以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明における感光層構成材料の各成分について説明する。この感光層は、下記の(A)〜(C)成分を含み、必要に応じて更に後述の(D),(E),(F)成分を含む感光性組成物により形成される。
(A)エチレン性不飽和化合物
(A)成分のエチレン性不飽和化合物は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(C)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
本発明におけるエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、例えば、(メタ)アクリル酸〔なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味するものとする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等、であっても良いが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましく、また、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
そのエステル類としては、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
更に、そのエステル類として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との反応物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物やグリシジル基含有化合物付加物との反応物、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート等、また、前記の如き不飽和カルボン酸とトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、また、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
また、その(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するホスフェート化合物であれば特に限定されないが、中で、下記一般式(A−1)又は(A−2)で表されるものが好ましい。
(式(A−1)及び(A−2)中、Rzは水素原子又はメチル基を示し、jは1〜25の整数、kは1、2、又は3である。)
ここで、jは1〜10、特に1〜4であるのが好ましく、これらの具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられても良い。
また、そのウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
中で、ウレタン(メタ)アクリレート類としては、1分子中に4個以上のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕及び4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、該化合物は、例えば、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物(i−1)、或いは、エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成工業社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等のビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物(i−2)、或いは、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物(i−3)等の、1分子中に4個以上、好ましくは6個以上のイソシアネート基を有する化合物等、例えば、旭化成工業社製「デュラネートME20−100」(i)と、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(ii)とを、反応させることにより得ることができる。
ここで、前記化合物(i)の分子量は、500〜200,000であるのが好ましく、1,000〜150,000であるのが特に好ましい。また、前記のようなウレタン(メタ)アクリレート類の分子量は、600〜150,000であるのが好ましい。また、ウレタン結合を6個以上有するのが好ましく、8個以上有するのが特に好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基を6個以上有するのが好ましく、8個以上有するのが特に好ましい。
なお、このようなウレタン(メタ)アクリレート類は、例えば、前記化合物(i)と前記化合物(ii)とを、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒中で、前者のイソシアネート基と後者の水酸基とのモル比を1/10〜10/1の割合として、必要に応じてジラウリン酸n−ブチル錫等の触媒を用いて、10〜150℃で5分〜3時間程度反応させる方法により製造することができる。
本発明において、前記ウレタン(メタ)アクリレート類の中でも、下記一般式(A−3)で表されるものが特に好ましい。
(式(A−3)中、Raはアルキレンオキシ基又はアリーレンオキシ基の繰り返し構造を有し、且つRbと結合し得るオキシ基を4〜20個有する基を示し、Rb及びRcは各々独立して炭素数が1〜10のアルキレン基を示し、Rdは(メタ)アクリロイルオキシ基を1〜10個有する有機残基を示し、Ra、Rb、Rc、及びRdは置換基を有していても良く、xは4〜20の整数、yは0〜15の整数、zは1〜15の整数である。)
ここで、式(A−3)中のRaのアルキレンオキシ基の繰り返し構造としては、例えば、プロピレントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等に由来するものが、また、アリーレンオキシ基の繰り返し構造としては、例えば、ピロガロール、1,3,5−ベンゼントリオール等に由来するものが、それぞれ挙げられる。また、Rb及びRcのアルキレン基の炭素数は、各々独立して1〜5であるのが好ましく、また、Rdにおける(メタ)アクリロイルオキシ基は1〜7個であるのが好ましい。また、xは4〜15、yは1〜10、zは1〜10であるのが、それぞれ好ましい。
特に、Raは下記式で表されることが好ましく、また、Rb及びRcとしては各々独立して、ジメチレン基、モノメチルジメチレン基、又は、トリメチレン基であることが好ましく、Rdは下記式で表されることが好ましい。
また、そのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
また、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類等が挙げられる。
以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても良く、2種以上が併用されても良い。
(A)成分のエチレン性不飽和化合物としては、エステル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、エステル(メタ)アクリレート類が特に好ましく、そのエステル(メタ)アクリレート類の中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、或いはビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加物等のポリオキシアルキレン基を含むエステル(メタ)アクリレート類がとりわけ好ましい。
(B)増感剤
本発明においては、(B)増感剤として下記一般式(I)で表される増感剤の1種又は2種以上を用いる。下記一般式(I)で表される増感剤は、390〜430nmの波長域に適度な吸収を有し、青紫色レーザー光照射により、後述の(C)成分の光重合開始剤から重合活性種を効果的に生成させる化合物である。
(上記一般式(I)において、R
1〜R
9は各々独立に水素原子又は任意の置換基を表し、互いに隣り合う基は結合して環を形成していても良い。)
一般式(I)において、R1〜R8としては、次のような基が挙げられるが、何ら以下のものに限定されるものではない。
水素原子
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘプチル基等の、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜12のシクロアルキル基
ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜8の直鎖又は分岐のアルケニル基
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜12のシクロアルケニル基
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基等の炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアシル基
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルコキシ基
プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の炭素数3〜12の直鎖又は分岐のアルケニルオキシ基
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキルチオ基
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子
シアノ基
ヒドロキシ基
ホルミル基
スルホン酸基
カルボキシル基
−OCOR’で表されるアシルオキシ基
−NR’R”で表されるアミノ基
−NHCOR’で表されるアシルアミノ基
ニトロ基
(なお、上記例示基において、R’,R”は各々独立に水素原子、或いは置換基を有していても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を表す。R’,R”のアルキル基の好ましい炭素数は1〜8であり、アルケニル基の好ましい炭素数は2〜8である。)
R1〜R8の好ましい例としては、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ニトロ基、置換していても良いアミノ基(−NR’R”で表されるアミノ基)、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。更に好ましい例としては、R1〜R8のすべてが水素原子であるか、又はR1,R4,R5,R8が水素原子であって、R2,R3,R6,R7の少なくともいずれか一つがアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ニトロ基、置換していても良いアミノ基、シアノ基、ハロゲン原子等である場合が挙げられる。最も好ましい例としては、R1〜R8のすべてが水素原子であるか、又はR1,R4,R5,R8が水素原子であって、R2,R3,R6,R7の少なくともいずれか一つがアルキル基、ハロゲン原子である場合が挙げられる。
一般式(I)において、R9としては、次のような基が挙げられるが、何ら以下のものに限定されるものではない。
水素原子
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘプチル基等の、炭素数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基
ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアルケニル基
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基等の炭素数2〜12の直鎖又は分岐のアシル基
−OCOR’で表されるアシルオキシ基(R’は水素原子、或いは置換基を有していても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を表す。アルキル基の好ましい炭素数は1〜8であり、アルケニル基の好ましい炭素数は2〜8である。)
R9としては、好ましくは、水素原子、アルキル基、アシル基が挙げられ、最も好ましくは水素原子である。
これらのR1〜R9で表される置換基は、任意の位置に任意の数の置換基で置換されていても良い。また、R1〜R9のうちの隣接する置換基同士、即ち、R1とR2,R2とR3,R3とR4,R5とR6,R6とR7,R7とR8、R4とR9,R5とR9は、それぞれ互いに結合して環を形成していても良く、形成された環が更に任意の箇所に任意の数の置換基を有していても良い。また、これらの置換基が互いに結合して環を形成していても良い。
R1〜R9のうち隣接する基が結合して形成される環としては、好ましくは環を構成する原子数が4以上8以下の環(即ち、4〜8員環)、より好ましくは5〜6員環が挙げられる。
なお、R1〜R9、或いは、これらのうち隣接する基同士が結合して形成される環が有し得る置換基としては特に制限はないが、例えば次のようなものが挙げられる。
炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基
炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルコキシ基
炭素数2〜8の直鎖又は分岐のアルケニル基
炭素数2〜8の直鎖又は分岐のアルコキシアルキル基
ハロゲン原子
(B)成分の増感剤の具体例としては、必ずしも限定されるものではないが、例えば下記の化合物を挙げることができる。
前記一般式(I)で表される増感剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、本発明の性能を損なわない限りにおいて、他の増感色素を併用しても良い。例えば、溶解性を向上させる等の効果を目的として、数種類を混合して使用しても構わない。
この場合、併用し得る他の色素としては、公知のものが使用することができるが、好ましい例としてはジアルキルアミノフェニル系化合物、メロシアニン系化合物、スルホイミノ系化合物、カルボスチリル系化合物、トリフェニルアミン系化合物、スチルベン系化合物、シアノスチリル系化合物、イミダゾール/チアゾール/オキサゾール系化合物、トリアゾール系化合物、オキサジアゾール/チアジアゾール系化合物、クマリン系化合物、イミド系化合物、ピラゾリン系化合物、チアゾリデンケトン系化合物、アクリドン系化合物などが挙げられる。その具体例としては、“新染色加工講座第1巻 染料・顔料”(浅原照三、南條正男、共立出版)に蛍光増白剤として記載される化合物や、特公平6−29285、特開平14−268239、特開平14−169282、特開平12−10277の各公報に記載の化合物などが用いられる。
(C)光重合開始剤
(C)成分の光重合開始剤は、(B)成分の増感剤等との共存下で光照射されたときに、増感剤の光励起エネルギーを受け取って活性ラジカルを発生し、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物を重合に到らしめるラジカル発生剤であって、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体、オニウム塩、スルホン化合物、及び有機ホウ素酸塩から選ばれる少なくとも1種の光重合開始成分である。これらの中でも、感光性組成物としての感度、基板に対する密着性、及び保存安定性等の面から、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、及び有機ホウ素酸塩が好ましく、黄色灯下におけるセーフライト性の面からヘキサアリールビイミダゾール系化合物が特に好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられる。中で、ヘキサフェニルビイミダゾール化合物が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’−位に結合したベンゼン環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが更に好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’−位に結合したベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子或いはアルコキシカルボニル基で置換されたものが特に好ましい。なお、これらのヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan;33,565(1960)、J.Org.Chem.;36,2262(1971)等に開示されている方法により合成されるビイミダゾール系化合物と併用して用いられても良い。
なお、感光性組成物における光重合開始剤として従来知られているヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、融点が190℃以上、例えば196〜202℃程度であり、且つ、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)9.925゜に最大回折ピークを有するものであるが、本発明におけるヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、塗布溶剤に対する溶解性、及び感光性組成物中での分散安定性等の面から、融点が180℃以下、更には175℃以下であり、且つ、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)21.16゜に最大ピークを有するものであるのが最適であり、その最適なヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’、5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられ、中で、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが特に好ましい。
ハロゲン化炭化水素誘導体としてはハロゲン置換アルカン及びハロメチル化s−トリアジン誘導体、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
そのハロゲン化炭化水素誘導体の中でハロゲン置換アルカンとしては、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン等が挙げられる。
また、そのハロゲン化炭化水素誘導体の中でハロメチル化s−トリアジン誘導体としては、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが好ましく、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が特に好ましい。
また、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体としては、例えば、2−(p−メトキシフェニル)―5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−メトキシスチリル)―5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(o−ベンゾフリル)―5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(β−(o−ベンゾフリル)ビニル)―5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブ
ロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフ ルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニ
ルヨードニウムカンファースルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(t−ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物、下記一般式(C−1)及び(C−2)で表されるものなどが挙げられる。
上記一般式(C−1)及び(C−2)において、R11,R14及びR15で表される置換基としては、次のようなものが例示される。水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘプチル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;2−チエニル基、2−ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の複素環基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアシル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルコキシ基;プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の炭素数3〜18の直鎖又は分岐のアルケニルオキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキルチオ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ホルミル基;スルホン酸基;カルボキシル基;−OCOR21で表されるアシルオキシ基;−NR21R22で表されるアミノ基;−NHCOR21で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR21で表されるカーバメート基;−NHSOOR21で表されるスルホンアミド基;−COOR21で表されるカルボン酸エステル基;−CONR21R22で表されるカルバモイル基;−SOONR21R22で表されるスルファモイル基;−SO2OR21で表されるスルホン酸エステル基等が挙げられる(R21,R22は各々独立にアルキル基、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。)。
また、R14とR15は互いに結合して環を形成していても良く、その環は置換されていても良く、更に他の環と縮合していても良い。他の環としては、飽和又は不飽和の炭化水素環又は複素環等が挙げられる。
前記一般式(C−1)において、R12は任意の置換基であり、水素原子、置換されていても良い直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換されていても良い直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換されていても良いアリール基、置換されていても良いアラルキル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシロキシ基等が挙げられ、好ましくはシアノ基、アルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、アシル基であり、特に好ましくはシアノ基、アルキルオキシカルボニル基である。これらの基は更に置換基を有していても良い。
前記一般式(C−1)及び(C−2)におけるR13及びR16は任意の置換基であり、それぞれ置換されていても良い直鎖、分岐又は環状のアルキル基、置換されていても良い直鎖、分岐又は環状のアルケニル基、置換されていても良いアリール基、置換されていても良いアラルキル基、又は置換されていても良いカンファー基を表す。また、これらの置換基内の水素原子はフッ素原子で置き換えられていても良い。また、R13及びR16で示される基に含まれるアルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基は、更に置換されていても良い。
R12,R13,R16、及びR14とR15で形成される環が置換基を有する場合、置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;アリルオキシ基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基(これらは置換基で更に置換されていても良い);フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数2〜12のアルケニルオキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアシル基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基;テトラヒドロフリル基;アミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜10のアルキルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。また、これらの置換基内の水素原子はフッ素原子で置き換えられていても良い。
一般式(C−2)で表されるスルホン化合物のうち、特に、R14とR15が環を形成している場合の具体的な例としては下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機ホウ素酸塩としては、例えば、有機ホウ素アンモニウム錯体、有機ホウ素ホスホニウム錯体、有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、有機ホウ素ヨードニウム錯体、有機ホウ素遷移金属配位錯体等が挙げられ、その有機ホウ素アニオンとしては、例えば、n−ブチル−トリフェニルホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(3−フルオロ−4−メチルフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリルフェニル)ホウ素アニオン等のアルキル−トリフェニルホウ素アニオンが好ましく、また対カチオンとしてはアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物が好ましく、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが特に好ましい。
これらの(C)光重合開始剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(D)高分子結合材
本発明に係る感光層には、前記(A)、(B)、及び(C)成分以外に、基板上への感光性レジスト材層としての形成性、及び現像性等の向上を目的として、更に、(D)高分子結合材成分を含有することが好ましい。その高分子結合材としては、アルカリ現像性等の面から、カルボキシル基含有樹脂が好ましく、本発明においては、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位を有する共重合体が特に好ましい。また、その共重合体として、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位が、各々、3〜30モル%、10〜80モル%、及び10〜50モル%であるものが好ましく、各々、5〜25モル%、30〜75モル%、及び15〜45モル%の割合であるものが特に好ましい。
ここで、前記共重合体におけるスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換アルキルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等の核置換アルキルスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン等の核置換ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレン等が挙げられ、また、アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸の、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルエステル、及び、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル等の置換アルキルエステル等が挙げられる。
なお、本発明における前記共重合体としては、前記スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位の外に、更に、例えば、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸や、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸誘導体、及び、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル化合物等の共重合可能な他単量体に由来する構成繰返し単位を含有していても良く、この場合、これらの他の単量体に由来する構成繰返し単位の含有量は、共重合体全体の10モル%以下であることが好ましい。
また、例えば本発明の感光性画像形成材をフォトレジストフィルムとして用いる場合は、支持体フィルムやカバーフィルムとの接着性を確保する必要があり、ブチル(メタ)アクリレートや2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数3〜12のアルキル基を有する化合物を共重合体中、仕込み比で5〜20モル%程度用いるのが好ましい。
なお、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は低すぎれば現像不良となり、高すぎた場合は現像時のレジストのダメージが大きくなるため、50〜300mg−KOH/gが好ましく、100〜250mg−KOH/gが特に好ましい。また、分子量が小さすぎると得られる感光層の膜強度が弱くなり、現像性が不安定であったり、フィルムとして使用する際はチッピング性が悪化したりするといった問題が見られ、逆に大きすぎた場合は現像不良となったり、感光液の粘度が大きくなりすぎ、取り扱い上不具合が生じたりといった問題が発生する。このため、カルボキシル基含有樹脂のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「GPC測定による重量平均分子量Mw」と略す。)は、10,000〜200,000であることが好ましく、20,000〜100,000であることが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有樹脂としては、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものも好適であり、例えば、カルボキシル基含有重合体に、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させて得られた反応生成物、及び、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物、又は、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は更に不飽和カルボン酸エステルとを、前者の不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた反応生成物等が挙げられる。
更に、カルボキシル基含有樹脂としては、エポキシ樹脂のα,β−不飽和モノカルボン酸付加体に、多価カルボン酸若しくはその無水物が付加された、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂も挙げられる。この不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂は、具体的には、エポキシ樹脂のエポキシ基にα,β−不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されて形成されたエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されていると共に、その際生じた水酸基に多価カルボン酸若しくはその無水物のカルボキシル基が反応して形成されたエステル結合を介して残存するカルボキシル基が付加されたものである。
ここで、そのエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA
エポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂等が挙げられ、中で、フェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂が特に好ましい。また、そのα,β−不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、中で、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。また、その多価カルボン酸若しくはその無水物としては、例えば、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、及びそれらの無水物等が挙げられ、中で、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、又はヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、テトラヒドロフタル酸無水物が特に好ましい。
以上の不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂中で、本発明においては、感度、解像性、及び基板に対する密着性等の面から、エポキシ樹脂がフェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂であり、α,β−不飽和モノカルボン酸が(メタ)アクリル酸であり、多価カルボン酸若しくはその無水物がテトラヒドロフタル酸無水物であるものが特に好ましい。また、酸価が20〜200mg−KOH/gであるものが好ましく、30〜180mg−KOH/gであるのが更に好ましい。また、GPC測定による重量平均分子量Mwが2,000〜200,000であるものが好ましく、3,000〜150,000であるものが更に好ましい。
本発明に好適な不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂の構成繰返し単位の具体例を以下に示すが、何ら以下のものに限定されるものではない。
これらの(D)高分子結合材は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(E)重合加速剤
本発明に係る感光層は、光重合開始能力の向上等を目的として、更に、重合加速剤(E)成分を含有しても良い。その重合加速剤としては、脂肪族モノアミノモノカルボン酸である脂肪族アミノ酸のエステル化合物、及び双極イオン化合物が挙げられ、その中で、下記一般式(E−1)又は(E−2)で表されるものが好ましい。
(式(E−1)及び(E−2)中、R
51は水素原子、又は置換基を有していても良いアルキル基を表し、R
52は水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリル基、置換基を有していても良いビニル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R
53及びR
54は各々独立して、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、カルボキシル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R
55は置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いアリール基を表し、sは0〜10の整数を表す。)
ここで、一般式(E−1)及び(E−2)中のR51は、水素原子又はメチル基であるのが、R52は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いフェニル基であるのが、R53及びR54は、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、又はカルボキシル基であるのが、R55は、置換基を有していても良いアルキル基、又は置換基を有していても良いフェニル基であるのが、sは0〜5の整数であるのがそれぞれ好ましい。
そのR52の置換基を有していても良いアルキル基及び置換基を有していても良いフェニル基としては、例えばメチル基、アセトキシメチル基、エトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、エチル基、アセトキシエチル基、エトキシカルボニルエチル基、クロロエチル基、メチルスルホニルエチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ビニルプロピル基、2−ヒドロキシ−3−ビニルエチルプロピル基、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシエトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリロイルオキシプロポキシエトキシ)プロピル基、2−ヒドロキシ−3−p−メトキシフェノキシプロピル基、フェニル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。また、R53及びR54の置換基を有していても良いアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。また、R55の置換基を有していても良いアルキル基及び置換基を有していても良いフェニル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ラウリル基、フェニル基、p−エチルフェニル基、o,p−ジメチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、o,p−ジメトキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、o−カルボキシフェニル基、p−アセチルフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、p−フルオロフェニル基、p−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、o−カルボキシ−p−ブロモフェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、3,5−ジアミノフェニル基、p−シアノフェニル基、p−ベンゾイルフェニル基、p−(p−アミノベンジル)スルホニルフェニル基等が挙げられる。
これらの中で、脂肪族アミノ酸のエステル化合物、及び双極イオン化合物としては、N−フェニルグリシンのエステル、及び双極イオン化合物が特に好ましい。
また、重合加速剤としては、アミン化合物も挙げられ、そのアミン化合物としては、脂肪族、脂環式、又は芳香族アミンのいずれでも良く、また、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等のポリアミンであっても良く、また、第1アミン、第2アミン、第3アミンのいずれであっても良いが、pKbが7以下であるものが好ましい。そのアミン化合物としては、例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン等の水酸基又はフェニル基で置換されていても良い脂肪族アミンが挙げられる。中で、本発明においては、トリベンジルアミンが特に好ましい。
更に、重合加速剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、エチレングリコールジチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプト基含有化合物類、ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等の多官能チオール化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、エステル等の誘導体、フェニルアラニン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、エステル等の誘導体の芳香族環を有するアミノ酸又はその誘導体などが挙げられる。中で、本発明においては、メルカプト基含有化合物類、及び、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、エステルなどの誘導体が特に好ましい。
(F)界面活性剤
本発明においては、感光層形成用感光性組成物の塗布液としての塗布性、及び現像性等の向上を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤(F)成分を含有していても良く、例えば、そのノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が、また、そのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類等が、また、そのカチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、また、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が、それぞれ挙げられる。
本発明において、(A)成分のエチレン性不飽和化合物、(B)成分の増感剤、及び活性化合物としての(C)成分の光重合開始剤の各含有割合は、(A)エチレン性不飽和化合物100重量部に対して、(B)増感剤は、通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部で、(C)光重合開始剤は通常1〜60重量部、好ましくは5〜40重量部である。また、前記(D)成分の高分子結合材、(E)成分の重合加速剤、(F)成分の界面活性剤の含有割合は、感光層形成用感光性組成物の全量に対して、それぞれ、(D)成分が5〜80重量%、特に10〜70重量%、(E)成分が30重量%以下、特に20重量%以下、(F)成分が10重量%以下、特に5重量%以下であることが好ましい。
また、本発明においては、感光層形成用の感光性組成物に、更に、各種添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤を、感光性組成物の全量に対して2重量%以下、有機又は無機の染顔料からなる着色剤を同じく20重量%以下、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤を同じく40重量%以下、三級アミンやチオール等の感度特性改善剤を同じく10重量%以下、色素前駆体を同じく30重量%以下、の割合で含有していても良い。
本発明に係る感光層は、390〜430nmの波長域に分光感度の極大ピークを有することが好ましく、400〜420nmの波長域に分光感度の極大ピークを有するのが更に好ましい。分光感度の極大ピークを前記範囲未満の波長域に有する場合には、感光層として波長390〜430nmのレーザー光に対する感度が劣り、一方、前記範囲超過の波長域に有する場合には、黄色灯下でのセーフライト性が劣ることとなる。
なお、本発明において、分光感度の極大ピークとは、例えば、「フォトポリマー・テクノロジー」(山岡亜夫著、昭和63年日刊工業新聞社発行、第262頁)等に詳述されているように、基板表面に感光層を形成した感光性画像形成材試料を、分光感度測定装置を用い、キセノンランプ又はタングステンランプ等の光源から分光した光を、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して照射して露光した後、現像処理することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを指す。
また、本発明に係る感光層は、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量[S410]が10mJ/cm2以下であるのが好ましく、7mJ/cm2以下であるのが更に好ましく、5mJ/cm2以下であるのが特に好ましい。この最小露光量[S410]が10mJ/cm2を超えると、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。なお、最小露光量[S410]の下限は小さいほど好ましいが、通常1mJ/cm2以上である。
また、本発明に係る感光層は、前記[S410]の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量[S450](mJ/cm2)に対する比[S410]/[S450]が0.1以下であることが好ましく、0.05以下であるのが更に好ましい。この比[S410]/[S450]が0.1より大きいと、青紫光レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難となる。
また、本発明に係る感光層は、波長450nmを超え650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量[S450−650](mJ/cm2)の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量[S450](mJ/cm2)に対する比[S450−650]/[S450]が1より大きいことが好ましい。この比[S450−650]/[S450]が1以下では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難な傾向となる。
なお、前記波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量[S410]、波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量[S450]、及び、波長450nmを超え650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量[S410−450]は、前述した分光感度測定装置を用いての分光感度の極大ピークの測定において、得られる画像高さから算出される画像形成可能な露光エネルギーとして求められ、その際の、現像液の種類、現像温度、現像時間等の現像条件を変化させて決定される最適現像条件で画像を形成し得る最小露光量を意味し、その最適現像条件としては、通常、pH11〜14のアルカリ現像液に温度25℃で0.5〜3分浸漬する条件が採られる。
本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材料は、例えば、次のようにして製造される。即ち、前述の各成分、即ち、(A)〜(C)成分と、更に必要に応じて配合される(D)〜(F)成分及びその他の成分を、通常、適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、仮支持フィルム上に塗布し乾燥させることにより感光層を形成し、必要に応じて形成された感光層表面を被覆フィルムで覆うことにより、所謂ドライフィルムレジスト材等としての本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材料とされ、その画像形成材料の感光層側を、被覆フィルムを剥離して、被加工基板上に積層することにより、又は、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、被加工基板上に直接に塗布し乾燥させることにより、被加工基板上に感光層が形成された本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材とされる。
このような本発明の画像形成材は、その感光層を、波長390〜430nmのレーザー光により、0.1〜50mJ/cm2のエネルギー量で走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させる画像形成方法としての使用形態に好適に用いられる。
本発明の画像形成材が、ドライフィルムレジスト材等としての本発明の画像形成材料から得られる場合における仮支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。その際、それらのフィルムが画像形成材料の作成時に必要な耐溶剤性や耐熱性などを有しているものであるときは、それらの仮支持フィルム上に直接に感光性組成物塗布液を塗布し乾燥させて画像形成材料を作成することができ、また、それらのフィルムが耐溶剤性や耐熱性の低いものであっても、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムや離型性を有するフィルム上に先ず感光層を形成した後、その層上に耐溶剤性や耐熱性などの低い仮支持フィルムを積層し、しかる後、離型性を有するフィルムを剥離することにより、画像形成材料を作成することもできる。
また、塗布液に用いられる溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物(即ち、前述の各成分)の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
また、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、スクリーン塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。
このようにして形成される本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材の感光層の厚さは、乾燥膜厚で5μm以上、好ましくは10μm以上で、上限は通常100μm、好ましくは70μmである。即ち、本発明によれば、乾燥膜厚で5μm以上、例えば10〜70μmの感光層であっても高い感度を達成することができる。なお、その際の乾燥温度としては、例えば、30〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜60分間程度、好ましくは10秒〜30分間程度が採られる。
本発明に係る感光層は、レーザー光により走査露光した後、現像処理することによりレジスト画像が形成される。
ここで、レーザー露光光源としては、例えば、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等が挙げられるが、特に、波長域390〜430nmの青紫色領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、特に限定されるものではないが、具体的には、中心波長405nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー等が挙げられる。
また、そのエネルギー量は0.1〜50mJ/cm2、特に0.1〜30mJ/cm2であることが好ましい。このエネルギー量が0.1mJ/cm2未満では露光量の制御が困難であり、30mJ/cm2を超えるとスループットが低下する。
また、その走査露光方法も、特に限定されるものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザーの版面での出力光強度を、好ましくは1〜100mW、更に好ましくは3〜70mW、発振波長を、好ましくは390〜430nm、更に好ましくは400〜420nm、ビームスポット径を、好ましくは0.5〜30μm、更に好ましくは1〜20μm、走査速度を、好ましくは50〜500m/秒、更に好ましくは100〜400m/秒として、走査露光する。
また、前記レーザー走査露光後の現像処理は、好ましくはアルカリ成分と界面活性剤とを含有する水性現像液を用いて行われる。
そのアルカリ成分としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が0.1〜5重量%程度の濃度で用いられる。
また、界面活性剤としては、感光層の構成成分(F)成分として前述したものと同様の界面活性剤が挙げられ、中で、ノニオン性、アニオン性、又は両性界面活性剤が好ましく、特に両性界面活性剤、中でも、ベタイン型化合物類が好ましい。なお、前記界面活性剤は、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.0005〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で用いられる。
更に、現像液には、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤を必要に応じて含有させることができる。また、現像液のpHは、9〜14とするのが好ましく、11〜14とするのが更に好ましい。
なお、現像処理は、通常、前記現像液に画像形成材を浸漬するか、画像形成材に前記
現像液をスプレーする等の公知の現像法により、好ましくは10〜50℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間で行われる。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例で用いたエチレン性不飽和化合物、増感剤、光重合開始剤、高分子結合材は次の通りである。
<光重合開始剤>
(c−1):2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(融点172℃、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)21.16°に最大回折ピークを有するもの)
(c−2):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア784
(c−3):4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
<高分子結合材>
スチレン/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比10/50/20/20、酸価129mg−KOH/g、GPC測定による重量平均分子量Mw68,000)
実施例1
表2に示す各成分を、メチルエチルケトン/イソプロパノール(重量比8/2)の混合溶剤100重量部に加えて、室温で攪拌して調液した塗布液を、仮支持フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み19μm)上に、アプリケーターを用いて乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、90℃のオーブンで乾燥させ、形成された感光層上に被覆フィルムとしてのポリエチレンフィルム(厚み20μm)を積層し、感光性画像形成材料とした。
別に、厚み35μmの銅箔を貼り合わせたポリイミド樹脂の銅張積層基板(厚み1.5mm、大きさ250mm×200mm)の銅箔表面を住友スリーエム社製「スコッチブライトSF」を用いてバフロール研磨し、水洗し、空気流で乾燥させて整面し、次いでこれをオーブンで60℃に余熱した後、その銅張積層基板の銅箔上に、前記で得られた感光性画像形成材料を、そのポリエチレンフィルムを剥離しながらその剥離面で、ハンド式ロールラミネーターを用いて、ロール温度100℃、ロール圧0.3MPa、ラミネート速度1.5m/分でラミネートすることにより、銅張積層基板上に感光層を作成して画像形成材を得た。
得られた画像形成材について、以下に示す方法で露光感度を測定した。
<露光感度>
得られた感光層を、中心波長405nm、レーザー出力5mWのレーザー光源(日亜化学工業社製「NLHV500C」)を用いて、像面照度2mW、ビームスポット径20μmで、ビーム走査間隔及び走査速度を変えながら操作露光し、次いで、30℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として0.15MPaとなるように吹き付け、最小現像時間の2倍の時間でスプレー現像することによりネガ画像を現出させた。得られた画像について20μmの線幅が再現するのに要する露光量を求め露光感度とした。
更に、以下に示す方法で分光感度の極大ピークにおける感度を測定した。
<分光感度の極大ピーク>
画像形成材を50×60mmの大きさに切り出したサンプルを、回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23」)を用い、キセノンランプ(ウシオ電機社製「UI−501C」)を光源として350〜650nmの波長域で分光した光を横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して10秒間照射して露光し、次いで25℃の0.7重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として0.15MPaとなるように吹き付け、最小現像時間の1.5倍の時間でスプレー現像することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを読みとった。
また以下に示す方法で波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量[S410](mJ/cm2)を測定した。また、波長410nmにおける画像形成可能な該最小露光量[S410]の波長450nmにおける画像形成可能な該最小露光量[S450](mJ/cm2)に対する比[S410]/[S450]と、波長450nmを超え650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量[S450−650](mJ/cm2)の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量[S450](mJ/cm2)に対する比[S450−650]/[S450]を測定し、以下の基準で評価した。
<[S410]、[S410]/[S450]、[S450−650]/[S450]>
前記と同様にして350〜650nmの波長域で波長を変化させて露光し、現像したときの波長410nmにおける画像形成可能な該最小露光量[S410](mJ/cm2)と波長450nmにおける画像形成可能な該最小露光量[S450](mJ/cm2)をそれぞれ求め、その比[S410]/[S450]を算出し、以下の基準で評価した。
[S410]/[S450]の評価基準
A:[S410]/[S450]が0.03以下。
B:[S410]/[S450]が0.03超過0.05以下。
C:[S410]/[S450]が0.05超過0.1以下。
D:[S410]/[S450]が0.1超過。
また、波長450nmを超え650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量[S450−650](mJ/cm2)を求め、波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量[S450](mJ/cm2)に対する比[S450−650]/[S450]を算出し、以下の基準で評価した。
[S450−650]/[S450]の評価基準
A:[S450−650]/[S450]が10超過。
B:[S450−650]/[S450]が5超過10以下。
C:[S450−650]/[S450]が1超過5以下。
D:[S450−650]/[S450]が1以下。
別に得られた画像形成材につき以下に示す方法で黄色灯下でのセーフライト性を評価した。
<黄色灯下でのセーフライト性>
画像形成材を黄色灯照明(約470nm以下の波長の光を遮断した条件)下に、1分間、2分間、5分間、10分間、20分間、30分間放置した後、前記と同様にして、走査露光及び現像処理を行い、前記に比して画像に変化が生じるまでの放置時間を求め、以下の基準で評価した。
セーフライト性の評価基準
A:20分以上。
B:10分以上20分未満。
C:1分以上10分未満。
D:1分未満。
更に、得られた画像の形状について、その矩形性を以下の基準で評価した。
<矩形性>
得られた線幅20μmの画像の矩形性を、走査型電子顕微鏡観察から以下のように規定した。
○:矩形性非常に良好(使用可能)
△:矩形性良好 (使用可能)
×:矩形性不良 (使用不可能)
−:判定不能
これらの結果を表3に示した。
実施例2,3
実施例1において増感剤の種類及び配合量を表3のように変更したこと以外同様にして感光性画像形成材を作成し、同様に各種測定及び評価を行って、結果を表3に示した。
比較例1
増感剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして感光性画像形成材を作成し、得られた画像形成材の感光層について、前記と同様の方法で露光感度を測定したが、画像は得られなかった。
比較例2
増感剤として、表3に示すものを表3に示す配合量で用いた以外は、実施例1と同様にして感光性画像形成材を作成し、得られた画像形成材の感光層について、前記と同様の方法で露光感度を測定したが、画像は得られなかった。
比較例3
光重合開始剤として、(c−2)チタノセン化合物を用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性画像形成材を作成し、得られた画像形成材の感光層について、前記と同様の方法で各種測定及び評価を行ったところ、表3に示すように露光感度は11.8mJ/cm2、分光感度の極大ピークは500nm、[S410]は2mJ/cm2で、[S410/S450]は「D」、セーフライト性も「D」と劣るものであった。
比較例4
光重合開始剤として、(c−3)4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを用いたこと以外は実施例1と同様にして感光性画像形成材を作成し、得られた画像形成材の感光層について、前記と同様の方法で露光感度を測定したが、画像は得られなかった。
表3より、前記一般式(I)で表される特定の増感剤と、特定の光重合開始剤とを併用した本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材によれば、セーフライト性が良好であり、膜厚の厚い感光層を形成した場合であっても高感度の青紫色レーザー感光性画像形成材を得ることができることが分かる。