JP4099433B2 - ゲームシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゲームシステムに関し、特に、複数台の端末装置同志の相対的な位置関係または相対的な移動方向を取り入れたゲームを行うことができるゲームシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
GPS等から取得した位置情報を利用してゲームを行うことができるゲーム装置としては、特開2002−273052号の「位置検出装置を用いたゲーム装置及び記憶媒体」が既に開示されている。
【0003】
この文献に開示されているゲーム装置は、GPSやPHSのシステムを利用して取得したゲーム装置の位置情報から、ゲーム装置の移動方角や移動距離を算出することができる。プレーヤーがこのゲーム装置を持って移動すると、リアルタイムに算出されたゲーム装置の移動方角、移動距離、現在位置等の移動状況が、一定の条件を満たすかどうかに応じて、プレーヤーのゲーム装置に様々なアドバイス情報が表示される。
【0004】
このような構成により、プレーヤーの現在位置に基づいてアイテムを出現させるロールプレイングゲームや、プレーヤーの現実の移動方角に応じて運勢を占う占いゲームを可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のゲーム装置では、プレーヤーの実際の移動状況とゲームとを結びつけることにより、新たな遊び方のゲームを実現するものであるが、1人のプレーヤーが行うゲームには、自分自身の移動状況のみが反映されるものであるため、1つのゲームに複数のプレーヤー全員の移動状況を反映しつつ、プレーヤー同志で協力し合って遊ぶことはできない。
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、複数の端末手段の相対的な位置関係または相対的な移動方向に応じて端末手段に指示を送信するゲームシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、請求項1記載の発明は、ネットワークを介して行うゲームシステムであって、自身の絶対位置を検出する機能と送受信機能とを有する、少なくとも2つの端末手段と、端末手段がネットワークを介して接続されるシステムサーバーとを備え、システムサーバーは、端末手段の各々同志における特定の位置関係を記憶する記憶手段と、端末手段の各々によって検出された各々の絶対位置を取得する取得手段と、取得された絶対位置の各々に基づいて、端末手段の各々の位置関係を算出する算出手段と、算出された位置関係と記憶された特定の位置関係との一致を判定する判定手段と、判定手段による一致の判定に応答して、端末手段の各々に所定の指示を送信する指示手段とからなり、特定の位置関係は、端末手段が2つにあっては、端末手段の各々の絶対位置により定まる距離情報よりなり、端末手段が3つ以上にあっては、端末手段の各々の絶対位置により定まる距離情報と、平面視において、所定の1点を中心とした端末手段の各々の配置情報よりなり、記憶手段は、更に、端末手段が特定の位置関係を保持した状態で、一定時間の間、所定方向への移動を示す特定の移動情報を記憶し、取得手段は、更に、端末手段の各々の絶対位置の時間的変化から各々の移動情報を取得し、判定手段は、更に、取得された移動情報と特定の移動情報との一致を判定するものである。
【0008】
このように構成すると、2以上の端末手段の相対的な位置関係が所定の位置関係と一致したとき、端末手段の各々に所定の指示が送信される。又、端末手段同志の位置関係は、端末手段が2つの時は距離で特定され、端末手段が3つ以上の時は距離と平面視における端末手段の配置とで特定される。更に、端末手段の各々が特定の位置関係を保持したまま、更に所定の移動量を移動したかどうかが判定される。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、2以上の端末手段の相対的な位置関係が所定の位置関係と一致したとき、端末手段の各々に所定の指示が送信されるため、複数台の端末装置の相対的な位置関係を同時に反映したゲームを実現することが可能となる。又、端末手段同志の位置関係は、端末手段が2つの時は距離で特定され、端末手段が3つ以上の時は距離と平面視における端末手段の配置とで特定されるため、端末装置の数やゲームを行う場所の条件にかかわらず、位置関係を一意に決定することが可能となる。更に、端末手段の各々が特定の位置関係を保持したまま、更に所定の移動量を移動したかどうかが判定されるため、複数人が協力しつつ移動することを更に必要とするゲームを実現することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムの概略構成を示したブロック図である。
【0023】
図を参照して、この実施の形態におけるゲームシステムでは、端末手段であるゲーム装置9a〜9cが通信網2を介してシステムサーバー5と接続されている。ここでは、3台のゲーム装置を示しているが、2以上であれば何台でも良い。ゲーム装置9a〜9cはそれぞれ、操作部10a〜10cと表示部11a〜11cとを備え、複数のGPS衛星1からの電波を受信して自身の位置を検出する機能と、通信網2を介してシステムサーバー5や他のゲーム装置と通信を行う機能とを有している。また、システムサーバー5は、位置情報記憶手段6、方向情報記憶手段7及び指示記憶手段8を備えている。位置情報記憶手段6は、ゲーム装置9a〜9cが構成すべき位置関係を記憶する手段であり、方向情報記憶手段7は、ゲーム装置9a〜9cが移動すべき方向の相対関係を記憶する手段である。システムサーバー5は、ゲーム装置9a〜9cの実際の位置情報を処理して、位置情報記憶手段6または方向情報記憶手段7から選択された特定の位置情報または方向情報を満たしているかどうかを判断し、満たしていると判断した場合には、指示記憶手段8に記憶されている指示をゲーム装置9a〜9cへと送信する機能を備えている。以下、このゲームシステムの詳細について、ゲームの進行に沿って説明する。
【0024】
図2は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ゲーム装置の表示部に表示されるログイン画面の一例を示した図である。
【0025】
図を参照して、プレーヤーがゲームを行う際には、ユーザ名及びパスワードを入力してから、「ログインする」を選択する。図の例は、プレーヤーAのゲーム装置の表示部11aを示したものであり、プレーヤーAが「ログインする」を選択すると、システムサーバーで所定の認証処理等を行った後、プレーヤーAのゲーム装置がシステムに接続される。
【0026】
図3は、図2で「ログインする」を選択した際にゲーム装置上に表示されるゲーム選択画面の一例を示した図である。
【0027】
図を参照して、ゲーム選択画面では、参加するゲームを選択するためのゲーム参加欄と新規ゲーム作成欄とが表示されている。ログインしたプレーヤーは、ゲーム参加欄のレベルや他の参加プレーヤー、残り(参加可能)人数を参照して、自分がプレイしたいゲームが見つかった場合は、そのゲームにカーソルを合わせて選択する。ゲーム参加欄に表示されているゲームの中で、参加したいゲームが見つからない場合や、予め決めたメンバーだけでゲームを行いたい場合等は、新規ゲーム作成欄で好みのステージ、レベル、人数を指定してゲームを作成することもできる。このゲームは複数のプレーヤーが協力して行うものであるため、1人だけでは遊ぶことができないが、このような参加方法を採用すると、予めメンバーが定まっていない場合でも、他のプレーヤーと組んでいつでもゲームを行うことが可能である。
【0028】
図の例では、図2でログインしたプレーヤーAが、ゲーム参加欄のゲームNo.2を選択している。このゲームNo.2のゲームは、既にプレーヤーB及びCが参加しており、残り1人のプレーヤーの参加を待っている状態である。プレーヤーAがこのゲームNo.2を選択すると、このゲームの定員が満たされ、プレーヤーA、B、Cでゲームが開始されることになる。
【0029】
図4は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ログイン時に自動的にグループを割り当てたり、ゲームのメンバーを募集する場合の例を示した図である。この図における左側部分は、丸印で表示したプレーヤーA〜Iの実際の位置関係を示し、右側部分は、プレーヤーAのゲーム装置の表示部11aを示している。
【0030】
プレーヤーは図3で示したように、任意のゲームを選択あるいは作成することができるが、ゲーム参加の他の例として、所定の条件に基づいてシステムサーバーにより自動的にゲームやグループが振り分けられたり、一定の条件を満たす他のプレーヤーをゲームに誘うことができるように構成しても良い。例えば、ゲーム装置の位置検出機能を利用して、図4の(1)に示すように、破線で示した所定範囲内に含まれるプレーヤーの中で、予めシステムサーバーに記憶されている位置関係(この例では菱形)を構成するプレーヤーA、B、C、Dを自動的にピックアップし、これらのプレーヤー同志でゲームを行うようにしても良い。また、図4の(2)に示すように、破線で示した所定範囲内に含まれるプレーヤーの中で、予めシステムサーバーに記憶されている位置関係(この例では直線上)に位置し、かつ、プレーヤーAと同方向に移動しているプレーヤーB及びCに対して、ゲームへの勧誘のメッセージを送信することができるように構成しても良い。このような方法でゲームに参加できるようにすると、偶然かつ突然にゲームのメンバーに選ばれることがあるためゲーム参加時の興奮度が増したり、ゲームを通じて不特定のプレーヤーと交流することができるなどの追加的な効果が期待できる。
【0031】
上記の図3や図4で示した方法、または、それ以外の方法によって、ゲーム装置を持ったプレーヤーが少なくとも2人以上揃った状態となればゲームが開始されるが、最初に、この実施の形態におけるゲームシステムで遊ぶことができるゲームの大まかな流れについて説明する。このゲームシステムのゲームは2段階から構成され、複数のプレーヤーが協力して所定の位置関係をつくる第1段階と、第1段階の完了に応答してシステムサーバーからゲーム装置に送信される指示を実行する第2段階とからなる。この2つの段階を続けて行って、1つのゲームのクリアとなる。尚、この第1段階では、複数のプレーヤーが所定の位置関係を構成するゲームの代わりに、後述するように、プレーヤーの移動方向の各々が所定の相対関係を満たすように要求するゲームとすることも可能である。また、第2段階においてシステムサーバーから送信される指示は、必ずしもプレーヤーに対する課題に限られず、第1段階の完了に応答して得点を加算する指示やゲームを終了させる指示等でも良い。
【0032】
図5は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、ゲーム装置の構成すべき位置関係を指示する画面の一例を示した図である。
【0033】
図を参照して、プレーヤーAのゲーム装置の表示部11aには、プレーヤーA、B、Cがそれぞれ移動して構成すべき位置関係として三角形が示され、更に、各プレーヤーが構成すべき三角形の頂点の位置が示されている。各プレーヤーは、ゲームの第1段階として、各自ゲーム装置を持って移動し、この三角形の位置関係を構成する。図の表示部11aでは、ゲーム装置の所持者であるプレーヤーAの目標の頂点の位置が、例えば赤色で強調表示され、自分が向かう位置がわかりやすく表示されている。また、プレーヤーB及びCのゲーム装置の表示部上でも同様に、プレーヤーB及びCの目標位置がそれぞれ同様に強調して表示される。各プレーヤーは、構成すべき位置関係と自分の目標位置とを把握した上で、「ゲームスタート」を選択する。全プレーヤーが「ゲームスタート」を選択した時点でゲームが開始され、各プレーヤーは移動を開始する。
【0034】
図6は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ゲーム開始後の各プレーヤーの実際の移動の様子と、ゲーム画面の一例とを対応づけて示した図である。また、図7は、図6に続く部分であって、プレーヤーの所定の位置関係が完成するまでの過程を示した図である。これらの図の左側部分は、丸印で表示したプレーヤーA〜Cの実際の位置関係を示し、右側部分は、左側部分の位置関係のときにプレーヤーAの表示部11aに表示されるゲーム画面を示している。
【0035】
まず、図6の(1)を参照して、ゲーム開始時点では、プレーヤーA〜Cは任意の1カ所に集まっており、これをスタート地点SPとする。破線で示した三角形は、プレーヤーA〜Cが構成すべき三角形の位置関係(図5で指示されたもの)を、仮にスタート地点SPを基準として設定した目標の位置を示している。また、この破線の三角形の頂点P〜Pはそれぞれ、プレーヤーA〜Cが仮に設定した目標の到達地点である。各プレーヤーは、スタート地点SPから、目標に設定した頂点P〜Pを目指してそれぞれ矢印の方向へと移動する。
【0036】
このとき、プレーヤーAの表示部11aには、プレーヤーAから見た全員の相対位置が表示されている。表示部11a上は、プレーヤーA自身は三角形で表示され、他のプレーヤーは四角形で表示されている。プレーヤーA自身を表示する三角形には、自身の位置を中心として、他のプレーヤーとの距離と方角との目安を把握できるようにスケール15が表示されている。また、プレーヤーA自身を表示する三角形の近傍には、目的の方向を指示するガイド14が表示され、プレーヤーAはこのガイド14の示す方向へと移動することによって、目標地点に近づくことが可能である。ただし、このゲームでは、プレーヤー同志で一定の相対的な位置関係が構成されれば良いため、このガイド14は単なる目安に過ぎず、必ずしもガイド14が示す方向が常にプレーヤーの目標地点を意味するものではない。また、ゲームの難易度に応じてガイド14を表示しないようにしても良い。表示部11aの上部には、ゲーム開始後の経過時間を示すタイマー13が表示され、下部には、ゲームの進行状況を示すメッセージウィンドウ12が表示されている。
【0037】
次に、図6の(2)を参照して、各プレーヤーは、到達目標として設定した破線の三角形の頂点P〜Pを目指して移動したところ、まだいずれのプレーヤーも頂点P〜Pには到達していないが、プレーヤーAの表示部11aに示すように、プレーヤーBとCとの距離が、目標の三角形において構成すべき距離と一致していることが報知されている。図の例では、メッセージウィンドウ12にその旨が表示されていると共に、プレーヤーB及びCを表示する四角形が、例えば青色に点滅して強調表示されている。また、他のプレーヤーのゲーム装置にもそれぞれ同様の表示がされ、全員が他のプレーヤーの状況を把握することができる。
【0038】
この状態から、プレーヤーA〜Cが、プレーヤーB及びCの位置関係を有効に活用して、プレーヤーAとプレーヤーB及びCとの相対的な位置を変更すれば良い。そこで、プレーヤーA〜Cは、なるべく効率よく目標の三角形を構成するために、ゲーム開始時に設定した目標の位置(破線で示した三角形)から、二点鎖線で示した三角形の位置へと目標地点を修正する。そして、この状態からまずプレーヤーAB間の距離を目標の距離と一致させ、その後にプレーヤーAC間の距離も一致させるように移動を試みる。この図は、この方針に基づいて、プレーヤーAはプレーヤーBとの距離を目標と一致させるためにプレーヤーBから遠ざかるように矢印の方向に移動し、プレーヤーBはプレーヤーAをサポートするために、プレーヤーCとの距離を保持しつつプレーヤーAから遠ざかるように矢印の方向に移動を開始した状態を示している。
【0039】
次に、図7の(1)を参照して、図の左側部分の破線で示した三角形は、プレーヤーA〜Cがこの時点で目標としている三角形である。上記のように、プレーヤーBC間の距離を保った状態で、プレーヤーA及びBが移動した結果、プレーヤーAB間の距離が目標の三角形で構成すべき距離Lと等しくなっている。このとき、プレーヤーAの表示部11aには、メッセージウィンドウ12にプレーヤーBとの距離が目標の距離に達したことが表示されると共に、プレーヤーAを表示する三角形が、例えば点滅して表示される。
【0040】
この状態からプレーヤーA〜Cが目標の三角形を構成するためには、プレーヤーAC間の距離が目標の距離と一致するように移動すれば良いだけである。そこで、プレーヤーAは、ゲーム装置の表示部11aで点滅等の強調表示が維持されていること、即ち、プレーヤーAB間の距離が維持されていることを確認しながら、プレーヤーCから遠ざかるように矢印の方向へと移動する。また、プレーヤーB及びCも同様に、互いの距離を維持しつつプレーヤーAと逆の矢印の方向へと移動する。
【0041】
そして、図7の(2)に示すように、プレーヤーA〜Cの位置関係が、目標の三角形と一致すると、プレーヤーAの表示部11aに示すように、全員の相対的な位置関係が指示と一致した旨が表示されると共に、各プレーヤーの表示は、例えば緑色に点滅して強調表示される。このとき、図の左側部分に示すように、プレーヤーA〜Cが目標の三角形を構成した位置は、スタート地点SPを基準として比較すると、図5の(1)で示したゲーム開始直後に目標に設定した三角形の位置とは異なっている。このように、ゲーム装置を所持した各プレーヤーが刻々と移動しても、このゲームでは、プレーヤーの相対的な位置関係が特定の位置関係と一致するかどうかを判断することが可能である。
【0042】
図8は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、プレーヤーの位置関係が所定の位置関係と一致した場合に表示される指示画面の一例を示した図である。
【0043】
図を参照して、プレーヤーA〜Cがこのゲームの2つの段階のうち第1段階、即ち、目標の位置関係を構成すると、このゲームの第2段階である指示が、システムサーバーから各ゲーム装置へと送信される。この指示の内容はどのようなものでも良く、例えば、プレーヤーが選択した第1段階のゲームの難易度やプレーヤーの人数、現在地等の所定のパラメータに基づいた課題を各ゲーム装置に送信するものが考えられる。ただし、ここで送信される指示は、必ずしもプレーヤーに対する課題等に限られず、第1段階の結果に基づいて得点を加算したり、何らかの情報をゲーム装置に送信するといったものでも良い。
【0044】
図の例では、プレーヤーA〜Cが構成した三角形と、ゲーム装置の位置検出機能とを利用したゲームを指示した例を示している。この指示内容は、システム内では指示記憶手段に記憶されているものを、システムサーバーが各ゲーム装置に送信したものである。各プレーヤーには、それぞれが構成した三角形と目標のポイントとの位置関係と、目標のポイントが城であるという情報とが与えられている。これをヒントにして、各プレーヤーは目標のポイントを探して到達すると共に、途中になるべく多くの橋を通過することを要求されている。システムサーバーは、各プレーヤーの現在位置と地図情報とからプレーヤーが指示通りに移動した場合にポイントを加算し、全員が指示ポイントに到着した時点でゲームは終了する。
【0045】
このように、このゲームシステムのゲームは、複数のゲーム装置の位置が同時に反映され、プレーヤー同志でコミュニケーションを図りながら協力して遊ぶことのできるゲームを実現することが可能となる。
【0046】
図9は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて難易度がより高いゲームの一例を示した図である。この図においても、図の左側部分は実際のプレーヤーの移動状況を示し、右側部分はプレーヤーAのゲーム装置の表示部11aを示している。
【0047】
図9の(1)を参照して、ゲーム開始時点において、プレーヤーA〜Cは、破線で示した三角形の位置関係を構成するために、それぞれ目標として設定した頂点P〜Pに向かおうとする。ところが、当初目標として設定した三角形の配置では、頂点Pはビル21に遮られるためプレーヤーAは容易に到達することができない。また、頂点Pは池20の中に位置することになるため、プレーヤーCも容易に到達することができない。そこで、プレーヤーA〜Cは、目標の三角形の向きを変更して、変更後の頂点の位置を目指そうとする。
【0048】
図9の(2)を参照して、二点鎖線で示した三角形は、プレーヤーA〜Cがビル21及び池20を避けた位置で新たに目標として設定した三角形の位置を示している。この二点鎖線の三角形の頂点PA2〜PC2を目指して、プレーヤーA〜Cはそれぞれ矢印の方向へと移動する。
【0049】
そして、図9の(3)を参照して、各プレーヤーが二点鎖線の三角形の頂点の位置に到達して目標の三角形を構成すると、表示部11aに示すように、プレーヤーの相対的な位置関係が指示された位置関係と一致した旨が表示される。そして、この位置関係の一致に基づいて、システムサーバーから各プレーヤーのゲーム装置に図8の例で示したような何らかの指示が送信され、このゲームの第2段階が開始する。
【0050】
このように、このゲームでも各プレーヤーの絶対的な位置とは関係なく、プレーヤー同志の相対的な位置関係のみが判断される。したがって、ゲーム開始時のスタート地点SPに対する各プレーヤーの配置や、ゲームを行う場所にかかわらず、プレーヤーは任意の位置で目標の位置関係を構成することができる。
【0051】
ここで、システム内において各ゲーム装置の相対的な位置関係を判断する方法について説明する。
【0052】
図10は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、位置関係のうちプレーヤー同志の距離の一致を判断する方法を示した図である。また、図11は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、位置関係のうち平面視上の配置の一致を判断する方法を示した図である。これらの図において、左側に示した位置情報31は、システムサーバー内部で記憶され、ゲーム装置の位置関係と比較される位置情報であり、図の右側部分は、ゲーム装置の実際の位置関係を示している。
【0053】
システムサーバーの位置情報記憶手段に記憶されている位置情報は、ゲーム装置同志の距離情報と、平面視における所定の1点からの各ゲーム装置の配置情報とからなる。ゲーム開始前には、この位置情報を元に構成すべき位置関係を指示し、ゲーム開始後は、実際のゲーム装置同志の距離と配置とを算出して位置情報と比較することにより、指示通りの位置関係が構成されているかどうかを判断する。
【0054】
まず、図10の(1)を参照して、位置情報31により規定される三角形の頂点T〜Tはゲーム装置A〜Cが構成すべき位置であり、三角形Tの各辺の長さa、b、cがゲーム装置同志が取るべき距離情報として設定されている。ゲーム開始直後は、各ゲーム装置は図の右側部分に示すような位置関係を構成している。この各ゲーム装置によって検出された絶対位置から、ゲーム装置同志の距離の各々、即ち、ゲーム装置A〜Cが構成する破線の三角形ABCの各辺の長さを求め、それぞれの辺の長さと、三角形Tの対応する辺の長さ(距離情報)とを順次比較する。
【0055】
次に、図10の(2)を参照して、ゲーム装置A〜Cは、図10の(1)に示した状態からそれぞれ移動して、図の右側部分に示した配置にある。同様に、各ゲーム装置の現在の絶対位置から三角形ABCの各辺の長さを求め、三角形Tの対応する辺の長さと比較する。このとき、実際のゲーム装置BC間の距離(辺BC)は、三角形Tの辺Tの長さaと等しくなったため、システムサーバーでは、ゲーム装置B及びCが所定の距離と等しくなったと判定する。表示部上では、上述したようにゲーム装置B及びCの距離が位置情報と一致した旨が報知される。
【0056】
そして、図10の(3)に示すように、ゲーム装置A〜Cが構成する三角形ABCの三辺が全て位置情報31で規定される距離情報a〜cと等しくなったとき、ゲーム装置A〜Cが構成する位置関係は、三角形ABCと、三角形ABCと対称な三角形Aとの2種類にまで限定される。対称な三角形Aは、位置情報31の三角形Tとは、ゲーム装置の配置が異なるため、各ゲーム装置が位置情報31と一致しているかどうかを厳密に判断するには、三角形ABCと対称な三角形Aとを区別する必要がある。そこで、2種類の三角形にまで限定された場合は、対称な三角形Aを除外するために、各ゲーム装置の平面視上の配置が位置情報31における配置情報と同一かどうかを更に調べる。
【0057】
図11の(1)を参照して、位置情報31のうちの配置情報は、所定の1点から見た各ゲーム装置の平面視上の配置が数値として記憶されている。図の例では、左側部分に示すように、位置情報31に規定される三角形Tを内部の点Tから時計回り方向に見た場合の各プレーヤーの順序T−T−Tが配置情報として記憶されている。システムサーバーでは、各ゲーム装置が実際に構成している位置関係において、同様の方法で各ゲーム装置の順序を算出し、記憶された配置情報との一致を判定する。
【0058】
ここで、三角形ABCについて、その内部の点Oから時計回り方向の各ゲーム装置の順序を調べると、A−B−Cとなり、ゲーム装置の位置情報31の配置情報T−T−Tと一致する。よって、ゲーム装置A〜Cが図のような三角形ABCを構成したときは、位置情報31との一致の判断がされることになる。一方、対称な三角形Aについては、その内部の点Oから見た各ゲーム装置の順序は、A−C−Bであり、位置情報31の順序T−T−Tとは同一ではない。よって、各プレーヤー同志の位置関係が距離情報のみを満たした場合であっても、三角形Aのような対称な三角形の場合は、記憶された位置情報との一致が判断されることはない。
【0059】
図12は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、位置関係の一致の判断方法を、4台のゲーム装置の位置関係の判断に適用した例を示した図である。この図においても、左側部分にはシステムサーバーに記憶されている位置情報31を示し、右側部分には4台のゲーム装置A〜Dの実際の配置を示している。
【0060】
ゲーム装置が4台以上の場合は、位置情報31を複数の三角形に分割し、この三角形について順に図10及び11で示した方法を適用して、位置関係の一致の判断を行う。
【0061】
図12の(1)を参照して、位置情報31は四角形Tであるので、これらを三角形Tと三角形Tとに分割し、それぞれについて位置関係が一致しているかどうかを判定する。
【0062】
まず、三角形Tと、これに対応するゲーム装置で構成される三角形ABCとを比較して、三角形ABCの三辺の長さが、三角形Tの対応する辺の長さと一致しているかどうかを判定する。三辺が全て一致している場合は、各ゲーム装置の配置が三角形Tの内部の点TO1から時計回りに見た順序T−T−Tと同一かどうかを判定する。
【0063】
次に、図12の(2)に示すように、同様の方法で三角形ACDと三角形Tについて、距離情報である三辺の長さと配置情報である内部の点TO2から時計回りに見た順序とを比較し、ゲーム装置A、C、Dが三角形Tの位置関係を満たしているかどうかを判定する。
【0064】
そして、図12の(3)に示すように、まだ比較をしていないゲーム装置同志の距離BDが同一の三角形に含まれるように四角形Tを再分割し、同様にしてゲーム装置A、B、Dが三角形Tの位置関係を満たすかどうかを判定する。
【0065】
このように、ゲーム装置が3台以上の場合は、目標の位置関係を三角形に分割して、分割した三角形毎にゲーム装置同志の距離と平面視上の配置との一致を調べることにより、ゲーム装置の相対的な位置関係と位置情報との一致を判断することが可能となる。尚、ゲーム装置が2台の場合は、位置情報のうちの配置情報は必ずしも必要なく、図10で示したように、ゲーム装置間の距離が所定の距離と一致したかどうかを調べるだけで良い。
【0066】
図13は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、各プレーヤーが所定の位置関係を維持した状態で所定方向に移動するゲームの例を示した図である。この図においても、左側部分には、プレーヤーの実際の移動状況を示し、右側にはプレーヤーAのゲーム装置の表示部11aを示している。
【0067】
まず、図13の(1)を参照して、左側部分の実線で示した三角形は、プレーヤーA〜Cの現在の位置関係を示し、破線で示した三角形は、目標の移動先の位置を示している。プレーヤーは上記の図5、図6及び図9と同様に、まず実線の三角形の位置関係を構成するゲームを行う。先の例では指示された位置関係を構成すれば、2段階構成のゲームのうち第1段階はクリアとなっていたが、このゲームでは位置関係を維持したまま、更に、指示される方向へと所定時間移動すればクリアとなる。
【0068】
各プレーヤーが実線の位置関係を構成した時点で、プレーヤーAの表示部11aに示すように、各プレーヤーが構成する三角形が破線で示す位置へと移動していることが表示され、表示部上の三角形の移動を追跡して各プレーヤーも移動し、破線の位置で同じ位置関係を構成するように指示される。表示部11aでは、プレーヤーA〜Cの位置関係が指示された位置情報と一致した状態においては、表示部11a上の各プレーヤーの表示は点滅し、移動中に当初構成した位置関係が成立しなくなると、該当するプレーヤーの点滅が停止するように表示される。各プレーヤーは、この点滅の状態を見ながら移動して、点滅が消えて当初構成した相対的な位置関係をなるべく維持したままガイド14で示される方向を目安に移動する。
【0069】
次に、図13の(2)を参照して、図の左側部分の二点鎖線で示した三角形は、破線で示した位置から更に移動する先の位置を示している。ここでも、各プレーヤーは、表示部11aに示すような、移動先での位置関係(破線の三角形)とガイド14で指示される方向との情報を目安に、同様に移動する。
【0070】
そして、図13の(3)を参照して、プレーヤーA〜Cは、表示部11aの上部に表示されたタイマー13の残り時間が0になるまで所定時間移動すると、プレーヤーの移動状況と指示された移動との一致が判断され、一致した場合には、このゲームの第1段階が終了する。その後は、先の例と同様に、システムサーバーから各ゲーム装置へと指示が送信される。
【0071】
この例は、例えば、移動中に位置関係を維持することができた時間に比例してボーナス得点を加算したり、図5等で示した位置関係を構成する第1段階のゲームの後に偶然発生するボーナスゲームとして遊ぶことができるようにすれば、ゲームの面白さが向上する。
【0072】
このようなゲームを実現するために、システム内には、位置情報に加えて更に、移動情報が記憶されている。移動情報は、例えば、各ゲーム装置が移動すべき方角と、その方角に移動を継続する時間とから構成する。システムは、更に、各ゲーム装置の絶対位置の時間的変化を算出する手段を更に備えると共に、算出された時間的変化と記憶された移動情報の方角及び時間と比較し、移動情報と一致しているかどうか判断することができる。そして、移動情報の一致の判断に基づいて、ボーナス得点を加算するような追加的な処理を行ったり、位置情報と移動情報との両方の一致の判断に基づいて、このゲームの第2段階である指示を送信するようにゲームシステム及びゲームを構成することが可能となる。
【0073】
図14は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、各プレーヤーの移動方向同志の相対関係を指示する画面の一例を示した図である。
【0074】
この例は、このゲームの第1段階において、上記の位置関係を構成するゲームの代わりに行うものであり、各ゲーム装置の移動方向が所定の相対関係を満たすように同時に移動することを要求するものである。
【0075】
図を参照して、この画面はゲームを選択(図3)したときに表示されるものであり、表示部11a上ではゲームに参加しているプレーヤーの各々が移動すべき方向の相対関係が矢印で示されている。このゲームでは、各プレーヤーは必ずしも表示部11aの矢印で示されている方向へ移動しなくとも、各々のプレーヤーの移動方向同志の相対的な関係が、表示部11aで示された矢印の方向同志の相対関係と一致するかどうかが判断される。例えば、図において、プレーヤーBにはほぼ右向きの矢印が示され、プレーヤーCにはほぼ左向きの矢印が示されているが、実際の移動では、プレーヤーBが画面上で上方へ移動し、プレーヤーCが画面上で下方へと移動した場合でも、移動方向同志の相対的な関係が指示と同一である限り、プレーヤーBとCとの相対的な移動方向は一致したと判断される。この指示内容を把握した上で、全員が「ゲームスタート」を選択するとゲームが開始する。
【0076】
図15は、この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ゲーム中における各プレーヤーの実際の移動の過程と、ゲーム装置の表示とを対応づけて示した図である。この図の左側部分はプレーヤーの実際の移動状況を示し、右側部分はプレーヤーAのゲーム装置の表示部11aを示している。
【0077】
プレーヤーA〜Cは、ゲーム開始時点では、移動方向同志の相対的な関係について、即ち、他のプレーヤーの移動方向に対して自分が移動すべきおよその方向について、図14に示した指示画面においてある程度は把握しているが、実際にゲームが要求する移動方向同志の相対関係は、移動しながら様々に試行錯誤して探索する。この例では、説明上、プレーヤーA〜Cは、なるべく効率的に3人の移動方向の相対的な関係が発見できるように、プレーヤーAの移動方向を基準に設定し、プレーヤーAに対する他の2人のプレーヤーの移動方向の関係を探索するという方針でゲームを行うものとする。このようなゲームの作戦は遊び方の一例に過ぎず、実際のプレイ時の状況に応じて、プレーヤー同志で任意に遊び方を決めることができるものであって、この発明のゲームシステムに必要なものではない。
【0078】
まず、図15の(1)を参照して、図の左側部分において、丸印の表示は実際の各プレーヤーの位置であり、実線はゲーム開始直後の位置を示し、破線及び二点鎖線は移動中の位置を示している。また、破線の矢印は各プレーヤーの移動方向を示しており、二点鎖線で示した目標の移動方向32b及び32cはそれぞれ、プレーヤーAの移動方向に対してプレーヤーB及びプレーヤーCが移動すべき方向を示している。
【0079】
ここでは上記の作戦の通り、プレーヤーAを基準としてプレーヤーBの移動すべき方向を探索するため、まず、プレーヤーAは図の上方へと一方向にのみ移動する。これに対して、プレーヤーBは指示画面(図14)で把握したプレーヤーAとのおよその関係から自分が移動すべき方向を推定して、破線で示した方向へと移動する。また、プレーヤーCは、プレーヤーAとBとの関係が発見できるまで待機している。このとき、プレーヤーAの移動方向に対してプレーヤーBは目標の移動方向32bへと移動すれば移動方向の相対関係が指示された関係と一致するところ、プレーヤーBの移動方向は目標とずれているため、各プレーヤーのゲーム装置の表示部にはプレーヤーAとBとの関係については何ら表示されない。そこで、プレーヤーBは移動方向を修正して破線の位置から二点鎖線の位置へ向かって移動する。すると、プレーヤーBの移動方向はプレーヤーAの移動方向に対する目標の移動方向32bと同方向となり、プレーヤーAとBの移動方向の相対関係が指示と一致する。図の右側部分に示すように、表示部11a上ではプレーヤーAとBとの移動方向の一致がメッセージウィンドウ12に表示されると共に、プレーヤーA及びBの表示が、例えば青で点滅して強調表示される。
【0080】
次に、図15の(2)を参照して、プレーヤーA及びBは、指示された移動方向の相対関係を発見したので、今度はプレーヤーBが一旦待機して、プレーヤーAとCとの移動方向の相対関係を同様に探索する。プレーヤーAは、ゲーム開始前の作戦に基づいて、依然として同方向、即ち、図における上方へと移動する。プレーヤーCは、プレーヤーAとBとの関係が発見できるまで待機していたので、まだスタート地点SPにいるが、ここから指示画面(図14)の内容を元に見当をつけた方向へと、矢印の方向へ移動する。同様に試行錯誤して、プレーヤーCの移動方向がプレーヤーAの移動方向に対する目標の移動方向32cと同方向になると、表示部11aにはプレーヤーAとCとの移動方向が指示と一致した旨が表示される。
【0081】
そして、図15の(3)を参照して、今度は指示された移動方向の相対関係を満たすために、3人で同時に移動する。プレーヤーAは依然として同方向に移動し、それに対して、プレーヤーB及びCがそれぞれプレーヤーAとの関係を発見した方向へと同時に移動する。すると、全員の移動方向の相対的な関係が、図14で指示された移動方向の相対的な関係と一致する。その後、システムサーバーは、この一致の判断に基づいて、先の例と同様に各ゲーム装置へと何らかの指示を送信する。
【0082】
ここで、このようなプレーヤーの移動方向同志の相対的な関係の判断方法について説明する。
【0083】
図16は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、プレーヤーの移動方向の相対関係を判断するための方法を示した図である。この図の左側部分は、システムサーバーに記憶されている方向情報を模式的に示し、右側部分に、各プレーヤーの実際の移動方向を示している。
【0084】
図16の(1)を参照して、左側部分における矢印D〜Dはそれぞれ、プレーヤーA〜Cの移動方向の相対関係を示している。この移動方向同志の相対関係は、これらの矢印D〜Dの各々同志が構成する角度α〜γからなる方向情報33として記憶されており、これらの角度α〜γは、例えば、時計回り方向を正とする正負の角度として設定することにより、移動方向の相対関係を一意に決定することが可能となる。図の右側部分は、ある時点においてゲーム装置A〜Cにより検出された絶対位置であり、それぞれ点A〜Cとする。
【0085】
次に、図16の(2)を参照して、図16の(1)の状態から一定時間が経過して、ゲーム装置A〜Cがそれぞれ破線の矢印の方向へと移動した状態において、それぞれのゲーム装置により検出された絶対位置を取得し、それぞれ点A〜Cとする。すると、一定時間が経過する間の各ゲーム装置の移動方向はそれぞれ、線分A、線分B、線分Cによって特定することができる。
【0086】
そして、図16の(3)を参照して、各ゲーム装置の移動方向は平行移動しても変わらないため、例えば、全員の移動方向をプレーヤーAの点Aを基準として平行移動すると、図の右側部分に示したようになる。尚、図中の点B及び点Cはそれぞれ、点B及び点Cを点Aを基準に平行移動したものである。この状態で各ゲーム装置の一定時間中の移動前後の絶対位置から移動方向同志のなす角度を算出し、記憶されている角度情報と比較する。例えば、プレーヤーAの移動方向AとプレーヤーBの平行移動後の移動方向Aとのなす角度xと、システムサーバー内に記憶されている角度情報のうちゲーム装置AとBとがなすべき角度αとを比較する。ゲーム装置BC間、AC間についても同様に比較して、全ての角度が角度情報と同一となれば、システムサーバーでは、ゲーム装置の移動方向の相対的な関係が記憶された方向情報と一致したと判断し、他の例と同様に第2段階の指示を送信する。
【0087】
このように、ゲーム装置の移動方向同志がなす角度を調べることにより、ゲームを行う場所や位置関係にかかわらず、移動方向の相対的な関係が記憶された方向情報と一致するかどうかを判断することが可能となる。
【0088】
以上の各例で説明したように、このゲームシステムのゲームは、複数台のゲーム装置が必要であり、全ゲーム装置の相対的な関係が同時に反映されるものであるので、ゲームをする際にはプレーヤー同志の意志がうまく疎通するかどうかが重要な要素となる。したがって、ゲームを通じてプレーヤー同志のコミュニケーションを向上させる効果を期待できる。また、このゲームは、ゲーム装置の相対的な位置関係または相対的な移動方向の一致を判断し、その後に何らかの指示を送信するという2つの段階からなるため、段階毎の指示の組み合わせを柔軟に変化させることができ、様々なバリエーションのゲームを構成することが可能となる。
【0089】
ここで、上記のようなゲームシステムを実現するためのシステム内部における制御について説明する。
【0090】
図17は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、ゲーム装置の位置関係と位置情報との一致を判断するためのフローチャートであり、図18は、図17に続く部分のフローチャートである。
【0091】
図17を参照して、プレーヤーがログイン(図2)し、ゲームを選択(図3)すると(S100)、システムはまず、プレイする人数やゲームのレベル等に応じて、ゲーム装置が構成すべき位置情報を作成または選択して位置情報記憶手段に記憶し(S201)、この記憶された位置情報を各プレーヤーのゲーム装置に表示する(S202)。各プレーヤーはゲーム装置に表示された指示を参照して、ゲームを開始し(S101)、指示された位置関係を構成するために移動する(S102)。
【0092】
システムは全プレーヤーからゲーム装置からの開始の指示を受けると(S202でYes)、図10〜12で示した方法によりゲーム装置同志の距離と配置とを算出し、それらが記憶された位置情報と一致するかどうかを判定することになる。
【0093】
まず、システムは一定時間待機(S203)してから、全ゲーム装置の絶対位置を取得する(S204)。全ゲーム装置のうち3台の装置を選択してから(S205)、この3台のゲーム装置間の距離を各々算出し(S206)、算出した距離と記憶された位置情報の距離情報とを比較する(S207)。比較した結果、例えば2台のゲーム装置間の距離が記憶された距離情報と一致した場合は、表示部における表示を強調するなど(図6の(2)等)、所定の条件に応じてゲーム装置の表示部に視覚効果を表示する(S208)。
【0094】
次に、選択した3台のゲーム装置同志の全ての距離が、記憶された距離情報と一致した場合(S209でYes)は、3台のゲーム装置の所定の1点からの配置を算出する(S210)。算出したゲーム装置の配置と、記憶された位置情報に含まれる配置情報とを比較して(S211)、比較結果に応じて、例えば青色に点灯するといった視覚効果を、ゲーム装置の表示部に表示する(S212、図7の(2)等)。3台のゲーム装置同志の距離のうち1つまたは2つの距離が記憶された距離情報と一致しても、全ての距離が一致しない場合(S209でNo)は、配置情報との比較のステップS210〜S212は行わず、次の処理へ移る。
【0095】
全ゲーム装置から選択した3台毎の組み合わせで、まだ評価していない組み合わせがある場合は(S213でNo)、ステップS205へ戻って未評価の3台のゲーム装置の組み合わせについて同様に処理を行う(S205〜S213)。全ゲーム装置の全ての3台毎の組み合わせについて位置関係の比較が終了すると(S213でYes)、3台のゲーム装置毎に判定した結果(S207及びS211)を総合して、全ゲーム装置が記憶された位置情報と一致したかどうかを判断する(S214)。全ゲーム装置の位置関係が記憶された位置情報と一致しない場合(S214でNo)は、ステップS203へと戻り、一定時間待機した後、上記の処理(S204〜S214)を繰り返す。
【0096】
図18を参照して、全ゲーム装置の位置関係が記憶された位置情報と全て一致した場合(図17のS214でYes)は、一致した旨を各ゲーム装置に表示する(S215)。プレーヤーは、ゲーム装置の表示を参照して、位置関係の構成が完了したことを把握し、移動を終了する(S103)。システムでは、ステップS214で行った位置関係の一致の判断に基づいて、指示記憶手段に指示情報を取得し(S216)、これを各ゲーム装置に送信する(S217)。プレーヤーは、ゲーム装置に表示される指示を参照し(S104)、その指示の内容が単なる内部処理ではなく、プレーヤーが実行すべきものであれば、これを実行する(S105)。システムでは、送信した指示の内容に応じた処理を行った後(S218)、処理を終了する。
【0097】
尚、ゲーム装置の台数が2台の場合は、必ずしも配置状態を判断する必要はなく、ゲーム装置間の距離が距離情報と一致するかどうかを判断すれば良い。従って、図17のフローチャートのうち、ステップS210〜S212の処理を省略しても良い。
【0098】
図19は、この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、ゲーム装置の移動方向同志の相対関係を判断するためのフローチャートであり、図20は、図19に続く部分のフローチャートである。
【0099】
図19を参照して、プレーヤーがログイン(図2)し、ゲームを選択(図3)すると(S150)、システムはまず、プレイする人数やゲームのレベル等に応じて、ゲーム装置が構成すべき移動方向同志の相対関係である方向情報を作成または選択して方向情報記憶手段に記憶し(S250)、この記憶された方向情報を各プレーヤーのゲーム装置に表示する(S251)。各プレーヤーはゲーム装置に表示された指示を参照して、ゲームを開始し(S151)、指示された移動方向の相対関係を構成するために移動する(S152)。
【0100】
システムは、全ゲーム装置からのゲーム開始の指示を受けると(S252でYes)、その後は、全ゲーム装置の位置関係を一定時間毎に算出し、記憶された位置情報と一致するかどうかを判定する。また、まだゲームの開始の指示を受けていないゲーム装置がある場合は、指示があるまで待機する(S252でNo)。
【0101】
全ゲーム装置がゲームを開始した後は、システムは図16で示した方法によりゲーム装置の移動方向を特定し、その移動方向同志のなす角度が記憶された方向情報と一致するかどうかを判定することになる。
【0102】
まず、システムは全ゲーム装置の絶対位置を第1の位置(図16における点A〜Cに対応)として取得する(S253)。そして、一定時間待機(S254)した後、全ゲーム装置の絶対位置を第2の位置(図16における点A〜Cに対応)として取得する(S255)。尚、2巡目以降は、ステップS253で第1の位置を取得する代わりに、前回の移動後の位置(第2の位置)を新たな第1の位置として使用すれば良い。
【0103】
次に、全ゲーム装置のうちの2台について、取得した第1の位置から第2の位置へ向かう方向をそれぞれ求め、ゲーム装置の移動方向同志がなす角度を算出する(S256)。算出した角度と、記憶された方向情報の角度情報とを比較し(S257)、比較結果に応じて、表示部における表示を点滅させる等の視覚効果を表示する(S258、図15)。
【0104】
全ゲーム装置の移動方向同志のなす角度について、まだ比較していないゲーム装置の組み合わせがある場合(S259でNo)は、ステップS256に戻って、未評価のゲーム装置の組み合わせについて同様に処理を行う(S256〜S259)。全ゲーム装置の組み合わせについて角度の比較が終了した場合(S260でYes)は、各ゲーム装置の組み合わせについて行った角度の比較結果(S257)を総合して、全ゲーム装置の移動方向同志の相対的な関係が、記憶された方向情報と一致したかどうかを判断する(S260)。記憶された方向情報と一致しない場合(S260でNo)は、ステップS253に戻って、次の一定時間の各ゲーム装置の移動方向について同様の処理を行う(S253〜S260)。
【0105】
図20を参照して、全ゲーム装置の移動方向同志の相対的な関係が記憶された方向情報と一致した場合(図19のS260でYes)は、一致した旨を各ゲーム装置に表示する(S261)。プレーヤーは、ゲーム装置の表示を参照して、移動方向の相対的な関係が完成したことを把握し、移動を終了する(S153)。システムでは、ステップS260で行った方向情報との一致の判断に基づいて、指示記憶手段に指示情報を取得し(S262)、これを各ゲーム装置に送信する(S263)。プレイヤーは、ゲーム装置に表示される指示を参照し(S154)、その指示がプレイヤーが実行すべきものであれば、指示の内容を実行する(S156)。システムでは、送信した指示の内容に応じた処理を行った後(S264)、処理を終了する。
【0106】
以上のようにシステム内部で制御することにより、ゲーム装置の数や場所等にかかわらず、ゲーム装置の相対的な位置関係または移動方向同志の相対的な関係を判断することが可能となる。
【0107】
尚、上記の実施の形態では、端末手段としてゲーム装置を使用した例を示しているが、ゲーム装置のみならず、位置検出機能と送受信機能を備えた端末であれば、GPS内蔵携帯電話、PHS、カーナビゲーションシステム等、様々な形態のものを使用することが可能である。
【0108】
また、上記の実施の形態では、ゲームシステムの構成にシステムサーバーを含んでいるが、必ずしもサーバーが必要なわけではなく、必要な機能を備えた端末手段のみで同様の処理を行うようにしても良い。
【0109】
更に、上記の実施の形態では、相対的な位置関係を判断する方法として、3台の端末手段毎に距離と配置を判断する方法を示しているが、必ずしもこの方法に限られるものではなく、相対的な位置関係を判断できる他の効率的な方法を採用しても良い。
【0110】
更に、上記の実施の形態では、端末手段の移動方向の相対的な関係を判断するために、移動方向同志が構成する角度を利用する方法を示しているが、必ずしもこの方法に限られるものではなく、他の演算方法を採用しても良い。
【0111】
更に、上記の実施の形態では、位置情報記憶手段や方向情報記憶手段をデータベースとして構成したり、所定のパラメータに応じて位置情報や方向情報を生成して記憶することができるように構成しても良い。
【0112】
更に、上記の実施の形態では、ゲームの最初の段階として端末手段が一定の相対的な関係を満たすかどうかを判断しているが、ここでの判断材料として、相対的な関係のみならず、端末手段で検出される絶対位置を取り入れても良い。
【0113】
更に、上記の実施の形態では、端末手段の相対的な関係と位置情報、方向情報及び移動情報との一致を判断しているが、位置情報等にある程度の許容範囲を設定しておいて、端末手段の関係がこの許容範囲内に含まれるかどうかを判断しても良い。
【0114】
更に、上記の実施の形態では、主として子供を対象としたゲームに適用しているが、他の様々なユーザ層を想定したコミュニケーションツール等に適用することも可能である。
【0115】
更に、上記の実施の形態では、ゲーム装置同志の平面的な関係を判断する場合に適用しているが、立体的な関係でも同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ゲーム装置の表示部に表示されるログイン画面の一例を示した図である。
【図3】図2で「ログインする」を選択した際にゲーム装置上に表示されるゲーム選択画面の一例を示した図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ログイン時に自動的にグループを割り当てたり、ゲームのメンバーを募集する場合の例を示した図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、ゲーム装置の構成すべき位置関係を指示する画面の一例を示した図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ゲーム開始後の各プレーヤーの実際の移動の様子と、ゲーム画面の一例とを対応づけて示した図である。
【図7】図6に続く部分であって、プレーヤーの所定の位置関係が完成するまでの過程を示した図である。
【図8】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、プレーヤーの位置関係が所定の位置関係と一致した場合に表示される指示画面の一例を示した図である。
【図9】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて難易度がより高いゲームの一例を示した図である。
【図10】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、位置関係のうちプレーヤー同志の距離の一致を判断する方法を示した図である。
【図11】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、位置関係のうち平面視上の配置の一致を判断する方法を示した図である。
【図12】この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、位置関係の一致の判断方法を、4台のゲーム装置の位置関係の判断に適用した例を示した図である。
【図13】この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、各プレーヤーが所定の位置関係を維持した状態で所定方向に移動するゲームの例を示した図である。
【図14】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、各プレーヤーの移動方向同志の相対関係を指示する画面の一例を示した図である。
【図15】この発明の第1の実施の形態によるゲーム装置において、ゲーム中における各プレーヤーの実際の移動の過程と、ゲーム装置の表示とを対応づけて示した図である。
【図16】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、プレーヤーの移動方向の相対関係を判断するための方法を示した図である。
【図17】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、ゲーム装置の位置関係と位置情報との一致を判断するためのフローチャートである。
【図18】図17に続く部分のフローチャートである。
【図19】この発明の第1の実施の形態によるゲームシステムにおいて、ゲーム装置の移動方向同志の相対関係を判断するためのフローチャートである。
【図20】図19に続く部分のフローチャートである。
【符号の説明】
2…通信網
6…位置情報記憶手段
7…方向情報記憶手段
9…ゲーム装置
31…位置情報
33…方向情報
尚、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

  1. ネットワークを介して接続され、少なくとも3つの端末手段が移動することにより、予め
    決められた目的の配置の形態を形成するゲームシステムであって、自身の絶対位置を検出する機能と送受信機能とを有する端末手段と、
    前記端末手段が前記ネットワークを介して接続されるシステムサーバーとを備え、
    前記システムサーバーは、
    前記各端末手段同士の配列と距離からなる特定の位置関係情報を記憶する記憶手段と、
    前記端末手段の各々によって検出された各々の絶対位置を取得する取得手段と、
    前記取得された絶対位置の各々に基づいて、前記各端末手段同士の配列と距離とからなる位置関係情報を算出する算出手段と、
    前記算出された各端末手段同士の位置関係情報と、前記記憶された各端末手段同士の特定の位置関係情報との一致を判定し、判定の結果、一部の端末手段間の前記取得された位置関係情報と前記特定の位置関係情報が一致した場合には、当該一致した各端末手段を基準として、他の端末手段に対して、移動すべき距離と方向の指示を出す判定手段と、
    前記判定手段によるすべての位置関係情報の一致の判定に応答して、前記端末手段の各々に所定の指示を送信する指示手段とからなり、
    前記記憶手段は、更に、前記端末手段が前記特定の位置関係情報を保持した状態で、一定時間の間、所定方向への移動を示す特定の移動情報を記憶し、
    前記取得手段は、更に、前記端末手段の各々の前記絶対位置の時間的変化から各々の移動情報を取得し、
    前記取得された移動情報と前記特定の移動情報との一致を判定することを特徴とする、
    ゲームシステム
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