JP6456905B2 - 低結晶化度ハードブロックを含むエチレン/α−オレフィンインターポリマー - Google Patents

低結晶化度ハードブロックを含むエチレン/α−オレフィンインターポリマー Download PDF

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関連出願への相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2007年7月13日出願
の米国特許仮出願第60/949,670号、代理人整理番号65862に対する優先権
を主張する。本出願は、全て既に出願され、優先出願を伴い、代理人整理番号66257
、66258及び66259を有する、以下の米国特許出願第60/949,698号;
第60/949,690号及び第60/949,702号に関連し、それらは全て参照に
より本明細書に組み込まれる。
本発明は、低結晶化度ハードブロックを含むエチレン/α−オレフィンインターポリマ
ーに関する。
ブロックコポリマーは、異なった種類の配列に共有結合した同じモノマー単位の配列(
「ブロック」)を含む。ブロックは多様な方法で、例えば、ジブロック構造のA−B及び
トリブロック構造のA−B−A(ここで、Aは1つのブロックを表し、Bは異なるブロッ
クを表す)などで接続され得る。マルチブロックコポリマーでは、A及びBは多数の異な
る方法で接続され、複数回反復され得る。異なる種類の追加のブロックをさらに含むこと
もできる。マルチブロックコポリマーは、線状マルチブロックポリマー又はマルチブロッ
ク星型ポリマー(全てのブロックが同じ原子もしくは化学部分に結合するもの)のいずれ
かであってもよい。
ブロックコポリマーは、異なる化学組成の2又はそれ以上のポリマー分子が端と端で共
有結合している場合に生成される。幅広い種類のブロックコポリマー構造(architecture)
が可能であるが、大部分のブロックコポリマーは、実質的に結晶性もしくはガラス質の硬
質可塑性ブロックの弾性ブロックへの共有結合を含み、熱可塑性エラストマーが形成され
る。その他のブロックコポリマー、例えばゴム−ゴム(エラストマー−エラストマー)、
ガラス−ガラス、及びガラス−結晶性のブロックコポリマーなども可能であり、商業的な
重要性を有し得る。
ブロックコポリマーを作成する一方法は、「リビングポリマー」を製造することである
。典型的なチーグラー・ナッタ重合法とは異なり、リビング重合法は開始段階及び成長段
階のみを伴い、鎖連鎖停止副反応を基本的に含まない。これにより、ブロックコポリマー
中に、望ましい、予め決定され、かつ十分に制御された構造を合成することが可能になる
。「リビング」系で作出したポリマーは、狭分子量分布又は超狭分子量分布を有し、基本
的に単分散である(すなわち分子量分布が基本的に1つである)。リビング触媒系は、成
長速度と同等か成長速度を超える開始速度、及び、停止反応又は移動反応の不在を特徴と
する。その上、これらの触媒系は、単一の種類の活性部位の存在を特徴とする。重合プロ
セスにおいて高収率のブロックコポリマーを製造するために、触媒は十分な程度のリビン
グ特性を示す必要がある。
ブタジエン−イソプレンブロックコポリマーは、逐次モノマー付加技法を用いるアニオ
ン性重合を介して合成されている。逐次付加では、特定量の一種類のモノマーを触媒に接
触させる。第1のこのようなモノマーが実質的に消滅するまで反応して第1のブロックを
形成するとすぐに、特定量の第2のモノマーもしくはモノマー種を導入して反応させて第
2のブロックを形成する。このプロセスは、同じ又は他のアニオン重合可能なモノマーを
用いて繰り返すことができる。しかし、エチレン及び他のα−オレフィン、例えば、プロ
ピレン、ブテン、1−オクテンなどは、アニオン技法により直接ブロック重合されない。
エチレン及びα−オレフィンに基づき、低結晶化度ハードブロックを有するブロックコ
ポリマーを製造することは有用であると思われる。
本発明は、ハードセグメント及びソフトセグメントを含むエチレン/α−オレフィンイ
ンターポリマーを提供し、上記エチレン/α−オレフィンインターポリマーは:
(a)約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し;
(b)ハードセグメント中の全モノマー含有量に基づいて60重量%〜95重量%の範囲
のハードセグメント中のエチレン含有量を有し;
(c)(i)少なくとも40%の量のハードセグメント、少なくとも1つの融点Tm(℃
)、及び重量パーセントで表されるエチレン量、C重量%を有し、上記Tm及びC
量%の数値は次の関係に対応する:
90℃≧Tm≧4.1276(C重量%)−244.76;又は
(ii)40%未満のハードセグメント組成、少なくとも1つの融点Tm(℃)、及び
重量パーセントで表されるエチレン量、C重量%を有し、上記Tm及びC重量%の数
値は次の関係に対応する:
80℃≧Tm≦4.1276(C重量%)−264.95;又は
(iii)0より大きく約1.0以下の平均ブロックインデックス及び約1.3より大
きい分子量分布M/Mにより特徴づけられる;又は
(iv)低温TREFを用いて分画された場合に0℃〜130℃の間で溶離する分子画
分を有し、上記画分が、同じ温度範囲で溶離する比較用ランダムエチレンインターポリマ
ー画分のコモノマーのモル含有量よりも少なくとも5パーセント高いコモノマーのモル含
有量を有することを特徴とし、上記比較用ランダムエチレンインターポリマーは、同じコ
モノマーを有し、さらに溶融指数、密度を有し、さらにエチレン/α−オレフィンインタ
ーポリマーのそれの10パーセント以内のコモノマーのモル含有量(ポリマー全体に基づ
く)を有する;又は
(v)エチレン含有量をGPC−IRにより測定される分子量の対数に対してプロット
した線が、4以下の傾き絶対値mを有するように、エチレン含有量(重量%)と分子量の
対数の間の関係を有し;かつ、
(d)油中エチレン/α−オレフィンインターポリマーの1.0重量%溶液又はドデカン
中1.5重量%溶液の濁度測定値が、比較用コポリマーの濁度測定値以下であり、上記比
較用コポリマーは、55℃超で±5J/g以内の同じDSCエンタルピー(J/g)、及
び10%以内の同じ総エチレン含有量を有する。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、上記の特徴の1つ又は任意の組合せを
有し得る。
一実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、(a)TREFを用
いて分画した場合に、0℃〜130℃の間で溶離する少なくとも1つの分子画分を有し、
上記画分は、少なくとも0.5かつ約1以下のブロックインデックス及び約1.3より大
きい分子量分布M/Mを有することを特徴とするか、又は(b)0より大きく約1.
0以下の平均ブロックインデックス及び約1.3より大きい分子量分布M/Mを有す
る。
一実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、少なくともハードブ
ロック(又はセグメント)及び少なくともソフトブロック(又はセグメント)を含むラン
ダムブロックコポリマーである。さらに、ランダムブロックコポリマーは、複数のハード
ブロック及び複数のソフトブロックを含むことができ、上記ハードブロック及びソフトブ
ロックはポリマー鎖中にランダムに分布することができる。
一実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマー中で用いられるα−オレ
フィンは、スチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、ノルボルネン、1−デセン、1,5−ヘキサジエン、又はそれらの組
合せである。
もう一つの実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーの溶融指数は、
ASTM D−1238、条件190℃/2.16kgに従って測定して約0.1〜約2
000g/10分、約2〜約1500g/10分、約2〜約1000g/10分又は約2
〜約500g/10分の範囲である。
本発明のさらなる態様ならびに本発明の様々な実施形態の特徴及び特性は、以下の説明
とともに明らかとなる。
本発明のハードセグメントが大半であるコポリマーならびに比較例に関する、TのC重量%に対するプロットを示す図である。
本発明のソフトセグメントが大半であるコポリマーならびに比較例に関する、TのC重量%に対するプロットを示す図である。
実施例1ならびに比較例A及びDについてのGPC−IRデータのプロットを示す図である。
一般的定義
「ポリマー」とは、同じ種類であるか異なる種類であるかに関わらず、モノマーを重合
することにより調製されるポリマー化合物を意味する。一般名の「ポリマー」は、用語「
ホモポリマー」、「コポリマー」、「ターポリマー」、ならびに「インターポリマー」を
包含する。
「インターポリマー」とは、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合により調製
されるポリマーを意味する。一般名の「インターポリマー」には、用語「コポリマー」(
通常、2種類の異なるモノマーから調製されるポリマーをさすために用いられる)ならび
に用語「ターポリマー」(通常、3種類の異なるモノマーから調製されるポリマーをさす
ために用いられる)が含まれる。4又はそれ以上の種類のモノマーを重合することにより
作成されるポリマーも包含される。
用語「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」は、一般に、エチレン及び3個又
はそれ以上の炭素原子を有するα−オレフィンを含むポリマーをさす。好ましくは、エチ
レンは、ポリマー全体の大半(majority)のモル分率を含む、すなわち、エチレンは、ポ
リマー全体の少なくとも約50モルパーセントを含む。より好ましくは、エチレンは、少
なくとも約60モルパーセント、少なくとも約70モルパーセント、又は少なくとも約8
0モルパーセントを含み、ポリマー全体の実質的な残部は好ましくは3個又はそれ以上の
炭素原子を有するα−オレフィンである、少なくとも1種類のその他のコモノマーを含む
。多くのエチレン/プロピレンコポリマーに関して、好ましい組成は、ポリマーの重量に
基づいて約55重量%〜約75重量%の範囲、好ましくは約60重量%〜約73重量%の
範囲のエチレン含有量を含む。一部の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインター
ポリマーは、低収量又は少量で、あるいは化学的プロセスの副生成物として生成されるも
のを含まない。エチレン/α−オレフィンインターポリマーは1つ又はそれ以上のポリマ
ーとブレンドすることができるが、製造されたままのエチレン/α−オレフィンインター
ポリマーは実質的に純粋であり、多くの場合、重合プロセスの反応生成物の主成分を構成
する。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、エチレン及び1つ又はそれ以上の共重
合可能なα−オレフィンコモノマーを重合形態で含み、化学的特性又は物理的特性の異な
る2種又はそれ以上の重合したモノマー単位の複数のブロック又はセグメントにより特徴
づけられる。つまり、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、ブロックインター
ポリマー、好ましくはマルチブロックインターポリマーもしくはコポリマーである。用語
「インターポリマー」及び「コポリマー」は本明細書において同義的に用いられる。一部
の実施形態では、マルチブロックコポリマーは、次式で表され得る:
(AB)
式中、nは、少なくとも1、好ましくは1よりも大きい整数、例えば2、3、4、5、1
0、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、又はそれより大
きい整数であり、「A」は、ハードブロックもしくはセグメントを表し、「B」は、ソフ
トブロックもしくはセグメントを表す。好ましくは、AとBは、実質的に分枝した、又は
実質的に星形の様式とは違って、実質的に線状の様式で連結される。その他の実施形態で
は、Aブロック及びBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布する。言い換えれ
ば、ブロックコポリマーは通常以下のような構造を有さない。
AAA−AA−BBB−BB
さらにその他の実施形態では、ブロックコポリマーは、通常、異なるコモノマーを含む第
3のタイプのブロックを有さない。なおその他の実施形態では、ブロックA及びブロック
Bの各々は、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマー又はコモノマーを有する
。言い換えれば、ブロックAもブロックBも、2又はそれ以上の相異なる組成のサブセグ
メント(又はサブブロック)、例えば、ブロックの残りの部分とは実質的に異なる組成を
有する先端セグメントなどを含まない。
マルチブロックポリマーは、一般に様々な量の「ハード」及び「ソフト」セグメントを
含む。「ハード」セグメントとは、エチレンが、ポリマーの重量に基づいて約60重量%
〜約95重量%の範囲、好ましくは約70重量%〜約85重量%の量で存在する重合単位
のブロックをさす。一方、「ソフト」セグメントとは、コモノマー含有量(エチレン以外
のモノマーの含有量)が、ポリマーの重量に基づいて約30重量%〜約80重量%の範囲
、好ましくは約35重量%〜約80重量%の範囲の重合単位のブロックをさす。
ソフトセグメントは、多くの場合、ブロックインターポリマー中に、ブロックインター
ポリマーの総重量の約1重量パーセント〜約99重量パーセント、好ましくはブロックイ
ンターポリマーの総重量の約5重量パーセント〜約95重量パーセント、約10重量パー
セント〜約90重量パーセント、約15重量パーセント〜約85重量パーセント、約20
重量パーセント〜約80重量パーセント、約25重量パーセント〜約75重量パーセント
、約30重量パーセント〜約70重量パーセント、約35重量パーセント〜約65重量パ
ーセント、約40重量パーセント〜約60重量パーセント、又は約45重量パーセント〜
約55重量パーセントで存在し得る。逆に、ハードセグメントは、同様の範囲で存在し得
る。ポリマーは、存在するハードセグメントの量が40%を超える場合に大半のハードセ
グメントを有すると言われ、ソフトセグメントの量が60%未満である場合に大半のソフ
トセグメントを有すると言われる。ソフトセグメントの重量百分率及びハードセグメント
の重量百分率は、DSC又はNMRから得たデータをもとに計算することができる。この
ような方法及び計算は、コリン・L.P.・シャン、ロニー・Hazlittらの名前で
Dow Global Technologies Inc.に帰属する2006年3月
15日出願の、米国特許出願第11/376,835号、米国特許出願公開第2006−
0199930号、標題「エチレン/α−オレフィンブロックインターポリマー(Ethylen
e/α-Olefin Block Interpolymers)」に開示されており、その開示は参照によりその全体
が本明細書に組み込まれる。
用語「結晶性」とは、用いられる場合、示差走査熱量測定(DSC)又は同等技法で測
定される一次転移点又は結晶融点(Tm)を有するポリマーをさす。この用語は用語「半
結晶性」と同義的に用いられ得る。用語「非結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)
又は同等技法で測定される結晶融点を欠くポリマーをさす。
用語「マルチブロックコポリマー」又は「セグメント化コポリマー」とは、好ましくは
線状様式で連結された、2又はそれ以上の化学的に別個の領域又はセグメント(「ブロッ
ク」と称される)を含むポリマー、つまり、垂れ下がったり接ぎ木されたりした形ではな
く、重合したエチレン官能基に関して端と端を連結された、化学的に区別される単位を含
むポリマーをさす。好ましい実施形態では、ブロックは、それに組み込まれているコモノ
マーの量又は種類、密度、結晶化度の量、このような組成のポリマーに起因する微結晶サ
イズ、立体規則性の種類又は程度(アイソタクチック又はシンジオタクチック)、位置規
則性又は位置不規則性、長鎖分枝又は超分枝を含む分枝の量、均質性、あるいはその他の
任意の化学的もしくは物理的特性の点で異なる。マルチブロックコポリマーは、双方の多
分散指数(PDI又はMw/Mn)の特有の分布、ブロック長分布、及び/又はコポリマ
ーを作成する特有の方法に起因するブロック数分布により特徴付けられる。より具体的に
は、連続法で製造される場合、ポリマーは、1.7〜2.9、好ましくは1.8〜2.5
、より好ましくは1.8〜2.2、最も好ましくは1.8〜2.1のPDIを有すること
が望ましい。回分法又は半回分法で製造される場合、ポリマーは1.0〜2.9、好まし
くは1.3〜2.5、より好ましくは1.4〜2.0、最も好ましくは1.4〜1.8の
PDIを有する。
以下の説明において、本明細書に開示される全ての数字は、「約」又は「約」という語
がそれに関連して使われていようとなかろうと、近似値である。それらは1パーセント、
2パーセント、5パーセント、又は、時には10〜20パーセント異なり得る。下限値R
及び上限値Rを有する数値範囲が開示される場合はいつでも、その範囲内の任意の数
が具体的に開示される。特に、次の範囲内の数が具体的に開示される:
R=R+k(R−R)、式中、kは1パーセントから100パーセントの範囲の
増分1パーセントの変数である、すなわち、kは1パーセント、2パーセント、3パーセ
ント、4パーセント、5パーセント、...、50パーセント、51パーセント、52パ
ーセント、...、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、
99パーセント、又は100パーセントである。さらに、上記で定義される2つのRの数
により規定される任意の数値範囲も具体的に開示される。
低結晶化度ハードブロックを含有するエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、
100℃未満の融点を有するハードブロックを有するポリマーである。これらのポリマー
は、高融点ブロックコポリマーとは、それらの主な用途がポリマーブレンド成分の相溶化
(compatibilization)のため、かつ/又は溶媒及び油中のポリマーの溶解度を改良するた
めであるという点で異なる。適用には、油粘度調整剤、熱可塑性オレフィン耐衝撃性改良
剤及び相溶化剤、エラストマー架橋及びヒートシールポリマーが含まれる。これらなどの
適用には、熱硬化性及びヒートシール作業のために低温であるが広い範囲の温度を有する
ポリマーが必要とされる。
本明細書には、ハードセグメント及びソフトセグメントを含むエチレン/α−オレフィ
ンインターポリマーが開示され、上記エチレン/α−オレフィンインターポリマーは:
(a)約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し;
(b)ハードセグメント中の全モノマー含有量に基づいて60重量%〜95重量%の範囲
のハードセグメント中のエチレン含有量を有し;
(c)(i)少なくとも40%のハードセグメント組成、少なくとも1つの融点Tm(℃
)、及び重量パーセントで表されるエチレン量、C重量%を有し、上記Tm及びC
量%の数値は次の関係に対応する:
90℃≧Tm≧4.1276(C重量%)−244.76;又は
(ii)40%未満のハードセグメント組成、少なくとも1つの融点Tm(℃)、及び
重量パーセントで表されるエチレン量、C重量%を有し、上記Tm及びC重量%の数
値は次の関係に対応する:
80℃≧Tm≦4.1276(C重量%)−264.95;又は
(iii)0より大きく約1.0以下の平均ブロックインデックス及び約1.3より大
きい分子量分布M/Mにより特徴づけられる;又は
(iv)低温TREFを用いて分画された場合に0℃〜130℃の間で溶離する分子画
分を有し、上記画分が、同じ温度範囲で溶離する比較用ランダムエチレンインターポリマ
ー画分のコモノマーのモル含有量よりも少なくとも5パーセント高いコモノマーのモル含
有量を有することを特徴とし、上記比較用ランダムエチレンインターポリマーは、同じコ
モノマーを有し、さらに溶融指数、密度を有し、さらにエチレン/α−オレフィンインタ
ーポリマーのそれの10パーセント以内にあるコモノマーのモル含有量(ポリマー全体に
基づく)を有する;又は
(v)エチレン含有量をGPC−IRにより測定される分子量の対数に対してプロットし
た線が、4以下の傾き絶対値mを有するように、エチレン含有量(重量%)と分子量の対
数の間の関係を有し;かつ、
(d)油中エチレン/α−オレフィンインターポリマーの1.0重量%溶液又はドデカン
中1.5重量%溶液の濁度測定値が、比較用コポリマーの濁度測定値以下であり、上記比
較用コポリマーは、55℃超で±5J/g以内、好ましくは±2.5J/g以内の同じD
SCエンタルピー(J/g)を有する。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、上記の特徴の1つ又は任意の組合せを
有し得る。
エチレン/α−オレフィンインターポリマー
本発明の実施形態で用いられるエチレン/α−オレフィンインターポリマー(「本発明
のインターポリマー」又は「本発明のポリマー」とも称される)は、エチレン及び1つ又
はそれ以上の共重合可能なα−オレフィンコモノマーを重合形態で含み、化学的特性又は
物理的特性の異なる2種又はそれ以上の重合したモノマー単位の複数のブロック又はセグ
メント(ブロックインターポリマー)、好ましくはマルチブロックコポリマーにより特徴
づけられる。
一部の実施形態では、マルチブロックコポリマーは、ポアソン分布よりもシュルツ・フ
ローリー分布にあてはまるPDIを保有する。コポリマーは、多分散性ブロック分布と多
分散性ブロックサイズ分布との両方を有し、かつブロック長の最確分布を保有するとさら
に特徴付けられる。好ましいマルチブロックコポリマーは、末端ブロックを含む、4又は
それ以上のブロック又はセグメントを含むマルチブロックコポリマーである。より好まし
くは、コポリマーには、末端ブロックを含む、少なくとも5、10又は20ブロック又は
セグメントが含まれる。
一態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、昇温溶離分別(「TRE
F」)を用いて分画される場合に0℃〜130℃の間で溶離する分子画分を有し、上記画
分は、同じ温度範囲で溶離する比較用ランダムエチレンインターポリマー画分のコモノマ
ーのモル含有量よりも高い、好ましくは少なくとも5パーセント高い、より好ましくは少
なくとも10パーセント高いコモノマーのモル含有量を有することを特徴とし、この際、
比較用ランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを含み、さらに溶融指数、密
度を有し、さらにブロックインターポリマーのそれの10パーセント以内のコモノマーの
モル含有量(ポリマー全体に基づく)を有する。好ましくは、比較用インターポリマーの
Mw/MnもブロックインターポリマーのMw/Mnの10パーセント以内であり、かつ
/又は、比較用インターポリマーは、ブロックインターポリマーの10重量パーセント以
内の総コモノマー含有量を有する。
コモノマー含有量は、任意の適した技法を用いて測定されてもよく、核磁気共鳴(「N
MR」)分光法に基づく技法が好ましい。さらに、比較的幅の広いTREF曲線を有する
ポリマー又はポリマーのブレンドに関して、ポリマーは最初にTREFを用いて、各々が
10℃又はそれ以下の溶離温度範囲を有する画分に分画されることが望ましい。つまり、
各溶離画分は、10℃又はそれ以下の収集温度窓を有する。この技法によって、上記ブロ
ックインターポリマーは、少なくとも1種の、比較用インターポリマーの対応する画分よ
りも高いコモノマーのモル含有量を有する、このような画分を有する。
別の態様では、本発明のポリマーは、好ましくはエチレン及び1つ又はそれ以上の共重
合可能なコモノマーを重合形態で含み、化学的特性又は物理的特性の異なる2種又はそれ
以上の重合したモノマー単位の複数のブロック(すなわち、少なくとも2ブロック)又は
セグメントにより特徴付けられるオレフィンインターポリマー(ブロック化インターポリ
マー)、最も好ましくはマルチブロックコポリマーであって、0℃〜130℃の間に溶離
する(が、個々の画分を収集及び/又は単離しない)ピーク(だが単なる分子画分ではな
い)を有し、上記ピークを特徴とする上記ブロックインターポリマーは、半値全幅(FW
HM)面積計算を用いて拡大すると、赤外分光法により推定されるコモノマー含有量を有
し、同じ溶離温度の半値全幅(FWHM)面積計算を用いて拡大される比較用ランダムエ
チレンインターポリマーピークのコモノマーの平均モル含有量よりも、好ましくは少なく
とも5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10パーセント高いコモノマーの平均
モル含有量を有し、上記比較用ランダムエチレンインターポリマーは、同じコモノマーを
有し、さらに溶融指数、密度を有し、さらに上記ブロック化インターポリマーのそれの1
0パーセント以内のコモノマーのモル含有量(ポリマー全体に基づく)を有する。好まし
くは、比較用インターポリマーのMw/Mnも、上記ブロック化インターポリマーのMw
/Mnの10パーセント以内であり、かつ/又は、比較用インターポリマーは上記ブロッ
ク化インターポリマーの総コモノマー含有量の10重量パーセント以内の総コモノマー含
有量を有する。半値全幅(FWHM)計算は、ATREF赤外線検出器からのメチルのメ
チレンに対する応答面積の比[CH/CH]に基づき、この際、最も高い(最大)ピ
ークはベースラインから特定され、次に、FWHM面積が決定される。ATREFピーク
を用いて測定される分布に関して、FWHM面積は、TとTとの間の曲線下面積とし
て規定され、T及びTは、ATREFの左側及び右側に、ピーク高さを2で除算し、
次にATREF曲線の左部分及び右部分と交差するベースラインに水平な線を引くことに
より決定される。コモノマー含有量に対する較正曲線は、ランダムエチレン/α−オレフ
ィンコポリマーを用いて、NMRから得たコモノマー含有量をTREFピークのFWHM
面積比に対してプロットして作成される。この赤外線法に関して、較正曲線は、同じ関心
対象のコモノマー種について生成される。本発明のポリマーのTREFピークのコモノマ
ー含有量は、この較正曲線を参照することによりそのTREFピークのFWHMメチル:
メチレン面積比[CH/CH]を用いて決定することができる。
本明細書に記載される上記態様及び特性に加えて、本発明のポリマーは、1つ又はそれ
以上のさらなる特徴により特徴づけることができる。一態様では、本発明のポリマーは、
好ましくはエチレン及び1つ又はそれ以上の共重合可能なコモノマーを重合形態で含み、
化学的特性又は物理的特性の異なる2種又はそれ以上の重合したモノマー単位の複数のブ
ロック又はセグメント(ブロックインターポリマー)、最も好ましくはマルチブロックコ
ポリマーにより特徴づけられる、オレフィンインターポリマーである。上記ブロックイン
ターポリマーは、TREF増分を用いて分画した場合に0℃〜130℃の間で溶離する分
子画分を有し、上記画分は、同じ温度範囲で溶離する比較用ランダムエチレンインターポ
リマー画分のコモノマーのモル含有量よりも高い、好ましくは少なくとも5パーセント高
い、より好ましくは少なくとも10、15、20又は25パーセント高いコモノマーのモ
ル含有量を有することを特徴とする。この際、上記比較用ランダムエチレンインターポリ
マーは、同じコモノマーを含み(好ましくは、それは同じコモノマーである)、さらに溶
融指数、密度を有し、さらにブロック化インターポリマーのそれの10パーセント以内の
コモノマーのモル含有量(ポリマー全体に基づく)を含む。好ましくは、比較用インター
ポリマーのMw/Mnもブロック化インターポリマーのMw/Mnの10パーセント以内
であり、かつ/又は、比較用インターポリマーは、ブロック化インターポリマーの10重
量パーセント以内の総コモノマー含有量を有する。
一部の実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、その上に−25
℃〜100℃、好ましくは30℃〜80℃、より好ましくは35℃〜75℃の範囲のTm
を有する。一部の実施形態では、それらは、15℃〜50℃、30℃〜45℃又は35℃
〜40℃の範囲のTmも有し得る。一部の実施形態では、インターポリマーは、10%以
内の同じ重量パーセントコモノマーを含む比較用ランダムコポリマーのTmよりも低いT
mを有する。その上、一部の実施形態では、融解の終了は100℃未満、好ましくは85
℃〜95℃の範囲で起こる。
本発明の一態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、大半のハードセ
グメントを有し、対応するランダムコポリマーの融解温度よりも高い融解温度を有する。
別の態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、大半のソフトセグメント
を有し、対応するランダムコポリマーの融解温度よりも低い融解温度を有する。
本発明の別の態様では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、55℃超で5
J/g以内の同じ積分した(integrated)DSCエンタルピー(J/g)を有するランダム
ポリマー又はポリマーのブレンドと比較される、油中エチレン/α−オレフィンインター
ポリマーの1.0重量%溶液又はドデカン中1.5重量%溶液の濁度を有し、それは比較
用ポリマー以下で±10%以内である。一部の態様では、本発明のインターポリマーは、
1.5NTU未満の濁度及び55℃超で2J/g未満のDSCエンタルピーを有する。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、エチレン含有量をGPC−IRにより
測定される分子量の対数に対してプロットした線が4以下の傾き絶対値mを有するような
、エチレンと分子量の対数の間の関係を有する。また、本発明のインターポリマーは、同
じエチレン総重量パーセントのポリマーブレンドの傾き絶対値よりも小さく、±20%以
内、好ましくは±10%以内、より好ましくは±5%以内の傾き絶対値mを有する。
本発明の一実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、30℃超で
7.5J/gより大きい積分した(integrated)DSCエンタルピー(J/g)を有し、1
.7よりも大きいMWDを有し、TREF増分を用いて分画した場合に10℃〜130℃
の間で溶離する分子画分を有し、上記画分は、同じ温度範囲で溶離する比較用ランダムエ
チレンインターポリマー画分のコモノマーのモル含有量よりも高い、好ましくは少なくと
も5パーセント高い、より好ましくは少なくとも10、15、20又は25パーセント高
いコモノマーのモル含有量を有することを特徴とする。この際、上記比較用ランダムエチ
レンインターポリマーは、同じコモノマー(好ましくはそれは同じコモノマーである)を
含み、さらに溶融指数、密度を有し、さらに、ブロック化インターポリマーのそれの10
パーセント以内のコモノマーのモル含有量(ポリマー全体に基づく)を含む。さらに、本
発明のポリマーの油中(Exxon FN1365 100LP Base Oil)1
重量%溶液の室温濁度は、10NTU未満、好ましくは5NTU未満、最も好ましくは3
NTU未満である。
赤外線検出器によるATREFピークコモノマー組成測定
TREFピークのコモノマー組成は、Polymer Char,Valencia,
Spainより入手できるIR4赤外線検出器を用いて測定することができる(http://w
ww.polymerchar.com/)。
検出器の「組成モード」は、測定センサー(CH)及び組成センサー(CH)を装
備しており、これは2800〜3000cm−1の領域における狭帯域固定型赤外線フィ
ルタである。測定センサーは、ポリマー上のメチレン(CH)カーボン(これは、溶液
中のポリマー濃度に直接関係する)を検出し、一方、組成センサーは、ポリマーのメチル
(CH)基を検出する。組成シグナル(CH)を測定シグナル(CH)で除算した
数学的比率は、溶液中の測定されるポリマーのコモノマー含有量に敏感であり、その応答
は、公知のエチレンα−オレフィンコポリマー標準品で較正される。
ATREF装置とともに検出器を用いると、TREFプロセス中に溶離したポリマーの
濃度(CH2)及び組成(CH3)シグナル応答の両方が得られる。ポリマー特異的な較正
は、既知のコモノマー含有量(好ましくはNMRによって測定されたもの)を有するポリ
マーについてCH対CHの面積比を測定することによって作成され得る。ポリマーの
ATREFピークのコモノマー含有量は、個々のCH及びCH応答に対する面積の比
の基準較正を適用することにより推定することができる(すなわち、コモノマー含有量に
対する面積比CH/CH)。
ピーク面積は、適切なベースラインを適用してTREFクロマトグラムからの個々のシ
グナル応答を積分した後、半値全幅(FWHM)計算を用いて算出することができる。半
値全幅(FWHM)計算は、ATREF赤外線検出器からのメチルのメチレンに対する応
答面積の比[CH/CH]に基づき、この際、最も高い(最大)ピークはベースライ
ンから特定され、次に、FWHM面積が決定される。ATREFピークを用いて測定され
る分布に関して、FWHM面積は、T1とT2との間の曲線下面積として規定され、T1
及びT2は、ATREFの左側及び右側に、ピーク高さを2で除算し、次にATREF曲
線の左部分及び右部分と交差するベースラインに水平な線を引くことにより決定される。
このATREF−赤外法においてポリマーのコモノマー含有量を測定するための赤外分
光法の適用は、原理上は、以下の参照文献:Markovich, Ronald P.; Hazlitt, Lonnie G.;
Smith, Linley; 「Development of gel-permeation chromatography-Fourier transform
infrared spectroscopy for characterization of ethylene-based polyolefin copolym
ers」. Polymeric Materials Science and Engineering(1991), 65, 98-100;及び Deslau
riers, P. J.; Rohlfing, D. C.; Shieh, E. T.; 「Quantifying short chain branching
microstructures in ethylene-1-olefin copolymers using size exclusion chromatogr
aphy and Fourier transform infrared spectroscopy(SEC-FTIR)」, Polymer(2002), 43,
59-170、に記載されるようなGPC/FTIRシステムの適用と同様であり、両文献と
も、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
その他の実施形態では、本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0よ
り大きく約1.0以下の平均ブロックインデックスABI、及び約1.3より大きい分子
量分布M/Mにより特徴づけられる。平均ブロックインデックスABIは、5℃の増
分で、20℃〜110℃の分取TREFで得られる各々のポリマー画分に対するブロック
インデックス(「BI」)の重量平均である:
ABI=Σ(wBI
式中、BIは、分取TREFで得られる本発明のエチレン/α−オレフィンインターポ
リマーのi番目の画分に対するブロックインデックスであり、wは、i番目の画分の重
量百分率である。
各ポリマー画分に関して、BIは、次の2つの方程式の1つにより規定される(両方程
式には同じBI値を与える):
式中、Tは、i番目の画分に対する分取ATREF溶離温度であり(好ましくはケルビ
ンで表される)、Pは、i番目の画分に対するエチレンモル分率であり、上記のように
NMR又はIRにより測定することができる。PABは、(分画前の)エチレン/α−オ
レフィンインターポリマー全体のエチレンモル分率であり、これもNMR又はIRにより
測定することができる。T及びPは、ATREF溶離温度及び純粋な「ハードセグメ
ント」(インターポリマーの結晶性のセグメントをさす)のエチレンモル分率である。一
次近似として、T値及びP値は、「ハードセグメント」の実際の値が入手できない場
合は、高密度ポリエチレンホモポリマーの値に設定される。本明細書において行われる計
算に関して、Tは、372°Kであり、Pは1である。
ABは、同じ組成であり、PABのエチレンモル分率を有するランダムコポリマーに
対するATREF温度である。TABは、次の方程式から計算することができる:
Ln PAB=α/TAB+β
式中、α及びβは、多数の既知のランダムエチレンコポリマーを用いる較正により決定さ
れ得る2つの定数である。α及びβが、機器によって異なる可能性があることに留意する
べきである。さらに、関心対象のポリマー組成を用いて、かつ上記画分に類似の分子量範
囲で、それら自身の較正曲線を作成する必要がある。分子量による効果は僅かである。較
正曲線が類似の分子量範囲から得られるならば、このような効果は基本的に無視してもよ
い。一部の実施形態では、ランダムエチレンコポリマーは、次の関係を満たす:
LnP=−237.83/TATREF+0.639
XOは、同じ組成でエチレンモル分率Pを有するランダムコポリマーに対するATR
EF温度である。TXOは、LnP=α/TXO+βから計算することができる。逆に
、PXOは、同じ組成でATREF温度Tを有するランダムコポリマーに対するエチレ
ンモル分率であり、LnPXO=α/T+βから計算することができる。
ひとたび各分取TREF画分に対するブロックインデックス(BI)が得られれば、ポ
リマー全体に対する重量平均ブロックインデックス、ABIを計算することができる。一
部の実施形態では、ABIは、0より大きく約0.3未満、又は約0.1〜約0.3であ
る。その他の実施形態では、ABIは、約0.3より大きく約1.0以下である。好まし
くは、ABIは、約0.4〜約0.7、約0.5〜約0.7、又は約0.6〜約0.9の
範囲内であるべきである。一部の実施形態では、ABIは、約0.3〜約0.9、約0.
3〜約0.8、又は約0.3〜約0.7、約0.3〜約0.6、約0.3〜約0.5、又
は約0.3〜約0.4の範囲内である。その他の実施形態では、ABIは、約0.4〜約
1.0、約0.5〜約1.0、又は約0.6〜約1.0、約0.7〜約1.0、約0.8
〜約1.0、又は約0.9〜約1.0の範囲内である。
本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーのもう一つの特徴は、本発明のエ
チレン/α−オレフィンインターポリマーが、分取TREFにより得ることのできる少な
くとも1つのポリマー画分を含むことであり、この際、上記画分は、約0.1より大きく
約1.0以下のブロックインデックス、約1.3より大きい分子量分布M/Mを有す
る。一部の実施形態では、上記ポリマー画分のブロックインデックスは、約0.6より大
きく約1.0以下、約0.7より大きく約1.0以下、約0.8より大きく約1.0以下
、又は約0.9より大きく約1.0以下である。その他の実施形態では、上記ポリマー画
分のブロックインデックスは、約0.1より大きく約1.0以下、約0.2より大きく約
1.0以下、約0.3より大きく約1.0以下、約0.4より大きく約1.0以下、又は
約0.4より大きく約1.0以下である。さらにその他の実施形態では、上記ポリマー画
分のブロックインデックスは、約0.1より大きく約0.5以下、約0.2より大きく約
0.5以下、約0.3より大きく約0.5以下、又は約0.4より大きく約0.5以下で
ある。なおその他の実施形態では、上記ポリマー画分のブロックインデックスは、約0.
2より大きく約0.9以下、約0.3より大きく約0.8以下、約0.4より大きく約0
.7以下、又は約0.5より大きく約0.6以下である。
エチレン及びα−オレフィンのコポリマーに関して、本発明のポリマーは、好ましくは
(1)少なくとも1.3、より好ましくは少なくとも1.5、少なくとも1.7、又は少
なくとも2.0、最も好ましくは少なくとも2.6であり、最大値5.0以下、より好ま
しくは最大3.5以下、特に最大2.7以下のPDI;(2)80J/g又はそれ以下の
融解熱;(3)少なくとも50重量パーセントのエチレン含有量;(4)−25℃未満、
より好ましくは−30℃未満のガラス転移温度T、及び/又は(5)唯一のTを保有
する。
さらに、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01〜2000g/10
分、好ましくは0.01〜1000g/10分、より好ましくは0.01〜500g/1
0分、そして特に0.01〜100g/10分の溶融指数Iを有し得る。特定の実施形
態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、0.01〜10g/10分、0
.5〜50g/10分、1〜30g/10分、1〜6g/10分又は0.3〜10g/1
0分の溶融指数Iを有し得る。特定の実施形態では、エチレン/α−オレフィンポリマ
ーに対する溶融指数は、1g/10分、3g/10分又は5g/10分である。
ポリマーは、1,000g/モル〜5,000,000g/モル、好ましくは1000
g/モル〜1,000,000、より好ましくは10,000g/モル〜500,000
g/モル、そして特に10,000g/モル〜300,000g/モルの分子量Mを有
し得る。本発明のポリマーの密度は、0.80〜0.99g/cm、好ましくは、エチ
レン含有ポリマーに対して0.85g/cm〜0.97g/cmであり得る。特定の
実施形態では、エチレン/α−オレフィンポリマーの密度は、0.860〜0.925g
/cm又は0.867〜0.910g/cmの範囲である。
ポリマーを作成するために有用な方法は、以下の特許出願に開示されている:2004
年3月17日出願の米国特許仮出願第60/553,906号;2005年3月17日出
願の米国特許仮出願第60/662,937号;2005年3月17日出願の米国特許仮
出願第60/662,939号;2005年3月17日出願の米国特許仮出願第60/5
662938号;2005年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/00
8916号、2005年9月29日公開の公開番号WO2005/090425号;20
05年3月17日出願のPCT出願第PCT/US2005/008915号、2005
年9月29日公開の公開番号WO2005/090426号;及び2005年3月17日
出願のPCT出願第PCT/US2005/008917号、2005年9月29日公開
の公開番号WO2005/090427号、それらは全て、参照によりその全体が本明細
書に組み込まれる。例えば、1つのこのような方法は、エチレン及び場合によっては、1
つ又はそれ以上のエチレン以外の付加重合性モノマーを付加重合条件下で触媒組成物と接
触させることを含み、上記触媒組成物は、
(A)高いコモノマー組み込み指数(incorporation index)を有する第1のオレフィン
重合触媒、
(B)触媒(A)のコモノマー組み込み指数(incorporation index)の90パーセント
未満、好ましくは50パーセント未満、最も好ましくは5パーセント未満のコモノマー組
み込みインデックスを有する第2のオレフィン重合触媒、及び
(C)可逆的連鎖移動剤(chain shuttling agent)
を組み合わせることにより生じる混合物又は反応生成物を含む。
代表的な触媒及び可逆的連鎖移動剤は、以下の通りである。
化学構造の後に各々の説明が続く。
触媒(A1)は、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−
イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル(6−ピリジン−2−ジイル)メ
タン)]ハフニウムジメチルであり、WO03/40195号、2003US02040
17号、2003年5月2日出願の米国特許出願第10/429,024号、及びWO0
4/24740の教示に従って調製される。それらは全て参照により本明細書に組み込ま
れる。
触媒(A2)は、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−
メチルフェニル)(1,2−フェニレン−(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフ
ニウムジメチルであり、WO03/40195号、2003US0204017号、20
03年5月2日出願の米国特許出願第10/429,024号、及びWO04/2474
0の教示に従って調製される。それらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
触媒(A3)は、ビス[N,N’’’−(2,4,6トリ(メチルフェニル)アミド)
エチレンジアミン]ハフニウムジベンジルである。
触媒(A4)は、ビス((2−オキソイル−3−(ジベンゾ−1H−ピロール−1−イ
ル)−5−(メチル)フェニル)−2−フェノキシメチル)シクロヘキサン−1,2−ジ
イルジルコニウム(IV)ジベンジルであり、参照により本明細書に組み込まれるUS−
A−2004/0010103号の教示に実質的に従って調製される。
触媒(A5)は、[η−2,6−ジイソプロピル−N−(2−メチル−3−(オクチ
ルイミノ)ブタン−2−イル)ベンゼンアミド]トリメチルハフニウムであり、参照によ
り本明細書に組み込まれるWO2003/051935号の教示に実質的に従って調製さ
れる。
触媒(B1)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−
(1−メチルエチル)イミノ(immino))メチル)(2−オキソイル)ジルコニウムジベン
ジルである。
触媒(B2)は、1,2−ビス−(3,5−ジ−t−ブチルフェニレン)(1−(N−
(2−メチルシクロヘキシル)−イミノ(immino))メチル)(2−オキソイル)ジルコニ
ウムジベンジルである。
触媒(C1)は、(t−ブチルアミド)ジメチル(3−N−ピロリル−1,2,3,3
a,7a−η−インデン−1−イル)シランチタニウムジメチルであり、参照により本明
細書に組み込まれる米国特許第6,268,444号の技法に実質的に従って調製される

触媒(C2)は、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,
2,3,3a,7a−η−インデン1−イル)シランチタニウムジメチルであり、参照に
より本明細書に組み込まれるUS−A−2003/004286号の教示に実質的に従っ
て調製される。
触媒(C3)は、(t−ブチルアミド)ジ(4−メチルフェニル)(2−メチル−1,
2,3,3a,8a−η−s−インダセン−1−イル)シランチタニウムジメチルであり
、参照により本明細書に組み込まれるUS−A−2003/004286号の教示に実質
的に従って調製される。
触媒(D1)は、ビス(ジメチルジシロキサン)(インデン−1−イル)ジルコニウム
ジクロライドであり、Sigma−Aldrichより入手できる。
可逆的移動剤
用いられる可逆的移動剤としては、ジエチル亜鉛、ジ(i−ブチル)亜鉛、ジ(n−ヘ
キシル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルガリウ
ム、i−ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)、i−ブチルア
ルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)、n−オクチルアルミニウムジ(ピリ
ジン−2−メトキシド)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチルアルミニウム、i−ブチ
ルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2
,6−ジ−t−ブチルフェノキシド、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチ
ル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)、エチルアル
ミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、エチルアルミニウムビス(2,3、6
,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウムビス(2
,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)、n−オクチルアルミニウム
ビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシ
ド)、及びエチル亜鉛(t−ブトキシド)が挙げられる。
好ましくは、前述のプロセスは、相互変換のできない複数の触媒を用いる、ブロックコ
ポリマー、特にマルチブロックコポリマー、好ましくは2又はそれ以上のモノマーの線状
マルチブロックコポリマー、より特にエチレン及びC3−20オレフィンもしくはシクロ
オレフィン、最も特にエチレン及びC4−20α−オレフィンを形成するための連続溶液
プロセスの形をとる。つまり、これらの触媒は化学的に相異なる。連続溶液重合条件下で
は、上記プロセスは、高いモノマー転化率でのモノマー混合物の重合に理想的に適してい
る。これらの重合条件下、可逆的連鎖移動剤から触媒への可逆的移動(shuttling)は鎖の
成長と比較して有利となり、マルチブロックコポリマー、特に線状マルチブロックコポリ
マーが高い効率で形成される。水素などの連鎖反応停止剤(Chain terminating agents)を
、反応器の粘度又はポリマー分子量を制御するために所望であれば用いてもよい。
本発明のインターポリマーは、異なるコモノマー含有量の(ホモポリマーブロックを含
む)交互ブロックを含んでもよい。本発明のインターポリマーはまた、異なる密度又はコ
モノマー含有量のポリマーブロックの数及び/又はブロックサイズの分布(これはシュル
ツ・フローリー型の分布である)を含んでもよい。
さらに、本発明のマルチブロックインターポリマーは、ブロッキネスの程度又はレベル
に影響を及ぼす技法を用いて調製されてもよい。つまり、コモノマーの量及び各々のポリ
マーブロック又はセグメントの長さは、触媒及び可逆的移動剤の割合及び種類、ならびに
重合の温度及びその他の重合変数を制御することにより変更することができる。この現象
の予期せぬ利益は、ブロッキネスの程度が増大するほど、溶媒及び油中のポリマーの光学
特性、溶解度、及び、似ていないポリマー間の相溶性が改善されるという発見である。特
に、ポリマー中の平均ブロック数が増加するにつれて、曇りは低下するが、透明度は増大
する。所望の連鎖移送能力(低レベルの連鎖停止を伴う高速の可逆的移動)を有する可逆
的移動剤と触媒の組合せを選択することにより、その他の形態のポリマー停止が効果的に
抑制される。したがって、β−水素化物脱離は、本発明の実施形態に従うエチレン/α−
オレフィンコモノマー混合物の重合において、存在したとしてもわずかであって、結果と
して得られる結晶性のブロックは高度に又は実質的に完全に線状であり、長鎖分枝をほと
んど又は全く保有しない。
高結晶性の鎖末端を有するポリマーは、本発明の実施形態に従って選択的に調製するこ
とができる。エラストマー用途では、非結晶性ブロックで終わるポリマーの相対量を減少
させると、結晶領域への分子間希薄化効果が低下する。この結果は、可逆的連鎖移動剤と
、水素又はその他の連鎖反応停止剤に対して適切に応答する触媒を選択することに得るこ
とができる。具体的には、高結晶性ポリマーを生成する触媒が、(例えばより高いコモノ
マー組み込み、位置エラー、又はアタクチックポリマー形成により)結晶性の低いポリマ
ーセグメントを生成する原因となる触媒よりも、連鎖停止(水素の使用によるなど)の影
響を受けやすい場合、上記高結晶性ポリマーセグメントが上記ポリマーの末端部分を優先
的に占める。得られる終端となる基が結晶性であるだけでなく、停止と同時に、高結晶性
ポリマーを形成する触媒部位は、ポリマー形成の再開に再度利用できる。そのため、最初
に形成されたポリマーは、別の高結晶性ポリマーセグメントである。したがって、得られ
るマルチブロックコポリマーの両方の末端は優先的に高結晶性である。
本発明の実施形態で用いられるエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、好まし
くはエチレンと少なくとも1つのC−C20α−オレフィンのインターポリマーである
。エチレンとC−C20α−オレフィンのコポリマーが特に好ましい。上記インターポ
リマーは、C−C18ジオレフィン及び/又はアルケニルベンゼンをさらに含んでもよ
い。エチレンとの重合に有用な、適した不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン性
不飽和モノマー、共役もしくは非共役ジエン、ポリエン、アルケニルベンゼンなどが挙げ
られる。このようなコモノマーの例としては、C−C20α−オレフィン類、例えばプ
ロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。プ
ロピレン及び非共役ジエンが好ましい。その他の適したモノマーとしては、スチレン、ハ
ロゲンもしくはアルキル−置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジ
エン、1,7−オクタジエン、及びナフテン類(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン及びシクロオクテン)が挙げられる。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーが好ましいポリマーではあるが、その他の
エチレン/オレフィンポリマーも用いてもよい。オレフィンとは、本明細書において、少
なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和炭化水素系化合物のファミリーをさす
。触媒の選択によって、どのオレフィンも本発明の実施形態で使用することができる。好
ましくは、適したオレフィンは、ビニル不飽和を含有するC−C20脂肪族及び芳香族
化合物、ならびに環状化合物、例えばシクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジ
エン、及びノルボルネンなどが挙げられ、それには、限定されるものではないが、5位及
び6位をC−C20ヒドロカルビルもしくはシクロヒドロカルビル基で置換されたノル
ボルネンが含まれる。また、このようなオレフィンの混合物ならびにこのようなオレフィ
ンとC−C40ジオレフィン化合物の混合物も挙げられる。
オレフィンモノマーの例としては、限定されるものではないが、プロピレン、イソブチ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノ
ネン、1−デセン、及び1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オク
タデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−
メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン、4−ビニルシクロヘキセン、
ビニルシクロヘキサン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、シクロオクテン、C−C40ジエンが挙げら
れ、それには、限定されるものではないが、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン
、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカ
ジエン、その他のC−C40α−オレフィン類などが含まれる。特定の実施形態では、
α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン,1−ヘキセン、1−オクテ
ン又はそれらの組合せである。ビニル基を含有するいずれの炭化水素も、場合によっては
本発明の実施形態で使用されてもよいが、モノマーの分子量が大きくなりすぎると、モノ
マーの利用可能性、コスト、及び、得られるポリマーから未反応モノマーを便宜に除去す
る能力などの実際的な問題が、より解決し難い問題となる可能性がある。
本明細書に記載される重合プロセスは、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、t−ブチルスチレンなどのモノビニリデン芳香族モノマーを含むオレフィンポリ
マーの製造によく適している。特に、エチレン及びスチレンを含むインターポリマーは、
本明細書の教示に従って調製することができる。場合によっては、エチレン、スチレン及
びC−C20αオレフィンを含む、場合によっては、C−C20ジエンを含む、改良
された特性を有するコポリマーを調製することができる。
適した非共役ジエンモノマーは、6〜15個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしく
は環状炭化水素ジエンであり得る。適した非共役ジエンの例としては、限定されるもので
はないが、直鎖非環式ジエン、例えば1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1
,7−オクタジエン、1,9−デカジエンなど、分枝鎖非環式ジエン、例えば5−メチル
−1,4−ヘキサジエン;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン;3,7−ジメチル
−1,7−オクタジエン及びジヒドロミリセンとジヒドロオシネンの混合異性体など、単
環脂環式ジエン、例えば1,3−シクロペンタジエン;1,4−シクロヘキサジエン;1
,5−シクロオクタジエン及び1,5−シクロドデカジエンなど、ならびに多環脂環式縮
合及び架橋環状ジエン、例えばテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジ
シクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエンなど;アルケ
ニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネン、例えば5
−メチレン−2−ノルボルネン(MNB);5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イ
ソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン
、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、及びノ
ルボルナジエンなどが挙げられる。一般にEPDMを調製するために使用されるジエンの
中で、特に好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−
2−ノルボルネン(MNB)、及びジシクロペンタジエン(DCPD)である。特に好ま
しいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)及び1,4−ヘキサジエン
(HD)である。
本発明の実施形態に従って作成することのできる望ましいポリマーの1つのクラスは、
エチレン、C−C20α−オレフィン、特にプロピレン、及び場合によっては、1つ又
はそれ以上のジエンモノマーからなる弾性インターポリマーである。本発明のこの実施形
態で用いる好ましいα−オレフィンは、式CH=CHRで表され、式中のRは1〜
12個の炭素原子からなる直鎖状もしくは分枝状アルキル基である。適したα−オレフィ
ンの例としては、限定されるものではないが、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンが挙げられ
る。特に好ましいα−オレフィンはプロピレンである。プロピレン系ポリマーは、一般に
当分野でEP又はEPDMポリマーと呼ばれる。このようなポリマー、特にマルチブロッ
クEPDM型ポリマーを調製する際に用いるために適したジエンとしては、4〜20個の
炭素を含む、共役もしくは非共役、直鎖又は分枝鎖、環状もしくは多環式ジエンが挙げら
れる。好ましいジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、及び5−ブ
チリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2
−ノルボルネンである。
ジエン含有ポリマーは、より大量もしくは少量のジエン(なしも含む)及びα−オレフ
ィン(なしも含む)を含む交互セグメントもしくはブロックを含むので、ジエン及びα−
オレフィンの合計量を、その結果生じるポリマー特性を失うことなく減少させることがで
きる。つまり、ジエン及びα−オレフィンモノマーは、ポリマー全体にわたって均一に又
はランダムに組み込まれるよりも、1つの型のポリマーのブロックに選択的に組み込まれ
るので、それらはより効率的に利用され、それ以降、ポリマーの架橋密度をさらに良好に
制御することができる。このような架橋可能なエラストマー及び硬化した生成物は、高い
引張強さ及びより良好な弾性回復を含む、有利な特性を有する。
一部の実施形態では、異なる量のコモノマーを組み込んでいる2種類の触媒を用いて作
成される本発明のインターポリマーの、それにより形成されるブロックの重量比は、95
:5〜5:95である。弾性ポリマーは、望ましくは、ポリマーの総重量に基づいて、2
0〜90パーセントのエチレン含有量、0.1〜10パーセントのジエン含有量、及び1
0〜80パーセントα−オレフィン含有量を有する。さらに好ましくは、マルチブロック
弾性ポリマーは、ポリマーの総重量に基づいて、60〜90パーセントのエチレン含有量
、0.1〜10パーセントのジエン含有量、及び10〜40パーセントのα−オレフィン
含有量を有する。好ましいポリマーは高分子量ポリマーであり、10,000〜約2,5
00,000、好ましくは20,000〜500,000、より好ましくは20,000
〜350,000の重量平均分子量(Mw)、及び3.5未満、より好ましくは3.0未
満の多分散性、及び1〜250のムーニー粘度(ML(1+4)125℃)を有する。よ
り好ましくは、このようなポリマーは、65〜75パーセントのエチレン含有量、0〜6
パーセントのジエン含有量、及び20〜35パーセントのα−オレフィン含有量を有する
エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、少なくとも1つの官能基をそのポリマ
ー構造に組み込むことにより官能化させることができる。例示的な官能基には、例えば、
エチレン性不飽和単官能性及び二官能性カルボン酸、エチレン性不飽和単官能性及び二官
能性カルボン酸無水物、その塩及びそのエステルが挙げられ得る。このような官能基は、
エチレン/α−オレフィンインターポリマーにグラフトさせてもよいし、エチレン及び任
意のさらなるコモノマーと共重合させてエチレンのインターポリマー、官能性コモノマー
及び場合によっては、その他のコモノマーを形成してもよい。官能基をポリエチレンにグ
ラフトする手段は、例えば、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888
号、及び同第4,950,541号に記載され、これらの特許の開示は参照によりその全
体が本明細書に組み込まれる。特に有用な1つの官能基は、リンゴ酸無水物である。
官能性インターポリマー中に存在する官能基の量は様々であり得る。官能基は、一般に
、コポリマー型官能化インターポリマー中に少なくとも約1.0重量パーセント、好まし
くは少なくとも約5重量パーセント、より好ましくは少なくとも約7重量パーセントの量
で存在し得る。官能基は、一般に、コポリマー型官能化インターポリマー中に約40重量
パーセント未満、好ましくは約30重量パーセント未満、より好ましくは約25重量パー
セント未満の量で存在する。
本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、多数の用途で用いてもよく、
その限定されない例を以下に記載する。上記インターポリマーは、ポリプロピレンのため
の耐衝撃性改良剤;ランダムエチレン/αオレフィンコポリマー又はターモノマー及びポ
リプロピレンのための相溶化剤として用いてもよく;かつ、インターポリマーは、エチレ
ン/αオレフィンコポリマー又はエチレン/αオレフィン/非共役ジエンターモノマーの
いずれかを含む過酸化物架橋エラストマーとして用いてもよい。その上、融点が低いこと
により、標準的な熱硬化性用途での製造が可能となる。このような用途としては、限定さ
れるものではないが:コンベヤベルト;Vベルト;架橋発泡体が挙げられ、それには、限
定されるものではないが、履物の間底発泡体、発泡マット、ウエットスーツ、押出スポン
ジ形材(extruded sponge profiles)、二重硬度のスポンジ/固形物共押出形材(dual hard
ness sponge/solid coextruded profiles)、単層の屋根(single ply roofing)、及びワイ
パーが含まれる。
エチレン/αオレフィン/非共役ジエンターモノマー組成物に関して、エラストマー組
成物を硫黄又はフェノール硬化形が製造され得る。過酸化物架橋エラストマーについて記
載されるものと同様の用途を用いてもよい。
本発明の組成物はまた、熱可塑性又は熱硬化性用途において、油展した(oil extended)
ゲル化合物中に用いられ得る。その上、本発明のエチレン/α−オレフィンインターポリ
マーは、騒音、振動及びハーシュネス(NVH)制御関連用途に用いられ得る。
エチレン/α−オレフィンインターポリマーはまた、添加剤及びアジュバントを含んで
もよい。適した添加剤としては、限定されるものではないが、充填剤、例えば有機もしく
は無機粒子など(クレー、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、粉末金属、有機もしくは
無機繊維、ナノサイズの粒子、クレーなどを含む);粘着付与剤、エキステンダー油(パ
ラフィン系オイル又はナフテン系オイル(napthelenic oil)を含む);及びその他の天然
及び合成ポリマー(本発明の実施形態に従うその他のポリマーを含む)が挙げられる。そ
の上に、少量の異なるポリマーを添加剤のいずれかの担体として用いてもよい。そのよう
なポリマーの例は、ポリエチレン、例えばAFFINITY(登録商標)樹脂(The
Dow Chemical Company)又はEXACT(登録商標)樹脂(Exx
on Mobil Chemical Company)であろう。
以下の実施例は、本発明の実施形態を例証するために提示されるが、示される具体的な
実施形態に本発明を限定することを意図するものではない。他にそうでないことが示され
ていない限り、全ての部及び百分率は重量による。全ての数値は近似値である。数値範囲
が示される場合、提示された範囲外の実施形態もなお本発明の範囲内であり得ることは当
然理解されるはずである。各実施例に記載される具体的な詳細は、本発明に必要な特徴で
あると解釈されるべきではない。
実施例
試験方法
以下の実施例において、次の分析技法が用いられる:
GPC−IR法
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
ゲル浸透クロマトグラフィーシステムは、Polymer Laboratories
Model PL−210又はPolymer Laboratories Mode
l PL−220機器のいずれかである。カラム及びカルーセル区画は150℃で操作さ
れる。4本のPolymer Laboratories 20ミクロンMixed−A
カラムを使用する。溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンである。200ppmのブチ
ル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する溶媒50ミリリットル中のポリマー0.1
グラムの濃度でサンプルを調製する。160℃にて2時間軽くかき回すことによりサンプ
ルを調製する。用いた注入量は、200マイクロリットルであり、流速は1.0ml/分
である。
GPCカラムセットの較正は、580〜8,400,000の範囲の分子量の、21種
類の狭い分子量分布のポリスチレン標準品を、個々の分子量間に少なくとも10の分離を
有する6種類の「カクテル」混合物に配置されたものを用いて行った。標準品はPoly
mer Laboratories(Shropshire,UK)より購入した。ポリ
スチレン標準品を、1,000,000に等しいか又はそれ以上の分子量に対して50ミ
リリットルの溶媒中0.025グラムで調製し、さらに1,000,000未満の分子量
に対して50ミリリットルの溶媒中0.05グラムで調製した。ポリスチレン標準品を8
0℃にて30分間ゆっくりかき混ぜて溶解させた。狭い標準品混合物を最初に流し、最大
分子量成分を減らしてゆく順序で流して分解を最小限にした。ポリスチレン標準品ピーク
分子量を、次の方程式を用いてポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward, J.
Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)に記載される通り:Mポリエチレン=0.4
31(Mポリスチレン))。
ポリエチレン等量分子量の計算は、Viscotek TriSECソフトウェアのバ
ージョン3.0を用いて行った。
赤外線検出器による分子量−コモノマー組成測定
GPC曲線全体にわたるコモノマー組成は、Polymer Char,Valenc
ia,Spain(http://www.polymerchar.com/)より入手できるIR4赤外検出器を
用いて測定することができる。
検出器の「組成モード」は、測定センサー(CH)及び組成センサー(CH)を装
備しており、これは2800〜3000cm−1の領域における狭帯域固定型赤外線フィ
ルタである。測定センサーは、ポリマー上のメチレン(CH)カーボン(これは、溶液
中のポリマー濃度に直接関係する)を検出し、一方、組成センサーは、ポリマーのメチル
(CH)基を検出する。組成シグナル(CH)を測定シグナル(CH)で除算した
数学的比率は、溶液中の測定されるポリマーのコモノマー含有量に敏感であり、その応答
は、公知のエチレンα−オレフィンコポリマー標準品で較正される。
GPC装置とともに検出器を用いると、GPCプロセス中に溶離したポリマーの濃度(
CH2)及び組成(CH3)シグナル応答の両方が得られる。ポリマー特異的な較正は、既
知のコモノマー含有量(好ましくはNMRによって測定されたもの)を有するポリマーに
ついてCH対CHの面積比を測定することによって作成され得る。ポリマーのコモノ
マー含有量は、個々のCH及びCH応答に対する面積の比の基準較正を適用すること
により推定することができる(すなわち、コモノマー含有量に対する面積比CH/CH
)。
各々の溶離体積(elution volume)でCH/CH応答の比を取ることにより、ポリマ
ーの組成に対する応答が測定される。適切な基準較正を適用した後、組成応答を用いて各
溶離体積でのコモノマー量を推定することができる。全GPCプロフィールを組み込むこ
とにより、ポリマーの平均コモノマー含有量が得られ、一方、コモノマー対分子量からの
線の傾斜によりコモノマー分布の均一性の兆候が得られる。組成決定のためにGPCクロ
マトグラフを積分すると、組み込み領域はクロマトグラムのどちらの端でもポリマーの5
重量パーセントより多くなっているはずである。
このシステムでポリマーのコモノマー含有量を測定するための赤外分光法の適用は、原
理上は以下の参照文献に記載されるGPC/FTIRシステムに類似する。
Markovich, Ronald P.; Hazlitt, Lonnie G.; Smith, Linley; 「Development of gel-
permeation chromatography-Fourier transform infrared spectroscopy for characteri
zation of ethylene-based polyolefin copolymers」, Polymeric Materials Science an
d Engineering (1991), 65, 98-100。
Deslauriers, PJ. ; Rohlfing, D. C.; Shieh, E.T.; 「Quantifying short chain bra
nching microstructures in ethylene-1-olefin copolymers using size exclusion chro
matography and Fourier transform infrared spectroscopy (SEC-FTIR)」, Polymer (20
02), 43, 59-170。
DSC標準法
示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry)の結果は、RCS冷却アクセ
サリ及びオートサンプラーを備えたTAIモデルQ1000DSCを用いて決定される。
50ml/分の窒素パージガス流を用いる。サンプルをプレス成形して薄膜とし、プレス
内で約175℃にて融解させた後、室温(25℃)まで空冷する。次に、3〜10mgの
物質を切断して直径6mmのディスクとし、正確に秤量して軽量アルミニウムパン(約5
0mg)に入れ、次にそれを圧着して閉める。サンプルの熱挙動を以下の温度プロフィー
ルで調査する。あらゆる以前の熱履歴を除去するために、サンプルを180℃に急速加熱
し、等温で3分間保持する。次に、サンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃に冷却し
、−90℃で3分間保持する。その後、サンプルを10℃/分の加熱速度で180℃に加
熱する。冷却曲線及び第2加熱曲線を記録する。
DSC融解ピークは、−30℃と融解の終わりとの間に引かれた直線のベースラインに
関して、熱流速(W/g)の最大値として測定される。融解熱は、直線のベースラインを
用いて、−30℃と融解の終わりとの間の融解曲線下面積として測定される。
密度
密度測定用のサンプルは、ASTM D 1928に従って調製する。測定は、AST
M D792、方法Bを用いる、1時間以内のサンプルのプレス成形で行う。
溶融指数
溶融指数、すなわちIは、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kgに
従って測定する。溶融指数、すなわちI10も、ASTM D 1238、条件190℃
/10kgに従って測定する。
ムーニー粘度
ムーニー粘度は、125℃のASTM D 1646−06、ML1+4(MU))に
従って測定する。
ATREF
分析的昇温溶離分別(ATREF)分析は、参照によりその全体が本明細書に組み込ま
れる、米国特許第4,798,081号及びワイルド・L.;ライル・T.R.;ノベロ
ッチ・D.C.;ピート・I.R.;Determination of Branching Distributions in Po
lyethylene and Ethylene Copolymers, J. Polym. Sci, 20, 441-455 (1982)に記載され
る方法に従って行う。分析する組成物をオルト−ジクロロベンゼンに溶解し、0.1℃/
分の冷却速度で−10℃までゆっくり温度を下げることにより不活性支持体(ステンレス
鋼ショット)を含有するカラム内で結晶化させる。カラムは赤外線検出器を装備する。次
に、1.5℃/分の速度で、溶媒(オルト−ジクロロベンゼン)の溶離温度を−10℃か
ら130℃まで徐々に上昇させることによって結晶化したポリマーサンプルをカラムから
溶離させることにより、ATREFクロマトグラム曲線を生成する。
13C NMR分析
10mmのNMRチューブ中で、約3gの、テトラクロロエタン−d/オルトジクロ
ロベンゼンの50/50混合物を0.4gのサンプルに加えることにより、サンプルを調
製する。チューブ及びその内容物を150℃に加熱することにより、サンプルを溶解し、
均質化する。100.5MHzの13C共鳴周波数に相当するJEOL Eclipse
(商標)400MHzスペクトロメーター又はVarian Unity Plus(商
標)400MHzスペクトロメーターを用いて、データを収集する。6秒のパルス繰り返
し遅延で、1データファイルあたり4000の減衰シグナルを用いてデータを取得する。
定量分析のための最小のシグナル対ノイズ比を達成するため、複数のデータファイルを一
緒に加える。スペクトル幅は25,000Hz、最小ファイルサイズは32Kデータポイ
ントである。このサンプルを、10mm広帯域プローブ中、130℃で分析する。参照に
よりその全体が本明細書に組み込まれる、Randallのトライアッド法(Randall, J
.C.; JMS-Rev. Macromol. Chem. Phys., C29, 201-317 (1989))を用いて、コモノマーの
組み込みを決定する。
TREFによるポリマー分画
大規模TREF分画は、15〜20gのポリマーを2リットルのオルト−ジクロロベン
ゼンに160℃にて4時間攪拌することにより溶解させることにより行う。ポリマー溶液
を、15psig(100kPa)窒素により、30〜40メッシュ(600〜425μ
m)の工業品質の球形ガラスビーズ(Potters Industries,HC 3
0 Box 20,Brownwood,TX,76801より入手可能)と、ステンレ
ス鋼の0.028”(0.7mm)径切断ワイヤショット(Pellets,Inc.6
3 Industrial Drive,North Tonawanda,NY,14
120から入手可能)の60:40(v:v)混合物を充填した3インチ×4フィート(
7.6cm×12cm)鋼カラムに強制的に注入する。カラムを、最初に160℃に設定
された熱制御オイルジャケット中に浸漬する。カラムは最初に弾道的に125℃まで冷却
し、次いで0.04℃/分で−10℃まで徐冷して1時間保持する。温度を0.167℃
/分で増加させながら、約65ml/分で新鮮なオルト−ジクロロベンゼンを導入する。
分取TREFカラムからの約2000ml部分の溶離液は、16のステーションの加熱
されたフラクションコレクターにおいて収集される。ポリマーを、各画分において、ロー
タリーエバポレーターを用いて、約50〜100mlのポリマー溶液が残るまで濃縮する
。この濃縮溶液を一晩放置してから、過剰のメタノールを添加し、濾過し、すすぐ(最終
すすぎを含めて約300〜500mlのメタノール)。濾過工程は、3位置の真空を利用
した(3 position vacuum assisted)濾過ステーションで5.0μmポリテトラフルオロエ
チレンコーティング濾紙(Osmonics Inc.から入手可能、カタログ番号Z5
0WP04750)を用いて行う。濾液された画分を、60℃の真空炉で一晩乾燥させ、
さらなる試験の前に化学天秤で秤量する。
濁度
油剤又は溶媒溶液の濁度は、HACH RATIO濁度計モデル18900を用いて0
〜20NTU解像度スケール(±0.1NTU)を用いて測定した。
本発明の実施例における組成を標的とする(targeting)ための方法
本発明のコポリマーのブロック構造は、反応器条件で各々のセグメントに所望のコモノ
マー含有量を生成する適切な触媒の選択により制御され得る。各セグメント種に取り込ま
れるコモノマーの量は、単一触媒を用いる重合試験を独立に行うことにより予測され得る
。従って、エチレン/プロピレンコポリマーの例を用いると、反応器中のプロピレンのエ
チレンに対する濃度の比([C]/[C])が、各触媒に取り込まれる(エチレンに
相対的な)プロピレンの量を決定する。可逆的連鎖移動剤を導入すると、各触媒種により
生成されるポリマーセグメントの統計的結合により「ブロック状の」構造が生成される。
次に、ポリマーに取り込まれた全コモノマーを、触媒A対触媒Aの比により制御する
。この製造概念及び方法論は、Arriolaら、「Catalytic Production of Olefin B
lock Coplymers via Chain Shuttling Polymerization」, Science, 312(2006)において
説明されている。
上記の方法論から、触媒Aによりポリマーに取り込まれたエチレン又はプロピレンの
重量%、触媒Aによりポリマーに取り込まれたエチレン又はプロピレンの重量%、及び
各々の触媒により生成されたポリマーの量を、反応器条件及びポリマーの総合コモノマー
含有量から推定することができる。
ポリマーに取り込まれた全/総合モノマー又はコモノマーは、次のように推定すること
ができる。
取り込まれた総合コモノマー=Moverall=X+X
式中、Moverallは、ポリマー全体に取り込まれたCの総合重量%であり、
は、触媒Aによりセグメントに取り込まれたCの重量%であり、
は、触媒Aによりセグメントに取り込まれたCの重量%であり、
は、触媒Aにより生成されたセグメントの重量分率であり、
は、触媒Aにより生成されたセグメントの重量分率である。
注:X+X=1
FTIR又はNMRで測定したポリマーに組み込まれた全モノマー又はコモノマーを用い
、製造時の反応器中の各セグメント種のコモノマー濃度を知ることにより、各触媒により
生成されたポリマーの重量分率を決定することができる:
触媒Aにより生成されたセグメントの重量分率
触媒Aにより生成されたセグメントの重量分率
=1−X
セグメントの組成を確認するためのその他の統計学的方法としては、必ずしもそれに限定
されないが、DSC、NMR、及びポリマー分別(温度分別、溶媒分別、分子量分別)に
より得たポリマー画分のその後の分析が挙げられる。その上、アルブレヒトら「Separati
on and Charactierization of Ethylene-Propylene Copolymers by High-Temperature Gr
adient HPLC Coupled to FTIR Spectroscopy」, Macromol. Symp., 257, 46-55(2007) に
記載される高温液体クロマトグラフィーなどの技法を使用することもあり得る。これらの
方法のいずれかに関して、例示的なブロックコポリマーの組成は、同様の触媒系により、
かつ同じ分子量及び全体的な組成の範囲内で生成されるランダムコポリマーに基づく適切
な較正によって推定され得る。
触媒
用語「一晩」とは、使用される場合、約16〜18時間の時間をさし、用語「室温」と
は、20〜25℃の温度をさし、用語「混合アルカン」とは、商業的に得られるC6−9
脂肪族炭化水素の混合物であり、Exxon Mobil Chemical Comp
anyよりIsopar E(登録商標)の商標名で入手可能である。本明細書中の化合
物の名称がその構造表現に一致しない場合、その構造表現が支配するものとする。全ての
金属錯体の合成及び全てのスクリーニング実験の準備は、ドライボックス技術を用いて、
乾燥窒素雰囲気中で行った。使用する全ての溶媒はHPLC等級であり、使用前に乾燥さ
せた。
MMAOとは、Akzo−Nobel Corporationより市販されている修
飾メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサンをさす。触
媒(A5)の調製は、次の通り行う。ビス−イミン,3−(2,6−ジイソプロピルフェ
ニルイミノ)ブタン−2−イリデン−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンを、WO2
003/051935号に公開されている手順に従って合成する。
a)N−(3−(2,6−ジイソプロピルフェニルアミノ)−3−メチルブタン−2−
イリデン)−2,6−ジイソプロピルベンゼンアミンの合成
窒素を充填したグローブボックス中で、上に参照されるビス−イミン(6.48g、1
6.0mmol)をトルエン(50mL)に溶解し、トリメチルアルミニウム(9.61
mL、19.2mmol)を滴下した。室温にて1時間攪拌した後、反応混合物をグロー
ブボックスから取り出し、水(10mL)を窒素パージ下で非常にゆっくり添加する。混
合物は激しく泡立ち、色は、沈殿が現れるにつれて徐々に黄色から無色に変わる。この混
合物を濾過して不溶性のアルミニウム塩を除去する。濾液からの有機層を分離し、水層を
エーテル(100mL)で洗浄する。合した有機画分をMgSOで乾燥させて濾過し、
次に揮発性物質を真空で除去して6.55g(73.6%)の無色固体を得る。
b)3−(2,6−ジイソプロピルフェニルアミノ)−3−メチルブタン−2−オンの
合成
前の反応の生成物(17.45g、41.5mmol)をエタノール(200mL)に
溶解する。水(65mL)を添加すると、白色固体が沈殿する。60分間にわたり、硫酸
(1.0M、150mL、150mmol)を、反応混合物を攪拌しながら滴下漏斗を介
して添加する。反応の間、固体は溶解して淡黄色の溶液を生じる、それを還流温度で1時
間加熱し、次いで室温まで放冷する。水酸化カリウムペレット(約(〜)20g)を、p
Hをモニターしながらゆっくり添加する。エンドポイント(pH約(〜)11)の直後、
生成物をエーテルで抽出し(2×150mL)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥さ
せ、濾過する。溶媒が蒸発により除去される時に、白色の沈殿が生じる。これを回収し、
冷ペンタンで洗浄する。収量=1.75g。残っている溶液をペンタン(100mL)に
溶解し、ブラインで洗浄して残留水を除去し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ
て約30mLとする。冷却によりさらに白色固体が沈殿する。収量=1.41g。全収量
=3.16g(29.1%)。
c)2,6−ジイソプロピル−N−(2−メチル−3−(オクチルイミノ)ブタン−2
−イル)ベンゼンアミンの合成
前の反応の生成物(1.500g、5.74mmol)を、25mL丸底フラスコ中の
トルエン(15mL)に溶解し、オクチルアミン(1.00mL、6.03mmol)を
添加する。ごく少量(約1mg)のp−トルエンスルホン酸を添加し、混合物を付属のD
ean−Starkコンデンサーで還流温度にて加熱する。一晩加熱した後、さらなるn
−オクチルアミン(2.00mL、12.1mmol)を添加し、反応混合物をさらに加
熱して完全な転換をもたらす。水(5mL)を添加する。有機層を分離し、MgSO
乾燥させ、濾過し、次に揮発性物質を蒸発させる。1.62g(75.8%)の無色の粘
稠な液体を回収する。
窒素を充填したグローブボックス中で、イミノ−アミン配位子(ligand)(5.548
g、14.89mmol)をトルエン(80mL)に溶解し、n−BuLi(ヘキサン中
1.6M、10.2mL、16.4mmol)を添加する。透明な黄色の溶液を室温にて
1時間攪拌し、次いでHfCl(4.769g、14.89mmol)を添加する。室
温にて6時間攪拌した後、MeMgBr(エーテル中3.0M、16.4mL、49.1
mmol)を添加する。色が淡黄色から暗褐色に進む時に、攪拌を一晩継続する。揮発性
物質を反応から真空で除去し、ヘキサン(100mL)を添加する。混合物を30分間攪
拌し、濾過し、固体をさらなるヘキサン(100mL)で洗浄する。溶媒を合した濾液か
ら真空で除去して淡褐色の固体を得る。収量=6.472g(73.0%)。
共触媒1 長鎖トリアルキルアミン(Akzo−Nobel,Inc.より入手可能な
Armeen(商標)M2HT)、HCl及びLi[B(C](実質的に、米
国特許第5,919,9883号、実施例2に開示される通り)の反応により調製した、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下、アルメエニウムボレート)のメ
チル
ジ(C14−18アルキル)アンモニウム塩の混合物。
共触媒2 米国特許第6,395,671号、実施例16に従って調製した、ビス(ト
リス(ペンタフルオロフェニル)−アルマン(alumane))−2−ウンデシルイミダゾリド
の混合C14−18アルキルジメチルアンモニウム塩。
可逆的移動剤(shuttling agent)
用いた可逆的移動剤としては、ジエチル亜鉛(DEZ、SA1)、ジ(i−ブチル)亜
鉛(SA2)、ジ(n−ヘキシル)亜鉛(SA3)、トリエチルアルミニウム(TEA、
SA4)、トリオクチルアルミニウム(SA5)、トリエチルガリウム(SA6)、i−
ブチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキサン)(SA7)、i−ブチル
アルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)(SA8)、n−オクチルアルミニ
ウムジ(ピリジン−2−メトキシド)(SA9)、ビス(n−オクタデシル)i−ブチル
アルミニウム(SA10)、i−ブチルアルミニウムビス(ジ(n−ペンチル)アミド)
(SA11)、n−オクチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシド)
(SA12)、n−オクチルアルミニウムジ(エチル(1−ナフチル)アミド)(SA1
3)、エチルアルミニウムビス(t−ブチルジメチルシロキシド)(SA14)、エチル
アルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)(SA15)、エチルアルミニウム
ビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド)(SA16)、n−
オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7−ジベンゾ−1−アザシクロヘプタンアミド
)(SA17)、n−オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t−ブチル)シロキシド(
SA18)、エチル亜鉛(2,6−ジフェニルフェノキシド)(SA19)、及びエチル
亜鉛(t−ブトキシド)(SA20)が挙げられる。
実施例1〜16、比較例A、B、E及びF
連続溶液重合は、内部スターラを装備したコンピュータ制御されたオートクレーブ反応
器中で行う。精製された混合アルカン溶媒(Exxon Mobil Chemical
Companyより入手可能なIsopar(商標)E)、2.70ポンド/時(1.
22kg/時)でエチレン、プロピレン、及び水素(使用する場合)を、温度制御用ジャ
ケット及び内部熱電対を装備した3.8L反応器に供給する。反応器への溶媒供給量は、
マスフローコントローラーにより測定する。可変速ダイヤフラムポンプにより、反応器へ
の溶媒流量及び圧力が制御される。ポンプの排出時に、側流をとって、触媒及び共触媒及
びSA1注入ラインならびに反応器攪拌機のためのフラッシュフローを設ける。これらの
フローはMicro−Motionマスフローメーターにより測定され、制御バルブによ
って、又はニードルバルブの手動調節により制御される。残留溶媒をエチレン、プロピレ
ン、及び水素(使用する場合)と合し、反応器に供給する。マスフローコントローラーを
用いて、必要に応じて水素を反応装置に送達する。溶媒/モノマー溶液の温度は、反応器
に入る前に熱交換器を用いて制御される。この流れは反応装置の底部に入る。触媒成分溶
液を、ポンプ及びマスフローメーターを用いて計量し、触媒フラッシュ溶媒と合し、反応
装置の底部に導入する。この反応装置を、液体を満たした状態で500psig(3.4
5MPa)にて激しく攪拌しながら運転する。生成物は反応器の上部の出口ラインを通じ
て取り出される。反応装置からの全ての出口ラインは蒸気トレースされており、絶縁され
ている。出口ラインに少量の水を任意の安定剤又はその他の添加剤とともに添加すること
、及び混合物をスタティックミキサーに通すことにより重合を停止させる。次に、生成物
流を、脱揮の前に熱交換器を通過させることにより加熱する。ポリマー生成物は、脱揮押
出機及び水冷ペレタイザーを用いる押出により回収される。プロセスの詳細及び結果は表
1に含まれる。比較例A、B、E及びFに関して、可逆的移動剤は反応器に導入しなかっ
た。
選択されたポリマー特性を表2に示す。比較例Cは、Paratone 8941(E
xxon Mobil Chemical Co.)であり、比較例Dは、Nordel
IP 225(The Dow Chemical Company)である。

FTIR測定をASTM D−3900−05に従って用いて行って、存在するエチレ
ンの総重量パーセントを推定した。あるいは、測定はNMRにより行ってもよい。
対C重量%
本発明のポリマーが大半のハードセグメントを含む場合、それらの融解温度は、ポリマ
ーの重量に基づいて所定の重量パーセントのエチレンに関して比較用ランダムコポリマー
の融解温度よりも高い。いかなる所定のコモノマーについての較正線を得ることができる
。コモノマーとしてのプロピレンのこの関係を図1に示す。図1において、所定の重量パ
ーセントのエチレンの融解温度の数値が次の関係を有することを見ることができる:
Tm≧4.1276(C重量%)−244.76。
表3は、図1に対応するデータを示す。

本発明のポリマーが大半のソフトセグメントを含む場合、それらの融点は、ポリマーの
重量に基づいて所定の重量パーセントのエチレンに関して比較用ランダムコポリマーの融
点よりも低い。コモノマーとしてのプロピレンのこの関係を図2に示す。図2において、
所定の重量パーセントのエチレンの融解温度の数値が次の関係を有することを見ることが
できる:
Tm≦4.1276(C重量%)−264.95。

表4は、図2に示される実施例データを示す。
GPC−IR及び濁度測定
GPC曲線全体にわたるエチレン含有量を、GPC−IRを介してモニターした。ポリ
マーの重量に基づくエチレン重量%で表されるエチレン含有量の数値を分子量画分に対比
させてプロットし、線mx+bに適合させた。傾き絶対値|m|、及び油中及びドデカン
中の濁度を下の表4に示す。見てわかるように、本発明のポリマーに関して、|m|は4
未満であり、濁度は、55℃超で±5J/g以内の同程度のDSCエンタルピーJ/g、
ΔH>55℃を有するポリマーの濁度に等しいか又はそれ以下である。傾斜mを与える、
対応する線及び方程式を含むGPC−IRプロットの例を図3に示す。油中の濁度は、油
の重量に基づいて1重量%のポリマー溶液について測定し、ドデカン中の濁度は、ドデカ
ンの重量に基づいて1.5重量%のポリマー溶液について測定する。
本発明は、限定された数の実施形態に関して記載されてきたが、一実施形態の具体的な
特徴は、本発明のその他の実施形態に帰するものではない。いかなる単一の実施形態も本
発明の全ての態様を表さない。一部の実施形態では、組成又は方法には、本明細書で言及
されない多数の化合物又は工程を含み得る。その他の実施形態では、組成又は方法には、
本明細書において列挙されるいずれの化合物又は工程も含まないか、又は実質的に含まな
い。記載される実施形態からの変形形態及び変更形態が存在する。最終的に、本明細書に
開示される任意の数は、その数を表す際に「約」又は「およそ」という語が用いられてい
るかに関わらず、近似値を意味するものと解釈されるべきである。添付される特許請求の
範囲は、本発明の範囲内にある全てのその変更形態及び変形形態を網羅することを意図す
る。

Claims (7)

  1. エチレン/α−オレフィンインターポリマーがハードセグメント及びソフトセグメントを有しており、前記エチレン/α−オレフィンインターポリマーが:
    (a)1.7〜3.5のMw/Mnを有し;
    (b)ハードセグメント中の全モノマー含有量に基づいて70重量%〜85重量%の範囲のハードセグメント中のエチレン含有量を有し;
    (c)(i)少なくとも40%のハードセグメント組成、少なくとも1つの融点Tm(℃)、及び重量パーセントで表されるエチレン量C重量%としての前記エチレン含有量を有し、前記Tm及びC重量%の数値は次の関係に対応する:
    90≧Tm≧4.1276(C重量%)−244.76;又は
    (ii)40%未満のハードセグメント組成、少なくとも1つの融点Tm(℃)、及び重量パーセントで表されるエチレン量C重量%としての前記エチレン含有量を有し、前記Tm及びC重量%の数値は次の関係に対応する:
    Tm≦4.1276(C重量%)−264.95;又は
    (v)前記エチレン含有量をGPC−IRにより測定される分子量の対数に対してプロットした線が、4以下の傾き絶対値mを有するように、前記エチレン含有量(重量%)と分子量の対数の間の関係を有し;かつ、
    (d)油中エチレン/α−オレフィンインターポリマーの1.0重量%溶液の濁度測定値が、3NTU未満であり、
    前記ソフトセグメントが、前記ソフトセグメント中の全モノマー含有量に基づいて35重量パーセント〜80重量パーセントの範囲内のコモノマーを有
    マルチブロックコポリマーである、エチレン/α−オレフィンインターポリマー(但し、
    異なる化学的又は物理的性質を含む、2又はそれ以上の実質的に均質な分子内セグメント又はブロックを含む、エチレン/α−オレフィンインターポリマーであって、前記分子内セグメントは最確分子量分布を有することを特徴とし、前記エチレン/α−オレフィンインターポリマーがハードセグメント及びソフトセグメントを含み、且つ
    (a)1.7〜3.5のMw/Mnを有し;
    (b)ハードセグメントにおいて、前記ハードセグメント中の全モノマー含有量に基づいて70重量パーセント〜85重量パーセントの範囲内のエチレン含有量を有し;
    (c)(v)前記エチレン含有量対GPC−IRによって測定される分子量の対数がプロットされた線が、4以下の傾き絶対値mを有するような、重量パーセントで表された前記エチレン含有量と分子量の対数との関係を有し;且つ
    (d)油中の前記エチレン/α−オレフィンインターポリマーの1.0重量パーセント溶液において1.5NTU未満の濁度を有し、
    ブロックコポリマーが、制御されたブロック配列分布を有し、前記ソフトセグメントが、前記ソフトセグメント中の全モノマー含有量に基づいて35重量パーセント〜80重量パーセントの範囲内のコモノマーを有する、
    エチレン/α−オレフィンインターポリマー、及び、
    マルチブロックコポリマーであるエチレン/α−オレフィンインターポリマーであって、ハードセグメント及びソフトセグメントを有しており、前記エチレン/α−オレフィンインターポリマーが:
    (a)1.7〜3.5のMw/Mnを有し;
    (b)ハードセグメント中の全モノマー含有量に基づいて70重量%〜85重量%の範囲のハードセグメント中のエチレン含有量を有し;
    (c)(i)少なくとも40%のハードセグメント組成、少なくとも1つの融点Tm(℃)、及び重量パーセントで表されるエチレン量C2重量%としての前記エチレン含有量を有し、前記Tm及びC2重量%の数値は次の関係に対応する:
    90≧Tm≧4.1276(C2重量%)−244.76;かつ、
    (d)油中エチレン/α−オレフィンインターポリマーの1.0重量%溶液又はドデカン中1.5重量%溶液の濁度測定値が、比較用ランダムコポリマーの濁度測定値以下であり、前記比較用ランダムコポリマーは、前記エチレン/α−オレフィンインターポリマーと、55℃超で±5J/g以内の同じDSCエンタルピー(J/g)、及び10%以内の同じ総エチレン含有量を有し、
    前記ソフトセグメントが、前記ソフトセグメント中の全モノマー含有量に基づいて35重量パーセント〜80重量パーセントの範囲内のコモノマーを有し、
    油中エチレン/α−オレフィンインターポリマーの1.0重量%溶液又はドデカン中1.5重量%溶液の濁度が、1.5NTU未満であり、DSCエンタルピーが55℃超で2J/g未満である、
    エチレン/α−オレフィンインターポリマー
    を除く)。
  2. 55重量%〜75重量%の範囲の量のエチレンを含む、請求項1に記載のエチレン/α−オレフィンインターポリマー。
  3. 60重量%〜73重量%の範囲の量のエチレンを含む、請求項1に記載のエチレン/α−オレフィンインターポリマー。
  4. −25℃〜100℃の範囲のTを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のエチレン/α−オレフィンインターポリマー。
  5. 30℃〜80℃の範囲のTを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のエチレン/α−オレフィンインターポリマー。
  6. 35℃〜75℃の範囲のTを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のエチレン/α−オレフィンインターポリマー。
  7. コモノマー総重量パーセントがエチレン/α−オレフィンインターポリマーのコモノマーの10重量%以内である比較用ランダムコポリマーのTよりも低いTを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のエチレン/α−オレフィンインターポリマー。
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