JP4100882B2 - 紫外線硬化型シリコーン粘着剤組成物 - Google Patents

紫外線硬化型シリコーン粘着剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温、短時間で優れた硬化性を示し、種々の基材に塗工して、優れた密着性、硬化性を示すシリコーン粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン粘着剤を使用した粘着テープや粘着ラベルは、シリコーン粘着剤層が耐熱性、耐寒性、耐候性、電気絶縁性、耐薬品性に優れることから、厳しい環境下ではこれらの特性がシリコーン粘着剤に比較して遥かに劣るアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤に代って使用されている。
このような粘着テープを製造するには、シリコーン粘着剤をプラスチックフィルムなどの基材に塗工し、粘着特性を向上させるために、架橋反応を行い硬化させる。
シリコーン粘着剤の化学構造は、主鎖がR2SiO単位からなる直鎖のポリオルガノシロキサン及びR3SiO0.5単位とSiO単位からなる3次元構造のポリオルガノシロキサンからなる(Rは一般に置換又は非置換の1価炭化水素基)。これらを硬化させるための硬化剤としては、ベンゾイルパーオキサイドなどが広く用いられている。この場合、硬化温度は150℃以上の高温、5〜10分以上の硬化時間が必要であるため、耐熱温度が低い基材への塗工が困難であったり、また、塗工速度が遅いため、生産性が低下するといった問題点があった。
白金触媒を用いた付加反応硬化型のシリコーン粘着剤もあるが、この組成物はビニル基を有し、主鎖がR2SiO単位からなる直鎖のポリオルガノシロキサン、R3SiO0.5単位とSiO単位からなる3次元構造のポリオルガノシロキサン、ポリオルガノヒドロシロキサン、反応制御剤からなり、白金化合物が硬化触媒として用いられる。この場合は90℃以上の硬化温度、30秒〜60秒以上の硬化時間が必要である。しかし、薄手の基材、耐熱温度が低い基材を使用した場合は、基材が変形し、精密な塗工が困難であった。
このような事情に鑑み、より低温で、短時間での硬化が可能な粘着剤組成物が待望されていた。
そこで、特公平1−028792号では、エポキシ官能性シリコーン重合体、シリコーンMQ樹脂、ハロニウム塩からなる紫外線官能性触媒からなる紫外線硬化性の感圧接着剤組成物が提案されている。しかし、ハロニウム塩はシリコーン重合体に相溶し難いため、硬化が不十分になる場合があり、塩基性物質や水酸基含有物質の存在で硬化が阻害されるため、粘着剤組成物を塗工する基材の種類によっては、粘着層と基材との密着が不十分となったり、硬化性が低下したりする場合があったので、相変わらず前記の特性を有するシリコーン粘着剤組成物の出現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題はこれら従来の問題点を解決し、低温、短時間での硬化が可能であり、更に、種々の基材に塗工した場合、粘着層と基材の密着性に優れ、硬化性に優れたシリコーン粘着剤組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記(A)、(B)、(C)を含有することを特徴とする紫外線硬化型シリコーン粘着剤組成物である。
(A)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、(B)メルカプト基含有ポリオルガノシロキサン、(C)R1 3SiO0.5単位及びSiO2単位を含有し、R1 3SiO0.5/SiO2のモル比が0.6〜1.7であるポリオルガノシロキサン。(式中、R1は置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基)
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における(A)成分はアルケニル基含有ポリオルガノシロキサンであり、特に下記一般式(1)または(2)の何れかで表されるものが好ましい。
1 (3-a)aSiO-(R1XSiO)m-(R1 2SiO)n-SiR1 (3-a)a……………………(1)
(R1 2XSiO1/2p-(R1XSiO)m-(R1 2SiO)n-(R1SiO3/2q……………………(2)
式中、mは0以上、nは100以上の数、aは1〜3であり、m+n+p+qは100以上、p=q+2、R1は置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Xはアルケニル基含有1価の有機基である。
本発明における(A)成分の、アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンを表す前記式(1)または(2)のR1は置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。これらを例示すると、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;フェニル、トリルなどのアリール基;又はこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の1部又は全部をハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基などで置換した3,3,3-トリフロロプロピル基、ヒドロキシプロピル基、シアノエチル基などが挙げられる。この中ではメチル基、フェニル基が特に好ましい。更に、全てのR1の50%以上がメチル基であり、1〜20%がフェニル基であることが好ましい。Xはアルケニル基含有1価の有機基であり、これを例示すれば、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、(メタ)アクリロイルオキシエチル基、(メタ)アクリロイルオキシメチル基、シクロへキセニルエチル基、ビニルオキシプロピル基などが挙げられる。
【0006】
本発明における(A)成分のポリオルガノシロキサンの性状はオイル状、生ゴム状である。その粘度は25℃において、50mPa・s以上が好ましい。この粘度の上限は特にないが、30重量%のトルエン溶液としたときの粘度が、50,000mPa・s以下であることが好ましい。また、(A)成分は2種以上を併用してもよい。
【0007】
本発明における(B)成分のメルカプト基含有ポリオルガノシロキサンは下記一般式(3)
3O-(R2YSiO)x-(R2 2SiO)y-R3………(3)
で示される。xは3以上、yは0以上の数であり、R2はR1又はアルコキシ基、トリアルキルシリルオキシ基、ヒドロキシ基であるがこれらを例示すると、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ基などのアルコキシ基;トリメチルシリルオキシ基などのトリアルキルシリルオキシ基;ヒドロキシ基であるがこのうちメチル基、フェニル基、メトキシ基、トリメチルシリルオキシ基が好ましい。
3はR1又は水素原子である。Yは炭素数1〜8のメルカプト基含有1価の有機基でこれを例示すると、メルカプトエチル基、メルカプトプロピル基、メルカプトフェニル基である。これら(B)成分のメルカプト基含有ポリオルガノシロキサンは2種以上を併用してもよい。また、(B)成分の全シロキサン単位中の20%以上がメルカプト基含有シロキサン単位である。
本発明のシリコーン粘着剤組成物の硬化反応は(A)成分と(B)成分とのラジカル付加反応によるが、両成分の重量比(A)/(B)は50/50〜98/2が必要であり、好ましくは70/30〜95/5である。98/2を超えると硬化性が不十分となり、50/50未満であると十分な粘着性が得られなくなる場合がある。
【0008】
本発明における(C)成分はR1 3SiO0.5単位及びSiO2単位を含有し、R1 3SiO0.5/SiO2のモル比が0.6〜1.7であるポリオルガノシロキサンであり、R1の例示は前記のとおりである。R1 3SiO0.5/SiO2のモル比が0.6未満では粘着力やタックが低下することがあり、1.7を超えると粘着力や保持力が低下することがある。また、(C)成分は2種以上併用してもよく、シラノール基を4重量%以下含有してもよい。
【0009】
本発明においては、(A)、(B)、(C)成分を単に混合して組成物とするほか、
(A)、(C)成分を両者の縮合反応物として、これを(B)成分と混合して本発明の組成物としてもよい。縮合反応はトルエンなどの溶剤に(A)、(C)成分を溶解させ、アルカリ性触媒を用いて、室温または還流下に反応させる。
また、(A)、(B)成分の合計量と(C)成分の量との配合比は100/300〜100/30が必要であり、好ましくは100/200〜100/100である。100/30を超えると粘着力やタックが不十分となり、100/300未満であっても粘着力やタックが不十分となる。
【0010】
本発明における(D)成分の光ラジカル開始剤として使用可能なものを以下に例示する。
アセトフェノン,4−メチルアセトフェノン,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン,ベンジルジメチルケタール(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル−エタン−1−オン),2,2−ジエトキシ−1−フェニル−エタン−1−オンなどのアセトフェノン誘導体;ベンゾフェノン,4,4,−ジメトキシベンゾフェノン,4,4,−ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;チオキサントン,2,4−ジエチルチオキサントン,2,−クロロチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;ベンゾイン,ベンゾインメチルエーテル,ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン誘導体;エチルアントラキノン,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが例示され、これらは2種以上を併用してもよい。
【0011】
本発明における(D)成分の光ラジカル開始剤は硬化速度を速める働きをするが、(D)成分の配合量は(A)、(B)両成分の合計量100重量部に対し、30重量部以下の量でよい。30重量部を超えて配合しても、硬化速度を速める働きには変化は無く、粘着層の黄変や粘着特性に悪影響を与える場合があり、(D)成分を配合した場合、粘着層が黄変したり、経時で粘着力が低下したりすることがある。これを避けたい場合は、(D)成分を添加しなくてもよい。
【0012】
本発明のシリコーン粘着剤組成物には前記各成分以外に必要に応じてその他の成分を添加することができる。
例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサンなどの非反応性のポリオルガノシロキサン;塗工の際、粘度を下げるための溶剤として、
トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;ヘキサン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤又はこれらの混合溶剤、硬化速度を促進するために(D)成分と併用するトリエチルアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N-メチルジエタノールアミンなどの反応促進剤、酸化防止剤、染料、顔料などが挙げられる。
【0013】
本発明のシリコーン粘着剤組成物は(A)、(B)、(C)成分各成分の所定量を均一に混合して製造されるが、(C)成分は通常トルエンやキシレンなどの溶液として製造されるので、本発明のシリコーン粘着剤組成物を無溶剤タイプとする必要がある場合は、(A)、(B)、(C)成分各成分の所定量を混合した後、例えば、加熱減圧下に溶剤を除去すればよい。高濃度タイプとする場合は、溶剤除去工程で所定濃度に調整したり、溶剤除去後に再度溶剤を添加して調整すればよい。
【0014】
以上記載したようにして、製造された本発明のシリコーン粘着剤組成物は、種々の基材に塗工し、所定の条件で硬化させることにより粘着層を得ることができる。
使用可能な基材としては次のものが例示される。
ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム;アルミニウム箔、銅箔などの金属箔;和紙、合成紙、ポリエチレンラミネート紙などの紙;各種繊維の織布、これらの複数を積層してなる複合基材が例示される。これらの基材と粘着層との密着性を向上させるために、基材をプライマー処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、エッチング処理して用いてもよい。
【0015】
シリコーン粘着剤組成物の、各種の基材ヘの塗工量は粘着層の厚さで1〜200μmとする。溶剤の溶液として塗工する場合は、溶剤除去のために、必要に応じて例えば、50〜100℃で10〜60秒の前乾燥するか、又は、室温で風乾すればよい。
硬化条件は高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどを用い、紫外線を20〜2,000mJ/cm2照射すればよい。また、この際、紫外線照射ゾーンを窒素置換して、紫外線照射すれば、空気中で行うよりも硬化速度を向上させることができる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部を示し、物性値は下記の試験法によって測定したものである。また、Meはメチル基、Phはフェニル基、Viはビニル基を表す。
[粘着力の測定]
シリコーン粘着剤組成物を厚さ25μm、幅25mmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、硬化後の粘着層の厚さが40μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、溶剤を含有するものは70℃、15秒で加熱して溶剤を除去し、その後直ちに高圧水銀灯(80W/cm,2灯)下、10m/分のコンベア速度で紫外線を照射して硬化させ、粘着テープを作製する。この粘着テープをステンレス板に貼付け、重さ2kgのゴム層で被覆されたローラーで1往復させて圧着させる。室温で20時間放置した後、引張り試験機を用いて300mm/分の速度で、180度の角度でテープをステンレス板から引き剥がすのに要する力(N/25mm)を測定する。
[保持力の測定]
粘着力測定の試験片と同じ試験片を作製し、粘着テープをステンレス板の端部に粘着面積が25mm×25mmとなるように貼付け、ステンレス板を垂直に支持し、粘着テープの下端に1kgの荷重をかけ、150℃で1時間放置した後のずれ距離を読み取り顕微鏡で測定する。
【0017】
(実施例1)
1)下式で表されるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン90部、
Me2ViSiO-[MeViSiO]10-[Ph2SiO]12-[Me2SiO]380-SiMe2Vi
2)Me3SiO0.5単位、SiO2単位からなる(Me3SiO0.5/SiO2=0.8)ポリシロキサンの70%トルエン溶液214部、
3)キシレン28部、
4)下記式(化1)で示されるメルカプト基含有ポリオルガノシロキサン10部、
【化1】
Figure 0004100882
5)光ラジカル開始剤・ダロキュア1173(チバスペシャルティケミカルズ社製商品名)5部、の各成分1)〜5)について、
1),2)を混合し、加熱、減圧下(120℃/700Pa)でトルエンを留去し、次いで、これに3)、4),5)を添加し、均一に混合し、シリコーン粘着剤組成物を調製した。これを基材に塗工し、溶剤を揮発させた後、紫外線を照射し硬化させた。この試験片を用いて前記試験法により、粘着力、保持力を測定し、結果を表1に示した。
【0018】
(実施例2)
光ラジカル開始剤を添加しない他は、実施例1のシリコーン粘着剤組成物と全く同じ組成のものを調製し、これを基材に塗工し、溶剤を揮発させた後、紫外線を照射し硬化させた。この試験片を用いて粘着力、保持力を同様に測定し、結果を表1に示した。
【0019】
(実施例3)
実施例1の1)のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン90部の代りに、1)のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン18部と下記式で表されるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン72部の混合物を用いた他は、実施例2のシリコーン粘着剤組成物と全く同じ組成のものを調製し、これを基材に塗工し、溶剤を揮発させた後、紫外線を照射し硬化させた。この試験片を用いて粘着力、保持力を測定し、結果を表1に示した。
Me2ViSiO--[Ph2SiO]20-[Me2SiO]680-SiMe2Vi
【0020】
(実施例4)
実施例1の1)のアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン90部の代りに、下記式で表されるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン90部を用い、3)のキシレン28部の代りに、トルエン107部を用いた他は実施例2のシリコーン粘着剤組成物と全く同じ組成のものを調製し、これを基材に塗工し、溶剤を揮発させた後、紫外線を照射し硬化させた。この試験片を用いて粘着力、保持力を測定し、結果を表1に示した。
Me2ViSiO-[MeViSiO]6-[Ph2SiO]12-[Me2SiO]4000-SiMe2Vi
【0021】
(実施例5)
実施例1の4)のメルカプト基含有ポリオルガノシロキサン10部の代りに、下記式(化2)のメルカプト基含有ポリオルガノシロキサン10部を用いた他は、実施例2のシリコーン粘着剤組成物と全く同じ組成のものを調製し、これを基材に塗工し、溶剤を揮発させた後、紫外線を照射し硬化させた。この試験片を用いて粘着力、保持力を測定し、結果を表1に示した。
【化2】
Figure 0004100882
【0022】
【表1】
Figure 0004100882
【0023】
(実施例6)
実施例2のシリコーン粘着剤組成物を、ナトリウムエッチング処理したテフロンシート(厚さ80μm)及びグラシン紙(厚さ70μm)、PETフィルム(厚さ25μm)にそれぞれ、硬化後の厚さが40μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、室温で1分間風乾して溶剤を除去し、高圧水銀灯(80W/cm,2燈)下、10m/分のコンベア速度で紫外線を照射して硬化させ、粘着テープを作製した。この粘着テープをガラス板に貼付け、直ちに引き剥がし、粘着層の剥離の状態を観察し、結果を表2に示した。
【0024】
(比較例1)
付加反応型シリコーン粘着剤・X-40-3103の100部(信越化学社製商品名)にトルエン50部、白金触媒・CAT-PL-50T(信越化学社製商品名)の0.5部を添加し、均一に混合してシリコーン粘着剤組成物を調製した。実施例6で使用した各種基材に、硬化後の厚さが40μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、80℃、30秒の加熱により硬化させ、粘着テープを作製した。この粘着テープをガラス板に貼付け、直ちに引き剥がし、粘着層の剥離の状態を観察し、結果を表2に示した。
【0025】
(比較例2)
下記式(化3)で表されるエポキシ基含有ジメチルポリシロキサン100部及び前記2)のMe3SiO0.5単位、SiO2単位からなる(Me3SiO0.5/SiO2=0.8)ポリシロキサンの70%トルエン溶液214部を混合し、加熱、減圧下(120℃/700Pa)でトルエンを留去した。次いで、キシレン28部、光ラジカル開始剤・[ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム=ヘキサフルオロアンチモネート]の1.25部を添加して、均一に混合し、シリコーン粘着剤組成物を調製した。実施例6で使用した各種基材に、硬化後の厚さが40μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工した後、室温で1分間風乾して溶剤を除去し、高圧水銀灯(80W/cm、2灯)下、10m/分のコンベア速度で紫外線を照射して硬化させ、粘着テープを作製した。この粘着テープをガラス板に貼付け、直ちに引き剥がし、粘着層の剥離の状態を観察し、結果を表2に示した。
【化3】
Figure 0004100882
【0026】
【表2】
Figure 0004100882
○:粘着層がガラス板から剥離する、△:粘着層の1部がガラス板に移行する、
×:粘着層がガラス板に移行する。
粘着層がガラス板に移行したものは、粘着層と基材との密着性が不良であることを示す。
【0027】
【発明の効果】
本発明により、従来の過酸化物硬化型や付加反応硬化型のシリコーン粘着剤組成物に比べてより低温、短時間での硬化が可能なシリコーン粘着剤組成物を提供できる。低温硬化が可能になったことにより、従来困難であった、耐熱性に劣る基材への塗工が可能となり、短時間での硬化が可能になったことにより、塗工速度が向上し、シリコーン粘着テープの生産性が改善される。更に、各種基材において粘着層の基材への密着性、粘着剤の硬化性が良好になる。

Claims (6)

  1. 下記(A)、(B)、(C)を含有し、
    (A)/(B)の配合重量比が50/50〜98/2であり、
    (A)、(B)の合計量と(C)の配合重量比が100/300〜100/30であることを特徴とする紫外線硬化型シリコーン粘着剤組成物。
    (A)アルケニル基含有ポリオルガノシロキサン、
    (B)下記式(3)で示され全シロキサン単位中の20%以上がメルカプト基含有シロキサン単位であるメルカプト基含有ポリオルガノシロキサン、
    3O-(R2YSiO)x-(R2 2SiO)y-R3………(3)
    (式中、xは3以上の数、yは 0 以上の数、R 2 は置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、アルコキシ基、トリアルキルシリルオキシ基、又は、ヒドロキシ基、R 3 は置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基又は水素原子、Yは炭素数1〜8のメルカプト基含有有機基)
    (C)R1 3SiO0.5単位(式中、R 1 は置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基)及びSiO2単位を含有し、R1 3SiO0.5/SiO2のモル比が0.6〜1.7であるポリオルガノシロキサン
  2. 下記(A)、(B)、(C)を含有することを特徴とするシリコーン粘着剤組成物。但し、(A)+(B)=100重量部とする。
    (A)下記一般式(1)又は(2)で示されるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサン 50〜98重量部、
    1 (3-a)aSiO-(R1XSiO)m-(R1 2SiO)n-SiR1 (3-a)a
    ……………………(1)
    (R1 2XSiO1/2p-(R1XSiO)m-(R1 2SiO)n-(R1SiO3/2q
    ……………………(2)
    (式中、mは0以上、nは100以上の数、aは1〜3であり、m+n+p+qは100以上、p=q+2、R1は置換又は非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Xはアルケニル基含有1価の有機基である。)
    (B)下記式(3)で示され全シロキサン単位中の 20 %以上がメルカプト基含有シロキサン単位であるメルカプト基含有ポリオルガノシロキサン
    2〜50重量部、
    3O-(R2YSiO)x-(R2 2SiO)y-R3………(3)
    (式中、xは3以上、yは0以上の数、R2はR1又はアルコキシ基、トリアルキルシリルオキシ基、ヒドロキシ基、R3はR1又は水素原子、Yは炭素数1〜8のメルカプト基含有有機基)
    (C)R1 3SiO0.5単位及びSiO2単位を含有し、R1 3SiO0.5/SiO2のモル比が0.6〜1.7であるポリオルガノシロキサン
    30〜300重量部
  3. (A)、(B)の合計量100重量部に対して(D)光ラジカル開始剤30重量部以下を含有する請求項2記載のシリコーン粘着剤組成物。
  4. 式(3)のyが 0 である請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
  5. (B)が、下記式
    Figure 0004100882
    または、下記式
    Figure 0004100882
    で示される請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
  6. 一般式(1)又は(2)において、全てのR 1 の50%以上がメチル基であり、1〜20%がフェニル基である請求項2、3のいずれか1項記載のシリコーン粘着剤組成物。
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