JP4100802B2 - シート処理装置およびこれを備える画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機、印刷機およびレーザビームプリンタなどの画像形成装置に係り、詳しくは画像形成後に排出されるシートの整合や綴じなどの処理を行うシート処理装置およびこれを備える画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置においては、画像形成のために各機器内をシートが搬送され、画像形成後に、シート処理装置の処理トレイ上に搬送されることになる。そして、シート処理装置では、処理トレイ上に所定枚数のシートを積載させて整合させ、必要に応じてステイプルなどによって綴じ操作を行っている。この場合、シート処理装置は、画像形成装置本体に対して蝶番などによって回動可能に枢支されており、ステイプルユニットの針カートリッジを補給する場合や、針カートリッジに針が引っ掛かり(針ジャム)シート束の綴じ操作を行うことができない場合には、シート処理装置を回動させて画像形成装置本体の接合面とシート処理装置の接合面とを離開させ、このシート処理装置の接合面側に設けられているステイプルユニットの針補給口を露出させるようにしている。
【0003】
また一般に、シートはフェイスアップ状態で左綴じまたは左上コーナ部が綴じられるが、画像形成装置本体からシートがフェイスダウンまたはフェイスアップのいずれの状態で排紙されるかによってステイプルユニットが設けられる位置が決まることになる。
【0004】
また、従来のシート処理装置には、シート搬送方向に対して手前側の面に、ステイプルユニットを設けて、処理装置本体に設けた扉を開放させることによってステイプルユニットを露出させて針カートリッジの補給や針ジャムの除去が行えるようにした構成のものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したシート処理装置を画像形成装置本体に対して回動させることにより、ステイプルユニットの針補給口が露出されるように構成されているが、針補給口がシート処理装置の蝶番側に設けられている場合は、シート処理装置を大きく回動させないと針カートリッジの補給操作がしづらい。このため、前者のシート処理装置は、処理装置本体を大きく回動させることができるだけの設置面積が必要となる。
【0006】
また、後者のシート処理装置は、針カートリッジの補給や針ジャムの除去を行うために、処理装置本体に専用の扉を設けなければならない。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みなされたもので、専用の扉を設けることなく、針補給や針ジャムの除去を広い面積を必要とせずにシート搬送方向の手前側から容易に行えるようにしたシート処理装置およびこれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、画像形成装置本体によって画像形成されたシートが積載される積載手段と、前記積載手段上のシート束を綴じ処理するステイプルユニットと、を備えたシート処理装置において、
処理装置本体を前記画像形成装置本体に対して接離自在にスライドさせるスライドユニットと、前記処理装置本体の前記画像形成装置本体に対する接合面に設けられた前記ステイプルユニットの針補給口と、を有し、前記スライドユニットにより前記処理装置本体を前記画像形成装置本体に対して離間させることで前記針補給口を露出させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、前記処理装置本体は、画像形成装置本体に対してシートを搬送する方向に進退自在にスライドする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、前記積載手段上に積載されたシートを整合する整合部材を設け、前記整合部材によって整合されたシート束を前記ステイプルユニットで針綴じするようにしたものである。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、前記ステイプルユニットの綴じ位置は、前記処理装置本体の奥側に位置している。
【0012】
請求項5記載の発明に係る画像形成装置は、シートに画像形成する画像形成手段と、前記画像形成手段から搬送された前記シートを積載して整合、仕分けおよび綴じなどの処理を行う請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート処理装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】
[作用]
以上の構成に基づいて、積載手段上に積載されたシート束を綴じ処理するステイプルユニットの針補給口を処理装置本体の画像形成装置本体に対する接合面に設け、画像形成装置本体に対して処理装置本体を離間させて前記針補給口を露出可能とすることにより、ステイプルユニットの針補給口を開放する扉を設ける必要をなくす。専用の扉を設けることなく、針補給や針ジャムの除去を広い面積を必要とせずにシート搬送方向の手前側から容易に行えるようにした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
〈第1の実施の形態〉
図1は本発明に係るシート処理装置の概略構成を示す断面図、図2は本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図、図3は本発明に係るシート処理装置の後処理トレイ上に設けられた整合部材の移動機構を示す平面図、図4は同上のシート処理装置において、戻しローラおよび束排出ベルトを抽出して示す概略構成図、図5(a)〜(d)は同上のシート処理装置において、戻しローラおよび束排出ベルトを抽出して示す動作説明図、図6は同上のシート処理装置におけるスタックトレイの移動機構を示す断面図、図7は図6の矢印B方向から見た図、図8は同上のシート処理装置において、ノンソートモード時およびソートモード時の整合部材の待機位置を示す平面図、図9は同上のシート処理装置において、ノンソートモード時およびソートモード時の整合部材の第1整合位置を示す平面図、図10は同上のシート処理装置において、ノンソートモード時およびソートモード時の整合部材の第2整合位置を示す平面図、図11は同上のシート処理装置において、ステイプルソートモード時の整合部材の動作を説明する図、図12は同上のシート処理装置のスライドユニットを分解した状態を示す斜視図、図13(a)(b)は同じくスライドユニットを画像形成装置本体に取り付ける状態を説明する図、図14は同上のシート処理装置の画像形成装置本体との接合面を示す斜視図、図15は同上のシート処理装置の接合面側に設けられた針補給口を拡大して示す図、図16は同上のシート処理装置に設けられた位置検知機構を示す断面図、図17は同じく位置検知機構を示す平面図、図18は同上のシート処理装置の束押し部材をホームポジションに待機させる制御ブロック図である。
【0016】
図1において、1は上部に循環式原稿搬送装置(RDF)305が搭載されている画像形成装置300に対して着脱自在に装着されたシート処理装置としてのフィニッシャである。
【0017】
画像形成装置300は、図2に示すように、循環式原稿搬送装置305により原稿が自動的に送られて画像読取部306により画像が読み取られる。そして、図示しないコントローラにより読み取った画像情報に応じてレーザ発振器に信号が送られ、レーザ光が発せられる。
【0018】
次に、このレーザ光が回転しているポリゴンミラー309に反射して更に反射ミラー310により再び折り返して表面が一様に帯電された画像形成手段となる電子写真感光体ドラム312上に照射され、静電潜像が形成される。感光体ドラム312上の静電潜像は現像器311により現像された後、紙やOHPシートなどで構成されるシートS上にトナー画像として転写される。
【0019】
シートSはシート給送手段を構成するピックアップローラ313によりシートカセット351,352から適宜選択的に繰り出され、分離手段307により分離されて1枚ずつ給送され、レジ前ローラ対316,317によりレジストローラ対314,315まで搬送され、該レジストローラ対314,315により斜行が矯正されて感光体ドラム312の回転に同期して該感光体ドラム312とこれに対向する転写装置との間に搬送される。この際に前記転写装置の作用により感光体ドラム312に形成されたトナー画像がシートSに転写される。
【0020】
その後、シートSは定着ローラ対301,302に導かれ、該定着ローラ対301,302により加熱および加圧処理されてシートSに転写されたトナー画像が永久定着される。定着ローラ対301,302は各々定着上分離爪303、定着下分離爪304が接しており、これによりシートSは定着ローラ対301,302から分離される。
【0021】
分離されたシートSは排出ローラ対399により画像形成装置300の外部へと搬送され、該画像形成装置300に接続されたフィニッシャ1に導かれる。
【0022】
フィニッシャ1と画像形成装置300とは、図1に示すようにフィニッシャ1の上部に回動自在に軸支されたロックアーム2によって画像形成装置300に設けられたホールド部材3に位置決め結合される。さらに、フィニッシャ1本体の下側には画像形成装置300本体に連結支持された図12および図13に示すような支持部材としてのスライドユニット4が取り付けられており、フィニッシャ1をシート搬送方向(図1のY方向)に移動(進退)自在に構成している。
【0023】
すなわち、フィニッシャ1の底部に取付けられたスライドユニット4は、外側レール部4aと、この外側レール部4aに対してスライド可能の内側レール部4bと、内側レール部4bの先端が取付けられる支持脚4cと、この支持脚4cの上端の一側面に設けられたフック部4dとを備え、このフック部4dを画像形成装置300本体に穿設された角孔部300aに係合させて構成したものである。また、角孔部300aに対するフック部4dの大きさの関係は、フック部4dを角孔部300aに係合させた際に幅方向に隙間が生じる。このため、フィニッシャ1を画像形成装置300に接離自在に装着する際、大きな角孔部300aに対してフック部4dを介してレール部をセットできるので、セットし易い。また、レール部はセットした状態でフィニッシャ1の重量を支えているので、手を離しても問題はない。さらに、その後はスラストの位置決めをするための位置決め板11を挿入するだけなので、位置決め板11の挿入はほとんど力のいらない極めて容易な作業となり、作業性が向上できる。つまり、角孔部300aにフック部4dを係合させた状態では、位置決め板11の一端側をフック部4dを係合させた角孔部300aの隙間に嵌合させ、他端側を支持脚4cにねじなどで止着するだけでよい。これにより、フィニッシャ1本体を画像形成装置300本体にスライド可能に連結支持されることになる。
【0024】
なお、本実施の形態では、支持脚4cの上端の一側面にフック部4dを設ける説明をしたが、フック部4dは支持脚4cの上端の幅方向両側に設けて、位置決め板を角孔部300aに係合した状態のフック部の間に嵌合させて位置決めしたり、支持脚4cの幅方向ほぼ中央にフック部を設け、位置決め板をこのフック部の両側の角孔部300aに嵌合させて位置決めしてもよい。
【0025】
10はフィニッシャ1本体に設けたステイプルユニットであり、このステイプルユニット10は後述する積載手段としての後処理トレイ30上のシート束に対して綴じ処理(ステイプル処理)を行うものである。また、ステイプルユニット10はフィニッシャ1本体の奥側の画像形成装置300本体との接合面1aに針カートリッジ12の針補給口13が設けられている。そして、後処理トレイ30上に積載されたシート束をステイプル処理する場合、排出ローラ対399により画像形成装置300本体からフィニッシャ1本体に搬送されるシートSはその後端が搬送ローラ対9から抜け出ると、後処理トレイ30上に落下し、スイッチバックして後処理トレイ30上を後端ストッパ31まで滑り落ちるために、後処理トレイ30上のシート束は、フェイスダウン状態で後処理トレイ30上に積載されることになる。
【0026】
このステイプルユニット10は内側レール部4bに対して外側レール4aをスライドさせてフィニッシャ1を画像形成装置300本体から離間させた際に、図14に示すように針カートリッジ12の針補給口13が露出するように構成されている。本実施の形態の説明では、このステイプルユニット10の構成の説明は省略するが、通常市販されている電動あるいはモータ駆動の自動ホチキス装置の構成とほぼ同一のもので、シートSに対してステイプル針を打ち込んでシート束を綴じる(針綴じ)。
【0027】
また、画像形成装置300またはフィニッシャ1内でのシート搬送不良などが発生し、いずれかの本体内に滞留しているシートSを取り出す際、ロックアーム2をX方向に回動させてフィニッシャ1本体がスライドユニット4上を矢印Y方向に移動可能とさせて画像形成装置300本体との接合を離間させる。
【0028】
排出ローラ対399より排出されたシートSはフィニッシャ1内の上ガイド5および下ガイド6によって形成されるシートパス7によってさらに下流に送り込まれる。8はシート検知センサであり、通過シートの検知および滞留シートの検知などを行う。9は搬送ローラ対であり、排出ローラ9aと、排出ローラ9aに押圧する排出コロ9bとからなる。
【0029】
後処理トレイ30はシートSを一時的に集積し、整合、仕分けおよび綴じ(ステイプル)処理などを行うための中間トレイとして構成される。
【0030】
60は後処理トレイ30上のシートSを束搬送してスタックトレイ80上に束排出する搬送手段としての左右一対の束排出ベルト(巻掛け帯)であり、この束排出ベルト60,60には、図4に示すようにシートS束をスタックトレイ80に搬送させる際に、シート束の後端を押す束押し部材60a,60aが突設されている。束排出ベルト60,60によって挟まれる領域内には、後処理トレイ30上の幅方向の異なる位置に整合部材41,42によって仕分け処理(オフセット処理)されるシートSの重心Cおよびステイプル処理されるシートS束の重心Cが存在するように幅方向に離間して束排出ベルト60,60が配置され、オフセット処理されるシートSの重心Cおよびステイプル処理されるシートS束の重心が幅方向に離間した異なる位置に束押し部材60a,60aが設けられている。
【0031】
20は後処理トレイユニットであり、画像形成装置300からのシートSを搬送する搬送部と、後処理トレイ30で後処理されたシートS束を受け取り収容するスタックトレイ80との間に配設される。
【0032】
そして、後処理トレイユニット20は、後処理トレイ30、整合手段40、戻しローラ50a,50b、束排出ベルト60を有して構成されている。
【0033】
後処理トレイ30は、図1に示すように、シート搬送方向下流側(図1の左側)を上方に、シート搬送方向上流側(図1の右側)を下方に傾斜して配設されており、下方の端部には後端ストッパ31が設けられている。
【0034】
搬送ローラ対9により排出されたシートSは自重および後述する戻しローラ50a,50bの作用によりシートSの後端が後端ストッパ31に当接するまで後処理トレイ30上を滑走する。
【0035】
また、束排出ベルト60,60は、モータ70からの駆動力を受けてシート搬送方向に後述する束押し部材60aを移動させることにより、後処理トレイ30上に積載されたシートS束をスタックトレイ80上に排出することになる。なお、本実施の形態では、1本の束排出ベルト60に等間隔に2個の束押し部材60aが設けられ、一方の束押し部材60aによってシート束Sをスタックトレイ80に搬送させた後に、この束押し部材60aは後端ストッパ31より後方のホームポジションに待機するように構成されている。
【0036】
次に、束排出ベルト60の機能・作用を図3ないし図5を用いて説明する。
【0037】
束排出ベルト60は束押し部材60aの転倒を防止する転倒防止つば61aが設けられた駆動側プーリ61と従動側プーリ62との間に張設されている。また、駆動側プーリ61はギア63、ワンウェイギア64、タイミングベルト59を介してモータ70に連結されており、ワンウェイギア64は、モータ70が時計回り方向に回転したときのみ、ギア63に駆動力を伝達する。
【0038】
また、束排出ベルト60,60には図4に示すように束押し部材60a,60aより旋回方向後方に所定の間隔離してアシスト部材としての積載補助板60b,60bが突設されている。この積載補助板60b,60bは、後処理トレイ30より搬送方向の長さが長いシートSが落下してしまうのを防止するもので、一方の束押し部材60a,60aがホームポジションに位置しているときは、これに対応した一方の積載補助板60b,60bがシート搬送方向下流側(図4の従動側プーリ62側)に突出して搬送ローラ対9から搬送されてくるシートSがスタックトレイ80に落下しないように受け止めている。この積載補助板60bは低摩擦部材としてのフッ素樹脂によって被覆されている。
【0039】
束排出ベルト60には、図4に示すように積載補助板60bの根元部60cが嵌合する突出部60dおよびスタックトレイ80上のシートSがスタックトレイ80の昇降などにより1枚捲れてシートSの弾性によって根元部60cと束排出ベルト60との間に入り込むのを防ぐ入り込み防止突起部60eが一体に突出されている。
【0040】
束押し部材60aをホームポジションに待機させるための位置検知機構は、図16および図17に示すように駆動側プーリ61の近傍に設けられている。
【0041】
すなわち、一方の束排出ベルト60の駆動側プーリ61の側方には、束押し部材60aの旋回経路中に一端側が臨出する回動部材としての回動レバー71が設けられている。そして、この回動レバー71の他端側には、フォトセンサなどのセンサ部材72が設けられ、回動レバー71の回動によってセンサ部材72が検知信号を送信するように構成されている。モータ70から伝達される回転力によって駆動側プーリ61を介して束排出ベルト60,60が旋回すると、束押しベルト60aと回動レバー71とが当接して回動レバー71によってセンサ部材72が検知信号を送信する。この検知信号は図18に示す制御手段としてのフィニッシャコントローラ回路73に送信される。フィニッシャコントローラ回路73はモータ70を制御して束押し部材60aと回動レバー71との当接が解除されるホームポジションにおいて束押し部材60aを一旦停止させ、この束押し部材60aより前方に位置している後端ストッパ31によって搬送ローラ対9から後処理トレイ30上に搬送されてくるシートSを受け止めさせる。そして、後処理トレイ30に所定枚数のシートSが積載されると、後端ストッパ31より後方のホームポジションに位置している束押し部材60a,60aが束排出ベルト60,60の旋回に伴ってシート束の後端を押し、このシート束をスタックトレイ80上に排出させる。なお、回動レバー71およびセンサ部材72によって位置検知手段を構成している。
【0042】
次に、整合手段40の構成について図3を用いて説明する。
【0043】
整合手段40は手前側と奥側の整合部材41,42がそれぞれ独立してシート搬送方向と直交する方向(幅方向)に整合処理およびオフセット処理をするために移動可能に構成されており、整合部材41,42は後処理トレイ30上に起立した状態でシートSの両側端に当接して規制する整合面41a,42aと、後処理トレイ30の幅方向に延びるラックギア41b,42bとを備えている。
【0044】
整合部材41,42は整合面41a,42aが後処理トレイ30の上部にラックギア41b,42bが後処理トレイ30の下部に配置されるように組み付けられている。
【0045】
そして、それぞれのラックギア41b,42bには別々のピニオンギア43,44が噛合しており、このピニオンギア43,44は図示しないギヤなどを介してそれぞれモータ45,46と連結されている。
【0046】
これにより、モータ45,46の正逆転でピニオンギア43,44が回転し、このピニオンギア43,44に各別に噛合するラックギア41b,42bが移動して整合部材41,42がシートSの幅方向に移動する。
【0047】
なお、それぞれの整合部材41,42にはホームポジションを検知するセンサ47,48が設けられており、通常、整合部材41,42はホームポジションに待機している。本実施の形態では、整合部材41,42のホームポジションは図3に示すように整合部材41が最手前側、整合部材42が最奥側に設定されている。
【0048】
次に、戻しローラ50a,50bの機能・作用を図3ないし図5を用いて説明する。
【0049】
戻しローラ50a,50bは図4に示すように半円に満たない扇形状をしており、戻しローラ軸51に対して揺動可能に固定されている。バネ52は後処理トレイ30上に積載されるシートSの積載量に応じて同じ引込力でシートSを後端ストッパ31に向けて引き込むように戻しローラ50a,50bのシートSに対する接触力を調整するものである。
【0050】
また、戻しローラ50a,50bは戻しローラ軸51に対して図3に示すようにシート幅方向に所定の間隔で取り付けられており、円弧形状の外周面にはシリコンゴムなどの摩擦部材53が装着されている。そして、戻しローラ軸51の取付位置によって摩擦部材53が装着されている戻しローラ50aと摩擦部材53が装着されていない戻しローラ50bとで構成されている。
【0051】
戻しローラ軸51は軸受54,55により前後側板に対して回転自在、かつ後処理トレイ30に積載されたシートSの厚み方向に移動自在に支持されており、軸受54,55には押圧バネ56,57が装着されている。これにより戻しローラ軸51はシートSの積載量に応じてシートSの厚み方向に移動する。すなわち、押圧バネ56,57は、後処理トレイ30上に積載されるシートSの積載量に対応したほぼ同じ押圧力により戻しローラ50a,50bがシートSを押圧するために設けられている。
【0052】
戻しローラ軸51はプーリ58a,58bおよびタイミングベルト59を介してモータ70の回転力が伝達されるように連結されており、モータ70からの駆動を受けると、戻しローラ50a,50bは戻しローラ軸51と一体的にこの戻しローラ軸51を中心にして図5の反時計回り方向に回動する。
【0053】
戻しローラ50a,50bのホームポジションは図5(a)に示すように搬送ローラ対9により後処理トレイ30上に排出されるシートSが当接することのない位置に設定されている。
【0054】
シートSが搬送ローラ対9から後処理トレイ30上に排出されると、図5(b)に示すように戻しローラ50a,50bはモータ70の駆動を受けて戻しローラ軸51を中心にして図5の反時計回り方向に1回転し、シートSを後端ストッパ31に当接するまで引き込む。
【0055】
万一、排出されたシートSが下ガイド6にもたれ掛かったときは、戻しローラ50a,50bの端部がシートS後端に引っ掛かり、シートS後端を掻き落としながら、戻しローラ軸51を中心にして図5の反時計回り方向に1回転し、後処理トレイ30上にシートSを確実に着地させ、後端ストッパ31に当接するまで引き込む。その後、戻しローラ50a,50bはホームポジションで停止し、次にシートSの排出に備える。
【0056】
戻しローラ50a,50bが最終シートSを後端ストッパ31に当接するまで引き込むと、モータ70の駆動を受け、束排出ベルト60は旋回して後処理トレイ30の傾斜にほぼ沿いながら図5(d)の矢印A方向(シート搬送方向)にシートS束を移動し、後処理トレイ30上で整合、ステイプルされたシートS束をスタックトレイ80上に排出する。
【0057】
次に、スタックトレイ80の構成について図6および図7を用いて説明する。
【0058】
スタックトレイ80にはサブトレイ79が内蔵されており、このサブトレイ79を図6に示す2点鎖線のように引き出すことによって、例えばA3,B4といった大きいサイズのシートSを積載することも可能となる。
【0059】
また、スタックトレイ80は図6に示すように両側がトレイ支板81,82で支持されており、トレイ支板81,82には各々タイミングベルト83,84の両端が取り付けられている。
【0060】
タイミングベルト83はプーリ85,86に、タイミングベルト84はプーリ87,88に架けられ、プーリ86,88は駆動ギア89が固定された駆動軸90に固定され、ギヤ列91を介して駆動モータ92に連結されている。
【0061】
トレイ支板81,82には各々コロ93,94がコロガイド95,96に対して回転自在に取り付けられており、駆動モータ92からの駆動を受けると、コロガイド95,96に沿って上下方向(図6のZ方向)に移動する。
【0062】
97はシート面高さ検知センサーであり、積載されたシート束の高さを検知し、後処理トレイ30に対するスタックトレイ80積載面の高さを所定量に調整を行う。
【0063】
98はシート後端押さえ部材であり、スタックトレイ80の昇降動作に連動してガイド面99から出没し、スタックトレイ80上に積載されたシートS束の後端部を押さえ、シートS束排出後のシート排出方向のずれを防止する。
【0064】
次に、図1および図8ないし図11を用いてフィニッシャ1における整合処理や仕分け処理などシートSの流れについて説明する。
【0065】
先ず、ユーザが画像形成装置300本体の図示しない操作部で、ノンソートモードを指定したときの動作について説明する。
【0066】
循環式原稿搬送装置305に原稿をセットし、図示しないスタートキーをオンすることにより、画像形成装置300においてシートSに画像が形成される。そして、フィニッシャ1の搬送ローラ対9が回転することにより、画像形成装置300の排出ローラ対399から出力されたシートSはフィニッシャ1に導かれることになる。
【0067】
そして、後処理トレイ30上に1枚もシートSがない場合、つまり後処理トレイ30上に最初のシートSが排出される際には、ホームポジションに待機していた手前および奥側の整合部材41,42は、図8に示すようにシートSの幅に対して若干逃げた位置にあらかじめ移動する。
【0068】
搬送ローラ対9によって搬送されたシートSは自重により後端ストッパ31へ移動し、加えてホームポジションに停止していた戻しローラ50a,50bはモータ70からの駆動力を受けて図1の反時計回り方向に回転し、前記シートSの後端ストッパ31方向への移動を補助する。
【0069】
シートSの後端が後端ストッパ31に確実に当接して停止すると、図9に示すように奥側の整合部材42は位置PS21で停止し、整合基準面としての役割を果たす。そして、手前側の整合部材41が位置PS12に移動することにより、シートSを第1整合位置に整合する。
【0070】
整合が完了した1部目のシートS束は束排出されてスタックトレイ80へ移送される。この場合、シートS束の重心Cが束押し部材60a,60aの領域内に存在しているので、シートS束は滑らかにスタックトレイ80に排出され、シートS束が斜行してしまうことはない。
【0071】
次に、ユーザがソートモードを指定したときの動作について説明する。
【0072】
循環式原稿搬送装置305に原稿をセットし、図示しない操作部上でソートモードを指定して、図示しないスタートキーをオンすることにより画像形成装置300においてシートSに画像が形成される。そして、フィニッシャ1の搬送ローラ対9が回転することにより、排出ローラ対399から出力されたシートSはフィニッシャ1に導かれ、搬送ローラ対9により後処理トレイ30上に積載されることになる。
【0073】
そして、後処理トレイ30上に1枚もシートSがない場合、つまり後処理トレイ30上に最初のシートSが排出される際には、ホームポジションに待機していた手前および奥側の整合部材41,42は、シートSの幅に対して若干逃げた位置にあらかじめ移動する。
【0074】
搬送ローラ対9によって搬送されたシートSは自重により後端ストッパ31へ移動し、加えてホームポジションで停止していた戻しローラ50はモータ70の駆動を受けて図1の反時計回り方向に回転し、前記シートSの後端ストッパ31方向への移動を補助する。
【0075】
シートSの後端が後端ストッパ31に確実に当接して停止すると、図9に示すように、奥側の整合部材42は停止し、手前側の整合部材41が移動し、シートSを第1整合位置に移動させて整合する。
【0076】
その後、手前側の整合部材41は次に排出されるシートSに備えて位置PS11に移動して待機し、シートSの排出が完了すると、再び位置PS12に移動してシートSを第1整合位置において整合する。このとき、奥側の整合部材42は位置PS21で停止し、整合基準面としての役割を果たす。以上の動作がそのシートS束の最終シートSまで続けられる。
【0077】
整合が完了した1部目のシートS束は前述のようにして束排出されてスタックトレイ80へ移送される。この場合、シートS束の重心が束押し部材60a,60aの領域内に存在しているので、シートS束は滑らかにスタックトレイ80に排出され、シートS束が斜行してしまうことはない。
【0078】
続いて2部目のシートS束が後処理トレイ30上へ排出されるが、このとき整合部材41,42は前述の1部目と同様に図8に示す位置PS11,PS21に待機するが、整合位置PS22は図10に示す第2整合位置に移動する。第2整合位置は前記第1整合位置に対して所定量Lc だけ手前側に位置する。
【0079】
以降、シートS束毎に整合位置を互い違いに変えながらスタックトレイ80上にシートS束の積載が行われ、オフセット量Lc の仕分け積載が可能となる。
【0080】
整合が完了した2部目のシートS束は前述のようにして束排出されてスタックトレイ80へ移送される。この場合、シートS束の重心Cが束押し部材60a,60bの領域内に存在しているので、シートS束は滑らかにスタックトレイ80に排出され、シートS束が斜行してしまうことはない。
【0081】
次に、ユーザがステイプルソートモードを指定したときの動作について説明する。
【0082】
循環式原稿搬送装置305に原稿をセットし、図示しないスタートキーをオンすることにより画像形成装置300においてシートSに画像が形成される。そして、フィニッシャ1の搬送ローラ対9が回転することにより、排出ローラ対399から出力されたシートSはフィニッシャ1に導かれ、搬送ローラ対9により後処理トレイ30上に積載されることになる。
【0083】
搬送ローラ対9によって搬送されたシートSは自重により後端ストッパ31へ移動し、加えてホームポジションに停止していた戻しローラ50a,50bはモータ70の駆動を受けて図1の反時計回り方向に回転し、前記シートSの後端ストッパ31方向への移動を補助する。
【0084】
シートSの後端が後端ストッパ31に確実に当接して停止すると、整合部材41はホームポジションで停止し、整合部材42が後端ストッパ31上に排出されたシートSをステイプル位置まで搬送する(図11)。
【0085】
そして、シートS束の1部目のシートSがすべて後処理トレイ30上に排出されて整合されると、ステイプルユニット10がシートS束をステイプル処理する。後処理トレイ30上のシートS束は、束排出ベルト60によってスタックトレイ80上に束排出される。この場合も、シートS束の重心が束押し部材60a,60aの領域内に存在しているおり、したがってシートS束は滑らかにスタックトレイ80に排出され、シートS束が斜行してしまうことはない。
【0086】
また、ステイプルユニット10によってシート束にステイプル処理を行っている際に、針カートリッジ12に針がなくなり補給する必要が生じたり、針カートリッジ12に針が引っ掛かって(針ジャム)しまったりした場合、ロックアーム2を回動してホールド部材3との係合を解除し、フィニッシャ1本体が取り付けられている外側レール部4aを内側レール部4bに対してスライドさせて画像形成装置300本体とフィニッシャ1本体との接合を離間させる。これによりフィニッシャ1本体の接合面が露出して針補給口13が現れるので、針の補給や針カートリッジ12に引っ掛かった針を容易に取り除くことができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、積載手段上に積載されたシート束を綴じ処理するステイプルユニットの針補給口を処理装置本体の画像形成装置本体に対する接合面に設け、画像形成装置本体に対して処理装置本体を離間させることで前記針補給口を露出可能とすることにより、ステイプルユニットの針補給口を開放する専用の扉を設ける必要をなくした。
【0088】
また、専用の扉を設けることなく、針補給や針ジャムの除去を広い面積を必要とせずにシート搬送方向の手前側から容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート処理装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係るシート処理装置の後処理トレイ上に設けられた整合部材の移動機構を示す平面図である。
【図4】同上のシート処理装置において、戻しローラおよび束押しを抽出して示す概略構成図である。
【図5】(a)〜(d)は同上のシート処理装置において、戻しローラおよび束押しベルトを抽出して示す動作説明図である。
【図6】同上のシート処理装置におけるスタックトレイの移動機構を示す断面図である。
【図7】図6の矢印B方向から見た図である。
【図8】同上のシート処理装置において、ノンソートモード時およびソートモード時の整合部材の待機位置を示す平面図である。
【図9】同上のシート処理装置において、ノンソートモード時およびソートモード時の整合部材の第1整合位置を示す平面図である。
【図10】同上のシート処理装置において、ノンソートモード時およびソートモード時の整合部材の第2整合位置を示す平面図である。
【図11】同上のシート処理装置において、ステイプルソートモード時の整合部材の動作を説明する図である。
【図12】同上のシート処理装置のスライドユニットを分解した状態を示す斜視図である。
【図13】(a)(b)は同じくスライドユニットを画像形成装置本体に取り付ける状態を説明する図である。
【図14】同上のシート処理装置の画像形成装置本体との接合面を示す斜視図である。
【図15】同上のシート処理装置の接合面側に設けられた針補給口を拡大して示す図である。
【図16】同上のシート処理装置に設けられた位置検知機構を示す断面図である。
【図17】同じく位置検知機構を示す平面図である。
【図18】同上のシート処理装置の束押し部材をホームポジションに待機させる制御ブロック図である。
【符号の説明】
1 シート処理装置(フィニッシャ)
10 ステイプルユニット
13 針補給口
30 積載手段(後処理トレイ)
300 画像形成装置
Claims (5)
- 画像形成装置本体によって画像形成されたシートが積載される積載手段と、前記積載手段上のシート束を綴じ処理するステイプルユニットと、を備えたシート処理装置において、
処理装置本体を前記画像形成装置本体に対して接離自在にスライドさせるスライドユニットと、
前記処理装置本体の前記画像形成装置本体に対する接合面に設けられた前記ステイプルユニットの針補給口と、を有し、
前記スライドユニットにより前記処理装置本体を前記画像形成装置本体に対して離間させることで前記針補給口を露出させるようにした、
ことを特徴とするシート処理装置。 - 前記処理装置本体は、画像形成装置本体に対してシートを搬送する方向に進退自在にスライドする、
ことを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。 - 前記積載手段上に積載されたシートを整合する整合部材を設け、
前記整合部材によって整合されたシート束を前記ステイプルユニットで針綴じする、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシート処理装置。 - 前記ステイプルユニットは、前記処理装置本体の奥側に配置されている、
ことを特徴とする請求項3記載のシート処理装置。 - シートに画像形成する画像形成手段と、前記画像形成手段から搬送された前記シートを積載して整合、仕分けおよび綴じなどの処理を行う請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート処理装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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