JP4099691B2 - 冷菓製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトクリームやシェーク等の冷菓を製造する冷菓製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷菓製造装置の一例を図2および図3に示した。図2は冷菓製造装置の原料タンク・フリーザ胴および冷媒配管系統(冷凍サイクル)を示す図である。
図において、1は冷菓原料24を冷却して冷菓25とするフリーザ胴であり、8は冷菓原料24を貯蔵するとともにフリーザ胴1に冷菓原料24を供給する原料タンクである。原料タンク8はフリーザ胴1の上方に設けられたキャブレータチューブ9を介して、冷菓原料が連通するようになっている。このキャブレータチューブ9は、図3に示すように、内管9aが回動可能に挿入された2重管構造となっており、その上端は原料タンク8内の最大液面より高い位置で大気に開放されている。なお、キャブレータチューブ9には孔10が設けられ、この孔10と同一レベルの内管9aには、円周方向に位置をずらした大穴9bおよび小穴9cが設けられている。
【0003】
原料タンク8の周囲には伝熱管21が巻かれ、フリーザ胴1の周囲にはジャケット3が設けられている。フリーザ胴1の内部には撹拌機2が配設されており、この撹拌機2はフリーザ胴1外部に設置された電動機7から回転軸4を介して駆動力が伝達されるようになっている。フリーザ胴1には、その一端開口を閉塞するフリーザ蓋23が設けられており、フリーザ蓋23にはレバー11が設けられている。フリーザ蓋23には通孔31が設けられており、レバー11と連動するプランジャー14によって閉塞、開放されるようになっている。
【0004】
伝熱管21およびジャケット3には圧縮機15によって送出された冷媒が内部に流動されることにより、冷菓原料24および冷菓25を冷却するようになっており、冷媒流動経路には、四方弁16、凝縮器17、膨張弁20、膨張弁22が設けられている。なお、これら圧縮機15、四方弁16、凝縮器17、膨張弁20,22、伝熱管21およびジャケット3を冷媒流動経路となる配管で接続することにより、冷媒が状態変化を繰り返しながら循環する冷凍サイクルを構成している。
また、装置全体は不図示の制御装置によって制御されるようになっている。
【0005】
この冷菓製造装置は、以下のように使用される。まず冷却運転に先立って原料タンク8内に冷菓原料24を充填する。冷菓原料24は、キャブレータチューブ9に設けられた孔10およびキャブレータチューブ9内を通ってフリーザ胴1内にも充填されるが、内管9a側の大穴9bまたは小穴9cを冷菓原料24の液面高さに応じて選択切り換えすることで、孔10の径が可変とされている。すなわち、冷菓原料24の液面が低い場合には孔10と同じ径の大穴9bを選択し(図3(a)参照)、液面が高い場合には孔10より径の小さい小穴9cを選択して(図3(b)参照)、冷菓原料24のヘッド差に対応した流量調整を可能にしている。
また、キャブレータチューブ9の上端から空気が導入され、冷菓原料24とともにフリーザ胴1内へ供給される。なお、図中のARは空気が存在するスペースとなる空気室であり、フリーザ胴1内の液面がキャブレータチューブ9の下端まで上昇した時点で、冷菓原料24および空気の供給は停止される。
【0006】
次に冷却運転を行う。制御装置によって電動機7および圧縮機15が作動されると、圧縮機15から吐出配管41へ冷媒ガスが吐出される。冷媒ガスは図の実線矢印で示すように、吐出配管41を経て凝縮器17に入り、凝縮器17内部の伝熱管18内を流過する冷却水に放熱することによって凝縮液化する。この液冷媒はその後2つに分岐し、その一方は膨張弁20で絞られることによって断熱膨張し、その後伝熱管21内を流過する過程で蒸発気化することによってその蒸発潜熱により冷却タンク8内の冷菓原料24を冷却する。他方の液冷媒は膨張弁22で絞られることによって断熱膨張した後、ジャケット3内で蒸発気化することによってその蒸発潜熱によりフリーザ胴1内の冷菓原料24を冷却する。
【0007】
伝熱管21内で蒸発した冷媒ガスおよびジャケット3内で蒸発した冷媒ガスは合流し、吸入配管40を経て圧縮機15に吸入された後、上記の過程(冷凍サイクル)を繰り返す。この間、撹拌機2は電動機7により回転軸4を介して駆動され、フリーザ胴1内の液状の冷菓原料24を撹拌する。上記冷却運転を暫時継続すると、フリーザ胴1内の冷菓原料24が凍結しつつ微細な空気を含有し、ソフトクリーム等、クリーム状の冷菓25となる。
以後この冷却運転の停止、起動を繰り返すことによって、冷菓25が所定の固さになるよう温度制御する。具体的な温度は、冷菓がソフトクリームである場合約−6℃(冷菓がシェークの場合は約−2℃)とし、かつ原料タンク8内の冷菓原料24が10℃以下になるよう維持する。
【0008】
そして一定時間ごとに電動機7を起動して撹拌機2を駆動させ、冷菓25を撹拌する。
冷菓25を取り出すにはレバー11を下方に引く。レバー11と連動して作動するプランジャー14が上方に移動し、これに伴って取出しスイッチ13が閉路するとともに通孔31が開となる。するとフリーザ胴1内の冷菓25が通孔31を経て取出し口33から取出される。取出しスイッチ13が閉路している間および開路後所定時間(例えば50秒)、圧縮機15および電動機7が運転を継続し、しかる後に停止する。
【0009】
こうして冷菓25が取出されると、フリーザ胴1内において冷菓原料24が冷菓25側に補充され、結果的に空気室ARの液面が低下してキャブレータチューブ9の下端を開口させる。このため、再度冷菓原料24の液面が上昇してキャブレータチューブ9の下端開口が塞がれるまで、冷菓原料24および空気の補充が行われることになる。なお、キャブレータチューブ9の下端が開口すると、同チューブ9内に存在する冷菓原料24が優先的に落下して空気室ARを大気と連通状態にするので、これにより空気も補充されることとなる。
【0010】
また、冷菓25の取出しを長時間中止する場合には、原料タンク8およびフリーザ胴1を10℃以下の保冷状態とするが、これに先立って原料タンク8内の冷菓原料24およびフリーザ胴1内の冷菓原料24および冷菓25を加熱殺菌する加熱殺菌運転が行われる。
加熱殺菌運転時、圧縮機15から吐出された高温・高圧の冷媒ガスは、図2の破線矢印で示すように四方弁16を経た後2つに分岐し、一方は伝熱管21を流過する過程で原料タンク8内の冷菓原料24を加熱するとともに凝縮液化し、その後、膨張弁20で絞られることにより断熱膨張する。他方はジャケット3内に入り、ここでフリーザ胴1内の冷菓原料24および冷菓25を加熱殺菌するとともに凝縮液化し、その後、膨張弁22で絞られることにより断熱膨張する。これら膨張弁20および膨張弁22を流過した冷媒は合流して凝縮器17に入り、ここで伝熱管18内を流過する冷却水から吸熱することによって蒸発気化し、その後四方弁16を経て圧縮機15に吸込まれる。
なお、加熱殺菌運転時のように冷菓25の取出しがない場合には、図3(c)に示すように、キャブレータチューブ9の孔10は内管9aの壁面によって閉じられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の冷菓製造装置においては、原料タンク8内の冷菓原料24が冷菓製造に伴って液面変化(液面低下)するため、孔10から供給される冷菓原料24の流量もヘッド差の影響を受けて変化する。このため、液面上昇に要する時間は一定にならず、冷菓原料24と空気との比率が変化して不安定なものとなるので、最終的には空気の比率変動を受けて冷菓25の食感(品質)が不安定になるという問題がある。
【0012】
このような問題の解決策として、従来は手動により内管9aを回転操作し、孔10と位置合わせする穴径を大穴9bまたは小穴9cから選択切換するように構成されていた。すなわち、冷菓原料24の流量をほぼ一定に調整することで、大気圧下での空気充填時間をほぼ一定にして、両者の比率を安定させるものであった。
しかしながら、このような従来の解決策は、手動操作であるため面倒であり、特に、連続して冷菓25を取出すような状況では切換操作の実施を忘れやすいものであった。また、選択可能な穴径も2種類しかないため、きめ細かい調整はできず、仮に選択可能な穴径の数を増やしたとしても、きめ細かな調整は可能になる反面操作が益々煩雑になるという問題が生じてくる。
そして、上述したような穴径の切換操作時期を適切に判断できるようになるには熟練を要するため、だれもが容易に操作可能で一定の品質の冷菓を製造することができる冷菓製造装置の開発が望まれていた。
【0013】
上記事情に鑑み、本発明においては、フリーザ胴内に供給される冷菓原料および空気の量を自動的に安定させることにより、操作が容易で冷菓の品質を一定に保つことのできる冷菓製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の冷菓製造装置は、冷菓原料が収容された原料タンクと、該原料タンクと連通し空気と共に供給された前記冷菓原料が冷媒により冷却されて冷菓とされるフリーザ胴と、前記フリーザ胴内の冷菓原料を撹拌する撹拌手段と、前記フリーザ胴に冷媒を供給する冷凍サイクルとを具備してなる冷菓製造装置において、前記原料タンクと前記フリーザ胴との間を連通し制御弁を備えた冷菓原料専用の供給通路と、前記フリーザ胴内に空気を供給する空気通路と、前記フリーザ胴から冷菓を取り出す出口弁の開閉時間検出手段と、前記原料タンクに設けた冷菓原料の液面検出手段とを具備し、前記出口弁の開時間を前記液面検出手段の検出値をもとに補正した時間だけ前記制御弁を開き、前記供給通路を流れる冷菓原料の供給量を制御するように構成したことを特徴とするものである。
【0015】
このような本発明の冷菓製造装置によれば、冷菓原料および空気のそれぞれに専用の通路を設け、できあがった冷菓を取り出す出口弁の開時間に応じて定まる時間だけ制御弁を開いて冷菓原料を供給(補給)するようにしたので、フリーザ胴内における冷菓原料と空気との比率が安定し、一定の食感(品質)を容易に維持することができる。
このとき、出口弁の開時間を液面検出手段の検出値をもとに補正した時間だけ制御弁を開くので、冷菓原料の液面変化に応じて生じる流量変化を補正要素に加えることができるので、より正確で安定した供給量の制御が可能となる。
【0016】
また、冷菓製造装置においては、前記制御弁を前記原料タンクの底面より下方に配設するのが好ましく、これにより、原料タンク内の液面が下がった場合であっても冷菓原料の供給量を制御することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷菓製造装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1において、符号の1は冷菓原料24を冷却して冷菓25とするフリーザ胴であり、8は冷菓原料24を貯蔵するとともにフリーザ胴1に冷菓原料24を供給する原料タンクである。
原料タンク8は、フリーザ胴1の上方に設けられている。そして、この原料タンク8を貫通して空気通路となるキャブレータチューブ50が設けられるとともに、原料タンク8の底面とフリーザ胴1との間を接続して冷菓原料24を供給する冷菓原料専用の供給通路51が設けられている。また、供給通路51の下端部近傍には、開閉時間の制御が可能な制御弁52を設けてある。なお、この制御弁52としては、たとえば電磁弁やエアシリンダ弁などのように、遠隔からの開閉操作が可能な弁を用いる。
【0018】
さらに、図示の実施形態では、原料タンク8に冷菓原料24の液面を検出する液面検出手段53を設けてある。この液面検出手段53は、その検出信号を不図示の制御装置に出力して、原料タンク8内の液面変化を検出するようになっている。なお、この液面検出手段53としては、たとえばフロートスイッチやレベルスイッチなどを使用でき、連続的な液面検出や多段階の液面検出が可能なものほど好ましい。
【0019】
原料タンク8の周囲には伝熱管21が巻かれ、フリーザ胴1の周囲にはジャケット3が設けられている。フリーザ胴1の内部には撹拌機2が配設されており、この撹拌機2はフリーザ胴1の外部に設置された電動機7から回転軸4を介して駆動力が伝達されるようになっている。フリーザ胴1には、その一端開口を閉塞するフリーザ蓋23が設けられており、フリーザ蓋23にはレバー11が設けられている。フリーザ蓋23にはフリーザ胴1の内側と外側とを連通する通孔31が設けられており、レバー11と連動するプランジャー(出口弁)14によって通孔31が閉塞、開放されるようになっている。なお、図中の符号13はレバー11の操作に連動してプランジャー14の開閉状態を検出する取出しスイッチであり、これを不図示の制御装置に接続して開閉時間に変換することで、プランジャー14の開閉時間を検出する開閉時間検出手段が構成される。
【0020】
伝熱管21およびジャケット3には、ガス冷媒を圧縮して送出する圧縮機15によって内部に冷媒が流動されることにより、冷菓原料24または冷菓25を冷却するようになっている。
冷媒流動経路は従来と同様の冷凍サイクルを構成するもので、伝熱管21およびジャケット3から圧縮機15に冷媒を戻す冷媒管34と、圧縮機15から伝熱管21およびジャケット3に冷媒を送る冷媒管35とを備えている。冷媒管34と冷媒管35とは、四方弁16を介して圧縮機15と連結されている。四方弁16と圧縮機15とは、吸入配管40及び吐出配管41により接続されている。また、冷媒管35には圧縮機15から送出された高温高圧のガス冷媒を冷却する凝縮器17が介装されている。さらに、冷媒管35は下流側が伝熱管21側およびジャケット3側の冷媒管35a、35bに分岐しており、それぞれ凝縮器17から吐出した高温高圧の液冷媒を減圧・膨張させる膨張弁(膨張手段)20,22が介装されている。
なお、上述した取出しスイッチ13,制御弁52及び液面検出手段53を含めた装置全体は、不図示の制御装置によって制御されるようになっている。
【0021】
この冷菓製造装置は、以下のように使用される。まず冷却運転に先立って原料タンク8内に冷菓原料24を充填する。冷菓原料24は、制御弁52を開とした供給通路51を通ってフリーザ胴1内にも充填される。また、これと同時に、上端が冷菓原料24の最高液面より高い位置に開口するキャブレータチューブ50からフリーザ胴1内に大気圧の空気が導入され、液面上部には空気室ARが形成される。なお、フリーザ胴1内への空気導入は、キャブレータチューブ50の下端開口が液面により閉じられた時点で終了する。
【0022】
次に冷却運転を行う。制御装置によって電動機7および圧縮機15が作動されると、圧縮機15から吐出配管41へ冷媒ガスが吐出される。冷媒ガスは図1の実線矢印で示すように、吐出配管41から四方弁16,冷媒管35を通って凝縮器17に入り、凝縮器17内部の伝熱管18内を流過する冷却水に放熱することでさらに温度が低下する。この液冷媒は冷媒管35aおよび35bの2つに分岐し、その一方は膨張弁20で絞られることによって断熱膨張し、その後伝熱管21内を流過する過程で蒸発気化することによってその蒸発潜熱により冷却タンク8内の冷菓原料24を保冷する。他方の液冷媒は膨張弁22で絞られることによって断熱膨張した後、ジャケット3内で蒸発気化することによってその蒸発潜熱によりフリーザ胴1内の冷菓原料24または冷菓25を冷却する。
【0023】
伝熱管21内およびジャケット3内で蒸発した冷媒ガスは冷媒管34において合流して吸入配管40を経て圧縮機15に吸入され上記過程を繰り返す。この間撹拌機2は電動機7により回転軸4を介して駆動されてフリーザ胴1内の冷菓原料24を撹拌する。上記冷却運転を暫時継続すると、フリーザ胴1内の冷菓原料24が凍結して冷菓25となる。
以後この冷却運転の停止、起動を繰り返すことによって冷菓25が所定の固さになるよう温度制御する。具体的には温度は冷菓がソフトクリームである場合約−6℃(冷菓がシェークの場合は約−2℃)とし、かつ原料タンク8内の冷菓原料24が10℃以下になるよう維持する。
【0024】
そして一定時間ごとに電動機7を起動して撹拌機2を駆動させ、冷菓25を撹拌する。
冷菓25を取り出すにはレバー11を下方に引く。レバー11と連動して作動するプランジャー14が上方に移動し、これに伴って取出しスイッチ13が閉路するとともに通孔31が開となる。するとフリーザ胴1内の冷菓25が通孔31を経て取出し口33から取出される。取出しスイッチ13が閉路している間および開路後所定時間(例えば50秒)、圧縮機15および電動機7が運転を継続し、しかる後に停止する。
【0025】
こうして冷菓25が取出されると、空気室ARの下方に存在する冷菓原料24が撹拌機2側へ補給され、その分だけ液面が低下する。しかし、取出しスイッチ13が検出したレバー11の開操作時間、すなわちプランジャー14の開時間に応じて定まる時間だけ制御弁52を開いて、原料タンク8から供給通路51を経て冷菓原料24が供給される。ここで、制御弁52を開く時間は、たとえば実際に取出された冷菓25を製造するのに用いられた冷菓原料24と同量を補給する時間とし、従って、凍結しつつ微細な空気を含有する冷菓が取出された時間である取出しスイッチ13の検出時間と、液体である冷菓原料24を供給する制御弁52の開時間とは異なるものとなる。また、両時間には、通孔31や取出し口33の径など冷菓25側の条件と、供給通路51の径など冷菓原料24側の条件とによりほぼ一定した相関関係があるので、冷菓25の取出し時間にこれを反映させて得た時間だけ制御弁52を開とすればよい。
【0026】
また、原料タンク8の冷菓原料24は、冷菓25の取出しを継続することでフリーザ胴1に補給され、その液面が低下する。このような液面低下は、同一径の供給通路51を通過する冷菓原料24の流量に影響を与えるので、液面検出手段53の検出値をもとに制御弁52の開時間を補正するのが好ましい。
すなわち、原料タンク8内の液面が高い場合程ヘッド差により流量が大となるので、制御弁52の開時間を短縮する方向に補正してやればよく、これによってより正確な制御が可能となる。
なお、制御弁52は、供給通路51のできるだけ低い(フリーザ胴1に近い)位置に配設するのが好ましく、このようにすれば、原料タンク8内の冷菓原料8の液面が低下しても最後まで制御が可能である。
【0027】
また、冷菓25の取出しを長時間中止する場合には、原料タンク8およびフリーザ胴1を10℃以下の保冷状態とするが、これに先立って原料タンク8内の冷菓原料24およびフリーザ胴1内の冷菓原料24および冷菓25を加熱殺菌する加熱殺菌運転が行われる。
加熱殺菌運転時、圧縮機15から吐出された高温・高圧の冷媒ガスは、図の破線矢印で示すように四方弁16から冷媒管34に導入される。その後2つに分岐し、一方は伝熱管21を流過する過程で原料タンク8内の冷菓原料24を加熱するとともに凝縮液化し、その後、冷媒管35aに介装されている膨張弁20で絞られることにより断熱膨張する。他方はジャケット3内に入り、ここでフリーザ胴1内の冷菓原料24および冷菓25を加熱殺菌するとともに凝縮液化し、その後、冷媒管35bに介装されている膨張弁22で絞られることにより断熱膨張する。これら膨張弁20および膨張弁22を流過した冷媒は合流して凝縮器17に入り、ここで伝熱管18内を流過する冷却水から吸熱することによって蒸発気化し、その後四方弁16を経て圧縮機15に吸込まれる。
【0028】
以上のように、本発明の冷菓製造装置においては、冷菓原料24および空気にそれぞれ専用の通路を設け、冷菓25として取出した時間に応じて制御弁52を開き、フリーザ胴1に冷菓原料24および空気を供給するようにしたので、冷菓原料24と空気との割合が安定して一定の品質(食感)の冷菓25を容易に製造できる。また、液面検出手段53の検出値を反映させて補正すれば、より一層正確な制御が可能となる。
そして、このような制御は、人手に頼ることなく全て自動的に行われるので、従来装置のように操作に熟練を必要としたり、操作を忘れるといったことがなくなって、誰にでも使いやすくて一定品質を保証できる冷菓製造装置となる。
【0029】
ところで、上述した実施形態においては、全体をコンパクトにできることから原料タンク8を貫通させてキャブレータチューブ50を設けたが、これに限定されるものではない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる冷菓製造装置によれば、フリーザ胴内の冷菓原料と空気との割合が常に安定したものとなるよう制御でき、従って、冷菓の品質を良好で一定の状態に保つことができる。また、このような制御は自動的に行われるので、操作に特別な熟練を必要とせず、誰もが一定の品質の冷菓を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる冷菓製造装置の一実施形態を示す断面図および配管系統を示す図である。
【図2】 従来の菓子製造装置の断面図および配管系統を示す図である。
【図3】 図2におけるキャブレータチューブ及び孔の周辺を拡大して示した図であり、(a)は孔と大穴とを一致させた状態、(b)は孔と小穴とを一致させた状態、(c)は孔を閉じた状態を示している。
【符号の説明】
1 フリーザ胴
8 原料タンク
13 取出しスイッチ(出口弁の開閉時間検出手段)
14 プランジャー(出口弁)
15 圧縮機
17 凝縮器
20,22 膨張弁(膨張手段)
24 冷菓原料
25 冷菓
50 キャブレータチューブ(空気通路)
51 供給通路
52 制御弁
53 液面検出手段
Claims (2)
- 冷菓原料が収容された原料タンクと、該原料タンクと連通し空気と共に供給された前記冷菓原料が冷媒により冷却されて冷菓とされるフリーザ胴と、前記フリーザ胴内の冷菓原料を撹拌する撹拌手段と、前記フリーザ胴に冷媒を供給する冷凍サイクルとを具備してなる冷菓製造装置において、
前記原料タンクと前記フリーザ胴との間を連通し制御弁を備えた冷菓原料専用の供給通路と、前記フリーザ胴内に空気を供給する空気通路と、前記フリーザ胴から冷菓を取り出す出口弁の開閉時間検出手段と、前記原料タンクに設けた冷菓原料の液面検出手段とを具備し、
前記出口弁の開時間を前記液面検出手段の検出値をもとに補正した時間だけ前記制御弁を開き、前記供給通路を流れる冷菓原料の供給量を制御するように構成したことを特徴とする冷菓製造装置。 - 前記制御弁を前記原料タンクの底面より下方に配設したことを特徴とする請求項1に記載の冷菓製造装置。
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