であり、例えば、2個の化合物配列の位置の半分(例えば、10サブユニットの長さのポリマーの5つの位置)が相同である場合、それら2個の配列は50%相同であり、90%の位置、例えば、10のうち9が一致するかまたは相同である場合、それら2つの配列は90%の相同性を有する。例として、DNA配列3’ATTGCC 5’及び3’TATGCG 5’は50%の相同性を有する。
本発明の方法を用いて作製される、例えば抗体を含んでなるタンパク質の実質的に純粋な調製物を得るために、タンパク質をそれが発現されるファージの表面から抽出することができる。そのような抽出のための方法はタンパク質精製の当業者によく知られている。あるいはまた、抗体をコードする単離されたDNAを発現ベクター中にクローン化し、そしてそれからタンパク質を発現させることにより、例えば抗体を含んでなるタンパク質の実質的に純粋な調製物を得ることができる。そのように発現されたタンパク質を当該技術分野においてよく知られている通常のタンパク質精製方法を用いて得ることができる。
本明細書に用いられる場合、「実質的に純粋な」という用語は、生来付随する成分から分離されている化合物、例えばタンパク質またはポリペプチドを説明する。典型的には、サンプル中の全材料の(容量で、湿もしくは乾量で、またはモルパーセントもしくはモル比で)少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも99%が目的の化合物である場合、その化合物は実質的に純粋である。あらゆる適切な方法、例えば、ポリペプチドの場合にはカラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動またはHPLC分析により純度を測定することができる。化合物、例えばタンパク質が生来会合した成分を本質的に含まない場合、または生来の状態でそれに付随する天然の混入物から分離される場合にもそれは実質的に精製される。
また、本発明は本発明の方法に従って得られるタンパク質またはペプチドの類似体も規定する。類似体は天然に存在するタンパク質またはペプチドと保存的アミノ酸配列の相違もしくは配列を変えない修飾またはそれらの両方により異ってもよい。
例えば、保存的アミノ酸変異を作製することができ、それらはタンパク質またはペプチドの一次配列を変えるが、通常、その機能を変えない。保存的アミノ酸置換は典型的に以下の群内の置換を含む:
グリシン、アラニン;
バリン、イソロイシン、ロイシン;
アスパラギン酸、グルタミン酸;
アスパラギン、グルタミン;
セリン、トレオニン;
リシン、アルギニン;
フェニルアラニン、チロシン。
(通常、一次配列を変えない)修飾はインビボまたはインビトロでのポリペプチドの化学的誘導化、例えばアセチル化またはカルボキシル化を含む。また含まれるものはグリコシル化の修飾、例えば、ポリペプチドの合成及びプロセシング中またはさらなるプロセシング工程においてそのグリコシル化様式を修飾することにより;例えば、グリコシル化に影響を及ぼす酵素、例えば哺乳類のグリコシル化または脱グリコシル化酵素にポリペプチドをさらすことによりなされるものである。また含まれるものはリン酸化されたアミノ酸残基、例えばホスホチロシン、ホスホセリンまたはホスホトレオニンを有する配列である。
また含まれるものは、タンパク質分解に対する抵抗性を向上するためまたは溶解特性を最適化するために通常の分子生物学技術を用いて修飾されているポリペプチドである。そのようなポリペプチドの類似体は天然に存在するL−アミノ酸以外の残基、例えばD−アミノ酸または天然に存在しない合成アミノ酸を含有するものを含む。本発明のペプチドは本明細書に挙げられる特定の例示的方法のいずれかの生成物に限定されない。
実質的に全長のポリペプチドに加えて、本発明はポリペプチドの活性フラグメントを規定する。特定のポリペプチドが抗原保有部分に結合する場合、例えば、抗体のフラグメントが全長タンパク質と同様にその対応する抗原に結合する場合、それは活性があるとみなされる。
本明細書に用いられる場合、ポリペプチドに適用される「フラグメント」という用語は、通常、少なくとも約50個の連続したアミノ酸、典型的には少なくとも約100個の連続したアミノ酸、より典型的には少なくとも約200個の連続したアミノ酸、そして通常少なくとも約300個の連続したアミノ酸の長さである。
本発明はさらに以下の実験実施例を参照することにより詳細に説明される。これらの実施例は例示の目的のためのみに与えられ、他に特定されないかぎり限定するものではない。従って、本発明は以下の実施例に限定されるといかようにも解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に与えられる教示の結果として明らかになるいずれか及び全ての変形を包含すると解釈されるべきである。
本明細書に記述される実験実施例はFab/ファージ展示を用いて抗−Rh(D)赤血球抗体を単離及び製造するための方法及び結果を与える。
細胞表面に発現される精製できない分子に特異的な、糸状ファージにより展示されるヒトモノクローナル抗体の単離方法を図1に記述する。抗原特異的ファージの捕捉を最適化し、そして関係のないファージ抗体の結合を最小限にするために、正及び負の同時選択方法を用いた。目的の抗原を保有する細胞を磁気ビーズで前以て被覆し、過剰の未修飾の抗原陰性細胞中に希釈する。細胞混合物をFab/ファージライブラリーとインキュベーションした後、磁気活性化細胞分類を用いて抗原陽性細胞集団を回収し、抗原特異的Fab/ファージを溶出し、バクテリア培養で増やす。このプロトコルを磁気標識されたRh(D)−陽性及び過剰の非標識Rh(D)−陰性ヒト赤血球並びにヒト末梢血リンパ球から構築されたFab/ファージライブラリーで用いた場合、一人の同種免疫個体から多数の独特な臨床的に有用なγ1κ及びγ1λ抗−Rh(D)抗体を単離した。
本発明の細胞表面選択法は推定される腫瘍特異的抗原の同定のためのような他の系における使用のために容易に適応でき、そして新規なまたは構造に依存する細胞表面エピトープに向けられる自己複製抗体試薬を単離するための迅速で(1カ月以内)高収率の方法を提供する。
Fab/ファージ展示ライブラリーの作製
Rh(D)−陽性の赤血球(RBC)で先に過剰免疫したRh(D)−陰性の個体からの末梢血から得た2 x 107の単核細胞から別個のγ1κ及びγ1λファージライブラリーを構築した。以前に公開された方法(Barbas等、1991、Combinatorial immunoglobulin libraries on the surface of phage(Phabs):Rapid selection of antigen−specific Fabs.Methods:A Companion to Methods、Enzymology :119−124中;Siegel等、1994、Blood 83:2334−2344)を利用してファージミドベクターpComb3(Barbas、1991、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982)を用いてライブラリーを作製した。
簡潔に言えば、提供者の細胞のmRNAからcDNAを調製し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びSilverman等(1995、J.Clin.Invest96:417−426)のものにより補足されたKang等により記述された(1991、「Combinatorial Immunoglobulin Libraries on the Surface of Phage(Phabs):Rapid Selection of Antigen−Specific Fabs.Methods:A Companion to Methods」Enzymology :111−118中)一連のヒトIgプライマーを用いて重鎖及び軽鎖免疫グロブリン(Ig)cDNAセグメントを増幅した。重及び軽鎖PCR産物をpComb3中にクローン化し、大腸菌中にエレクトロポレーションした。VCSM13ヘルパーファージ(Stratagene、La Jolla、CA)を同時感染させると、Ig DNAは糸状ファージ粒子中にパーッケージされ、それは遺伝子IIIバクテリオファージ外被タンパク質に融合されたヒトFab分子を発現する。
抗−Rh(D)クローンに対するFabファージ展示ライブラリーのパンニング
10%のヘマトクリット値で細胞を500μg/mlのスルホ−NHS−LC−ビオチン(Pierce Chemical、Rockford、IL)と室温(RT)で40分間インキュベートすることにより、Rh(D)−陽性RBCを細胞表面でビオチン化した。リン酸緩衝食塩水(PBS)で5回洗浄した後、8 x 106のビオチン化Rh(D)−陽性RBCを10μlのストレプトアビジンで覆われた常磁性ミクロビーズ(MACSストレプトアビジンミクロビーズ、Mitenyi Biotec、Sunnyvale、CA)と共に100μl PBSの全容量でRTで1時間インキュベートした。未反応のビーズを洗浄により除き、次に、磁気ビーズで覆われたRh(D)−陽性RBCを10倍過剰(8 x 107)のRh(D)−陰性(未修飾の)RBC並びに〜3 x 1011コロニー形成単位(cfu)の(上記のように調製した)γ1κ及びγ1λ Fab/ファージライブラリーのいずれかと2%脱脂粉乳を含有する40μl PBS(MPBS、Carnation、Nestle Food Products、Glendale、CA)の最終容量で混合した。
37℃で2時間のインキュベーション後、RBC/ファージ懸濁液を2% MPBSで前以て平衡化したMiniMACS磁気型MSカラム(Mitenyi Biotec、Sunnyvale、CA)上に10μl/分の流速で添加した。磁気ビーズで覆われたRBCがカラムの非常に最上部に即座に付着し、それを詰まらせ、そしてRh(D)陰性の非ビオチン化RBCの捕捉を引き起こすのを防ぐために、カラムの周りの磁場なしにこの添加工程を実施した。カラムの排除体積は40μlよりわずかに大きいので、RBC/ファージインキュベーション混合物を磁場なしで添加することは、抗原陰性及び抗原陽性RBCを流れ出さずにカラムの全体にわたって均一に分布させる。いったん添加すると、カラムを磁場中(MiniMACS磁気分離装置、Mitenyi Biotec、Sunnyvale、CA)に2分間置いてRh(D)−陽性RBCを接着させ、そして一連の500μlの洗浄をよく冷えたMPBSで実施し、続いてPBSで最終洗浄した。最初の2回のパンニングでは全部で3回の洗浄を実施し、そしてその後の全てのパンニングでは全部で6回の洗浄を実施した。各パンニングでは、最初の洗浄を10μl/分の流速で実施し、その間に大部分のRh(D)−陰性RBCはカラムから流れ出た。その後の全ての洗浄を200μl/分で実施した。最後の洗浄後にカラムを磁場から取り出し、ビーズで被覆され/ファージで被覆されたRh(D)−陽性RBCを5cc注射器(Becton−Dickinson、Franklin Lakes、NJ)からのプランジャを用いて500μl PBSでカラムから流し出した。
それらのRBCをすぐに13,000 x gで5秒間遠心分離し、次に、200μlの76mMクエン酸塩、pH2.4中に再懸濁してRh(D)抗原を変性させ、結合したファージを溶出させた。断続的にボルテックスしながらRTで10分のインキュベーション期間の後、ファージ溶出液及び細胞残渣を18μlの2Mトリス塩基で中和し、10μg/mlのテトラサイクリンを補足したスーパー(super)培地(SB)(Barbas等、1991、上記)中で生育した大腸菌のXL1−Blue株(Stratagene、La Jolla、CA)O.D.=1.0 10mLに添加した。RTで15分間インキュベーションし、その間にRh(D)バインダーに対して濃縮されたファージライブラリーをバクテリア培養物に感染させた後、40μg/mlのカルベニシリン、10μg/mlのテトラサイクリンを含有する前以て温めた37℃のSBを添加してそれぞれ20μg/ml及び10μg/mlの最終抗生物質濃度を生じた。少量の培養物(〜100μl)をすぐに取り出し、LB/カルベニシリンプレート上で滴定して全溶出液中に含まれるファージの数を決定した。培養物の残りを300RPMで37℃で1時間振盪した。続いて、追加の抗生物質、追加のSB及びVCSM13ヘルパーファージを添加し、記述されたように(Siegel等、1994、上記)培養物を30℃で一晩生育した。
ポリエチレングリコール8000(PEG)沈殿によりファージミド粒子を培養上清から精製し(Barbas等、1991、上記)、1%ウシ血清アルブミン(BSA)/PBS中に再懸濁し、そして一晩透析して次の回のパンニング中にRBCを溶解する可能性がある残存しているPEGを除いた。このように、得られたファージ調製物は次の回のパンニングの原材料として使える。バクテリア増幅により導入される可能性がある軽鎖アイソタイプ複製のあらゆる偏りを防ぐためにγ1κ及びγ1λファージライブラリーを別個にパンニングした。
抗−Rh(D)反応性に関するポリクローナルFab/ファージライブラリー及び個々のファージクローンのスクリーニング
結合した抗−Rh(D)Fab/ファージを有するRBC間に凝集を引き起こすために架橋抗体として抗−M13抗体を用いてRh(D)抗原に対するFab/ファージの特異性を評価した。一連のパンニングからのポリクローナルFab/ファージの100μlアリコートまたは個々のFab/ファージ溶出液クローンから得られたモノクローナルFab/ファージを特定の表現型(すなわち、Rh(D)−陰性または陽性)のRBCの3%懸濁液50μlとインキュベートした。
37℃で1時間のインキュベーション後、RBCを2mlの冷えたPBSで3回洗浄して結合しないFab/ファージを除いた。得られたRBCペレットをヒツジ抗−M13抗体(5−Prime 3−Prime、Boulder、CO)の10μg/ml溶液100μl中に再懸濁し、96ウェルマイクロタイタープレートの丸底のウェルに移した。プレートを静置したままにし(〜2時間)、次に読み取った。陰性反応を有するウェルは鮮明な〜2mmの直径のRBCスポットを示し、一方、陽性反応、すなわち、凝集を有するウェル中では、凝集したウェル中のRBCがウェルの全床面を覆う薄い広がりを形成する。
ミニカラムゲルカード(ID−ミクロタイピングシステム(Micro Typing System)、Ortho Diagnostics、Raritan、NJ)を利用する赤血球凝集反応アッセイ(Lapierre等、1990、Transfusion 30:109−113)では、25μlのFab/ファージクローンをRBC(ミクロタイピングシステムバッファー、Ortho Diagnostics中0.8%の懸濁液)の50μlアリコートと混合した。100μl/mlの抗−M13抗体中に先に懸濁したデキストラン−アクリルアミドビーズを含有するミニカラムの上の容器に混合物を入れた。37℃でインキュベーション後、ゲルカードを70 x gで10分間遠心分離し、読み取った。
様々な方法
フローサイトメトリーのための蛍光標識されたRBCの調製を本明細書に記述したように実施し、Lysis II(バージョン1.1)ソフトウェア(Becton−Dickinson、Mountain View、CA)を備えたFACScanミクロ蛍光計(microfluorimeter)を用いてサンプルを分析した。バクテリアクローンからプラスミドDNAを調製した(Qiawell Plus、Qiagen、Chatsworth、CA)。軽鎖もしくは重鎖Ig定常領域リバースプライマーまたはそれぞれのIg鎖の5’にアニールする独特なpComb3ベクタープライマー(Barbas等、1991、上記;Roben等、1995、J.Immunol.154:6437−6445)及び自動化蛍光シークエンシング(Applied Biosystems、Foster City、CA)を用いて二本鎖DNAをシークエンスした。Mac Vectorバージョン5.0シークエンシングソフトウェア(Oxford Molecular Group、Oxford、UK)及びIg生殖細胞系遺伝子のTomlinsonデータベース(Tomlinson等、1996、V Base Sequence Directory、MRC Center for Protein Engineering、Cambridge、UK)を用いて配列を分析した。
細胞インキュベーション及び分離プロトコルの実験設計
細胞分離工程及び抗原特異的Fab/ファージの最終収率を最適化するための一連の初期研究を実施した後、抗−RBC−反応性ファージに関してFab/ファージライブラリーをパンニングするための上記の実験条件を決定した。調べた主要なパラメーターは以下のものを含んだ。
ビオチン化 ストレプトアビジンで覆われた磁気ビーズの十分な数が細胞に結合してそれらのRBCを磁気カラムで保持させるようにRBC表面をビオチン化する条件を探した。この場合、Rh(D)抗原の抗原性を破壊する可能性があるかまたは細胞が抗体を非特異的に吸着するようになる可能性がある過剰のビオチン化を避けなければならない。この問題を検討するために、Rh(D)−陽性/ケル−陰性RBC(ケルはRBC抗原である;(Walker、編集、1993、Technical Manual第11版Bethesda:American Association of Blood Banks))を一連のスルホ−NHS−LC−ビオチン濃度と共にインキュベートし、フルオレセインを結合したストレプトアビジンを利用してフローサイトメトリーによりビオチン化の程度を評価した。
細胞表面のビオチン化の程度を評価するために、異なるビオチン試薬濃度でビオチン化されたRh(D)−陽性/ケル−陰性RBCの3%懸濁液の5μlアリコートを1/100希釈のFITC−ストレプトアビジン(Jackson ImmunoResearch、Bar Harbor、Maine)200μlと4℃で30分間インキュベートした(図2)。混合物をリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄し、フローミクロ蛍光定量法により分析した(−□−)。また、100μlの抗−Rh(D)または抗−ケルタイピング血清のいずれかそれぞれと細胞をインキュベートし、細胞を洗浄し、次にそれらを1/100希釈のFITC−ヤギ抗−ヒトIgG(Jackson Immuno Research)で染色することにより、Rh(D)−抗原性の保持(−△−)(すなわち、特異的染色)または非特異的染色の欠如(−○−)に関しても細胞のアリコートを分析した。
直線状の飽和しない反応が見られた(図2)。抗−Rh(D)タイピング血清を用いてRh(D)抗原性の保持を評価し、試験した全てのビオチン濃度でビオチンでの細胞表面タンパク質の誘導化により影響を受けないことが見いだされた(図2)。さらに、それらのケル−陰性RBCは抗−ケル抗体を非特異的に吸着しなかった。
次に、各ビオチン化RBCサンプルを過剰のストレプトアビジン被覆磁気ミクロビーズとインキュベートし、磁気分離カラムに添加した。500μg/mlより多いかまたはそれに等しいビオチン試薬でビオチン化されたRBCサンプルでは、108ものRBCをカラムにより保持することができると測定された。実際のRBC/ファージパンニング実験は〜107のみのRh(D)−陽性細胞を用いるように設計されたので(以下参照)、500μg/mlでのRBCビオチン化が十分であると決定された。
インキュベーション混合物中のRh(D)−陽性及びRh(D)−陰性RBCの濃度
Fab/ファージパンニング実験を実施する前に、Rh(D)−陽性及びRh(D)−陰性細胞を分離する磁気活性化細胞分離技術の能力を抗−Rh(D)タイピング血清及びフローサイトメトリーを用いて評価した(図3)。2%の脱脂粉乳を含有する40μl容量のPBS(MPBS)中で、ストレプトアビジン−ミクロビーズで被覆されたビオチン化Rh(D)−陽性RBC(8 x 106細胞)を10倍過剰のRh(D)−陰性の被覆されていないRBC(8 x 107細胞)と混合し、混合物をMiniMACSカラムに添加した。カラムを洗浄し、結合した細胞を本明細書に記述するように溶出させた。元の混合物中(パネルa)、カラム洗浄液(パネルb)及びカラム溶出液(パネルc)中に含まれるRBCのアリコートを図2で記述したように抗−Rh(D)タイピング血清及びFITC−ヤギ抗−ヒトIgGで染色した。フローサイトグラムから、カラム添加物中の〜90%の細胞はRh(D)−陰性であるが(パネルa)、それらのほとんど全てはカラムから流れ出て(パネルb)、ほとんど完全にRh(D)−陽性細胞であるカラム溶出液をもたらす(パネルc)ことが示される。最終溶出液の〜6%のみがRh(D)−陰性細胞を含んでなり(パネルc)、そしてRh(D)−陰性細胞は最初Rh(D)−陽性細胞に対して10倍過剰で存在したので、最初の抗原−陰性の免疫吸着剤(immunosorbant)細胞の〜0.6%だけが最終の抗原−陽性調製物に混入した。細胞分離のこの効率は次のFab/ファージでのパンニング実験のために適切と考えられた。
上記の実験において、磁気分離カラムを詰まらせることを避けるために、磁場なしにカラムに添加することが必要であった。これは材料がカラムから流れ出ないように40μl未満またはそれに等しい反応容量を必要とした。理論に基づいて(Kretzschmar等、1995、Anal.Biochem.224:413−419)、与えられた細胞表面抗原に特異的なFab/ファージの50%より多くを捕捉するために40μlの容量中に必要な細胞の適切な濃度を計算することができる。そのような計算は細胞当たりの抗原部位の数及び結合したFab/ファージの解離定数(KD)の関数である。RBC(表現型「−D−/−D−」)当たり〜100,000Rh(D)抗原部位の値(Mollison等、1993、Blood Transfusion in Clinical Medicine、Oxford、Blackwell Scientific Puclications)及びKD=10-8ないし10-9Mの範囲の所望するFab/ファージ親和性を用いると、40μlの反応容量中8 x 106のRh(D)−陽性細胞を必要とする。この数のRh(D)−陽性細胞を仮定すると、10倍過剰のRh(D)−陰性RBCが磁気カラムで抗原−陽性RBCから効率よく分離することができる抗原−陰性細胞の最大量であることが見いだされた(図3)。
Fab/ファージライブラリーの構築及びパンニング
γ1κ及びγ1λファージライブラリーを本明細書に記述したように調製し、それらはそれぞれ7 x 107及び3 x 108の独立した形質転換体を含有することが見いだされた。表1にこれらのライブラリーのパンニング結果を要約する。
パンニングしたポリクローナルライブラリー及び個々の無作為に選択したFab/ファージクローン中の抗−Rh(D)Fab/ファージ活性を検出するために架橋抗体として抗−M13二次抗体を利用するRBC凝集アッセイを用いた(図4)。示される結果はRh(D)−陰性RBCに対する陰性反応性及び1/2048の希釈までのγ1κライブラリー(パンニング#2)のRh(D)−陽性RBCに対する強い陽性反応性を示すアッセイの代表的な例である。
γ1κライブラリーの場合、結合ファージの著しい濃縮は1回のみのパンニング後に起こるようであり、一方、γ1λライブラリーの著しい濃縮は2回目中に起こる。これはそれぞれ1及び2回のパンニング後に、示した回のパンニング中に結合したファージのパーセント及びRh(D)−陽性RBCを凝集するポリクローナルγ1κ及びγ1λFab/ファージライブラリーの能力の両方の急激な増加により示される(表1、図4)。
各回のパンニング中に得られた無作為に選択した個々のバクテリアコロニーからモノクローナルFab/ファージを調製した。3回目のパンニングまでに全てのクローンが抗−Rh(D)特異性を有することは明らかであった(表1)。これらのFab/ファージが抗−Rh(D)特異性を有し、そして凝集アッセイにおいて用いた特定のRh(D)−陽性RBC上に偶然存在し且つ特定のRh(D)−陰性RBC上にない可能性がある他の関係のない抗原に結合していないことを確かめるために、異なる血液型特異性の11のRh(D)−陰性及び−陽性RBCのパネルに対してクローンをスクリーニングしてそれらの抗−Rh(D)特異性を確かめた(Walker、1993、上記)。
遺伝子レベルでのクローンの分析
無作為に選択した抗−Rh(D)クローン間の遺伝的多様性を調べるために、プラスミドDNAをクローンの各々から調製し、対応する重及び軽鎖Igヌクレオチド配列を同定した。表2に、最も近縁の生殖細胞系重または軽鎖Ig遺伝子の名称を初めとする各クローンの多数の特性を挙げる。ヌクレオチドレベルでのより詳細な分析から、全ての抗−Rh(D)結合クローンの中に多数の独特な重及び軽鎖DNA配列があることが示された(表3)。Fab/ファージ展示ライブラリーの作製中に起こる重及び軽鎖遺伝子セグメントのランダムシャッフリングのために、これらの重鎖及び軽鎖が組合わさってほぼ50の異なる抗−Rh(D)抗体を形成することは明らかである。
予測されるアミノ酸配列の詳細な複数整列(multiple alignment)分析から、全部で25の独特な重鎖、18の独特なκ軽鎖及び23の独特なλ軽鎖タンパク質が示された。ライブラリー構築中の組み合わせ作用のために、これらの重及び軽鎖遺伝子セグメントは対になって50の独特なFab抗体(20γ1κ及び30γ1λ)を生じた。興味深いことに、全ての25の独特な重鎖及びほとんど全ての18の独特なκ軽鎖はそれぞれ5つのVHIIIまたは4つのVκI生殖細胞系遺伝子のみに由来し、一方、λ軽鎖はより多様な組の生殖細胞系遺伝子に由来した。選択前の可変領域ファミリー表示の不均質性を確かめるために、パンニングしていないライブラリーからの60を越える陰性クローンからの重及び軽鎖ヌクレオチド配列の分析を実施した。VHファミリーI(13%)、III(36%)、IV(31%)、V(15%)及びVI(5%);VκファミリーI(43%)、II(14%)、III(29%)及びIV(14%);並びにVγファミリーI(48%)、II(4%)、III(9%)、IV(4%)、V(9%)、VI(17%)及びVII(9%)を示すクローンが存在した。
タンパク質レベルでのクローンの分析
抗−Rh(D)クローン中の細かい特異性(Rh(D)抗原エピトープ特異性)の多様性を調べるために、選択したクローン及びRBCがある種のエピトープを欠いているRh(D)抗原を産生する個体から得られた稀なRh(D)−陽性RBCの組を用いて凝集実験を実施した。そのような突然変異体RBCの組での特定の抗−Rh(D)抗体の凝集のパターンを調べることにより、抗体が向けられるRh(D)上の特定のエピトープを同定することができる(Mollison等、1993、上記)。そのような実験の代表的な例を図5に示し、そして選択した抗−Rh(D)Fab/ファージクローンのRh(D)エピトープを表2に要約する。
抗−Rh(D)−陰性RBC(rr)、Rh(D)−陽性RBC(R22)及び「部位的」Rh(D)−陽性RBC(モザイクIIIa、IVa、Va、VI、VII)で凝集実験を実施した。示される結果は5個の無作為に選択した抗−Rh(D)Fab/ファージクローンのアッセイの代表的な例である(図5)。
Figure 0004101298
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血液銀行タイピング試薬としてのFab/ファージ抗体の使用
マイクロプレート赤血球凝集反応アッセイにおいてRh(D)−陰性とRh(D)−陽性RBCとを正確に識別する抗−Rh(D)Fab/ファージ調製物の能力(図4及び5)は、通常の抗血清を用いてRBCの表現型を決めるために血液銀行により用いられるゲル試験(Lapierre等、1990、Transfusion 30:109−1130)をFab/ファージでの使用のために適応させることができる証拠を与えた。
ゲル試験は抗−ヒトグロブリン(クームス試薬)中に懸濁した約20μlのデキストラン−アクリルアミドビーズを各々入れた6本のミニカラムを含有する約5 x 7cmのプラスチックカードを含んでなる。型を決める赤血球を適切なヒト抗血清とインキュベートし、ゲルを通して遠心分離する。抗血清が向けられる抗原に関して陽性であるRBCは抗−ヒトグロブリンに遭遇すると凝集し、ゲルマトリックス中または上に捕捉されるようになる。反応性でないRBCはゲル粒子を通って沈殿し、マイクロチューブの底にペレットを形成する。ゲル試験はRBC表現型タイピングの伝統的な血液銀行法より減少した試薬容量、細胞洗浄工程の削除及び結果のより客観的な解釈を初めとする多数の利点を与えるので、多数の血液銀行機関はこの新規な技術を適応している。図6に示されるように、抗−M13抗体を含むように改変されたゲルカードで抗−Rh(D)Fab/ファージを用いることができる。
アッセイを実施するために、Rh(D)−陰性または−陽性の赤血球を抗−Rh(D)Fab/ファージ(γ1κライブラリー、パンニング#2)の希釈物とインキュベートし、抗−M13抗体中に懸濁したビーズを含有するミクロカラム中に遠心分離した。未希釈のFab/ファージストックはマイクロプレート沈降アッセイのものと同様の5 x 1012cfu/mlの力価を有した(図4)。このアッセイに用いたFab/ファージの量はマイクロプレートアッセイのものの1/4であるので、1/625希釈物中に存在するFab/ファージの量は図4の1/2048希釈物中に存在するものにほぼ等しい。従って、陽性結果を生じるために必要なFab/ファージの数は両方のアッセイで本質的に等しい。
ちょうど記述したように実施した他のアッセイにおいて、抗−M13抗体をアッセイから除くと、赤血球の凝集は見られなかった。さらに、抗−IgG抗体はバクテリオファージの表面上に発現された組み換えFabと反応しない。抗−M13抗体がアッセイに存在する場合、抗−Rhファージと反応したRh−陽性細胞のみが凝集した。高濃度の抗−M13抗体を用いた場合に、Rh−陰性細胞さえ凝集されるように見えることに注意すべきである。これは結合しない(すなわち、反応しない)ファージの架橋の結果生じるアーチファクトであり、それらのファージは多量の抗−M13抗体の存在下で架橋されるようになり、全てのRh−陰性細胞が横切ることができるとは限らない半不可入性のマットを形成する。本明細書に記述した実験では、約100μg/mlの抗−M13濃度が凝集のため及び偽陽性結果の防止のための最適であると考えられた。アッセイに用いる試薬及び細胞の正確な濃度により、抗−M13の濃度はこの数から外れてもよい。
抗−M13改変されたミクロタイピング系の相対的感度を評価するために、ミクロタイピング系カードのカラムに100μg/mlの抗−M13抗体を添加した。Rh−陰性またはRh−陽性赤血球を未希釈または5倍連続希釈(1/5、1/25、1/125、1/625及び1/3125)の抗−Rhファージ抗体とインキュベートした。カードを遠心分離し、サンプルを凝集に関して評価した。改変されたミクロタイピング系カードアッセイは1/625ないし1/3125の間の希釈で抗−Rh凝集を検出することができた。
腫瘍特異的抗体の単離のための方法
腫瘍細胞に特異的なFab/ファージはインビトロでの診断(生検、体液または血液サンプルのラボアッセイ)、腫瘍/転移のインビボ標識化(イメージングプローブへの抗体の結合)または悪性腫瘍の処置(化学的もしくは放射性毒素への抗体の結合)のために有用である。また、腫瘍特異的抗体は腫瘍細胞上の新規な抗原またはマーカーの同定のためにも有用であり、それらは抗−腫瘍ワクチンの基礎を成すことができるる。さらに、抗−イディオタイプ抗体の作製のために有用な腫瘍特異的抗体も抗−腫瘍ワクチンの基礎を成すことができる。
抗−腫瘍抗体は本質的に抗−Rh抗体の作製のために本明細書に記述したように作製される。腫瘍細胞、限定されないが例えば悪性黒色腫細胞を細胞表面でビオチン化し、ストレプトアビジン−磁気ミクロビーズで標識し、次に過剰の正常メラニン細胞と混合する。治療的に有用な抗−腫瘍抗体を保有する黒色腫患者の末梢血リンパ球からFab/ファージライブラリーを作製する。外見上自分自身を治療した多数の黒色腫患者は体液性(すなわち、抗体)免疫反応を高めることによりそのようにした。これらのFab/ファージライブラリーを細胞の混合物とインキュベートする。悪性腫瘍細胞に特異的なエピトープに向けられるFab/ファージは悪性腫瘍細胞に結合し、次に、磁気カラムパンニング方法を利用してそれらを単離することができる。
バクテリアのビルレント因子を同定するFab/ファージの単離
ビルレントバクテリア及びそれらの非病原性同等物の間の違いを検出することができるFab/ファージを単離するために本明細書に記述した方法を用いることができる。この場合、バクテリアのビルレント株を磁気標識し、非病原性同等物で希釈し、ビルレント株に感染した個体から得られたリンパ球から作製されるFab/ファージライブラリーを添加する。このようにして単離されるFab/ファージは新規なバクテリアの抗原の同定のために有用である可能性があり、それらに対して抗菌性化合物及び/またはワクチンを開発することができる/
本明細書に引用される各々及び全ての特許、特許出願及び公開物の開示は本明細書で全部引用することにより本明細書に組み込まれる。
本発明は特定の態様に関して開示されているが、当業者が本発明の真の趣旨及び範囲から逸れずに本発明の他の態様及び変形を考案できることは明らかである。付加した請求の範囲は全てのそのような態様及び同等な変形を含むと解釈されると考えられる。

Claims (21)

  1. 抗原保有部分に結合するタンパク質をコードするDNAを単離する方法であって、
    少なくとも1つのウイルスベクターが表面に該タンパク質を発現し、そして該ウイルスベクターに関して異種起源の該DNAを含むものである複数のウイルスベクターを含んでなるファージディスプレイライブラリーを作製する工程
    該抗原保有部分を表面に担持する細胞に磁気標識を付加する工程
    該抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下で該磁気標識細胞とファージディスプレイライブラリーをインキュベートして混合物を形成し、それにより該少なくとも1つのウイルスベクターを該磁気標識細胞に結合する工程
    磁気標識細胞を該混合物から単離し、それにより該少なくとも1つのウイルスベクターを該混合物から単離する工程;及び
    単離されたウイルスベクターから該タンパク質をコードするDNAを得る工程
    を含んでなる上記の方法。
  2. 抗原保有部分に結合するタンパク質を単離する方法であって、
    少なくとも1つのウイルスベクターが表面に該タンパク質を発現し、そして該タンパク質をコードする異種起源のDNAを含むものである複数のウイルスベクターを含んでなるファージディスプレイライブラリーを作製する工程
    該抗原保有部分を表面に担持する細胞に磁気標識を付加する工程
    該抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下で該磁気標識細胞と該ファージディスプレイライブラリーをインキュベートして混合物を形成し、それにより該少なくとも1つのウイルスベクターを該磁気標識細胞に結合する工程
    磁気標識細胞を該混合物から単離し、それにより該少なくとも1つのウイルスベクターを該混合物から単離する工程;及び
    該単離されたウイルスベクターから該タンパク質を単離する工程を含んでなる上記の方法。
  3. イルスベクターがバクテリオファージM13ベクター、バクテリオファージラムダベクター及び真核生物レトロウイルスベクターからなる群より選択される、請求1または2記載の方法。
  4. ウイルスベクターがバクテリオファージM13ベクターである、請求記載の方法。
  5. ンパク質が抗体、リガンド及びホルモンよりなる群から選択される、請求1または2記載の方法。
  6. ンパク質が抗体である、請求記載の方法。
  7. 体が抗−赤血球細胞表面抗原抗体である、請求記載の方法。
  8. 体が抗−Rh赤血球抗体である、請求記載の方法。
  9. 抗体が抗−Rh(D)赤血球抗体である、請求項7記載の方法
  10. 原保有部分がタンパク質、脂質、炭水化物、核酸、並びにタンパク質、脂質、炭水化物及び核酸の少なくとも1つの複合体よりなる群から選択される、請求1または2記載の方法。
  11. 原保有部分が膜結合タンパク質である、請求項10記載の方法。
  12. 結合タンパク質が抗原及び受容体タンパク質よりなる群から選択される、請求項11記載の方法。
  13. 結合タンパク質が抗原である、請求項12記載の方法。
  14. 原が赤血球抗原である、請求項13記載の方法。
  15. 原がRh抗原である、請求項14記載の方法。
  16. ファージディスプレイライブラリーが合成ファージディスプライライブラリーである請求項1記載の方法。
  17. ファージディスプレイライブラリーが合成ファージディスプライライブラリーである請求項2記載の方法。
  18. 請求項1記載の方法であって、磁気標識細胞が磁気分離カラムに該混合物を供給してカラムから非標識細胞を溶出することにより該混合物から単離される、上記の方法。
  19. 混合物が磁界の存在しない磁気分離カラムに供給される請求項18記載の方法。
  20. 請求項2記載の方法であって、磁気標識細胞が磁気分離カラムに該混合物を供給してカラムから非標識細胞を溶出することにより該混合物から単離される、上記の方法。
  21. 混合物が磁界の存在しない磁気分離カラムに供給される請求項20記載の方法。
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