JP4097468B2 - 介護用移動補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、病人、怪我人、体の不自由な人など、起居に介護を必要とする人(以下「被介護者」という)をベッドから車椅子に移動させたり、車椅子からベッドに戻す作業を行う時などに介護者を補助し、負担を軽減するための介護用移動補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被介護者をベッドから車椅子に移動させたり、あるいは車椅子からベッドへ戻すような作業は介護者にとって大きな負担である。そのため、被介護者に引上力を加えて介護者による被介護者の移動を補助する様々な装置が提案され、また実用化されている。特開平9−108277号公報、特開平10−85273号公報、特開平11−290398号公報などにそのような装置の例を見ることができる。本出願人も、特願2001−142808号において、被介護者の質量を見かけ上減少させるアシスト装置を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような移動補助装置は、被介護者に引上力を与えた状態で、被介護者を水平方向に移動させられるものでなければならない。そのため、水平方向に走行するスライダに吊具を装着し、吊具が被介護者を支えている状態で介護者が被介護者を押したり引いたりすることによりスライダが動き、被介護者が移動する構造としたものが多い。ところでスライダの軌道が一定不変のままでは被介護者は特定地点間の一次元的な移動しかできず、使用態様が限定されることになる。そのためスライダの軌道自身を水平面内で動かすこととして被介護者の移動可能領域を二次元的に拡大し、様々な使い方ができるようにしている。
【0004】
本出願人が特願2001−142808号で提案した装置では、スライダを支持するビームを水平面内で旋回できるようコラムに取り付け、ビームの旋回とスライダの直線動の組み合わせで扇形の移動可能領域を得るようにしている。この方式は、ビームがカンチレバー(片持梁)となるため、ビームを長くして移動可能領域を広げることが難しい。敢えてビームを延ばそうとすれば、ビームとコラムの間のヒンジ構造を頑強にし、またビームやコラム自身も強度を高める必要がある。コラムを支えるアウトリガーも大きく張り出させる必要があり、歩行や車椅子での移動の妨げとなる。
【0005】
特許第3129713号には、スライダを支持する門型構造体の一方の支柱を台車に載せ、他方の支柱を中心として門型構造体を旋回させられるようにした装置が記載されている。この装置の場合、旋回端側にスライダを寄せた状態では、台車に支えられた支柱が介護の邪魔になる。すなわち被介護者を車椅子やポータブルトイレに移乗させたり、そこから引き上げたりするのがやりにくいという問題がある。また台車が移動することにより介護者がつまづいたりすることがあり、危険である。
【0006】
上記2例は極座標方式で被介護者を二次元移動させるものであったが、直角座標方式で被介護者を移動させるものも実用化されている。すなわち、スライダを支持するビームの両端を、ビーム自身と直角の方向に延びる2本のレールで受け、被介護者にX方向とY方向の移動を与えられるようにしたものである。この方式の場合、ビームを支える2本のレールを、ビームの長さだけ離して設置する必要があり、支持構造全体がきわめて大型になるという問題をかかえている。
【0007】
またビームをスムーズに走行させるためには2本のレールを精度良く平行に設置しなければならず、工事が容易ではない。さらに、レール同士が精度良く平行を保っていたとしても、そのレールに両端を係合させて走行するビームには「こじり」が生じやすく、走行がぎくしゃくし、吊られている被介護者に不快感を与えるという問題もある。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、スライダの移動可能領域を広くとることが可能であるが、支持構造をそれほど大がかりにせずに済み、被介護者への接近が支柱などにより妨げられることがなく、つまづく可能性のある台車を必要とせず安全性の高い介護用移動補助装置を提供することにある。併せて、吊具昇降範囲の上下シフトを可能とし、使用範囲を一層拡大することのできる介護用移動補助装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の介護用移動補助装置は、
状本体(10)と、
前記柱状本体(10)に連結されて前記柱状本体(10)とともに三脚構造を形成する第1脚部(22a)及び第2脚部(22b)と、
前記柱状本体(10)の上端部より水平に突き出すとともに、前記柱状本体(10)との連結部を旋回中心として水平面内で旋回可能に設けられたアーム(12)と、
前記アーム(12)に設けられて該アーム(12)の長手方向に沿って移動可能なスライダ(50)と、
記スライダ(50)に昇降可能に吊支されるとともに、被介護者の身体に装着された身体保持手段(200)に連結される吊具(51)と、
前記吊具(51)を引き上げるための紐状部材(55)と、
第1脚部(22a)の上端部と第2脚部(22b)の上端部との間に略水平に橋設され、第1脚部(22a)と第2脚部(22b)との間で前記アーム(12)を移動可能に吊設するレール(21)と、
前記アーム(12)と前記レール(21)との間に設けられ、前記アーム(12)を前記柱状本体(10)を中心に旋回可能に吊設状態で移動させるユニバーサルスライダ(30)と、を備えたものとした。
【0011】
この構成によれば、アームに加わる荷重をレールが負担するので、アームと柱状本体の間のヒンジ部の構造強化、及びアームや柱状本体自身の構造強化に依存せずにアームを長くしてスライダの移動可能領域を拡大することができる。またアームの旋回端に支柱などがないので、スライダをアームの旋回端まで動かして被介護者の車椅子への移乗などを行うのが楽である。
【0013】
また、レールをほぼ水平にしっかりと設置することができる。
【0015】
また、介護用移動補助装置を他からの支えなしに自立させておくことが可能になる。
【0016】
記のような介護用移動補助装置において、記吊具(51)を吊支する動滑車(54)を備え前記紐状部材(55)は、この動滑車(54)に巻き掛けられ、前記柱状本体(10)の中に引き込まれることにより前記動滑車(54)を吊り上げることとした。
【0017】
この構成によれば、紐状部材を引く動力要素を柱状本体の側に置き、スライダは動滑車の支持を主たる目的とする簡素な構成とすることができる。
【0018】
記のような介護用移動補助装置において、前記紐状部材(55)は一端が前記柱状本体(10)に引き込まれ、他端は前記アーム(12)に設けられた紐状部材端固定部(59)に固定されるものであり、前記紐状部材端固定部(59)は複数設けられ、前記他端は複数の前記紐状部材端固定部(59)のいずれか一つに固定されることとした。
【0019】
この構成によれば、紐状部材端固定部の位置を変えることにより床に対する吊具の昇降範囲を上下にシフトし、使用範囲を拡大することができる。
【0020】
記のような介護用移動補助装置において、使用者の選択によって、前記吊具(51)に、その負担する荷重と同等又はそれ以下のアシスト力が与えられることとした。
この構成によれば、アシスト力により被介護者の質量を見かけ上減少させることができる。介護者の負担を数kgのレベルにとどめておけば、非力な介護者でも被介護者の身体を軽々と抱え上げ、思うがままに移動させることができる。
【0021】
上記のような介護用移動補助装置において、前記アーム(12)の旋回可能領域内で被介護者を移動させることができるものとした。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図1〜22に基づき説明する。最初に、図1〜7に基づき構造の説明を行う。
【0023】
図1は介護用移動補助装置の外観斜視図である。介護用移動補助装置1はベッドサイドや浴室の洗い場等、被介護者の身体を持ち上げて移動させる必要のある場所に設置される。介護用移動補助装置1は垂直な柱状本体10と、柱状本体10の上端部より水平に突き出したアーム12を備える。アーム12は柱状本体10の一側面にヒンジ部11を介して連結され、ヒンジ部11を旋回中心として水平面内で旋回可能である。本実施形態では柱状本体10、アーム12ともに板金を折曲して矩形断面に形成したものを使用している。柱状本体10の下端からは左右対称に2本のアウトリガー13a、13bが張り出す。各アウトリガーの先端にはレベル出し用のネジ脚14が取り付けられている。
【0024】
ほぼ水平に設置されたレール21がアーム12をその旋回中心以外の箇所で吊り下げる。レール21はアーム12にかかる荷重を負担しつつアーム12の旋回を許容する。
【0025】
レール21は門型構造体20の水平部分を構成し、その両端は門型構造体20の脚部22a、22bに支えられる。脚部22a、22bの下端は床に接地し、ここにはレベル出し用のネジ脚23が取り付けられている。脚部22a、22bはそれぞれ水平な支持部材24をもって柱状本体10に連結される。これにより門型構造体20は柱状本体10と共に1個の構造体を構成することになる。この構造体は三脚構造であり、床の上に安定して自立する。
【0026】
図3はレール21によるアーム12の吊り下げ構造を示す斜視図である。吊り下げの主役をなすのはユニバーサルスライダ30である。ユニバーサルスライダ30は上部シャーシ31と下部シャーシ32を垂直なスイベル軸33で連結した構成となっている。上部シャーシ31及び下部シャーシ32はいずれも板金を断面U字形に折曲成形したものである。上部シャーシ31は片側に2個づつ、計4個の車輪34を備えている。下部シャーシ32も片側に2個づつ、計4個の車輪35を備えている。
【0027】
レール21が前記上部シャーシ31を受け入れ、アーム12の上面にその長手方向に沿って固定されたレール40が前記下部シャーシ32を受け入れる。レール21、40はいずれも板金を折曲して構成したものであり、図3にはそれぞれ長手方向に半割にした形で図示されている。
【0028】
レール21は小口側から見た断面形状が矩形であって、下面にはユニバーサルスライダ30のスイベル軸33を通す溝41が長手方向に沿って設けられている。レール40も小口側から見た断面形状が矩形であって、上面にはユニバーサルスライダ30のスイベル軸33を通す溝42が長手方向に沿って設けられている。レール21の内部底面には車輪34を受ける軌道面43が設けられ、レール40の天井面には車輪35を受ける軌道面44が設けられる。
【0029】
上記の構造により、アーム12に加わる荷重はレール40よりユニバーサルスライダ30を介してレール21に伝えられ、レール21がその荷重を負担する。ユニバーサルスライダ30はレール40に対しその長手方向に走行可能であるとともに、レール21に対してもその長手方向に走行可能である。従ってアーム12はレール21に荷重を負担させつつ旋回を行うことが可能になる。
【0030】
図2は介護用移動補助装置の垂直断面図である。アーム12は内部にスライダ50を備える。スライダ50はアーム12の長手方向に沿って水平方向にスライドする。スライダ50を支持するにあたっては、「リニアガイド」等の商品名で市販されている直線摺動機構要素、あるいは水平なガイドロッドとボールガイドとの組み合わせ等を使用することができる。
【0031】
スライダ50は吊具51を懸垂支持(以下「吊支」の言葉を用いる)する。吊具51は剛性強度の高い金属からなり、天秤棒形状の本体の両側にフック52を有する形状である。このフック52に図8の側面図に示す身体保持手段200を掛ける。
【0032】
身体保持手段200は被介護者210の腰に巻くベルト201、大腿部に巻くベルト202、及びフック52に掛ける吊り紐203を組み合わせたものであり、例えば下半身のみが不自由であるといった、上半身を真っ直ぐに起こしていられる被介護者210に用いる。もちろん身体保持手段200はこの形態に限られる訳ではなく、他の形状、例えば被介護者の全身を包み込むタイプのものも使用可能である。
【0033】
図1に示すように、吊具51は滑車ハウジング53に吊支されている。吊具51は図示しないスイベル軸で滑車ハウジング53に連結され、滑車ハウジング53の向きと無関係に水平面内で回転可能である。滑車ハウジング53は図2に示す動滑車54を内蔵し、この動滑車54に巻き掛けられる紐状部材55によりスライダ50から吊り下げられる。
【0034】
紐状部材55の一方の端はスライダ50に装着されたガイドプーリ56を経由してアーム12の旋回端側に延び出し、アーム12の端に装着されたガイドプーリ57に巻き掛けられたうえで180゜折り返される。折り返された紐状部材55の端には止め具58が固定されており、この止め具58を紐状部材端固定部59に引っ掛けることにより、紐状部材55の一端はアーム12に固定される。
【0035】
図4はアーム12の部分側面図であり、止め具58と紐状部材端固定部59の具体的な構造を示す。アーム12の一側面には紐状部材端固定部59を形成するための板金製シャーシ60が固定されている。シャーシ60には水平方向に溝61が形設され、この溝61の下縁に、フック形状の係合切り欠きが複数個、所定間隔で形設される。この係合切り欠きがそれぞれ紐状部材端固定部59となる。
【0036】
止め具58は軸の形をしていて、溝61及び紐状部材端固定部59を通り抜け可能な直径を有する。止め具58には図4に破線で示すようにノブ62が固定されている。ノブ62を握って止め具58を動かし、異なる係合切り欠きに止め具58を係合させることにより、紐状部材55の端の位置を決める紐状部材端固定部59の位置を変えることができる。
【0037】
図2に説明を戻す。紐状部材55の他端は、スライダ50に装着されたガイドプーリ63と、ヒンジ部11に設けられたガイドプーリ64を介して柱状本体10に導入される。柱状本体10に導入された紐状部材55は柱状本体10の内部に設けられたガイドプーリ65に巻き掛けられて垂れ下がる。垂れ下がった端には復元用錘66が取り付けられる。復元用錘66の質量は吊具51と動滑車54を含む滑車ハウジング53との合計質量の1/2よりも大きい。
【0038】
柱状本体10の内部には吊具51に引上力を与える引上力発生装置70が設けられる。引上力の源泉となるのは錘71とモータ111である。まず、錘71により引上力を発生させる仕組について説明する。
【0039】
柱状本体10の内部はエレベータシャフトとなっており、ここにエレベータ80が配置されている。エレベータ80は板状の垂直部分の両側から水平なブラケット81、82が突き出した形状であり、図示しない垂直ガイド部材に沿って昇降する。
【0040】
柱状本体10の内部には上下にタイミングプーリ83、84が設けられ、このタイミングプーリ83、84に巻き掛けられたタイミングベルト85がエレベータ80に上昇力を伝える。タイミングベルト85の一方のベルト部分はエレベータ80の垂直部分に固定され、これと平行する他方のベルト部分はブラケット81に設けられた透孔を非接触で通り抜ける。なおタイミングベルト85の張力を調節するため、タイミングプーリ83は上下に位置調節可能となっている。
【0041】
ブラケット81にはもう1個の透孔が設けられており、こちらは紐状部材55が通り抜ける。透孔の直径は復元用錘66の直径より小さく、エレベータ80はブラケット81により復元用錘66を引っ掛けて紐状部材55を引き下ろすことができる。
【0042】
錘71はエレベータ80のブラケット82に載置される。錘71は複数枚の錘ブロック72の集合からなる。各錘ブロック72は扁平な直方体形状であり、必要枚数を垂直方向に積み上げて使用する。各錘ブロック72の上面及び下面には断面半円形の溝73が形設される。この溝73は、上隣又は下隣の錘ブロック72の溝73と合わさって断面円形の透孔を形成するものである。
【0043】
溝73はエレベータ80に載置する錘ブロック72の枚数を調節するのに用いる。柱状本体10の内部上方には、所定の強度を有する不動部材に、錘ブロック72の間に形成される透孔と同じピッチで複数個のピン受け孔74が設けられている。ピン受け孔74は、エレベータ80が上昇限界に達したとき、後述するサービスハッチ76の窓から錘ブロック72の間の透孔を透かして見ることのできる位置にある。ピン受け孔74を備えた不動部材が手前側、錘ブロック72がその向こう側という位置関係である。
【0044】
エレベータ80から何枚錘ブロック72を外すかを決め、外すと決めた分の最下段の錘ブロック72の下面の溝73を通じピン受け孔74に調整ピン75を差し込む。調整ピン75より上の錘ブロック72はエレベータ80が降下してもその位置に留まり、その分だけエレベータ80の負担する錘71の質量が軽減されることになる。
【0045】
柱状本体10の側面には上下2箇所にサービスハッチ76、77が設けられる。上方のサービスハッチ76は調整ピン75の抜き差しを行うのに用い、下方のサービスハッチ77は外部からエレベータ80に錘ブロック72を積み上げるのに用いる。サービスハッチ76、77はそれぞれ図示しない扉によって閉ざされる。
【0046】
柱状本体10の内部には3個のリミットスイッチが配置される。エレベータ80が上昇限界又は下降限界に達したことを検知するエレベータ上限検知スイッチ86及びエレベータ下限検知スイッチ87と、サービスハッチ76の扉が開いていることを検知する扉開検知スイッチ78がそのリミットスイッチである。また柱状本体10の内部下方には、エレベータ80を受け止める衝撃吸収シート88と、同様に復元用錘66を受け止める衝撃吸収シート89とが配置される。
【0047】
柱状本体10の正面下部には張出ハウジング15、16が上下に並んだ形で取り付けられる。上方の張出ハウジング15は制御部90及び電源部91を内蔵し、上面には操作/表示部92(図1参照)が設けられている。制御部90に接続するコントローラ93のケーブル94も張出ハウジング15から導出される。また張出ハウジング15の側面には緊急操作レバー95が配置されている。緊急操作レバー95の構成と機能は後で説明する。
【0048】
下方の張出ハウジング16は柱状本体10と協同して駆動装置100を収容する。駆動装置100はアシストモードとリフトモードとに切り換えられるものであり、リフトモード時にはエレベータ80にモータの駆動力を伝える。図5は駆動装置100の斜視図である。図5において、一部の構成要素は分離状態で図示されている。
【0049】
駆動装置100は板金製のベース101と、その上に固定された同じく板金製のシャーシ102を備える。このベース101及びシャーシ102に、出力装置110、動力伝達装置120、ロック装置130、及びロック部材解放装置140が組み付けられる。
【0050】
シャーシ102は所定間隔を置いて平行する2枚の垂直板103a、103bを備える。垂直板103a、103bは動力伝達装置120の一環をなす回転軸121を水平に支持する。エレベータ80を動かすための動力が出力装置110から回転軸121に伝達される。
【0051】
出力装置110はモータ111及び減速装置112により構成される。モータ111は直流モータであり、負作動のブレーキ装置113が付属している。減速装置112は内蔵したウォームとウォーム歯車によりモータ111の回転を減速する。減速装置112の出力軸には回転軸121の外面に嵌合するカップリング114が取り付けられている。回転軸121にはカップリング114に設けたスリット115に係合する動力伝達ピン122が植え込まれていて、これにより出力装置110から回転軸121への動力伝達が可能になる。
【0052】
動力伝達装置120は、回転軸121の他、回転軸121に固定された原動歯車123(図2参照)、垂直面内で回転するように回転軸121により支持された板金製のブラケット124、ブラケット124に回転自在に支持された浮動歯車125、及びブラケット124と回転軸121とを必要に応じ連結する電磁クラッチ126を含む。原動歯車123、ブラケット124、及び浮動歯車125はシャーシ102の垂直板103a、103bの間に位置する。電磁クラッチ126は垂直板103bの外側に位置する。
【0053】
浮動歯車125は常時原動歯車123にかみ合う。すなわち原動歯車123が太陽歯車、浮動歯車125が遊星歯車という形になる。浮動歯車125はタイミングプーリ84に連結されたエレベータ駆動歯車127ともかみ合いを形成する。原動歯車123、浮動歯車125、及びエレベータ駆動歯車127の軸線はいずれも水平、且つ互いに平行である。
【0054】
ブラケット124と垂直板103bとの間に張り渡された引張コイルバネ128により、ブラケット124には浮動歯車125をエレベータ駆動歯車127にかみ合わせようとする回転力が、すなわち浮動歯車125を持ち上げる方向の回転力が、常時付与されている。垂直板103a、103bの間には、引張コイルバネ128によるブラケット124の回転を所定位置で止める板金製ストッパ129が固定されている。
【0055】
ロック装置130はエレベータ駆動歯車127に浮動歯車125がかみ合った状態で、そのかみ合いが外れないようにブラケット124の回転を阻止する。ロック装置130は次の要素により構成される。すなわちシャーシ102に水平に支持された回転軸131、回転軸131に固定され、回転軸131と共に回転してブラケット124の移動軌跡内に出没するロック部材132、同じく回転軸131に固定され、回転軸131に所定の回転を与えるレバー133、レバー133に一端を連結したリンク134、垂直板103aに水平支持軸135により垂直面内で回転可能に支持され、且つリンク134の他端に連結されたレバー136、レバー136にプランジャロッド138を連結したラッチングソレノイド137、及びリンク134と垂直板103aとの間に張り渡され、リンク134を図5において右方に引き寄せる引張コイルバネ139である。
【0056】
ラッチングソレノイド137は非通電時にもプランジャロッド138の出入り状態をそのまま維持できる。引張コイルバネ139はロック部材132に常時一方向への付勢力を与える付勢手段として機能する。
【0057】
リンク134とレバー136とは、リンク134に形設した水平方向の長孔134aと、レバー136に植え込まれ、長孔134aに対しスライド可能な連結ピン136aとにより連結されている。このような構造とした理由は後で明らかになる。
【0058】
ロック部材解放装置140は、垂直板103aに水平支持軸141により垂直面内で回転可能に支持されたベルクランク142を主たる構成要素とする。ベルクランク142は互いに直角に延びる2本の腕142a、142bを有する。一方の腕142aはレバー136の先端に向かい合う。腕142aと垂直板103aとの間に張り渡された引張コイルバネ143により、ベルクランク142には腕142aがレバー136から離れる方向の回転力が与えられている。
【0059】
ベルクランク142の他方の腕142bには操作ケーブル144が連結する。操作ワイヤー144はアウター145に包まれて張出ハウジング15に導入され、緊急操作レバー95に接続される。
【0060】
図6は緊急操作レバー95の構造を示す斜視図である。緊急操作レバー95は板金製の部材であって、同じく板金製のハウジング96の中に、水平支持軸97により垂直面内で回転できるよう支持されている。
【0061】
緊急操作レバー95を図6の矢印方向に引くと操作ワイヤー144が引かれる。これによりベルクランク142は引張コイルバネ143に抗して回転し、腕142aでレバー136を押す。なおハウジング96は張出ハウジング15の中に収容され、緊急操作レバー95のみが操作時に張出ハウジング15に設けた窓から突出する構成となっている。
【0062】
駆動装置100には、その中の可動部材の動きを検知するリミットスイッチが各所に配置される。すなわち図5において、150はブラケット124が上向きに回転したことを検知するブラケット上昇検知スイッチ、151はブラケット124が下向きに回転したことを検知するブラケット下降検知スイッチ、152はラッチングソレノイド137がプランジャロッド138を引き込んだことをレバー136の動きを通じて検知するソレノイド状態検知スイッチ、153はリンク134が図5において右方に動いたことを検知することにより、ロック部材132がブラケット124から離れてロック解除位置に変位したことを知るロック部材132のロック解除状態検知スイッチである。
【0063】
ブラケット124からは押圧子124aが突出し、この押圧子124aがブラケット上昇検知スイッチ150及びブラケット下降検知スイッチ151のそれぞれのアクチュエータを押してスイッチのON/OFF動作をさせる。レバー136にも押圧子124aと同様の押圧子が設けられ、これがソレノイド状態検知スイッチ152のアクチュエータを押す。ロック解除状態検知スイッチ153のアクチュエータを押す押圧子は回転軸131に取り付けられている。
【0064】
図7は介護用移動補助装置1の制御系統を示すブロック図である。制御部90にはモータ111、電磁クラッチ126、ラッチングソレノイド137、電源部91、操作/表示部92、コントローラ93、及びエレベータ上限検知スイッチ86、エレベータ下限検知スイッチ87、扉開状態検知スイッチ78、ブラケット上昇検知スイッチ150、ブラケット下降検知スイッチ151、ソレノイド状態検知スイッチ152、ロック解除状態検知スイッチ153が接続されている。
【0065】
コントローラ93にはエレベータ80の昇降を制御する昇降スイッチ154及び吊具51に与える引上力のモードを切り換えるモード切換スイッチ155が設けられている。昇降スイッチ154は「上昇」ボタン及び「下降」ボタンを備えるものである。
【0066】
次に、図1〜7に加え図8、9の側面図及び上面図と図10〜22の模型的垂直断面図を参照しつつ介護用移動補助装置1の動作を説明する。図10〜22には図2及び図5に現れた構成要素のうち動作説明に必要なものが、適宜簡略化又はデフォルメされた形で描かれている。例えばロック部材132はレバー133と一体化された形になっている。またベルクランク142はL形でなく直線形状とされている。
【0067】
介護用移動補助装置1を初めて使用する場合には、吊具51に与える引上力を被介護者210の質量に合わせて調整する必要がある。その時点での錘71の質量の設定が被介護者210の質量に見合ったものになっていれば良いが、そうでなければ、コントローラ93の昇降スイッチ154を操作してエレベータ80を上昇限界まで引き上げる(図10参照)。吊具51に及ぼす力の方向に着目してボタンの「上昇」と「下降」を設定しているので、昇降スイッチ154におけるボタンの「上昇」「下降」表示とエレベータ80の移動方向とは逆になる。エレベータ80を引き上げるときは昇降スイッチ154の「下降」ボタンを押すことになる。
【0068】
図10の状態では吊具51には何も掛かっておらず、復元用錘66は吊具51を最も高い位置まで引き上げている。エレベータ80が上昇して行ってもその状態は変わらない。
【0069】
図10において、ロック装置130及びロック部材解放装置140は非作動状態にある。ラッチングソレノイド137はプランジャロッド138を突き出した状態にあり、リンク134は引張コイルバネ139に引き寄せられ、ロック部材132をロック解除位置に置いている。この時ソレノイド状態検知スイッチ152及びロック解除状態検知スイッチ153はロック解除検知状態にある。ブラケット124は引張コイルバネ128の付勢力と、エレベータ80が下降しようとする力によりエレベータ駆動歯車127が反時計方向に回転し、浮動歯車125を押し上げる力とにより、上昇位置、すなわちストッパ129に当たった位置を保っている。ブラケット上昇検知スイッチ150はブラケット124がこの位置にあることを検知する。
【0070】
浮動歯車125はエレベータ駆動歯車127にかみ合っており、モータ111が原動歯車123を時計方向に回転させると浮動歯車125は反時計方向に回転し、エレベータ駆動歯車127は時計方向に回転する。これにより、エレベータ80は引き上げられて行く。
【0071】
エレベータ80が上昇限界に達するとエレベータ上限検知スイッチ86が作動し、モータ111が非駆動となる。ブレーキ装置113はモータ111の回転を瞬時に止め、モータ111が慣性で回転を続けないようにする。これが図11の状態である。
【0072】
モータ111が停止している間、ブレーキ装置113により回転を止められたモータ111により、原動歯車123の回転は阻止される。そのためエレベータ80が降下しようとしてもエレベータ駆動歯車127も浮動歯車125も回転せず、エレベータ80はその高さを保っている。引張コイルバネ128の付勢力とエレベータ駆動歯車127の回転力とにより、ブラケット124には図11において時計方向のモーメントが加わり、ブラケット124はストッパ129に押しつけられたままである。
【0073】
エレベータ80が上昇限界に達した状態では、エレベータ80の保持する錘ブロック72の上面が調整ピン75により支えられていた錘ブロック72の下面に当たり、全ての錘ブロック72が縦一列に密集している。ここでサービスハッチ76の扉を開け、調整ピン75を抜く。ピン受け孔74の部分には各々「40kg」「50kg」「60kg」といった引上力の表示が付されているので、被介護者210の質量に見合った引上力表示を選択し、その位置のピン受け孔74に調整ピン75を差し込む。これが図11の状態である。この引上力は「被介護者の質量(衣服を含む)と同等以下」という条件を満たせば良く、通常は被介護者131の質量より少し小さくする。
【0074】
このようにして、選択された引上力を発生させるのに必要な枚数の錘ブロック72がエレベータ80に載置されるようにし、サービスハッチ76の扉を閉じる。
【0075】
錘71の質量に加え、エレベータ80の質量も引上力発生に寄与する。そして、動滑車54を用いているため、錘71及びエレベータ80の質量の合計の2倍が引上力として作用することになる(各部の摩擦抵抗による引上力の減殺はここでは論議の対象としない)。他方、吊具51と滑車ハウジング53の質量は引上力減殺要因として働く。これらもろもろの要素を考慮した上で、個々の錘ブロック72の質量と、引上力の表示が設定されるものである。
【0076】
続いて図12のように吊具51を手で引き下ろす。復元用錘66は吊具51の下降量の倍の距離上昇する。吊具51を十分に下げ、被介護者210に装着した身体保持手段200をフック52に引っ掛ける。
【0077】
図8、9は上半身を自分で真っ直ぐ起こしていられる被介護者210をベッド220から車椅子221へと移動させる状況を説明する側面図及び上面図である。まず被介護者210をベッド220の縁に腰掛けさせる。そして図8のようにベルトタイプの身体保持手段200を被介護者210に装着し、身体保持手段200を吊具51に掛けて引上力発生装置70に引上力を発生させた後、介護者211は被介護者210の両足の間に片足を入れ、ベルト201に両手をかけて被介護者210を立ち上がらせるように抱きかかえる。それから、自分の体を軸にして被介護者210の体の向きを変え、図9のように車椅子221に座らせる。このような作業手順を踏むことにより、被介護者210を楽に、スピーディーに車椅子221に移すことができる。
【0078】
前述の通り、紐状部材55の端を止める紐状部材端固定部59は位置可変である。紐状部材端固定部59の位置を変えれば、吊具51の昇降範囲(どの高さからどの高さまで高さを変えるか)が上下にシフトする。これにより、ベッドを中心とした起居のみならず、畳を中心にした起居にも対応させることができる。また被介護者210の身長に合わせて吊具51の昇降範囲を調整することもできる。シフト量は紐状部材端固定部59の変位量の半分である。
【0079】
身体保持手段200を吊具51に掛けた後手を離せば、吊具51は復元力で上昇しようとし、身体保持手段200はぴんと張りつめる。紐状部材55もぴんと張る。従って身体保持手段200がたるんで吊具51から外れるといったことはない。吊具51が空中でふらつき、被介護者210あるいは介護者211に当たるといったこともない。
【0080】
被介護者210を完全に吊り上げる必要がなく、被介護者210の質量を見かけ上軽減して介護者をアシストできれば良い場合は、コントローラ93のモード切換スイッチ155を操作し、「アシストモード」を選択する。「アシストモード」が選択されるとラッチングソレノイド137はロック解除モードになるように、すなわちプランジャロッド138を突き出した状態となるように励磁される。所定時間経過後に励磁は解除されるが、ラッチングソレノイド137はラッチ機能によりロッド突き出し状態を保っている。「アシストモード」選択後、昇降スイッチ154の「上昇」ボタンを押す。
【0081】
昇降スイッチ154の「上昇」ボタンが押されると、モータ111は図13のように原動歯車123を反時計方向に回転させる。浮動歯車125は時計方向に回転し、エレベータ駆動歯車127は反時計方向に回転する。この時の浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127の関係は、浮動歯車125がエレベータ駆動歯車127を反時計回りに回転させるというよりもむしろ、自由落下しようとするエレベータ80によりエレベータ駆動歯車127が急速に反時計まわりに回転しようとするのに浮動歯車125がブレーキをかけ、エレベータ80を一定のゆっくりとした速度で下降させるという形になる。そのためブラケット124には図13において時計方向のモーメントが加わり、引張コイルバネ128の付勢力と相まって、ブラケット124はストッパ129に押しつけられ続ける。
【0082】
エレベータ80は下降する途中でブラケット81により復元用錘66を引っ掛ける。エレベータ80は復元用錘66を引き下げ、紐状部材55を柱状本体10に引き込む。
【0083】
エレベータ80が下降を続けると、紐状部材55及び身体保持手段200の張力が高まって行く。そして、引上力に等しい質量が吊具51に加わる瞬間がやってくる。この時エレベータ80は下降を停止し、エレベータ駆動歯車127も回転を停止する。このため、エレベータ駆動歯車127に浮動歯車125がブレーキをかけるという関係が解消される。
【0084】
モータ111は依然として回転を続けるので、浮動歯車125がエレベータ駆動歯車127をけり出す形になり、ブラケット124は反時計方向に回転する。これによりエレベータ駆動歯車127と浮動歯車125のかみ合いは解消され、動力伝達装置120は連結切り離し状態となる。この状態を図14に示す。
【0085】
エレベータ駆動歯車127と浮動歯車125とのかみ合いが解消される角度までブラケット124が回転すると、ブラケット上昇検知スイッチ150が非作動になる。これを受けて電磁クラッチ126が励磁状態になり、ブラケット124と回転軸121を連結する。これにより、ブラケット124はあと少し回転を続ける。
【0086】
ブラケット124が反時計方向に回転を続ける過程でブラケット下降検知スイッチ151が作動する。これを受けてモータ111は非駆動となる。ブレーキ装置113はモータ111の回転を瞬時に止め、モータ111が慣性で回転を続けないようにする。モータ111は停止するが電磁クラッチ126は励磁状態を維持し、ブラケット124と回転軸121とは連結されたままである。このため、引張コイルバネ128がブラケット124に付勢力を及ぼしているにもかかわらず、ブラケット124の角度はそのままであり、浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127とは離れた状態を保っている。
【0087】
動力伝達装置120が連結切り離し状態となり、浮動歯車125によるエレベータ駆動部歯車127の拘束がなくなると、錘71及びエレベータ80の質量が吊具51に加わる引上力に転化する。この時の引上力は吊具51の負担する荷重と同等又はそれ以下である。これを「アシスト力」と称する。
【0088】
被介護者210の質量はアシスト力の分だけ見かけ上減少する。被介護者210の見かけ上の質量は数kg程度とすることができ、介護者211は数kg分の力を発揮しさえすれば被介護者210の身体を浮上させられる。また力を入れて支えなくても被介護者210を緩やかに降ろすことができる。被介護者210の身体が上下すると同時にエレベータ80は降下あるいは上昇する。図15がこの状況を示す。
【0089】
被介護者210の見かけ上の質量が軽いので、介護者211は被介護者210を上下方向ばかりでなく水平方向にも楽に動かせる。被介護者210の体をかかえて押すか引くかすれば、スライダ50がアーム12の長手方向に沿ってスライドする。またアーム12はヒンジ11を旋回中心として旋回する。このようにして、扇形の移動可能領域内で被介護者210を移動させることができる。
【0090】
図9のように被介護者210をベッド220から車椅子221に移すことが作業の目的であった場合は、被介護者210を車椅子221に座らせた後、コントローラ93の昇降スイッチ154の「下降」ボタンを押す。すると、図16に見られるようにモータ111が原動歯車123を時計方向に回転させる。この時は電磁クラッチ126を非励磁とする。引張コイルバネ128の付勢力によりブラケット124は時計方向に回転し、浮動歯車125をエレベータ駆動歯車127にかみ合わせる。浮動歯車125は反時計方向、エレベータ駆動歯車127は時計方向に回転し、エレベータ80は上昇する。これによりアシスト力は消滅する。復元用錘66が紐状部材55を引くので、吊具51の高さは変わらない。
【0091】
図16の場合、エレベータ駆動歯車127が回転するので浮動歯車125はかみ合いを保っていられる。そのため、図14のときのような浮動歯車125によるエレベータ駆動歯車127のけり出しは生じない。またブラケット124が時計方向に回転することにより、ブラケット下降検知スイッチ151は非作動、ブラケット上昇検知スイッチ150は作動状態となる。
【0092】
ブラケット81と復元用錘66との間に十分な隙間ができるまでエレベータ80を上昇させた後、昇降スイッチ154の「下降」ボタンから指を離す。するとモータ111が非駆動となる。「下降」ボタンを押したままでも、エレベータ上限検知スイッチ86が作動するまでエレベータ80が上昇すればモータ111は非駆動となる。ブレーキ装置113はモータ111の回転を瞬時に止め、モータ111が慣性で回転を続けないようにする。
【0093】
モータ111が停止すれば原動歯車123も回転しなくなる。上昇したエレベータ80は、ブレーキ装置113により回転を止められたモータ111により、その高さに留まっている。エレベータ80が降下しようとするのでエレベータ駆動歯車127には反時計方向の回転力が生じ、これと引張コイルバネ128の付勢力とが相まってブラケット124には時計方向のモーメントが生じ、ブラケット124はストッパ129に押しつけられる。
【0094】
このようにしておいて吊具51を下に引き、フック52から身体保持手段200を外す。身体保持手段200から離れた吊具51は、手を離せば復元用錘66による復元力で上方定位置に上昇する。
【0095】
上記の構成では、吊具51は手または身体保持手段200による拘束が解かれるとすぐ上方への復元移動を開始する。しかしながら、吊具51が任意の高さに留まっていてくれれば、身体保持手段200を吊具51に掛けたり外したりするのに両手を自由に使うことができ、介護者211にとって便利である。吊具51を任意の高さに止めるのは、次の関係が満たされるように復元用錘66の質量を調整することによって実現できる。
復元用錘の質量と吊具及び滑車ハウジングの合計質量の1/2との差 <抵抗
(復元用錘の質量 > 吊具及び滑車ハウジングの合計質量の1/2)
【0096】
上記抵抗は動滑車54の軸受部の摩擦、ガイドプーリ56、57、63、64、65のそれぞれの軸受部の摩擦、及び紐状部材55の内部摩擦の総和である。なお厳密に言えば、吊具51が下降するにつれ吊具51側の紐状部材55の質量が増加し、復元用錘66の側の紐状部材55の質量が減少する訳であるが、これによりもたらされる釣り合いの変化は相対的に小さいので、無視して構わない。
【0097】
このように復元用錘66の質量を調整しておけば、吊具51を任意高さに引き下ろして手を離したとき、吊具51はその位置を維持する。そして、吊具51に外部より上方への付勢力を与えて勢いをつければ、後は復元用錘66がその運動を引き継いで吊具51を上方定位置まで復元移動させるものである。
【0098】
補助をしてやれば自力で立てるような被介護者210であれば、介護者211がいない場合でも、着脱の簡単なベルトタイプの身体保持手段200を用いて、自力でベッド220から車椅子221へ、あるいはその逆へと移動することが可能である。
【0099】
これまで、引上力発生装置70がアシスト力により被介護者210の質量を見かけ上減少させる働きについて説明してきた。これは、ベッドに腰掛けることができたり、ベッド上で座位を保つことができたり、下半身のみ麻痺しているような被介護者とその介護者にとっては非常に具合が良い。しかしながら全身麻痺であったり、そこまで行かないまでも首が座らないような被介護者を移動させる際には機械力で完全に吊り上げた方が介護者にとって都合の良い場合もある。そのため、介護用移動補助装置1は吊具51にその負担する荷重を超える「リフト力」を与えることができるようになっている。
【0100】
リフト力を発生させるときは、エレベータ80を上昇させ、被介護者210に装着させた身体保持手段200を吊具51に引っ掛けた後、コントローラ93のモード切換スイッチ155を「リフトモード」に切り換える。するとラッチングソレノイド137はロックモードになるように、すなわちプランジャロッド138を引き込んだ状態となるように励磁され、レバー136、リンク134、及びレバー133を介し、引張コイルバネ139に抗してロック部材132を回転させる。ロック部材132はエレベータ80を引き上げるため上昇位置に来ていたブラケット124の下に入り込む。この状態を図17に示す。この時ソレノイド状態検知スイッチ152及びロック解除状態検知スイッチ153はロック検知状態となる。ラッチングソレノイド137の励磁は所定時間経過後解除されるが、ラッチ機能により、プランジャロッド138の引き込み状態はそのまま保たれている。
【0101】
ここで昇降スイッチ154の「上昇」ボタンを押すと、モータ111は原動歯車123を反時計方向に回転させる。浮動歯車125は時計方向に回転し、エレベータ駆動歯車127は反時計方向に回転する。これによりエレベータ80は下降し、ブラケット81で復元用錘66を引っ掛ける。エレベータ80が下降を続けると、紐状部材55及び身体保持手段200の張力が高まって行く。そして、引上力に等しい質量が吊具51に加わる瞬間がやってくる。
【0102】
「アシストモード」の場合はここでエレベータ80が下降を停止し、エレベータ駆動歯車127も回転を停止し、浮動歯車125がエレベータ駆動歯車127をけり出してブラケット124が反時計方向に回転する。これによりエレベータ駆動歯車127と浮動歯車125のかみ合いは解消され、動力伝達装置120は連結切り離し状態となるものであった。しかしながら今回は「リフトモード」であり、ブラケット124の下にロック部材132が存在するため、ブラケット124は少し回転してストッパ129から所定間隔だけ離れはするものの、それ以上は回転しない。これがロック部材132によるブラケット124のロックである。
【0103】
ロック部材132がブラケット124をロックした状態では、浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127はかみ合いを維持したままであり、出力装置110の出力はエレベータ駆動歯車127に伝達され続ける。この出力装置110の出力が錘71の質量以外の負荷としてエレベータ80に加重され、吊具51に加わる引上力は吊具51の負担する荷重を超える「リフト力」となる。
【0104】
リフト力により、被介護者210は完全に吊り上げられる。モード切換スイッチ155を「アシストモード」にしないかぎりロック装置130状態は変わらず、被介護者210の身体の上下はすべて昇降スイッチ154により行われることになる。
【0105】
この「リフトモード」で被介護者210を吊り上げている間に停電や故障でモータ111の回転が止まると、被介護者210は空中に宙づりになってしまう。このような場合は次のようにして被介護者210を降ろす。
【0106】
図18は停電や故障など、モータ制御指令とは無関係の要因でモータ111の回転が止まったときの状況を示す。吊具51にかかる荷重によりエレベータ80には上昇力が生じ、エレベータ駆動歯車127には時計方向の回転力が加わる。原動歯車123が回転しないので、エレベータ駆動歯車127により回転させられる浮動歯車125は原動歯車123の周囲を遊星運動する形になる。ブラケット124は引張コイルバネ128の付勢力に抗して反時計方向に回転しようとする。しかしロック部材132がロック位置にあるため、ブラケット124の反時計方向回転は阻止される。ラッチングソレノイド137がリンク136を介してリンク134の動きを止めているので、ロック部材132はロック位置から変位しない。このためブラケット124はロック部材132を上から圧迫し続けることになる。
【0107】
ここで緊急操作レバー95を引くと、操作ケーブル144がベルクランク142の腕142aを引き、ベルクランク142は引張コイルバネ143に抗して回転する。ベルクランク142は腕142aでレバー136を押す。レバー136は図19において反時計方向に回転する。レバー136の連結ピン136aはリンク134の長孔134aの中をスライドするのみで、リンク134に力を伝えないので、リンク134はスライドせず、ロック部材132も位置を変えない。これが図19の状態である。このように連結ピン136aがリンク134の長孔134aの中をスライドすることにより、連結ピン136aはリンク134が図19において左方にスライドするのを引き止めなくなる。これを「ロック部材132がロック解放許容状態に置かれた」と表現する。
【0108】
ここで介護者211は被介護者210を抱きかかえ、被介護者210を持ち上げる。錘71によるアシスト力が作用しているので、軽く持ち上げることができる。被介護者210が持ち上げられ、エレベータ80が降下するとエレベータ駆動歯車127が反時計方向に回転し、引張コイルバネ128の付勢力と相まってブラケット124が持ち上がる。そしてブラケット124がロック部材132を圧迫しなくなるとロック解放許容状態にあったロック部材132は引張コイルバネ139に引かれてロック解除位置に変位する。リンク134もロック部材132と共に移動する。これが図20の状態である。このように被介護者210を持ち上げるに足る力を及ぼすことが「吊具51の負担する荷重を所定値以上軽減する」ということである。
【0109】
引張コイルバネ139は、ロック位置にあるロック部材132がロック部材解放装置140によりロック解放許容状態に置かれたとき、吊具51の負担する荷重が所定値以上軽減されない間はロック部材132を変位させてブラケット124との当接を解消するに至らず、前記荷重が所定値以上軽減されてはじめて、ロック部材132を変位させてブラケット124との当接を解消し、浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127とのかみ合いを維持できなくする付勢手段として機能する。
【0110】
ロック部材132がロック解除位置に変位した後、被介護者210を持ち上げる力を緩めれば、錘71によるアシスト力を利かせつつ、被介護者210を静かに降ろすことができる。これが図21の状態である。エレベータ駆動歯車127は時計方向に回転する。浮動歯車125は原動歯車123の周囲を遊星運動し、エレベータ駆動歯車127にけり出される位置に来る。エレベータ駆動歯車127による浮動歯車125のけり出しは被介護者210を降ろしている間中続く。
【0111】
被介護者210の体がベッド220や車椅子221に受けられると、吊具51の負担する荷重よりアシスト力の方が勝ることになり、エレベータ80は今度は下降しようとする。エレベータ駆動歯車127の回転方向が逆転すると、今までエレベータ駆動歯車127にけり出されていた浮動歯車125が直ちにエレベータ駆動歯車127にかみ合い、ブラケット124は持ち上がる。ブラケット124は直ぐにストッパ129で止められ、エレベータ駆動歯車127も浮動歯車125により回転を止められる。エレベータ80は下降を阻止されてその位置を維持し、吊具51に力を及ぼさない。このため、吊具51が強い力で急激に引き上げられて周囲の人に危害を加えることはない。
【0112】
吊具51から身体保持手段200を外せば、吊具51は復元用錘66の力で上方に復帰する。この時の吊具51の上昇力は弱く、人に危害を及ぼすようなものではない。これが図22に示す状態である。
【0113】
図23は本発明の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態を含む以下の実施形態において、第1の実施形態に現れたものと共通の構成要素ないし同等の機能を有する構成要素には第1の実施形態の説明で使用したのと同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0114】
第2実施形態はアシスト力の源泉として錘に代えバネを用いた点に特徴を有する。バネとしては一定荷重を付加することが可能な定荷重バネ160を用いる。定荷重バネ160はバネ鋼の帯161とこれを巻き付かせるリール162の組み合わせからなる。帯161は常に自らリール162に巻き付こうとし、これにより一定の荷重が発生する。この定荷重バネ160を複数個用意し、リール162を柱状本体10の下部に回転自在に支持し、帯161の先端をエレベータ80に連結する。引上力の調整は定荷重バネ160の数を変えることにより行う。
【0115】
図24は本発明の第3実施形態を示す断面図である。第3実施形態は引上力の源泉としてトルクモータを使用し、しかもこれを、柱状本体10でなくスライダ50に配置したことを特徴とする。スライダ50にはトルクモータ170がモータ軸171を水平にして設置される。モータ軸171には巻取ドラム172が連結される。巻取ドラム172は吊具51を吊り下げる紐状部材55を巻き取るものである。紐状部材55は吊具51に直接連結するものであり、動滑車は用いていない。トルクモータ170には制御装置173が付属し、制御装置173にはコントローラ174が接続されている。
【0116】
コントローラ174には引上力調整ダイヤル175があり、これを回すことにより任意の引上力を発生させることができる。吊具51に身体保持手段200を掛けた後、引上力調整ダイヤル175を操作して引上力を発生させる。吊具51の負担する荷重と同等又はそれ以下のアシスト力、あるいは吊具51の負担する荷重を超えるリフト力を自由に発生させることができる。介護用移動補助装置1を使用しないときは巻取ドラム172により吊具51を上方へ引き上げておく。
【0117】
図25は本発明の第4実施形態を示す断面図である。引上力発生の仕組みは第1実施形態と同じである。第4実施形態では、所定間隔を置いて平行に配置した2組の門型構造体20によりアーム12を支える。このため第1実施形態に比べアーム12を長くすることができる。レール40も当然長くなる。この構成によれば、アーム12に加わる荷重をほぼ全面的に門型構造体20で支えることとし、ヒンジ部11はアーム12の旋回中心を提供するだけの、低強度のものとすることが可能である。
【0118】
2組の門型構造体20と柱状本体10とは支持部材で連結し、1個の構造体とする。この場合は5脚構造ということになる。必要に応じ、門型構造体20の数をさらに増やすことができる。
【0119】
以上の実施形態の他、次のような実施形態も可能である。すなわちレール21は直接天井面に、あるいは天井面から垂下した支持部材に、取り付けることとしてもよい。またレール21は必ずしも直線状である必要はなく、湾曲していてもよい。アーム12自身も湾曲形状であって構わない。要は、アーム12の旋回がスムーズに行われさえすればよい。この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更を加えて実施することができる。
【0120】
【発明の効果】
本発明により、次に掲げるような効果が奏される。
【0121】
護用移動補助装置が、状本体(10)と、前記柱状本体(10)に連結されて前記柱状本体(10)とともに三脚構造を形成する第1脚部(22a)及び第2脚部(22b)と、前記柱状本体(10)の上端部より水平に突き出すとともに、前記柱状本体(10)との連結部を旋回中心として水平面内で旋回可能に設けられたアーム(12)と、前記アーム(12)に設けられて該アーム(12)の長手方向に沿って移動可能なスライダ(50)と、前記スライダ(50)に昇降可能に吊支されるとともに、被介護者の身体に装着された身体保持手段(200)に連結される吊具(51)と、前記吊具(51)を引き上げるための紐状部材(55)と、第1脚部(22a)の上端部と第2脚部(22b)の上端部との間に略水平に橋設され、第1脚部(22a)と第2脚部(22b)との間で前記アーム(12)を移動可能に吊設するレール(21)と、前記アーム(12)と前記レール(21)との間に設けられ、前記アーム(12)を前記柱状本体(10)を中心に旋回可能に吊設状態で移動させるユニバーサルスライダ(30)と、を備えることとしたから、アームに加わる荷重がレールに負担され、アームと柱状本体の間のヒンジ部の構造強化、及びアームや柱状本体自身の構造強化に依存せずにアームを長くしてスライダの移動可能領域を拡大することができる。
【0122】
アームの動きは一点を中心とする旋回であり、ビームの両端を2本のレールで支えて走行させる場合のように「こじり」が生じることがなく、動きがぎくしゃくしないので被介護者に不快感を与えない。またアームの旋回端に支柱などがないので、スライダをアームの旋回端まで動かして被介護者の車椅子への移乗などを行うのが楽である。アームの長さ次第では歩行訓練にも使用することができる。
【0123】
また、レールをほぼ水平にしっかりと設置し、アームの荷重に耐えさせることができる。またアームは第1、第2脚部の外には出ないから、予想外のモーメントが生じて柱状本体が倒れるようなことはない。
【0124】
また、介護用移動補助装置を他からの支えなしに自立させておくことが可能になる。この構造体は3点支持となり、姿勢が安定する。
【0125】
記のような介護用移動補助装置において、前記吊具(51)を吊支する動滑車(54)を備え前記紐状部材(55)は、この動滑車(54)に巻き掛けられ、前記柱状本体(10)の中に引き込まれることにより前記動滑車(54)を吊り上げることとしたから、紐状部材を引く動力要素を柱状本体の側に置き、スライダは動滑車の支持を主たる目的とする簡素な構成とすることができる。スライダに給電や制御のための電気配線を施す必要もない。
【0126】
記のような介護用移動補助装置において、前記紐状部材(55)は一端が前記柱状本体(10)に引き込まれ、他端は前記アーム(12)に設けられた紐状部材端固定部(59)に固定されるものであり、前記紐状部材端固定部(59)は複数設けられ、前記他端は複数の前記紐状部材端固定部(59)のいずれか一つに固定されることとしたから、紐状部材端固定部の位置を変えることにより床に対する吊具の昇降範囲を上下にシフトし、使用範囲を拡大することができる。これにより例えば、ベッドを中心とした起居のみならず、畳の上を中心にした起居にも対応させることができる。
【0127】
記のような介護用移動補助装置において、使用者の選択によって、前記吊具(51)に、その負担する荷重と同等又はそれ以下のアシスト力が与えられることとしたから、アシスト力により被介護者の質量を見かけ上減少させることができる。介護者の負担を数kgのレベルにとどめておけば、非力な介護者でも被介護者の身体を軽々と抱え上げ、思うがままに移動させることができる。
【0128】
アシスト力は被介護者の質量による下方への力と略同等以下であり、アシスト力が作用したからといって被介護者が機械的に吊り上げられてしまうことはない。介護者が抱きかかえて持ち上げてはじめて被介護者の身体が浮上する。そのため、被介護者は荷物のように吊り上げられるという不快感を感じない。片手で被介護者を浮上させられる程度の引上力を発生させれば、介護者が一方の手で被介護者の胴を抱き、他方の手で被介護者の首を支えるといった動作を無理なく遂行できる。これは介護者に精神的なゆとりをもたらし、これを感じ取ることにより、被介護者の方も落下するのではないかという不安感が払拭される。
【0129】
さらに、被介護者の身体を完全に吊り上げるリフト装置と異なり、ハンドルやスイッチを操作して高さの微調整を行う操作が不要であり、経験の浅い介護者であっても、ハンドルやスイッチの操作に気をとられることなく容易に使いこなすことができる。また、例えば下半身のみ不自由な被介護者の場合など、腰から大腿部にかけて取り付ける専用の身体保持手段を用いることができ、身体保持手段の取り付けを短時間で行うことができる。補助をしてやれば自力で立てるような被介護者であれば、このような着脱簡単タイプの身体保持手段を用いて、自力でベッドから車椅子へ、あるいはその逆へと移動することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明介護用移動補助装置の第1実施形態を示す斜視図
【図2】 介護用移動補助装置の垂直断面図
【図3】 レールによるアーム吊り下げ構造を示す部分斜視図
【図4】 アームの部分側面図
【図5】 駆動装置の斜視図
【図6】 緊急操作レバーの斜視図
【図7】 制御ブロック図
【図8】 被介護者の移動状況を説明する側面図
【図9】 被介護者の移動状況を説明する上面図
【図10】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第1の模型的垂直断面図
【図11】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第2の模型的垂直断面図
【図12】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第3の模型的垂直断面図
【図13】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第4の模型的垂直断面図
【図14】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第5の模型的垂直断面図
【図15】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第6の模型的垂直断面図
【図16】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第7の模型的垂直断面図
【図17】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第8の模型的垂直断面図
【図18】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第9の模型的垂直断面図
【図19】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第10の模型的垂直断面図
【図20】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第11の模型的垂直断面図
【図21】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第12の模型的垂直断面図
【図22】 本発明介護用移動補助装置の動作を説明する第13の模型的垂直断面図
【図23】 本発明介護用移動補助装置の第2実施形態を示す垂直断面図
【図24】 本発明介護用移動補助装置の第3実施形態を示す垂直断面図
【図25】 本発明介護用移動補助装置の第4実施形態を示す垂直断面図
【符号の説明】
1 介護用移動補助装置
10 柱状本体
11 ヒンジ部
12 アーム
20 門型構造体
21 レール
22a、22b 脚部
24 支持部材
30 ユニバーサルスライダ
40 レール
50 スライダ
51 吊具
54 動滑車
55 紐状部材
59 紐状部材端固定部
70 引上力発生装置
71 錘
80 エレベータ
200 身体保持手段
210 被介護者

Claims (5)

  1. 状本体(10)と、
    前記柱状本体(10)に連結されて前記柱状本体(10)とともに三脚構造を形成する第1脚部(22a)及び第2脚部(22b)と、
    前記柱状本体(10)の上端部より水平に突き出すとともに、前記柱状本体(10)との連結部を旋回中心として水平面内で旋回可能に設けられたアーム(12)と、
    前記アーム(12)に設けられて該アーム(12)の長手方向に沿って移動可能なスライダ(50)と、
    記スライダ(50)に昇降可能に吊支されるとともに、被介護者の身体に装着された身体保持手段(200)に連結される吊具(51)と、
    前記吊具(51)を引き上げるための紐状部材(55)と、
    第1脚部(22a)の上端部と第2脚部(22b)の上端部との間に略水平に橋設され、第1脚部(22a)と第2脚部(22b)との間で前記アーム(12)を移動可能に吊設するレール(21)と、
    前記アーム(12)と前記レール(21)との間に設けられ、前記アーム(12)を前記柱状本体(10)を中心に旋回可能に吊設状態で移動させるユニバーサルスライダ(30)と、
    を備えたことを特徴とする介護用移動補助装置
  2. 記吊具(51)を吊支する動滑車(54)を備え前記紐状部材(55)は、この動滑車(54)に巻き掛けられ、前記柱状本体(10)の中に引き込まれることにより前記動滑車(54)を吊り上げることを特徴とする請求項1に記載の介護用移動補助装置。
  3. 前記紐状部材(55)は一端が前記柱状本体(10)に引き込まれ、他端は前記アーム(12)に設けられた紐状部材端固定部(59)に固定されるものであり
    前記紐状部材端固定部(59)は複数設けられ、前記他端は複数の前記紐状部材端固定部(59)のいずれか一つに固定されることを特徴とする請求項に記載の介護用移動補助装置。
  4. 使用者の選択によって、前記吊具(51)に、その負担する荷重と同等又はそれ以下のアシスト力が与えられることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載の介護用移動補助装置。
  5. 前記アーム(12)の旋回可能領域内で被介護者を移動させることができることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の介護用移動補助装置。
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