JP4097369B2 - ロールケーキ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンとケーキ生地とからなるロールケーキ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
プリンとプリン以外の洋菓子生地を組み合わせた洋菓子は、多くのものがある。例えば、焼成し、切断したシューパフの入れ物にプリンを入れたもの、板状のプリンとケーキ生地を組み合わせたもの等がある。
【0003】
しかしながら、従来のプリンは、脆いものであるためハンドリング性が悪く、プリンを板状にしても、折れたり、割れたりするものであったため、プリンとケーキ生地からなるロールケーキをつくることができなかった。
【0004】
従って、本発明の目的は、ケーキ生地の上にプリンを載せ、巻き上げても、プリンが折れたり、割れたりしないロールケーキ及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、プリンとケーキ生地とからなるロールケーキが、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0006】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、プリンとケーキ生地とからなるロールケーキであって、上記プリンが、乳製品、卵、糖類、ゲル化剤を含有し、プリン液の全配合量中、上記乳製品として牛乳を50〜70重量%又は濃縮乳を3〜25重量%又は練乳を22〜31重量%含有し、且つプリン液の全配合量中、卵を20〜40重量%、糖類を10〜20重量%及びゲル化剤を0.09〜5重量%含有するものであることを特徴とするロールケーキを提供するものである。
【0007】
また、本発明のロールケーキの好ましい製造方法として、本発明は、ケーキ生地にプリンを載せ、端から巻き上げることを特徴とするロールケーキの製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のロールケーキについて詳細に説明する。
【0009】
本発明のロールケーキは、プリンとケーキ生地とからなるものである。
【0010】
本発明でいうプリンとは、乳製品、卵、糖類、ゲル化剤を含有するものである。
【0011】
上記乳製品としては、牛乳、濃縮乳、練乳等が挙げられる。
【0012】
乳製品として牛乳を使用する場合には、その配合量は、プリン液の全配合量中、好ましくは50〜70重量%、さらに好ましくは55〜65重量%である。プリン液の全配合量中、牛乳が50重量%よりも少ないとプリンが硬く、折れたり、割れたり、食感の悪いものになり易く、70重量%よりも多いとプリンにコシが無くなくなり、 脆く崩れやすい。
【0013】
乳製品として濃縮乳を使用する場合には、その配合量は、プリン液の全配合量中、好ましくは3〜25重量%、さらに好ましくは4〜21重量%である。プリン液の全配合量中、濃縮乳が3重量%よりも少ないとプリンが硬く、 折れたり、 割れたり、 食感の悪いものになり易く、25重量%よりも多いとプリンにコシが無くなくなり、 脆く崩れやすい。
【0014】
乳製品として練乳を使用する場合には、その配合量は、プリン液の全配合量中、好ましくは22〜31重量%、 さらに好ましくは24〜29重量%である。プリン液の全配合量中、練乳が22重量%よりも少ないとプリンが硬く、 折れたり、 割れたり、 食感の悪いものになり易く、31重量%よりも多いとプリンにコシが無くなくなり、 脆く崩れやすい。
【0015】
上記卵としては、生卵、液卵、卵黄、冷凍卵等が挙げられる。卵の配合量は、プリン液の全配合量中、好ましくは20〜40重量%、さらに好ましくは25〜35重量%である。卵が20重量%よりも少ないと卵の風味が欠け易く、コシの無いプリンとなり易い。40重量%よりも多いとコシが強くなり易く、 ソフトな口当たりが得られ難い。
【0016】
上記糖類としては、砂糖、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、異性化糖、乳糖、オリゴ糖、還元澱粉糖化物、水飴、蜂蜜の中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。この中では砂糖及び/又はグラニュー糖を使用するのが好ましい。糖類の配合量は、プリン液の全配合量中、好ましくは10〜20重量%、さらに好ましくは12〜15重量%である。糖類が10重量%よりも少ないと甘味が不足し、 食感が硬いものになり易く、20重量%よりも多いと、 甘味が強すぎ、 また腰の弱いプリンになり易い。
【0017】
本発明で使用する上記ゲル化剤としては、寒天、グルコマンナン、 カラギーナン、ゼラチン、 ローカストビーンガム、 グアーガム、 タマリンドガムの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。ゲル化剤の配合量はプリン液の全配合量中、好ましくは0. 09〜5重量%、さらに好ましくは0. 15〜0. 7重量%である。ゲル化剤の配合量が0.09重量%よりも少ないとプリンが脆いため、ロールケーキに用いたときプリンが割れたり、崩れたりし易く、5重量%よりも多いとプリンが硬いため、ロールケーキに用いたときプリンが割れたり、折れたりし易い。
【0018】
また、本発明ではゲル化剤として寒天を必須とすることが好ましい。寒天をグルコマンナン、 カラギーナン、ゼラチン、 ローカストビーンガム、 グアーガム、 タマリンドガムの中から選ばれた1種又は2種以上と併用することは構わない。併用する場合には、寒天とカラギーナンを用いるのが好ましい。
【0019】
寒天を用いる場合には、寒天のゼリー強度が好ましくは200〜2000g/cm2 、さらに好ましくは350〜450g/cm2 のものを用いる。ゼリー強度の測定方法は1.5重量%濃度の寒天溶液を20℃、15時間放置し、ゼリーテスターで測定したときの値である。寒天の分子量としては好ましくは1. 5×105 〜8×105 、さらに好ましくは5×105 〜7. 5×105 のものを用いる。
【0020】
また、プリン液には必要により、水、着色料、着香料、保存料、粉末状食品等を用いることができる。
【0021】
本発明に用いられるケーキ生地は、小麦粉、卵、砂糖、油脂、ベーキングパウダーを主配合とし、必要に応じ、これらに乳製品、乳化剤、香料、洋酒、 水等を加え、ミキシングし、含気させた生地を焼成したものであり、ジェノワーズ生地、メレンゲ生地、バターケーキ生地等である。
【0022】
次に、本発明のロールケーキの製造方法について説明する。
まず、プリンの材料であるゲル化剤と糖類を混合する。ゲル化剤と糖類を混合しないとゲル化剤がプリン液中でうまく分散しにくい。そして、これに乳製品を添加し、80〜95℃に加温する。これを40〜60℃に冷却し、卵を添加、混合し、裏ごしをし、プリン液を得る。耐熱、耐水性を有するシートをバットに敷き、その上にバットの内寸に近いセルクルをバット内に押し込み、セルクル内にプリン液を厚さが5〜10mmとなるように流し込み、バットを湯煎しながらオーブンにて、160〜170℃で、30〜40分焼成する。尚、 ここで言う耐熱、耐水性を有するシートとは、 一般的に使用されているベーキングシート等のことであり、耐熱、耐水性を有するシートであれば何れも使用可能である。
【0023】
ケーキ生地は、材料を混合、ミキシングし、紙を敷いた天板に厚さが5〜10mmとなるように流し込み、170〜200℃で、25〜35分焼成する。
【0024】
上記のような方法で得られたケーキ生地にプリンを載せ、必要により、ケーキ生地とプリンの間、さらにプリンの上にクリームを載せ、端から巻いていき、本発明のロールケーキとする。このときのケーキ生地とプリンの配合割合は、特に制限はないが、好ましくはケーキ生地100重量部に対して、 プリン10〜100重量部である。
【0025】
このようにして得られたロールケーキを食べやすい大きさにカットしたり、さらにカットしたロールケーキをデコレーションして食してもよい。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0027】
〔実施例1〕
まず、表1の配合のカラギーナンは予め上白糖と混合しておいた。これを牛乳に添加、混合し、 80℃に加温した。これを60℃まで冷却し、予め十分ほぐした全卵を混ぜ合わせ、裏ごしをし、プリン液を得た。次に耐熱、耐水性を有するシートをバットに敷き、その上にバットの内寸に近いセルクルをバット内に押し込み、セルクル内にプリン液を厚さが5〜10mmとなるように流しこみ、バットを湯煎しながらオーブンにて、160〜170℃で、30〜40分焼成した後、 板状のプリンを得た。
【0028】
【表1】
【0029】
一方、表2の配合に従い、材料を混合、ミキシングし、紙を敷いた天板に厚さが5〜10mmとなるように流し込み、170〜200℃で、25〜35分焼成しケーキ生地を得た。
【0030】
【表2】
【0031】
このケーキ生地495gの上にホイップした生クリームを160g載せ、さらに上記で得られたプリン250gを載せ、その上にホイップした生クリームを160g載せた。そして端から巻いていき、ロールケーキを得た。
【0032】
このロールケーキの製造においては、ケーキ生地にプリンを重ね合わせ、 端から巻き上げても、プリンが割れたり、折れたりせず、きれいな渦巻き状となった。
【0033】
〔実施例2〕
まず、表3の配合のゼリー強度が(1.5重量%濃度の寒天溶液を20℃、15時間放置し、ゼリーテスターで測定したときの値)400g/cm2 の寒天は予め上白糖と混合しておいた。これを牛乳に添加、混合し、 95℃に加温した。これを60℃まで冷却し、予め十分ほぐした全卵を混ぜ合わせ、裏ごしをし、プリン液を得た。そして実施例1と同様の方法で板状のプリンを得た。
【0034】
【表3】
【0035】
一方、表2の配合に従い、材料を混合、ミキシングし、紙を敷いた天板に厚さが5〜10mmとなるように流し込み、170〜200℃で、25〜35分焼成しケーキ生地を得た。
【0036】
このケーキ生地495gの上にホイップした生クリームを160g載せ、さらに上記で得られたプリン250gを載せ、その上にホイップした生クリームを160g載せた。そして端から巻いていき、ロールケーキを得た。
【0037】
このロールケーキの製造においては、ケーキ生地にプリンを重ね合わせ、 端から巻き上げても、プリンが割れたり、折れたりせず、きれいな渦巻き状となった。
【0038】
【発明の効果】
本発明のロールケーキは、ケーキ生地とプリンとを組み合わせたものであり、ケーキ生地にプリンを重ね合わせ、 端から巻き上げても、プリンが割れたり、折れたりせず、きれいな渦巻き状となるものである。
Claims (5)
- プリンとケーキ生地とからなるロールケーキであって、上記プリンが、乳製品、卵、糖類、ゲル化剤を含有し、プリン液の全配合量中、上記乳製品として牛乳を50〜70重量%又は濃縮乳を3〜25重量%又は練乳を22〜31重量%含有し、且つプリン液の全配合量中、卵を20〜40重量%、糖類を10〜20重量%及びゲル化剤を0.09〜5重量%含有するものであることを特徴とするロールケーキ。
- 上記ゲル化剤が寒天である請求項1記載のロールケーキ。
- 上記寒天が、ゼリー強度が200〜2000g/cm 2 のものである請求項2記載のロールケーキ。
- 上記プリンの配合割合が、ケーキ生地100重量部に対して、10〜100重量部である請求項1、2又は3記載のロールケーキ。
- 請求項1〜4の何れかに記載のロールケーキを製造する方法であって、ケーキ生地にプリンを載せ、端から巻き上げることを特徴とするロールケーキの製造方法。
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JP29540299A Expired - Lifetime JP4097369B2 (ja) | 1999-10-18 | 1999-10-18 | ロールケーキ及びその製造方法 |
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-
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