JP2006280245A - 冷菓製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フリーザ胴1内で順次固化するミックス24の固形分とミックス24及び空気とを撹拌・混合しながら練り上げる撹拌機2の回転数を可変制御するオーバーラン調整部51を設けた。
【選択図】図1
Description
この場合、ミックスの追加供給には、キャブレータチューブと呼ばれる筒状部品が使用される。すなわち、冷却シリンダ内のキャブレータチューブ下端面に開口するミックス出口がミックス液面内にある場合、液封によりミックスの追加供給が停止される。しかし、冷菓の取出等によりミックス液面がキャブレータチューブ下端面より下がった場合には、ミックス出口の液封が解除されるため、ミックス及び空気の追加供給が可能となる。
また、各種運転の作業効率と良好な食感とを高いレベルで両立するため、撹拌機に回転速度可変手段としてインバータ制御部を設けた冷菓製造装置が提案されている。(たとえば、特許文献2参照)
しかし、キャブレータ式の冷菓製造装置においては、たとえば仕込み運転時のように液体のミックスを撹拌しながら冷却する場合、流動性の高いミックスが撹拌により波立って大きな液面変動を生じやすいため、キャブレータチューブの下端に開口するミックス出口の液封は、不必要であるにもかかわらず解除されてしまうことがある。この結果、ミックス量が適正量より増加し、空気量の不足により適正なオーバーランを得られない冷菓となることが懸念される。
このような撹拌による液面変動は、冷却シリンダ内に混在するミックス(液体)と冷菓(固体)との割合によって大きく変動するため、従来のキャブレータ式の冷菓製造装置でオーバーランを適切に調整することは困難であった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、撹拌による液面変動に起因するオーバーランの変化を防止し、常に適正なオーバーランを維持して良好な食感の冷菓を製造することができる冷菓製造装置を提供することにある。
本発明に係る冷菓製造装置は、筒状容器内の液体原料を空気とともに撹拌・混合しながら冷却して冷菓を製造するキャブレータ式の冷菓製造装置であって、
前記筒状容器内で順次固化する前記液体原料の固形分と前記液体原料及び空気とを撹拌・混合しながら練り上げる撹拌・混合手段の回転数を可変制御するオーバーラン調整手段を設けたことを特徴とするものである。
この場合、前記液体原料の供給量は、前記液体原料を前記筒状容器に供給する貯蔵容器内の液面変化により検出されることが好ましく、これにより、液面変化が所定値以上に大きい場合は液体原料の供給量が多いと判断し、撹拌・混合手段の回転数を上げて空気の取込量を増加させる。反対に、液面変化が所定値より小さい場合は液体原料の供給量が少ないと判断し、撹拌・混合手段の回転数を下げて空気の取込量を減少させればよい。
また、上記の冷菓製造装置において、前記オーバーラン調整手段がインバータ制御により回転数を変化させることが好ましく、これにより、回転数制御を容易に実施することができる。
図1は、冷菓製造装置の原料タンク・フリーザ胴及び冷媒配管系統(冷凍サイクル)を示す図で、1は液体原料(ミックス)24を冷却して冷菓25とするフリーザ胴(筒状容器)、8はミックス24を貯蔵するとともにフリーザ胴1にミックス24を供給する原料タンク(貯蔵容器)である。原料タンク8はフリーザ胴1の上方に設けられ、キャブレータチューブ9を介して連通するフリーザ胴1にミックス24を供給可能とされる。原料タンク8には、ミックス24の貯蔵量(液面)を検出するため液面センサ12が設けられている。なお、液面センサ12の検出値は、後述する制御部50に入力される。
フリーザ胴1には、その一端開口を閉塞するフリーザ蓋23が設けられており、フリーザ蓋23には冷菓取り出し操作用のレバー11が設けられている。フリーザ蓋23には通孔31が設けられており、レバー11と連動するプランジャー14によって閉塞または開放されるようになっている。
また、冷媒の流動経路には、四方弁16、凝縮器17、膨張弁20,22が設けられている。なお、これら四方弁16、凝縮器17、膨張弁20,22、伝熱管21及びジャケット3を冷媒の流動経路となる配管で接続することにより、冷媒が状態変化を繰り返して循環する冷凍サイクルが構成される。
そこで、撹拌機2の回転数を上げて空気のミックスへの取込量を増加させ、フリーザ胴1内のミックス24に空気量を補充して所望のオーバーランが得られるようにミックス24及び空気の混入割合を修正する。
また、撹拌機2の回転数を上げることは、その撹拌エリア内に導入された空気をミックス内に取り込むことを促進する効果もある。
このため、バランスするまで、キャブレータチューブ内のミックスがフリーザ胴へ流入するが、キャブレータチューブ内のミックス量でバランスしなければタンクからキャブレータチューブを介してフリーザ胴にミックスが供給される。この場合、キャブレータチューブを介して大気中の空気もフリーザ胴へ入り(補給され)、最終的に圧力バランスすることになる。その結果、タンクのミックス液面やフリーザ胴後部のミックス液面も決定される。この圧力バランスは、次回取出時等により液封が解除された段階で解除され、ミックスと空気がフリーザ胴内に導入されて通常状態に戻る。
すなわち、液面センサ12の検出値から原料タンク8内に貯蔵されているミックス24の液面変化を検知し、その液面変化が所定値以上に大きい場合には、フリーザ胴1に供給されたミックス24の供給量が適正値よりも多いと判断することができる。このため、フリーザ胴1内で撹拌・混合されるミックス24及び空気は、空気量が不足してオーバーランを小さくする状況にあると推測されるので、インバータ制御により電動機7の回転数を上げ、撹拌機2の回転数を通常よりも高くして空気の取込量を増加させる。この結果、空気量の不足が補充されるので、フリーザ胴1内で撹拌・混合されるミックス24及び空気の割合が適正な値に戻ってオーバーランも適正値となる。
すなわち、撹拌機2を回転させて撹拌・混合を行う場合には、冷菓25やミックス24の固形分と比較すると、液体であるミックス24の混合割合が大きいほど粘度が低く流動性の高い被撹拌物質となるため、撹拌機2は小さなトルクで回転でき、従って、電動機7の負荷も小さくなる。
この液面変化率が所定値以上に大きい場合は、冷菓取出による液体原料の正常な補充がなされていると判断できるので、撹拌機2の回転数を変化させることなく通常運転時の所定値に維持して冷菓を製造する。しかし、液面変化率が所定値より小さい場合は、液面変動によりミックス24が少しずつ流入しているものと判断することができるので、撹拌機2の回転数を通常運転時の所定値よりも上げて空気の取込量を増加させ、ミックス24の増量に見合った空気量を補充することができる。この結果、空気量の不足が補充されるので、フリーザ胴1内で撹拌・混合されるミックス24及び空気の割合が適正な値に戻ってオーバーランも適正値となる。
なお、ミックス24の充填及び空気の導入は、キャブレータチューブ9の下端開口が液面により閉じられて液封された時点で終了する。
こうして冷菓25が取り出されると、ミックス24及び空気がフリーザ胴1側へ補給され、その分だけ原料タンク8内のミックス24の液面が低下する。従って、フリーザ胴1内には、原料タンク8及び大気からキャブレータチューブ9を経て、ミックス24及び空気が補給される。
加熱殺菌運転時、圧縮機15から吐出された高温・高圧の冷媒ガスは、図1に破線矢印で示すように、四方弁16から冷媒管34に導入される。この後、冷媒ガスは2つの流路に分岐し、一方は伝熱管21を流過する過程で原料タンク8内のミックス24を加熱するとともに凝縮液化し、その後、冷媒管35aに介装されている膨張弁20で絞られることにより断熱膨張する。他方はジャケット3内に入り、ここでフリーザ胴1内のミックス24及び冷菓25を加熱殺菌するとともに凝縮液化し、その後、冷媒管35bに介装されている膨張弁22で絞られることにより断熱膨張する。これら膨張弁20及び膨張弁22を流過した冷媒は合流して凝縮器17に入り、ここで伝熱管18内を流過する冷却水から吸熱することによって蒸発気化し、その後四方弁16を経て圧縮機15に吸込まれる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 撹拌機(撹拌・混合手段)
7 電動機
8 原料タンク
9 キャブレータチューブ
9a 出口開口
12 液面センサ
15 圧縮機
16 四方弁
24 液体原料(ミックス)
25 冷菓
50 制御部
51 オーバーラン調整部(オーバーラン調整手段)
Claims (7)
- 筒状容器内の液体原料を空気とともに撹拌・混合しながら冷却して冷菓を製造するキャブレータ式の冷菓製造装置であって、
前記筒状容器内で順次固化する前記液体原料の固形分と前記液体原料及び空気とを撹拌・混合しながら練り上げる撹拌・混合手段の回転数を可変制御するオーバーラン調整手段を設けたことを特徴とする冷菓製造装置。 - 前記オーバーラン調整手段が、前記液体原料の供給量に応じて前記撹拌・混合手段の回転数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の冷菓製造装置。
- 前記液体原料の供給量が、前記液体原料を前記筒状容器に供給する貯蔵容器内の液面変化により検出されることを特徴とする請求項2に記載の冷菓製造装置。
- 前記オーバーラン調整手段が、前記撹拌・混合手段の負荷に応じて回転数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の冷菓製造装置。
- 前記オーバーラン調整手段が、運転モードに応じて前記撹拌・混合手段の回転数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の冷菓製造装置。
- 前記オーバーラン調整手段が、前記液体原料を前記筒状容器に供給する貯蔵容器内の液面変化率に応じて前記撹拌・混合手段の回転数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の冷菓製造装置。
- 前記オーバーラン調整手段がインバータ制御により回転数を変化させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の冷菓製造装置。
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2005
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