JP2002336308A - 介護用移動装置 - Google Patents

介護用移動装置

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JP2002336308A
JP2002336308A JP2001142809A JP2001142809A JP2002336308A JP 2002336308 A JP2002336308 A JP 2002336308A JP 2001142809 A JP2001142809 A JP 2001142809A JP 2001142809 A JP2001142809 A JP 2001142809A JP 2002336308 A JP2002336308 A JP 2002336308A
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JP
Japan
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hanger
weight
moving
restoring
elevator
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JP2001142809A
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Kazuo Fukumoto
一夫 福本
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Original Assignee
Glory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 介護用移動装置での被介護者の移動作業の迅
速化と安全性の向上を図ることのできる、新規な吊具保
持構造を提供する。 【解決手段】 被介護者の身体を保持する身体保持手段
120を掛ける吊具21は動滑車25を介して紐状部材
26により懸垂支持される。紐状部材26の一端は復元
用錘33を含む復元装置3に連結される。吊具21は手
で任意高さに引き下げることができる。被介護者の移動
を終えた後、吊具21の拘束を解けば、吊具21は復元
装置3によって与えられる復元力により上方定位置へ自
然に復元移動する。復元装置3は抵抗装置41を含み、
この抵抗装置41は吊具21が復元力に抗して移動する
ときは抵抗小、吊具21が復元力によって移動するとき
は抵抗大となるので、吊具21を手で引くときの動きは
軽く、吊具21から手を離したときの復元移動はゆっく
りとしたものになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病人や怪我人、体
の不自由な人などの被介護者をベッドから車椅子に移動
させたり、車椅子からベッドに戻す作業を行う時などに
介護者を補助し、負担を軽減するための介護用移動装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】病人や怪我人、体の不自由な人などの被
介護者をベッドから車椅子に移動させたり、あるいは車
椅子からベッドへ戻すような作業は介護者にとって極め
て重労働であり、大きな負担となっている。このような
問題を解決するために、被介護者を吊上シートに乗せて
吊り上げ、その吊り上げ状態のまま車椅子の上に降ろす
ようにした装置が多数提案されている。例えば、特開平
9−108277号公報に示されている装置では、鉛直
状の支柱に連接された吊上アームの先端に吊上シートが
掛止可能な吊具を設けており、この吊具は一端がベルト
に連結されていて、巻取ハンドルを回転させてベルトを
巻き取ったり、繰り出すことで上下に昇降可能となって
いる。そして、被介護者をベッドから車椅子に移動させ
るような場合には、まず、ベッド上の被介護者を吊上シ
ートに包み込み、巻取ハンドルを手動で回転させてベル
トを繰り出して吊具を適当な位置まで下降させて吊上シ
ートのフックを吊具に引っ掛けた後、巻取ハンドルを回
転させてベルトを巻き取って被介護者を吊り上げる。次
に、吊り上げられた被介護者の下方に車椅子を置き、巻
取ハンドルを回転させてベルトを繰り出して被介護者を
車椅子の上に下ろすようになっている。
【0003】また、特開平10−80450号公報に示
された装置では、巻上装置内に設けられた巻き胴(ドラ
ム)をモータで回転させて自動でベルトの巻き取りや繰
り出しを行うことにより吊具を昇降させるようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置では、吊
上シートを掛けることができる高さまで吊具を下降させ
たり、被介護者の移動が完了した後に吊具を上方の安全
な位置まで上昇させたりする場合巻取ハンドルを回転さ
せたり、スイッチ操作でモータを駆動する必要があり、
吊具を所望の高さに移動させるのに時間がかかり、作業
の迅速化の妨げとなっている。また、吊上シートを掛け
るために吊具を下降させる際、下降量が不足すれば吊上
シートが掛けにくく、下降量が過大であれば吊上シート
を掛けてもそれがたるんで外れてしまうといった問題が
ある。さらには、吊具を下降させて吊上シートを掛けた
後、吊具がある程度上昇して吊上シートがぴんと張るま
では吊具が空中をふらつき、介護者あるいは被介護者に
当たる危険がある。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、本発明の目的は、介護用移動装置での被介
護者の移動作業の迅速化と安全性の向上を図ることので
きる、新規な吊具保持構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、介護用移動装置が以下の構成要素を備
えるものとした。 (a)被介護者の身体を保持する身体保持手段 (b)前記身体保持手段を掛ける吊具 (c)前記吊具に上方定位置への復元力を与える復元装
置。
【0007】この構成により、吊具を手で下に引けば簡
単に任意の高さまで下降させることができ、また、移動
作業後は吊具から手を離せば上方の安全な位置まで自然
に戻ることになり、吊具の準備と後始末に時間がかから
ない。
【0008】また本発明では、復元装置は抵抗装置を含
み、この抵抗装置は吊具が復元力に抗して移動するとき
は抵抗小、吊具が復元力によって移動するときは抵抗大
となるものとした。この構成によれば吊具を手で引くと
きの動きが軽快になり、反面吊具から手を離しても急激
に復元することなくゆっくりと戻って行くので安全であ
る。
【0009】また本発明では、吊具の復元力を錘により
発生させた。この構成によればシンプルで信頼性の高い
機構とすることができる。
【0010】また本発明では、吊具を動滑車を介して懸
垂支持し、この動滑車に巻き掛けられる紐状部材の一端
に錘を連結した。この構成によれば必要とされる復元力
を小質量の錘で生み出すことができる。
【0011】また本発明では、錘の質量を調整すること
により吊具は任意高さでその位置を維持できるように
し、外部より上方への付勢力が加わることにより吊具が
復元移動するようにした。この構成によれば任意の高さ
まで下降させた吊具から手を離しても、外部より上方へ
の付勢力が加わらないかぎり吊具は復元移動しないので
介護者の両手が自由になり、身体保持手段を吊具に掛け
る操作を楽に行うことができる。
【0012】また本発明では、吊具の復元力をバネによ
り発生させるようにした。この構成によれば復元装置を
コンパクトな形で実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図
1〜18に基づき説明する。最初に、図1〜11に基づ
き構造の説明を行う。
【0014】介護用移動装置1はベッドサイドや浴室の
洗い場等、被介護者の身体を持ち上げて移動させる必要
のある場所に設置される。介護用移動装置1は垂直なコ
ラム10と、コラム10の上端の一側面にヒンジ11を
介して結合された水平なビーム12を備える。コラム1
0、ビーム12ともに板金を折曲して四辺形断面に形成
したものであり、被介護者の質量を支えるのに十分な強
度を備えている。
【0015】コラム10の下端からは3本のアウトリガ
ー13a、13b、13cがT字形をなすように張り出
す。各アウトリガーの先端にはレベル出し用のネジ脚1
4が取り付けられている。なおアウトリガー13a、1
3b、13cは着脱可能であり、コラム10をベッド、
浴槽、壁等に直接固定できる場合には取り外す。
【0016】ビーム12はヒンジ11を中心として水平
面内で旋回可能であり、内部にスライダー20を備えて
いる。スライダー20はビーム12の長手方向に沿って
水平方向にスライドする。スライダー20を支持するに
あたっては、「リニアガイド」等の商品名で市販されて
いる直線摺動機構要素、あるいは水平なガイドロッドと
ボールガイドとの組み合わせ等を使用することができ
る。
【0017】スライダー20は吊具21を懸垂支持す
る。吊具21はステンレススチール等強度の高い金属か
らなり、水平な板状本体の両側にフック22を有する形
状であって、このフック22に被介護者の身体を保持す
る身体保持手段120(図12参照)を掛けるものであ
る。身体保持手段120は図12のように被介護者を包
み込む形態の強靱な布により構成され、フック22に係
合する輪部121を両側に有する。
【0018】吊具21の上面中央には滑車ハウジング2
3がスイベル軸24により連結される。滑車ハウジング
23は内部に動滑車25を備え、この動滑車25に巻き
掛けられる紐状部材26により懸垂支持される。紐状部
材26の一方の端はスライダー20に装着したガイドプ
ーリー27と、コラム10の内部に設けたガイドプーリ
ー28を介してコラム10内のエレベーター40に連結
する。紐状部材26の他方の端はスライダー20に装着
したガイドプーリー29、ビーム12内のガイドプーリ
ー30、31、及びコラム10内のガイドプーリー32
を介してコラム10内の復元用錘33に連結する。滑車
ハウジング23は2筋の紐状部材26で支持されるため
スライダー20に対し相対回転しないが、吊具21はス
イベル軸24を中心として水平面内で回転自在である。
【0019】紐状部材26はヒンジ11を経由してコラ
ム10とビーム12に出入りするものであり、ビーム1
2の旋回によって紐状部材26の移動が影響されないよ
う、ヒンジ11には図6、7に示すようなガイド機構が
設けられている。すなわちヒンジ11はコラム10側の
ヒンジ部材34とビーム12側のヒンジ部材35とをピ
ン36a、36bで連結するのであるが、このピン36
a、36bの互いに対向する端に水平な軸支板37を取
り付け、この2枚の軸支板37に垂直な軸38a、38
bの両端をそれぞれ支持させる。軸38a、38bはピ
ン36a、36bの軸線を中心とする対称位置に配置さ
れ、各々2個づつのガイドローラー39を軸線方向に距
離を置いて回転自在に支持している。各ガイドローラー
39の外周には半円形断面の溝が刻まれ、軸38a側の
ガイドローラー39と軸38b側のガイドローラー39
との間にはほぼ円形のガイド空間が形成される。このガ
イド空間に紐状部材26を通す。
【0020】軸支板37はピン36a、36bを中心と
して回動可能であり、図7に示すように紐状部材26の
向きに合わせて自らの向きを変えることができる。従っ
て、ビーム12の向きが変わるにつれ軸支板37の向き
も変わり、紐状部材26が移動に支障をきたすようなこ
とはない。なおピン36a、36bと軸支板37との関
係は、ピン36a、36bに軸支板37が固定され、軸
支板37がピン36a、36bもろとも回動する構成で
あってもよく、ピン36a、36bと軸支板37とが互
いに回動可能で、ピン36a、36bとは関係なく軸支
板37のみ回動する構成であってもよい。
【0021】コラム10の内部には、吊具21に上向き
の推力を与え、被介護者の見かけ上の質量を減少させる
アシスト装置2が配置される。アシスト装置2の中核と
なるのは錘42であるが、この錘42にアシスト動作を
遂行させるため、エレベーター40、昇降装置70、モ
ータ80、動力伝達装置90等、様々な構成要素が付属
し、これらが集合してアシスト装置2を形成する。ま
た、コラム10の内部には吊具21に上方定位置への復
元力を与える復元装置3も配置されている。以下、アシ
スト装置2の各部及び復元装置3の構造を順次説明す
る。
【0022】コラム10の内部にはエレベーターシャフ
ト15、16が並列に区画形成され、そのうち断面積の
小さい方のエレベーターシャフト16に復元用錘33が
収納される。復元用錘33は復元装置3の中核をなす。
復元用錘33の質量は吊具21と滑車ハウジング23と
の合計質量の1/2よりも大きく、吊具21を常に上方
の定位置へ引き上げる。吊具21に手をかけて下に引く
と復元用錘33は上昇する。エレベーターシャフト16
の上端には復元用錘33の移動上限となるストッパー1
7が設けられている。なおガイドプーリー32の軸には
図5に示す抵抗装置41が連結される。抵抗装置41は
復元装置3の一部をなすものであり、ロータリーダンパ
ーにより構成され、回転方向によって異なる抵抗を発生
する。すなわち復元用錘33が上昇する方向にあっては
抵抗小、復元用錘33が下降する方向にあっては抵抗大
となるものである。
【0023】エレベーター40はエレベーターシャフト
15の内部で昇降動作を行う。エレベーター40は吊具
21の推力源となる錘42を支持する。錘42は複数個
の錘ブロック43の集合からなる。錘ブロック43は図
4に示すように直方体形状をしており、垂直方向に積み
上げて使用される。積み上げ時の位置ずれを防ぐため、
各錘ブロック43の上面には1対のダボ44が形設さ
れ、下面にはこのダボ44を受け入れる穴(図示せず)
が形設される。錘ブロック43の中心には垂直な貫通穴
43aが形設される。また錘ブロック43の対向側面間
には、貫通穴43aと直交する形で、連結ピン46を挿
入するための水平な貫通穴45が設けられる。連結ピン
46の役割は後で説明する。
【0024】エレベーター40は倒立したL字形状をし
ており、その上端のブラケット部47に倒立したT字形
状の吊りブロック48がピン49を介して連結される。
ピン49は紐状部材26を連結するのにも用いられる。
図3に示すように、吊りブロック48はT字の横棒部を
ブレーキ装置50のハウジングの中に置き、縦棒部をブ
レーキ装置50の天井部から上方に突き出す。吊りブロ
ック48とブレーキ装置50とは上下方向に相対移動可
能である。
【0025】吊りブロック48の横棒部の両翼にはそれ
ぞれ水平な長穴51が形設される。ブレーキ装置50の
内部に支軸52により垂直面内で回動自在に支持された
ブレーキレバー53の一端のピン54が長穴51に係合
する。ブレーキレバー53の他端はブレーキ装置50の
側面に設けた窓55に臨む。窓55の外には硬質ゴムか
らなるブレーキシュー56がブレーキ装置50の昇降ス
トローク全域にわたり垂直に配置されている。吊りブロ
ック48とブレーキ装置50の底壁との間には引張コイ
ルバネ57が張り渡され、吊りブロック48を下方へ引
く。通常状態ではブレーキ装置50及びその支持する構
成要素の質量が引張コイルバネ57のテンションに打ち
勝ち、吊りブロック48の横棒部がブレーキ装置50の
天井面に当たる。そしてブレーキレバー53は窓55か
ら突出しない角度に維持される。
【0026】ブレーキ装置50の下面中心からは吊り棒
58が垂下する。吊り棒58は錘ブロック43の垂直方
向の貫通穴43aに挿入されるものである。吊り棒58
の側面には、錘ブロック43の水平方向の貫通穴45に
整列する貫通穴59が、錘ブロック43の厚さと同じピ
ッチで形設されている。垂直に積まれた錘ブロック43
の貫通穴43aに吊り棒58を通し、任意の錘ブロック
43の貫通穴45に連結ピン46を通して錘ブロック4
3と吊り棒58を串刺しにすると、その錘ブロック43
及びその上に乗った錘ブロック43が吊り棒58と結合
した状態になり、ブレーキ装置50とともに昇降する。
どの錘ブロック43に連結ピン46を通すかにより、錘
42の質量を調整することができる。なおブレーキ装置
50の底壁には最上段の錘ブロック43のダボ44を通
す貫通穴が設けられている。
【0027】連結ピン46の抜き差し作業を行うため、
コラム10の下部両側面にはサービスハッチ60を設け
る(図1参照)。サービスハッチ60には扉61を設
け、常時はこれを閉ざす。なお図2において62は錘ブ
ロック43を載置する置台である。
【0028】エレベーター40は昇降装置70により昇
降する。昇降装置70はエレベーター40に連結したタ
イミングベルト71と、このタイミングベルト71を巻
き掛ける上下1対のタイミングプーリー72、73によ
り構成される。下方のタイミングプーリー73はエレベ
ーターシャフト15の中、上方のタイミングプーリー7
2はエレベーターシャフト15の上の区画に配置され
る。タイミングプーリー73にはベルトテンション調整
装置74が付属する。なおエレベーター40の側面には
垂直方向に整列する形で1対のガイドローラー75が装
着される。ガイドローラー75はエレベーターシャフト
15の内部に垂直に固定した断面コ字形のガイドレール
(図示せず)に係合し、エレベーター40をふらつきな
く垂直に昇降させる役割を担う。
【0029】図8、9に昇降装置70を動作させる仕組
を示す。80はモータ、90はモータ80の動力を昇降
装置70に伝達する動力伝達装置である。モータ80と
動力伝達装置90はともにコラム10の上部に配置され
ものであり、配置に必要なスペースを確保するため、コ
ラム10の上部には張出部18が形設されている(図1
参照)。
【0030】動力伝達装置90は次の4個の歯車を備え
る。すなわち入力部歯車91、出力部歯車92、中間歯
車93、ウオーム歯車94である。入力部歯車91とウ
オーム歯車94とは同じ軸95に固定される。出力歯車
92はタイミングプーリー72とともに軸96に固定さ
れる。中間歯車93は軸97に固定される。軸95、9
6、97はいずれも水平且つ互いに平行である。
【0031】98は軸95に取り付けられたブラケット
で、軸95を中心に垂直面内で回動可能である。軸97
はブラケット98に回転自在に支持され、中間歯車93
は入力部歯車91に常時かみ合う。99はコラム10の
内部に水平に設けたストッパー板で、ブラケット98の
自由端がストッパー板99に当たる角度位置において、
中間歯車93は出力部歯車92にかみ合う。
【0032】モータ80はモータ軸81を垂直にして配
置される。モータ軸81に固定したウオーム82がウオ
ーム歯車94にかみ合い、動力を伝える。83はモータ
80を制御する制御装置である。制御装置83には図
1、2に示すコントローラー84から制御信号が伝えら
れる。コントローラー84は上昇ボタン85、下降ボタ
ン86、及びモード切替スイッチ87を有する。制御装
置83にはストッパー板99の下面に固定されたマイク
ロスイッチ88と、エレベータシャフト15内に配置さ
れた上下のリミットスイッチ89a、89b(図2参
照)からも信号が伝えられる。マイクロスイッチ88は
ストッパー板99に設けた穴を通じて押しボタン88a
を上方に突出させている。押しボタン88aはブラケッ
ト98を待ち受ける位置にあり、ブラケット98がスト
ッパー板99に当たると押しボタン88aがブラケット
98に押されてマイクロスイッチ88の開閉状態が切り
替わるものである。
【0033】ブラケット98に対しては回動阻止装置1
00が設けられる。回動阻止装置100はストッパー板
99に当たったブラケット98をその状態に押しとどめ
る働きをするものであり、ロータリーソレノイド101
と、その軸102に固定されたストッパーブロック10
3により構成される。軸102は軸95、96、97と
平行であり、ストッパーブロック103はブラケット9
8の上方に位置する。ロータリーソレノイド101は制
御装置83により制御される。ストッパーブロック10
3が図8、10の角度位置にあるとき、ブラケット98
は中間歯車93と出力部歯車92のかみ合いが外れる位
置まで回動可能である。ストッパーブロック103が図
11の角度位置に来ると、ブラケット98はストッパー
板99に当たったまま拘束されることになる。
【0034】ブラケット98に対しては、その角度を維
持する角度維持装置110が設けられる(図9参照)。
角度維持装置110は軸95に装着されたトルクリミッ
ター111と、トルクリミッター111から突き出した
アーム112と、ブラケット98から突き出し、アーム
112に下から支えられるピン113により構成され
る。
【0035】次に、図1〜11に加え図12〜18も参
照しつつ介護用移動装置1の作用を説明する。なお図1
4〜18は図2を忠実に線画化したものではない。説明
を容易にするため、エレベーターシャフト15、16の
位置を取り替えてあり、ガイドプーリーの配置も異なっ
ている。省略した構成要素も多い。
【0036】介護用移動装置1をはじめて使用する場合
には、吊具21に与える推力を被介護者131の質量に
合わせて調整する必要がある。これを行うには、エレベ
ーター40を最下降位置まで下降させた状態でサービス
ハッチ60の扉61を開け、正面に見えている錘ブロッ
ク43の推力表示に着目する。各錘ブロック43には各
々「40kg」「50kg」「60kg」「70kg」
といった推力の表示があるので、それを目安にいずれか
の錘ブロック43の貫通穴45に連結ピン46を差し込
めば良い。すると、貫通穴45とこれに整列する吊り棒
58の貫通穴59を連結ピン46が串刺しにし、所要の
推力を発生するのに必要な個数の錘ブロック43が吊り
棒58により吊られることになる。この推力は「被介護
者の質量(衣服を含む)と同等以下」という条件を満た
せば良く、通常は被介護者131の質量より少し小さく
する。
【0037】錘42は唯一の推力発生源という訳ではな
い。錘42の質量に加え、エレベーター40とブレーキ
装置50の質量も推力発生に寄与する。そして、動滑車
25を用いているため、錘42、エレベーター40、ブ
レーキ装置50の質量の合計の2倍が推力として作用す
ることになる(各部の抵抗による推力の減殺はここでは
論議の対象としない)。他方、吊具21と滑車ハウジン
グ23の質量は推力減殺要因として働く。これらもろも
ろの要素を考慮した上で、個々の錘ブロック43の質量
と、推力の表示が設定されるものである。
【0038】推力の調整を終えた後、サービスハッチ6
0の扉61を閉じ、エレベーター40を一旦上昇させ
る。コントローラー84のモード切替スイッチ87で
「アシストモード」を選択し、下降ボタン86を押す。
吊具21に及ぼす力の方向に着目してボタンの「上昇」
と「下降」を設定しているので、ボタンの表示とエレベ
ーター40の移動方向とは逆になる。さて、下降ボタン
86を押すと制御装置83を通じモータ80に制御信号
が伝えられ、モータ80が回転を始める。この時モータ
80は、入力部歯車91を図10において時計回りに回
転させる。
【0039】モータ80が回転を始めるまで、動力伝達
装置90は図10に示す連結切り離し状態にあった。す
なわち回動阻止装置100のストッパーブロック103
は斜めを向き、ブラケット98は反時計回りに回動して
ストッパー板99から持ち上げられ、ストッパーブロッ
ク103に当たって止まっていた。そしてこのように持
ち上げられたブラケット98は、角度維持装置110に
よって角度を維持されていた。ブラケット98はトルク
リミッター111のアーム112にピン113を介して
自重に基づくトルクを与え続けるが、そのトルクはトル
クリミッター111の設定トルクより小さいため、トル
クリミッター111と軸95との間に相対回転を生じさ
せるに至らず、ブラケット98は図10の角度を変えな
かったのである。
【0040】入力部歯車91が時計回りに回転を始める
と、すなわち軸95が時計回りに回転を始めると、上記
の状況は一転する。中間歯車93が反時計回りに回転を
始め、一方ではトルクリミッター111のアーム112
がピン113の下から逃げ、ブラケット98が時計回り
に回動する。ブラケット98はストッパー板99に当た
って止まり、図8の状態となる。ブラケット98がこの
角度になると中間歯車93と出力部歯車92のかみ合い
が成立し、動力伝達装置90が連結状態となり、出力部
歯車92が時計回りに回転を始める。軸95が約1回転
すると、トルクリミッター111のアーム112が今後
はピン113を上から押す。ブラケット98はそれ以上
角度を変えないので、軸95とトルクリミッター111
とは互いに回転することになる。またブラケット98は
マイクロスイッチ88の押しボタン88aを押してお
り、ブラケット98がストッパー板99に着座したとい
う着座信号がマイクロスイッチ88より制御装置83に
伝えられる。
【0041】出力部歯車92が時計回りに回転するとタ
イミングプーリー72も時計回りに回転し、タイミング
ベルト71がエレベーター40を引き上げる。エレベー
ター40が上昇するとその上昇分だけ紐状部材26がコ
ラム10から繰り出されるが、その繰り出し分は復元用
錘33が下降して再びコラム10の中に引き込むので、
吊具21が上方定位置より下がることはない。エレベー
ター40が適当な位置(吊具21に身体保持手段120
が掛けられる程度の位置)まで上昇したところでコント
ローラー84の下降ボタン86から指を離し、エレベー
ター40の上昇を止める。なお下降ボタン86を押し続
けていたとしても、エレベーター40から突き出した図
示しないドグがリミットスイッチ89aを押した時点で
モータ80が停止し、エレベーター40は上昇を止め
る。
【0042】次に、被介護者131の体幹部の下に身体
保持手段120を敷き込む。それから、輪部121をフ
ック22に掛けられるところまで吊具21を下ろす。吊
具21を下ろすと、図14のように復元用錘33が上昇
する。抵抗装置41の示す抵抗はこの時は小さく、吊具
21は軽く引き下ろすことができる。身体保持手段12
0の輪部121をフック22に掛けられるところまで吊
具21を下ろしたときには、復元用錘33はストッパー
17に当たるか、それに近い高さまで上昇している。
【0043】身体保持手段120を吊具21に掛けた後
手を離せば、吊具21は復元力で上昇しようとし、身体
保持手段120はぴんと張りつめる。紐状部材26もぴ
んと張る。従って身体保持手段120がたるんで吊具2
1から外れるといったことはない。吊具21が空中でふ
らつき、被介護者131あるいは介護者132に当たる
といったこともない。
【0044】身体保持手段120と吊具21の連結が完
了したところでコントローラー84の上昇ボタン85を
押す。するとモータ80が逆回転し、入力部歯車91が
反時計回りに回転し、中間歯車93が時計回りに回転す
る。出力部歯車92は反時計回りに回転する。この時の
中間歯車93と出力部歯車92の関係は、中間歯車93
が出力部歯車92を反時計回りに回転させるというより
もむしろ、自由落下しようとするエレベーター40によ
り出力部歯車92が急速に反時計まわりに回転しようと
するのに中間歯車93がブレーキをかけ、エレベーター
40を一定のゆっくりとした速度で下降させているもの
である。エレベーター40が下降するにつれ紐状部材2
6がエレベーターシャフト15の中に引き込まれ、復元
用錘33は、もしこの時点でストッパー17に当たって
いなかったとすれば、ストッパー17に当たるところま
で引き上げられる。
【0045】復元用錘33がストッパー17に当たって
動きを止めてもなおエレベーター40が下降を続ける
と、紐状部材26及び身体保持手段120の張力が高ま
って行く。そして、推力に等しい質量が吊具21に加わ
る瞬間がやってくる。この時エレベーター40は下降を
停止し、出力部歯車92も回転を停止する。このため、
急速に回転しようとする出力部歯車92に中間歯車93
がブレーキをかけるという関係が解消される。モータ8
0は依然として回転を続けるので、中間歯車93が出力
部歯車92をけり出す形になり、またトルクリミッター
111のアーム112がピン113の下に回り込んでき
てこれをすくい上げ、ブラケット98は反時計回りに回
動して図10の角度になる。これにより出力部歯車92
と中間歯車93のかみ合いは解消され、動力伝達装置9
0は連結切り離し状態となる。図15がこの状態に対応
する。
【0046】ブラケット98がリミットスイッチ88の
押しボタン88aを押さなくなった瞬間、着座信号が消
える。制御装置83の中には遅延回路があり、コントロ
ーラー84の上昇ボタン85が押されていなかったとし
ても、着座信号が消えた後一定時間はモータ80を回転
させ続け、ブラケット98がストッパーブロック103
に当たるまで持ち上がったことが確実になった後、モー
タ80を停止させる。ブラケット98のこの角度は前述
の通り角度維持装置110により維持される。停止中の
モータ80を上記と逆方向に回転させればブラケット9
8は逆方向すなわち時計回りに回動し、中間歯車93と
出力部歯車92のかみ合いが復活する。
【0047】動力伝達装置90が連結切り離し状態とな
り、中間歯車93による出力部歯車92の拘束がなくな
ると、錘42(及びエレベーター40、ブレーキ装置5
0)の質量が、吊具21に上向きに加わる推力に転化す
る。このため、被介護者131の質量は推力の分だけ見
かけ上減少する。介護者132は車椅子133をベッド
130の傍らに停止させた後、被介護者131の身体を
抱きかかえる。被介護者131の見かけ上の質量は数k
g程度とすることができ、介護者132は数kg分の力
を発揮しさえすれば被介護者131の身体を浮上させら
れる。そのため介護者132が被介護者131の下半身
をかかえ上げれば被介護者131の全身が浮上する。
【0048】被介護者131の見かけ上の質量が軽いの
で、介護者132は被介護者131を上下にも水平にも
楽に動かせる。図16がこの状態に対応する。介護者1
32は少ない労力で被介護者131を素早く車椅子13
3に座らせることができる。もちろん、被介護者131
が肉体的苦痛あるいは精神的不安を感じない程度の動作
速度でなければならないことは言うまでもない。
【0049】被介護者131を車椅子133に座らせた
後、コントローラー84の下降ボタン86を押すと、前
述のようにブラケット98が時計回りに回動して中間歯
車93と出力部歯車92のかみ合いが復活し、エレベー
ター40を上昇させる。図17がこの状態に対応する。
すると復元用錘33が下降し、ストッパー17との間
に、吊具21を手で引き下げられるだけのゆとりしろが
生じる。こうしておいて吊具21を下に引き、フック2
2から身体保持手段120を外す。身体保持手段120
から離れた吊具21は復元装置3による復元力で上方定
位置に復元移動する。図18がこの状態に対応する。復
元移動中、抵抗装置41が大きな抵抗を発生しているの
で吊具21の上昇速度は緩やかであり、周囲に対する危
険はない。
【0050】吊具21の方は自然に復元するにまかせ、
介護者132は車椅子133の後ろに回り、車椅子13
3を押して被介護者131を目的地へと運ぶ。なお上昇
したエレベーター40は、モータ40が停止しさえすれ
ば、ウオーム82とウオーム歯車94との不可逆伝達性
により、その高さに留まっている。
【0051】上記の構成では、吊具21は手または身体
保持手段120による拘束が解かれるとすぐ上方への復
元移動を開始する。しかしながら、吊具21が任意の高
さに留まっていてくれれば、身体保持手段120を吊具
21に掛けるのに両手を自由に使うことができ、介護者
132にとって便利である。これは、次の関係が満たさ
れるように復元用錘33の質量を調整することにより実
現できる。 復元用錘の質量と吊具及び滑車ハウジングの合計質量の
1/2との差 <抵抗 (復元用錘の質量 > 吊具及び滑車ハウジングの合計
質量の1/2)
【0052】上記抵抗は動滑車25、ガイドプーリー2
7、28、29、30、31、32、ガイドローラー3
9等の軸受部の摩擦、紐状部材26の内部摩擦、及び抵
抗装置41の抵抗の総和である。なお厳密に言えば、吊
具21が下降するにつれ吊具21側の紐状図材26の質
量が増加し、復元用錘33の側の紐状部材26の質量が
減少する訳であるが、これによりもたらされる釣り合い
の変化は相対的に小さく、無視して構わない。
【0053】このように復元用錘33の質量を調整して
おけば、吊具21を任意高さに引き下ろして手を離した
とき、吊具21はその位置を維持する。そして、吊具2
1に外部より上方への付勢力を与えて勢いをつければ、
後は復元用錘33がその運動を引き継いで吊具21を上
方定位置まで復元移動させるものである。
【0054】被介護者131を車椅子133からベッド
130に戻すときも上記と同様の手順を踏む。まず、車
椅子133と吊具21の位置を合わせる。エレベーター
40が以前上昇させたときの高さのままであるならば、
すぐに吊具21を引き下ろせばよい。身体保持手段12
0の輪部121をフック22に掛け、コントローラー8
4の上昇ボタン85を押すと、エレベーター40が下降
を始める。推力に等しい質量が吊具21に加わるとエレ
ベーター40は下降を停止し、動力伝達装置90は連結
切り離し状態となり、錘42(及びエレベーター40、
ブレーキ装置50)の質量が吊具21に上向きに加わる
推力に転化し、被介護者131の質量は推力の分だけ見
かけ上減少する。介護者132は被介護者131の下半
身をかかえ上げて被介護者131の全身を浮上させ、ベ
ッド130の上まで水平移動させてから下ろす。
【0055】次いでコントローラー84の下降ボタン8
6を押してエレベーター40を上昇させ、復元用錘33
とストッパー17との間に吊具21を手で押し下げられ
るだけのゆとりしろを生じさせる。それから吊具21を
下に引き、フック22から身体保持手段120を外し、
吊具21を上方定位置へ復元移動させる。次の使用に備
えて推力を調整する必要がなければ、エレベーター40
は上昇させたままにしておけば良い。推力を調整する必
要があるときはコントローラー84の上昇ボタン85を
押し、エレベーター40を最後まで下降させる。錘42
が完全に置台62に載置されるところまでエレベーター
40を下降させると、エレベーター40から突き出した
図示しないドグがリミットスイッチ89bを押し、上昇
ボタン85を押し続けていたとしてもモータ80は停止
する。
【0056】次にブレーキ装置50の作用について説明
する。動力伝達装置90が連結切り離し状態にあるとき
に紐状部材26が切れると、エレベーター40は引き留
めるものなく落下する。紐状部材26が切れても動力伝
達装置90が連結状態にあればエレベーター40の自由
落下はくい止められる訳であるが、タイミングベルト7
1が切れでもすればその歯止めもきかない。エレベータ
ー40が最後まで自由落下すれば大きな音と振動を生
じ、被介護者131をはじめとする周囲の人々にショッ
クを与えるばかりでなく、介護用移動装置1の機構や制
御系統も悪影響を受ける。
【0057】そこで、ブレーキ装置50の出番となる。
紐状部材26が切れるや否や引張コイルバネ57が吊り
ブロック48を下方に引き寄せる。するとブレーキレバ
ー53が回動し、先端が窓55から外に突き出してブレ
ーキシュー56に接触する。ブレーキシュー56に接触
するとブレーキレバー53にはこれを一層外側に回動さ
せようとする力が加わり、強力にブレーキがかかる。そ
の結果、エレベーター40は加速度を増す前に停止す
る。
【0058】これまで、アシスト装置2が被介護者13
1の質量を見かけ上減少させる働きについて説明してき
た。これは、ベッドに腰掛けることができたり、ベッド
上で座位を保つことができたり、下半身のみ麻痺してい
るような被介護者とその介護者にとっては非常に具合が
良い。しかしながら全身麻痺であったり、そこまで行か
ないまでも首が座らないような被介護者を移動させる際
には機械力で完全に吊り上げた方が介護者にとって都合
の良い場合もある。この実施形態の介護用移動装置1は
アシスト装置2をリフト装置に転換することにより、そ
のような完全吊り上げの要請にも応えられるものであ
る。以下これについて説明する。
【0059】アシスト装置2をリフト装置として働かせ
るときは、まずコントローラー84の下降ボタン86を
押してエレベーター40を上昇させ、吊具21に身体保
持手段120を掛けた後、モード切替スイッチ87を
「リフトモード」に切り替える。すると回動阻止装置1
00のロータリーソレノイド101が動作してストッパ
ーブロック103が図11のように真下を向く。ここで
上昇ボタン85を押すとモータ80が中間歯車93を時
計回りに回転させ、エレベーター40の下降が開始す
る。
【0060】今度は、推力に等しい質量が吊具21に加
わる瞬間がやってきても回動阻止装置100のストッパ
ーブロック103がブラケット98を押さえているため
ブラケット98は回動しない。すなわち中間歯車93は
出力部歯車92にかみ合ったままである。このためモー
タ80の回転力が出力部歯車92に伝達され続け、吊具
21には推力に加えモータ80による吊上力が加わっ
て、被介護者131を完全に吊り上げるものである。モ
ード切替スイッチ87を「アシストモード」にしないか
ぎり回動阻止装置100の状態は変わらず、被介護者1
31の身体の上下はすべてモータ80を駆動源として行
われることになる。
【0061】復元装置3により吊具21に復元力を与え
るメカニズムは、アシスト機能を備えず、単に被介護者
の全身を完全に吊り上げるだけの介護用移動装置にも組
み合わせることができる。その場合には、アシスト装置
2に代わり、通常のリフトあるいはホイスト装置の巻取
機構で紐状部材26が巻き取られることとすればよい。
【0062】図19に本発明の第2実施形態を示す。な
お、この実施形態を含む以下の実施形態において、第1
の実施形態に現れたものと共通の構成要素ないし同等の
機能を有する構成要素には第1の実施形態の説明で使用
したのと同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
【0063】第2実施形態はアシスト装置2がトルクモ
ータを推力源に含むことを特徴とする。エレベーターシ
ャフト15の中にはエレベーター40も錘42もなく、
【0064】図19の第2実施形態は復元装置3の復元
力を復元用錘33でなくバネにより発生させるようにし
た点に特徴を有する。図19において160はビーム1
2の先端に設けた巻取ドラムで、水平軸まわりに回転可
能であり、紐状部材26の一端がこれに連結されてい
る。巻取ドラム160の内部のゼンマイバネ161が巻
取ドラム160に紐状部材26の巻取回転力を与える。
紐状部材26の他端は第1実施形態と同じくエレベータ
ー40に連結されている。
【0065】巻取ドラム160の巻き取り力は、吊具2
1から手を離せば吊具21が自然に上方定位置に復元移
動するように設定することができる。あるいは、任意の
高さに引き下ろして手を離せば各部の摩擦抵抗でその高
さに留まり、外部より上方への付勢力を与えて勢いをつ
ければ巻取ドラム160がその運動を引き継いで吊具2
1を上方定位置まで復元移動させる程度に設定すること
ができる。吊具21の上昇が緩やかに行われるよう、第
1実施形態の抵抗装置41と同様の抵抗装置を巻取ドラ
ム160あるいはガイドプーリー29の軸に連結しても
よい。
【0066】図20、21に本発明の第3実施形態を示
す。この実施形態では、スライダー20の中に2つの巻
取ドラムを設けた。一方はアシスト装置2の巻取ドラム
142で、トルクモータ140のモータ軸141に固定
されている。他方は復元装置3の巻取ドラム160で、
これは第2実施形態で用いたものと同じものである。一
端を巻取ドラム142、他端を巻取ドラム160に連結
した紐状部材26が動滑車25に巻き掛けられており、
トルクモータ140は動滑車25を介して吊具21に推
力を伝える。
【0067】トルクモータ140の制御装置143には
コントローラー144が接続する。コントローラー14
4には推力調整ダイヤル145があり、これを回動させ
ることにより任意の推力を発生させることができる。吊
具21に身体保持手段120を掛けた後、推力調整ダイ
ヤル145を操作して被介護者131の質量より少し値
の低い推力を発生させれば、アシスト状態とすることが
できる。
【0068】以上、本発明の各種実施形態につき説明を
行ったが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で様々
な変更を加えて実施することができる。
【0069】
【発明の効果】本発明により、次に掲げるような効果が
奏される。
【0070】本発明では、介護用補助装置が、被介護者
の身体を保持する身体保持手段を掛ける吊具に、復元装
置により上方定位置への復元力を与えるものとしたか
ら、吊具を手で下に引けば簡単に任意の高さまで下降さ
せることができ、また、移動作業後は吊具から手を離せ
ば上方の安全な位置まで自然に戻ることになり、吊具の
準備と後始末に時間がかからず、作業の迅速化を図るこ
とができる。また、吊具の下降位置は介護者が吊具の引
き下げ距離を調整することにより簡単に適切な位置とす
ることができ、身体保持手段を掛けにくかったり、折角
吊具に掛けた身体保持手段が外れてしまうこともない。
【0071】また本発明では、復元装置は抵抗装置を含
み、この抵抗装置は吊具が復元力に抗して移動するとき
は抵抗小、吊具が復元力によって移動するときは抵抗大
となるものとしたから、吊具を手で引くときの動きが軽
快になり、反面吊具から手を離しても急激に復元するこ
となくゆっくりと戻って行くので安全であり、急激な動
きで被介護者を驚かせることもない。
【0072】また本発明では、吊具の復元力を錘により
発生させたから、シンプルで信頼性の高い機構とするこ
とができ、設計も容易である。
【0073】また本発明では、吊具を動滑車を介して懸
垂支持し、この動滑車に巻き掛けられる紐状部材の一端
に錘を連結したから、必要とされる復元力を小質量の錘
で生み出すことができる。
【0074】また本発明では、錘の質量を調整すること
により吊具は任意高さでその位置を維持できるように
し、外部より上方への付勢力が加わることにより吊具が
復元移動するようにしたから、任意の高さまで下降させ
た吊具から手を離しても、外部より上方への付勢力が加
わらないかぎり吊具は復元移動しないので介護者の両手
が自由になり、身体保持手段を吊具に掛ける操作を楽
に、迅速に行うことができる。
【0075】また本発明では、吊具の復元力をバネによ
り発生させるようにしたから、復元装置をコンパクト且
つ軽量な形で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明介護用移動装置の第1実施形態を示す
斜視図
【図2】 介護用移動装置の垂直断面図
【図3】 ブレーキ装置の構造を示す部分垂直断面図
【図4】 錘ブロックと連結ピンの斜視図
【図5】 抵抗装置の連結状況を示す部分水平断面図
【図6】 ヒンジの構造を示す部分垂直断面図
【図7】 ヒンジ部の部分水平断面図
【図8】 動力伝達装置の正面図
【図9】 動力伝達装置の上面図
【図10】 異なる状態における動力伝達装置の正面図
【図11】 さらに異なる状態における動力伝達装置の
正面図
【図12】 被介護者の移動操作を説明する第1の斜視
【図13】 被介護者の移動操作を説明する第2の斜視
【図14】 被介護者の移動操作を説明する第1の模型
的垂直断面図
【図15】 被介護者の移動操作を説明する第2の模型
的垂直断面図
【図16】 被介護者の移動操作を説明する第3の模型
的垂直断面図
【図17】 被介護者の移動操作を説明する第4の模型
的垂直断面図
【図18】 被介護者の移動操作を説明する第5の模型
的垂直断面図
【図19】 本発明介護用移動装置の第2実施形態を示
す部分垂直断面図
【図20】 本発明介護用移動装置の第3実施形態を示
す部分垂直断面図
【図21】 第3実施形態のアシスト装置の構成説明図
【符号の説明】
1 介護用移動装置 2 アシスト装置 3 復元装置 10 コラム 11 ヒンジ 12 ビーム 13a、13b、13c アウトリガー 14 ネジ脚 15、16 エレベーターシャフト 17 ストッパー 18 張出部 20 スライダー 21 吊具 22 フック 23 滑車ハウジング 24 スイベル軸 25 動滑車 26 紐状部材 27、28、29、30、31、32 ガイドプーリー 33 復元用錘 34、35 ヒンジ部材 36a、36b ピン 37 軸支板 38a、38b 軸 39 ガイドローラー 40 エレベーター 41 抵抗装置 42 錘 43 錘ブロック 43a 貫通穴 44 ダボ 45 貫通穴 46 連結ピン 47 ブラケット部 48 吊りブロック 49 ピン 50 ブレーキ装置 51 長穴 52 支軸 53 ブレーキレバー 54 ピン 55 窓 56 ブレーキシュー 57 引張コイルバネ 58 吊り棒 59 貫通穴 60 サービスハッチ 61 扉 62 置台 70 昇降装置 71 タイミングベルト 72、73 タイミングプーリー 74 ベルトテンション調整装置 75 ガイドローラー 80 モータ 81 モータ軸 82 ウオーム 83 制御装置 84 コントローラー 85 上昇ボタン 86 下降ボタン 87 モード切替スイッチ 88 マイクロスイッチ 88a 押しボタン 89a、89b リミットスイッチ 90 動力伝達装置 91 入力部歯車 92 出力部歯車 93 中間歯車 94 ウオーム歯車 95、96、97 軸 98 ブラケット 99 ストッパー板 100 回動阻止装置 101 ロータリーソレノイド 102 軸 103 ストッパーブロック 110 角度維持装置 111 トルクリミッター 112 アーム 113 ピン 120 身体保持手段 121 輪部 130 ベッド 131 被介護者 132 介護者 133 車椅子 140 トルクモータ 141 モータ軸 142 巻取ドラム 143 制御装置 144 コントローラー 145 推力調整ダイヤル 160 巻取ドラム 161 ゼンマイバネ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構成要素を備えた介護用移動装
    置: (a)被介護者の身体を保持する身体保持手段 (b)前記身体保持手段を掛ける吊具 (c)前記吊具に上方定位置への復元力を与える復元装
    置。
  2. 【請求項2】 前記復元装置は抵抗装置を含み、この抵
    抗装置は吊具が復元力に抗して移動するときは抵抗小、
    吊具が復元力によって移動するときは抵抗大となること
    を特徴とする請求項1に記載の介護用移動装置。
  3. 【請求項3】 吊具の復元力を錘により発生させたこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の介護用移動
    装置。
  4. 【請求項4】 吊具を動滑車を介して懸垂支持し、この
    動滑車に巻き掛けられる紐状部材の一端に前記錘を連結
    したことを特徴とする請求項3に記載の介護用移動装
    置。
  5. 【請求項5】 錘の質量を調整することにより吊具は任
    意高さでその位置を維持できるようにし、外部より上方
    への付勢力が加わることにより吊具が復元移動するよう
    にした請求項3又は請求項4に記載の介護用移動装置。
  6. 【請求項6】 吊具の復元力をバネにより発生させるよ
    うにした請求項1又は請求項2に記載の介護用移動装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100673271B1 (ko) 2004-01-27 2007-01-24 케이 이엔지(주) 크린룸용 크레인 시스템
WO2019176224A1 (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 修 横田 据え置き式介護用リフト
US11311440B2 (en) 2018-03-14 2022-04-26 Osamu Yokota Caring lift

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WO2019176224A1 (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 修 横田 据え置き式介護用リフト
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