JP4096842B2 - 熱延コイルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延した鋼帯を熱延コイルとして巻取り、コイルヤードへ搬送する熱延コイルの製造方法に関するものである。
以下の説明においては、1つのコンベア上をコイルが動くことを移送、移載機を使う場合や、または移載機は使わないが、コンベアと次コンベア上をコイルが乗り移ることを移載(コンベアからコイルをクレーンで吊り上げて、次コンベア上、冷却ヤードまたはコイルヤードへ搬送する場合も含む)、上記の移送と移載の両者を含むことを搬送と定義する。
熱延鋼帯の製造においては、熱間圧延した熱延鋼帯をコイラーで巻き取って熱延コイルとし、これをコイルの状態でコイルヤードへ搬送する。そして、次工程へ搬送するまでの間、熱延コイルはここで保管される。
通常、熱延コイルの搬送には、コンベア上に熱延コイルを載置して移送するコンベア移送が用いられている。このコンベア移送において搬送コースを変える場合には、異なるコンベアを交差させ、交差点に移載装置を設けて、コイルをこの移載装置に一旦移してから、再度、次のコンベアに移し変えている。また、搬送コースが直線状である場合でも、距離が長い場合にはコンベアが複数に分割されているため、同様に移載作業が必要となる。さらに、上記の移載作業を、熱延コイルをクレーンで吊り上げることにより行う場合もある。
このようにして熱間圧延後の熱延コイルをコイルヤードまで搬送する際に、コイルの幅方向に疵を生じさせる場合があることが知られている。これは、コイルが搬送中に巻きくずれ、コイルの板面同士が幅方向に擦れてカキ疵状の欠陥となるものである(巻きくずれ疵、巻きずれ疵、カキ疵ともいうが、以下、共ずれ疵と称する)。
共ずれ疵の対策としては、高低差のあるコンベア間に垂直昇降式移送コンベアを配設すると共に、垂直昇降式移送コンベアの昇降作動によりコンベア間に高低差をなくしたコイル搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−277491号公報
特許文献1では、共ずれ疵の発生原因は、下り坂および登り坂の傾斜部を有するコンベアでコイルを搬送する際、傾度を持った状態で搬送されるためにコイル内の加重変動が起こり、コイル幅方向での巻きくずれを生じるためであるとしている。そして、高低差を生ずる場所においては垂直昇降式移送コンベアを採用することによって、傾斜部を有するコンベアをなくし、コイル搬送中に生じるコイル幅方向での巻きくずれ疵を防止できるとしている。
しかしながら、本発明者等の検討によれば、コイルの共ずれ疵は、高低差のある場所への搬送時のみならず、高低差のない場所への搬送時にも生じることが判っており、特許文献1の方法によっては共ずれ疵は完全には防止できない。また、共ずれ疵の発生方向は、特許文献1に示されているコイル幅方向のみならず、鋼帯の長手方向にも発生することが判った。
さらに、従来より、このような共ずれ疵は、コイルの内径の穴が縦になった状態での搬送(アップエンド搬送)時に生じることが知られていた。しかし、発生頻度は低いものの、コイルの内径の穴が横になった状態での搬送(ダウンエンド搬送)時にも共ずれ疵が発生することが判り、品質要求が厳しい最近では問題となってきている。
このように、特許文献1はアップエンド搬送時のコイルの傾斜にのみ着目した共ずれ疵対策であったが、本質的な課題の解決には至っておらず、別の観点からの対策が必要であることが明らかとなった。
したがって、本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、コイル搬送中に生じるコイル幅方向および長手方向の共ずれ疵を根本的に防止することのできる熱延鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
先に述べたように、熱延鋼帯を巻き取ったコイルを搬送中に発生するコイル幅方向および長手方向の共ずれ疵は、鋼帯同士の共ずれにより発生するが、熱延鋼帯の表面はスケールで覆われており、実際にはスケール同士が擦れているはずである。また、コイラーにて巻き取ったコイルは通常450〜680℃程度であり、コイル搬送中に放冷されるために温度は徐々に低下していく。
そこで本発明者等は、この共ずれの発生の要因として、コイルの温度とその温度におけるスケールの特性が関係するとの着想を得て、熱延コイルに共ずれ疵が発生するメカニズムについて鋭意検討を進めた。
図2は、本発明者等が行った、表面にスケールを有する鋼板同士が接触して擦れる現象を再現した実験の説明図である。本図に示すように、表面にスケールを有する鋼板を重ね合わせ、温度条件を変化させて鋼板を相対的に滑らせる実験を行い、スケールの状態等を観察した。
その結果、図3に示すように、鋼板表面のスケールは、温度が高くなるほどスケール間(一方の鋼板表面のスケールと他方の鋼板表面のスケールの間)で圧着し易くなる。一方、スケール自体は、温度が低くなるほど割れやすくなり、温度が高くなるほど延性が増し割れにくくなることが判った。
つまり、温度が充分低い場合には、スケール同士は圧着せず、鋼板はそのスケール表面同士で滑るために母材の鋼板表面に共ずれ疵は発生しない。一方、温度が充分高い場合には、スケール同士が圧着するが、スケールの延性が高くスケールが伸ばされるため、スケールに割れを発生させることなくスケールが塑性変形して鋼板同士が相対的にずれることが可能となる。
ところが、図3に示すように、これらの中間には、スケール間で圧着し易く、且つスケール自体が割れやすい温度域が存在し、この温度域内で疵の発生が顕著になるということが判った。つまり、この温度域では、スケール同士が圧着され、且つ鋼板を相対的に滑らせようとする力が加わるとスケールが壊れやすいために鋼板から剥れ、母材が表に出たところに壊れたスケールの破片が当たって疵が発生することになる。そして、この温度域は約530〜580℃であることが判った。
上述したような共ずれ疵発生のメカニズムによれば、コイルの共ずれ疵は、巻取り後の熱延コイルを搬送する間、上記の温度域において、コイルが傾いたり振動を受ける等によって鋼板同士がずれるような力が加わることにより生じることがわかる。そして、加わる力の方向や大きさによって、コイル幅方向のみならず長手方向にも発生するし、アップエンド搬送時のみならずダウンエンド搬送時にも発生することとなる。
よって、コイルの共ずれ疵を防ぐには、熱延コイルを製造してこれをコイルヤードまで搬送する際に、上記の温度域を避けて搬送すること、特に上記の温度域ではコイルが傾いたり振動したりする移載作業を避けるべきであるという知見を得た。さらに、搬送中のコイル温度を調整するために、熱延コイルの巻取温度や熱延コイルの搬送経路、搬送手段等を調整するとの着想に至った。このように、共ずれ疵の対策として熱延コイルの温度に着目するという観点は、従来の技術にはなかったものであり、これにより共ずれ疵を根本的に解決することが期待できる。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
(1)熱間圧延した熱延鋼帯を所定の巻取温度で巻き取って熱延コイルとし、該熱延コイルをコイルヤードへ搬送する熱延コイルの製造方法であって、熱延コイルの温度が530〜580℃の温度域にあるときに前記熱延コイルの移載作業を行うことなく、前記熱延コイルをコイルヤードへ搬送することを特徴とする熱延コイルの製造方法。
(2)熱間圧延した熱延鋼帯を所定の巻取温度で巻き取って熱延コイルとし、該熱延コイルをコイルヤードへ搬送する熱延コイルの製造方法であって、熱延コイルをコイルヤードへ搬送中に前記熱延コイルの温度が530〜580℃の温度域とならないように、前記熱延コイルを搬送することを特徴とする熱延コイルの製造方法。
(3)熱延コイルの巻取温度を調整することにより搬送中の熱延コイル温度を調整することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の熱延コイルの製造方法。
(4)熱延コイルの搬送経路および/または搬送手段を調整することにより搬送中の熱延コイル温度を調整することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱延コイルの製造方法。
(5)熱延コイルを強制冷却することにより搬送中の熱延コイル温度を調整することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱延コイルの製造方法。
)熱延コイルの搬送中に熱延コイルの表面温度を計測し、この計測結果に基づいて熱延コイル温度を調整することを特徴とする上記(1)乃至()のいずれかに記載の熱延コイルの製造方法。
本発明によれば、熱延コイルの巻取り温度や熱延コイルのコイルヤードまでの搬送手段等を適切に調整することによって、熱延コイルの搬送中に発生する共ずれ疵を防止して、品質上極めてすぐれた熱延コイルを得ることができ、歩留まり向上、直行率向上に寄与する。
図1は本発明の実施に供される熱延コイルの搬送装置を示す全体配置図である。
図1に示す搬送装置は、熱延コイル1を移送する第1〜4のチェーンコンベア11〜14と、第1〜4のチェーンコンベア11〜14のそれぞれの間に配設された熱延コイル1の移載作業を行う移載装置4a、4b、4cと、第1〜4のチェーンコンベア11〜14と直交する方向に配置された第5のチェーンコンベア15とからなる。また、この他にも、熱延コイル1を冷却する冷却ヤード20、熱延コイル1を搬送する天井クレーン(図示せず)があり、第1〜4のチェーンコンベア11〜14から離れて熱延コイルを保管するコイルヤード30がある。
さらに、第1〜4のチェーンコンベア11〜14に近接して、複数の冷却水スプレー装置(図示せず)がコンベアにて移送中の熱延コイルへ向けて設置されており、必要に応じてオンラインで熱延コイルの全体を水冷できる。スプレー装置に限らず扇風機等の送風機を設置してもよい。
前記チェーンコンベア11〜14は、設備を長くするとコストが高くなるのと、移送の効率を考えて複数に分割された構造となっている。
前記チェーンコンベア15は、熱延コイル1を冷却するために冷却ヤード20に熱延コイル1を案内するための移送装置である。
前記移載装置4a、4b、4cは、移載作業地点A、B、Cにおいて熱延コイルをチェーンコンベアから別のチェーンコンベアに移載する装置である。具体的には、本実施形態ではチェーンコンベア方式であるが、他にウォーキングビーム方式のものや、天井クレーンも含まれる。ここで、移載装置4a、4b、4cには移載機は使っておらずコンベアを使っているが、コンベアの間でコイルが乗り移るので前述の定義のとおり移載装置とした。
前記冷却ヤード20では、一般にスプレーノズルを用いた水冷が行われている。
前記コイルヤード30は、熱延コイルを保管するヤードである。
まず熱延コイル1は、コイルリフター等を備えた熱延ラインの出側設備(図示せず)により、コイラーのマンドレルから第1のチェーンコンベア11にアップエンド姿勢で搬送され載置される。
次に熱延コイル1は、移載作業地点Aにおいて移載装置によりチェーンコンベア11からチェーンコンベア12に移される。
こうして、第1のチェーンコンベア11から第4のチェーンコンベア14まで移送された熱延コイル1は、天井クレーンによりコイルヤード30に搬送され、そこで保管される。
上記設備を使用して本発明法を実施する場合には、まず熱延コイルに共ずれ疵が発生する温度域を予め求めておく。本実施形態では、この温度域を530〜580℃に定めた。
次に、本発明法を実施する場合には、(1)熱延コイルの温度が、コイルヤードへの搬送中に予め定めた温度域になる場合には、この温度域での熱延コイルの移載作業を行わない。つまり、熱延コイルをチェーンコンベア上で移送するのはよいとしても、移載装置を用いての熱延コイルの移載作業(コンベアと次コンベア間でのコイル乗り移りも含む)では熱延コイルに振動を与える可能性が高くなり、コイルに共ずれ疵が生じて疵を発生させることになるので、この温度域の間は熱延コイルの移載作業は行わない。
ここで、熱延コイルをチェーンコンベアを用いてコイルヤードへ搬送する場合について、熱延コイルの内径側と外径側とに振動計を取り付けて移送させて熱延コイルの振動状態と共ずれ疵との関係を調査した。その結果、熱延コイルの振動レベル(通常加速度の絶対値で表す)は、チェーンコンベア上で移送中は3m/sec2以下であり、共ずれ疵は発生しないことが判った。一方、通常熱延コイルの移載作業では3m/sec2を超える振動が発生しており、本調査では3.5m/sec2程度の振動レベルであり、そこで共ずれ疵が発生することが判った。
つまり、熱延コイルをチェーンコンベア上で移送する場合であっても、コンベアのガタ等により振動が大きくなって3m/sec2を超えた場合には共ずれ疵が発生して、コンベア移送が行えなくなる可能性があるのでコンベアの設備管理を強化することが好ましい。また、コンベアの設備管理が難しく、コンベア移送中の振動レベルが3m/sec2を超える場合には前記温度域でのコンベア移送を避けることが望ましい。
または、上記設備を使用して本発明法を実施する場合には、(2)熱延コイルの温度が、コイルヤードへの搬送中に予め定めた温度域にならないように、熱延コイルをコイルヤード30に搬送するとよりよい。
上述した(1)および(2)を実現するための具体的な方法としては、(3)熱間圧延した後の巻取り温度を調整すればよい。例えば、予め定めた温度域以下で巻取ることも考えられるし、熱延コイルの搬送時間中の温度降下量を見越して予め定めた温度域よりも高めに巻取ることも考えられる。ただし、熱延鋼帯の材質を確保するため、巻取り温度は制約がある場合が多く、この方法を適用できない場合もある。そのような場合には、以下で説明する(4)や(5)の方法が有効である。
また、上述した(1)および(2)を実現するための具体的な方法としては、(4)熱延コイルの搬送経路および/または搬送手段を調整すればよい。例えば、予め定めた温度域に近づいたら天井クレーン等を用いて熱延コイルを早くコイルヤード30に搬送するとか、予め定めた温度域で移載作業が発生しないように搬送経路を変更するなどの手段を講じる。
さらに、上述した(1)および(2)を実現するための具体的な方法としては、(5)熱延コイルを強制冷却すればよい。例えば、予め定めた温度域に近づいたら熱延コイルをチェーンコンベア15により冷却ヤード20に案内し、予め定めた温度域以下に水冷した後、またチェーンコンベア15により元のチェーンコンベアのラインに戻す。または、第1〜4のチェーンコンベア11〜14に近接して、複数の冷却水スプレー装置や扇風機をコンベアにて移送中の熱延コイルへ向けて設置し、オンラインで予め定めた温度域以下に熱延コイルを水冷したり空冷したりする。ただし、冷却速度の観点からは冷却水を用いることが好ましい。
もちろん、上述した(1)および(2)を実現するための具体的な方法として、上記(3)〜(5)を適宜組み合わせてもよい。このように熱延コイルの巻取り温度や熱延コイルのコイルヤードまでの搬送手段等を適切に調整することによって、熱延コイルの搬送中に発生する共ずれ疵を防止することができる。
また、熱延コイルの温度は、例えば、巻取り温度、雰囲気温度、巻取り後の経過時間、熱延コイルの大きさ等から計算により予測してもよいし、熱延コイルの搬送中に放射温度計等により熱延コイルの表面温度を計測してもよい。そして、この予測値や計測結果に基づいて熱延コイルの搬送経路および/または搬送手段を調整したり、熱延コイルを冷却開始することが好ましい。
しかし、熱延コイルの温度はコイルの外側近傍と内部とでは100℃以上の温度差が付くことがある。熱延鋼帯全長に対して共ずれ疵発生を防止するためには、コイル全体が予め定めた温度域にないことが必要である。つまり、予め定めた温度域が530〜580℃であり、この温度域での熱延コイルの移載作業を行わないとは、移載作業時にはコイル全体で530〜580℃の温度域の部分がないことが理想的である。しかしながら、共ずれ疵は熱延コイルが実際にずれた時に発生するものであり、コイル内の共ずれが発生する部分さえ予め定めた温度域になければよいはずである。実際、本発明者等の検討によれば、共ずれ疵は熱延コイルの最外周から巻厚(コイル径方向の最外周からの距離)50mmの間、特に巻厚40mmの間で生じやすい。ただし、コイラー前ピンチロールとコイラーのマンドレルまでに鋼帯が張り渡された長さに相当する、コイル最尾端部分から長手方向10mに位置する部分では、鋼帯がピンチロールを抜けたら鋼帯に張力がかからないために巻締りが小さく、スケール間を圧着させる力が小さいためにずれが生じても疵が発生しにくい。よって、「コイル最尾端部分から長手方向10mに位置する部分」から「最外周からの巻厚で50mm内側に位置する部分、好ましくは40mm内側に位置する部分」の間の温度が予め定めた温度域になければよい。
なお、本実施形態では、熱延コイルを搬送するのに熱延コイルをアップエンド姿勢で搬送する場合について説明したが、アップエンド姿勢のみならずダウンエンド姿勢にも適用できることは言うまでも無い。
図1に示す熱延コイルの搬送装置を用いて、熱延鋼帯をコイラーで巻取った熱延コイル1を、第1のチェーンコンベア11にアップエンド姿勢で搬送し、そこからコイルヤード30までの搬送を行った。なお、共ずれ疵が発生する温度域を予め調査し、その温度域を530〜580℃と定めた。
図4は、本発明の発明例を示すグラフで、熱延コイルの温度と搬送経路との関係を示している。以下に4つのケースについての本発明例を説明する。なお、図4および以下の本実施例の説明における熱延コイル温度とは、前述したように熱延コイル最外周から巻厚で40mmの位置における温度のことである。
ここで、第1のチェーンコンベア11からコイルヤード30まで熱延コイル1を搬送する通常の搬送手段とは、第1のチェーンコンベア11での移送、A地点での移載装置4aによる移載作業、第2のチェーンコンベア12での移送、B地点での移載装置4bによる移載作業、第3のチェーンコンベア13での移送、C地点での移載装置4cによる移載作業、第4のチェーンコンベア14での移送、天井クレーン作業によるコイルヤード30への移載と定義する。ここで、移載装置4a、4b、4cには移載機は使っておらずコンベアを使っているが、コンベアの間でコイルが乗り移るので前述の定義のとおり移載装置とした。
なお、第1〜第4のチェーンコンベア11〜14は、移送中の熱延コイルの振動レベルが3m/sec2以下となるように設備管理されていた。
[ケース1] 熱延コイルの巻取り温度を搬送中に580℃以下とならない温度に設定する場合
本熱延コイルが、共ずれ疵の発生が顕著になる温度域である約530〜580℃に達する前に、チェーンコンベアでの移送および移載作業地点A、B、Cでの移載作業および第4のチェーンコンベアからコイルヤードへの天井クレーンによる移載作業を終了させるように、熱延コイルの巻取り温度を680℃に設定した。
本熱延コイルが、コイラーでの巻取り以降、第1のチェーンコンベアに載置されてから20分後にコイルヤードに到着したときの熱延コイルの温度は、約630℃であり、共ずれ疵の発生が顕著になる温度域である約530〜580℃より十分高く、コイル幅方向および長手方向の共ずれ疵は全く発生しなかった。
[ケース2] 熱延コイルの搬送経路および搬送手段を調整する場合
本熱延コイルは、巻取り温度を650℃に設定したところ、移載作業地点Cでの移載作業中に巻ずれ疵の発生が顕著になる温度域である約530〜580℃に近づく温度となることが予測された。そこで、第3のチェーンコンベア14での移送の途中から、天井クレーンにより本熱延コイルをコイルヤードに搬送した。
コイルヤードに到着したときの本熱延コイルの温度は、約610℃であり、巻ずれ疵の発生が顕著になる温度域である約530〜580℃より高く、コイル幅方向および長手方向の共ずれ疵は全く発生しなかった。
[ケース3] 熱延コイルに強制冷却を行う場合
本熱延コイルは、巻取り温度を640℃に設定したところ、移載作業地点Cでの移載作業中に巻ずれ疵の発生が顕著になる温度域である約530〜580℃に到達することが予測された。そこで、本熱延コイルを移載作業地点Bでの移載作業を終了した後、第5のチェーンコンベア15での移送を行って冷却ヤード20位置まで移送し、スプレーノズルを用いて本熱延コイルを約530〜580℃の温度域を下回る510℃にまで冷却した。
冷却後、本熱延コイルを第5のチェーンコンベア15での移送を行って、移載作業地点Bに戻り、後は通常の搬送手段に従ってコイルヤードに搬送した。コイルヤードに到着したときの熱延コイルの温度は、約490℃でありコイル幅方向および長手方向の共ずれ疵は全く発生しなかった。
[ケース4] 熱延コイルの巻取り温度を530℃以下に設定する場合
本熱延コイルは、巻取り温度がすでに巻ずれ疵の発生が顕著になる温度域である約530〜580℃を下回る490℃に設定された。そこで第1のチェーンコンベアからコイルヤードまで通常の搬送手段に従って搬送した。
本熱延コイルが、コイラーでの巻取り以降、第1のチェーンコンベアに載置されてから20分後にコイルヤードに到着したときの熱延コイルの温度は、約440℃でありコイル幅方向および長手方向の共ずれ疵は全く発生しなかった。
本発明の実施に供される熱延コイルの搬送装置を示す全体配置図 表面にスケールを有する鋼板同士が接触して擦れる現象を示す説明図 スケール密着性およびスケールの割れの発生しやすさと温度との関係を示す説明図 本発明の発明例で、熱延コイルの温度と搬送経路との関係を示すグラフ
符号の説明
1 熱延コイル
4a、4b、4c 移載装置
11 チェーンコンベア
12 チェーンコンベア
13 チェーンコンベア
14 チェーンコンベア
15 チェーンコンベア
20 冷却ヤード
30 コイルヤード

Claims (6)

  1. 熱間圧延した熱延鋼帯を所定の巻取温度で巻き取って熱延コイルとし、該熱延コイルをコイルヤードへ搬送する熱延コイルの製造方法であって、
    熱延コイルの温度が530〜580℃の温度域にあるときに前記熱延コイルの移載作業を行うことなく、前記熱延コイルをコイルヤードへ搬送することを特徴とする熱延コイルの製造方法。
  2. 熱間圧延した熱延鋼帯を所定の巻取温度で巻き取って熱延コイルとし、該熱延コイルをコイルヤードへ搬送する熱延コイルの製造方法であって、
    熱延コイルをコイルヤードへ搬送中に前記熱延コイルの温度が530〜580℃の温度域とならないように、前記熱延コイルを搬送することを特徴とする熱延コイルの製造方法。
  3. 熱延コイルの巻取温度を調整することにより搬送中の熱延コイル温度を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の熱延コイルの製造方法。
  4. 熱延コイルの搬送経路および/または搬送手段を調整することにより搬送中の熱延コイル温度を調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱延コイルの製造方法。
  5. 熱延コイルを強制冷却することにより搬送中の熱延コイル温度を調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱延コイルの製造方法。
  6. 熱延コイルの搬送中に熱延コイルの表面温度を計測し、この計測結果に基づいて熱延コイル温度を調整することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の熱延コイルの製造方法。
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