JP4095949B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚外用剤、特にアスコルビン酸系及び/又はアルコキシサリチル酸系塩型美白剤を配合した皮膚外用剤の増粘性や使用感等の改善に関する。
美白効果を有する化粧料に対する市場ニーズは高く、その効果から2−アスコルビン酸−2−グルコシドカリウムやリン酸−L−アスコルビルマグネシウム等のアスコルビン酸塩や、4−メトキシサリチル酸カリウム等のアルコキシサリチル酸塩等が美白剤として化粧料に配合されている。
一方、化粧料において、使用感はその商品価値の重要な要因の一つであり、スキンケア製剤の増粘剤としては、増粘性が高く、しかもみずみずしくべたつきが少ない使用感から、カルボキシビニルポリマーが汎用されている。
しかしながら、上記のアスコルビン酸系あるいはアルキルサリチル酸系の塩型美白剤を主剤として配合すると、カルボキシビニルポリマーの増粘作用は激減してしまい、カルボキシビニルポリマーの配合量を増量すると、べたつきやヨレ(高分子のカス)を生じるという問題があった。
このような問題を解決するために、従来多糖類系増粘剤であるキサンタンガムや寒天などの多糖類を用いていたが、キサンタンガムは増粘性があまり高くないため、目標とする粘度を得るために高配合すると、使用感がヌルヌルしたり、べたつき感を生じるといいう問題があった。
このように、アスコルビン酸系やアルコキシサリチル酸系の塩型美白剤を主剤とする皮膚外用剤においては、みずみずしくべたつかない使用感を実現できる増粘剤が少なく、そのため、製剤のバリエーションが限定されていた。特に、2,000〜10,000mPa・sの中粘度美白エッセンスや、粘度10,000mPa・s以上の高粘度美白ジェルといった製剤においてバリエーションが乏しかった。
近年では、寒天やジェランガム等を用いて形成される硬くて脆いゲルを機械的に粉砕し、得られたミクロゲルが、耐塩性の高い増粘剤として機能し得ることが報告されている(特許文献1)。
特開2001−342125号公報
しかしながら、上記技術はミクロゲル調製のための粉砕工程を必要とするため、工程が煩雑となり、コスト的にも高くなるという問題があった。また、離水など安定性の点で十分でなく、他の増粘剤との併用が必要であった。
よって、塩型美白剤を配合した組成物において、このような粉砕工程等を要しない簡便な方法で増粘・ゲル化でき、安定性、使用感にも優れる製剤が望まれるところであった。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、アスコルビン酸系/アルコキシサリチル酸系塩型美白剤配合系において、簡便な操作で十分な粘度が得られ、且つ経時安定性、使用感にも優れる皮膚外用剤を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意研究を行った結果、塩型美白剤配合系において、カラギーナン、特にイオタ型カラギーナンを用いることにより、低濃度でゲル化し、しかも皮膚に塗布した際には、容易にゲルが潰れ、みずみずしくべたつきやヌメリのない使用感を発揮し、また、経時安定性も優れることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる皮膚外用剤は、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体の塩、及びアルコキシサリチル酸の塩からなる群から選ばれる一種以上の塩である塩型美白剤と、イオタ型カラギーナンと、ナトリウム又はカリウムの中性塩もしくはアルカリである水溶性塩類の一種以上と、を配合し、
前記アスコルビン酸誘導体は、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、dl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル、及び2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸であり、
前記アルコキシサリチル酸は、下記一般式(I)で示されるものであり、
pHが6〜7.5であり、粘度が2,000〜30,000mPa・s(30℃)であることを特徴とする。
一般式(I):
Figure 0004095949
(式中、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
本発明の皮膚外用剤において、イオタ型カラギーナン量に対する中性塩もしくはアルカリの量が質量で0.1〜10倍であることが好適である。
また、前記中性塩が塩化ナトリウム及び塩化カリウムであり、前記アルカリが水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムであることが好適である。
本発明によれば塩型美白剤を主剤とする美白用皮膚外用剤において特にイオタ型カラギーナンを増粘剤として用い、ナトリウム又はカリウムの中性塩もしくはアルカリである水溶性塩類の一種以上を用いることにより、pHが6〜7.5であり、2,000〜30,000mPa・s/30℃の中〜高粘度で、皮膚上に塗布した場合には均一によくのび、使用感がみずみずしく、ぬめりやべたつきもなく、しかも離水や減粘といった安定性上の問題のない皮膚外用剤とすることができる。
本発明において塩型美白剤とは、それ自体が塩型であるか、あるいはアルカリ剤により中和されて塩を形成する美白剤を意味し、アスコルビン酸系美白剤の塩、アルコキシサチル酸系美白剤の塩が用いられる。本発明の皮膚外用剤においては、これらから選ばれる少なくとも一つ以上を含む。
アスコルビン酸系美白剤としては、アスコルビン酸及びその誘導体からなるアスコルビン酸系化合物が挙げられる。具体例としては、アスコルビン酸としてはL−アスコルビン酸が挙げられる。アスコルビン酸誘導体としては、例えば、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、dl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル等のアスコルビン酸無機酸エステル類;2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸等のアスコルビン酸グリコシド、などが挙げられ、好ましいものとしては、アルコルビン酸−2−グルコシドが挙げられる。また、これらアスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体の塩としては、アルカリ金属塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類金属塩(Ca塩、Mg塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、アミノ酸塩などが挙げられるが、本発明において好ましくはアルカリ金属塩である。
また、アルコキシサリチル酸系美白剤としては、特開平6−40886号記載の下記一般式(I)で示されるものが挙げられる。
一般式(I):
Figure 0004095949
(式中、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
具体例としては、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポシキサリチル酸、あるいはこれらの塩が挙げられる。塩はアルカリ金属塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類金属塩(Ca塩、Mg塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、アミノ酸塩などが挙げられるが、本発明において好ましくはアルカリ金属塩である。
本発明においては、塩型美白剤の配合量は通常化粧料や医薬品において配合される範囲であれば特に制限されない。
なお、本発明の皮膚外用剤において、上記塩型美白剤は、塩の形にしてから配合してもよいし、アルカリ剤により組成物中で中和してもよい。このような塩型薬剤中和用のアルカリ剤としては、塩形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;クエン酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸塩、リシン等のアミノ酸等が挙げられる。このうち、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物である。
なお、本発明の皮膚外用剤は、皮膚へ適用されるものであり、また、塩型美白剤やカラギーナンの安定性の点からも、pH6〜7.5とすることが好適である。アルカリ剤の過剰配合はpH値を増大させるので、このpH範囲を超えないように留意する。
カラギーナンは、紅藻類に多く含まれる多糖類であり、ガラクタンのうちの硫酸基を有するものの一種である。カラギーナンは、その原料や抽出方法の違いにより硫酸基の含量が異なり、イオタ(ι)型、カッパ(κ)型、ラムダ(λ)型に分けられ、その増粘性や形成するゲルの性状はタイプによって異なる。本発明で用いるカラギーナンとしては、イオタ型であり、市販品としては、アクアジェルI−2(新田ゼラチン社製)、ソアギーナMV−201(MRCポリサッカライド社製)、カラギニンCSI−1(三栄源エフ・エフ・アイ社製)等が好適に用いられる。
イオタ型カラギーナンが形成するゲルは比較的柔らかく、粉砕せずとも使用可能である。また、ゲルの透明性が高く、保存中にゲルからの離水もほとんどない。これに対してカッパ型カラギーナンは、ゲル化能が非常に強く、ゲルが硬いため、使用時に肌上に均一にのばすことが困難であり、ジェランガムや寒天と同様に粉砕して使用する必要がある。また、透明性や安定性(離水)の点でもイオタ型に比べて劣る。ラムダ型カラギーナンは、ゲル化能が非常に弱く、本発明の増粘剤としては十分な能力を発揮できない。
ただし、本発明においては、イオタ型カラギーナンを増粘剤主剤として用い、本発明の効果に影響がない範囲であれば、カッパ型、ラムダ型を少量併用することは可能である。
イオタカラギーナンの配合量は、目的とする粘度によって適宜決定されるが、本発明においては、外用剤中0.1〜3質量%であることが好ましく、さらには、0.5〜2質量%であることが好ましい。配合量が少なすぎると、増粘効果が十分に発揮されず、多すぎる場合にはゲルが硬くなって、塗布時にゲルが潰れにくくかったり、のびが悪いことがある。
本発明の皮膚外用剤の製造方法は、特に制限されるものではないが、以下の工程を含む方法にて製造することが好ましい。
(A)カラギーナンを水を含む水性媒体中に添加し、70〜80℃で溶解させ、カラギーナン水溶液を得る。
(B)(A)のカラギーナン水溶液に、塩型薬剤及び必要に応じてアルカリ剤やその他の成分を、好ましくは50〜60℃の温度条件下で添加し、攪拌混合する。温度が低すぎると、ゲル化速度が速いため、薬剤を均一に溶解するのに時間を要することがある。また、温度が高すぎると塩型薬剤などの熱分解を招くおそれがある。
(C)(B)の混合液を放冷、もしくは攪拌冷却する。
このように調製されたカラギーナンゲルは、ぷるんとした比較的弾力性のあるゲルで、降伏値が高くて流動しにくいが、シェアが降伏値より大きくなると著しく変形する。よって、肌上にのばした場合、ゲルがみずみずしくつぶれ、非常にのびがよい。また、ぬめりやべたつきもない。そして、アスコルビン酸系/アルコキシサリチル酸系塩型美白剤の配合系においてもカルボキシビニルポリマーのような粘度低下が起こらず、少量でも高い粘度を得ることができる。また、得られたゲルは透明性が高く、ジェル状製剤においては美的価値が非常に高い。
本発明の皮膚外用剤は、上記塩型美白剤と、カラギーナン(特にイオタ型)とを必須成分とする。その粘度は、使用感や安定性の点から、2,000〜30,000mPa・s/30℃とすることが好適である。
本発明においては、上記必須成分に加えてさらに水溶性のナトリウム又はカリウム塩類を配合すると、粘度をより高めることができる。
このような塩としては、有機酸塩、アミノ酸塩、無機酸塩が挙げられる。有機酸塩としては、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が例示される。アミノ酸塩としては、グリシン、アラニン、プロリン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が例示される。無機塩としては、ナトリウム又はカリウムの炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、ハロゲン化合物、水酸化物が挙げられる。このうち、本発明においては中性塩又はアルカリであり、特に好ましくは塩化ナトリウム、塩化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。そして、pHへの影響等を考慮する場合には、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の中性塩が特に好ましい。
このような中性塩やアルカリの添加量としては、外用剤中0.1〜2質量%、さらには0.5〜1.5質量%が好適である。添加量が少なすぎるとその効果が十分に発揮されず、一方、過剰に配合してもそれに見合った増粘性の向上が得られない。
また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、通常皮膚外用剤に配合可能な成分を適宜配合することができる。例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、防腐剤、安定化剤、粉体、色素、香料、pH調製剤、キレート剤、他の薬効成分等が例示される。
本発明の皮膚外用剤の剤型は、特に限定されず、可溶化系、乳化系、分散系など様々な剤型とすることができる。具体的な製剤としては、水性ジェルの他、O/W乳化ジェル、O/W乳液、O/Wクリームなどが挙げられる。
以下、具体例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。配合量は、特に指定のない限り、質量%である。
まず、本発明で用いた試験方法について、説明する。
(粘度)
芝浦システムズ社製の回転粘度計を用い、ローター回転数10rpmにて1分後の粘度(mPa・s/30℃)を測定した。
(pH)
HORIBA社製のpHメーター及び電極を用いて、25℃±2℃でのpHを測定した。
(透明性)
調製したサンプルを透明なガラス容器に充填し、目視にて判定した。
○:透明性が高い。
△:やや濁った半透明の状態。
×:濁りのある半透明の状態。
(離水)
−20℃〜0℃の比較的低温の恒温槽内に1ヶ月放置し、その後室温に戻した時の状態を観察した。
(使用感)
パネラー10名による実使用テストにより、化粧料を皮膚に塗布する際ののび、ヌメリ等の評価を行った。
○:のびがよい・ぬめらないと回答した人数が5名以上
△:のびがよい・ぬめらないと回答した人数が3〜4名
×:のびがよい・ぬめらないと回答した人数が2名以下
試験例1 増粘剤の種類
下記の組成で、ジェルを調製した。また、アスコルビン酸−2−グルコシド(AA−2G)、KOH、及び緩衝剤を配合しないものも同様に調製し、粘度測定を行った。
(表1)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試料
成 分 1 2 3 4 5
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
増粘剤水溶液:
(1)イオタカラギーナン*1 1
(2)ジェランガム 1
(3)寒天 1
(4)キサンタンガム 1
(5)カルボキシビニルポリマー 0.5
(6)イオン交換水 残余 残余 残余 残余 残余
塩型薬剤等:
(7)AA−2G 2 2 2 2 2
(8)クエン酸Na 0.01 0.01 0.01 0.01 0.01
(9)クエン酸 0.09 0.09 0.09 0.09 0.09
(10)KOH 0.39 0.39 0.39 0.39 0.39
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
合計 100 100 100 100 100
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
粘度
[(7)〜(10)配合] 14300 7100 22000 10700 2500
[(7)〜(10)無配合] 300 400 23000 7500 68000
透明性 ○ △ × × ○
のび ○ × × ○ −
ヌメリ なし なし なし あり −
安定性(離水) ○ × × ○ −
−―――――――――――――――――――――――――――――――――――
*1:アクアジェルI−2(新田ゼラチン)
(調製方法)
試料1〜4:増粘剤とイオン交換水とを混合し、80℃で加熱溶解して増粘剤水溶液を得た。50℃まで冷却後、これに(7)〜(10)を添加、溶解し、放冷した。
試料5:増粘剤とイオン交換水とを混合し、これに(7)〜(9)を添加、溶解後、(10)を添加混合した。
表1から解るように、カルボキシビニルポリマー(試料5)では、アスコルビン酸塩の配合系においては無配合の場合に比べて粘度が著しく低下した。
その他の増粘剤では、アスコルビン酸塩配合系でゲル化したものの、ジェランガムや寒天(試料2〜3)ではゲルに流動性がなく硬いため、ゲルの粉砕なしでは塗布時に均一にのばすことが困難であった。また、これらの増粘剤では、長期保存後に離水を生じることがあった。キサンタンガム(試料4)では、ゲルの透明性が低く、また、ヌメリ感や曳糸性があった。
これに対し、イオタ型カラギーナンを用いた場合(試料1)には、高粘度の透明なゲルが得られ、塗布時ののびがよく、ヌメリのないみずみずしい使用感であった。長期保存後の離水も認められなかった。
試験例2 カラギーナンの種類
試料1において、カラギーナンの種類を変えて同様に調製した。結果を表2に示す。
(表2)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試料
カラギーナン 1 6 7
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
イオタカラギーナン*1 1
カッパカラギーナン*2 1
ラムダカラギーナン*3 1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゲル性状 軟らかく 硬く 液状
弾力のあるゲル 脆いゲル ゲル化せず
増粘性*4 ○ ○ ×
透明性 ○ △ ○
のび ○ × ○
ヌメリ ○ ○ ×
安定性(離水) ○ × ○
−―――――――――――――――――――――――――――――――――――
*1:アクアジェルI−2(新田ゼラチン社製)
*2:カラギニンCSK−1(三栄源社製)
*3:ソアギーナLX22(MRCポリサッカライド社製)
*4:○は増粘性あり、×は増粘性なしを示す。
表2に示すように、カッパ型カラギーナンの場合には、ゲルが硬く、使用に際しては粉砕が必要であった。ゲルの透明性や安定性もイオタ型に比べると低かった。ラムダ型カラギーナンでは、アスコルビン酸塩配合系でゲル化しなかった。
よって、本発明においては、イオタ型カラギーナンを用いることが好適である。
試験例3 塩の添加
試料1に、塩として、さらにNaCl、CaClを添加した系について、粘度を調べた。NaClやCaClによる増量分は、イオン交換水を減量して調整した。結果を表3に示す。
(表3)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試料
カチオン 1 8 9 10 11 12
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
NaCl − 0.5 1 1.5 − −
CaCl − − − − 0.5 1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
粘度 14300 18000 20000 20000 20000 1000
−―――――――――――――――――――――――――――――――――――
表3から解るように、イオタ型カラギーナン+AA−2G配合系において、NaClを添加することにより、粘度を高めることができた。また、得られたゲルは、優れた使用感、安定性を兼ね備えるものであった。また、NaClの代わりにNaOHやKOH等のアルカリ剤でも同様の効果が得られた。
一方、NaClの代わりにCaClを用いた場合には、粘度を高めることはできるものの、配合量が多すぎると粘度が著しく低下し、その配合量範囲が非常に狭く、使用性が悪かった。
なお、このような増粘性の向上は、塩に含まれるカチオンの影響であると考えられる。
従って、本発明においては、さらに1価カチオンを含む中性塩やアルカリを配合することが好適であり、その配合量は、カラギーナン質量に対して0.1〜10倍、さらには0.2〜2倍とすることが好適である。
配合例1 ジェル
(1)イオタカラギーナン 1
(2)イオン交換水 to 100
(3)グリセリン 2
(4)ジプロピレングリコール 5
(5)PEG1000 1
(6)NaCl 1
(7)クエン酸 0.01
(8)クエン酸Na 0.09
(9)EDTA−3Na・2HO 0.1
(10)アスコルビン酸2−グルコシド 2
(11)KOH 0.385
(12)メチルパラベン 0.15
(13)エタノール 5
(14)POE−POPデシルテトラデシルエーテル 0.2
(製法)
(1)〜(9)の成分を混和し、80℃に加熱して水相パーツを調製した。その後、水相パーツに(10)、(11)の薬剤およびアルカリを添加した。これを40℃まで冷却し、(12)〜(14)を混和したエタノールパーツを添加した。
配合例1のジェルは透明であり、粘度は23300mPa・s/30℃であった。肌へ塗布した際には、みずみずしくてのびがよく、保存安定性も良好であった。
配合例2 ジェル
(1)イオン交換水 to 100
(2)イオタカラギーナン 1
(3)グリセリン 2
(4)ジプロピレングリコール 5
(5)PEG1000 1
(6)NaCl 1
(7)クエン酸 0.01
(8)クエン酸Na 0.09
(9)EDTA−3Na・2HO 0.1
(10)4−メトキシサリチル酸カリウム 3
(11)エタノール 5
(12)メチルパラベン 0.15
(13)POE−POPデシルテトラデシルエーテル 0.2
(製法)
配合例1に準じて調整した。
配合例2のジェルは透明であり、粘度は11800mPa・s/30℃であった。肌へ塗布した際には、みずみずしくてのびがよく、保存安定性も良好であった。
配合例3 エッセンス
(1)イオン交換水 to 100
(2)イオタカラギーナン 0.5
(3)グリセリン 2
(4)ジプロピレングリコール 5
(5)PEG1000 1
(6)NaCl 1
(7)EDTA−3Na・2HO 0.1
(8)クエン酸 0.01
(9)クエン酸Na 0.09
(10)アスコルビン酸2−グルコシド 2
(11)KOH 0.385
(12)エタノール 5
(13)メチルパラベン 0.15
(14)POE−POPデシルテトラデシルエーテル 0.2
(製法)
配合例1に準じて調整した。
配合例3のエッセンスは透明であり、粘度は5700mPa・s/30℃であった。肌へ塗布した際には、みずみずしくてのびがよく、保存安定性も良好であった。
配合例4 乳液
(1)イオン交換水 to 100
(2)イオタカラギーナン 1
(3)グリセリン 2
(4)KCl 0.375
(5)クエン酸 0.01
(6)クエン酸Na 0.09
(7)HEDTA−3Na 0.02
(8)アスコルビン酸2−グルコシド 2
(9)KOH 0.385
(10)ジモルホリノピリダジノン 0.05
(11)フェノキシエタノール 0.15
(12)エタノール 5
(13)ジプロピレングリコール 5
(14)POE(60)硬化ひまし油 0.35
(15)ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.2
(16)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.7
(17)香料 適量
(製法)
(1)〜(7)の水溶性成分を混和し、80℃に加熱して水相パーツを調製した。その後(8)〜(9)の薬剤・アルカリを70℃で添加した。これを40℃まで冷却し、(10)〜(17)を70℃で混和した乳化パーツを添加した。
配合例4の乳液は粘度は14600mPa・s/30℃であった。肌へ塗布した際には、みずみずしくてのびがよく、保存安定性も良好であった。

Claims (4)

  1. アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体の塩、及びアルコキシサリチル酸の塩からなる群から選ばれる一種以上の塩である塩型美白剤と、イオタ型カラギーナンと、ナトリウム又はカリウムの中性塩もしくはアルカリである水溶性塩類の一種以上と、を配合し、
    前記アスコルビン酸誘導体は、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、dl−α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル、及び2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸であり、
    前記アルコキシサリチル酸は、下記一般式(I)で示されるものであり、
    pHが6〜7.5であり、粘度が2,000〜30,000mPa・s(30℃)であることを特徴とする皮膚外用剤。
    一般式(I):
    Figure 0004095949
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
  2. 請求項記載の皮膚外用剤において、イオタ型カラギーナン量に対する前記中性塩もしくはアルカリの量が質量で0.1〜10倍である皮膚外用剤。
  3. 請求項記載の皮膚外用剤において、前記中性塩が塩化ナトリウム及び塩化カリウムであり、前記アルカリが水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムであることを特徴とする皮膚外用剤。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の皮膚外用剤において、イオタ型カラギーナンの配合量が皮膚外用剤中0.5〜2質量%であることを特徴とする皮膚外用剤。
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