JP4100961B2 - オレフィンブロック共重合体、潤滑油用粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なオレフィンブロック共重合体およびその用途に関する。さらに詳しくはエチレンとα−オレフィンとから得られる特定の重合体ブロックを有するオレフィンブロック共重体、該オレフィンブロック共重体である潤滑油用粘度指数向上剤および該潤滑油用粘度指数向上剤を含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
石油製品は一般に温度が変わると粘度が大きく変化する、いわゆる粘度の温度依存性を有している。例えば、自動車等に用いられる潤滑油等では粘度の温度依存性が小さいことが好ましい。そこで潤滑油には、粘度の温度依存性を小さくする目的で、潤滑油基剤に可溶な、ある種のポリマーが粘度指数向上剤として用いられている。近年では、このような粘度指数向上剤としてエチレン・α−オレフィン共重合体が広く用いられているが、潤滑油の性能バランスをさらに改善するため種々の改良がなされている。
【0003】
上記のような粘度指数向上剤は一般に高温での潤滑油粘度低下を改良するために用いられるが、最近では低温時の潤滑油の粘度上昇も低く抑えるような(低温特性に優れる)粘度指数向上剤が求められている。また、潤滑油組成物は、せん断力がかかる用途に用いられるため、せん断安定性に優れた品質が要求される。一般にせん断安定性を良くするためには、分子量の低いポリマーが用いられるが、分子量が低くなると潤滑油として必要な粘度を得るために粘度指数向上剤の添加量を多くする必要が生じ、経済性が悪化する。また、潤滑油の経済性を良くするために粘度指数向上剤の分子量を高くして添加量を減らすと、せん断安定性が悪化するという問題がある。
【0004】
潤滑油用に用いられるポリマーは、分子量分布が狭いほど良好であることが知られており、その典型的な利点は、分子量分布の広いものに比べてせん断安定性が良好なことである。このためポリマーの分子量分布を狭くするために種々の触媒が検討されており、高活性の塩化マグネシウムに担持した触媒、メタロセン触媒、バナジウム触媒などが提案されており、それらを用いて製造されたMw/Mnが1.2のポリマーが開示されている(特開昭60−35009号公報)。
【0005】
また、米国特許第3,697,429号には、異なるエチレン含量のエチレン・α−オレフィンコポリマーのブレンドが開示されており、これを潤滑油の粘度指数向上剤として使用すると、適する低温特性が得られることが開示されているが、潤滑油の性能バランスは不充分である。
一方、リビング重合の特性を活かした別の工夫もされており、例えば、特開昭60−35009号公報では、分子量分布が狭く、組成分布が狭く、分子内で組成が変化したエチレンとα−オレフィンのランダム共重合体、ブロック共重合体が開示されており、これらの共重合体は、特に潤滑油の用途に適する良好なせん断安定性と増粘性、および優れた低温特性を有し、潤滑油粘度指数改良剤として好適であることが開示されている。特に、組成の異なるセグメントを同じ分子内に有するブロック共重合体がより好ましいことも開示されている。また、リビング重合する触媒を用いて連続的に、分子量分布が狭いポリマーを得る方法としてチューブラーリアクターを使用することが開示されている。チューブラーリアクターで共重合ポリマーを製造する場合、モノマーの反応性が異なるため反応器中でモノマー組成が変化し、組成がポリマー鎖のなかで段階的に変化した分子内組成の広いテーパード共重合体が得られる。上記文献で開示されたポリマーは潤滑油の粘度指数改良剤として好適であるが、この文献に具体的に記載されたポリマーで分子量分布の狭いMw/Mnが1.2程度のものを用いても、低温特性改良の性能が十分でなく、さらに改良が望まれる。低温特性改良の方法として、低温特性を極度に悪化させるような領域を避けて高エチレン含量化することが知られているが、テーパード共重合体の場合、分子内組成分布が広がりこの領域を避けることが困難であった。
【0006】
また、WO98/58978号公報(特表2002−507225号公報)では、オレフィンブロック共重合体の潤滑油粘度指数改良剤が開示されている。ここで開示されているオレフィンブロック共重合体の一方のブロックは約93重量%のエチレン単位を含有し、低温特性改良の性能がまだ十分ではない。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術における問題点を解決するためになされたものであって、特定の重合体ブロックを有するオレフィンブロック共重合体、低温特性に優れ、かつ粘度とせん断安定性のバランスに優れた潤滑油組成物を与えるような潤滑油用粘度指数向上剤、該潤滑油用粘度指数向上剤を含む潤滑油組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、
(i)エチレンとプロピレンとから得られ、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が40/60〜64/36の範囲にあり、重量平均分子量が80,000〜500,000の範囲にある重合体ブロックと、
(ii)エチレンとプロピレンとから得られ、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が73/27〜82/18の範囲にあり、重量平均分子量が30,000〜150,000の範囲にある重合体ブロックと
を有し、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が1.25以下であり、熱分解したとき、重合体ブロック(i)に由来する成分および重合体ブロック(ii)に由来する成分の分子内組成分布の傾き(CD)の絶対値が0.07〜0の範囲にあることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る潤滑油用粘度指数向上剤は、上記オレフィンブロック共重合体であることを特徴としている。
本発明に係る潤滑油組成物は、上記潤滑油用粘度指数向上剤を含有することを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るオレフィンブロック共重合体、潤滑油用粘度指数向上剤および潤滑油組成物について具体的に説明する。
なお、本明細書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
【0011】
本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られ、エチレン含量が相対的に少ない重合体ブロックと、
(ii)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとから得られ、エチレン含量が相対的には多い重合体ブロックと
を含むオレフィンブロック共重合体である。
【0012】
ここで炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンなどのアルキルノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの炭素原子数3〜20の環状オレフィンなどが挙げられる。
【0013】
これらのα−オレフィンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記重合体ブロック(i)および(ii)は、エチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとのランダム共重合体である。
【0014】
上記重合体ブロック(i)は、エチレン単位とα−オレフィン単位とのモル比(エチレン/α-オレフィン)が20/80〜65/35、好ましくは40/60〜64/36の範囲にあり、重量平均分子量は50,000〜2,000,000、好ましくは60,000〜1,000,000、より好ましくは80,000〜500,000の範囲にあることが望ましい。
【0015】
上記重合体ブロック(ii)は、エチレン単位とα-オレフィン単位とのモル比(エチレン/α-オレフィン)が70/30〜85/15、好ましくは73/27〜82/18の範囲にあり、重量平均分子量は10,000〜400,000、好ましくは20,000〜200,000、より好ましくは30,000〜150,000の範囲にあることが望ましい。
【0016】
重合体ブロック(i)および重合体ブロック(ii)のエチレンとα-オレフィンとのモル比、重量平均分子量が上記範囲内にあると、特に低温特性に優れ、せん断安定性に優れた潤滑油組成物が得られるような粘度指数向上剤となる。
エチレン単位とα−オレフィン単位とのモル比は、モノマー比を調整することにより上記範囲内とすることができ、重量平均分子量は、重合時の重合温度、重合時間などを制御することで上記範囲内とすることができる。
【0017】
なお、重合体ブロック(ii)は、重合体ブロック(i)よりも重量平均分子量が小さいことが好ましい。
本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、上記重合体ブロック(i)および重合体ブロック(ii)に加えてさらに、重合体ブロック(iii)を単数または複数有していてもよい。この場合オレフィンブロック共重合体は、(i)−(ii)−(iii)nまたは(ii)−(i)−(iii)nの形態をとる。ここで、nは1以上、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜3の整数であり、隣り合う重合体ブロック同士は、それぞれ異なる重合体ブロックである。
【0018】
重合体ブロック(iii)は、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種のオレフィンの重合体であってもよく、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる2種以上のオレフィンのランダム共重合体であってもよい。
なお、上述したようなオレフィンブロック共重合体は、以上のような構造を有していれば、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに以上の構造以外の構造を有する部分と結合していてもよい。また本発明の共重合体はグラフト変性などされていてもよい。
【0019】
本発明では、オレフィンブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は10,000以上、好ましくは20,000〜2,000,000、より好ましくは30,000〜1,000,000、さらに好ましくは40,000〜500,000の範囲にあることが望ましく、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が好ましくは1.5以下、より好ましくは1.35以下である。
【0020】
Mw/Mnは、後述するような触媒系を用いることにより、上記範囲内とすることができ、例えば使用する遷移金属化合物の種類を選択することにより上記範囲内でMw/Mnの値を調整することができる。
重量平均分子量が上記範囲内にあると、粘度指数向上性能(増粘性の付与性)に優れており、このため特定の潤滑油粘度を得るためのオレフィンブロック共重合体の必要量が少なくて済み、低温時にゼリー化が起こりにくく、潤滑油粘度のせん断安定性にも優れた潤滑油組成物が得られるような潤滑油用粘度指数向上剤となる。
【0021】
またMw/Mnが上記範囲内にあると、せん断安定性に優れた潤滑油組成物が得られるような潤滑油用粘度指数向上剤となる。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値であり、GPCによる測定は、温度:140℃、溶媒:オルトジクロロベンゼンの条件下で行われる。
【0022】
本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、ジブロック共重合体またはトリブロック共重合体であることが好ましい。
オレフィンブロック共重合体が、2個の重合体ブロックからなるジブロック共重合体であるときは、Mw/Mnが1.35未満、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.25以下であることが望ましい。この場合、特にせん断安定性に優れた潤滑油組成物が得られるような粘度指数向上剤となる。
【0023】
オレフィンブロック共重合体が、ジブロック共重合体である場合には、重合体ブロックは、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・オクテン共重合体から選ばれることが好ましい。この場合、特に低温特性に優れ、せん断安定性に優れた潤滑油組成物が得られるような粘度指数向上剤となる。
【0024】
また本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、熱分解したとき、高エチレン成分(重合体ブロック(ii)に由来する成分)および低エチレン成分(重合体ブロック(i)に由来する成分)の分子内組成分布の傾き(CD)の絶対値が、0.1〜0、好ましくは0.07〜0、より好ましくは0.05〜0の範囲にある。
【0025】
この分子内組成分布の傾き(CD)は、値が大きい程分子内組成分布が広いことを示し、値が小さい程分子内組成分布が狭いことを示している。
このような分子内組成分布の傾き(CD)を有するオレフィンブロック共重合体は、例えば後述するように、特定の触媒系を用いて、エチレンとα−オレフィンとを多段で共重合することにより製造することができ、また使用する遷移金属化合物を変更することにより傾きを調整することができる。
【0026】
(分子内組成分布の測定法)
分子内組成分布は、例えば特公平6−96624号公報に示されているような方法で測定することができる。元のポリマーを熱分解してフラグメントに切断し、そのフラグメントを良溶媒/貧溶媒で組成別に溶媒分別して、その分布を統計解析して得られる。
【0027】
熱分解条件としては、例えば窒素雰囲気下330℃で60分熱処理する条件がある。理想的にはフラグメントの分子量が元のポリマーの5%程度になるまで低下させる。熱分解の温度、時間はフラグメントの分子量により変化させることができるが熱分解温度は一般的には300〜370℃である。
非極性ポリマーの組成分散度を測定する有効な技術として、相分離の熱力学に基づく良溶媒/貧溶媒による溶媒分別がある。この技術は、Academic(1967年)の341ページ以降のM.Cantow編集者によるポリマー分別(Polymer Fractionation)と題する論文及び、Development in Polymer Characterization第3巻第1号(1982年)のH.Inagaki等による論文に記載されている。例えばポリマーを室温でn−ヘキサンに溶解させ1gポリマー/100ccヘキサンの溶液を作る。ポリマーを溶解させる際には湯浴等で加熱してもよい。次に白濁して沈殿がでるまでイソプロピルアルコールを滴下する。上澄みを除去し、沈殿物を120℃で8時間減圧乾燥する。乾燥後にNMRで組成を測定する。滴下を再び続け、ポリマーを100%回収するまでフラクションを回収し分析する。1回の滴下で回収するポリマーの量は5〜10%になるように滴下を制御することが好ましい。
【0028】
組成の分布をみるために回収したポリマーの累積%に対してエチレンの重量%をプロットしポリマーの90%が存在するポリマー累積%の50±45%の範囲の中にある点から傾き(CD)を求める。
本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、相対的にエチレン含量が少ないエチレン・α−オレフィン共重合体からなる重合体ブロックと、相対的にエチレン含量が多いエチレン・α−オレフィン共重合体からなる重合体ブロックとからなるブロック共重合体である。
【0029】
このようなオレフィンブロック共重合体は、上述した特開昭60−35009号公報に記載されたテーパードポリマーとは上記溶媒分別で分子内組成分布の傾きを測定することにより区別することができる。また、簡易的にDSCを測定することによっても区別することができ、融点が存在するような組成のポリマーの場合、テーパードポリマーの融点の半値幅は、同様な融点をもつ連続式オートクレーブで製造したポリマーより広くなる傾向にある。
【0030】
また本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、後述するように、まずエチレンとα−オレフィンとを共重合して重合体ブロックを製造し、次いで該重合体ブロックの存在下にエチレンとα−オレフィンとを共重合して上記重合体ブロックとは異なる重合体ブロックを製造することにより得られる。
エチレン含量の多いエチレン・α−オレフィン共重合体と、エチレン含量が少ないエチレン・α−オレフィン共重合体を重合器外でブレンドしたポリマーは、熱分解を行うことなく上記溶媒分別で不連続に高エチレン成分と低エチレン成分に分けることができるが、本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、熱分解を行うことなく前述のような溶媒分別で不連続に分けることができない。
【0031】
(オレフィン重合体の製法)
本発明に係る潤滑油用粘度調整剤として使用されるオレフィンブロック共重合体は、下記遷移金属化合物(A)からなるオレフィン重合触媒、
好ましくは、
(A)下記遷移金属化合物と、
(B)(B-1)有機金属化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなるオレフィン重合触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを後述するように共重合させることにより得ることができる。
【0032】
((A)遷移金属化合物)
上記オレフィンブロック共重合体の製造に用いられる遷移金属化合物は、例えば下記一般式(I)で表される遷移金属化合物である。この遷移金属化合物は、下記一般式(I)中のXの一つをn-プロピル基に置換したカチオン錯体について密度汎関数法によって求めたβ-アゴスティック構造において、中心金属Mと直接結合を持たない最近接のヘテロ原子とβ位の水素との距離が3.0Å以下、かつ静電エネルギーが−10kJ/mol以下であることが好ましい。
【0033】
ここで、密度汎関数法とは、プログラムADF2000.01(開発元:SCM社(オランダ)入手方法:SCM社とライセンス契約を結んだ後、SCM社ホームページ(html://www.scm.com)からダウンロード)を使用しBLYP法を用いた計算を指す。基底関数としてはSlater型軌道であり、構造を決定する際は、中心金属にはTriple zeta型関数、その他の原子にはDouble zeta型関数を用いる。但し、静電エネルギー評価時には、その他の原子のDouble zeta型関数に分極関数を加えたものを用いる。この基底関数は、構造計算で得られた最適構造での1点計算にも用いる。また、構造計算以外では、パウリの相対論的ポテンシャルの補正を行う。静電エネルギーとは、β位の水素と最近接へテロ原子間の静電エネルギーを指す。より具体的には、これら2原子に対して、錯体計算で得られた電荷を割り当てて求めた電子状態に基づく原子間静電相互作用である。ここでの電荷とは、錯体計算(構造計算後、求まったβ-アゴスティック最適構造での1点計算)で得られた、これら2原子のs、p、d軌道の各電子ポピュレーションである。
【0034】
LmMXn …(I)
式(I)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示す。
mは1〜5の整数を示す。
nはMの価数を満たす数である。
Lは中心金属Mに配位する配位子であって、中心金属Mに直接結合を持たないヘテロ原子を有する配位子である。
【0035】
Xは酸素原子、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0036】
また上記オレフィンブロック共重合体は、下記一般式(II-a)または(II-b)で表される遷移金属化合物からなるオレフィン重合触媒の存在下に製造することができる。
【0037】
【化1】
【0038】
式(II-a)中、M1は周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示す。
mは1〜5の整数を示す。
Qは窒素原子または置換基R2を有する炭素原子を示す。
Aは酸素原子、イオウ原子もしくはセレン原子、または置換基R5を有する窒素原子を示す。
【0039】
R1は1個以上のヘテロ原子を有する炭化水素基またはヘテロ原子含有基を1個以上有する炭化水素基を示す。
R2〜R5は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうち二個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2以上のときはR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士は互いに同一でも異なっていてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基とが連結されていてもよい。
【0040】
nはMの価数を満たす数である。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0041】
【化2】
【0042】
式(II-b)中、M1は周期表第3〜11族の遷移金属原子を示す。
mは1〜5の整数を示す。
Yは窒素原子またはリン原子を示す。
Uは置換基R6を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
Qは置換基R7を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
【0043】
Sは置換基R8を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
Tは置換基R9を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
R1は1個以上のヘテロ原子を有する炭化水素基またはヘテロ原子含有基を1個以上有する炭化水素基を示す。
R6〜R9は互いに同一でも異なっていてもよく、(II-a)中のR2〜R5と同様の原子または基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2以上のときはR1同士、R6同士、R7同士、R8同士、R9同士は互いに同一でも異なっていてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基とが連結されていてもよい。
【0044】
nはM1の価数を満たす数である。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
さらに上記オレフィンブロック共重合体は、下記一般式(II-a')または(II-b')で表される遷移金属化合物からなるオレフィン重合触媒の存在下に製造することができる。
【0045】
【化3】
【0046】
式(II-a')中、M1は周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示す。
mは1〜5の整数を示す。
Qは窒素原子または置換基R2を有する炭素原子を示す。
Aは酸素原子、イオウ原子もしくはセレン原子、または置換基R5を有する窒素原子を示す。
【0047】
R1は、ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有するフェニル基、
ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有するフェニル基以外の芳香族炭化水素基、
ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有する脂肪族炭化水素基、または
ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有する脂環式炭化水素基を示す。
【0048】
なおR1がヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子もしくは置換基を有するフェニル基である場合、該フェニル基は窒素原子に結合した炭素原子の位置を1位としたときに、
2位および6位の少なくとも1箇所に、ヘテロ原子およびヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の原子または置換基を有しているか、または
3位、4位および5位に、▲1▼フッ素原子を除くヘテロ原子、▲2▼炭素原子を1個およびフッ素原子を2個以内含有するフッ素含有基、▲3▼炭素原子を2個以上含有するフッ素含有基、▲4▼フッ素原子を除くヘテロ原子を有するヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有している。
【0049】
R2〜R5は互いに同一でも異なっていてもよく、(II-a)中のR2〜R5と同様の原子または基を示し、これらのうち二個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2以上のときはR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士は互いに同一でも異なっていてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR2〜R5のうち1個の基とが連結されていてもよい。
【0050】
nはMの価数を満たす数である。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0051】
【化4】
【0052】
式(II-b')中、M1は周期表第3〜11族の遷移金属原子を示す。
mは1〜5の整数を示す。
Yは窒素原子またはリン原子を示す。
Uは置換基R6を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
Qは置換基R7を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
【0053】
Sは置換基R8を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
Tは置換基R9を有する炭素原子、窒素原子またはリン原子を示す。
R1は、(II-a')中のR1と同じである。
R6〜R9は互いに同一でも異なっていてもよく、(II-a)中のR2〜R5と同様の原子または基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2以上のときはR1同士、R6同士、R7同士、R8同士、R9同士は互いに同一でも異なっていてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基と、他の配位子に含まれるR6〜R9のうち1個の基とが連結されていてもよい。
【0054】
nはM1の価数を満たす数である。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
また上記オレフィンブロック共重合体は、下記一般式(III)で表される遷移金属化合物からなるオレフィン重合触媒の存在下に製造することができる。
【0055】
【化5】
【0056】
式(III)中、M1は、周期表第4〜5族から選ばれる遷移金属原子を示す。
R10は、(II-a')中のR1と同じである。
R11〜R14は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基またはイオウ含有基を示す。
【0057】
R15はハロゲン原子、ハロゲン含有基、炭化水素基または炭化水素置換シリル基を示す。
nはM1の価数を満たす数である。
Xは、式(I)中のXと同様の原子または基を示し、Xで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、またnが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0058】
((B-1)有機金属化合物)
上記オレフィンブロック共重合体の製造に必要に応じて用いられる(B-1)有機金属化合物として、具体的には下記のような周期表第1、2族および第13族の有機金属化合物が用いられる。
(B-1a) 一般式 Ra mAl(ORb)nHpXq
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0059】
(B-1b) 一般式 M2AlRa 4
(式中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
(B-1c) 一般式 RaRbM3
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMgである。)
で表される化合物。
【0060】
また(B-1a)に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物が挙げられる。このような化合物として具体的には、
(C2H5)2AlN(C2H5)Al(C2H5)2 などが挙げられる。
またその他にも、(B-1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用することもできる。
【0061】
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなどを使用することもできる。
(B-1)有機金属化合物のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記のような(B-1)有機金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0062】
((B-2)有機アルミニウムオキシ化合物)
上記オレフィンブロック共重合体の製造に必要に応じて用いられる(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサン(アルモキサンともいう。)であってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0063】
((B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物)
上記オレフィンブロック共重合体の製造に必要に応じて用いられる遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などが挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
【0064】
本発明で用いられるオレフィン重合触媒は、上記遷移金属化合物(A)と、有機金属化合物(B-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)およびイオン化イオン性化合物(B-3)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)(以下「成分(B)」ということがある。)とともに、さらに必要に応じて下記担体(C)および/または後述するような有機化合物(D)を含むことができる。
【0065】
((C)担体)
本発明で必要に応じて用いられる(C)担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
【0066】
((D)有機化合物成分)
本発明において(D)有機化合物成分は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、例えばアルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩などが挙げられる。
【0067】
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)遷移金属化合物(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
【0068】
上記(2)〜(5)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
成分(B)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
【0069】
また、上記の成分(C)に遷移金属化合物(A)が担持された固体触媒成分、成分(C)に遷移金属化合物(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
オレフィンブロック共重合体は、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、下記工程(1)および工程(2)、必要に応じて任意の回数工程(3)を行い複数の重合体ブロックを合成することにより製造することができる。
【0070】
工程(1)では、上記オレフィン重合触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを重合させて重合体ブロックを製造する。
炭素原子数3〜20のオレフィンとしては、上記と同様のものが挙げられ、これらは1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0071】
工程(1)において、重合温度は通常−40〜+200℃、好ましくは0〜+150℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2(9.8MPa)、好ましくは常圧〜50kg/cm2(4.9MPa)の条件下である。
工程(2)では、上記工程(1)で製造された重合体ブロックの存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを重合させて、上記重合体ブロックとは異なる重合体ブロックを製造する。
【0072】
炭素原子数3〜20のオレフィンとしては、上記と同様のものが挙げられ、これらは1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。また、この工程(2)で得られた重合体ブロックとしては、上記と同様のものが挙げられる。
工程(2)において、重合温度は通常−40〜+200℃、好ましくは0〜+150℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2(9.8MPa)、好ましくは常圧〜50kg/cm2(4.9MPa)の条件下である。
【0073】
工程(3)では上記工程(1)で得られた重合体ブロックと工程(2)で得られた重合体ブロックとを含むブロック共重合体の存在下に、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを重合させて、前段の工程で製造した重合体ブロックとは異なる重合体ブロックを製造する。
炭素原子数2〜20のオレフィンとしては、上記と同様のものが挙げられ、これらは1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。また、工程(3)で得られた重合体ブロックとしては、上記と同様のものが挙げられる。
【0074】
工程(3)において、重合温度は通常−40〜+200℃、好ましくは0〜+150℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2(9.8MPa)、好ましくは常圧〜50kg/cm2(4.9MPa)の条件下である。
この工程(3)は、オレフィンの種類、組合せまたは重合条件を変更して任意の回数行うことができる。
【0075】
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0076】
上記のようなオレフィン重合触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを重合するに際して、遷移金属化合物(A)は、反応容積1リットル当たり、通常10-12〜1モル、好ましくは10-10〜10-2モルになるような量で用いられる。
成分(B-1)が用いられる場合は、成分(B-1)と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-1)/M〕が、通常0.01〜100,000、好ましくは0.05〜50,000となるような量で用いられる。成分(B-2)が用いられる場合は、成分(B-2)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-2)/M〕が、通常10〜500,000、好ましくは20〜100,000となるような量で用いられる。成分(B-3)が用いられる場合は、成分(B-3)と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
【0077】
成分(D)が用いられる場合は、成分(B)が成分(B-1)の場合には、モル比〔(D)/(B-1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B)が成分(B-2)の場合には、モル比〔(D)/(B-2)〕が通常0.001〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成分(B)が成分(B-3)の場合には、モル比〔(D)/(B-3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。
【0078】
得られるオレフィンブロック共重合体の分子量は、モノマー/触媒比や重合時間を制御することによって調節することができる。
上述したようなオレフィンブロック共重合体は、潤滑油用粘度指数向上剤として好適に用いられる。
(潤滑油組成物)
本発明に係る潤滑油組成物は、上記オレフィンブロック共重合体である粘度指数向上剤と、潤滑油基材と、必要に応じて流動点降下剤とを含んでいる。
【0079】
まず本発明に係る潤滑油組成物を形成する各成分について説明する。
(潤滑油基材)
本発明で用いられる潤滑油基材としては、鉱物油;ポリα−オレフィン;ポリオールエステル、ジオクチルフタレート、ジオクチルセバケート等のジエステル類;ポリアルキレングリコール等の合成油が挙げられ、鉱物油または鉱物油と合成油とのブレンドが好ましく用いられる。
【0080】
鉱物油は一般に脱ワックス等の精製工程を経て用いられ、精製の仕方により幾つかの等級があるが、一般に0.5〜10%のワックス分を含む鉱物油が使用される。例えば、水素分解精製法で製造された流動点の低い、粘度指数の高い、イソパラフィンを主体とした組成の高度精製油を用いることもできる。また40℃における動粘度が10〜200cStのものが一般的に使用される。
【0081】
(流動点降下剤)
本発明で必要に応じて用いられる流動点降下剤としては、アルキル化ナフタレン、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アルキルの(共)重合体、フマル酸アルキルと酢酸ビニルの共重合体、α-オレフィン重合体、α−オレフィンとスチレンの共重合体等が挙げられるが、中でも、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アルキルの(共)重合体が好適に用いられる。
【0082】
(組成物)
本発明に係る潤滑油組成物は、上記潤滑油基材と、上記オレフィンブロック共重合体と、必要に応じて流動点降下剤とを含有している。
潤滑油組成物が、潤滑油基剤と、上記オレフィンブロック共重合体とを含む場合は、潤滑油組成物中にオレフィン重合体が、例えば1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の量で含有されていることが望ましい(残分は潤滑油基剤および後述の配合剤)。
【0083】
このような潤滑油組成物は、低温特性に優れるとともに、せん断安定性に優れる。
この潤滑油組成物は、そのまま潤滑油用途に使用することができ、またこの潤滑油組成物にさらに流動点降下剤などを配合して潤滑油用途に使用することもできる。
【0084】
潤滑油組成物が、潤滑油基剤と、上記オレフィンブロック共重合体と、流動点降下剤とを含む場合は、オレフィン重合体が、例えば0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%、さらに好ましくは0.25〜1.5重量%、特に好ましくは0.30〜1.5重量%の量で含有され、流動点降下剤が0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%、最も好ましくは0.2〜1.5重量%の量で必要に応じて含有されていることが望ましい(残分は潤滑油基材および後述の配合剤)。
【0085】
このような潤滑油組成物において、オレフィン重合体の量が上記範囲内にあると、せん断安定性向上の効果を得ることができる。
また本発明に係る潤滑油組成物は、潤滑油基材、オレフィン重合体および流動点降下剤以外に、メタクリル酸アルキルの(共)重合体、水添SBR、SEBSなどの粘度指数向上効果を有する配合剤、清浄剤、錆止め添加剤、分散剤、極圧剤、消泡剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、耐摩耗剤などの配合剤を含有していてもよい。
【0086】
極圧剤としては、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、チオホスフィネート類、チオカーボネート類、硫化油脂、硫化オレフィン等のイオウ系極圧剤;リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン類等のリン酸類;塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物などを例示することができる。
【0087】
耐摩耗剤としては、二硫化モリブデンなどの無機または有機モリブデン化合物、アルキルメルカプチルボレート等の有機ホウ素化合物;グラファイト、硫化アンチモン、ホウ素化合物、ポリテトラフルオロエチレン等を例示することができる。
清浄分散剤としては、カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネート、バリウムスルホネート等の金属スルホネート、チオホスホネート、フェナート、サリチレート、コハク酸イミド、ベンジルアミン、コハク酸エステルなどを例示することができる。
【0088】
酸化防止剤としては、2,6−ジ-tert-ブチル−4−メチルフェノール等のアミン系化合物、ジチオリン酸亜鉛等のイオウまたはリン系化合物などを例示することができる。
防錆剤としては、シュウ酸などのカルボン酸およびその塩;スルホン酸塩;エステル;アルコール;リン酸およびその塩;ベンゾトリアゾールおよびその誘導体;チアゾール化合物などを例示することができる。
【0089】
消泡剤としては、ジメチルシロキサン、シリカゲル分散体等のシリコーン系化合物、アルコール系またはエステル系の化合物などを例示することができる。
これらの添加剤の配合量は、要求される潤滑性能によって変化するが、上記潤滑油組成物100重量部中に、通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05〜30重量部含まれていてもよい。
【0090】
本発明に係る潤滑油組成物は、従来公知の方法で、潤滑油基材にオレフィン重合体、必要に応じて流動点降下剤、さらに必要に応じてその他の配合剤を混合または溶解することにより調製することができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明に係るオレフィンブロック共重合体は、低温特性に優れ、かつ粘度とせん断安定性のバランスに優れた潤滑油組成物が得られるような潤滑油用粘度指数向上剤となる。
本発明に係る潤滑油用粘度指数向上剤を用いると、低温特性に優れ、かつ粘度とせん断安定性のバランスに優れた潤滑油組成物が得られる。
【0092】
本発明に係る潤滑油組成物は、低温特性に優れ、かつ粘度とせん断安定性のバランスに優れている。
【0093】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例において各種物性の測定は以下の通りに行った。
(ブロック共重合体の組成)
日本電子(株)製のLA500型核磁気共鳴装置を用い、オルトジクロルベンゼンとベンゼン−d6との混合溶媒(オルトジクロルベンゼン/ベンゼン−d6=3/1〜4/1(体積比))中、120℃、パルス幅45°パルス、パルス繰返し時間5.5秒で測定した。
(100℃での粘度)
ASTM D 445に基づいて測定を行った。なお、本実施例ではK.V.が10mm2/秒程度となるように調整した。
(Cold Cranking Simulator(CCS))
ASTM D 2602に基づいて測定を行った。CCSはクランク軸における低温での摺動性(始動性)の評価に用いられ、値が小さい程、潤滑油の低温特性が良いことを示す。
(Mini-Rotary Viscometer(MRV))
ASTM D 3829、D4684に基づいて測定を行った。MRVはオイルポンプが低温でポンピングを行うための評価に用いられ、値が小さい程、潤滑油の低温特性が良いことを示す。
(Shear Stability Index(SSI))
ASTM D 3945に基づいて測定を行った。SSIは潤滑油中の共重合体成分が摺動下でせん断力を受け分子鎖が切断することによる動粘度の損失の尺度であり、SSIが大きい値である程、動粘度の損失が大きいことを示す。
(低温流動性(低温貯蔵安定性))
−18℃×2週間冷却後の流動性(外観)を観察し、以下の評価を行った。
【0094】
○:流動する
×:ゲル状になる
【0095】
【重合例1】
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに乾燥トルエン250mlを装入し、プロピレンを100L/hで40分間流通した後、系内の温度を25℃に保ち、メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で5.00mmolを加えた。続いて触媒bis[N-(3-t-butylsalicylidene)-2,3,4,5,6-pentafluoroanilinato]titanium(IV) dichlorideを0.05mmol添加すると同時に、エチレン/プロピレン=3/80L/hの混合ガスに切り替え、60分間攪拌した後、イソブチルアルコール20mlを添加し反応を停止させた。1N塩酸水10mlを添加し、窒素気流下30分間攪拌した後、重合溶液をメタノール1.5Lに注ぎ、ポリマーを析出させた。一晩マグネチックスターラーで攪拌した後、ポリマーをグラスフィルターで濾取し、減圧下、130℃で10時間乾燥し、エチレン・プロピレン共重合ポリマー2.52gを得た。GPC分析の結果Mw=10.6万、Mw/Mn=1.14(ポリスチレン換算)であった。また、IR分析より求められたエチレン含量は、49.5mol%であった。
【0096】
【重合例2】
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに乾燥トルエン250mlを装入し、プロピレンを100L/hで40分間流通した後、系内の温度を25℃に保ち、メチルアルミノキサンをアルミニウム換算で5.00mmolを加えた。続いて触媒bis[N-(3-t-butylsalicylidene)-2,3,4,5,6-pentafluoroanilinato]titanium(IV)dichlorideを0.05mmol添加すると同時に、エチレン/プロピレン=3/80L/hの混合ガスに切り替え、50分間攪拌した。ここまでは重合例1と同様に行い引き続き反応を停止させることなく、混合ガスの組成を70/30L/hに変え、更に3.5分間攪拌した後、イソブチルアルコール20mlを添加し反応を停止させた。1N塩酸水10mlを添加し、窒素気流下30分間攪拌した後、重合溶液をメタノール1.5Lに注ぎ、ポリマーを析出させた。一晩マグネチックスターラーで攪拌した後、ポリマーをグラスフィルターで濾取し、減圧下、130℃で10時間乾燥し、ブロックポリマー4.33gを得た。GPC分析の結果Mw=18.2万、Mw/Mn=1.15(ポリスチレン換算)であった。また、IR分析より求められたエチレン含量は、63.6モル%であった。結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【実施例1】
ベース油として、鉱油150ニュートラル(ESSO社製)を87.62重量%、粘度指数向上剤として重合例2で得られたポリマーを0.88重量%、流動点降下剤としてアクルーブ133(三洋化成社製)を0.5重量%、清浄分散剤(ルブリゾール社製)を11.0重量%用いて、潤滑油の性能評価と低温時の流動性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
【比較例2、3】
特公平6−96624の例3B、3Aに従ってポリマーを重合した。ポリマー物性を表3、実施例1と同様に評価した潤滑油物性を表4に示す。
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【比較例4〜8】
重合例1の方法と同様にして、重合時間とガス組成を調整して重合例5〜9のポリマーを重合した。ポリマー物性を表5、実施例1と同様に評価した潤滑油物性を表6に示す。
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【比較例9〜11】
重合例5〜8のポリマーをブレンドして潤滑油評価を行った。結果を表7に示す。
【0107】
【表7】
【0108】
【比較例12、13】
特表2002−507225号公報の実施例4に記載の重合体ID「NDG12」および「701204095」で示されるポリマーを実施例4に記載された通り合成した。ポリマー物性を表8、実施例1と同様に評価し、潤滑油物性を表9に示す。
【0109】
【表8】
【0110】
【表9】
Claims (3)
- (i)エチレンとプロピレンとから得られ、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が40/60〜64/36の範囲にあり、重量平均分子量が80,000〜500,000の範囲にある重合体ブロックと、
(ii)エチレンとプロピレンとから得られ、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン/プロピレン)が73/27〜82/18の範囲にあり、重量平均分子量が30,000〜150,000の範囲にある重合体ブロックと
を有し、Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が1.25以下であり、熱分解したとき、重合体ブロック(i)に由来する成分および重合体ブロック(ii)に由来する成分の分子内組成分布の傾き(CD)の絶対値が0.07〜0の範囲にあることを特徴とするオレフィンブロック共重合体。 - 請求項1に記載のオレフィンブロック共重合体であることを特徴とする潤滑油用粘度指数向上剤。
- 請求項2に記載の潤滑油用粘度指数向上剤を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
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