JP2002503085A - タンパク質の製造のための磁気活性化細胞の分類 - Google Patents

タンパク質の製造のための磁気活性化細胞の分類

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Abstract

(57)【要約】 本発明はDNA及びそれによりコードされるタンパク質を単離する方法を含み、そのタンパク質は抗原保有部分に結合することができる。それらの方法はウイルスベクター中にタンパク質を発現するDNAライブラリーを作製することを含んでなる。抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し、そして抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下でそれらの細胞をタンパク質を発現するウイルスとインキュベートして混合物を形成し、その場合、ウイルスは磁気標識細胞に結合する。結合したウイルスを上に有する細胞を混合物から単離し、それからタンパク質をコードするDNA及びタンパク質を得る。

Description

【発明の詳細な説明】 タンパク質の製造のための磁気活性化細胞の分類 発明の分野 本発明の分野は組み換えDNA技術を用いる抗体の作製である。 発明の背景 モノクローナル抗体を製造する能力は診断薬及び治療薬に大変革を起こしてい る。典型的には、抗体を産生するマウスリンパ球を不死化し、従って、マウス抗 体を産生する細胞の無限の供給を保証することによりモノクローナル抗体は製造 される。しかしながら、多くのヒト用途のために、ヒト抗体を製造することが望 ましい。例えば、ヒトへのヒト抗体の投与は投与された抗体に対する潜在的な免 疫反応を回避し、それらの反応は抗体が投与された目的を無にする可能性がある ので、診断または治療のいずれかの目的のためにヒトに投与される抗体はヒト抗 体であることが好ましい。 さらに、ある種の状況では、診断法において検出される抗原に対する抗体を他 の動物が作ることができないので、診断目的のためにヒト抗体を用いることが必 須である。例えば、他の動物はヒトRh抗原を検出することができる抗体を作る ことができないので、ヒト赤血球(RBC)のRh表現型を決定するためには、 抗−Rh抗体を含むヒト血清を用いなければならない。 エプスタイン・バーウイルス(EBV)によるトランスフォーメーションまた は細胞融合を用いてヒトBリンパ球を不死化することによるインビトロでのヒト 抗体の製造は、ネズミの系と比較してEBVによるトランスフォーメーション及 び細胞融合の両方の比較的低い効率のために技 術的困難をはらんでいる。これらの問題を克服するために、展示M13バクテリ オファージを用いたヒト抗体の製造方法が開発されている(Burton等、1 994、Adv.Immunol57:191−280)。本質的には、抗体 産生細胞の集団より得られたmRNAからcDNAライブラリーを作製する。m RNAは再編成された免疫グロブリン(Ig)遺伝子をコードし、従って、cD NAは同じものをコードする。増幅されたcDNAをM13発現ベクター中にク ローン化し、ヒトFabフラグメントを表面上に発現するファージのライブラリ ーを作製する。目的の抗体を展示するファージを抗原結合により選択し、そして バクテリア中で増殖させて可溶性のヒトFab Igを製造する。従って、通常 のモノクローナル抗体合成と異なり、この方法はヒトIgを発現する細胞よりむ しろヒトIgをコードするDNAを不死化する。 バクテリオファージを用いる抗体の作製と関係するいくつかの難題がある。例 えば、精製工程は必ずタンパク質の可溶化を伴い、それはあるタンパク質をその 上に存在する抗原性部位の破壊を伴って永久的に変性させる可能性があるので、 多くのタンパク質を非変性状態で精製することができない。従って、そのような タンパク質を固相に結合させることができず、それ故、それらに結合する抗体を 保有するファージのパンニングのために用いることができない。そのようなタン パク質の例はヒトRh抗原である。 その問題を解決するために、完全なRBCをパンニング抗原として用いる方法 が開発された(Siegel等、1994、Blood 83:2334−23 44)。しかしながら、ファージは生来「粘着性」であり、そしてRBCは多数 の抗原を細胞表面上に発現するので、適切な 抗体を表面上に発現しないファージの十分量もRBCに付着し、従って、その方 法は所望する特異性の抗体を発現するファージの単離のためには非実用的になる 。 De Kruif等(1995、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA 92:3938−3942)は抗体をコードするファージを単離する方法 を開示しており、その場合、抗体を発現するファージを抗原を発現する細胞及び 抗原を発現しない細胞の混合物とインキュベートする。抗体を発現するファージ は抗原を発現する細胞に結合する。ファージとの結合後に、蛍光標識された抗体 を抗原発現細胞に特異的に付加し、それらの細胞をそれらに結合した抗体発現フ ァージと共に混合物から取り出す。蛍光標識された細胞の単離は、高価で時間の かかる方法の蛍光活性化細胞分類(FACS)の技術を用いて実施する。 迅速且つ経済的であり、そしてヒトにおける診断及び治療用途のために有用な 非常に多数のタンパク質結合タンパク質を与える、組み換えタンパク質、好まし くは抗体を単離する方法に対する必要性が依然としてある。 発明の要約 本発明はタンパク質を発現するウイルスベクター中にDNAライブラリーを作 製し、その場合、タンパク質はウイルスベクターの表面上に発現され、そしてそ のタンパク質は抗原保有部分に結合することができ、抗原保有部分を発現する細 胞に磁気標識を付加し、磁気標識細胞とタンパク質を発現するウイルスを抗原保 有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下でインキュベートして混合物を形 成し、その場合、ウイルスは磁気標識細胞に結合し、ウイルスが結合した細胞を 混合物から単離し、 そしてそこからタンパク質をコードするDNAを得ることを含んでなるタンパク 質をコードするDNAを単離する方法に関する。 また、本発明はタンパク質を発現するウイルスベクター中にDNAライブラリ ーを作製し、その場合、タンパク質はウイルスベクターの表面上に発現され、そ してそのタンパク質は抗原保有部分に結合することができ、抗原保有部分を発現 する細胞に磁気標識を付加し、磁気標識細胞とタンパク質を発現するウイルスを 抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下でインキュベートして混合 物を形成し、その場合、ウイルスは磁気標識細胞に結合し、ウイルスが結合した 細胞を混合物から単離し、そしてそこからタンパク質を単離することを含んでな るタンパク質を単離する方法にも関する。 一つの態様として、ウイルスベクターはバクテリオファージであり、そして別 の態様として、バクテリオファージはM13である。 本発明の一つの態様として、タンパク質は抗体、リガンド及びホルモンよりな る群から選択され、そして別の態様として、タンパク質は抗体であり、それは抗 −Rh赤血球抗体のような抗−赤血球表面抗原抗体であってもよい。 本発明のさらに別の態様として、抗原保有部分はタンパク質、脂質、炭水化物 、核酸、並びにタンパク質、脂質、炭水化物及び核酸の少なくとも一つの複合体 よりなる群から選択される。 抗原保有部分は抗原及び受容体よりなる群から選択される膜結合タンパク質で あってもよい。別の態様として、膜結合タンパク質はRh抗原のような赤血球抗 原のような抗原である。 また、本発明はタンパク質を発現するウイルスベクター中に合成DN Aライブラリーを作製し、抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し、磁 気標識細胞とタンパク質を発現するウイルスを抗原保有部分を発現しない過剰の 非標識細胞の存在下でインキュベートして混合物を形成し、その場合、ウイルス は磁気標識細胞に結合し、ウイルスが結合した細胞を混合物から単離し、そして それからタンパク質をコードするDNAを得ることを含んでなる抗原保有部分に 結合することができるタンパク質をコードするDNAを単離する方法にも関する 。 本発明はさらにタンパク質を発現するウイルスベクター中に合成DNAライブ ラリーを作製し、抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し、磁気標識細 胞とタンパク質を発現するウイルスを抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細 胞の存在下でインキュベートして混合物を形成し、その場合、ウイルスは磁気標 識細胞に結合し、ウイルスが結合した細胞を混合物から単離し、そしてそれから タンパク質を単離することを含んでなる抗原保有部分に結合することができるタ ンパク質を単離する方法に関する。 また、抗原保有部分に結合することができるタンパク質を単離する方法も提供 される。それらの方法はタンパク質をコードするDNAからタンパク質を発現さ せ、その場合、DNAは本明細書に記述される方法により得られ、そしてそのよ うに発現されたタンパク質を単離することを含んでなる。 また本発明に含まれるものは本明細書に記述される方法に従って得られるタン パク質をコードする単離されたDNAである。 また、本発明は本明細書に記述される方法に従って得られるタンパク質の実質 的に純粋な調製物にも関する。 図面の簡単な説明 図1は磁気活性化細胞分類を用いる細胞表面Fab−ファージパンニングの方 法の図である。 図2はヒトRBCの細胞表面ビオチン化を示すグラフである。 図3は本発明の抗原−陽性、抗原−陰性細胞分離方法を実証する一連のグラフ である。 図4は抗−Rh(D)Fab/ファージ凝集力価を測定したマイクロプレート 凝集アッセイの像である。 図5は選択した抗−Rh(D)Fab/ファージクローンのRh(D)結合エ ピトープの決定を示すマイクロプレート凝集アッセイの像である。 図6はゲルカードアッセイにおけるFab/ファージ抗体の使用を示す像であ る。 発明の詳細な説明 本発明により、タンパク質をコードするDNA及びそれによりコードされるタ ンパク質を単離する新規な方法が提供され、その場合にタンパク質は好ましくは 抗体であり、そのタンパク質は抗原保有部分に特異的に結合することができる。 本明細書に例示されるように、その方法はヒト抗体をコードするバクテリオフ ァージを作製することを含んでなるがそれに限定されない。具体的には本発明に おいて、M13糸状ファージライブラリーによりコードされる抗−Rh(D)R BCFab/ファージ抗体が得られる。高度免疫感作された提供者から得られる 抗体産生細胞から、まず抗体産生細胞において発現されるmRNAに由来するc DNAを得ることによりライブラリーを作製する。ポリメラーゼ連鎖反応(PC R)及びDNA のIgをコードするフラグメントに特異的なプライマーを用いてそのようなcD NAのフラグメントを得る。そのようにして得られたIgに特異的なDNAをバ クテリオファージ中にクローン化する。ストレプトアビジンを結合した磁気ミク ロビーズで前以て被覆した抗原陽性のビオチン化RBC標的細胞及び過剰の非標 識RBCの混合物に対してIgフラグメントをコードするバクテリオファージを パンニングする。ファージ表面上に抗体を発現するバクテリオファージで、それ らの抗体が標的細胞抗原に特異的であるものは標識された細胞に結合する。これ らのファージを磁気カラムを用いて非標識細胞に結合したファージ及び細胞に結 合しないファージから分離する。そのように分離されたファージは標的細胞上の 抗原に特異的な抗体をコードし、展示する。 ファージ抗体ライブラリーを作製するために、まず、ファージ表面上に発現さ れる所望するタンパク質、例えば、所望する抗体を発現する細胞から単離される mRNAからcDNAライブラリーを得る。逆転写酵素を用いてmRNAのcD NAコピーを生成する。Igフラグメントを特定するcDNAをPCRにより得 、得られたDNAを適当なバクテリオファージベ中にクローン化してIg遺伝子 を特定するDNAを含んでなるバクテリオファージDNAライブラリーを作製す る。異種起源のDNAを含んでなるバクテリオファージライブラリーの作製方法 は当該技術分野でよく知られており、例えば、Sambrook等(1989、Molecular Cloning:A Laboratory Manua 、Cold Spring Harbor、NY)に記述されている。 また、PCR増幅されたIgをコードするcDNAのフラグメントよ りむしろcDNAを用いてバクテリオファージライブラリーを得ることもできる 。cDNAライブラリーの作製はリガンド等のような抗体ではないタンパク質の 単離のために有用である。 所望するタンパク質、例えば抗体をコードするバクテリオファージを、その対 応する結合タンパク質、例えば抗体が向けられる抗原への結合に利用できるよう にタンパク質をその表面上に展示するように設計することができる。従って、特 定の抗体を発現するバクテリオファージを対応する抗原を発現する細胞の存在下 でインキュベートした場合、バクテリオファージは細胞に結合する。抗体を発現 しないバクテリオファージは細胞に結合しない。 バクテリオファージのパンニング、すなわち、所望する抗体を発現するファー ジの選択のために、対応する抗原を発現する細胞をビオチンのような検出可能な 標識で標識する。次に、ストレプトアビジンを結合した磁気ビーズを細胞に付加 する。それらの細胞を抗原を発現しない過剰の非標識細胞と混合する。次に、こ の細胞混合物をファージライブラリーとインキュベートし、その場合、抗体を発 現するファージは抗原を発現する細胞に結合する。混合物中の過剰の非標識細胞 の存在は、抗体を発現しないが、それとは別に抗原を発現する細胞に非特異的に 結合する可能性があるバクテリオファージを除く手段として役立つ。本発明を実 施するための実験方法の詳細は本明細書において実験の詳細の節に与えられる。 結合した抗体発現ファージを有する抗原発現細胞を混合物から磁気的に取り出 す。磁気除去の一つの例は、カラムの周りの磁場の選択的存在または非存在下で 磁性及び非磁性細胞の混合物をカラム中に流し入れる ことを含む。あるいはまた、単に試験管の側面に磁石を保持し、それらの細胞を 内壁に引き付け、次に溶液から非磁性細胞を注意深く除くことにより、溶液中の 非磁性細胞から磁性細胞を分離することができる。 従って、本発明の方法は磁気標識された受容体陽性粒子(すなわち、細胞)及 び非標識受容体陰性粒子の混合物に対して負及び正の選択を同時に実施すること により、天然または合成のファージDNAライブラリーに由来する特定のファー ジ展示リガンドを発現するものに関して組み換えファージの集団を濃縮する方法 を含む。 「バクテリオファージ」及び「ファージ」という用語は本明細書において互換 的に用いられ、バクテリアに感染するウイルスをさす。本明細書で用いられる「 バクテリオファージライブラリー」または「ファージライブラリー」という用語 の使用は、異種起源のDNA、すなわち、バクテリアウイルスにより生来コード されないDNAを含んでなるバクテリアウイルスの集団を意味する。 「ウイルスベクター」という用語は異種起源のDNAが挿入されているウイル スを含む。ウイルスベクターはバクテリオファージであってもよく、または真核 生物ウイルスであってもよい。 本明細書に用いられる「標的細胞」という用語は、所望する抗体を捜し出す抗 原を発現する細胞を意味する。 本明細書に用いられる「パンニング」または「パンニングした」という用語は 、所望する抗体をコードするファージを選択する工程を意味する。 本明細書に用いられる「Fab/ファージ」という用語は、抗体のFab部分 を発現するファージ粒子を意味する。 本明細書に用いられる「scFv/ファージ」という用語は、単鎖として抗体 のFv部分を発現するファージ粒子を意味する。 「過剰の非標識細胞」は、標識細胞の数を超える非標識細胞の量を意味する。 好ましくは、標識細胞対非標識細胞の比率は約1:2である。より好ましくは、 標識細胞対非標識細胞の比率は約1:4より大きい。さらにより好ましくは、標 識細胞対非標識細胞の比率は約1:10より大きい。 本明細書において例示される本発明の方法は抗体分子のFab部分をコードす るファージの作製を記述するが、本方法はFab抗体をコードするファージの作 製のみに限定されると解釈されるべきではない。むしろ、単鎖抗体をコードする ファージ(scFv/ファージ抗体ライブラリー)も本発明に含まれる。Fab 分子は全Ig軽鎖を含んでなり、すなわち、それらは軽鎖の可変及び定常領域の 両方を含んでなるが、重鎖の可変領域及び一番目の定常領域ドメイン(CH1) のみを含む。単鎖抗体分子はIg Fvフラグメントを含んでなる単鎖のタンパ ク質を含んでなる。Ig Fvフラグメントは抗体の重及び軽鎖の可変領域のみ を含み、その中に定常領域を含まない。Marks等、1991、J.Mol. Biol222:581−597に記述された方法に従ってscFv DNA を含んでなるファージライブラリーを作製することができる。Fab DNAを 含んでなるファージライブラリーに対して本明細書に記述したように、所望する 抗体の単離のためにそのように作製したファージのパンニングを実施する。 また、本発明は重及び軽鎖可変領域がほとんど全ての可能な特異性を含むよう にそれらを合成することができる合成ファージ展示ライブラリ ーも含むと解釈されるべきである。従って、抗体展示ライブラリーは「天然」ま たは「合成」(Barbas)1995、Nature Medicine :837−839;de Kruif等、1995、J.Mol.Biol 48 :97−105)であってもよい。「天然の」抗体を含んでなる抗体展示ラ イブラリーを実験実施例の節に記述したように作製する。「合成の」抗体を含ん でなる抗体展示ライブラリーをBarbas(1995、上記)及びその中に引 用された参考文献に記述された方法に従って作製する。 本発明の方法はさらに本明細書に例示されるM13以外のファージを含んでな るファージ展示ライブラリーの作製を含むと解釈されるべきである。ラムダファ ージのような他のバクテリオファージも本発明の方法に有用である可能性がある 。表面上に異種起源のDNAによりコードされるペプチドを展示するラムダファ ージ展示ライブラリーは作製されている(Sternberg等、1995、 roc.Natl.Acad.Sci.USA 92:1609−1613)。 さらに、本発明の方法を真核生物ウイルスのようなバクテリオファージ以外のウ イルスを含むように拡張することができると考えられる。実際、哺乳類への送達 のために適当な遺伝子をコードし、そしてその遺伝子が送達される特定の細胞型 または組織を標的とすることができる抗体をコード及び展示する真核生物ウイル スを作製することができる。例えば、機能的抗体フラグメントを展示するレトロ ウイルスベクターが作製されている(Russell等、1993、Nucl. Acids.Res21:1081−1085)。 抗体を作製することができる赤血球抗原はRh(D)、Rh(C)、 Rh(c)、Rh(E)、Rh(e)を初めとするRh抗原、並びにケル式、ダ ッフィ式、リュテラン式及びキッド式血液型の赤血球抗原を初めとする他の非R h抗原を含むがそれらに限定されない。 従って、本発明の方法は抗−Rh(D)抗体をコードするDNAの単離のみに 限定されず、むしろ、あらゆるRBC抗原または限定されないが腫瘍特異的抗原 、バクテリア抗原等のような他の細胞抗原に対する抗体をコードするDNAの単 離のために用いることができる。また、本発明の方法は多数の臨床的に重要な血 小板抗原、注目すべきものとしてP1A1/P1A2、Baka/Bakb、PenA /PenB等に特異的なファージ抗体を作製することにより血小板の型を決める ためにも有用である。 本発明はさらに実質性(例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺)及び非実質性(例え ば、骨髄)の両方の器官または組織移植の場合に、可能性のある移植適合に関し て提供者及び宿主を照合する目的のためにHLA抗原に関して提供者の白血球の 型を決めるために有用である。 こららの非赤血球抗原のいずれかに対する抗体を発現するファージの結合を検 出するために、赤血球の凝集または捕捉に関して本明細書に記述した方法に従っ て非赤血球細胞を凝集または捕捉することができる。凝集または捕捉の前に、凝 集または捕捉を肉眼またはスキャナーで識別できるように染色または他の標識化 技術により細胞を「目に見える」ようにすることができる。 本発明の方法は抗原保有部分が可溶性形態で容易に精製されない場合に、抗原 保有部分に結合するタンパク質を作製するために最も有用である。従って、抗原 保有部分は他の構造、通常、細胞膜または細胞小器官膜のような細胞中の膜と結 合している抗原を含む。 本発明では、抗原保有部分はタンパク質、脂質、炭水化物または核酸であって もよく、またはそれはタンパク質、脂質、炭水化物及び核酸の少なくとも2っの 複合体であってもよく、細胞中の多数の抗原保有部分がこれらの部分のいずれか のみで構成されないことが理解される。好ましくは、抗原保有部分は抗原または 受容体タンパク質のような膜結合タンパク質である。しかしながら、抗原保有部 分が炭水化物である場合、それは糖脂質上に発現される炭水化物、例えば、P式 血液型抗原または他の抗原であってもよい。 本明細書に用いられる「抗原保有部分」という用語は抗体が結合する分子を意 味する。 また、本発明の方法は自己免疫性溶血性貧血(AIHA)に関与するもの(S iegel等、1994、Structural analysis of r ed cell autoantibodies 、Garratty(編集) mmunobiology of Transfusion Medicine 、Dekker、New York、New York)のような自己免疫抗体 の作製のためにも有用である。細胞表面膜に結合しているかまたは細胞小器官膜 に結合している細胞抗原に対して向けられる自己免疫抗体を本明細書に記述する 技術を用いて単離することができる。自己免疫疾患及び抗体を単離することがで きるそれらに関係する抗原は以下のもの:重症筋無力症(アセチルコリン受容体 ;ニュ一ロン)、慢性炎症性脱髄多発性ニュロパシー(ミエリン;ニュ一ロン) 、自己免疫性甲状腺疾患(甲状腺刺激ホルモン受容体;甲状腺細胞)、原発性胆 汁性肝硬変(ミトコンドリアの自己抗原;肝臓ミトコンドリア)、特発性血小板 減少性紫班病(血小板膜インテグリン; 血小板)、尋常性天疱瘡(表皮抗原;表皮)及びグッドパスチャー症候群(基底 膜抗原;腎臓または肺細胞)を含むがそれらに限定されない。 実際、本発明の方法は細胞上に発現される抗原に対するあらゆる抗体をコード するDNAクローンを単離するために有用であり、その細胞を磁気標識で標識す ることができ、そしてアッセイで必要とされる過剰の非標識細胞を与えるために 十分な量で非標識形態で得ることができる。 さらに、本発明の方法は抗体をコードするDNAの単離に限定されず、むしろ 、限定されないが、例えば、細胞受容体タンパク質、ペプチドホルモン等に結合 するリガントのような細胞タンパク質に対する特異性を有する他のペプチドまた はタンパク質をコードするDNAの単離のためにも用いることができる。 また、本発明は細胞標識剤としてビオチンの使用に限定されると解釈されるべ きではない。細胞への付加がその上に発現されるあらゆる表面タンパク質の構造 保全性を妨げず、そしてそのような標識により常磁性ミクロビーズまたは他の磁 気物質をそれに付加することができる場合、他の標識を用いることができる。他 のそのような標識は活性化アミン、カルボキシルまたはチオール基を保有する磁 気ビーズと直接誘導化する(derivitized)ことができる細胞表面タ ンパク質または炭水化物を含むがそれらに限定されない。さらに、フルオレセイ ンまたはローダミンのような染料もビオチンと同様な方法で細胞に共有結合的に 結合することができ、そして抗−染料抗体で被覆した磁気ビーズをそれに付加す ることができる。 本発明は本明細書に記述される方法を用いて作製されるタンパク質及びそれら をコードするDNAを含む。抗体をコードするDNAを単離す るために、例えば、本発明の方法に従って得られる抗体発現ファージからDNA を抽出する。そのような抽出技術は当該技術分野でよく知られており、例えば、 Sambrook等(上記)に記述されている。 本明細書に用いられる「単離されたDNA」は、生来存在する状態で隣接する 配列から精製されているDNA配列、セグメントまたはフラグメント、例えば、 フラグメントに通常隣接する配列、例えばフラグメントが生来存在するゲノム中 でそれに隣接する配列から取り出されているDNAフラグメントをさす。また、 その用語はDNAに生来付随する他の成分、例えば、細胞中で生来それに付随す るRNAまたはDNAまたはタンパク質から実質的に精製されているDNAにも 当てはまる。 また、本発明は本発明の方法に従って単離されるDNAに実質的に相同なDN Aも含むと解釈されるべきである。好ましくは、実質的に相同なDNAは本発明 の方法を用いて得られるDNAに約50%相同であり、より好ましくは約70% 相同であり、さらにより好ましくは約80%相同であり、そして最も好ましくは 約90%相同である。 本明細書に用いられる場合「相同な」は、2個のポリマー分子間、例えば2個 の核酸分子、例えば2個のDNA分子もしくは2個のRNA分子間、または2個 のポリペプチド分子間のサブユニット配列の類似性をさす。2個の分子の両方の サブユニット位置が同じモノマーサブユニットで占められる場合、例えば、2個 のDNA分子の各々のある位置がアデニンで占められる場合、それらはその位置 で相同である。2個の配列間の相同性は一致するまたは相同な位置の数の直接関 数であり、例えば、2個の化合物配列の位置の半分(例えば、10サブユニット の長さのポリマーの5つの位置)が相同である場合、それら2個の配列は50% 相 同であり、90%の位置、例えば、10のうち9が一致するかまたは相同である 場合、それら2つの配列は90%の相同性を有する。例として、DNA配列3’ ATTGCC5’及び3’TATGCG5’は50%の相同性を有する。 本発明の方法を用いて作製される、例えば抗体を含んでなるタンパク質の実質 的に純粋な調製物を得るために、タンパク質をそれが発現されるファージの表面 から抽出することができる。そのような抽出のための方法はタンパク質精製の当 業者によく知られている。あるいはまた、抗体をコードする単離されたDNAを 発現ベクター中にクローン化し、そしてそれからタンパク質を発現させることに より、例えば抗体を含んでなるタンパク質の実質的に純粋な調製物を得ることが できる。そのように発現されたタンパク質を当該技術分野においてよく知られて いる通常のタンパク質精製方法を用いて得ることができる。 本明細書に用いられる場合、「実質的に純粋な」という用語は、生来付随する 成分から分離されている化合物、例えばタンパク質またはポリペプチドを説明す る。典型的には、サンプル中の全材料の(容量で、湿もしくは乾量で、またはモ ルパーセントもしくはモル比で)少なくとも10%、より好ましくは少なくとも 20%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、 より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、そして最 も好ましくは少なくとも99%が目的の化合物である場合、その化合物は実質的 に純粋である。あらゆる適切な方法、例えば、ポリペプチドの場合にはカラムク ロマトグラフィー、ゲル電気泳動またはHPLC分析により純度を測定すること ができる。化合物、例えばタンパク質が生来会合した成分を本 質的に含まない場合、または生来の状態でそれに付随する天然の混入物から分離 される場合にもそれは実質的に精製される。 また、本発明は本発明の方法に従って得られるタンパク質またはペプチドの類 似体も規定する。類似体は天然に存在するタンパク質またはペプチドと保存的ア ミノ酸配列の相違もしくは配列を変えない修飾またはそれらの両方により異って もよい。 例えば、保存的アミノ酸変異を作製することができ、それらはタンパク質また はペプチドの一次配列を変えるが、通常、その機能を変えない。保存的アミノ酸 置換は典型的に以下の群内の置換を含む: グリシン、アラニン; バリン、イソロイシン、ロイシン; アスパラギン酸、グルタミン酸; アスパラギン、グルタミン; セリン、トレオニン; リシン、アルギニン; フェニルアラニン、チロシン。 (通常、一次配列を変えない)修飾はインビボまたはインビトロでのポリペプ チドの化学的誘導化、例えばアセチル化またはカルボキシル化を含む。また含ま れるものはグリコシル化の修飾、例えば、ポリペプチドの合成及びプロセシング 中またはさらなるプロセシング工程においてそのグリコシル化様式を修飾するこ とにより;例えば、グリコシル化に影響を及ぼす酵素、例えば哺乳類のグリコシ ル化または脱グリコシル化酵素にポリペプチドをさらすことによりなされるもの である。また含まれるものはリン酸化されたアミノ酸残基、例えばホスホチロシ ン、ホス ホセリンまたはホスホトレオニンを有する配列である。 また含まれるものは、タンパク質分解に対する抵抗性を向上するためまたは溶 解特性を最適化するために通常の分子生物学技術を用いて修飾されているポリペ プチドである。そのようなポリペプチドの類似体は天然に存在するL−アミノ酸 以外の残基、例えばD−アミノ酸または天然に存在しない合成アミノ酸を含有す るものを含む。本発明のペプチドは本明細書に挙げられる特定の例示的方法のい ずれかの生成物に限定されない。 実質的に全長のポリペプチドに加えて、本発明はポリペプチドの活性フラグメ ントを規定する。特定のポリペプチドが抗原保有部分に結合する場合、例えば、 抗体のフラグメントが全長タンパク質と同様にその対応する抗原に結合する場合 、それは活性があるとみなされる。 本明細書に用いられる場合、ポリペプチドに適用される「フラグメント」とい う用語は、通常、少なくとも約50個の連続したアミノ酸、典型的には少なくと も約100個の連続したアミノ酸、より典型的には少なくとも約200個の連続 したアミノ酸、そして通常少なくとも約300個の連続したアミノ酸の長さであ る。 本発明はさらに以下の実験実施例を参照することにより詳細に説明される。こ れらの実施例は例示の目的のためのみに与えられ、他に特定されないかぎり限定 するものではない。従って、本発明は以下の実施例に限定されるといかようにも 解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に与えられる教示の結果として明ら かになるいずれか及び全ての変形を包含すると解釈されるべきである。 本明細書に記述される実験実施例はFab/ファージ展示を用いて抗 −Rh(D)赤血球抗体を単離及び製造するための方法及び結果を与える。 細胞表面に発現される精製できない分子に特異的な、糸状ファージにより展示 されるヒトモノクローナル抗体の単離方法を図1に記述する。抗原特異的ファー ジの捕捉を最適化し、そして関係のないファージ抗体の結合を最小限にするため に、正及び負の同時選択方法を用いた。目的の抗原を保有する細胞を磁気ビーズ で前以て被覆し、過剰の未修飾の抗原陰性細胞中に希釈する。細胞混合物をFa b/ファージライブラリーとインキュベーションした後、磁気活性化細胞分類を 用いて抗原陽性細胞集団を回収し、抗原特異的Fab/ファージを溶出し、バク テリア培養で増やす。このプロトコルを磁気標識されたRh(D)−陽性及び過 剰の非標識Rh(D)−陰性ヒト赤血球並びにヒト末梢血リンパ球から構築され たFab/ファージライブラリーで用いた場合、一人の同種免疫個体から多数の 独特な臨床的に有用なγ1κ及びγ1λ抗−Rh(D)抗体を単離した。 本発明の細胞表面選択法は推定される腫瘍特異的抗原の同定のためのような他 の系における使用のために容易に適応でき、そして新規なまたは構造に依存する 細胞表面エピトープに向けられる自己複製抗体試薬を単離するための迅速で(1 カ月以内)高収率の方法を提供する。 Fab/ファージ展示ライブラリーの作製 Rh(D)−陽性の赤血球(RBC)で先に過剰免疫したRh(D)−陰性の 個体からの末梢血から得た2x107の単核細胞から別個のγ1κ及びγ1λファ ージライブラリーを構築した。以前に公開された方法(Barbas等、199 1、Combinatorial immu noglobulin libraries on the surface of phage(Phabs):Rapid selection of a ntigen−specific Fabs.Methods:A Compa nion to Methods、Enzymology :119−124 中;Siegel等、1994、Blood 83:2334−2344)を利 用してファージミドベクターpComb3(Barbas、1991、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982)を用いて ライブラリーを作製した。 簡潔に言えば、提供者の細胞のmRNAからcDNAを調製し、ポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)及びSilverman等(1995、J.Clin.In vest96:417−426)のものにより補足されたKang等により記 述された(1991、「Combinatorial Immunoglobu lin Libraries on the Surface of Phag e(Phabs):Rapid Selection of Antigen− Specific Fabs.Methods:A Companion to Methods」Enzymology :111−118中)一連のヒト Igプライマーを用いて重鎖及び軽鎖免疫グロブリン(Ig)cDNAセグメン トを増幅した。重及び軽鎖PCR産物をpComb3中にクローン化し、大腸菌 中にエレクトロポレーションした。VCSM13ヘルパーファージ(Strat agene、La Jolla、CA)を同時感染させると、Ig DNAは糸 状ファージ粒子中にパーッケージされ、それは遺伝子IIIバクテリオファージ外 被タンパク質に融合されたヒ トFab分子を発現する。 抗−Rh(D)クローンに対するFabファージ展示ライブラリーのパンニン グ 10%のヘマトクリット値で細胞を500μg/mlのスルホ−NHS−LC −ビオチン(Pierce Chemical、Rockford、IL)と室 温(RT)で40分間インキュベートすることにより、Rh(D)−陽性RBC を細胞表面でビオチン化した。リン酸緩衝食塩水(PBS)で5回洗浄した後、 8x106のビオチン化Rh(D)−陽性RBCを10μlのストレプトアビジ ンで覆われた常磁性ミクロビーズ(MACSストレプトアビジンミクロビーズ、 Mitenyi Biotec、Sunnyvale、CA)と共に100μl PBSの全容量でRTで1時間インキュベートした。未反応のビーズを洗浄に より除き、次に、磁気ビーズで覆われたRh(D)−陽性RBCを10倍過剰( 8x107)のRh(D)−陰性(未修飾の)RBC並びに〜3x1011コロニ ー形成単位(cfu)の(上記のように調製した)γ1κ及びγ1λ Fab/フ ァージライブラリーのいずれかと2%脱脂粉乳を含有する40μl PBS(M PBS、Carnation、Nestle Food Products、G lendale、CA)の最終容量で混合した。 37℃で2時間のインキュベーション後、RBC/ファージ懸濁液を2% M PBSで前以て平衡化したMiniMACS磁気型MSカラム(Mitenyi Biotec、Sunnyvale、CA)上に10μl/分の流速で添加し た。磁気ビーズで覆われたRBCがカラムの非常に最上部に即座に付着し、それ を詰まらせ、そしてRh(D)陰性 の非ビオチン化RBCの捕捉を引き起こすのを防ぐために、カラムの周りの磁場なしに この添加工程を実施した。カラムの排除体積は40μlよりわずかに大き いので、RBC/ファージインキュベーション混合物を磁場なしで添加すること は、抗原陰性及び抗原陽性RBCを流れ出さずにカラムの全体にわたって均一に 分布させる。いったん添加すると、カラムを磁場中(MiniMACS磁気分離 装置、Mitenyi Biotec、Sunnyvale、CA)に2分間置 いてRh(D)−陽性RBCを接着させ、そして一連の500μlの洗浄をよく 冷えたMPBSで実施し、続いてPBSで最終洗浄した。最初の2回のパンニン グでは全部で3回の洗浄を実施し、そしてその後の全てのパンニングでは全部で 6回の洗浄を実施した。各パンニングでは、最初の洗浄を10μl/分の流速で 実施し、その間に大部分のRh(D)−陰性RBCはカラムから流れ出た。その 後の全ての洗浄を200μl/分で実施した。最後の洗浄後にカラムを磁場から 取り出し、ビーズで被覆され/ファージで被覆されたRh(D)−陽性RBCを 5cc注射器(Becton−Dickinson、Franklin Lak es、NJ)からのプランジャを用いて500μl PBSでカラムから流し出 した。 それらのRBCをすぐに13,000xgで5秒間遠心分離し、次に、200 μlの76mMクエン酸塩、pH2.4中に再懸濁してRh(D)抗原を変性さ せ、結合したファージを溶出させた。断続的にボルテックスしながらRTで10 分のインキュベーション期間の後、ファージ溶出液及び細胞残渣を18μlの2 Mトリス塩基で中和し、10μg/mlのテトラサイクリンを補足したスーパー (super)培地(SB)(Barbas等、1991、上記)中で生育した 大腸菌のXL1 −Blue株(Stratagene、La Jolla、A)O.D.=1. 0 10mLに添加した。RTで15分間インキュベーションし、その間にRh (D)バインダーに対して濃縮されたファージライブラリーをバクテリア培養物 に感染させた後、40μg/mlのカルベニシリン、10μg/mlのテトラサ イクリンを含有する前以て温めた37℃のSBを添加してそれぞれ20μg/m l及び10μg/mlの最終抗生物質濃度を生じた。少量の培養物(〜100μ l)をすぐに取り出し、LB/カルベニシリンプレート上で滴定して全溶出液中 に含まれるファージの数を決定した。培養物の残りを300RPMで37℃で1 時間振盪した。続いて、追加の抗生物質、追加のSB及びVCSM13ヘルパー ファージを添加し、記述されたように(Siegel等、1994、上記)培養 物を30℃で一晩生育した。 ポリエチレングリコール8000(PEG)沈殿によりファージミド粒子を培 養上清から精製し(Barbas等、1991、上記)、1%ウシ血清アルブミ ン(BSA)/PBS中に再懸濁し、そして一晩透析して次の回のパンニング中 にRBCを溶解する可能性がある残存しているPEGを除いた。このように、得 られたファージ調製物は次の回のパンニングの原材料として使える。バクテリア 増幅により導入される可能性がある軽鎖アイソタイプ複製のあらゆる偏りを防ぐ ためにγ1κ及びγ1λファージライブラリーを別個にパンニングした。 抗−Rh(D)反応性に関するポリクローナルFab/ファージライブラリー 及び個々のファージクローンのスクリーニング 結合した抗−Rh(D)Fab/ファージを有するRBC間に凝集を引き起こ すために架橋抗体として抗−M13抗体を用いてRh(D)抗 原に対するFab/ファージの特異性を評価した。一連のパンニングからのポリ クローナルFab/ファージの100μlアリコートまたは個々のFab/ファ ージ溶出液クローンから得られたモノクローナルFab/ファージを特定の表現 型(すなわち、Rh(D)−陰性または陽性)のRBCの3%懸濁液50μlと インキュベートした。 37℃で1時間のィンキュベーション後、RBCを2mlの冷えたPBSで3 回洗浄して結合しないFab/ファージを除いた。得られたRBCペレットをヒ ツジ抗−M13抗体(5−Prime 3−Prime、Boulder、CO )の10μg/ml溶液100μl中に再懸濁し、96ウェルマイクロタイター プレートの丸底のウェルに移した。プレートを静置したままにし(〜2時間)、 次に読み取った。陰性反応を有するウェルは鮮明な〜2mmの直径のRBCスポ ットを示し、一方、陽性反応、すなわち、凝集を有するウェル中では、凝集した ウェル中のRBCがウェルの全床面を覆う薄い広がりを形成する。 ミニカラムゲルカード(ID−ミクロタイピングシステム(Micro Ty ping System)、Ortho Diagnostics、Rarit an、NJ)を利用する赤血球凝集反応アッセイ(Lapierre等、199 0、Transfusion 30:109−113)では、25μlのFab /ファージクローンをRBC(ミクロタイピングシステムバッファー、Orth o Diagnostics中0.8%の懸濁液)の50μlアリコートと混合 した。100μl/mlの抗−M13抗体中に先に懸濁したデキストラン−アク リルアミドビーズを含有するミニカラムの上の容器に混合物を入れた。37℃で インキュベーション後、ゲルカードを70xgで10分間遠心分離し、 読み取った。 様々な方法 フローサイトメトリーのための蛍光標識されたRBCの調製を本明細書に記述 したように実施し、Lysis II(バージョン1.1)ソフトウェア(Bec ton−Dickinson、Mountain View、CA)を備えたF ACScanミクロ蛍光計(microfluorimeter)を用いてサン プルを分析した。バクテリアクローンからプラスミドDNAを調製した(Qia well Plus、Qiagen、Chatsworth、CA)。軽鎖もし くは重鎖Ig定常領域リバースプライマーまたはそれぞれのIg鎖の5’にアニ ールする独特なpComb3ベクタープラィマー(Barbas等、1991、 上記;Roben等、1995、J.Immunol.154:6437−64 45)及び自動化蛍光シークエンシング(Applied Biosystem s、Foster City、CA)を用いて二本鎖DNAをシークエンスした 。Mac Vectorバージョン5.0シークエンシングソフトウェア(Ox ford Molecular Group、Oxford、UK)及びIg生 殖細胞系遺伝子のTomlinsonデータベース(Tomlinson等、1 996、V Base Sequence Directory、MRC Ce nter for Protein Engineering、Cambrid ge、UK)を用いて配列を分析した。 細胞インキュベーション及び分離プロトコルの実験設計 細胞分離工程及び抗原特異的Fab/ファージの最終収率を最適化するための 一連の初期研究を実施した後、抗−RBC−反応性ファージに 関してFab/ファージライブラリーをパンニングするための上記の実験条件を 決定した。調べた主要なパラメーターは以下のものを含んだ。 ビオチン化 ストレプトアビジンで覆われた磁気ビーズの十分な数が細胞 に結合してそれらのRBCを磁気カラムで保持させるようにRBC表面をビオチ ン化する条件を探した。この場合、Rh(D)抗原の抗原性を破壊する可能性が あるかまたは細胞が抗体を非特異的に吸着するようになる可能性がある過剰のビ オチン化を避けなければならない。この問題を検討するために、Rh(D)−陽 性/ケル−陰性RBC(ケルはRBC抗原である;(Walker)編集、19 93、Technical Manual第11版Bethesda:Am erican Association of Blood Banks ))を 一連のスルホ−NHS−LC−ビオチン濃度と共にインキュベートし、フルオレ セインを結合したストレプトアビジンを利用してフローサイトメトリーによりビ オチン化の程度を評価した。 細胞表面のビオチン化の程度を評価するために、異なるビオチン試薬濃度でビ オチン化されたRh(D)−陽性/ケル−陰性RBCの3%懸濁液の5μlアリ コートを1/100希釈のFITC−ストレプトアビジン(Jackson I mmunoResearch、Bar Harbor、Maine)200μl と4℃で30分間インキュベートした(図2)。混合物をリン酸緩衝食塩水(P BS)で洗浄し、フローミクロ蛍光定量法により分析した(−□−)。また、1 00μlの抗−Rh(D)または抗−ケルタイピング血清のいずれかそれぞれと 細胞をインキュベートし、細胞を洗浄し、次にそれらを1/100希釈のFIT C−ヤギ抗−ヒトIgG(Jackson Immuno Resea rch)で染色することにより、Rh(D)−抗原性の保持(−△−)(すなわ ち、特異的染色)または非特異的染色の欠如(−○−)に関しても細胞のアリコ ートを分析した。 直線状の飽和しない反応が見られた(図2)。抗−Rh(D)タイピング血清 を用いてRh(D)抗原性の保持を評価し、試験した全てのビオチン濃度でビオ チンでの細胞表面タンパク質の誘導化により影響を受けないことが見いだされた (図2)。さらに、それらのケル−陰性RBCは抗−ケル抗体を非特異的に吸着 しなかった。 次に、各ビオチン化RBCサンプルを過剰のストレプトアビジン被覆磁気ミク ロビーズとインキュベートし、磁気分離カラムに添加した。500μg/mlよ り多いかまたはそれに等しいビオチン試薬でビオチン化されたRBCサンプルで は、108ものRBCをカラムにより保持することができると測定された。実際 のRBC/ファージパンニング実験は〜107のみのRh(D)−陽性細胞を用 いるように設計されたので(以下参照)、500μg/mlでのRBCビオチン 化が十分であると決定された。 インキュベーション混合物中のRh(D)−陽性及びRh(D)−陰性RBC の濃度 Fab/ファージパンニング実験を実施する前に、Rh(D)−陽性及びRh (D)−陰性細胞を分離する磁気活性化細胞分離技術の能力を抗−Rh(D)タ イピング血清及びフローサイトメトリーを用いて評価した(図3)。2%の脱脂 粉乳を含有する40μl容量のPBS(MPBS)中で、ストレプトアビジン− ミクロビーズで被覆されたビオチン化Rh(D)−陽性RBC(8x106細胞 )を10倍過剰のRh(D )−陰性の被覆されていないRBC(8x107細胞)と混合し、混合物をMi niMACSカラムに添加した。カラムを洗浄し、結合した細胞を本明細書に記 述するように溶出させた。元の混合物中(パネルa)、カラム洗浄液(パネルb )及びカラム溶出液(パネルc)中に含まれるRBCのアリコートを図2で記述 したように抗−Rh(D)タイピング血清及びFITC−ヤギ抗−ヒトIgGで 染色した。フローサイトグラムから、カラム添加物中の〜90%の細胞はRh( D)−陰性であるが(パネルa)、それらのほとんど全てはカラムから流れ出て (パネルb)、ほとんど完全にRh(D)−陽性細胞であるカラム溶出液をもた らす(パネルc)ことが示される。最終溶出液の〜6%のみがRh(D)−陰性 細胞を含んでなり(パネルc)、そしてRh(D)−陰性細胞は最初Rh(D) −陽性細胞に対して10倍過剰で存在したので、最初の抗原−陰性の免疫吸着剤 (immunosorbant)細胞の〜0.6%だけが最終の抗原−陽性調製 物に混入した。細胞分離のこの効率は次のFab/ファージでのパンニング実験 のために適切と考えられた。 上記の実験において、磁気分離カラムを詰まらせることを避けるために、磁場 なしにカラムに添加することが必要であった。これは材料がカラムから流れ出な いように40μl未満またはそれに等しい反応容量を必要とした。理論に基づい て(Kretzschmar等、1995、Anal.Biochem.224 :413−419)、与えられた細胞表面抗原に特異的なFab/ファージの5 0%より多くを捕捉するために40μlの容量中に必要な細胞の適切な濃度を計 算することができる。そのような計算は細胞当たりの抗原部位の数及び結合した Fab/ファージの解離定数(KD)の関数である。RBC(表現型「-D-/-D -」)当たり〜100,000Rh(D)抗原部位の値(Mollison等、 1993、Blood Transfusion in Clinical M edicine 、Oxford、Blackwell Scientific Puclications)及びKD=10-8ないし10-9Mの範囲の所望する Fab/ファージ親和性を用いると、40μlの反応容量中8x106のRh( D)−陽性細胞を必要とする。この数のRh(D)−陽性細胞を仮定すると、1 0倍過剰のRh(D)−陰性RBCが磁気カラムで抗原−陽性RBCから効率よ く分離することができる抗原−陰性細胞の最大量であることが見いだされた(図 3)。 Fab/ファージライブラリーの構築及びパンニング γ1κ及びγ1λファージライブラリーを本明細書に記述したように調製し、そ れらはそれぞれ7x107及び3x108の独立した形質転換体を含有することが 見いだされた。表1にこれらのライブラリーのパンニング結果を要約する。 パンニングしたポリクローナルライブラリー及び個々の無作為に選択したFa b/ファージクローン中の抗−Rh(D)Fab/ファージ活性を検出するため に架橋抗体として抗−M13二次抗体を利用するRBC凝集アッセイを用いた( 図4)。示される結果はRh(D)−陰性RBCに対する陰性反応性及び1/2 048の希釈までのγ1κライブラリー(パンニング#2)のRh(D)−陽性 RBCに対する強い陽性反応性を示すアッセイの代表的な例である。 γ1κライブラリーの場合、結合ファージの著しい濃縮は1回のみのパンニン グ後に起こるようであり、一方、γ1λライブラリーの著しい濃縮 は2回目中に起こる。これはそれぞれ1及び2回のパンニング後に、示した回の パンニング中に結合したファージのパーセント及びRh(D)−陽性RBCを凝 集するポリクローナルγ1κ及びγ1λFab/ファージライブラリーの能力の両 方の急激な増加により示される(表1、図4)。 各回のパンニング中に得られた無作為に選択した個々のバクテリアコロニーか らモノクローナルFab/ファージを調製した。3回目のパンニングまでに全て のクローンが抗−Rh(D)特異性を有することは明らかであった(表1)。こ れらのFab/ファージが抗−Rh(D)特異性を有し、そして凝集アッセイに おいて用いた特定のRh(D)−陽性RBC上に偶然存在し且つ特定のRh(D )−陰性RBC上にない可能性がある他の関係のない抗原に結合していないこと を確かめるために、異なる血液型特異性の11のRh(D)−陰性及び一陽性R BCのパネルに対してクローンをスクリーニングしてそれらの抗−Rh(D)特 異性を確かめた(Walker、1993、上記)。 遺伝子レベルでのクローンの分析 無作為に選択した抗−Rh(D)クローン間の遺伝的多様性を調べるために、 プラスミドDNAをクローンの各々から調製し、対応する重及び軽鎖Igヌクレ オチド配列を同定した。表2に、最も近縁の生殖細胞系重または軽鎖Ig遺伝子 の名称を初めとする各クローンの多数の特性を挙げる。ヌクレオチドレベルでの より詳細な分析から、全ての抗−Rh(D)結合クローンの中に多数の独特な重 及び軽鎖DNA配列があることが示された(表3)。Fab/ファージ展示ライ ブラリーの作製中に起こる重及び軽鎖遺伝子セグメントのランダムシャッフリン グのために、これらの重鎖及び軽鎖が組合わさってほぼ50の異なる抗−Rh( D )抗体を形成することは明らかである。 予測されるアミノ酸配列の詳細な複数整列(multiple alignm ent)分析から、全部で25の独特な重鎖、18の独特なκ軽鎖及び23の独 特なλ軽鎖タンパク質が示された。ライブラリー構築中の組み合わせ作用のため に、これらの重及び軽鎖遺伝子セグメントは対になって50の独特なFab抗体 (20γ1κ及び30γ1λ)を生じた。興味深いことに、全ての25の独特な重 鎖及びほとんど全ての18の独特なκ軽鎖はそれぞれ5つのVHIIIまたは4つの VκI生殖細胞系遺伝子のみに由来し、一方、λ軽鎖はより多様な組の生殖細胞 系遺伝子に由来した。選択前の可変領域ファミリー表示の不均質性を確かめるた めに、パンニングしていないライブラリーからの60を越える陰性クローンから の重及び軽鎖ヌクレオチド配列の分析を実施した。VHファミリーI(13%) 、III(36%)、IV(31%)、V(15%)及びVI(5%);Vκファミリ ーI(43%)、II(14%)、III(29%)及びIV(14%);並びにVγ ファミリーI(48%)、II(4%)、III(9%)、IV(4%)、V(9%) 、VI(17%)及びVII(9%)を示すクローンが存在した。 タンパク質レベルでのクローンの分析 抗−Rh(D)クローン中の細かい特異性(Rh(D)抗原エピトープ特異性 )の多様性を調べるために、選択したクローン及びRBCがある種のエピトープ を欠いているRh(D)抗原を産生する個体から得られた稀なRh(D)−陽性 RBCの組を用いて凝集実験を実施した。そのような突然変異体RBCの組での 特定の抗−Rh(D)抗体の凝集のパターンを調べることにより、抗体が向けら れるRh(D)上の特定の エピトープを同定することができる(Mollison等、1993、上記)。 そのような実験の代表的な例を図5に示し、そして選択した抗−Rh(D)Fa b/ファージクローンのRh(D)エピトープを表2に要約する。 抗−Rh(D)−陰性RBC(rr)、Rh(D)−陽性RBC(R22)及 び「部位的」Rh(D)−陽性RBC(モザイクIIIa、IVa、Va、VI、VII) で凝集実験を実施した。示される結果は5個の無作為に選択した抗−Rh(D) Fab/ファージクローンのアッセイの代表的な例である(図5)。 血液銀行タイピング試薬としてのFab/ファージ抗体の使用 マイクロプレート赤血球凝集反応アッセイにおいてRh(D)−陰性とRh( D)−陽性RBCとを正確に識別する抗−Rh(D)Fab/ファージ調製物の 能力(図4及び5)は、通常の抗血清を用いてRBCの表現型を決めるために血 液銀行により用いられるゲル試験(Lapierre等、1990、Trans fusion 30:109−1130)をFab/ファージでの使用のために 適応させることができる証拠を与えた。 ゲル試験は抗−ヒトグロブリン(クームス試薬)中に懸濁した約20μlのデ キストラン−アクリルアミドビーズを各々入れた6本のミニカラムを含有する約 5x7cmのプラスチックカードを含んでなる。型を決める赤血球を適切なヒト 抗血清とインキュベートし、ゲルを通して遠心分離する。抗血清が向けられる抗 原に関して陽性であるRBCは抗−ヒトグロブリンに遭遇すると凝集し、ゲルマ トリックス中または上に捕捉されるようになる。反応性でないRBCはゲル粒子 を通って沈殿し、マイクロチューブの底にペレットを形成する。ゲル試験はRB C表現型 タイピングの伝統的な血液銀行法より減少した試薬容量、細胞洗浄工程の削除及 び結果のより客観的な解釈を初めとする多数の利点を与えるので、多数の血液銀 行機関はこの新規な技術を適応している。図6に示されるように、抗−M13抗 体を含むように改変されたゲルカードで抗−Rh(D)Fab/ファージを用い ることができる。 アッセイを実施するために、Rh(D)−陰性または−陽性の赤血球を抗−R h(D)Fab/ファージ(γ1κライブラリー、パンニング#2)の希釈物と インキュベートし、抗−M13抗体中に懸濁したビーズを含有するミクロカラム 中に遠心分離した。未希釈のFab/ファージストックはマイクロプレート沈降 アッセイのものと同様の5x1012cfu/mlの力価を有した(図4)。この アッセイに用いたFab/ファージの量はマィクロプレートアッセイのものの1 /4であるので、1/625希釈物中に存在するFab/ファージの量は図4の 1/2048希釈物中に存在するものにほぼ等しい。従って、陽性結果を生じる ために必要なFab/ファージの数は両方のアッセイで本質的に等しい。 ちょうど記述したように実施した他のアッセイにおいて、抗−M13抗体をア ッセイから除くと、赤血球の凝集は見られなかった。さらに、抗−IgG抗体は バクテリオファージの表面上に発現された組み換えFabと反応しない。抗−M 13抗体がアッセイに存在する場合、抗−Rhファージと反応したRh−陽性細 胞のみが凝集した。高濃度の抗−M13抗体を用いた場合に、Rh−陰性細胞さ え凝集されるように見えることに注意すべきである。これは結合しない(すなわ ち、反応しない)ファージの架橋の結果生じるアーチファクトであり、それらの ファージは多量の抗−M13抗体の存在下で架橋されるようになり、全てのRh −陰性細胞が横切ることができるとは限らない半不可入性のマットを形成する。 本明細書に記述した実験では、約100μg/mlの抗−M13濃度が凝集のた め及び偽陽性結果の防止のための最適であると考えられた。アッセイに用いる試 薬及び細胞の正確な濃度により、抗−M13の濃度はこの数から外れてもよい。 抗−M13改変されたミクロタイピング系の相対的感度を評価するために、ミ クロタイピング系カードのカラムに100μg/mlの抗−M13抗体を添加し た。Rh−陰性またはRh−陽性赤血球を未希釈または5倍連続希釈(1/5、 1/25、1/125、1/625及び1/3125)の抗−Rhファージ抗体 とインキュベートした。カードを遠心分離し、サンプルを凝集に関して評価した 。改変されたミクロタイピング系カードアッセイは1/625ないし1/312 5の間の希釈で抗−Rh凝集を検出することができた。 腫瘍特異的抗体の単離のための方法 腫瘍細胞に特異的なFab/ファージはインビトロでの診断(生検、体液また は血液サンプルのラボアッセイ)、腫瘍/転移のインビボ標識化(イメージング プローブへの抗体の結合)または悪性腫瘍の処置(化学的もしくは放射性毒素へ の抗体の結合)のために有用である。また、腫瘍特異的抗体は腫瘍細胞上の新規 な抗原またはマーカーの同定のためにも有用であり、それらは抗−腫瘍ワクチン の基礎を成すことができるる。さらに、抗−イディオタイプ抗体の作製のために 有用な腫瘍特異的抗体も抗−腫瘍ワクチンの基礎を成すことができる。 抗−腫瘍抗体は本質的に抗−Rh抗体の作製のために本明細書に記述したよう に作製される。腫瘍細胞、限定されないが例えば悪性黒色腫細 胞を細胞表面でビオチン化し、ストレプトアビジン−磁気ミクロビーズで標識し 、次に過剰の正常メラニン細胞と混合する。治療的に有用な抗−腫瘍抗体を保有 する黒色腫患者の末梢血リンパ球からFab/ファージライブラリーを作製する 。外見上自分自身を治療した多数の黒色腫患者は体液性(すなわち、抗体)免疫 反応を高めることによりそのようにした。これらのFab/ファージライブラリ ーを細胞の混合物とインキュベートする。悪性腫瘍細胞に特異的なエピトープに 向けられるFab/ファージは悪性腫瘍細胞に結合し、次に、磁気カラムパンニ ング方法を利用してそれらを単離することができる。 バクテリアのビルレント因子を同定するFab/ファージの単離 ビルレントバクテリア及びそれらの非病原性同等物の間の違いを検出すること ができるFab/ファージを単離するために本明細書に記述した方法を用いるこ とができる。この場合、バクテリアのビルレント株を磁気標識し、非病原性同等 物で希釈し、ビルレント株に感染した個体から得られたリンパ球から作製される Fab/ファージライブラリーを添加する。このようにして単離されるFab/ ファージは新規なバクテリアの抗原の同定のために有用である可能性があり、そ れらに対して抗菌性化合物及び/またはワクチンを開発することができる/ 本明細書に引用される各々及び全ての特許、特許出願及び公開物の開示は本明 細書で全部引用することにより本明細書に組み込まれる。 本発明は特定の態様に関して開示されているが、当業者が本発明の真の趣旨及 び範囲から逸れずに本発明の他の態様及び変形を考案できることは明らかである 。付加した請求の範囲は全てのそのような態様及び同等な変形を含むと解釈され ると考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/543 541 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. タンパク質をコードするDNAを単離する方法であって、 該タンパク質を発現するウイルスベクター中にDNAライブラリーを作製 し、その場合、該タンパク質は該ウイルスベクターの表面上に発現され、そして 該タンパク質は抗原保有部分に結合することができ; 該抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し; 該抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下で該磁気標識細胞 と該タンパク質を発現するウイルスをインキュベートして混合物を形成し、その 場合、該ウイルスは該磁気標識細胞に結合するものであり; ウイルスが結合した細胞を該混合物から単離し、そしてそれから該タンパク 質をコードするDNAを得ることを含んでなる方法。 2. タンパク質を単離する方法であって、 該タンパク質を発現するウイルスベクター中にDNAライブラリーを作製 し、その場合、該タンパク質は該ウイルスベクターの表面上に発現され、そして 該タンパク質は抗原保有部分に結合することができ; 該抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し; 該抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下で該磁気標識細胞 と該タンパク質を発現するウイルスをインキュベートして混合物を形成し、その 場合、該ウイルスは該磁気標識細胞に結合するものであり; ウイルスが結合した細胞を該混合物から単離し、そしてそれから該タンパ ク質を単離することを含んでなる方法。 3. 該ウイルスベクターがバクテリオファージである、請求の範囲 1または2の方法。 4. 該バクテリオファージがM13である、請求の範囲3の方法。 5. 該タンパク質が抗体、リガンド及びホルモンよりなる群から選択される 、請求の範囲1または2の方法。 6. 該タンパク質が抗体である、請求の範囲5の方法。 7. 該抗体が抗−赤血球細胞表面抗原抗体である、請求の範囲6の方法。 8. 該抗体が抗−Rh赤血球抗体である、請求の範囲7の方法。 9. 該抗原保有部分がタンパク質、脂質、炭水化物、核酸、並びにタンパク 質、脂質、炭水化物及び核酸の少なくとも1つの複合体よりなる群から選択され る、請求の範囲1または2の方法。 10. 該抗原保有部分が膜結合タンパク質である、請求の範囲9の方法。 11. 該膜結合タンパク質が抗原及び受容体タンパク質よりなる群から選択 される、請求の範囲10の方法。 12. 該膜結合タンパク質が抗原である、請求の範囲11の方法。 13. 該抗原が赤血球抗原である、請求の範囲12の方法。 14. 該抗原がRh抗原である、請求の範囲13の方法。 15. 抗原保有部分に結合することができるタンパク質を単離する方法で、 該タンパク質をコードするDNAから該タンパク質を発現させ、その場合、該D NAは請求の範囲1の方法により得られ、そしてそのように発現された該タンパ ク質を単離することを含んでなる方法。 16. 請求の範囲1の方法に従って得られるタンパク質をコードする単離さ れたDNA。 17. 請求の範囲2または15の方法に従って得られるタンパク質の実質的 に純粋な調製物。 18. 抗原保有部分に結合することができるタンパク質をコードするDNA を単離する方法であって、 該タンパク質を発現するウイルスベクター中に合成DNAライブラリーを 作製し; 該抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し; 該抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下で該磁気標識細胞 と該タンパク質を発現するウイルスをインキュベートして混合物を形成し、その 場合、該ウイルスは該磁気標識細胞に結合するものであり; ウイルスが結合した細胞を該混合物から単離し、そしてそれから該タンパ ク質をコードするDNAを得ることを含んでなる方法。 19. 抗原保有部分に結合することができるタンパク質を単離する方法であ って、 該タンパク質を発現するウイルスベクター中に合成DNAライブラリーを 作製し; 該抗原保有部分を発現する細胞に磁気標識を付加し; 該抗原保有部分を発現しない過剰の非標識細胞の存在下で該磁気標識細胞 と該タンパク質を発現するウイルスをインキュベートして混合物を形成し、その 場合、該ウイルスは該磁気標識細胞に結合するものであり; ウイルスが結合した細胞を該混合物から単離し、そしてそれから該タンパ ク質を単離することを含んでなる方法。 20. 抗原保有部分に結合することができるタンパク質を単離する方法であ って、該タンパク質をコードするDNAから該タンパク質を発現させ、その場合 、該DNAは請求の範囲17の方法により得られ、そしてそのように発現された 該タンパク質を単離することを含んでなる方法。 21. 請求の範囲18の方法に従って得られるタンパク質をコードする単離 されたDNA。 22. 請求の範囲19または20の方法に従って得られるタンパク質の実質 的に純粋な調製物。
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