JP4096715B2 - 重ね合わせ検査装置および重ね合わせ検査方法 - Google Patents

重ね合わせ検査装置および重ね合わせ検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子や液晶表示素子の製造工程において、基板の上に形成された複数のパターンの重ね合わせ状態を検査する重ね合わせ検査装置および重ね合わせ検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、半導体素子や液晶表示素子の製造工程では、マスク(レチクル)に形成された回路パターンをレジスト膜に焼き付ける露光工程と、レジスト膜の露光部分または未露光部分を溶解する現像工程とを経て、レジスト膜に回路パターン(レジストパターン)が転写され、このレジストパターンをマスクとしてエッチングや蒸着などを行うことにより(加工工程)、レジスト膜の直下に隣接している所定の材料膜に回路パターンが転写される(パターン形成工程)。
【0003】
次いで、上記所定の材料膜に形成された回路パターンの上に別の回路パターンを形成するには、同様のパターン形成工程が繰り返される。パターン形成工程を何回も繰り返し実行することにより、様々な材料膜の回路パターンが基板(半導体ウエハや液晶基板)の上に積層され、半導体素子や液晶表示素子の回路が形成される。
【0004】
ところで、上記の製造工程では、様々な材料膜の回路パターンを精度よく重ね合わせるため、各々のパターン形成工程のうち、現像工程の後でかつ加工工程の前に、基板上のレジストパターンの重ね合わせ状態の検査を行い、製品の歩留まり向上を図っている。この検査は、1つ前のパターン形成工程で形成された回路パターン(以下「下地パターン」という)に対するレジストパターンの重ね合わせ検査である。
【0005】
重ね合わせ検査においては、通常、下地パターンの基準位置を示す下地マークと、レジストパターンの基準位置を示すレジストマークとが用いられる。これらの下地マーク,レジストマークは、上記のパターン形成工程で下地パターン,レジストパターンと同時に形成された凹凸構造である。なお、下地マークとレジストマークの間には、下地パターンとレジストパターンの間と同様、加工対象となる材料膜が形成されている。
【0006】
この状態において、下地マークの位置とレジストマークの位置との差(重ね合わせずれ量)を検出し、得られた重ね合わせずれ量が許容範囲内に含まれるか否かを判断することにより、下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ検査が行われる。
また、重ね合わせずれ量の検出に当たっては、基板上の下地マークとレジストマークとを含む観察領域が装置の視野内に位置決めされ、CCDカメラなどの撮像素子を用いて下地マーク,レジストマークの画像が取り込まれる。そして、このマーク画像に現れたエッジ部分の位置に基づいて重ね合わせずれ量が検出される。エッジ部分とは、マーク画像の中で輝度値が急変する部分である。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−124458号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、下地マークとレジストマークの間には加工対象の材料膜が形成され、下地マークが材料膜で覆われているため、重ね合わせ検査時に取り込まれるマーク画像には、下地マーク自体の画像ではなく、下地マークに対応して材料膜の表面に浮き出た凹凸構造(本明細書では「疑似マーク」という)の画像が含まれることになる。
【0009】
そして、擬似マークの画像からエッジ部分を検出しても、そのエッジ部分の位置は、下地マークのエッジ位置からずれている場合がある。このような場合、マーク画像に現れたエッジ部分の位置に基づいて重ね合わせずれ量を検出しても、正確な検出結果を得ることができなかった。その結果、下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ検査を精度良く行うこともできなかった。
【0010】
本発明の目的は、下地マークが材料膜で覆われた状態において、下地パターンとレジストパターンとの重ね合わせ状態を高精度に検査できる重ね合わせ検査装置および重ね合わせ検査方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の重ね合わせ検査装置は、第1層上に膜が形成され且つ該膜上に第2層が形成されたショット領域の、前記第1層に形成されたパターンと前記第2層に形成されたパターンとの重ね合わせ状態を検査する重ね合わせ検査装置において、前記第1層に形成された第1マークと前記第2層に形成された第2マークが位置するマーク領域の像を撮像して、前記マーク領域の画像に関わる信号を出力する撮像手段と、前記マーク領域の画像に現れたエッジ部分の位置に基づいて、前記第2マークの位置を検出すると共に、前記第1マークに対応して前記膜の表面に浮き出た疑似マークの位置を検出する検出手段と、前記ショット領域内での前記マーク領域の位置ごとに異なる推定式を用い、該推定式にしたがって前記疑似マークと前記第1マークとの位置ずれ量を推定する推定手段と、前記検出手段による検出結果と前記推定手段による推定結果とに基づいて、前記第1マークと前記第2マークとの重ね合わせずれ量を算出する算出手段とを備え、前記推定式は、前記ショット領域を含む被検基板内での前記マーク領域の位置および前記疑似マークに関わる前記エッジ部分の輝度変化の非対称性を特徴づける量を変数とし、該変数と前記位置ずれ量との関係を表す式であり、前記推定手段は、前記位置ずれ量の推定に先立って前記変数の値を求め、該値を前記推定式に代入することで、前記位置ずれ量を推定することを特徴とする
【0012】
また、本発明の重ね合わせ検査方法は、第1層上に膜が形成され且つ該膜上に第2層が形成されたショット領域の、前記第1層に形成されたパターンと前記第2層に形成されたパターンとの重ね合わせ状態を検査する重ね合わせ検査方法において、前記第1層に形成された第1マークと前記第2層に形成された第2マークが位置するマーク領域の像を撮像して、前記マーク領域の画像に関わる信号を出力する撮像工程と、前記マーク領域の画像に現れたエッジ部分の位置に基づいて、前記第2マークの位置を検出すると共に、前記第1マークに対応して前記膜の表面に浮き出た疑似マークの位置を検出する検出工程と、前記ショット領域内での前記マーク領域の位置ごとに異なる推定式を用い、該推定式にしたがって前記疑似マークと前記第1マークとの位置ずれ量を推定する推定工程と、前記検出手段による検出結果と前記推定手段による推定結果とに基づいて、前記第1マークと前記第2マークとの重ね合わせずれ量を算出する算出工程とを備え、前記推定式は、前記ショット領域を含む被検基板内での前記マーク領域の位置および前記疑似マークに関わる前記エッジ部分の輝度変化の非対称性を特徴づける量を変数とし、該変数と前記位置ずれ量との関係を表す式であり、前記推定工程は、前記位置ずれ量の推定に先立って前記変数の値を求め、該値を前記推定式に代入することで、前記位置ずれ量を推定することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する
実施形態の重ね合わせ検査装置10は、図1に示すように、ウエハ11を支持する検査ステージ12と、ウエハ11側に向けて照明光L1を射出する照明光学系(13〜15)とウエハ11の像を形成する結像光学系(16,17)と、CCD撮像素子18と、画像処理装置19と、制御コンピュータ20とで構成されている。
【0017】
この重ね合わせ検査装置10について具体的に説明する前に、ウエハ11(被検基板)の説明を行う。
ウエハ11には、図2(a)に示すように、複数のショット領域21がxy方向に沿って2次元配列されている。また、各々のショット領域21には、複数の回路パターン(何れも不図示)が表面上に積層されている。最上層の回路パターンは、レジスト膜に転写されたレジストパターンである。
【0018】
つまり、ウエハ11は、1つ前のパターン形成工程で形成された下地パターンの上に別の回路パターンを形成する工程の途中(レジスト膜に対する露光・現像後で且つ材料膜に対するエッチング加工前)の状態にある。上記の下地パターンは請求項の「第1層に形成されたパターン」に対応し、レジストパターンは「第2層に形成されたパターン」に対応する。
【0019】
そして、ウエハ11の下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ状態が重ね合わせ検査装置10によって検査される。このため、ウエハ11の各ショット領域21内には、図2(b)に示すように、重ね合わせ状態の検査に用いられる重ね合わせマーク30が形成されている(図中、符号を30A〜30Dとした)。本実施形態では、各ショット領域21の四隅に重ね合わせマーク30が形成されているものとする。
【0020】
また、各々の重ね合わせマーク30は、図3(a),(b)に示すように、外側の下地マーク41と内側のレジストマーク44とで構成されている。図3(a)は、重ね合わせマーク30の平面図であり、図3(b)は、図3(a)のX方向に沿ったC−C断面を示す図である。
下地マーク41,レジストマーク44は、各々、下地パターン,レジストパターン(不図示)と同時に形成され、下地パターン,レジストパターンの基準位置を示している。下地マーク41は請求項の「第1層に形成されたマーク」に対応し、レジストマーク44は「第2層に形成されたマーク」に対応する。
【0021】
さらに、レジストマーク44およびレジストパターンと、下地マーク41および下地パターンとの間には、図3(b)に示すように、加工対象となる材料膜42が形成されている。この材料膜42は、重ね合わせ検査装置10での検査後、レジストマーク44が下地マーク41に対して正確に重ね合わされ、レジストパターンが下地パターンに対して正確に重ね合わされている場合に、レジストマーク44,レジストパターンを介して実際に加工される膜である。
【0022】
このように、重ね合わせ検査の対象となるウエハ11には、各ショット領域21の四隅において、下地マーク41上に材料膜42が形成され且つ材料膜42上にレジストマーク44が形成され、材料膜42の表面42aに、下地マーク41の凹凸構造による疑似マーク47が浮き出ている。
X方向に関して言うと(図3(b))、レジストマーク44は対をなす2つの凸部44a,44bからなる。また、下地マーク41は対をなす2つの凹部41a,41bからなり、疑似マーク47も対をなす2つの凹部47a,47bからなる。この疑似マーク47の凹部47a、凹部47bそれぞれの形状は、材料膜42が化学的機械的研磨法やスパッタリング法を用いて形成された場合に、左右非対称な形状(図4(b)参照)になりやすい。
【0023】
さて次に、重ね合わせ検査装置10(図1)の具体的な構成説明を行う。
重ね合わせ検査装置10の検査ステージ12は、ウエハ11を水平状態に保持すると共に、水平面内で任意の位置に移動可能である。検査ステージ12の法線方向をZ方向、ウエハ11の載置面をXY面とする。
検査ステージ12を移動させることにより、ウエハ11のショット領域21のうち、重ね合わせマーク30(レジストマーク44,下地マーク41,疑似マーク47)が形成された観察領域45(図3(a),(b))を、結像光学系(16,17)の視野内に位置決めできる。観察領域45は、請求項の「マーク領域」に対応する。
【0024】
照明光学系(13〜15)は、光源13と照明レンズ14とプリズム15とで構成され、プリズム15が結像光学系(16,17)の光軸O2上に配置される。結像光学系(16,17)の光軸O2はZ方向に平行である。プリズム15の反射透過面15aは、光軸O2に対して略45°傾けられている。照明光学系(13〜15)の光軸O1は、結像光学系(16,17)の光軸O2に垂直である。
【0025】
結像光学系(16,17)は、対物レンズ16と結像レンズ17とで構成された光学顕微鏡部であり、対物レンズ16が検査ステージ12とプリズム15との間に配置される。結像レンズ17は、第2対物レンズとして機能する光学素子であり、プリズム15を挟んで対物レンズ16とは反対側に配置される。
【0026】
上記の照明光学系(13〜15)および結像光学系(16,17)において、光源13から射出された光は、照明レンズ14を介してプリズム15に導かれ、その反射透過面15aで反射した後(照明光L1)、対物レンズ16側に導かれる。そして、対物レンズ16を通過した後(照明光L2)、検査ステージ12上のウエハ11に入射する。このとき、ウエハ11のショット領域21内の観察領域45(図3)は、照明光L2により略垂直に照明される。
【0027】
そして、照明光L2が照射されたウエハ11の観察領域45からは、そこでの凹凸構造(重ね合わせマーク30)に応じて反射光L3が発生する。この反射光L3は、対物レンズ16とプリズム15とを介して結像レンズ17に導かれ、対物レンズ16と結像レンズ17の作用によってCCD撮像素子18の撮像面上に結像される。このとき、CCD撮像素子18の撮像面上には、反射光L3に基づく拡大像(反射像)が形成される。
【0028】
CCD撮像素子18は、複数の画素が2次元配列されたエリアセンサであり、撮像面上の反射像を撮像し、ウエハ11の観察領域45(図3)の画像に関わる信号を画像処理装置19に出力する。観察領域45の画像は、CCD撮像素子18の撮像面における各画素ごとの輝度値に関する分布(輝度分布)を表している。
なお、上記の結像光学系(16,17)およびCCD撮像素子18は、請求項の「撮像手段」に対応する。画像処理装置19は、請求項の「検出手段」,「推定手段」に対応する。制御コンピュータ20は「推定手段」,「算出手段」に対応する。
【0029】
画像処理装置19は、CCD撮像素子18からの出力信号に基づいて、ウエハ11の観察領域45(重ね合わせマーク30を含む)の反射像を画像として取り込む。
ここで、ウエハ11の観察領域45の画像には、下地マーク41自体の凹凸構造によるエッジ部分ではなく、下地マーク41の形状の影響を受けて材料膜42の表面42aに浮き出た凹凸構造(X方向については凹部47a,47b)による疑似マーク47のエッジ部分と、レジストマーク44の凹凸構造(X方向については凸部44a,44b)によるエッジ部分とが現れる。エッジ部分とは、画像のうち輝度値の急変部分である。
【0030】
画像処理装置19は、ウエハ11の観察領域45の画像に現れた複数のエッジ部分のうち、レジストマーク44に関わるエッジ部分の位置(ここでは図3のC,D)に基づいて、レジストマーク44の位置(ここでは図3における凸部44a,44bの中心位置Wr)を検出する。また、疑似マーク47に関わるエッジ部分の位置(ここでは図3のE,F)に基づいて、疑似マーク47の位置(ここでは図3における凹部47a,47bの中心位置Wg)を検出する。
【0031】
なお、下地マーク41の位置は、エッジ部分41a,41bの位置(図3のS1,S2)の中心位置Wsとなる。しかし、ウエハ11の重ね合わせ検査は、下地マーク41が材料膜42で覆われた状態のときに行われるため、下地マーク41の位置Sを直接検出することはできない。
図4は、擬似マーク47が対称であることと非対称であることを説明するための図である。擬似マーク47のエッジ部分47aと47bの双方の形状が図4(a)に示すような対称性を有しておれば、結果として擬似マーク47の位置Wgは、下地マークの位置Wsに一致する。
【0032】
そして、疑似マーク47の位置Wgが下地マーク41の位置Wsからずれている場合は、レジストマーク44の位置Wrと疑似マーク47の位置Wgとの差に基づいて、ウエハ11の下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせずれ量Δを検出しようとしても、正確な結果は得られない。
そこで、本実施形態の重ね合わせ検査装置10では、制御コンピュータ20が疑似マーク47と下地マーク41との位置ずれ量(δ)を推定し、推定した位置ずれ量(δ)を用いて補正することにより、ウエハ11の下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせずれ量Δを正確に検出する(詳細は後述する)。
【0033】
重ね合わせずれ量Δの検出のため、上記したレジストマーク44の位置Wrおよび疑似マーク47の位置Wgに関する検出結果は、画像処理装置19から制御コンピュータ20に出力される。
また、画像処理装置19は、制御コンピュータ20が疑似マーク47と下地マーク41との位置ずれ量(δ)を推定するに備えて、疑似マーク47のエッジ部分の形状がどの程度非対称であるかを示す特徴量(以下「非対称性特徴量」という)を検出し、制御コンピュータ20に出力する。
【0034】
さらに、上記の非対称性特徴量に加えて、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)、および、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)も、制御コンピュータ20に出力する。本実施形態において、ショット領域21内での位置(Xs,Ys)とは、図2(b)の4つの重ね合わせマーク30A〜30Dのうち何れか1つを特定するための情報である。
【0035】
なお、疑似マーク47のエッジ部分の形状の非対称性特徴量を検出するに当たって、画像処理装置19は、ウエハ11の観察領域45の画像に現れたエッジ部分のうち、疑似マーク47に関わるエッジ部分の所定方向に沿った輝度変化を参照する。そして、この輝度変化の非対称性を特徴づける量を非対称性特徴量として検出する。
【0036】
ちなみに、X方向に沿った輝度変化には、図5に示すように、疑似マーク47の2つの凹部47a,47bに対応する波形部分57a,57bと、レジストマーク44の2つの凸部44a,44bに対応する波形部分54a,54bとが現れている。このうち波形部分57a,57bの輝度変化に基づいて、疑似マーク47のエッジ部分の形状の非対称性特徴量が検出される。
【0037】
疑似マーク47のエッジ部分の形状の非対称性特徴量としては、例えば、(1)波形部分57aの外側の変曲点aと極小点bとを結ぶ線分abの傾きS(ab)と、(2)波形部分57aの外側の極小点bと内側の極小点cとを結ぶ線分bcの傾きS(bc)と、(3)波形部分57aの内側の極小点cと変曲点dとを結ぶ線分cdの傾きS(cd)と、(4)波形部分57bの内側の変曲点eと極小点fとを結ぶ線分efの傾きS(ef)と、(5)波形部分57bの内側の極小点fと外側の極小点gとを結ぶ線分fgの傾きS(fg)と、(6)波形部分57bの外側の極小点gと変曲点hとを結ぶ線分ghの傾きS(gh)との6つが考えられる。
【0038】
Y方向に沿った輝度変化についても同様であり、疑似マーク47の凹凸構造に対応する2つの波形部分の輝度変化に基づいて、Y方向に関する非対称な形状を示す特徴量(傾き)が検出される。傾きとは、2点間の輝度差と所定方向(X方向またはY方向)に沿った距離との比で表される。以下、X方向を例に説明を行う。Y方向についてはX方向と同じであるため、説明を省略する。
【0039】
本実施形態の画像処理装置19では、上記した6つの傾きS(ab),S(bc),S(cd),S(ef),S(fg),S(gh)のうち、対をなす任意の2つ(例えばS(bc),S(fg))を検出し、非対称性特徴量として制御コンピュータ20に出力する。S(bc),S(fg)に代えて、S(ab),S(gh)を用いても、S(cd),S(ef)を用いてもよい。
さらに、本実施形態の画像処理装置19では、上記の非対称性特徴量(2つの傾きS(bc),S(fg))に加え、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)、および、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)も、制御コンピュータ20に出力する。
【0040】
そして、制御コンピュータ20では、疑似マーク47のエッジ部分の非対称性特徴量(2つの傾きS(bc),S(fg))と、観察領域45の位置(Xw,Yw)および位置(Xs,Ys)とに基づいて、次の方法により、疑似マーク47と下地マーク41との位置ずれ量(δ)を推定する。
位置ずれ量(δ)の推定のため、制御コンピュータ20内のメモリには、4つの推定式が予め記憶されている。4つの推定式は何れも、次の式(1)のように、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)、および、疑似マーク47のエッジ部分の非対称性特徴量(2つの傾きS(bc),S(fg))を変数とし、これらの変数と位置ずれ量(δ)との関係を表したものである。式(1)のk0,k1,k2,k3,k4は、予め決定された係数である。
【0041】
δ=k0+k1・Xw+k2・Yw+k3・S(bc)+k4・S(fg) …(1)また、4つの推定式の各々は、通常、係数k0,k1,k2,k3,k4の値が互いに異なっている。そして、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)、つまり、4つの重ね合わせマーク30A〜30D(図2(b))の各々に対応づけられて、制御コンピュータ20内のメモリに記憶されている。
【0042】
したがって、制御コンピュータ20では、まず、画像処理装置19から取得した観察領域45の位置(Xs,Ys)に基づいて、メモリ内の4つの推定式のうち1つを選択する。そして次に、選択した推定式の変数に、画像処理装置19から取得した観察領域45の位置(Xw,Yw)と非対称性特徴量(2つの傾きS(bc),S(fg))を代入することで、位置ずれ量(δ)を推定する。
【0043】
すなわち、制御コンピュータ20では、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)、つまり、4つの重ね合わせマーク30A〜30D(図2(b))ごとに異なる推定式を用いて、位置ずれ量(δ)の推定を行う。
ここで、異なるショット領域21に各々形成された重ね合わせマーク30どうしは、ショット領域21内での位置(Xs,Ys)が同じであれば、下地マーク41を覆っている材料膜42の形成状態に共通する傾向があると考えられる。このため、材料膜42の表面42aに浮き出た疑似マーク47のエッジ部分の形状(非対称性)にも、疑似マーク47の位置ずれ量(δ)にも、共通する傾向があると考えられる。
【0044】
逆に、異なるショット領域21に各々形成された重ね合わせマーク30どうしは、ショット領域21内での位置(Xs,Ys)が異なれば、下地マーク41を覆っている材料膜42の形成状態にも、材料膜42の表面42aに浮き出た疑似マーク47のエッジ部分の形状(非対称性)にも、疑似マーク47の位置ずれ量(δ)にも、共通する傾向がないと考えられる。
【0045】
したがって、本実施形態では、疑似マーク47の位置ずれ量(δ)がショット領域21内での位置(Xs,Ys)に依存すると考え、上記のように、その位置(Xs,Ys)ごとに異なる推定式を用いて位置ずれ量(δ)を推定する。その結果、位置ずれ量(δ)の推定精度を確実に向上させることができる。
さて次に、ショット領域21内での位置(Xs,Ys)ごとに異なる4つの推定式(式(1)参照)について、その作成手順を説明する。推定式の作成に当たっては、テストウエハが重ね合わせ検査装置10の検査ステージ12に載置される。テストウエハには、ウエハ11の重ね合わせマーク30A〜30D(図2(b))と同様の重ね合わせマークがn個のショット領域21の四隅に各々形成されているとする。
【0046】
また、テストウエハの各重ね合わせマークも、図3(b)に示すように、下地マークが材料膜で覆われた状態にある。この状態で、各々の重ね合わせマークを含む観察領域は、順次、重ね合わせ検査装置10の視野内に位置決めされ、画像として画像処理装置19に取り込まれる。
そして、画像処理装置19は、上記のウエハ11に対する重ね合わせ検査時と同様に、テストウエハの各重ね合わせマークにおけるレジストマークの位置Triと、疑似マークの位置Tgiと、疑似マークのエッジ形状の非対称性特徴量(2つの傾きS(bc)i,S(fg)i)とを検出する(i=1,2,…,n)。これらの検出結果は、テストウエハ内での観察領域の位置(Xwi,Ywi)とショット領域内での位置(Xsi,Ysi)とに対応づけられ、制御コンピュータ20内のメモリに記憶される。
【0047】
次いで、テストウエハの各重ね合わせマークにおける下地マークの位置Tsiを直接検出するために、テストウエハの材料膜が実際にエッチングされる(図6の状態)。そして、エッチング後のテストウエハが改めて検査ステージ12に載置され、同様に、各重ね合わせマークの画像が取り込まれる。
このとき取り込まれた画像には、下地マーク自体の凹凸構造に関わるエッジ部分が現れる。したがって、画像処理装置19では、各々の重ね合わせマークにおける下地マークの位置Tsiを直接検出することができる(i=1,2,…,n)。また、レジストマークの位置Triも同様に検出する。これらの検出結果も、観察領域のテストウエハ内での位置(Xwi,Ywi)とショット領域内での位置(Xsi,Ysi)とに対応づけられ、制御コンピュータ20内のメモリに記憶される。
【0048】
そして、制御コンピュータ20では、テストウエハを用いて検出した疑似マークの位置Tgiと下地マークの位置Tsiとの差に基づいて、テストウエハ内での位置(Xwi,Ywi)ごとに、位置ずれ量(Tgi−Tsi)を算出する。
この位置ずれ量(Tgi−Tsi)は、ウエハ11の表面内での2次元ベクトル量であり、例えば図7(a)に示すような分布となる。図7(a)において、各ベクトルの始点は、観察領域の位置に対応している。図7(a)は、15個のショット領域について、各ショット領域の四隅に形成された重ね合わせマーク30A〜30Dそれぞれの位置ずれ量(Tgi−Tsi)を示している。図7(a)の横軸は各ベクトルのX方向の長さ(nm)を表し、縦軸はY方向の長さ(nm)を表している。
【0049】
また、上記の位置ずれ量(Tgi−Tsi)は、エッチング前の重ね合わせずれ量ΔBiとエッチング後の重ね合わせずれ量ΔAiとの差に相当している。エッチング前の重ね合わせずれ量ΔBiとは、図3(b)の状態で検出したレジストマークの位置Triと疑似マークの位置Tgiとの差である。エッチング後の重ね合わせずれ量ΔAiとは、図6の状態で検出したレジストマークの位置Triと下地マークの位置Tsiとの差である。
【0050】
図7(a)に示す位置ずれ量(Tgi−Tsi)のベクトル分布を、エッチング前後の重ね合わせずれ量ΔBi,ΔAiを用いて表すと、例えば図7(b),(c)のようになる。図7(b),(c)の横軸はエッチング後の重ね合わせずれ量ΔAiの大きさ(x,y)を表し、縦軸はエッチング前の重ね合わせずれ量ΔBiの大きさ(x,y)を表している。
【0051】
図7(b),(c)の各々において、中央の45°ラインは、エッチング前後の重ね合わせずれ量ΔBi,ΔAiの大きさ(x,y)が一致する理想的な場合を表している。既に説明したように、疑似マークのエッジ部分の形状が非対称な場合(図4(b))には、エッチング前後の重ね合わせずれ量ΔBi,ΔAiが一致せず、図7(b),(c)に示すように測定点が理想的な45°ラインから大きく外れることになる。
【0052】
そして、図7(b)における45°ラインからの外れ量は、図7(a)の位置ずれ量(Tgi−Tsi)のX方向の長さに対応する。同様に、図7(c)における45°ラインからの外れ量は、図7(a)の位置ずれ量(Tgi−Tsi)のY方向の長さに対応する。
これらの外れ量を補正して、各々の測定点を45°ライン上に乗せるために、制御コンピュータ20は、位置ずれ量(Tgi−Tsi)が、疑似マークのエッジ部分の形状の非対称性特徴量(2つの傾きS(bc)i,S(fg)i)と、テストウエハ内での位置(Xwi,Ywi)との線形結合で表されると仮定して、次の関係式(2)を作成する(i=1,2,…,n)。k0,k1,k2,k3,k4は、未知の係数である。
【0053】
Tgi−Tsi = k0+k1・Xwi+k2・Ywi
+k3・S(bc)i+k4・S(fg)i …(2)さらに、前述した通り、異なるショット領域に各々形成された重ね合わせマークどうしは、ショット領域内での位置(Xsi,Ysi)が同じであれば、疑似マークのエッジ部分の形状(非対称性)および位置ずれ量(Tgi−Tsi)に、共通の傾向(規則性)があると考えられる。
【0054】
したがって、制御コンピュータ20は、上記の関係式(2)のうち、ショット領域内での位置(Xsi,Ysi)が同じものどうしを選択し、選択した関係式(2)に含まれる実測値「Tgi,Tsi,Xwi,Ywi,S(bc)i,S(fg)i」の組み合わせから(i∈[1,2,…n])、重回帰分析によって、未知の係数k0,k1,k2,k3,k4を計算する。
【0055】
本実施形態では、ショット領域内の重ね合わせマーク30A〜30D(図2(b))ごとに、上記の関係式(2)から重回帰分析によって係数k0,k1,k2,k3,k4の値を計算し、上記した位置ずれ量(δ)の推定式(式(1))を決定する。このため、制御コンピュータ20内のメモリには、4つの推定式がショット領域内の重ね合わせマーク30A〜30Dに対応づけられて記憶される。
【0056】
このように、本実施形態の重ね合わせ検査装置10では、位置ずれ量(δ)の推定式(式(1))がウエハ11に対する重ね合わせ検査に先立って決定され、メモリ内に記憶されているため、制御コンピュータ20では、まず、画像処理装置19から取得した観察領域45の位置(Xs,Ys)に基づいて、メモリ内の4つの推定式のうち1つを選択する。
【0057】
そして次に、選択した推定式の変数に、画像処理装置19から取得した観察領域45の位置(Xw,Yw)と非対称性特徴量(2つの傾きS(bc),S(fg))を代入する。その結果、疑似マーク47と下地マーク41との位置ずれ量(δ)を精度良く推定することができる。
さらに、制御コンピュータ20では、画像処理装置19によって既に検出されていたレジストマーク44の位置Wrと疑似マーク47の位置Wgとの差を計算する。この差(Wr−Wg)は、材料膜42に対するエッチング前(図3(b))の状態)での重ね合わせずれ量ΔBに相当する。
【0058】
そして、このエッチング前の重ね合わせずれ量ΔBを上記の高精度な推定結果(位置ずれ量δ)に基づいて補正することにより、下地マーク41に対するレジストマーク44の重ね合わせずれ量ΔB(=Wr−Wg+δ)を検出する。その結果、重ね合わせずれ量ΔBの正確な検出結果を得ることができる。
ここで、高精度な推定結果(位置ずれ量δ)による補正後の重ね合わせずれ量ΔB、つまり、本実施形態の重ね合わせ検査装置10による検出結果について、その正確性を検討しておく。この検討のため、上記したテストウエハの場合と同様に、ウエハ11の材料膜42を実際にエッチングする(図6の状態)。そして、エッチング後のウエハ11における各重ね合わせマーク30の画像を取り込む。
【0059】
取り込まれた画像には、下地マーク41自体の凹凸構造に関わるエッジ部分が現れている。したがって、画像処理装置19は、各々の重ね合わせマーク30における下地マーク41の位置Tsを直接検出すると共に、レジストマークの位置Trを検出し、検出結果を制御コンピュータ20に出力する。さらに、制御コンピュータ20は、レジストマークの位置Trと下地マーク41の位置Tsとの差に基づいて、エッチング後の重ね合わせずれ量ΔAを計算する。
【0060】
このようにして得られたエッチング後の重ね合わせずれ量ΔAに対して、本実施形態の重ね合わせ検査装置10による検出結果(エッチング前でかつ補正後の重ね合わせずれ量ΔB)が一致しているか否かは、図8(a)〜(c)に示される通りである。図8(a)における観察領域の各位置は、図7(a)と同じである。また、図8(a)〜(c)の縦軸,横軸は、図7(a)〜(c)と同じである。
【0061】
図8(b),(c)と図7(b),(c)を比較すると分かるように、図8(b),(c)の方が、各々の測定点の理想的な45°ラインからの外れ量が小さい。これは、エッチング前の重ね合わせずれ量ΔBを上記の高精度な推定結果(位置ずれ量δ)に基づいて補正することにより、エッチング後の重ね合わせずれ量ΔAに近い値の正確な検出結果が得られたことを意味する。
【0062】
このことは、図8(a)と図7(a)を比較しても分かる。図8(a)は、エッチング前でかつ補正後の重ね合わせずれ量ΔBとエッチング後の重ね合わせずれ量ΔAとの差を、ウエハ11の表面内でのベクトル分布として表したものである。各々のベクトルは、図8(a)の方が短い。これは、上記の高精度な推定結果(位置ずれ量δ)に基づく補正によって正確な検出結果が得られることを表している。
【0063】
なお、図8(b),(c)において、各測定点の45°ラインからの外れ量は、最大値が51.88(nm),45.43(nm)であり、標準偏差が24.21(nm),14.03(nm)であった。これに対して、図7(b),(c)では、最大値が149.14(nm),105.02(nm)であり、標準偏差が60.67(nm),48.78(nm)である。これらの数値からも、上記の高精度な推定結果(位置ずれ量δ)に基づく補正によって正確な検出結果が得られることが分かる。
【0064】
このように、本実施形態では、下地マーク41とレジストマーク44との重ね合わせずれ量ΔBを正確に検出できるため、下地マーク41が材料膜42で覆われた状態のときに疑似マーク47のエッジ部分の形状が非対称でも、下地パターンとレジストパターンとの重ね合わせ状態を高精度に検査することができる。
また、重ね合わせ検査の精度が向上するので、製品の歩留まりを実質的に向上させることができる。さらに、半導体素子や液晶表示素子の高集積化にも対応できる。なお、位置ずれ量δに基づく補正に際して、取り込む画像数は変わらないので、演算時間に要する分だけ処理時間が増える程度であり、従来までの重ね合わせ検査装置と比べて検査速度が殆ど変わらないという利点もある。
【0065】
上記した実施形態では、式(1)のように、位置ずれ量の推定式の変数として、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)と、疑似マーク47のエッジ部分の形状の非対称性特徴量(2つの傾きS(bc),S(fg))とを用いたが、本発明はこの例に限定されない。非対称性特徴量は、傾きS(bc),S(fg)に代えて、傾きS(ab),S(gh)を用いても、傾きS(cd),S(ef)を用いてもよい。これらの傾きS(ab),S(bc),S(cd),S(ef),S(fg),S(gh)を任意に組み合わせても良い。
【0066】
また、位置ずれ量の推定式の変数として、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)のみを用いても、非対称性特徴量のみを用いてもよい。その他に、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)を、位置ずれ量の推定式の変数として用いることもできる。
また、上記した実施形態では、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)ごとに異なる推定式を用いて位置ずれ量(δ)の推定を行ったが、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)に拘わらず同じ推定式を用いて位置ずれ量(δ)を推定してもよい。この場合、推定式の変数としては、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)を用いることが好ましく、この位置(Xw,Yw)と非対称性特徴量とを組み合わせても良い。
【0067】
図9(a)は、図7(a)の場合とは、別のテストウエハを用いて、図7(a)の場合と同様の観察領域の位置における位置ずれ量(Tgi−Tsi)の分布を示したものである。図9(a)〜(c)の縦軸,横軸は、図7(a)〜(c)と同じである。
図10(a)は、上述のように、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)に拘わらず同じ推定式を用いて位置ずれ量(δ)を推定した例である。すなわち、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)、および、疑似マーク47のエッジ部分の形状の非対称性特徴量(4つの傾き)を変数とし、これらの変数と位置ずれ量(δ)との関係を表した1つの推定式を用いた場合である。図10(a)における観察領域の各位置は、図9(a)と同じである。また、図10(a)〜(c)の縦軸,横軸は、図9(a)〜(c)と同じである。
【0068】
この場合でも、図9,図10に示す通り、ウエハ11の全面において疑似マーク47と下地マーク41との位置ずれ量(δ)を精度良く推定することができ、重ね合わせずれ量ΔBの正確な検出結果を得ることができる。これは、図9(a)のように、位置ずれ量がウエハの中心から外周方向へ放射状に分布している場合には、その位置ずれ量は、ショット領域21内での観察領域45の位置(Xs,Ys)よりも、ウエハ11内での観察領域45の位置(Xw,Yw)に大きく影響されるからである。
【0069】
さらに、上記した実施形態では、重ね合わせ検査装置10内の画像処理装置19,制御コンピュータによって、疑似マーク47と下地マーク41との位置ずれ量(δ)の推定や重ね合わせずれ量ΔBの検出などを行ったが、重ね合わせ検査装置10に接続された外部のコンピュータを用いた場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、下地マークが材料膜で覆われた状態において、下地パターンとレジストパターンとの重ね合わせ状態を高精度に検査できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の重ね合わせ検査装置10の全体構成図である。
【図2】ウエハ11のショット領域21を説明する図である。
【図3】ショット領域21内の重ね合わせマーク30を説明する図である。
【図4】疑似マーク47の凹部47a,47bの形状が対称な場合(a)と非対称な場合(b)とを説明する図である。
【図5】重ね合わせマーク30の画像の輝度変化を説明する図である。
【図6】材料膜42に対するエッチング後の状態を説明する図である。
【図7】材料膜42に対するエッチング前後のウエハ11において各々検出した重ね合わせずれ量(補正前)を説明する図である。
【図8】材料膜42に対するエッチング前後のウエハ11において各々検出した重ね合わせずれ量(補正後)を説明する図である。
【図9】材料膜42に対するエッチング前後のウエハ11において各々検出した重ね合わせずれ量(補正前)を説明する図である。
【図10】材料膜42に対するエッチング前後のウエハ11において各々検出した重ね合わせずれ量(補正後)を説明する図である。
【符号の説明】
10 重ね合わせ検査装置
11 ウエハ
12 検査ステージ
13 光源
14 照明レンズ
15 プリズム
16 対物レンズ
17 結像レンズ
18 CCD撮像素子
19 画像処理装置
20 制御コンピュータ
21 ショット領域
30 重ね合わせマーク
41 下地マーク
42 材料膜
44 レジストマーク
45 観察領域
47 疑似マーク

Claims (2)

  1. 第1層上に膜が形成され且つ該膜上に第2層が形成されたショット領域の、前記第1層に形成されたパターンと前記第2層に形成されたパターンとの重ね合わせ状態を検査する重ね合わせ検査装置において、
    前記第1層に形成された第1マークと前記第2層に形成された第2マークが位置するマーク領域の像を撮像して、前記マーク領域の画像に関わる信号を出力する撮像手段と、
    前記マーク領域の画像に現れたエッジ部分の位置に基づいて、前記第2マークの位置を検出すると共に、前記第1マークに対応して前記膜の表面に浮き出た疑似マークの位置を検出する検出手段と、
    前記ショット領域内での前記マーク領域の位置ごとに異なる推定式を用い、該推定式にしたがって前記疑似マークと前記第1マークとの位置ずれ量を推定する推定手段と、
    前記検出手段による検出結果と前記推定手段による推定結果とに基づいて、前記第1マークと前記第2マークとの重ね合わせずれ量を算出する算出手段とを備え
    前記推定式は、前記ショット領域を含む被検基板内での前記マーク領域の位置および前記疑似マークに関わる前記エッジ部分の輝度変化の非対称性を特徴づける量を変数とし、該変数と前記位置ずれ量との関係を表す式であり、
    前記推定手段は、前記位置ずれ量の推定に先立って前記変数の値を求め、該値を前記推定式に代入することで、前記位置ずれ量を推定する
    ことを特徴とする重ね合わせ検査装置。
  2. 第1層上に膜が形成され且つ該膜上に第2層が形成されたショット領域の、前記第1層に形成されたパターンと前記第2層に形成されたパターンとの重ね合わせ状態を検査する重ね合わせ検査方法において、
    前記第1層に形成された第1マークと前記第2層に形成された第2マークが位置するマーク領域の像を撮像して、前記マーク領域の画像に関わる信号を出力する撮像工程と、
    前記マーク領域の画像に現れたエッジ部分の位置に基づいて、前記第2マークの位置を検出すると共に、前記第1マークに対応して前記膜の表面に浮き出た疑似マークの位置を検出する検出工程と、
    前記ショット領域内での前記マーク領域の位置ごとに異なる推定式を用い、該推定式にしたがって前記疑似マークと前記第1マークとの位置ずれ量を推定する推定工程と、
    前記検出手段による検出結果と前記推定手段による推定結果とに基づいて、前記第1マークと前記第2マークとの重ね合わせずれ量を算出する算出工程とを備え、
    前記推定式は、前記ショット領域を含む被検基板内での前記マーク領域の位置および前記疑似マークに関わる前記エッジ部分の輝度変化の非対称性を特徴づける量を変数とし、該変数と前記位置ずれ量との関係を表す式であり、
    前記推定工程は、前記位置ずれ量の推定に先立って前記変数の値を求め、該値を前記推定式に代入することで、前記位置ずれ量を推定する
    ことを特徴とする重ね合わせ検査方法。
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