JP2004154297A - 錘調節装置及びこれを備えた移動補助装置 - Google Patents

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Naotoshi Akesumi
直俊 明角
Atsuhisa Sugawara
敦寿 菅原
Masayoshi Nagasawa
正佳 長澤
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Abstract

【課題】労力を要することなく錘の質量設定を行うことのできる錘調節装置、及びこの錘調節装置を備えた移動補助装置を提供する。
【解決手段】エレベータ80の上に垂直に堆積される錘ブロック72の個数を変えることにより、エレベータ80に担持される錘71の質量を調節する。錘ブロック72は錘ブロック同士の合わせ目に溝73を有し、この溝の合わさった穴に、高さ不動に設けた支持板49のピン受け穴74を通じてピン75を差し込む。ピン75より上の錘ブロック72はエレベータ80に積載されないことになる。ピン75は昇降モジュール161に設けたレバー171の端に取り付けられている。レバー171とシャーシ170の間に張られた引張コイルばね174がピン75を溝73の方向に付勢する。ロータリーソレノイド175が引張コイルばね174の付勢力に抗してレバー171を回転させ、ピン75を引き戻す。
【選択図】 図18

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は錘調節装置及びこれを備えた移動補助装置に関する。本発明の対象である移動補助装置は病人、怪我人、体の不自由な人など、起居に介護を必要とする人(以下「被介護者」という)をベッドから車椅子に移動させたり、車椅子からベッドに戻す作業を行う時などに介護者を補助し、負担を軽減するのに用いる。また被介護者がリハビリテーションのため歩行訓練を行うときに使用する。
【0002】
【従来の技術】
被介護者をベッドから車椅子に移動させたり、あるいは車椅子からベッドへ戻すような作業は介護者にとって大きな負担である。そのため、被介護者に引上力を加えて介護者による被介護者の移動を補助する様々な装置が提案され、また実用化されている。特許文献1、特許文献2、特許文献3などにそのような装置の例を見ることができる。
【0003】
また本出願人の出願に係る特願2001−142808号には、被介護者の身体を保持する身体保持手段を懸垂支持(以下「吊支」の言葉を用いる)する吊具に次の2通りの引上力を与えることのできる移動補助装置が記載されている。2通りの引上力とは、吊具の負担する荷重と同等又はそれ以下の引上力(本明細書ではこれを「アシスト力」と称する)と、吊具の負担する荷重を超える引上力(本明細書ではこれを「リフト力」と称する)である。
【0004】
アシスト力が発生する「アシストモード」では、被介護者の質量を数kgといったレベルまで見かけ上減少させ、介護者が被介護者を抱きかかえるようにして被介護者に安心感を与えつつ移動させることができる。リフト力が発生する「リフトモード」では、被介護者を機械的に、完全に吊り上げることができる。
【0005】
回復期の被介護者を適当な引上力(アシスト力に相当)で支えて転倒を防止しつつ歩行訓練を行わせる装置も開発されている。特許文献4や特許文献5にそのような装置の例を見ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第3129713号
【特許文献2】
特開平9−28741号公報
【特許文献3】
特開平11−290398号公報
【特許文献4】
実開昭60−147427号公報
【特許文献5】
特開平10−337309号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した被介護者に引上力を及ぼすに際し、その力の源泉を錘の質量に求めることとするのが機構的に簡単且つ確実である。特許文献4でもこの手法が採用されている。本発明は、労力を要することなく錘の質量設定を行うことのできる錘調節装置、及びこの錘調節装置を備えた移動補助装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の錘調節装置は、操作者が設定した質量に基づき、所定数の錘ブロックをエレベータに担持させる。
【0009】
この構成によれば、操作者が質量の設定を行うだけで所定数の錘ブロックがエレベータに担持され、エレベータに所定の荷重を与える。錘ブロックの積み下ろしの労力が不要で、操作者の負担が大いに軽減される。また質量設定は錘ブロックの個数の設定を通じて行われるものであり、機構設計及び制御設計を簡単化できる。
【0010】
(2)上記のような錘調節装置において、前記錘ブロックは前記エレベータの上に垂直に堆積されるものであり、上部の何個かの錘ブロックをエレベータに積載しないこととして錘の質量調節が行われるものとした。
【0011】
この構成によれば、エレベータに積載する錘ブロックと積載しない錘ブロックとを切り分けることにより、簡単に錘の質量調節を行うことができる。
【0012】
(3)上記のような錘調節装置において、前記錘ブロック同士の合わせ目に溝が設けられ、ある錘ブロックの下の溝にピンを係合させることにより、この錘ブロックを含みそれよりも上の錘ブロックを前記エレベータに積載しないこととするものとした。
【0013】
この構成によれば、錘ブロックの切り分けをきわめて簡単に行うことができる。
【0014】
(4)上記のような錘調節装置が、次の構成要素を含むものとした。
【0015】
(a)前記エレベータにより上昇位置に置かれた前記錘ブロック群と平行するように高さ不動に配置され、前記溝のピッチと同ピッチで複数の支え面を設けた支持板
(b)前記支持板と平行して昇降する昇降モジュール
(c)前記昇降モジュールに支持され、前記溝のうち所定のものに入り込んで錘ブロック群を上下に分断するとともに、前記支持板の支え面に当たって上部の錘ブロックを支えるピン。
【0016】
この構成によれば、任意の箇所で錘ブロックの切り分けを行うことができる。またエレベータに積載しない錘ブロックの質量をピンと支持板が支えるので、ピンの駆動機構に負担がかからない。
【0017】
(5)上記(4)の錘調節装置に、さらに次の構成要素が付加されるものとした。
【0018】
(d)前記ピンを前記溝の方向に付勢するばね
(e)前記ばねの付勢力に抗して前記ピンを引き戻すピン退避手段
(f)前記ピンを前記溝に係合させるとき、前記ピン退避手段を作動解除し、前記ばねの付勢力によりピンが錘ブロックの側面に押し当てられた状態で前記昇降モジュールを昇降させ、ピンの係合完了信号が得られた時点で昇降モジュールの昇降を停止させる制御部。
【0019】
この構成によれば、製造上の要因や制御上の要因でピンと溝の絶対位置又は相対位置がばらついたとしても、ピンを無理なく確実に係合させることができる。
【0020】
(6)上記(3)の錘調節装置が、所定の高さ位置に配置されたピンと、このピンをそれと対向する位置に来た前記溝に向け進出、あるいはそこから退避させるピン駆動装置とを含むものとした。
【0021】
この構成によれば、エレベータに積載しない錘ブロックを確実に切り離し、支持ピンにより所定位置に支持しておくことができる。
【0022】
(7)上記(2)の錘調節装置が、堆積された錘ブロックの上部の何個かを一時的に堆積の外に退避させることにより錘の質量調節を行うものとした。
【0023】
この構成によれば、錘を引いたり押したりして堆積中の錘ブロックの個数を調節することにより錘の質量調節が可能である。
【0024】
(8)本発明の移動補助装置は次の構成を備えるものとした。
【0025】
(a)被介護者の身体を保持する身体保持手段
(b)前記身体保持手段を吊支する吊具
(c)錘の質量を転換して得た引上力を前記吊具に与える引上力発生装置
(d)操作者が設定した質量の錘を前記引上力発生装置のエレベータに担持させる上記(1)〜(7)のいずれかに記載の錘調節装置。
【0026】
この構成によれば、操作者が質量の設定を行うだけで所定の質量の錘が引上力発生装置に担持されるものであり、重い錘を積み替えたりする労力が不要で、被介護者の介護を行う操作者の負担が大いに軽減される。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図1〜33に基づき説明する。最初に、図1〜11に基づき移動補助装置の構造の説明を行う。
【0027】
図1は移動補助装置の外観斜視図である。移動補助装置1はベッドサイドや浴室の洗い場等、被介護者の身体を持ち上げて移動させる必要のある場所に設置される。また、怪我の治療を行っている被介護者が、その回復期に歩行訓練を行うリハビリテーションルームに設置される。
【0028】
移動補助装置1は垂直な柱状本体10と、柱状本体10の上端部より水平に突き出したアーム12を備える。アーム12は柱状本体10の一側面にヒンジ部11を介して連結され、ヒンジ部11を旋回中心として水平面内で旋回可能である。本実施形態では柱状本体10、アーム12ともに板金を折曲して矩形断面に形成したものを使用している。柱状本体10の下端からは左右対称に2本のアウトリガー13a、13bが張り出す。各アウトリガーの先端にはレベル出し用のネジ脚14が取り付けられている。
【0029】
ほぼ水平に設置されたレール21がアーム12をその旋回中心以外の箇所で吊り下げる。レール21はアーム12にかかる荷重を負担しつつアーム12の旋回を許容する。
【0030】
レール21は門型構造体20の水平部分を構成し、その両端は門型構造体20の脚部22a、22bに支えられる。脚部22a、22bの下端は床に接地し、ここにはレベル出し用のネジ脚23が取り付けられている。脚部22a、22bはそれぞれ水平な支持部材24をもって柱状本体10に連結される。これにより門型構造体20は柱状本体10と共に1個の構造体を構成することになる。この構造体は三脚構造であり、床の上に安定して自立する。
【0031】
図3はレール21によるアーム12の吊り下げ構造を示す斜視図である。吊り下げの主役をなすのはユニバーサルスライダ30である。ユニバーサルスライダ30は上部シャーシ31と下部シャーシ32を垂直なスイベル軸33で連結した構成となっている。上部シャーシ31及び下部シャーシ32はいずれも板金を断面U字形に折曲成形したものである。上部シャーシ31は片側に2個づつ、計4個の車輪34を備えている。下部シャーシ32も片側に2個づつ、計4個の車輪35を備えている。
【0032】
レール21が前記上部シャーシ31を受け入れ、アーム12の上面にその長手方向に沿って固定されたレール40が前記下部シャーシ32を受け入れる。レール21、40はいずれも板金を折曲して構成したものであり、図3にはそれぞれ長手方向に半割にした形で図示されている。
【0033】
レール21は小口側から見た断面形状が矩形であって、下面にはユニバーサルスライダ30のスイベル軸33を通す溝41が長手方向に沿って設けられている。レール40も小口側から見た断面形状が矩形であって、上面にはユニバーサルスライダ30のスイベル軸33を通す溝42が長手方向に沿って設けられている。レール21の内部底面には車輪34を受ける軌道面43が設けられ、レール40の天井面には車輪35を受ける軌道面44が設けられる。
【0034】
上記の構造により、アーム12に加わる荷重はレール40よりユニバーサルスライダ30を介してレール21に伝えられ、レール21がその荷重を負担する。ユニバーサルスライダ30はレール40に対しその長手方向に走行可能であるとともに、レール21に対してもその長手方向に走行可能である。従ってアーム12はレール21に荷重を負担させつつ旋回を行うことが可能になる。
【0035】
図2は移動補助装置の垂直断面図である。アーム12は内部にスライダ50を備える。スライダ50はアーム12の長手方向に沿って水平方向にスライドする。スライダ50を支持するにあたっては、「リニアガイド」等の商品名で市販されている直線摺動機構要素、あるいは水平なガイドロッドとボールガイドとの組み合わせ等を使用することができる。
【0036】
スライダ50は吊具51を懸垂支持(以下「吊支」の言葉を用いる)する。吊具51は天秤棒形状の本体の両側にフック52を備えた形状で、高い剛性を有するように金属で形成されている。フック52に図19の側面図に示す身体保持手段200を掛ける。
【0037】
身体保持手段200は被介護者210の腰に巻くベルト201、大腿部に巻くベルト202、及びフック52に掛ける吊り紐203を組み合わせたものである。この身体保持手段200は、下半身のみが不自由であるといった、上半身を真っ直ぐに起こしていられる被介護者210や、歩行訓練を行う被介護者210に使用する。もちろん身体保持手段200はこの形態に限られる訳ではなく、他の形状、例えば被介護者210の全身を包み込むタイプのものも使用可能である。
【0038】
図1に示すように、吊具51は滑車ハウジング53に吊支されている。吊具51は図示しないスイベル軸で滑車ハウジング53に連結され、滑車ハウジング53の向きと無関係に水平面内で回転可能である。滑車ハウジング53は図2に示す動滑車54を内蔵し、この動滑車54に巻き掛けられる紐状部材55によりスライダ50から吊り下げられる。
【0039】
紐状部材55の一方の端はスライダ50に装着されたガイドプーリ56を経由してアーム12の旋回端側に延び出し、アーム12の端に装着されたガイドプーリ57に巻き掛けられたうえで180゜折り返される。折り返された紐状部材55の端には止め具58が固定されており、この止め具58を紐状部材端固定部59に引っ掛けることにより、紐状部材55の一端はアーム12に固定される。
【0040】
図4はアーム12の部分側面図であり、止め具58と紐状部材端固定部59の具体的な構造を示す。アーム12の一側面には紐状部材端固定部59を形成するための板金製シャーシ60が固定されている。シャーシ60には水平方向に溝61が形設され、この溝61の下縁に、フック形状の係合切り欠きが複数個、所定間隔で形設される。この係合切り欠きがそれぞれ紐状部材端固定部59となる。
【0041】
止め具58は軸の形をしていて、溝61及び紐状部材端固定部59を通り抜け可能な直径を有する。止め具58には図4に破線で示すようにノブ62が固定されている。ノブ62を握って止め具58を動かし、異なる係合切り欠きに止め具58を係合させることにより、紐状部材55の端の位置を決める紐状部材端固定部59の位置を変えることができる。
【0042】
図2に説明を戻す。紐状部材55の他端は、スライダ50に装着されたガイドプーリ63と、ヒンジ部11に設けられたガイドプーリ64を介して柱状本体10に導入される。柱状本体10に導入された紐状部材55は柱状本体10の内部に設けられたガイドプーリ65に巻き掛けられて垂れ下がる。垂れ下がった端には復元用錘66が取り付けられる。復元用錘66の質量は吊具51と動滑車54を含む滑車ハウジング53との合計質量の1/2よりも大きい。
【0043】
柱状本体10の内部には吊具51に引上力を与える引上力発生装置70が設けられる。引上力の源泉となるのは錘71とモータ111である。まず、錘71により引上力を発生させる仕組について説明する。
【0044】
柱状本体10の内部はエレベータシャフトとなっており、ここにエレベータ80が配置されている。エレベータ80は板状の垂直部分の両側から水平なブラケット81、82が突き出した形状であり、図示しない垂直ガイド部材に沿って昇降する。
【0045】
柱状本体10の内部には上下にタイミングプーリ83、84が設けられ、このタイミングプーリ83、84に巻き掛けられたタイミングベルト85がエレベータ80に上昇力を伝える。タイミングベルト85の一方のベルト部分はエレベータ80の垂直部分に固定され、これと平行する他方のベルト部分はブラケット81に設けられた透孔を非接触で通り抜ける。なおタイミングベルト85の張力を調節するため、タイミングプーリ83は上下に位置調節可能となっている。
【0046】
ブラケット81にはもう1個の透孔が設けられており、こちらは紐状部材55が通り抜ける。透孔の直径は復元用錘66の直径より小さく、エレベータ80はブラケット81により復元用錘66を引っ掛けて紐状部材55を引き下ろすことができる。
【0047】
錘71はエレベータ80のブラケット82に載置される。錘71は複数個の錘ブロック72の集合からなる。各錘ブロック72は扁平形状であり、必要個数を垂直方向に積み上げて使用する。錘ブロック72の個数を調節する仕組みについては後で説明する。
【0048】
柱状本体10の内部には2個のリミットスイッチが配置される。エレベータ80が上昇限界又は下降限界に達したことを検知するエレベータ上限検知スイッチ86及びエレベータ下限検知スイッチ87である。また柱状本体10の内部下方には、エレベータ80を受け止める衝撃吸収シート88と、同様に復元用錘66を受け止める衝撃吸収シート89とが配置される。
【0049】
柱状本体10の正面下部には張出ハウジング15、16が上下に並んだ形で取り付けられる。上方の張出ハウジング15は制御部90及び電源部91を内蔵し、上面には操作/表示部92(図1参照)が設けられている。制御部90に接続するコントローラ93のケーブル94も張出ハウジング15から導出される。また張出ハウジング15の側面には緊急操作レバー95が配置されている。緊急操作レバー95の構成と機能は後で説明する。
【0050】
下方の張出ハウジング16は柱状本体10と協同して駆動装置100を収容する。駆動装置100はアシストモードとリフトモードとに切り換えられるものであり、エレベータ80を持ち上げる時とリフトモード時に、エレベータ80にモータの駆動力を伝える。図5は駆動装置100の斜視図である。図5において、一部の構成要素は分離状態で図示されている。
【0051】
駆動装置100は板金製のベース101と、その上に固定された同じく板金製のシャーシ102を備える。このベース101及びシャーシ102に、出力装置110、動力伝達装置120、ロック装置130、及びロック部材解放装置140が組み付けられる。
【0052】
シャーシ102は所定間隔を置いて平行する2枚の垂直板103a、103bを備える。垂直板103a、103bは動力伝達装置120の一環をなす回転軸121を水平に支持する。エレベータ80を動かすための動力が出力装置110から回転軸121に伝達される。
【0053】
出力装置110はモータ111及び減速装置112により構成される。モータ111は直流モータであり、負作動のブレーキ装置113が付属している。減速装置112は内蔵したウォームとウォーム歯車によりモータ111の回転を減速する。減速装置112の出力軸には回転軸121の外面に嵌合するカップリング114が取り付けられている。回転軸121にはカップリング114に設けたスリット115に係合する動力伝達ピン122が植え込まれていて、これにより出力装置110から回転軸121への動力伝達が可能になる。
【0054】
動力伝達装置120は、回転軸121の他、回転軸121に固定された原動歯車123(図2参照)、垂直面内で回転するように回転軸121により支持された板金製のブラケット124、ブラケット124に回転自在に支持された浮動歯車125、及びブラケット124と回転軸121とを必要に応じ連結する電磁クラッチ126を含む。原動歯車123、ブラケット124、及び浮動歯車125はシャーシ102の垂直板103a、103bの間に位置する。電磁クラッチ126は垂直板103bの外側に位置する。
【0055】
浮動歯車125は常時原動歯車123にかみ合う。すなわち原動歯車123が太陽歯車、浮動歯車125が遊星歯車という形になる。浮動歯車125はタイミングプーリ84に連結されたエレベータ駆動歯車127ともかみ合いを形成する。原動歯車123、浮動歯車125、及びエレベータ駆動歯車127の軸線はいずれも水平、且つ互いに平行である。
【0056】
ブラケット124と垂直板103bとの間に張り渡された引張コイルばね128により、ブラケット124には浮動歯車125をエレベータ駆動歯車127にかみ合わせようとする回転力が、すなわち浮動歯車125を持ち上げる方向の回転力が、常時付与されている。垂直板103a、103bの間には、引張コイルばね128によるブラケット124の回転を所定位置で止める板金製ストッパ129が固定されている。
【0057】
ロック装置130はエレベータ駆動歯車127に浮動歯車125がかみ合った状態で、そのかみ合いが外れないようにブラケット124の回転を阻止する。ロック装置130は次の要素により構成される。すなわちシャーシ102に水平に支持された回転軸131、回転軸131に固定され、回転軸131と共に回転してブラケット124の移動軌跡内に出没するロック部材132、同じく回転軸131に固定され、回転軸131に所定の回転を与えるレバー133、レバー133に一端を連結したリンク134、垂直板103aに水平支持軸135により垂直面内で回転可能に支持され、且つリンク134の他端に連結されたレバー136、レバー136にプランジャロッド138を連結したラッチングソレノイド137、及びリンク134と垂直板103aとの間に張り渡され、リンク134を図5において右方に引き寄せる引張コイルばね139である。
【0058】
ラッチングソレノイド137は非通電時にもプランジャロッド138の出入り状態をそのまま維持できる。引張コイルばね139はロック部材132に常時一方向への付勢力を与える付勢手段として機能する。
【0059】
リンク134とレバー136とは、リンク134に形設した水平方向の長孔134aと、レバー136に植え込まれ、長孔134aに対しスライド可能な連結ピン136aとにより連結されている。このような構造とした理由は後で明らかになる。
【0060】
ロック部材解放装置140は、垂直板103aに水平支持軸141により垂直面内で回転可能に支持されたベルクランク142を主たる構成要素とする。ベルクランク142は互いに直角に延びる2本の腕142a、142bを有する。一方の腕142aはレバー136の先端に向かい合う。腕142aと垂直板103aとの間に張り渡された引張コイルばね143により、ベルクランク142には腕142aがレバー136から離れる方向の回転力が与えられている。
【0061】
ベルクランク142の他方の腕142bには操作ケーブル144が連結する。操作ワイヤー144はアウター145に包まれて張出ハウジング15に導入され、緊急操作レバー95に接続される。
【0062】
図6は緊急操作レバー95の構造を示す斜視図である。緊急操作レバー95は板金製の部材であって、同じく板金製のハウジング96の中に、水平支持軸97により垂直面内で回転できるよう支持されている。
【0063】
緊急操作レバー95を図6の矢印方向に引くと操作ワイヤー144が引かれる。これによりベルクランク142は引張コイルばね143に抗して回転し、腕142aでレバー136を押す。なおハウジング96は張出ハウジング15の中に収容され、緊急操作レバー95のみが操作時に張出ハウジング15に設けた窓から突出する構成となっている。
【0064】
駆動装置100には、その中の可動部材の動きを検知するリミットスイッチが各所に配置される。すなわち図5において、150はブラケット124が上向きに回転したことを検知するブラケット上昇検知スイッチ、151はブラケット124が下向きに回転したことを検知するブラケット下降検知スイッチ、152はラッチングソレノイド137がプランジャロッド138を引き込んだことをレバー136の動きを通じて検知するソレノイド状態検知スイッチ、153はリンク134が図5において右方に動いたことを検知することにより、ロック部材132がブラケット124から離れてロック解除位置に変位したことを知るロック部材132のロック解除状態検知スイッチである。
【0065】
ブラケット124からは押圧子124aが突出し、この押圧子124aがブラケット上昇検知スイッチ150及びブラケット下降検知スイッチ151のそれぞれのアクチュエータを押してスイッチのON/OFF動作をさせる。レバー136にも押圧子124aと同様の押圧子が設けられ、これがソレノイド状態検知スイッチ152のアクチュエータを押す。ロック解除状態検知スイッチ153のアクチュエータを押す押圧子は回転軸131に取り付けられている。
【0066】
続いて、必要なだけの個数の錘ブロック72をエレベータ80に積載する仕組みを説明する。
【0067】
図7は錘ブロック72を上面側から見た斜視図、図8は錘ブロック72を下面側から見た斜視図である。錘ブロック72の上面及び下面、すなわち錘ブロック同士の合わせ目となる面には断面半円形の溝73が形設される。この溝73は上隣又は下隣の錘ブロック72の溝73と合わさって断面円形の穴を形成するものである。
【0068】
錘ブロック72の上面には2個の凸部(ダボ)231が形設され、錘ブロック72の下面には凸部231を受け入れる2個の凹部232が形設される。上下に重なる錘ブロック72同士で凸部231と凹部232を係合させることにより、互いの間で水平方向の位置ずれが生じるのを防ぎ、エレベータ80の上での錘71の積載状態を安定させる。
【0069】
溝73はエレベータ80に積載する錘ブロック72の個数を調節するのに用いる。図9は錘ブロック72の個数調節の仕組みを説明する斜視図である。錘ブロック72の堆積の左右に2枚の垂直な支持板79が配置される。支持板79は柱状本体10に固定されるものであり、溝73が合わさって形成される穴と向かい合う位置にピン受け穴74を有している。ピン受け穴74は垂直方向に長い長穴であり、溝73が合わさった穴と同数設けられている。ピン受け穴74のピッチは溝73のピッチと等しい。このように上下の溝73を合わせて穴を形成しているときは、上向きの溝73同士、あるいは下向きの溝73同士のピッチが溝73のピッチということになる。錘ブロック72の片方の面だけに溝を設けたケースでは、それらの溝のピッチを求めれば済む。ピン受け穴74の下端が後述するピンを支える支え面となる。
【0070】
ピン受け穴74を通じ、溝73の合わさった穴に左右からピン75を差し込む。言うまでもないが、左右のピン75は同一の穴に差し込まれる。エレベータ80が降下すると、ピン75より上の錘ブロック72はピン75がピン受け穴74の支え面に当たることによってその高さに保持され、ピン75より下の錘ブロック72だけがエレベータ80で支えられることになる。このようにしてエレベータ80の担持する錘ブロック72の個数が調節される。
【0071】
柱状本体10の側面下方にはサービスハッチ77が設けられる。サービスハッチ77は外部からエレベータ80に錘ブロック72を積み上げるのに用いる。図示しない扉がサービスハッチ77を開閉自在に閉ざす。
【0072】
図10は錘ブロック72の個数を調節する錘調節装置160の構造を説明する部分垂直断面図である。錘調節装置160は柱状本体10の側面上方に設けた張出ハウジング17の中に設置される。錘調節装置160及び張出ハウジング17は柱状本体10に対し左右対称的に1対設けられるが、図10にはそのうちの一方の錘調節装置160のみ示す。
【0073】
錘調節装置160は支持板79と平行に上下する昇降モジュール161を有する。昇降モジュール161は図示しない垂直ガイド部材に沿って昇降する。張出ハウジング17の内部には上下にタイミングプーリが設けられ、このタイミングプーリに巻き掛けられたタイミングベルト162が昇降モジュール161に連結して昇降モジュール161を昇降させる。図10には上下1対のタイミングプーリのうち上方のタイミングプーリ163のみ図示されている。
【0074】
昇降モジュール161は板金製のシャーシ170を備える。シャーシ170には次の構成要素が取り付けられている。すなわち回転端にピン75を固定したレバー171、レバー171に回転力を与える引張コイルばね174、引張コイルばね174に抗してレバー171を回転させるロータリーソレノイド175である。
【0075】
レバー171は下端に水平な支持軸172を有し、この支持軸172を中心として垂直面内で回転する。シャーシ170には支持軸172を受ける軸穴173が設けられるが、この軸穴173は垂直方向に長い長穴となっており、その中を支持軸172が上下に動き得る。このためレバー171は回転だけでなく上下方向のシフトも可能である。引張コイルばね174はシャーシ170とレバー171の間に斜めに張られており、レバー171を図10において時計方向に回転付勢するとともに、支持軸172が軸穴173の上端に当たるまでレバー171を引き上げる。
【0076】
ロータリーソレノイド175の出力軸にはレバー176が固定されている。レバー176の回転端から突出するピン177がレバー171の正面に係合する。ロータリーソレノイド175がレバー176を図10において反時計方向に回転させると、レバー171も引張コイルばね174の張力に抗して反時計方向に回転する。レバー171のこの動きにより、ピン75はシャーシ170の内側に退避する。すなわちロータリーソレノイド175は引張コイルばね174の付勢力に抗してピン75を引き戻すピン退避手段としての働きをする。
【0077】
レバー171の動きを検知するため、2個のリミットスイッチをシャーシ170に取り付ける。一方はピン進出検知スイッチ178で、レバー171の正面側に配置する。他方はピン退避検知スイッチ179で、レバー171の背面側に配置する。
【0078】
昇降モジュール161に対し、昇降位置検知装置180を設ける。昇降位置検知装置180は、張出ハウジング17内に高さ固定で設置されたフォトインタラプタ181と、フォトインタラプタ181の光路を横切るようシャーシ170に取り付けられた遮蔽板182からなる。遮蔽板182にはいずれも矩形の光遮蔽部183と光透過部184とが垂直方向に交互に設けられている。1個の光遮蔽部183と1個の光透過部184を合わせた長さは錘ブロック72の厚さに等しい。
【0079】
図11は移動補助装置1の制御系統を示すブロック図である。制御部90には移動補助装置1全体に関わる要素として電源部91、操作/表示部92、及びコントローラ93が接続されている。またエレベータ80に関わる要素としてエレベータ上限検知スイッチ86及びエレベータ下限検知スイッチ87が接続されている。また駆動装置100に関わる要素として、モータ111、電磁クラッチ126、ラッチングソレノイド137、ブラケット上昇検知スイッチ150、ブラケット下降検知スイッチ151、ソレノイド状態検知スイッチ152、及びロック解除状態検知スイッチ153が接続されている。
【0080】
コントローラ93にはエレベータ80の昇降を制御する昇降スイッチ154及び吊具51に与える引上力のモードを切り換えるモード切換スイッチ155が設けられている。昇降スイッチ154は「上昇」ボタン及び「下降」ボタンを備えるものである。
【0081】
制御部90にはさらに、錘調節装置160に関わる次の要素が接続される。すなわちタイミングプーリを駆動して昇降モジュール161を昇降させるモータ165、昇降モジュール161が上昇限界又は下降限界に達したことを検知するモジュール上限検知スイッチ166とモジュール下限検知スイッチ167、及び前述のロータリーソレノイド175、ピン進出検知スイッチ178、ピン退避検知スイッチ179、フォトインタラプタ181である。
【0082】
次に移動補助装置1の動作を説明する。最初に、図12のフローチャート及び図13〜図19の部分垂直断面図に基づき錘調節装置160の動作を説明する。
【0083】
動作は操作/表示部92より「錘調節」の指令を入力することからスタートする。動作がスタートすると、図12のフローチャートでまずステップS301に進む。ステップS301では駆動装置100がエレベータ80を最上昇位置へ上昇させる。
【0084】
ステップS301ではエレベータ80が自動的に最上昇位置に上昇するが、通常の場合、エレベータ80の昇降操作はコントローラ93の昇降スイッチ154を通じて行う。吊具51に及ぼす力の方向に着目してボタンの「上昇」と「下降」を設定しているので、昇降スイッチ154におけるボタンの「上昇」「下降」表示とエレベータ80の移動方向とは逆になる。エレベータ80を上昇させるときは昇降スイッチ154の「下降」ボタンを押すことになる。
【0085】
エレベータ80が最上昇位置まで上昇すると、ピン75の保持する錘ブロック72と、エレベータ80に積載された錘ブロック72とが合体し、すべての錘ブロック72がエレベータ80で支えられることになる。
【0086】
ステップS302ではエレベータ80に担持させる錘71の質量の設定を行う。必要とする引上力を操作/表示部92から入力することにより、錘71の質量設定が行われる。この入力操作は「錘調節」の指令の入力と併せて行ってもよい。
【0087】
ステップS303ではロータリーソレノイド175が動作し、引張コイルばね174に抗しレバー171を回転させる。これによりピン75は、それまで係合していた錘ブロック72の溝73から引き抜かれ、シャーシ170の中に退避する。レバー171がピン退避検知スイッチ179に当たったところでレバー171の回転は終了する。レバー171はその時の角度のままロータリーソレノイド175により保持される。
【0088】
ステップS304では昇降モジュール161が図13に示す定位置に移動する。「定位置」は昇降モジュール161の最上昇位置である。
【0089】
これまでの説明は、ピン75が何個かの錘ブロック72を支えていて、そこへエレベータ80に積載された錘ブロック72が合流するという状況を想定したものであった。ピン75が錘ブロック72を支えていない、すなわち錘ブロック72がすべてエレベータ80に積載されている場合は、昇降モジュール161は最初から定位置にあり、且つピン75は進出位置にある。図10がこの状態を表している。ここでロータリーソレノイド175がレバー171を回転させれば、図13の状態が出現することになる。
【0090】
ステップS305では昇降モジュール161の下降距離を算出する。設定された錘質量により、何個の錘ブロック72をエレベータ80から切り離せばよいかが定まり、これに基づき、ピン75を上から何番目の錘ブロック72のところまで下降させればよいかが計算される。この計算はステップS302で錘質量設定入力が行われるのと同時に実行してもよい。
【0091】
ステップS306では算出した下降距離だけ昇降モジュール161が下降し、停止する。図14がこの状態を表す。遮蔽板182の光遮蔽部183と光透過部184が交互にフォトインタラプタ181の光路を横切ることを通じて昇降モジュール161の下降距離がチェックされる。
【0092】
ステップS307ではロータリーソレノイド175が作動解除される。レバー171は引張コイルばね174の付勢力で回転し、ピン75は支持板79のピン受け穴74の1個を通って錘ブロック72の方へ進出する。ここでピン75は、保持しようとする錘ブロック72の一つ下の錘ブロック72の側面に当たって止まる。図15がこの状態を表す。
【0093】
ステップS308ではピン75を錘ブロック72の側面に押し当てたまま昇降モジュール161が上昇する。これは、溝73が合わさってできた穴をピン75が探索するという動作に他ならない。
【0094】
溝73が合わさってできた穴にピン75が合致し、ピン75が穴に係合すると、レバー171はピン進出検知スイッチ178に当たるところまで回転する。レバー171によりアクチュエータを押されたピン進出検知スイッチ178はピン75の係合完了信号を発する。図16がこの状態を表す。
【0095】
ステップS309ではピン進出検出スイッチ178が係合完了信号を発したかどうかをチェックする。係合完了信号が確認されたら昇降モジュール161の上昇を停止する。錘調節のフローはこれで終了となる。
【0096】
通常の場合、ピン75は上昇する間に穴に合致して係合するが、時として、穴の横を通り過ぎることがある。部材の製造誤差や組立誤差、錘ブロック72の堆積のぐらつき、エレベータ80のぐらつき、昇降モジュール161のぐらつきなどによりこのような事態が生じ得る。ピン進出検出スイッチ178が係合完了信号を発しないままに昇降モジュール161が上昇を続けると、ピン75がピン受け穴74の上端に引っかかる。シャーシ170とレバー171とは軸穴173の遊び分だけ垂直方向に相対移動可能なので、レバー171の上昇が止まってもシャーシ170の方は上昇可能である。しかしながら支持軸172が軸穴173の下端に達してしまうと、シャーシ170を上昇させる力がピン75に作用することになり、ピン75が曲がったり、昇降モジュール161の昇降メカニズムが故障するという結果を招く。
【0097】
上記のような事態に対処するため、次のような対策が施されている。すなわちピン進出スイッチ178が係合完了信号を発しないままピン75が穴のあるべき高さを通過した場合、ピン75がピン受け穴74の上端に引っかかる前に遮蔽板182の光遮蔽部183がフォトインタラプタ181の光路を遮る。図17がこの状態を表す。
【0098】
フォトインタラプタ181からの信号を受け、制御部90はステップS310でピン75による穴の探索が限界に来たと判断する。そして昇降モジュール161の上昇を止める。
【0099】
ステップS311ではロータリーソレノイド175が作動してピン75を退避させる。それから昇降モジュール161が下降する。図14の高さまで下がったところで昇降モジュール161は下降を止め、ロータリーソレノイド175は作動解除してピン75を解放する。これにより、図15の状態に戻ったことになる。昇降モジュール161は再び上昇し、ピン75による穴の探索が再開される。ピン75が穴に係合するまでこの動作を繰り返す。
【0100】
上記説明では目標とする錘ブロック72の一つ下の錘ブロック72の側面にピン75を当て、そこから昇降モジュール161を上昇させて穴の探索を行う(上昇探索)こととしていたが、目標とする錘ブロック72の一つ上の錘ブロック72の側面にピン75を当て、そこから昇降モジュール161を下降させて穴の探索を行う(下降探索)ことも可能である。錘ブロック72を全数エレベータ80に担持させる場合には穴探索は不要なので、その工程を省略することができる。
【0101】
ピン75が目的の錘ブロック72の下に入り込んだところでエレベータ80を下降させると、ピン75より上部にある錘ブロック72の質量が荷重となってピン75にかかる。この荷重を受け、ピン75及びレバー171は引張コイルばね174の張力に抗して下降する。ピン75はピン受け穴74の支え面に当たって止まり、支持板79に荷重負担を転嫁する。エレベータ80が下降を続けると、エレベータ80に担持された錘ブロック72はピン75で保持された錘ブロック72から離れて行く。図18がこの状態を表す。
【0102】
ピン75にかかる垂直方向の荷重は支持板79で支えられる。昇降モジュール161は支持板79の支え面を支点としてピン75に生じるモーメントだけを支えればよい。従って昇降モジュール161及びそのガイド部材を、錘71の荷重に耐えられるような構造とすることは必要でない。
【0103】
次に、図1〜11に加え図19、20の側面図及び上面図と図21〜33の模型的垂直断面図を参照しつつ移動補助装置1の動作を説明する。図21〜33には図2及び図5に現れた構成要素のうち動作説明に必要なものが、適宜簡略化又はデフォルメされた形で描かれている。例えばロック部材132はレバー133と一体化された形になっている。またベルクランク142はL形でなく直線形状とされている。
【0104】
移動補助装置1を初めて使用する場合には、吊具51に与える引上力を被介護者210の質量に合わせて調節する必要がある。その時点での錘71の質量の設定が被介護者210の質量に見合ったものになっていれば良いが、そうでなければ、前述のように錘調節装置160を操作して錘71の質量を調節する。
【0105】
図21の状態では吊具51には何も掛かっておらず、復元用錘66は吊具51を最も高い位置まで引き上げている。エレベータ80が上昇して行ってもその状態は変わらない。
【0106】
図21において、ロック装置130及びロック部材解放装置140は非作動状態にある。ラッチングソレノイド137はプランジャロッド138を突き出した状態にあり、リンク134は引張コイルばね139に引き寄せられ、ロック部材132をロック解除位置に置いている。この時ソレノイド状態検知スイッチ152及びロック解除状態検知スイッチ153はロック解除検知状態にある。ブラケット124は引張コイルばね128の付勢力と、エレベータ80が下降しようとする力によりエレベータ駆動歯車127が反時計方向に回転し、浮動歯車125を押し上げる力とにより、上昇位置、すなわちストッパ129に当たった位置を保っている。ブラケット上昇検知スイッチ150はブラケット124がこの位置にあることを検知する。
【0107】
浮動歯車125はエレベータ駆動歯車127にかみ合っており、モータ111が原動歯車123を時計方向に回転させると浮動歯車125は反時計方向に回転し、エレベータ駆動歯車127は時計方向に回転する。これにより、エレベータ80は引き上げられて行く。
【0108】
エレベータ80が上昇限界(最上昇位置)に達するとエレベータ上限検知スイッチ86が作動し、モータ111が非駆動となる。ブレーキ装置113はモータ111の回転を瞬時に止め、モータ111が慣性で回転を続けないようにする。これが図22の状態である。
【0109】
モータ111が停止している間、ブレーキ装置113により回転を止められたモータ111により、原動歯車123の回転は阻止される。そのためエレベータ80が降下しようとしてもエレベータ駆動歯車127も浮動歯車125も回転せず、エレベータ80はその高さを保っている。引張コイルばね128の付勢力とエレベータ駆動歯車127の回転力とにより、ブラケット124には図22において時計方向のモーメントが加わり、ブラケット124はストッパ129に押しつけられたままである。
【0110】
エレベータ80が上昇限界に達した状態では、エレベータ80の担持されていた錘ブロック72の上面がピン75により支えられていた錘ブロック72の下面に当たり、全ての錘ブロック72が縦一列に密集し、エレベータ80で支えられている。ここで錘調節装置160が、被介護者210の質量に応じた引上力が得られるよう錘71の質量を調節する。引上力は「被介護者の質量(衣服を含む)と同等以下」という条件を満たせば良く、通常は被介護者210の質量より少し小さくする。歩行訓練など、被介護者210の脚部にある程度の負荷をかけることが必要な場合はさらに引上力を小さくする。
【0111】
錘71の質量に加え、エレベータ80の質量も引上力発生に寄与する。そして、動滑車54を用いているため、錘71及びエレベータ80の質量の合計の2倍が引上力として作用することになる(各部の摩擦抵抗による引上力の減殺はここでは論議の対象としない)。他方、吊具51と滑車ハウジング53の質量は引上力減殺要因として働く。これらもろもろの要素を考慮した上で、個々の錘ブロック72の質量と、操作/表示部92における引上力の表示が設定されるものである。
【0112】
続いて図23のように吊具51を下ろす。これは介護者211が手によって行う。復元用錘66は吊具51の下降量の倍の距離上昇する。吊具51を十分に下げてから被介護者210に装着した身体保持手段200をフック52に引っ掛ける。
【0113】
図19、20は上半身を自分で真っ直ぐに起こしていられる被介護者210をベッド220から車椅子221へと移動させる状況を説明する側面図及び上面図である。まず被介護者210をベッド220の縁に腰掛けさせる。そして図19のようにベルトタイプの身体保持手段200を被介護者210に装着し、身体保持手段200を吊具51に掛けて引上力発生装置70に引上力を発生させた後、介護者211は被介護者210の両足の間に片足を入れ、ベルト201に両手をかけて被介護者210を立ち上がらせるように抱きかかえる。それから、自分の体を軸にして被介護者210の体の向きを変え、図20のように車椅子221に座らせる。このような作業手順を踏むことにより、被介護者210を楽に、スピーディーに車椅子221に移すことができる。
【0114】
前述の通り、紐状部材55の端を止める紐状部材端固定部59は位置可変である。紐状部材端固定部59の位置を変えれば、吊具51の昇降範囲(どの高さからどの高さまで高さを変えるか)が上下にシフトする。これにより、ベッドを中心とした起居のみならず、畳を中心にした起居にも対応させることができる。また被介護者210の身長に合わせて吊具51の昇降範囲を調整することもできる。シフト量は紐状部材端固定部59の変位量の半分である。
【0115】
身体保持手段200を吊具51に掛けた後手を離せば、吊具51は復元力で上昇しようとし、身体保持手段200はぴんと張りつめる。紐状部材55もぴんと張る。従って身体保持手段200がたるんで吊具51から外れるといったことはない。吊具51が空中でふらつき、被介護者210あるいは介護者211に当たるといったこともない。
【0116】
被介護者210を完全に吊り上げる必要がなく、被介護者210の質量を見かけ上軽減して介護者をアシストできれば良い場合は、コントローラ93のモード切換スイッチ155を操作し、「アシストモード」を選択する。「アシストモード」が選択されるとラッチングソレノイド137はロック解除モードになるように、すなわちプランジャロッド138が突き出た状態となるように励磁される。所定時間経過後に励磁は解除されるが、ラッチングソレノイド137はラッチ機能によりロッド突き出し状態を保っている。「アシストモード」選択後、昇降スイッチ154の「上昇」ボタンを押す。
【0117】
昇降スイッチ154の「上昇」ボタンが押されると、モータ111は図24のように原動歯車123を反時計方向に回転させる。浮動歯車125は時計方向に回転し、エレベータ駆動歯車127は反時計方向に回転する。この時の浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127の関係は、浮動歯車125がエレベータ駆動歯車127を反時計回りに回転させるというよりもむしろ、自由落下しようとするエレベータ80によりエレベータ駆動歯車127が急速に反時計まわりに回転しようとするのに浮動歯車125がブレーキをかけ、エレベータ80を一定のゆっくりとした速度で下降させるという形になる。そのためブラケット124には図13において時計方向のモーメントが加わり、引張コイルばね128の付勢力と相まって、ブラケット124はストッパ129に押しつけられ続ける。
【0118】
エレベータ80は下降する途中でブラケット81により復元用錘66を引っ掛ける。エレベータ80は復元用錘66を引き下げ、紐状部材55を柱状本体10に引き込む。
【0119】
エレベータ80が下降を続けると、紐状部材55及び身体保持手段200の張力が高まって行く。そして、引上力に等しい質量が吊具51に加わる瞬間がやってくる。この時エレベータ80は下降を停止し、エレベータ駆動歯車127も回転を停止する。このため、エレベータ駆動歯車127に浮動歯車125がブレーキをかけるという関係が解消される。
【0120】
モータ111は依然として回転を続けるので、浮動歯車125がエレベータ駆動歯車127をけり出す形になり、ブラケット124は反時計方向に回転する。これによりエレベータ駆動歯車127と浮動歯車125のかみ合いは解消され、動力伝達装置120は連結切り離し状態となる。図25がこの状態を表す。
【0121】
エレベータ駆動歯車127と浮動歯車125とのかみ合いが解消される角度までブラケット124が回転すると、ブラケット上昇検知スイッチ150が非作動になる。これを受けて電磁クラッチ126が励磁状態になり、ブラケット124と回転軸121を連結する。これにより、ブラケット124はあと少し回転を続ける。
【0122】
ブラケット124が反時計方向に回転を続ける過程でブラケット下降検知スイッチ151が作動する。これを受けてモータ111は非駆動となる。ブレーキ装置113はモータ111の回転を瞬時に止め、モータ111が慣性で回転を続けないようにする。モータ111は停止するが電磁クラッチ126は励磁状態を維持し、ブラケット124と回転軸121とは連結されたままである。このため、引張コイルばね128がブラケット124に付勢力を及ぼしているにもかかわらず、ブラケット124の角度はそのままであり、浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127とは離れた状態を保っている。
【0123】
動力伝達装置120が連結切り離し状態となり、浮動歯車125によるエレベータ駆動部歯車127の拘束がなくなると、錘71及びエレベータ80の質量が吊具51に加わる引上力に転化する。この時の引上力は吊具51の負担する荷重と同等又はそれ以下である。これを「アシスト力」と称する。
【0124】
被介護者210の質量はアシスト力の分だけ見かけ上減少する。被介護者210の見かけ上の質量は数kg程度とすることができ、介護者211は数kg分の力を発揮しさえすれば被介護者210の身体を浮上させられる。また力を入れて支えなくても被介護者210を緩やかに降ろすことができる。被介護者210の身体が上下すると同時にエレベータ80は降下あるいは上昇する。図26がこの状況を示す。
【0125】
被介護者210の見かけ上の質量が軽いので、介護者211は被介護者210を上下方向ばかりでなく水平方向にも楽に動かせる。被介護者210の体をかかえて押すか引くかすれば、スライダ50がアーム12の長手方向に沿ってスライドする。またアーム12はヒンジ11を旋回中心として旋回する。このようにして、扇形の移動可能領域内で被介護者210を移動させることができる。
【0126】
図20のように被介護者210をベッド220から車椅子221に移すことが作業の目的であった場合は、被介護者210を車椅子221に座らせた後、コントローラ93の昇降スイッチ154の「下降」ボタンを押す。すると、図27に見られるようにモータ111が原動歯車123を時計方向に回転させる。この時は電磁クラッチ126を非励磁とする。引張コイルばね128の付勢力によりブラケット124は時計方向に回転し、浮動歯車125をエレベータ駆動歯車127にかみ合わせる。浮動歯車125は反時計方向、エレベータ駆動歯車127は時計方向に回転し、エレベータ80は上昇する。これによりアシスト力は消滅する。復元用錘66が紐状部材55を引くので、吊具51の高さは変わらない。
【0127】
図27の場合、エレベータ駆動歯車127が回転するので浮動歯車125はかみ合いを保っていられる。そのため、図25のときのような浮動歯車125によるエレベータ駆動歯車127のけり出しは生じない。またブラケット124が時計方向に回転することにより、ブラケット下降検知スイッチ151は非作動、ブラケット上昇検知スイッチ150は作動状態となる。
【0128】
ブラケット81と復元用錘66との間に十分な隙間ができるまでエレベータ80を上昇させた後、昇降スイッチ154の「下降」ボタンから指を離す。するとモータ111が非駆動となる。「下降」ボタンを押したままでも、エレベータ上限検知スイッチ86が作動するまでエレベータ80が上昇すればモータ111は非駆動となる。ブレーキ装置113はモータ111の回転を瞬時に止め、モータ111が慣性で回転を続けないようにする。
【0129】
モータ111が停止すれば原動歯車123も回転しなくなる。上昇したエレベータ80は、ブレーキ装置113により回転を止められたモータ111により、その高さに留まっている。エレベータ80が降下しようとするのでエレベータ駆動歯車127には反時計方向の回転力が生じ、これと引張コイルばね128の付勢力とが相まってブラケット124には時計方向のモーメントが生じ、ブラケット124はストッパ129に押しつけられる。
【0130】
このようにしておいて吊具51を下に引き、フック52から身体保持手段200を外す。身体保持手段200から離れた吊具51は、手を離せば復元用錘66による復元力で上方定位置に上昇する。
【0131】
上記の構成では、吊具51は手または身体保持手段200による拘束が解かれるとすぐ上方への復元移動を開始する。しかしながら、吊具51が任意の高さに留まっていてくれれば、身体保持手段200を吊具51に掛けたり外したりするのに両手を自由に使うことができ、介護者211にとって便利である。吊具51を任意の高さに止めるのは、次の関係が満たされるように復元用錘66の質量を調整することによって実現できる。
復元用錘の質量と吊具及び滑車ハウジングの合計質量の1/2との差 <抵抗
(復元用錘の質量 > 吊具及び滑車ハウジングの合計質量の1/2)
【0132】
上記抵抗は動滑車54の軸受部の摩擦、ガイドプーリ56、57、63、64、65のそれぞれの軸受部の摩擦、及び紐状部材55の内部摩擦の総和である。なお厳密に言えば、吊具51が下降するにつれ吊具51側の紐状部材55の質量が増加し、復元用錘66の側の紐状部材55の質量が減少する訳であるが、これによりもたらされる釣り合いの変化は相対的に小さいので、無視して構わない。
【0133】
このように復元用錘66の質量を調整しておけば、吊具51を任意高さに引き下ろして手を離したとき、吊具51はその位置を維持する。そして、吊具51に外部より上方への付勢力を与えて勢いをつければ、後は復元用錘66がその運動を引き継いで吊具51を上方定位置まで復元移動させるものである。
【0134】
補助をしてやれば自力で立てるような被介護者210であれば、介護者211がいない場合でも、着脱の簡単なベルトタイプの身体保持手段200を用いて、自力でベッド220から車椅子221へ、あるいはその逆へと移動することが可能である。
【0135】
これまで、引上力発生装置70がアシスト力により被介護者210の質量を見かけ上減少させる働きについて説明してきた。これは、ベッドに腰掛けることができたり、ベッド上で座位を保つことができたり、下半身のみ麻痺しているような被介護者とその介護者にとっては非常に具合が良い。しかしながら全身麻痺であったり、そこまで行かないまでも首が座らないような被介護者を移動させる際には機械力で完全に吊り上げた方が介護者にとって都合の良い場合もある。そのため、移動補助装置1は吊具51にその負担する荷重を超える「リフト力」を与えることができるようになっている。
【0136】
リフト力を発生させるときは、エレベータ80を上昇させ、被介護者210に装着させた身体保持手段200を吊具51に引っ掛けた後、コントローラ93のモード切換スイッチ155を「リフトモード」に切り換える。するとラッチングソレノイド137はロックモードになるように、すなわちプランジャロッド138を引き込んだ状態となるように励磁され、レバー136、リンク134、及びレバー133を介し、引張コイルばね139に抗してロック部材132を回転させる。ロック部材132はエレベータ80を引き上げるため上昇位置に来ていたブラケット124の下に入り込む。図28がこの状態を表す。この時ソレノイド状態検知スイッチ152及びロック解除状態検知スイッチ153はロック検知状態となる。ラッチングソレノイド137の励磁は所定時間経過後解除されるが、ラッチ機能により、プランジャロッド138の引き込み状態はそのまま保たれている。
【0137】
ここで昇降スイッチ154の「上昇」ボタンを押すと、モータ111は原動歯車123を反時計方向に回転させる。浮動歯車125は時計方向に回転し、エレベータ駆動歯車127は反時計方向に回転する。これによりエレベータ80は下降し、ブラケット81で復元用錘66を引っ掛ける。エレベータ80が下降を続けると、紐状部材55及び身体保持手段200の張力が高まって行く。そして、引上力に等しい質量が吊具51に加わる瞬間がやってくる。
【0138】
「アシストモード」の場合はここでエレベータ80が下降を停止し、エレベータ駆動歯車127も回転を停止し、浮動歯車125がエレベータ駆動歯車127をけり出してブラケット124が反時計方向に回転する。これによりエレベータ駆動歯車127と浮動歯車125のかみ合いは解消され、動力伝達装置120は連結切り離し状態となるものであった。しかしながら今回は「リフトモード」であり、ブラケット124の下にロック部材132が存在するため、ブラケット124は少し回転してストッパ129から所定間隔だけ離れはするものの、それ以上は回転しない。これがロック部材132によるブラケット124のロックである。
【0139】
ロック部材132がブラケット124をロックした状態では、浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127はかみ合いを維持したままであり、出力装置110の出力はエレベータ駆動歯車127に伝達され続ける。この出力装置110の出力が錘71の質量以外の負荷としてエレベータ80に加重され、吊具51に加わる引上力は吊具51の負担する荷重を超える「リフト力」となる。
【0140】
リフト力により、被介護者210は完全に吊り上げられる。モード切換スイッチ155を「アシストモード」にしないかぎりロック装置130の状態は変わらず、被介護者210の身体の上下はすべて昇降スイッチ154により行われることになる。
【0141】
この「リフトモード」で被介護者210を吊り上げている間に停電や故障でモータ111の回転が止まると、被介護者210は空中に宙づりになってしまう。このような場合は次のようにして被介護者210を降ろす。
【0142】
図29は停電や故障など、モータ制御指令とは無関係の要因でモータ111の回転が止まったときの状況を示す。吊具51にかかる荷重によりエレベータ80には上昇力が生じ、エレベータ駆動歯車127には時計方向の回転力が加わる。原動歯車123が回転しないので、エレベータ駆動歯車127により回転させられる浮動歯車125は原動歯車123の周囲を遊星運動する形になる。ブラケット124は引張コイルばね128の付勢力に抗して反時計方向に回転しようとする。しかしロック部材132がロック位置にあるため、ブラケット124の反時計方向回転は阻止される。ラッチングソレノイド137がリンク136を介してリンク134の動きを止めているので、ロック部材132はロック位置から変位しない。このためブラケット124はロック部材132を上から圧迫し続けることになる。
【0143】
ここで緊急操作レバー95を引くと、図30のように操作ケーブル144がベルクランク142の腕142aを引き、ベルクランク142は引張コイルばね143に抗して回転する。ベルクランク142は腕142aでレバー136を押す。レバー136は図30において反時計方向に回転する。レバー136の連結ピン136aはリンク134の長孔134aの中をスライドするのみで、リンク134に力を伝えないので、リンク134はスライドせず、ロック部材132も位置を変えない。このように連結ピン136aがリンク134の長孔134aの中をスライドすることにより、連結ピン136aはリンク134が図30において左方にスライドするのを引き止めなくなる。これを「ロック部材132がロック解放許容状態に置かれた」と表現する。
【0144】
ここで介護者211は被介護者210を抱きかかえ、被介護者210を持ち上げる。錘71によるアシスト力が作用しているので、軽く持ち上げることができる。被介護者210が持ち上げられ、エレベータ80が降下するとエレベータ駆動歯車127が反時計方向に回転し、引張コイルばね128の付勢力と相まってブラケット124が持ち上がる。そしてブラケット124がロック部材132を圧迫しなくなるとロック解放許容状態にあったロック部材132は引張コイルばね139に引かれてロック解除位置に変位する。リンク134もロック部材132と共に移動する。これが図31の状態である。このように被介護者210を持ち上げるに足る力を及ぼすことが「吊具51の負担する荷重を所定値以上軽減する」ということである。
【0145】
引張コイルばね139は、ロック位置にあるロック部材132がロック部材解放装置140によりロック解放許容状態に置かれたとき、吊具51の負担する荷重が所定値以上軽減されない間はロック部材132を変位させてブラケット124との当接を解消するに至らず、前記荷重が所定値以上軽減されてはじめて、ロック部材132を変位させてブラケット124との当接を解消し、浮動歯車125とエレベータ駆動歯車127とのかみ合いを維持できなくする付勢手段として機能する。
【0146】
ロック部材132がロック解除位置に変位した後、被介護者210を持ち上げる力を緩めれば、錘71によるアシスト力を利かせつつ、被介護者210を静かに降ろすことができる。これが図32の状態である。エレベータ駆動歯車127は時計方向に回転する。浮動歯車125は原動歯車123の周囲を遊星運動し、エレベータ駆動歯車127にけり出される位置に来る。エレベータ駆動歯車127による浮動歯車125のけり出しは被介護者210を降ろしている間中続く。
【0147】
被介護者210の体がベッド220や車椅子221に受けられると、吊具51の負担する荷重よりアシスト力の方が勝ることになり、エレベータ80は今度は下降しようとする。エレベータ駆動歯車127の回転方向が逆転すると、今までエレベータ駆動歯車127にけり出されていた浮動歯車125が直ちにエレベータ駆動歯車127にかみ合い、ブラケット124は持ち上がる。ブラケット124は直ぐにストッパ129で止められ、エレベータ駆動歯車127も浮動歯車125により回転を止められる。エレベータ80は下降を阻止されてその位置を維持し、吊具51に力を及ぼさない。このため、吊具51が強い力で急激に引き上げられて周囲の人に危害を加えることはない。
【0148】
吊具51から身体保持手段200を外せば、吊具51は復元用錘66の力で上方に復帰する。この時の吊具51の上昇力は弱く、人に危害を及ぼすようなものではない。これが図33に示す状態である。
【0149】
次に、図34〜図39に基づき本発明の第2実施形態を説明する。図34は本発明の第2実施形態に係る錘調節装置160aの構造を説明する部分断面図、図35は錘調節装置160aの動作を説明するフローチャート、図36〜図39は錘調節装置160aの動作を説明する部分断面図である。第2実施形態の錘調節装置160aのうち、第1実施形態の錘調節装置160と共通する構成要素には第1実施形態の説明で使用した符号をそのまま使用し、説明を省略する。
【0150】
錘調節装置160aは、第1実施形態の錘調節装置160で昇降モジュール161であったものを昇降できないようにして用いる。すなわちシャーシ170を柱状本体10に固定して用いる。ピン75を固定したレバー171も、上下方向にシフト可能であることは別として、所定の高さ位置に配置されたことになる。レバー171と、これを回転させる引張コイルばね174及びロータリーソレノイド175がピン駆動装置を構成する。
【0151】
支持板としては、第1実施形態のときのように複数のピン受け穴74を垂直方向に並べた支持板79でなく、ピン75の高さに合わせピン受け穴79を1個だけ設けた支持板79aが配置されている。
【0152】
次に錘調節装置160aの動作を、図35のフローチャート及び図36〜図39の部分断面図に基づき説明する。
【0153】
動作は操作/表示部92より「錘調節」の指令を入力することからスタートする。動作がスタートすると、図35のフローチャートでまずステップS321に進む。ステップS321では、ピン75の保持していた錘ブロック72にエレベータ80に積載されていた錘ブロック72が合体するまでエレベータ80を上昇させる。錘ブロック72が合体することにより、すべての錘ブロック72がエレベータ80で支えられることになる。
【0154】
ステップS322ではロータリーソレノイド175が動作し、引張コイルばね174に抗しレバー171を回転させる。これによりピン75は、それまで係合していた錘ブロック72の溝73から引き抜かれ、シャーシ170の中に退避する。レバー171がピン退避検知スイッチ179に当たったところでレバー171の回転は終了する。レバー171はその時の角度のままロータリーソレノイド175により保持される。
【0155】
ステップS323ではエレベータ80に担持させる錘71の質量の設定を行う。必要とする引上力を操作/表示部92から入力することにより、錘71の質量設定が行われる。この入力操作は「錘調節」の指令の入力と併せて実行してもよい。
【0156】
これまでの説明は、ピン75が何個かの錘ブロック72を支えていて、そこへエレベータ80に積載された錘ブロック72が合流するという状況を想定したものである。ピン75が錘ブロック72を支えていない、すなわち錘ブロック72がすべてエレベータ80に積載されている場合は、ピン75は錘調節動作のスタートと同時に退避する。
【0157】
ステップS324では錘合体位置からのエレベータ80の移動距離を算出する。設定された錘質量により、何個の錘ブロック72をエレベータ80から切り離せばよいかが定まり、これに基づき、上から何番目の錘ブロック72をピン75に一致させるようにエレベータ80を移動させればよいかが計算される。この計算はステップS324で錘質量設定入力が行われるのと同時に実行してもよい。
【0158】
ステップS325では算出した移動距離だけエレベータ80が上昇ないし下降し、停止する。図36がこの状態を表す。
【0159】
ステップS326ではロータリーソレノイド175が作動解除される。レバー171は引張コイルばね174の付勢力で回転し、ピン75は支持板79aのピン受け穴74を通って錘ブロック72の方へ進出する。ここでピン75は、保持しようとする錘ブロック72の一つ上の錘ブロック72の側面に当たって止まる。図37がこの状態を表す。
【0160】
ステップS327ではピン75を錘ブロック72の側面に押し当てたままエレベータ80が上昇する。これは、溝73が合わさってできた穴をピン75が探索するという動作に他ならない。
【0161】
溝73が合わさってできた穴にピン75が合致し、ピン75が穴に係合すると、レバー171はピン進出検知スイッチ178に当たるところまで回転する。レバー171によりアクチュエータを押されたピン進出検知スイッチ178はピン75の係合完了信号を発する。図38がこの状態を表す。
【0162】
ステップS328ではピン進出検出スイッチ178が係合完了信号を発したかどうかをチェックする。係合完了信号が確認されたらエレベータ80の上昇を停止する。錘調節のフローはこれで終了となる。
【0163】
通常の場合、ピン75はエレベータ80が上昇する間に穴に合致して係合するが、時として、目的の穴の横を通り過ぎることがある。係合完了信号が発されることのないまま、エレベータ80が所定高さ上昇したら、制御部90はステップS329でピン75による穴の探索が限界に来たと判断する。そしてエレベータ80の上昇を止める。第1実施形態で用いた昇降位置検知装置180と同様の装置をエレベータ80に付設し、エレベータ80の昇降を監視するようにするとよい。
【0164】
ステップS330ではロータリーソレノイド175が作動してピン75を退避させる。それからエレベータ80が下降する。図36の高さまで下がったところでエレベータ80は下降を止め、ロータリーソレノイド175は作動解除してピン75を解放する。これにより、図37の状態に戻る。エレベータ80は再び上昇し、ピン75による穴の探索が再開される。ピン75が穴に係合するまでこの動作を繰り返す。
【0165】
上記説明では目標とする錘ブロック72の一つ上の錘ブロック72の側面にピン75を当て、そこからエレベータ80を上昇させて穴の探索を行う(上昇探索)こととしていたが、目標とする錘ブロック72の一つ下の錘ブロック72の側面にピン75を当て、そこからエレベータ80を下降させて穴の探索を行う(下降探索)ことも可能である。錘ブロック72を全数エレベータ80に担持させる場合には穴探索は不要なので、その工程を省略することができる。
【0166】
ピン75が目的の錘ブロック72の下に入り込んだところでエレベータ80を下降させると、ピン75より上部にある錘ブロック72の質量が荷重となってピン75にかかる。この荷重を受け、ピン75及びレバー171は引張コイルばね174の張力に抗して下降する。ピン75はピン受け穴74の支え面に当たって止まり、支持板79aに荷重負担を転嫁する。エレベータ80が下降を続けると、エレベータ80に担持された錘ブロック72はピン75で保持された錘ブロック72から離れて行く。図39がこの状態を表す。
【0167】
ピン75にかかる垂直方向の荷重は支持板79aで支えられる。シャーシ170は支持板79の支え面を支点としてピン75に生じるモーメントだけを支えればよい。従ってシャーシ170を錘71の荷重に耐えられるような構造とすることは必要でない。
【0168】
しかしながらシャーシ170をはじめとする構成要素を十分強固なものとし、支持板79aを廃止する構成も可能である。またピン75が直線的にスライドして進出・退避を行う構成とすることも可能である。
【0169】
次に、図40及び図41に基づき本発明の第3実施形態を説明する。図40、41はいずれも本発明の第3実施形態に係る錘調節装置160bの部分断面図である。
【0170】
錘調節装置160bは水平なプラットフォーム190をベースとして構成される。プラットフォーム190にはエレベータ80の上の錘ブロック72aの堆積を通す透孔191が設けられている。この錘ブロック72aには第1実施形態の錘ブロック72に設けられていた錘ブロック相互間の凹凸係合がなく、他の錘ブロック72aの上をスリップすることができるようになっている。
【0171】
プラットフォーム190の上にはシフト枠192が配置される。シフト枠192は錘ブロック72aが挿通する内径を有し、図示しない案内機構により、水平方向にシフトできるように支持されている。減速装置付モータ193の出力軸に連結された送りねじ194がシフト枠192を移動させる。この送りねじ194が前記案内機構の一環をなし、シフト枠192を支持する役割を担うこととしてもよい。
【0172】
錘調節装置160bは次のように用いる。
【0173】
まずシフト枠192を透孔191に整列する位置に置く。そしてエレベータ80を上昇させ、錘ブロック72aの堆積を透孔191及びシフト枠192に通す。堆積から取り除きたい個数の錘ブロック72aがプラットフォーム190の上に出た時点でエレベータ80の上昇を止める。図40がこの状態を表す。
【0174】
続いて減速装置付モータ193を駆動し、シフト枠192及びその中に入っている錘ブロック72aを送りねじ194により減速装置付モータ193の方へ引き寄せる。プラットフォーム190の上に出ていた錘ブロック72aはエレベータ80の上の錘ブロック72aの堆積から外れ、プラットフォーム190の上に退避する。エレベータ80の上には錘71の質量を構成する個数の錘ブロック72aだけが残る。その後エレベータ80を下降させ、錘71の質量を引上力発生に役立てる。
【0175】
錘71の質量を変化させるときは、エレベータ80の上の錘ブロック72aの堆積の頂面がプラットフォーム190の上面と高さが一致するところまでエレベータ80を上昇させる。それから減速装置付モータ193を駆動してシフト枠192を移動させ、プラットフォーム190の上の錘ブロック72aをエレベータ80の上の錘ブロック72aの堆積の上に押しやる。続いてシフト枠192を図40の位置まで引き戻し、新たに設定された質量に見合う数の錘ブロック72aがエレベータ80の上に残ることになるようエレベータ80を昇降させる。エレベータ80が停止した後、シフト枠192を動かして不要分の錘ブロック72aをプラットフォーム190の上に一時退避させる。
【0176】
次に、図42に基づき本発明の第4実施形態を説明する。図42は図2と同様の垂直断面図である。引上力発生の仕組みは第1実施形態と同じである。第4実施形態では、所定間隔を置いて平行に配置した2組の門型構造体20によりアーム12を支える。このため第1実施形態に比べアーム12を長くすることができる。レール40も当然長くなる。この構成によれば、アーム12に加わる荷重をほぼ全面的に門型構造体20で支えることとし、ヒンジ部11はアーム12の旋回中心を提供するだけの、低強度のものとすることが可能である。
【0177】
2組の門型構造体20と柱状本体10とは支持部材で連結し、1個の構造体とする。この場合は5脚構造ということになる。この実施形態の場合、アーム12が長いので、歩行訓練を行う際の歩行距離を長くとることができる。必要に応じて門型構造体20の数を増やし、アーム12をさらに長くすることができる。
【0178】
以上の実施形態の他、次のような実施形態も可能である。すなわちレール21は直接天井面に、あるいは天井面から垂下した支持部材に、取り付けることとしてもよい。またレール21は必ずしも直線状である必要はなく、湾曲していてもよい。アーム12自身も湾曲形状であって構わない。要は、アーム12の旋回がスムーズに行われさえすればよい。この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更を加えて実施することができる。
【0179】
また本発明の錘調節装置は、筋力トレーニング機器の負荷調節に利用することも可能である。
【0180】
【発明の効果】
本発明により、次に掲げるような効果が奏される。
【0181】
(1)本発明の錘調節装置は、操作者が設定した質量に基づき、所定数の錘ブロックをエレベータに担持させるものであるから、操作者が質量の設定を行うだけで所定数の錘ブロックがエレベータに担持され、エレベータに所定の荷重を与える。錘ブロックの積み下ろしの労力が不要で、操作者の負担が大いに軽減される。また質量設定は錘ブロックの個数の設定を通じて行われるものであり、機構設計及び制御設計を簡単化できる。
【0182】
(2)上記のような錘調節装置において、前記錘ブロックは前記エレベータの上に垂直に堆積されるものであり、上部の何個かの錘ブロックをエレベータに積載しないこととして錘の質量調節が行われるものとしたから、エレベータに積載する錘ブロックと積載しない錘ブロックとを切り分けることにより、簡単に錘の質量調節を行うことができる。
【0183】
(3)上記のような錘調節装置において、前記錘ブロック同士の合わせ目に溝が設けられ、ある錘ブロックの下の溝にピンを係合させることにより、この錘ブロックを含みそれよりも上の錘ブロックを前記エレベータに積載しないこととするものとしたから、錘ブロックの切り分けをきわめて簡単に行うことができる。
【0184】
(4)上記のような錘調節装置が、前記エレベータにより上昇位置に置かれた前記錘ブロック群と平行するように高さ不動に配置され、前記溝のピッチと同ピッチで複数の支え面を設けた支持板と、前記支持板と平行して昇降する昇降モジュールと、前記昇降モジュールに支持され、前記溝のうち所定のものに入り込んで錘ブロック群を上下に分断するとともに、前記支持板の支え面に当たって上部の錘ブロックを支えるピンとを備えるものとしたから、任意の箇所で錘ブロックの切り分けを行うことができる。またエレベータに積載しない錘ブロックの質量をピンと支持板が支えるので、ピンの駆動機構に負担がかからない。従って昇降駆動系の耐久性を向上させることができる。
【0185】
(5)上記(4)の錘調節装置が、さらに、前記ピンを前記溝の方向に付勢するばねと、前記ばねの付勢力に抗して前記ピンを引き戻すピン退避手段と、前記ピンを前記溝に係合させるとき、前記ピン退避手段を作動解除し、前記ばねの付勢力によりピンが錘ブロックの側面に押し当てられた状態で前記昇降モジュールを昇降させ、ピンの係合完了信号が得られた時点で昇降モジュールの昇降を停止させる制御部とを備えるものとしたから、製造上の要因や制御上の要因でピンと溝の絶対位置又は相対位置がばらついたとしても、ピンを無理なく確実に係合させることができる。そのため錘調節装置を組み立てたり、交換したりするときの調整が不要となる。
【0186】
(6)上記(3)の錘調節装置が、所定の高さ位置に配置されたピンと、このピンをそれと対向する位置に来た前記溝に向け進出、あるいはそこから退避させるピン駆動装置とを含むものとしたから、エレベータに積載しない錘ブロックを確実に切り離し、支持ピンにより所定位置に支持しておくことができる。またエレベータ以外の昇降機構が不要で、装置を簡単化することができる。
【0187】
(7)上記(2)の錘調節装置が、堆積された錘ブロックの上部の何個かを一時的に堆積の外に退避させることにより錘の質量調節を行うものであるものとしたから、錘を引いたり押したりして堆積中の錘ブロックの個数を調節することにより、簡単に錘の質量調節を行うことができる。
【0188】
(8)本発明の移動補助装置は、被介護者の身体を保持する身体保持手段と、前記身体保持手段を吊支する吊具と、錘の質量を転換して得た引上力を前記吊具に与える引上力発生装置と、操作者が設定した質量の錘を前記引上力発生装置のエレベータに担持させる上記(1)〜(7)のいずれかに記載の錘調節装置とを備えるものとした。被介護者が変わる度に錘の質量を設定する必要があるが、本発明の装置によれば操作者が質量の設定を行うだけで所定の質量の錘が引上力発生装置に担持されるものであり、重い錘を積み替えたりする労力が不要で、操作者の負担が大いに軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る移動補助装置の斜視図
【図2】移動補助装置の垂直断面図
【図3】レールによるアーム吊り下げ構造を示す部分斜視図
【図4】アームの部分側面図
【図5】駆動装置の斜視図
【図6】緊急操作レバーの斜視図
【図7】錘ブロックを上面側から見た斜視図
【図8】錘ブロックを下面側から見た斜視図
【図9】錘ブロックの個数調節の仕組みを説明する斜視図
【図10】錘調節装置の第1の部分垂直断面図
【図11】制御ブロック図
【図12】錘調節装置の動作を示すフローチャート
【図13】錘調節装置の第2の部分垂直断面図にして、異なる動作状態におけるもの
【図14】錘調節装置の第3の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図15】錘調節装置の第4の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図16】錘調節装置の第5の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図17】錘調節装置の第6の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図18】錘調節装置の第7の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図19】被介護者の移動状況を説明する側面図
【図20】被介護者の移動状況を説明する上面図
【図21】本発明移動補助装置の動作を説明する第1の模型的垂直断面図
【図22】本発明移動補助装置の動作を説明する第2の模型的垂直断面図
【図23】本発明移動補助装置の動作を説明する第3の模型的垂直断面図
【図24】本発明移動補助装置の動作を説明する第4の模型的垂直断面図
【図25】本発明移動補助装置の動作を説明する第5の模型的垂直断面図
【図26】本発明移動補助装置の動作を説明する第6の模型的垂直断面図
【図27】本発明移動補助装置の動作を説明する第7の模型的垂直断面図
【図28】本発明移動補助装置の動作を説明する第8の模型的垂直断面図
【図29】本発明移動補助装置の動作を説明する第9の模型的垂直断面図
【図30】本発明移動補助装置の動作を説明する第10の模型的垂直断面図
【図31】本発明移動補助装置の動作を説明する第11の模型的垂直断面図
【図32】本発明移動補助装置の動作を説明する第12の模型的垂直断面図
【図33】本発明移動補助装置の動作を説明する第13の模型的垂直断面図
【図34】本発明の第2実施形態に係る錘調節装置の第1の部分垂直断面図
【図35】第2実施形態の錘調節装置の動作を示すフローチャート
【図36】第2実施形態の錘調節装置の第2の部分垂直断面図にして、異なる動作状態におけるもの
【図37】第2実施形態の錘調節装置の第3の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図38】第2実施形態の錘調節装置の第4の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図39】第2実施形態の錘調節装置の第5の部分垂直断面図にして、さらに異なる動作状態におけるもの
【図40】本発明の第3実施形態に係る錘調節装置の第1の部分垂直断面図
【図41】第3実施形態の錘調節装置の第2の部分垂直断面図にして、異なる動作状態におけるもの
【図42】本発明の第4実施形態に係る移動補助装置の垂直断面図
【符号の説明】
1 移動補助装置
10 柱状本体
11 ヒンジ部
12 アーム
50 スライダ
51 吊具
54 動滑車
55 紐状部材
70 引上力発生装置
71 錘
80 エレベータ
95 緊急操作レバー
100 駆動装置
110 出力装置
111 モータ
112 減速装置
120 動力伝達装置
140 ロック部材解放装置
160 錘調節装置
72 錘ブロック
231 凸部
232 凹部
73 溝
74 ピン受け穴
75 ピン
79 支持板
161 昇降モジュール
170 シャーシ
171 レバー
172 支持軸
173 軸穴
174 引張コイルばね
175 ロータリーソレノイド
176 レバー
177 ピン
178 ピン進出検知スイッチ
179 ピン退避検知スイッチ
180 昇降位置検知装置
181 フォトインタラプタ
182 遮蔽板
160a 錘調節装置
79a 支持板
160b 錘調節装置
190 プラットフォーム
191 透孔
192 シフト枠
193 減速装置付モータ
194 送りねじ
200 身体保持手段
210 被介護者

Claims (8)

  1. 操作者が設定した質量に基づき、所定数の錘ブロックをエレベータに担持させることを特徴とする錘調節装置。
  2. 前記錘ブロックは前記エレベータの上に垂直に堆積されるものであり、上部の何個かの錘ブロックをエレベータに積載しないこととして錘の質量調節を行うことを特徴とする請求項2に記載の錘調節装置。
  3. 前記錘ブロック同士の合わせ目に溝が設けられ、ある錘ブロックの下の溝にピンを係合させることにより、この錘ブロックを含みそれよりも上の錘ブロックを前記エレベータに積載しないことととする請求項2に記載の錘調節装置。
  4. 以下の構成要素を含むことを特徴とする請求項3に記載の錘調節装置:
    (a)前記エレベータにより上昇位置に置かれた前記錘ブロック群と平行するように高さ不動に配置され、前記溝のピッチと同ピッチで複数の支え面を設けた支持板
    (b)前記支持板と平行して昇降する昇降モジュール
    (c)前記昇降モジュールに支持され、前記溝のうち所定のものに入り込んで錘ブロック群を上下に分断するとともに、前記支持板の支え面に当たって上部の錘ブロックを支えるピン。
  5. 以下の構成要素を含むことを特徴とする請求項4に記載の錘調節装置:
    (d)前記ピンを前記溝の方向に付勢するばね
    (e)前記ばねの付勢力に抗して前記ピンを引き戻すピン退避手段
    (f)前記ピンを前記溝に係合させるとき、前記ピン退避手段を作動解除し、前記ばねの付勢力によりピンが錘ブロックの側面に押し当てられた状態で前記昇降モジュールを昇降させ、ピンの係合完了信号が得られた時点で昇降モジュールの昇降を停止させる制御部。
  6. 所定の高さ位置に配置されたピンと、このピンをそれと対向する位置に来た前記溝に向け進出、あるいはそこから退避させるピン駆動装置とを含むことを特徴とする請求項3に記載の錘調節装置。
  7. 堆積された錘ブロックの上部の何個かを一時的に堆積の外に退避させることにより錘の質量調節を行うことを特徴とする請求項2に記載の錘調節装置。
  8. 以下の構成要素を備えた移動補助装置:
    (イ)被介護者の身体を保持する身体保持手段
    (ロ)前記身体保持手段を吊支する吊具
    (ハ)錘の質量を転換して得た引上力を前記吊具に与える引上力発生装置
    (ニ)操作者が設定した質量の錘を前記引上力発生装置のエレベータに担持させる請求項1〜請求項7のいずれかに記載の錘調節装置。
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