JP2004184871A - 青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】青紫色領域のレーザー光に対して高感度であって、特に、ドライフィルムレジスト材として、及び直接描画に用いるに好適な青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法を提供する。
【構成】(A)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むエチレン性不飽和化合物、(B)テトラヒドロキノリン環を有し、青紫色領域に分光感度の極大ピークを有する化合物を含む増感色素、及び(C)光重合開始剤、を含有してなる青紫色レーザー感光性組成物、並びに、仮支持フィルム上に該青紫色レーザー感光性組成物の層が形成されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材料、及び、被加工基板上に該青紫色レーザー感光性画像形成材料がその青紫色レーザー感光性組成物層側で積層されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材、及び、該青紫色レーザー感光性画像形成材の青紫色レーザー感光性組成物層を、波長390〜430nmのレーザー光により走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させる画像形成方法。
【構成】(A)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むエチレン性不飽和化合物、(B)テトラヒドロキノリン環を有し、青紫色領域に分光感度の極大ピークを有する化合物を含む増感色素、及び(C)光重合開始剤、を含有してなる青紫色レーザー感光性組成物、並びに、仮支持フィルム上に該青紫色レーザー感光性組成物の層が形成されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材料、及び、被加工基板上に該青紫色レーザー感光性画像形成材料がその青紫色レーザー感光性組成物層側で積層されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材、及び、該青紫色レーザー感光性画像形成材の青紫色レーザー感光性組成物層を、波長390〜430nmのレーザー光により走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させる画像形成方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ、カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス等における導体回路や電極加工基板等の形成のためのエッチングレジスト、メッキレジスト、ソルダーレジスト、プラズマディスプレイ用レジスト、カラーフィルター用レジスト、印刷校正用カラープルーフ、レーザーグラビア用レジスト等、或いは、フレキソ印刷版、平版印刷版の製版等に使用される感光性組成物であって、特に、青紫色レーザー光による直接描画に用いるに好適な青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ、カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス等における導体回路や電極加工基板等の形成には、例えば、感光性組成物からなる層を仮支持フィルム上に形成し、その感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆ったドライフィルムレジスト材を、その被覆フィルムを剥離して被加工基板上に積層し、その被加工基板上の感光性組成物層を、回路や電極パターンが描かれたマスクフィルムを通して画像露光した後、仮支持フィルムを剥離し、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像処理することによって回路パターンに対応したレジスト画像を形成し、次いで、このレジスト画像をレジストとして被加工基板をエッチング加工或いはメッキ加工等した後、レジスト画像を除去することにより、マスクフィルムに描かれた回路や電極パターンを基板上に形成するリソグラフィー法が広く用いられている。しかし、このドライフィルムレジスト材は被加工基板上への感光性組成物層の形成が容易である反面、仮支持フィルムを介して画像露光されること、及び感光性組成物層の膜厚が10μm以上と厚いこと等から高解像度が得られ難いという欠点を有していた。
【0003】
一方、近年、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから注目されるに到り、それに伴い、リソグラフィー法においてもレーザー光の利用が盛んに研究されている。
【0004】
ところで、レーザー光は、紫外から赤外領域までの種々の光源が知られているが、画像露光に利用できるレーザー光としては、出力、安定性、感光能力、及びコスト等の点から、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものが主力となっており、例えば、波長488nmのアルゴンイオンレーザー、波長532nmのFD−YAGレーザーを用いたリソグラフィー法は既に実用化に到っている。
【0005】
しかしながら、従来の感光性組成物は、レーザー光による直接描画法においては、未だ感度が必ずしも充分とは言えず、又、近年のレーザー技術の著しい進歩により、青紫色領域で安定的に発振できる半導体レーザーも利用できるようになったものの、青紫色領域においてはその出力が他の可視領域等に比して低いこともあって、感光性組成物の感度は、直接描画法においてはもとよりリソグラフィー法においても実用化できるレベルには達していないのが現状である。
【0006】
一方、エチレン性不飽和化合物、増感色素や光重合開始剤等の光重合開始系、及び高分子結合材等からなる光重合性の感光性組成物において、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が、特に紫外領域において好適な光重合開始剤として古くから知られ、更に、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物と、ケトクマリン系化合物(例えば、特許文献1参照。)、ジアルキルアミノベンゼン系化合物(例えば、特許文献2参照。)等の増感色素との組合せにより感度等の向上を企図した提案がなされ、更に、組成物の感度や解像性等の改良を目的とし、エチレン性不飽和化合物として、複数のウレタン結合と複数の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有させた感光性組成物が数多く提案されている(例えば、特許文献3〜8参照。)。しかしながら、本発明者の検討によると、それら提案における感光性組成物といえども、青紫色レーザー感光性組成物としての感度は、依然として改良の余地を残すものであった。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−88244号公報。
【特許文献2】
特公平6−29285号公報。
【特許文献3】
特開2000−98603号公報。
【特許文献4】
特開2000−231189号公報。
【特許文献5】
特開2001−22060号公報。
【特許文献6】
特開2001−22062号公報。
【特許文献7】
特開2001−42522号公報。
【特許文献8】
特開2001−290267号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、青紫色領域のレーザー光に対して高感度であって、特に、ドライフィルムレジスト材として、及び直接描画に用いるに好適な青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなる青紫色レーザー感光性組成物、並びに、仮支持フィルム上に該青紫色レーザー感光性組成物の層が形成されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材料、及び、被加工基板上に該青紫色レーザー感光性画像形成材料がその青紫色レーザー感光性組成物層側で積層されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材、及び、該青紫色レーザー感光性画像形成材の青紫色レーザー感光性組成物層を、波長390〜430nmのレーザー光により走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させる画像形成方法、を要旨とする。
【0010】
(A)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むエチレン性不飽和化合物
(B)下記のテトラヒドロキノリン環を有し、青紫色領域に分光感度の極大ピークを有する化合物を含む増感色素
【0011】
【化6】
【0012】
(C)光重合開始剤
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物を構成する(A)成分のエチレン性不飽和化合物は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(C)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
【0014】
本発明におけるエチレン性不飽和化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むことが必須であり、下記の一般式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むのが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含まない場合は、感光性組成物としての感度が低く、得られる画像の解像性等が劣ることとなる。尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとし、以降も同様とする。
【0015】
【化7】
【0016】
〔式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)中、Uは(メタ)アクリロイルオキシ基を1個以上有する(メタ)アクリレート化合物残基、Vはポリイソシアネート化合物残基、Wはポリオール化合物残基、Yは炭素数1〜6のアルキレン基、Zは以下のいずれか
【0017】
【化8】
【0018】
を示し、mは0〜20の整数である。〕
【0019】
前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ポリオール化合物にポリイソシアネート化合物を反応させた後、(メタ)アクリレート化合物を反応させることにより得られたものであり、式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)におけるUは、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個以上有する(メタ)アクリレート化合物残基、Vはポリイソシアネート化合物残基、Wはポリオール化合物残基である。
【0020】
ここで、そのポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族ポリオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ポリオール等のポリオール化合物が挙げられ、又、ポリオール化合物はカルボキシル基を含有していてもよく、そのカルボキシル基含有ポリオール化合物としては、例えば、ジヒドロキシメチル酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、酒石酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。更に、ポリオール化合物としては、例えば、琥珀酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ポリカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の脂環式ポリカルボン酸、フタル酸等の芳香族ポリカルボン酸等のポリカルボン酸化合物と、前記ポリオール化合物とを反応させて得られたポリエステルポリオール化合物等も挙げられる。これらの中で、本発明におけるポリオール化合物としては、分子量が500以下であるものが好ましく、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等が特に好ましい。
【0021】
又、そのポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,2−ジメチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ジメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリデカメチレンジイソシアネート、ペンタデカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエンジイソシアネート、2−ブチニレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらの中で、本発明におけるポリイソシアネート化合物としては、分子量が500以下であるものが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が特に好ましい。
【0022】
又、その(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2モル以上のエチレンオキサイドを付加したしたヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のプロピレンオキサイドを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のエチレンオキサイドと2モル以上のプロピレンオキサイドを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のε−カプロラクトンを開環付加したヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2モル以上のエチレンオキサイドと2モル以上のε−カプロラクトンを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のプロピレンオキサイドと2モル以上のε−カプロラクトンを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能化合物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイド又は/及びプロピレンオキサイド付加体等の多官能化合物等が挙げられる。これらの中で、本発明における(メタ)アクリレート化合物としては、分子量が200以上であるものが好ましく、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が特に好ましい。
【0023】
本発明における前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物は、前記ポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物を、x:x+1(xは1以上の整数)のモル比(理論値)で、例えば酢酸エチル等の溶媒中、ジブチル錫ラウレート等の公知の触媒の存在下に、該溶媒の沸点以下の温度で反応させ、しかる後、得られた反応生成物と、前記(メタ)アクリレート化合物を、1:2のモル比(理論値)で反応させる等、従来公知の方法により得ることができる。
【0024】
本発明における前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物は、その分子量が400〜10,000であるのが好ましく、800〜5,000であるのが更に好ましく、800〜3,500であるのが特に好ましい。分子量が前記範囲未満では、感光性組成物としての感度が低下し、露光後のレジストの基板に対する接着性、テンティング性、耐メッキ性、耐エッチング性、及び耐薬品性等が劣る傾向となる。一方、前記範囲超過でも感度が低下する傾向となる。露光後の組成物の現像処理における膜減りを生じさせないためには、その酸価は170mg・KOH/g以下であるのが好ましい。
【0025】
以上の前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン( メタ) アクリレート化合物の好適な例を以下に示す。
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
尚、本発明において、(A)成分のエチレン性不飽和化合物としては、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物以外のエチレン性不飽和化合物を更に含有していてもよく、そのエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等であってもよいが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であるのが好ましく、又、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
【0031】
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート化合物、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物との前記以外のウレタン(メタ)アクリレート化合物、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0032】
そのエステル化合物としては、具体的には、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
【0033】
更に、そのエステル化合物として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物やグリシジル基含有化合物付加物との反応物、具体的には、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔トリオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔ペンタオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔ヘキサオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等、又、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、又、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
【0034】
又、その(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート化合物としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
【0035】
又、前記以外のそのウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
【0036】
又、そのエポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
【0037】
又、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、フタル酸ジアリル等のアリルエステル化合物、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が挙げられる。以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0038】
以上の(A)成分としての前記一般式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物以外のエチレン性不飽和化合物として、本発明においては、エステル(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート化合物が好ましく、エステル(メタ)アクリレート化合物が特に好ましく、そのエステル(メタ)アクリレート化合物の中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、或いはビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加物等のポリオキシアルキレン基を有し、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するエステル(メタ)アクリレート化合物が殊更好ましい。
【0039】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物を構成する(B)成分の増感色素は、波長390〜430nmの青紫色領域に分光感度の吸収極大を有し、その領域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを後述する(C)成分の光重合開始剤に伝え、該光重合開始剤を分解し、(A)成分の前記エチレン性不飽和化合物の重合を誘起する活性ラジカルを発生させる増感機能を有する光吸収色素であり、本発明においては、その増感色素として、下記のテトラヒドロキノリン環を有し、波長390〜430nmの青紫色領域に分光感度の吸収極大を有する化合物を含むことが必須である。
【0040】
【化13】
【0041】
本発明におけるその光吸収色素としては、テトラヒドロキノリン環中のベンゼン環上の窒素原子に対してp−位の炭素原子に2価基を介して、p−位にジアルキルアミノ基を置換基として有するベンゼン環が結合した化合物が好ましく、その中でも、下記一般式(IIa) で表されるものが好ましい。
【0042】
【化14】
【0043】
〔式(IIa) 中、R1 、R3 、及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R2 、R5 、及びR6 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 、R3 とR4 、R3 とR5 、R4 とR6 とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0044】
ここで、式(IIa) 中のR1 、R3 、及びR4 のアルキル基の炭素数、並びに、R2 、R5 、及びR6 がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環であるのが更に好ましく、R1 とR2 が、及び、R3 、R4 、R5 、R6 が、下記のジュロリジン環を形成しているのが特に好ましい。
【0045】
【化15】
【0046】
尚、式(IIa) 中のR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、及びR6 のアルキル基における置換基としては、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子等が挙げられ、又、テトラヒドロキノリン環中のベンゼン環及びピペリジン環、並びにベンゼン環は、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよく、又、両ベンゼン環は、カルボニル基に対してo−位の炭素原子同士がアルキレン基、イミノ基、アルキルイミノ基、酸素原子、又は硫黄原子を介して結合して環構造を形成していてもよい。
【0047】
前記一般式(IIa) で表される化合物の好適な具体例を以下に示す。
【0048】
【化16】
【0049】
又、本発明におけるその光吸収色素としては、テトラヒドロキノリン環中のベンゼン環上の窒素原子に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有する化合物も好ましく、その複素環基としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む5又は6員環のものが好ましく、縮合芳香族環を有する5員環のものが特に好ましく、その中でも、下記一般式(IIb) で表されるものが好ましい。
【0050】
【化17】
【0051】
〔式(IIb) 中、R1 は、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R2 は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 とは、含窒素複素環を形成していてもよく、Xは、ジアルキルメチレン基、イミノ基、アルキルイミノ基、酸素原子、又は硫黄原子を示し、環Aは芳香族環を示す。〕
【0052】
ここで、式(IIb) 中のR1 、及びR2 については、式(IIa) におけると同様であり、R1 とR2 が、前記のジュロリジン環を形成しているのが特に好ましい。又、Xがジアルキルメチレン基、又はアルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましい。又、環Aとしてはベンゼン環が好ましい。
【0053】
尚、式(IIb) 中のジュロリジン環中のベンゼン環及びピペリジン環、並びに縮合芳香族環は、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0054】
前記一般式(IIb) で表される化合物の好適な具体例を以下に示す。
【0055】
【化18】
【0056】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物を構成する(C)成分の光重合開始剤は、前記(B)成分の増感色素等との共存下で光照射されたときに、増感色素の光励起エネルギーを受け取って活性ラジカルを発生し、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物を重合に到らしめるラジカル発生剤であって、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、チタノセン系化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体、ジアリールヨードニウム塩、有機硼素酸塩、及び有機過酸化物等が挙げられる。中で、感光性組成物としての感度、基板に対する密着性、及び保存安定性等の面から、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、及びチタノセン系化合物が好ましく、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が特に好ましい。
【0057】
そのヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられる。中で、ヘキサフェニルビイミダゾール化合物が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’−位に結合したベンゼン環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが更に好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’−位に結合したベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子或いはアルコキシカルボニル基で置換されたものが特に好ましい。
【0058】
尚、感光性組成物における光重合開始剤として従来知られているヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、融点が190℃以上、例えば196〜202℃程度であり、且つ、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)9.925°に最大回折ピークを有するものであるが、本発明におけるヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、塗布溶剤に対する溶解性、及び感光性組成物中での分散安定性等の面から、融点が180℃以下、更には175℃以下であり、且つ、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)21.16°に最大回折ピークを有するものであるのが最適であり、その最適なヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール等が挙げられ、中で、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール等をベンゼン、トルエン等の芳香族溶媒で再結晶させて得られたものが、低融点の結晶が得られ易く特に好ましい。
【0059】
又、そのチタノセン系化合物としては、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕等が挙げられる。中で、ジシクロペンタジエニル構造とビフェニル構造を有するチタン化合物が好ましく、ビフェニル環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが特に好ましい。
【0060】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(B)成分の増感色素、及び前記(C)成分の光重合開始剤を含有することを必須とするが、基板上への感光性組成物の層としての形成性、及び現像性の向上等のために、以下の(D)成分の高分子結合材を含有するのが好ましい。
【0061】
その高分子結合材としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独又は共重合体、並びに、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース等が挙げられるが、中で、アルカリ現像性等の面から、カルボキシル基含有樹脂が好適である。
【0062】
そのカルボキシル基含有樹脂として、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好適であり、具体的には、例えば、カルボキシル基含有重合体に、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させて得られた反応生成物、及び、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物、又は、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は更に不飽和カルボン酸エステルとを、前者の不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた反応生成物等が挙げられる。
【0063】
更に、そのカルボキシル基含有樹脂として、エポキシ樹脂のα,β−不飽和モノカルボン酸付加体に、多価カルボン酸若しくはその無水物が付加された、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂が挙げられ、この不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂は、具体的には、エポキシ樹脂のエポキシ基にα,β−不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されて形成されたエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されていると共に、その際生じた水酸基に多価カルボン酸若しくはその無水物のカルボキシル基が反応して形成されたエステル結合を介して残存するカルボキシル基が付加されたものである。
【0064】
ここで、そのエポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂等が挙げられ、中で、フェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂が特に好ましい。又、そのα,β−不飽和モノカルボン酸としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、中で、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。又、その多価カルボン酸若しくはその無水物としては、具体的には、例えば、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、及びそれらの無水物等が挙げられ、中で、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、又はヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、テトラヒドロフタル酸無水物が特に好ましい。
【0065】
以上の不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂中で、本発明においては、光重合性組成物としての感度、解像性、及び基板に対する密着性等の面から、エポキシ樹脂がフェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂であり、α,β−不飽和モノカルボン酸が(メタ)アクリル酸であり、多価カルボン酸若しくはその無水物がテトラヒドロフタル酸無水物であるものが特に好ましい。又、酸価が20〜200mg・KOH/gであるものが好ましく、30〜180mg・KOH/gであるのが更に好ましい。又、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量が2,000〜200,000であるものが好ましく、3,000〜150,000であるのが更に好ましい。
【0066】
本発明における前記不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂は、従来公知の方法により、具体的には、前記エポキシ樹脂をメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤に溶解させ、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、又は、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンミニウム塩類、トリフェニルホスフィン等の燐化合物、又は、トリフェニルスチビン等のスチビン類等の触媒の存在下、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン等の熱重合禁止剤の共存下に、前記α,β−不飽和モノカルボン酸を、エポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.7〜1.3化学当量、好ましくは0.9〜1.1化学当量となる量で加え、通常60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度で付加反応させ、引き続き、多価カルボン酸若しくはその無水物を、前記反応で生じた水酸基の1化学当量に対して通常0.1〜1.2化学当量、好ましくは0.2〜1.1化学当量となる量で加えて、前記条件下で反応を続ける等の方法により製造することができる。
【0067】
以上の高分子結合材の中で、本発明においては、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位を有する共重合体が殊更好ましく、その共重合体としては、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位を、各々、3〜30モル%、10〜70モル%、及び10〜60モル%の割合で含む共重合体であるのが好ましく、各々、5〜25モル%、20〜60モル%、及び15〜55モル%の割合で含む共重合体であるのが特に好ましい。
【0068】
ここで、前記共重合体におけるスチレン系単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換アルキルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等の核置換アルキルスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン等の核置換ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレン等が挙げられ、又、アクリル酸エステル系単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸の、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルエステル、及び、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル等の置換アルキルエステル等が挙げられる。
【0069】
尚、本発明における前記共重合体としては、前記スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位の外に、更に、例えば、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸や、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸誘導体、及び、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル化合物等の共重合可能な他単量体に由来する構成繰返し単位を含有していてもよく、これらの他単量体に由来する構成繰返し単位の含有量は、共重合体全体の10モル%以下であるのが好ましい。又、これら共重合体は、酸価が30〜250mg・KOH/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜300,000であるのが好ましい。
【0070】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(B)成分の増感色素、及び前記(C)成分の光重合開始剤を含有することを必須とするが、光重合開始能力の向上等のために、更に、(E)成分の重合加速剤を含有するのが好ましく、本発明においては、その重合加速剤としては、アミノ酸のエステル化合物、又は双極イオン化合物が殊更好ましく、その中で、下記一般式(IIIa)又は(IIIb)で表されるものが好ましい。
【0071】
【化19】
【0072】
〔式(IIIa)及び(IIIb)中、R7 及びR8 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を示し、R9 及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R11は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R12は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、nは0〜10の整数である。〕
【0073】
ここで、式(IIIa)及び(IIIb)中のR7 、R8 、R9 、R10、R11、及びR12のアルキル基としては、炭素数が1〜8であるのが好ましく、1〜4であるのが更に好ましい。又、R11のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等が、又、R7 、R8 、R11、及びR12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、又、R7 、R8 、及びR12の複素環基としては、例えば、フリル基、フラニル基、ピロリル基、ピリジル基等が、それぞれ挙げられる。
【0074】
又、それらのアルキル基、及びアルケニル基における置換基としては、例えば、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニル基、フェニル基、ハロゲン原子等が、又、それらのアリール基、複素環基における置換基としては、例えば、更にアルコキシ基やフェニル基等の置換基を有していてもよいアルキル基、同じくアルコキシ基、同じくアルケニル基、同じくアルケニルオキシ基、同じくアシル基、同じくアシルオキシ基、同じくアルコキシカルボニル基、同じくフェノキシ基、同じくアルキルチオ基、同じくアルキルスルホニル基、及び、アルデヒド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0075】
本発明において、以上の前記一般式(IIIa)又は(IIIb)で表されるアミノ酸のエステル又は双極イオン化合物の中で、式(IIIa)中のR7 及びR8 の一方が水素原子で他方が置換基を有していてもよいフェニル基であり、R9 及びR10が共に水素原子であり、R11が置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、nが0、1、又は2であるアミノ酸エステル、又は、式(IIIb)中のR7 及びR8 が共に水素原子であるか、或いは一方が置換基を有していてもよいアルキル基であり、R9 及びR10が共に水素原子であり、R12が置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、nが0、1、又は2であるアミノ酸双極イオン化合物であるのが好ましく、前記一般式(IIIa)においてnが0、R7 及びR8 の一方が水素原子で他方がフェニル基、R9 及びR10が共に水素原子であるN−フェニルグリシンのエステル、就中、R11がベンジル基であるN−フェニルグリシンベンジルエステル、又は、前記一般式(IIIb)においてnが0、R7 、R8 、R9 、及びR10のいずれもが水素原子であり、R12がフェニル基であるN−フェニルグリシンの双極イオン化合物が特に好ましい。
【0076】
又、(E)成分の重合加速剤としては、アミン化合物も挙げられ、そのアミン化合物としては、脂肪族、脂環式、又は芳香族アミンのいずれでもよく、又、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等のポリアミンであってもよく、又、第1アミン、第2アミン、第3アミンのいずれであってもよいが、pKbが7以下であるものが好ましい。そのアミン化合物としては、具体的には、例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン等の、水酸基又はフェニル基で置換されていてもよい脂肪族アミンが挙げられる。中で、本発明においては、トリベンジルアミンが特に好ましい。
【0077】
更に、重合加速剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、エチレングリコールジチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプト基含有化合物類、ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等の多官能チオール化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩等の誘導体、フェニルアラニン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、エステル等の誘導体等の芳香族環を有するアミノ酸又はその誘導体類等が挙げられる。中で、本発明においては、メルカプト基含有化合物類、及び、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩等の誘導体が特に好ましい。
【0078】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物において、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(B)成分の増感色素、及び前記(C)成分の光重合開始剤、並びに、前記(D)成分の高分子結合材、及び前記(E)成分の重合加速剤の各含有割合は、感光性組成物の全量に対して、(A)成分が10〜90重量%、(B)成分が0.05〜20重量%、(C)成分が0.5〜50重量%、(D)成分が5〜80重量%、(E)成分が0.1〜30重量%であるのが好ましく、(A)成分が20〜70重量%、(B)成分が0.1〜10重量%、(C)成分が1〜30重量%、(D)成分が10〜70重量%、(E)成分が1〜20重量%であるのが更に好ましい。
【0079】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、後述する塗布液としての塗布性、及び現像性の向上等のために、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤を含有していてもよく、具体的には、例えば、そのノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が、又、そのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類等が、又、そのカチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、又、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が、それぞれ挙げられる。
【0080】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物において、前記界面活性剤の含有割合は、感光性組成物の全量に対して、0.1〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%であるのが更に好ましい。
【0081】
更に、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、後述する露光後の膜に耐熱性や耐薬品性等を付与することを目的として、エポキシ基含有化合物を含有していてもよく、そのエポキシ基含有化合物としては、所謂エポキシ樹脂の繰返し単位を構成する、ポリヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル化合物、ポリカルボン酸化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル化合物、及び、ポリアミン化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルアミン化合物等の、低分子量物から高分子量物にわたる化合物が挙げられる。
【0082】
これらのポリグリシジルエーテル化合物として、具体的には、例えば、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、テトラメチルビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、エチレンオキシド付加ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ等が挙げられ、これらのポリグリシジルエーテル化合物には、残存するヒドロキシル基に酸無水物や2価の酸化合物を反応させカルボキシル基を導入することもできる。又、ポリグリシジルエステル化合物として、具体的には、例えば、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ、フタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ等が、又、ポリグリシジルアミン化合物として、具体的には、例えば、ビス(4−アミノフェニル)メタンのジグリシジルアミン型エポキシ、イソシアヌル酸のトリグリシジルアミン型エポキシ等が、それぞれ挙げられる。
【0083】
又、同様の目的のものとして、例えば特開平2−182378号公報に記載されるような、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸又はその誘導体と例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等のジアミンとがアミド結合を形成して得られ、酸官能基又はエチレン性不飽和結合を有するポリイミド前駆体、及びそれを熱重合させて得られるポリイミド等も挙げられ、更に、各種添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤を、感光性組成物の全量に対して2重量%以下、アクリジン、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体や、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマカライトグリーン、ロイコダイアモンドグリーン等のロイコ染料等の有機又は無機の染顔料からなる着色剤を同じく20重量%以下、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤を同じく40重量%以下、三級アミンやチオール等の感度特性改善剤を同じく10重量%以下、色素前駆体を同じく30重量%以下、の割合で含有していてもよい。
【0084】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、390〜430nmの波長域に分光感度の極大ピークを有するのが好ましく、400〜420nmの波長域に分光感度の極大ピークを有するのが更に好ましい。分光感度の極大ピークを前記範囲未満の波長域に有する場合には、感光性組成物として波長390〜430nmのレーザー光に対する感度が劣り、一方、前記範囲超過の波長域に有する場合には、黄色灯下でのセーフライト性が劣ることとなる。
【0085】
尚、本発明において、分光感度の極大ピークとは、例えば、「フォトポリマー・テクノロジー」(山岡亜夫著、昭和63年日刊工業新聞社発行、第262頁)等に詳述されているように、基板表面に感光性層を形成した感光性画像形成材試料を、分光感度測定装置を用い、キセノンランプ又はタングステンランプ等の光源から分光した光を、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して照射して露光した後、現像処理することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを指す。
【0086】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 〕が10mJ/cm2 以下であるのが好ましく、7mJ/cm2 以下であるのが更に好ましく、5mJ/cm2 以下であるのが特に好ましい。この最小露光量〔S410 〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。尚、この最小露光量〔S410 〕の下限は小さい程好ましいが、通常1mJ/cm2 以上である。
【0087】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、前記S410 の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S410 /S450 〕が0.1以下であるのが好ましく、0.05以下であるのが更に好ましい。この比〔S410 /S450 〕が前記範囲超過では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難となる。
【0088】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (mJ/cm2 )〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S450−650 /S450 〕が1超過であるのが好ましい。この比〔S450−650 /S450 〕が前記範囲以下では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難な傾向となる。
【0089】
尚、前記波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 〕、波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 〕は、前述した分光感度測定装置を用いての分光感度の極大ピークの測定において、得られる画像高さから算出される画像形成可能な露光エネルギーとして求められ、その際の、現像液の種類、現像温度、現像時間等の現像条件を変化させて決定される最適現像条件で画像を形成し得る最小露光量を意味し、その最適現像条件としては、通常、pH11〜14のアルカリ現像液に温度25℃で0.5〜3分浸漬する条件が採られる。
【0090】
本発明の前記青紫色レーザー感光性組成物は、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、必要に応じて、形成された感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆うことにより、所謂ドライフィルムレジスト材等としての、本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材料とされ、その画像形成材料の感光性組成物層側を、被覆フィルムで覆われている場合にはその被覆フィルムを剥離して、被加工基板上に積層することにより、又は、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、被加工基板上に直接に塗布し乾燥させることにより、被加工基板上に本発明の青紫色レーザー感光性組成物の層が形成された本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材とされ、その画像形成材の青紫色レーザー感光性組成物層を、波長390〜430nmのレーザー光により走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させる画像形成方法としての使用形態に好適に用いられる。
【0091】
そのドライフィルムレジスト材等としての画像形成材料として用いられる場合における仮支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。その際、それらのフィルムが画像形成材料の作製時に必要な耐溶剤性や耐熱性等を有しているものであるときは、それらの仮支持フィルム上に直接に感光性組成物塗布液を塗布し乾燥させて本発明の画像形成材料を作製することができ、又、それらのフィルムが耐溶剤性や耐熱性等の低いものであっても、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムや離型フィルム等の離型性を有するフィルム上に先ず感光性組成物層を形成した後、その層上に耐溶剤性や耐熱性等の低い仮支持フィルムを積層し、しかる後、離型性を有するフィルムを剥離することにより、本発明の画像形成材料を作製することもできる。
【0092】
又、塗布液に用いられる溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0093】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法等を用いることができる。その際の塗布量は、後述する画像形成、及びそれに引き続くエッチングやメッキ等の加工性等の面から、乾燥膜厚として10μm以上であるのが好ましく、15μm以上であるのが更に好ましく、又、感度等の面から、200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのが更に好ましい。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、30〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜60分間程度、好ましくは10秒〜30分間程度が採られる。
【0094】
又、ドライフィルムレジスト材等としての画像形成材料として用いられる場合には、その画像形成材料が被加工基板に積層されるまでの間、形成された感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆うことが好ましく、その被覆フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。
【0095】
又、前記画像形成材料の感光性組成物層側を、被覆フィルムで覆われている場合にはその被覆フィルムを剥離して、加熱、加圧等して積層することにより、又は、前記感光性組成物塗布液を直接に塗布し乾燥させることにより、本発明の画像形成材を作製するにおける被加工基板は、その上に形成される感光性組成物層をレーザー光により走査露光し現像処理することによって現出されたネガ画像をレジストとしてエッチング加工或いはメッキ加工等することにより、その表面に回路や電極等のパターンが形成されるものであり、銅、アルミニウム、金、銀、クロム、亜鉛、錫、鉛、ニッケル等の金属板そのものであってもよいが、通常、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂、紙、ガラス、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機物、又は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等の複合材料等からなり、その厚さが0.02〜10mm程度の絶縁性支持体表面に、前記金属或いは酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫等の金属酸化物等の金属箔を加熱、圧着ラミネートするか、金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法により、その厚さが1〜100μm程度の導電層を形成した金属張積層板が、好ましく用いられる。
【0096】
尚、前記感光性組成物塗布液を直接に塗布し乾燥させることにより、本発明の画像形成材を作製した場合には、前記被加工基板上に形成された感光性組成物層の酸素による重合禁止作用を防止する等のために、その感光性組成物層上に、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の溶液の塗布、乾燥により形成した保護層が設けられてもよい。
【0097】
そして、青紫色レーザー感光性組成物層を被加工基板上に有する本発明の前記画像形成材は、前記画像形成材料により感光性組成物層が形成されている場合には仮支持フィルムを剥離した後、又は、感光性組成物塗布液を直接に塗布し乾燥させることにより感光性組成物層が形成されている場合であって、前記保護層を有する場合にはその保護層を剥離した後、その感光性組成物層を、青紫色レーザー光により走査露光した後、現像処理することにより、前記被加工基板上にネガ画像が形成される。
【0098】
ここで、レーザー露光光源としては、例えば、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等が挙げられるが、特に、波長域390〜430nmの青紫色領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、その中心波長が約405nmのものであるのが更に好ましい。
【0099】
又、その走査露光方法は、特に限定されるものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザーの出力光強度を、好ましくは1〜100mW、更に好ましくは3〜70mW、発振波長を、好ましくは390〜430nm、更に好ましくは400〜420nm、ビームスポット径を、好ましくは2〜30μm、更に好ましくは4〜20μm、走査速度を、好ましくは50〜500m/秒、更に好ましくは100〜400m/秒、走査密度を、好ましくは2,000dpi以上、更に好ましくは4,000dpi以上として、走査露光する。
【0100】
又、前記レーザー走査露光後の現像処理は、好ましくはアルカリ成分と界面活性剤とを含有する水性現像液を用いてなされる。そのアルカリ成分としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物等が挙げられ、その0.1〜5重量%程度の濃度で用いられる。
【0101】
又、界面活性剤としては、前記青紫色レーザー感光性組成物において挙げたと同様の界面活性剤が挙げられ、中で、ノニオン性、アニオン性、又は両性界面活性剤が好ましく、特に両性界面活性剤、就中、ベタイン型化合物類が好ましい。尚、前記界面活性剤は、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.0005〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で用いられる。
【0102】
更に、現像液には、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤を必要に応じて含有させることができる。又、現像液のpHは、9〜14とするのが好ましく、11〜14とするのが更に好ましい。
【0103】
尚、現像は、通常、前記現像液に画像形成材を浸漬するか、画像形成材に前記現像液をスプレーする等の公知の現像法により、好ましくは10〜50℃程度、更に好ましくは20〜40℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。又、現像処理後、形成されたネガ画像を、例えば高圧水銀灯等の光源によって照射処理するか、又は/及び、例えば140〜160℃程度の温度で加熱処理することにより、レジストとしての耐薬品性等の向上を図ることができる。
【0104】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0105】
実施例1
青紫色レーザー感光性組成物としての下記の各成分をメチルエチルケトン/イソプロパノール(重量比8/2)との混合溶剤100重量部に加えて、室温で攪拌して調液した塗布液を、仮支持フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み19μm)上に、アプリケーターを用いて乾燥膜厚が25μmとなる量で塗布し、90℃のオーブンで5分間乾燥させ、形成された感光性組成物層上に、被覆フィルムとしてのポリエチレンフィルム(厚み25μm)を積層し、1日放置することにより、青紫色レーザー感光性画像形成材料を作製した。
【0106】
(A)エチレン性不飽和化合物
下記(A−1)の化合物(共栄化学社製「ライトエステル9EG」);7.5重量部
下記(A−2)の化合物(共栄化学社製「ライトエステルBP−6EM」);15重量部
下記(A−3)の化合物;22.5重量部
【0107】
【化20】
【0108】
(B)増感色素
下記(B−1)の化合物;0.2重量部
【0109】
【化21】
【0110】
(C)光重合開始剤
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(融点196℃、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)9.925°に最大回折ピークを有するもの);15重量部
(D)高分子結合材
メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比45/15/40、重量平均分子量70,000)に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(メタクリル酸成分のカルボキシル基の37.5モル%が反応);48重量部
その他成分
9−フェニルアクリジン;2重量部
ロイコクリスタルバイオレット;0.2重量部
【0111】
別に、厚み35μmの銅箔を貼り合わせたポリイミド樹脂の銅張積層基板(厚み1.5mm、大きさ250mm×200mm)の銅箔表面を、住友スリーエム社製「スコッチブライトSF」を用いてバフロール研磨し、水洗し、空気流で乾燥させて整面し、次いで、これをオーブンで60℃に予熱した後、その銅張積層板の銅箔上に、前記で得られた青紫色レーザー感光性画像形成材料を、そのポリエチレンフィルムを剥離しながらその剥離面で、ハンド式ロールラミネーターを用いて、ロール温度100℃、ロール圧0.3MPa、ラミネート速度1.5m/分でラミネートすることにより、銅張積層基板上に青紫色レーザー感光性組成物層が形成された青紫色レーザー感光性画像形成材を作製した。
【0112】
得られた青紫色レーザー感光性画像形成材の感光性組成物層について、以下に示す方法で露光感度を測定したところ、1.2mJ/cm2 であった。
<露光感度>
得られた感光性画像形成材の感光性組成物層を、中心波長405nm、レーザー出力5mWのレーザー光源(日亜化学工業社製「NLHV500C」)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μmで、ビーム走査間隔及び走査速度を変えながら走査露光し、次いで、32℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として0.15MPaとなるように吹き付け、最小現像時間の2倍の時間でスプレー現像することによりネガ画像を現出させた。得られた画像について、10μmの線幅が再現するのに要する露光量を求め、青紫色レーザーに対する感度とした。
【0113】
更に、以下に示す方法で分光感度の極大ピークを測定したところ、約410nmであった。
<分光感度の極大ピーク>
画像形成材を50×60mmの大きさに切り出したサンプルを、回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23」)を用い、キセノンランプ(ウシオ電機社製「UI−501C」)を光源として350〜650nmの波長域で分光した光を、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して10秒間照射して露光し、次いで、30℃の1重量%炭酸ナトリウムと0.5重量%の水溶液を現像液として0.15MPaとなるように吹き付け、最小現像時間の2倍の時間でスプレー現像することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを読み取った。
【0114】
又、以下に示す方法で波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (mJ/cm2 )〕を測定したところ、1.7mJ/cm2 であった。又、波長410nmにおける画像形成可能な該最小露光量〔S410 〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S410 /S450 〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (mJ/cm2 )〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S450−650 /S450 〕を測定し、以下の基準で評価したところ、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕共に「A」であった。
【0115】
<S410 ,S410 /S450 ,S450−650 /S450 >
前記と同様にして350〜650nmの波長域で波長を変化させて露光し、現像したときの、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (mJ/cm2 )〕と波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (mJ/cm2 )〕をそれぞれ求め、その比〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕を算出し、以下の基準で評価した。
【0116】
<S410 /S450 の評価基準>
A:S410 /S450 が0.03以下。
B:S410 /S450 が0.03超過0.05以下。
C:S410 /S450 が0.05超過0.1以下。
D:S410 /S450 が0.1超過。
【0117】
<S450−650 /S450 の評価基準>
A:S450−650 /S450 が10超過。
B:S450−650 /S450 が5超過10以下。
C:S450−650 /S450 が1超過5以下。
D:S450−650 /S450 が1以下。
【0118】
別に、得られた青紫色レーザー感光性画像形成材につき、以下に示す方法で、黄色灯下でのセーフライト性を評価したところ、「A」であった。
<黄色灯下でのセーフライト性>
画像形成材を黄色灯照明(約470nm以下の波長の光を遮断した条件)下に、1分間、2分間、5分間、10分間、20分間、30分間放置した後、前記と同様にして、走査露光及び現像処理を行い、前記に比して画像に変化が生じるまでの放置時間を求め、以下の基準で評価した。
A:20分以上
B:10分以上20分未満
C:1分以上10分未満
D:1分未満
【0119】
実施例2
(C)成分の光重合開始剤を、融点172℃、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)21.16°に最大回折ピークを有する、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールに代えたこと、(D)成分の高分子結合材を、スチレン/メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比15/45/15/25、重量平均分子量70,000、酸価140KOH・mg/g)に代えたこと、並びに(E)成分として、N−フェニルグリシンベンジルエステル3重量部、及びN−フェニルグリシンの双極イオン化合物2重量部を用いたこと、の外は、実施例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は0.7mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は1.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0120】
実施例3
(B)成分の増感色素を、下記(B−2)の化合物に代えた外は、実施例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は1.5mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は2.1mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0121】
【化22】
【0122】
実施例4
(A)成分として、前記(A−3)の化合物に代えて下記(A−4)の化合物を用いた外は、実施例2と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は0.6mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は1.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0123】
【化23】
【0124】
比較例1
(A)成分のエチレン性不飽和化合物として、前記(A−1)の化合物を15重量部、前記(A−2)の化合物を30重量部用い、前記(A−3)の化合物を用いなかった外は、実施例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は6.5mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は11.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0125】
比較例2
(B)成分の増感色素を、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンに代えた外は、比較例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は8.0mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は10.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0126】
【発明の効果】
本発明は、青紫色領域のレーザー光に対して高感度であって、特に、ドライフィルムレジスト材として、及び直接描画に用いるに好適な青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ、カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス等における導体回路や電極加工基板等の形成のためのエッチングレジスト、メッキレジスト、ソルダーレジスト、プラズマディスプレイ用レジスト、カラーフィルター用レジスト、印刷校正用カラープルーフ、レーザーグラビア用レジスト等、或いは、フレキソ印刷版、平版印刷版の製版等に使用される感光性組成物であって、特に、青紫色レーザー光による直接描画に用いるに好適な青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ、カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス等における導体回路や電極加工基板等の形成には、例えば、感光性組成物からなる層を仮支持フィルム上に形成し、その感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆ったドライフィルムレジスト材を、その被覆フィルムを剥離して被加工基板上に積層し、その被加工基板上の感光性組成物層を、回路や電極パターンが描かれたマスクフィルムを通して画像露光した後、仮支持フィルムを剥離し、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像処理することによって回路パターンに対応したレジスト画像を形成し、次いで、このレジスト画像をレジストとして被加工基板をエッチング加工或いはメッキ加工等した後、レジスト画像を除去することにより、マスクフィルムに描かれた回路や電極パターンを基板上に形成するリソグラフィー法が広く用いられている。しかし、このドライフィルムレジスト材は被加工基板上への感光性組成物層の形成が容易である反面、仮支持フィルムを介して画像露光されること、及び感光性組成物層の膜厚が10μm以上と厚いこと等から高解像度が得られ難いという欠点を有していた。
【0003】
一方、近年、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから注目されるに到り、それに伴い、リソグラフィー法においてもレーザー光の利用が盛んに研究されている。
【0004】
ところで、レーザー光は、紫外から赤外領域までの種々の光源が知られているが、画像露光に利用できるレーザー光としては、出力、安定性、感光能力、及びコスト等の点から、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものが主力となっており、例えば、波長488nmのアルゴンイオンレーザー、波長532nmのFD−YAGレーザーを用いたリソグラフィー法は既に実用化に到っている。
【0005】
しかしながら、従来の感光性組成物は、レーザー光による直接描画法においては、未だ感度が必ずしも充分とは言えず、又、近年のレーザー技術の著しい進歩により、青紫色領域で安定的に発振できる半導体レーザーも利用できるようになったものの、青紫色領域においてはその出力が他の可視領域等に比して低いこともあって、感光性組成物の感度は、直接描画法においてはもとよりリソグラフィー法においても実用化できるレベルには達していないのが現状である。
【0006】
一方、エチレン性不飽和化合物、増感色素や光重合開始剤等の光重合開始系、及び高分子結合材等からなる光重合性の感光性組成物において、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が、特に紫外領域において好適な光重合開始剤として古くから知られ、更に、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物と、ケトクマリン系化合物(例えば、特許文献1参照。)、ジアルキルアミノベンゼン系化合物(例えば、特許文献2参照。)等の増感色素との組合せにより感度等の向上を企図した提案がなされ、更に、組成物の感度や解像性等の改良を目的とし、エチレン性不飽和化合物として、複数のウレタン結合と複数の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有させた感光性組成物が数多く提案されている(例えば、特許文献3〜8参照。)。しかしながら、本発明者の検討によると、それら提案における感光性組成物といえども、青紫色レーザー感光性組成物としての感度は、依然として改良の余地を残すものであった。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−88244号公報。
【特許文献2】
特公平6−29285号公報。
【特許文献3】
特開2000−98603号公報。
【特許文献4】
特開2000−231189号公報。
【特許文献5】
特開2001−22060号公報。
【特許文献6】
特開2001−22062号公報。
【特許文献7】
特開2001−42522号公報。
【特許文献8】
特開2001−290267号公報。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、青紫色領域のレーザー光に対して高感度であって、特に、ドライフィルムレジスト材として、及び直接描画に用いるに好適な青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有してなる青紫色レーザー感光性組成物、並びに、仮支持フィルム上に該青紫色レーザー感光性組成物の層が形成されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材料、及び、被加工基板上に該青紫色レーザー感光性画像形成材料がその青紫色レーザー感光性組成物層側で積層されてなる青紫色レーザー感光性画像形成材、及び、該青紫色レーザー感光性画像形成材の青紫色レーザー感光性組成物層を、波長390〜430nmのレーザー光により走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させる画像形成方法、を要旨とする。
【0010】
(A)ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むエチレン性不飽和化合物
(B)下記のテトラヒドロキノリン環を有し、青紫色領域に分光感度の極大ピークを有する化合物を含む増感色素
【0011】
【化6】
【0012】
(C)光重合開始剤
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物を構成する(A)成分のエチレン性不飽和化合物は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(C)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
【0014】
本発明におけるエチレン性不飽和化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むことが必須であり、下記の一般式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物を含むのが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレート化合物を含まない場合は、感光性組成物としての感度が低く、得られる画像の解像性等が劣ることとなる。尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとし、以降も同様とする。
【0015】
【化7】
【0016】
〔式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)中、Uは(メタ)アクリロイルオキシ基を1個以上有する(メタ)アクリレート化合物残基、Vはポリイソシアネート化合物残基、Wはポリオール化合物残基、Yは炭素数1〜6のアルキレン基、Zは以下のいずれか
【0017】
【化8】
【0018】
を示し、mは0〜20の整数である。〕
【0019】
前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ポリオール化合物にポリイソシアネート化合物を反応させた後、(メタ)アクリレート化合物を反応させることにより得られたものであり、式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)におけるUは、(メタ)アクリロイルオキシ基を1個以上有する(メタ)アクリレート化合物残基、Vはポリイソシアネート化合物残基、Wはポリオール化合物残基である。
【0020】
ここで、そのポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族ポリオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ポリオール等のポリオール化合物が挙げられ、又、ポリオール化合物はカルボキシル基を含有していてもよく、そのカルボキシル基含有ポリオール化合物としては、例えば、ジヒドロキシメチル酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、酒石酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。更に、ポリオール化合物としては、例えば、琥珀酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ポリカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の脂環式ポリカルボン酸、フタル酸等の芳香族ポリカルボン酸等のポリカルボン酸化合物と、前記ポリオール化合物とを反応させて得られたポリエステルポリオール化合物等も挙げられる。これらの中で、本発明におけるポリオール化合物としては、分子量が500以下であるものが好ましく、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等が特に好ましい。
【0021】
又、そのポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,2−ジメチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ジメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリデカメチレンジイソシアネート、ペンタデカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエンジイソシアネート、2−ブチニレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらの中で、本発明におけるポリイソシアネート化合物としては、分子量が500以下であるものが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が特に好ましい。
【0022】
又、その(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2モル以上のエチレンオキサイドを付加したしたヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のプロピレンオキサイドを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のエチレンオキサイドと2モル以上のプロピレンオキサイドを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のε−カプロラクトンを開環付加したヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2モル以上のエチレンオキサイドと2モル以上のε−カプロラクトンを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2モル以上のプロピレンオキサイドと2モル以上のε−カプロラクトンを付加したヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能化合物、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイド又は/及びプロピレンオキサイド付加体等の多官能化合物等が挙げられる。これらの中で、本発明における(メタ)アクリレート化合物としては、分子量が200以上であるものが好ましく、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が特に好ましい。
【0023】
本発明における前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物は、前記ポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物を、x:x+1(xは1以上の整数)のモル比(理論値)で、例えば酢酸エチル等の溶媒中、ジブチル錫ラウレート等の公知の触媒の存在下に、該溶媒の沸点以下の温度で反応させ、しかる後、得られた反応生成物と、前記(メタ)アクリレート化合物を、1:2のモル比(理論値)で反応させる等、従来公知の方法により得ることができる。
【0024】
本発明における前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物は、その分子量が400〜10,000であるのが好ましく、800〜5,000であるのが更に好ましく、800〜3,500であるのが特に好ましい。分子量が前記範囲未満では、感光性組成物としての感度が低下し、露光後のレジストの基板に対する接着性、テンティング性、耐メッキ性、耐エッチング性、及び耐薬品性等が劣る傾向となる。一方、前記範囲超過でも感度が低下する傾向となる。露光後の組成物の現像処理における膜減りを生じさせないためには、その酸価は170mg・KOH/g以下であるのが好ましい。
【0025】
以上の前記一般式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)で表されるウレタン( メタ) アクリレート化合物の好適な例を以下に示す。
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
尚、本発明において、(A)成分のエチレン性不飽和化合物としては、前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物以外のエチレン性不飽和化合物を更に含有していてもよく、そのエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等であってもよいが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であるのが好ましく、又、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
【0031】
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート化合物、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物との前記以外のウレタン(メタ)アクリレート化合物、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0032】
そのエステル化合物としては、具体的には、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
【0033】
更に、そのエステル化合物として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物やグリシジル基含有化合物付加物との反応物、具体的には、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔トリオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔ペンタオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔ヘキサオキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等、又、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、又、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
【0034】
又、その(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート化合物としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
【0035】
又、前記以外のそのウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
【0036】
又、そのエポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
【0037】
又、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、フタル酸ジアリル等のアリルエステル化合物、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が挙げられる。以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0038】
以上の(A)成分としての前記一般式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物以外のエチレン性不飽和化合物として、本発明においては、エステル(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート化合物が好ましく、エステル(メタ)アクリレート化合物が特に好ましく、そのエステル(メタ)アクリレート化合物の中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、或いはビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加物等のポリオキシアルキレン基を有し、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するエステル(メタ)アクリレート化合物が殊更好ましい。
【0039】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物を構成する(B)成分の増感色素は、波長390〜430nmの青紫色領域に分光感度の吸収極大を有し、その領域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを後述する(C)成分の光重合開始剤に伝え、該光重合開始剤を分解し、(A)成分の前記エチレン性不飽和化合物の重合を誘起する活性ラジカルを発生させる増感機能を有する光吸収色素であり、本発明においては、その増感色素として、下記のテトラヒドロキノリン環を有し、波長390〜430nmの青紫色領域に分光感度の吸収極大を有する化合物を含むことが必須である。
【0040】
【化13】
【0041】
本発明におけるその光吸収色素としては、テトラヒドロキノリン環中のベンゼン環上の窒素原子に対してp−位の炭素原子に2価基を介して、p−位にジアルキルアミノ基を置換基として有するベンゼン環が結合した化合物が好ましく、その中でも、下記一般式(IIa) で表されるものが好ましい。
【0042】
【化14】
【0043】
〔式(IIa) 中、R1 、R3 、及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R2 、R5 、及びR6 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 、R3 とR4 、R3 とR5 、R4 とR6 とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0044】
ここで、式(IIa) 中のR1 、R3 、及びR4 のアルキル基の炭素数、並びに、R2 、R5 、及びR6 がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環であるのが更に好ましく、R1 とR2 が、及び、R3 、R4 、R5 、R6 が、下記のジュロリジン環を形成しているのが特に好ましい。
【0045】
【化15】
【0046】
尚、式(IIa) 中のR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、及びR6 のアルキル基における置換基としては、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子等が挙げられ、又、テトラヒドロキノリン環中のベンゼン環及びピペリジン環、並びにベンゼン環は、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよく、又、両ベンゼン環は、カルボニル基に対してo−位の炭素原子同士がアルキレン基、イミノ基、アルキルイミノ基、酸素原子、又は硫黄原子を介して結合して環構造を形成していてもよい。
【0047】
前記一般式(IIa) で表される化合物の好適な具体例を以下に示す。
【0048】
【化16】
【0049】
又、本発明におけるその光吸収色素としては、テトラヒドロキノリン環中のベンゼン環上の窒素原子に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有する化合物も好ましく、その複素環基としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む5又は6員環のものが好ましく、縮合芳香族環を有する5員環のものが特に好ましく、その中でも、下記一般式(IIb) で表されるものが好ましい。
【0050】
【化17】
【0051】
〔式(IIb) 中、R1 は、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R2 は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R1 とR2 とは、含窒素複素環を形成していてもよく、Xは、ジアルキルメチレン基、イミノ基、アルキルイミノ基、酸素原子、又は硫黄原子を示し、環Aは芳香族環を示す。〕
【0052】
ここで、式(IIb) 中のR1 、及びR2 については、式(IIa) におけると同様であり、R1 とR2 が、前記のジュロリジン環を形成しているのが特に好ましい。又、Xがジアルキルメチレン基、又はアルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましい。又、環Aとしてはベンゼン環が好ましい。
【0053】
尚、式(IIb) 中のジュロリジン環中のベンゼン環及びピペリジン環、並びに縮合芳香族環は、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
【0054】
前記一般式(IIb) で表される化合物の好適な具体例を以下に示す。
【0055】
【化18】
【0056】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物を構成する(C)成分の光重合開始剤は、前記(B)成分の増感色素等との共存下で光照射されたときに、増感色素の光励起エネルギーを受け取って活性ラジカルを発生し、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物を重合に到らしめるラジカル発生剤であって、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、チタノセン系化合物、ハロゲン化炭化水素誘導体、ジアリールヨードニウム塩、有機硼素酸塩、及び有機過酸化物等が挙げられる。中で、感光性組成物としての感度、基板に対する密着性、及び保存安定性等の面から、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、及びチタノセン系化合物が好ましく、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が特に好ましい。
【0057】
そのヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられる。中で、ヘキサフェニルビイミダゾール化合物が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’−位に結合したベンゼン環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが更に好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’−位に結合したベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子或いはアルコキシカルボニル基で置換されたものが特に好ましい。
【0058】
尚、感光性組成物における光重合開始剤として従来知られているヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、融点が190℃以上、例えば196〜202℃程度であり、且つ、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)9.925°に最大回折ピークを有するものであるが、本発明におけるヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、塗布溶剤に対する溶解性、及び感光性組成物中での分散安定性等の面から、融点が180℃以下、更には175℃以下であり、且つ、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)21.16°に最大回折ピークを有するものであるのが最適であり、その最適なヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール等が挙げられ、中で、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール等をベンゼン、トルエン等の芳香族溶媒で再結晶させて得られたものが、低融点の結晶が得られ易く特に好ましい。
【0059】
又、そのチタノセン系化合物としては、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕等が挙げられる。中で、ジシクロペンタジエニル構造とビフェニル構造を有するチタン化合物が好ましく、ビフェニル環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが特に好ましい。
【0060】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(B)成分の増感色素、及び前記(C)成分の光重合開始剤を含有することを必須とするが、基板上への感光性組成物の層としての形成性、及び現像性の向上等のために、以下の(D)成分の高分子結合材を含有するのが好ましい。
【0061】
その高分子結合材としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独又は共重合体、並びに、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース等が挙げられるが、中で、アルカリ現像性等の面から、カルボキシル基含有樹脂が好適である。
【0062】
そのカルボキシル基含有樹脂として、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好適であり、具体的には、例えば、カルボキシル基含有重合体に、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させて得られた反応生成物、及び、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物、又は、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は更に不飽和カルボン酸エステルとを、前者の不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた反応生成物等が挙げられる。
【0063】
更に、そのカルボキシル基含有樹脂として、エポキシ樹脂のα,β−不飽和モノカルボン酸付加体に、多価カルボン酸若しくはその無水物が付加された、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂が挙げられ、この不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂は、具体的には、エポキシ樹脂のエポキシ基にα,β−不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されて形成されたエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されていると共に、その際生じた水酸基に多価カルボン酸若しくはその無水物のカルボキシル基が反応して形成されたエステル結合を介して残存するカルボキシル基が付加されたものである。
【0064】
ここで、そのエポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂等が挙げられ、中で、フェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂が特に好ましい。又、そのα,β−不飽和モノカルボン酸としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、中で、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。又、その多価カルボン酸若しくはその無水物としては、具体的には、例えば、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、及びそれらの無水物等が挙げられ、中で、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、又はヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、テトラヒドロフタル酸無水物が特に好ましい。
【0065】
以上の不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂中で、本発明においては、光重合性組成物としての感度、解像性、及び基板に対する密着性等の面から、エポキシ樹脂がフェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂であり、α,β−不飽和モノカルボン酸が(メタ)アクリル酸であり、多価カルボン酸若しくはその無水物がテトラヒドロフタル酸無水物であるものが特に好ましい。又、酸価が20〜200mg・KOH/gであるものが好ましく、30〜180mg・KOH/gであるのが更に好ましい。又、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量が2,000〜200,000であるものが好ましく、3,000〜150,000であるのが更に好ましい。
【0066】
本発明における前記不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂は、従来公知の方法により、具体的には、前記エポキシ樹脂をメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤に溶解させ、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、又は、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンミニウム塩類、トリフェニルホスフィン等の燐化合物、又は、トリフェニルスチビン等のスチビン類等の触媒の存在下、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン等の熱重合禁止剤の共存下に、前記α,β−不飽和モノカルボン酸を、エポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.7〜1.3化学当量、好ましくは0.9〜1.1化学当量となる量で加え、通常60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度で付加反応させ、引き続き、多価カルボン酸若しくはその無水物を、前記反応で生じた水酸基の1化学当量に対して通常0.1〜1.2化学当量、好ましくは0.2〜1.1化学当量となる量で加えて、前記条件下で反応を続ける等の方法により製造することができる。
【0067】
以上の高分子結合材の中で、本発明においては、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位を有する共重合体が殊更好ましく、その共重合体としては、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位を、各々、3〜30モル%、10〜70モル%、及び10〜60モル%の割合で含む共重合体であるのが好ましく、各々、5〜25モル%、20〜60モル%、及び15〜55モル%の割合で含む共重合体であるのが特に好ましい。
【0068】
ここで、前記共重合体におけるスチレン系単量体としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換アルキルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン等の核置換アルキルスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン等の核置換ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレン等が挙げられ、又、アクリル酸エステル系単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸の、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜8のアルキルエステル、及び、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル等の置換アルキルエステル等が挙げられる。
【0069】
尚、本発明における前記共重合体としては、前記スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸の各単量体に由来する構成繰返し単位の外に、更に、例えば、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸や、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸誘導体、及び、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル化合物等の共重合可能な他単量体に由来する構成繰返し単位を含有していてもよく、これらの他単量体に由来する構成繰返し単位の含有量は、共重合体全体の10モル%以下であるのが好ましい。又、これら共重合体は、酸価が30〜250mg・KOH/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜300,000であるのが好ましい。
【0070】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(B)成分の増感色素、及び前記(C)成分の光重合開始剤を含有することを必須とするが、光重合開始能力の向上等のために、更に、(E)成分の重合加速剤を含有するのが好ましく、本発明においては、その重合加速剤としては、アミノ酸のエステル化合物、又は双極イオン化合物が殊更好ましく、その中で、下記一般式(IIIa)又は(IIIb)で表されるものが好ましい。
【0071】
【化19】
【0072】
〔式(IIIa)及び(IIIb)中、R7 及びR8 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を示し、R9 及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R11は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R12は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、nは0〜10の整数である。〕
【0073】
ここで、式(IIIa)及び(IIIb)中のR7 、R8 、R9 、R10、R11、及びR12のアルキル基としては、炭素数が1〜8であるのが好ましく、1〜4であるのが更に好ましい。又、R11のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等が、又、R7 、R8 、R11、及びR12のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、又、R7 、R8 、及びR12の複素環基としては、例えば、フリル基、フラニル基、ピロリル基、ピリジル基等が、それぞれ挙げられる。
【0074】
又、それらのアルキル基、及びアルケニル基における置換基としては、例えば、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルオキシカルボニル基、フェニル基、ハロゲン原子等が、又、それらのアリール基、複素環基における置換基としては、例えば、更にアルコキシ基やフェニル基等の置換基を有していてもよいアルキル基、同じくアルコキシ基、同じくアルケニル基、同じくアルケニルオキシ基、同じくアシル基、同じくアシルオキシ基、同じくアルコキシカルボニル基、同じくフェノキシ基、同じくアルキルチオ基、同じくアルキルスルホニル基、及び、アルデヒド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0075】
本発明において、以上の前記一般式(IIIa)又は(IIIb)で表されるアミノ酸のエステル又は双極イオン化合物の中で、式(IIIa)中のR7 及びR8 の一方が水素原子で他方が置換基を有していてもよいフェニル基であり、R9 及びR10が共に水素原子であり、R11が置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、nが0、1、又は2であるアミノ酸エステル、又は、式(IIIb)中のR7 及びR8 が共に水素原子であるか、或いは一方が置換基を有していてもよいアルキル基であり、R9 及びR10が共に水素原子であり、R12が置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、nが0、1、又は2であるアミノ酸双極イオン化合物であるのが好ましく、前記一般式(IIIa)においてnが0、R7 及びR8 の一方が水素原子で他方がフェニル基、R9 及びR10が共に水素原子であるN−フェニルグリシンのエステル、就中、R11がベンジル基であるN−フェニルグリシンベンジルエステル、又は、前記一般式(IIIb)においてnが0、R7 、R8 、R9 、及びR10のいずれもが水素原子であり、R12がフェニル基であるN−フェニルグリシンの双極イオン化合物が特に好ましい。
【0076】
又、(E)成分の重合加速剤としては、アミン化合物も挙げられ、そのアミン化合物としては、脂肪族、脂環式、又は芳香族アミンのいずれでもよく、又、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等のポリアミンであってもよく、又、第1アミン、第2アミン、第3アミンのいずれであってもよいが、pKbが7以下であるものが好ましい。そのアミン化合物としては、具体的には、例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン等の、水酸基又はフェニル基で置換されていてもよい脂肪族アミンが挙げられる。中で、本発明においては、トリベンジルアミンが特に好ましい。
【0077】
更に、重合加速剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、エチレングリコールジチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプト基含有化合物類、ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等の多官能チオール化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩等の誘導体、フェニルアラニン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、エステル等の誘導体等の芳香族環を有するアミノ酸又はその誘導体類等が挙げられる。中で、本発明においては、メルカプト基含有化合物類、及び、N−フェニルグリシン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩等の誘導体が特に好ましい。
【0078】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物において、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(B)成分の増感色素、及び前記(C)成分の光重合開始剤、並びに、前記(D)成分の高分子結合材、及び前記(E)成分の重合加速剤の各含有割合は、感光性組成物の全量に対して、(A)成分が10〜90重量%、(B)成分が0.05〜20重量%、(C)成分が0.5〜50重量%、(D)成分が5〜80重量%、(E)成分が0.1〜30重量%であるのが好ましく、(A)成分が20〜70重量%、(B)成分が0.1〜10重量%、(C)成分が1〜30重量%、(D)成分が10〜70重量%、(E)成分が1〜20重量%であるのが更に好ましい。
【0079】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、後述する塗布液としての塗布性、及び現像性の向上等のために、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤を含有していてもよく、具体的には、例えば、そのノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が、又、そのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類等が、又、そのカチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、又、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が、それぞれ挙げられる。
【0080】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物において、前記界面活性剤の含有割合は、感光性組成物の全量に対して、0.1〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%であるのが更に好ましい。
【0081】
更に、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、後述する露光後の膜に耐熱性や耐薬品性等を付与することを目的として、エポキシ基含有化合物を含有していてもよく、そのエポキシ基含有化合物としては、所謂エポキシ樹脂の繰返し単位を構成する、ポリヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエーテル化合物、ポリカルボン酸化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルエステル化合物、及び、ポリアミン化合物とエピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジルアミン化合物等の、低分子量物から高分子量物にわたる化合物が挙げられる。
【0082】
これらのポリグリシジルエーテル化合物として、具体的には、例えば、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)のジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、テトラメチルビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、エチレンオキシド付加ビスフェノールAのジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ等が挙げられ、これらのポリグリシジルエーテル化合物には、残存するヒドロキシル基に酸無水物や2価の酸化合物を反応させカルボキシル基を導入することもできる。又、ポリグリシジルエステル化合物として、具体的には、例えば、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ、フタル酸のジグリシジルエステル型エポキシ等が、又、ポリグリシジルアミン化合物として、具体的には、例えば、ビス(4−アミノフェニル)メタンのジグリシジルアミン型エポキシ、イソシアヌル酸のトリグリシジルアミン型エポキシ等が、それぞれ挙げられる。
【0083】
又、同様の目的のものとして、例えば特開平2−182378号公報に記載されるような、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸又はその誘導体と例えば3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等のジアミンとがアミド結合を形成して得られ、酸官能基又はエチレン性不飽和結合を有するポリイミド前駆体、及びそれを熱重合させて得られるポリイミド等も挙げられ、更に、各種添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤を、感光性組成物の全量に対して2重量%以下、アクリジン、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体や、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマカライトグリーン、ロイコダイアモンドグリーン等のロイコ染料等の有機又は無機の染顔料からなる着色剤を同じく20重量%以下、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤を同じく40重量%以下、三級アミンやチオール等の感度特性改善剤を同じく10重量%以下、色素前駆体を同じく30重量%以下、の割合で含有していてもよい。
【0084】
本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、390〜430nmの波長域に分光感度の極大ピークを有するのが好ましく、400〜420nmの波長域に分光感度の極大ピークを有するのが更に好ましい。分光感度の極大ピークを前記範囲未満の波長域に有する場合には、感光性組成物として波長390〜430nmのレーザー光に対する感度が劣り、一方、前記範囲超過の波長域に有する場合には、黄色灯下でのセーフライト性が劣ることとなる。
【0085】
尚、本発明において、分光感度の極大ピークとは、例えば、「フォトポリマー・テクノロジー」(山岡亜夫著、昭和63年日刊工業新聞社発行、第262頁)等に詳述されているように、基板表面に感光性層を形成した感光性画像形成材試料を、分光感度測定装置を用い、キセノンランプ又はタングステンランプ等の光源から分光した光を、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して照射して露光した後、現像処理することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを指す。
【0086】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 〕が10mJ/cm2 以下であるのが好ましく、7mJ/cm2 以下であるのが更に好ましく、5mJ/cm2 以下であるのが特に好ましい。この最小露光量〔S410 〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。尚、この最小露光量〔S410 〕の下限は小さい程好ましいが、通常1mJ/cm2 以上である。
【0087】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、前記S410 の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S410 /S450 〕が0.1以下であるのが好ましく、0.05以下であるのが更に好ましい。この比〔S410 /S450 〕が前記範囲超過では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難となる。
【0088】
又、本発明の青紫色レーザー感光性組成物は、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (mJ/cm2 )〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S450−650 /S450 〕が1超過であるのが好ましい。この比〔S450−650 /S450 〕が前記範囲以下では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難な傾向となる。
【0089】
尚、前記波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 〕、波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 〕は、前述した分光感度測定装置を用いての分光感度の極大ピークの測定において、得られる画像高さから算出される画像形成可能な露光エネルギーとして求められ、その際の、現像液の種類、現像温度、現像時間等の現像条件を変化させて決定される最適現像条件で画像を形成し得る最小露光量を意味し、その最適現像条件としては、通常、pH11〜14のアルカリ現像液に温度25℃で0.5〜3分浸漬する条件が採られる。
【0090】
本発明の前記青紫色レーザー感光性組成物は、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、必要に応じて、形成された感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆うことにより、所謂ドライフィルムレジスト材等としての、本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材料とされ、その画像形成材料の感光性組成物層側を、被覆フィルムで覆われている場合にはその被覆フィルムを剥離して、被加工基板上に積層することにより、又は、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、被加工基板上に直接に塗布し乾燥させることにより、被加工基板上に本発明の青紫色レーザー感光性組成物の層が形成された本発明の青紫色レーザー感光性画像形成材とされ、その画像形成材の青紫色レーザー感光性組成物層を、波長390〜430nmのレーザー光により走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させる画像形成方法としての使用形態に好適に用いられる。
【0091】
そのドライフィルムレジスト材等としての画像形成材料として用いられる場合における仮支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。その際、それらのフィルムが画像形成材料の作製時に必要な耐溶剤性や耐熱性等を有しているものであるときは、それらの仮支持フィルム上に直接に感光性組成物塗布液を塗布し乾燥させて本発明の画像形成材料を作製することができ、又、それらのフィルムが耐溶剤性や耐熱性等の低いものであっても、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムや離型フィルム等の離型性を有するフィルム上に先ず感光性組成物層を形成した後、その層上に耐溶剤性や耐熱性等の低い仮支持フィルムを積層し、しかる後、離型性を有するフィルムを剥離することにより、本発明の画像形成材料を作製することもできる。
【0092】
又、塗布液に用いられる溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
【0093】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法等を用いることができる。その際の塗布量は、後述する画像形成、及びそれに引き続くエッチングやメッキ等の加工性等の面から、乾燥膜厚として10μm以上であるのが好ましく、15μm以上であるのが更に好ましく、又、感度等の面から、200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのが更に好ましい。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、30〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜60分間程度、好ましくは10秒〜30分間程度が採られる。
【0094】
又、ドライフィルムレジスト材等としての画像形成材料として用いられる場合には、その画像形成材料が被加工基板に積層されるまでの間、形成された感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆うことが好ましく、その被覆フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。
【0095】
又、前記画像形成材料の感光性組成物層側を、被覆フィルムで覆われている場合にはその被覆フィルムを剥離して、加熱、加圧等して積層することにより、又は、前記感光性組成物塗布液を直接に塗布し乾燥させることにより、本発明の画像形成材を作製するにおける被加工基板は、その上に形成される感光性組成物層をレーザー光により走査露光し現像処理することによって現出されたネガ画像をレジストとしてエッチング加工或いはメッキ加工等することにより、その表面に回路や電極等のパターンが形成されるものであり、銅、アルミニウム、金、銀、クロム、亜鉛、錫、鉛、ニッケル等の金属板そのものであってもよいが、通常、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂、紙、ガラス、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機物、又は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等の複合材料等からなり、その厚さが0.02〜10mm程度の絶縁性支持体表面に、前記金属或いは酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫等の金属酸化物等の金属箔を加熱、圧着ラミネートするか、金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法により、その厚さが1〜100μm程度の導電層を形成した金属張積層板が、好ましく用いられる。
【0096】
尚、前記感光性組成物塗布液を直接に塗布し乾燥させることにより、本発明の画像形成材を作製した場合には、前記被加工基板上に形成された感光性組成物層の酸素による重合禁止作用を防止する等のために、その感光性組成物層上に、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の溶液の塗布、乾燥により形成した保護層が設けられてもよい。
【0097】
そして、青紫色レーザー感光性組成物層を被加工基板上に有する本発明の前記画像形成材は、前記画像形成材料により感光性組成物層が形成されている場合には仮支持フィルムを剥離した後、又は、感光性組成物塗布液を直接に塗布し乾燥させることにより感光性組成物層が形成されている場合であって、前記保護層を有する場合にはその保護層を剥離した後、その感光性組成物層を、青紫色レーザー光により走査露光した後、現像処理することにより、前記被加工基板上にネガ画像が形成される。
【0098】
ここで、レーザー露光光源としては、例えば、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等が挙げられるが、特に、波長域390〜430nmの青紫色領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、その中心波長が約405nmのものであるのが更に好ましい。
【0099】
又、その走査露光方法は、特に限定されるものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザーの出力光強度を、好ましくは1〜100mW、更に好ましくは3〜70mW、発振波長を、好ましくは390〜430nm、更に好ましくは400〜420nm、ビームスポット径を、好ましくは2〜30μm、更に好ましくは4〜20μm、走査速度を、好ましくは50〜500m/秒、更に好ましくは100〜400m/秒、走査密度を、好ましくは2,000dpi以上、更に好ましくは4,000dpi以上として、走査露光する。
【0100】
又、前記レーザー走査露光後の現像処理は、好ましくはアルカリ成分と界面活性剤とを含有する水性現像液を用いてなされる。そのアルカリ成分としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物等が挙げられ、その0.1〜5重量%程度の濃度で用いられる。
【0101】
又、界面活性剤としては、前記青紫色レーザー感光性組成物において挙げたと同様の界面活性剤が挙げられ、中で、ノニオン性、アニオン性、又は両性界面活性剤が好ましく、特に両性界面活性剤、就中、ベタイン型化合物類が好ましい。尚、前記界面活性剤は、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.0005〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で用いられる。
【0102】
更に、現像液には、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤を必要に応じて含有させることができる。又、現像液のpHは、9〜14とするのが好ましく、11〜14とするのが更に好ましい。
【0103】
尚、現像は、通常、前記現像液に画像形成材を浸漬するか、画像形成材に前記現像液をスプレーする等の公知の現像法により、好ましくは10〜50℃程度、更に好ましくは20〜40℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。又、現像処理後、形成されたネガ画像を、例えば高圧水銀灯等の光源によって照射処理するか、又は/及び、例えば140〜160℃程度の温度で加熱処理することにより、レジストとしての耐薬品性等の向上を図ることができる。
【0104】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0105】
実施例1
青紫色レーザー感光性組成物としての下記の各成分をメチルエチルケトン/イソプロパノール(重量比8/2)との混合溶剤100重量部に加えて、室温で攪拌して調液した塗布液を、仮支持フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み19μm)上に、アプリケーターを用いて乾燥膜厚が25μmとなる量で塗布し、90℃のオーブンで5分間乾燥させ、形成された感光性組成物層上に、被覆フィルムとしてのポリエチレンフィルム(厚み25μm)を積層し、1日放置することにより、青紫色レーザー感光性画像形成材料を作製した。
【0106】
(A)エチレン性不飽和化合物
下記(A−1)の化合物(共栄化学社製「ライトエステル9EG」);7.5重量部
下記(A−2)の化合物(共栄化学社製「ライトエステルBP−6EM」);15重量部
下記(A−3)の化合物;22.5重量部
【0107】
【化20】
【0108】
(B)増感色素
下記(B−1)の化合物;0.2重量部
【0109】
【化21】
【0110】
(C)光重合開始剤
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(融点196℃、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)9.925°に最大回折ピークを有するもの);15重量部
(D)高分子結合材
メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比45/15/40、重量平均分子量70,000)に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(メタクリル酸成分のカルボキシル基の37.5モル%が反応);48重量部
その他成分
9−フェニルアクリジン;2重量部
ロイコクリスタルバイオレット;0.2重量部
【0111】
別に、厚み35μmの銅箔を貼り合わせたポリイミド樹脂の銅張積層基板(厚み1.5mm、大きさ250mm×200mm)の銅箔表面を、住友スリーエム社製「スコッチブライトSF」を用いてバフロール研磨し、水洗し、空気流で乾燥させて整面し、次いで、これをオーブンで60℃に予熱した後、その銅張積層板の銅箔上に、前記で得られた青紫色レーザー感光性画像形成材料を、そのポリエチレンフィルムを剥離しながらその剥離面で、ハンド式ロールラミネーターを用いて、ロール温度100℃、ロール圧0.3MPa、ラミネート速度1.5m/分でラミネートすることにより、銅張積層基板上に青紫色レーザー感光性組成物層が形成された青紫色レーザー感光性画像形成材を作製した。
【0112】
得られた青紫色レーザー感光性画像形成材の感光性組成物層について、以下に示す方法で露光感度を測定したところ、1.2mJ/cm2 であった。
<露光感度>
得られた感光性画像形成材の感光性組成物層を、中心波長405nm、レーザー出力5mWのレーザー光源(日亜化学工業社製「NLHV500C」)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μmで、ビーム走査間隔及び走査速度を変えながら走査露光し、次いで、32℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として0.15MPaとなるように吹き付け、最小現像時間の2倍の時間でスプレー現像することによりネガ画像を現出させた。得られた画像について、10μmの線幅が再現するのに要する露光量を求め、青紫色レーザーに対する感度とした。
【0113】
更に、以下に示す方法で分光感度の極大ピークを測定したところ、約410nmであった。
<分光感度の極大ピーク>
画像形成材を50×60mmの大きさに切り出したサンプルを、回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23」)を用い、キセノンランプ(ウシオ電機社製「UI−501C」)を光源として350〜650nmの波長域で分光した光を、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して10秒間照射して露光し、次いで、30℃の1重量%炭酸ナトリウムと0.5重量%の水溶液を現像液として0.15MPaとなるように吹き付け、最小現像時間の2倍の時間でスプレー現像することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを読み取った。
【0114】
又、以下に示す方法で波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (mJ/cm2 )〕を測定したところ、1.7mJ/cm2 であった。又、波長410nmにおける画像形成可能な該最小露光量〔S410 〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S410 /S450 〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (mJ/cm2 )〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S450−650 /S450 〕を測定し、以下の基準で評価したところ、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕共に「A」であった。
【0115】
<S410 ,S410 /S450 ,S450−650 /S450 >
前記と同様にして350〜650nmの波長域で波長を変化させて露光し、現像したときの、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (mJ/cm2 )〕と波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (mJ/cm2 )〕をそれぞれ求め、その比〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕を算出し、以下の基準で評価した。
【0116】
<S410 /S450 の評価基準>
A:S410 /S450 が0.03以下。
B:S410 /S450 が0.03超過0.05以下。
C:S410 /S450 が0.05超過0.1以下。
D:S410 /S450 が0.1超過。
【0117】
<S450−650 /S450 の評価基準>
A:S450−650 /S450 が10超過。
B:S450−650 /S450 が5超過10以下。
C:S450−650 /S450 が1超過5以下。
D:S450−650 /S450 が1以下。
【0118】
別に、得られた青紫色レーザー感光性画像形成材につき、以下に示す方法で、黄色灯下でのセーフライト性を評価したところ、「A」であった。
<黄色灯下でのセーフライト性>
画像形成材を黄色灯照明(約470nm以下の波長の光を遮断した条件)下に、1分間、2分間、5分間、10分間、20分間、30分間放置した後、前記と同様にして、走査露光及び現像処理を行い、前記に比して画像に変化が生じるまでの放置時間を求め、以下の基準で評価した。
A:20分以上
B:10分以上20分未満
C:1分以上10分未満
D:1分未満
【0119】
実施例2
(C)成分の光重合開始剤を、融点172℃、波長1.54ÅのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)21.16°に最大回折ピークを有する、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールに代えたこと、(D)成分の高分子結合材を、スチレン/メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比15/45/15/25、重量平均分子量70,000、酸価140KOH・mg/g)に代えたこと、並びに(E)成分として、N−フェニルグリシンベンジルエステル3重量部、及びN−フェニルグリシンの双極イオン化合物2重量部を用いたこと、の外は、実施例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は0.7mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は1.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0120】
実施例3
(B)成分の増感色素を、下記(B−2)の化合物に代えた外は、実施例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は1.5mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は2.1mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0121】
【化22】
【0122】
実施例4
(A)成分として、前記(A−3)の化合物に代えて下記(A−4)の化合物を用いた外は、実施例2と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は0.6mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は1.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0123】
【化23】
【0124】
比較例1
(A)成分のエチレン性不飽和化合物として、前記(A−1)の化合物を15重量部、前記(A−2)の化合物を30重量部用い、前記(A−3)の化合物を用いなかった外は、実施例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は6.5mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は11.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0125】
比較例2
(B)成分の増感色素を、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンに代えた外は、比較例1と同様にして青紫色レーザー感光性画像形成材を作製し、得られた画像形成材の感光性組成物層について、前記と同様の方法で測定した露光感度は8.0mJ/cm2 、分光感度の極大ピークは約410nm、〔S410 〕は10.0mJ/cm2 、〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650 /S450 〕は共に「A」、セーフライト性も「A」であった。
【0126】
【発明の効果】
本発明は、青紫色領域のレーザー光に対して高感度であって、特に、ドライフィルムレジスト材として、及び直接描画に用いるに好適な青紫色レーザー感光性組成物、並びにそれを用いた画像形成材料、画像形成材、及び画像形成方法を提供することができる。
Claims (10)
- (A)成分のエチレン性不飽和化合物として、更に、ポリオキシアルキレン基を含み、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するエステル(メタ)アクリレート化合物を含む請求項1又は2に記載の青紫色レーザー感光性組成物。
- (B)成分の増感色素が、下記一般式(IIa) 又は(IIb) で表される化合物である請求項1乃至3のいずれかに記載の青紫色レーザー感光性組成物。
- (C)成分の光重合開始剤が、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の青紫色レーザー感光性組成物。
- 390〜430nmの波長域に分光感度の極大ピークを有すると共に、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 〕が10mJ/cm2 以下であり、且つ、波長410nmにおける画像形成可能な該最小露光量〔S410 〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (mJ/cm2 )〕に対する比〔S410 /S450 〕が0.1以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の青紫色レーザー感光性組成物。
- 仮支持フィルム上に、請求項1乃至6のいずれかに記載の青紫色レーザー感光性組成物の層が形成されてなることを特徴とする青紫色レーザー感光性画像形成材料。
- 被加工基板上に、請求項7に記載の青紫色レーザー感光性画像形成材料がその青紫色レーザー感光性組成物層側で積層されてなることを特徴とする青紫色レーザー感光性画像形成材。
- 被加工基板上に積層された青紫色レーザー感光性画像形成材料における青紫色レーザー感光性組成物層の厚さが、10μm以上である請求項8に記載の青紫色レーザー感光性画像形成材。
- 請求項7又は9に記載の青紫色レーザー感光性画像形成材の青紫色レーザー感光性組成物層を、波長390〜430nmのレーザー光により走査露光し、現像処理してネガ画像を現出させることを特徴とする画像形成方法。
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