JP4094260B2 - ポリカルボン酸の製造方法、ポリカルボン酸及びセメント添加剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカルボン酸の製造方法、ポリカルボン酸及びセメント添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須成分として含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物等に対し、高性能AE(空気連行)減水剤として優れた減水性能を発揮することが知られており、セメント添加剤やセメント分散剤等として好適に用いられている。
【0003】
これまでにポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須成分として含む単量体成分を共重合して得られるポリカルボン酸に関して、例えば、特開平10−236859号公報、特開2000−7402号公報等のように、マレイン酸系単量体(II)としてマレイン酸を使用しているものが大多数であるが、マレイン酸は常温で固体であり、融点も高く、実際の製造現場で取扱う上では非常に不向きな製造原料である。そのため実際の製造現場で取扱うには融点の低い無水マレイン酸を溶融させ使用するのが一般的である。
【0004】
しかしながら、このようなポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)との重合反応系でマレイン酸系単量体(II)として無水マレイン酸を使用する場合においては、製造されるポリカルボン酸がセメント添加剤やセメント分散剤としての性能を発揮しうる分子量範囲以上に高分子量化したり、重合中にゲル化したりするという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、無水マレイン酸を使用したポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須成分として含む単量体成分を共重合させて得られるポリカルボン酸を製造する方法であって、製造されるポリカルボン酸がセメント添加剤やセメント分散剤としての性能を発揮しうる分子量範囲以上に高分子量化したり、重合中にゲル化したりすることなくセメント添加剤に好適な重合体を得ることができるポリカルボン酸の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討して実験を重ねた結果、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須とする共重合において、マレイン酸系単量体(II)として製造現場で取扱うのに便宜である無水マレイン酸を使用すると、架橋剤として作用するハーフエステルが形成されて架橋ポリマーを生成させることに着目した。このような架橋ポリマーの生成を抑えてセメント添加剤に好適な重合体を得るためには、製造原料投入後からポリカルボン酸が生成されるまでの重合反応系でハーフエステルの形成が抑制されればよく、無水マレイン酸を有水化してポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と共重合させればよいことに想到し、溶融無水マレイン酸と水とを先に反応器内に投入してマレイン酸水溶液を調製した後、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)を反応器内に投入し混合して共重合させたり、別の調製槽で溶融無水マレイン酸と水とでマレイン酸水溶液を調製してポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と混合して共重合させたりすると、無水マレイン酸とポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)との反応によるハーフエステルの形成が抑制されることを見出した。また、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と水とのモル比率が一定以上の割合の溶液中に溶融無水マレイン酸を投入して共重合させることによってもハーフエステルの形成が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、上記マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、上記無水マレイン酸は、反応器内への投入前又は後に有水化され、上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と上記マレイン酸系単量体(II)との混合は、無水マレイン酸が有水化された後に行われるポリカルボン酸の製造方法である。
【0008】
本発明はまた、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、該マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、該ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)は、水及び無水マレイン酸が投入された反応器内に投入されるポリカルボン酸の製造方法でもある。
【0009】
本発明はまた、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、該マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、該無水マレイン酸は、反応器内に投入される前にあらかじめ有水化され、水溶液とした状態で反応器内に投入されるポリカルボン酸の製造方法でもある。
【0010】
本発明はまた、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、該マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、該無水マレイン酸を投入する時点での反応器内のポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と水とのモル比は、5/95〜0/100であるポリカルボン酸の製造方法でもある。
【0011】
本発明は更に、上記ポリカルボン酸の製造方法により製造されてなるポリカルボン酸でもある。
本発明はそして、上記ポリカルボン酸を含んでなるセメント添加剤でもある。
以下に、本発明を詳述する。
【0012】
本発明のポリカルボン酸の製造方法は、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程(以下、共重合工程という)を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法である。
【0013】
上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)としては、アルケニル基を1つ有し、かつ、ポリアルキレングリコール鎖とアルケニル基とがエーテル結合を介して結合した構造を有する単量体であれば特に限定されるものではない。このような単量体(I)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
上記マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸である。すなわち無水マレイン酸と無水物でないマレイン酸及び/又はマレイン酸エステルとの混合物としてマレイン酸系単量体(II)の一部が無水マレイン酸であってもよく、マレイン酸系単量体(II)の全部が無水マレイン酸であってもよい。このようなマレイン酸系単量体(II)としては、製造原料として入手できる無水マレイン酸を用いることが好ましい。
【0015】
本発明では、上記無水マレイン酸は、反応器内への投入前又は後に有水化され、上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と上記マレイン酸系単量体(II)との混合は、無水マレイン酸が有水化された後に行われることになる。無水マレイン酸を有水化する方法としては特に限定されず、例えば、溶融無水マレイン酸と水とを接触することにより行う方法が好適である。なお、無水マレイン酸は、反応器内への投入前か、又は、反応器内への投入後に有水化されることになるが、反応器内への投入前と投入後とにわたって有水化されてもよい。また、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)との混合は、無水マレイン酸の全部が有水化された後に行われることが好ましいが、本発明の作用効果を奏することになる限り、無水マレイン酸の一部が有水化された後に行われてもよい。
【0016】
上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と上記マレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、上記マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)は、水及び無水マレイン酸が投入された反応器内に投入されるポリカルボン酸の製造方法は、無水マレイン酸が反応器内への投入後に有水化され、その後に反応器内でポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)との共重合を行う方法として好適である。このようなポリカルボン酸の製造方法もまた、本発明の一つである。
【0017】
上記ポリカルボン酸の製造方法では、例えば、溶融無水マレイン酸と水とを先に反応器内に投入してマレイン酸水溶液を調製した後、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)を反応器内に投入して、混合し、共重合させる方法とすることが好ましい。水、溶融無水マレイン酸及びポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)の反応器内への投入方法としては、例えば、水、無水マレイン酸及びポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)の順序に反応器内に投入する方法;無水マレイン酸、水及びポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)の順序に反応器内に投入する方法等が挙げられる。
【0018】
上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と上記マレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、上記マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、上記無水マレイン酸は、反応器内に投入される前にあらかじめ有水化され、水溶液とした状態で反応器内に投入されるポリカルボン酸の製造方法は、無水マレイン酸が反応器内への投入前に有水化され、その後に反応器内でポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)との共重合を行う方法として好適である。このようなポリカルボン酸の製造方法もまた、本発明の一つである。
【0019】
上記ポリカルボン酸の製造方法では、例えば、別の調製槽で溶融無水マレイン酸と水とでマレイン酸水溶液を調製してポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と混合して共重合させる方法とすることが好ましく、例えば、マレイン酸水溶液を調製して反応器内に投入した後、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)を反応器内に投入して、混合し、共重合させる方法;マレイン酸水溶液を調製し、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)を反応器内に投入した後、マレイン酸水溶液を反応器内に投入して、混合し、共重合させる方法;マレイン酸水溶液を調製し、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と混合した後に反応器内に投入して、共重合させる方法等が挙げられる。
【0020】
上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と上記マレイン酸系単量体(II)とを必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、上記マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、上記無水マレイン酸を投入する時点での反応器内のポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と水とのモル比は、5/95〜0/100であるポリカルボン酸の製造方法でも、ハーフエステルが形成されることを抑制することにより、架橋ポリマーの生成を抑えてセメント添加剤に好適な重合体を得ることができるという本発明の作用効果を奏することが可能となる。このようなポリカルボン酸の製造方法もまた、本発明の一つである。
【0021】
上記ポリカルボン酸の製造方法では、例えば、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と水とのモル比が上記範囲内である溶液中に溶融無水マレイン酸を投入して、混合し、共重合させる方法とすることが好ましい。5/95よりも水のモル比が少ないと、製造原料投入後からポリカルボン酸が生成されるまでハーフエステルの形成を充分に抑制することができないこととなる。上記モル比の好ましい範囲は、4/96〜0/100であり、更に好ましい範囲は、3/97〜0/100である。
【0022】
本発明のポリカルボン酸の製造方法においては、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と無水マレイン酸を必須として含むマレイン酸系単量体(II)とを必須として、混合し、共重合させるときに、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と無水マレイン酸とがエステル化反応することにより生じるハーフエステルの生成量を抑制することが可能となるが、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と無水マレイン酸とを全て反応容器に投入した時点で、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と無水マレイン酸とにより形成されるハーフエステルの生成量が7重量%以下となるようにすることが好ましい。これにより、ゲル化がより確実に防止され、目標の分子量範囲への調整がより容易となり、ポリカルボン酸のセメント分散性能等がより向上することになる。より好ましくは、6.5重量%以下であり、更に好ましくは、6.0重量%以下である。なお、ハーフエステルの生成量を求める方法としては、例えば、液体クロマトグラフィー(LC)を用いて下記の測定条件により測定することにより行うことができる。ハーフエステルの生成量は、LC分析でのポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とハーフエステルの面積比から計算されるため、ここでのハーフエステルの生成量とは、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とハーフエステルとの合計量100重量%に対するハーフエステルの重量%を意味する。
【0023】
ハーフエステル測定条件
解析システム:Borwin(商品名、日本分光社製)
検出器:示差屈折計(RI)検出器 HITACHI 3350 RI MONITOR(商品名)
溶離液:種類 アセトニトリル/0.1%りん酸水溶液=50/50(容積%)
流量 1.0ml/min
カラム:種類 ODS−120T+ODS−80Ts 4.6×250mm
(いずれも商品名、東ソー社製)
温度 40℃
【0024】
本発明では、上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)は、下記一般式(1);
R1 −O−(R2 O)p−H (1)
(式中、R1 は、炭素数2〜5のアルケニル基を表す。R2 Oは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。pは、R2 Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。)で表される化合物であることが好ましい。なお、平均付加モル数とは、当該化合物1モル中における当該繰り返し単位のモル数の平均値を意味する。
【0025】
このような単量体がポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)の主成分として含有されることが好ましい。この場合、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)中には付加的にその他の成分を含んでいても含んでいなくてもよい。これにより、本発明におけるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)をセメント添加剤用重合体の製造原料として好適に用いることができる。
【0026】
上記R1 は、炭素数2〜5のアルケニル基であれば特に限定されず、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基等が挙げられる。上記R2 Oとしては、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシスチレン基等が挙げられ、これらの中でも、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましい。なお、R2 Oは、一般式(1)で表される単量体を構成する繰り返し単位であり、各繰り返し単位は同一であってもよく、異なっていてもよい。このうち、2種以上の異なる繰り返し単位を有する場合には、各繰り返し単位はブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよく、特に限定されるものではない。
【0027】
上記pの範囲についても、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)の使用用途により設定されることになり、例えば、本発明におけるポリカルボン酸をセメント添加剤の製造原料として用いる場合には、15〜300とすることが好ましい。より好ましくは、20〜200であり、更に好ましくは、25〜150である。また、増粘剤等として用いる場合には、15〜250とすることが好ましい。より好ましくは、50〜200である。
【0028】
上記共重合工程では、例えば、製造原料として上記単量体を必須として反応器内に投入して、混合し、共重合させることになるが、重合開始剤を用いて溶液重合や塊状重合等する公知の共重合方法を採用することができる。製造原料としては、上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と上記マレイン酸系単量体(II)とが必ず用いられるが、単量体(I)と単量体(II)とのモル比としては、例えば、99/1〜1/99とすることが好ましい。この範囲を外れると、ポリカルボン酸がセメント添加剤用等としての機能を発揮できないおそれがある。より好ましくは、99/1〜50/50であり、更に好ましくは、95/5〜60/40であり、最も好ましくは、95/5〜70/30である。また、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能なその他の単量体(III)をポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)やマレイン酸系単量体(II)と併用してもよい。また、単量体以外のものを用いてもよい。この場合、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)との合計量が単量体成分の主成分となるようにすることが好ましい。
【0029】
上記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と上記マレイン酸系単量体(II)と共重合可能なその他の単量体(III)としては、例えば、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体や、マレイン酸系単量体(II)以外の不飽和カルボン酸系単量体として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、シトロネル酸、ウンデシレン酸、エライジン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸等の不飽和モノカルボン酸類;フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類;不飽和ジカルボン酸類とアルコールのモノエステル類;これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。その他にも、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類やこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類等が挙げられ、特に限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。単量体(III)の使用量は、全単量体量の50重量%以下とすることが好ましい。より好ましくは30重量%以下であり、更に好ましくは10重量%以下である。
【0030】
また、本発明においては、必要に応じて、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸等の連鎖移動剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0031】
上記共重合工程における重合開始剤としては、ラジカル開始剤を使用することができ、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2′アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2′アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等のアゾ系開始剤等が使用される。この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。
【0032】
上記共重合工程において、製造原料を反応器内に投入するとは、一括して反応器内に投入することや、逐次的に又は段階的に反応器内に投入することを意味する。なお、水、無水マレイン酸及びポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)以外の製造原料の投入方法としては特に限定されるものではない。
【0033】
上記共重合工程において用いる反応器とは、反応槽や、反応容器、反応釜等と同じ意味内容で用いられるものであって、共重合工程を行うことができる容器であれば特に限定されるものではない。反応器の形状は、特に限定されるものではない。多角型、円筒型等があるが、攪拌効率、取扱い性、汎用性等の点から円筒型が好ましい。また邪魔板の有無は問わない。反応器の加熱方式は外部ジャケットにスチーム等の熱媒を接触させることによって加熱するものであっても良いし、反応器の内部にコイル等の伝熱装置を備えていて加熱するものであっても良い。このような反応器の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、例えば、SUS製、好ましくは、耐蝕性の点から、SUS304、SUS316、SUS316L、より好ましくは、SUS316、SUS316L等が挙げられる。また、反応器の内部にグラスライニング加工等が施されて反応原料及び生成物に対して不活性なものとしてもよい。このような反応器は、通常では共重合工程を均一に効率よく行うため攪拌機が備えられている。攪拌機は特に限定されるものではない。攪拌機は通常、電動モーター、軸、攪拌機から構成されるがその攪拌翼も形状を問わない。攪拌機としては、デスクタービン、ファンタービン、わん曲ファンタービン、矢羽根タービン、多段ファンタービン翼、ファウドラー翼、ブルマージン型、角度付き羽根、プロペラ型、多段翼、アンカー型、ゲート型、二重リボン翼、スクリュー翼、マックスブレンド翼等を挙げることができ、なかでも多段ファンタービン翼、ファウドラー翼、マックスブレンド翼が汎用性の点で好ましい。
【0034】
本発明の上記ポリカルボン酸の製造方法であって、該ポリカルボン酸がセメント添加剤用として用いられるものであるポリカルボン酸の製造方法は、本発明の製造方法として最も好適な形態の1つである。
【0035】
本発明のポリカルボン酸の製造方法により製造されてなるポリカルボン酸は、例えば、セメント添加剤の製造原料として好適に用いることができるが、その他にも、炭酸カルシウム、カーボンブラック、インク等の顔料分散剤、スケール防止剤、石膏・水スラリー用分散剤、石炭・水スラリー(CWM)用分散剤、増粘剤等の化学製品に用いることもできる。このようなポリカルボン酸もまた、本発明の一つである。
【0036】
本発明のポリカルボン酸は、特定の重量平均分子量を有する重合体であることが好ましい。例えば、下記測定条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算での重量平均分子量としては、例えば、5000〜200000であることが好ましい。5000未満であると、セメント添加剤の減水性能が低下するおそれがあり、200000を超えると、セメント添加剤の減水性能、スランプロス防止能が低下するおそれがある。より好ましくは、5000〜100000であり、最も好ましくは8000〜100000の範囲である。
【0037】
上記GPCは、溶離液貯蔵槽、溶離液の送液装置、オートサンプラー、カラムオーブン、カラム、検出器、データ処理機等から構成される。例えば、下記の市販の装置を組み合わせることにより測定条件を設定して分子量を測定することができる。
【0038】
分子量測定条件
機種 :GPC−900(商品名、日本分光社製)
検出器:示差屈折計(RI)検出器(GPC−900一体型)
溶離液:0.05M 酢酸ナトリウム、アセトニトリル/イオン交換水=40/60混合液を酢酸でpHを6に調整したものを使用する。
溶離液の流量:0.5ml/min
カラム:
TSK−GEL ガードカラム(内径6mm、長さ40mm)
+TSK−GEL G−4000SWXL(内径7.8mm、長さ300mm)
+TSK−GEL G−3000SWXL(内径7.8mm、長さ300mm)
+TSK−GEL G−2000SWXL(内径7.8mm、長さ300mm)
(いずれも商品名、東ソー社製)
カラム温度:40℃
【0039】
検量線:検量線は、標準試料の分子量や数、ベースラインの引き方、検量線近似式の作製方法等により変化する。このため、以下の条件を設定することが好ましい。
1.標準試料
標準試料には、市販の標準ポリエチレンオキシド(PEO)と標準ポリエチレングリコール(PEG)を使用する。標準試料は、以下の点に配慮して選択することが望ましい。
(1)分子量900以上の標準試料を7点以上使用する。
(2)分子量900〜2000の標準試料を少なくとも1点含む。
(3)分子量2000〜60000の標準試料を少なくとも3点含む。
(4)分子量200000±30000の標準試料を少なくとも1点含む。
(5)分子量270000±30000の標準試料を少なくとも1点含む。
上記配慮をもとに、1470、4120、7100、11840、18300、22800、32500、50100、74900、120000、205000、288000の分子量のPEO及びPEGを標準サンプルとして使用する。
【0040】
2.ベースラインの引き方
分子量の上限:水平で安定なベースラインからピークが立ち上がる点とする。
分子量の下限:主ピークの検出が終了した点とする。
3.検量線の近似式
上記標準試料を用いて作製した検量線(「溶出時間」対「log分子量」)は3次式の近似式を作製し、これを計算に用いる。
【0041】
本発明のポリカルボン酸を含んでなるセメント添加剤は、得られたポリカルボン酸をそのまま用いることもできるが、必要に応じて、アルカリ性物質で中和して用いてもよい。このようなアルカリ性物質としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩;アンモニア;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上使用できる。
【0042】
本発明のポリカルボン酸を含んでなるセメント添加剤は、良好なセメント分散性能及びスランプ保持性能を発揮することができる。このようなセメント添加剤もまた、本発明の一つである。
本発明のセメント添加剤には、ポリカルボン酸以外の公知のセメント添加剤やセメント分散剤、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、遅延剤、急結剤、水溶性高分子物質、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、消泡剤等を更に配合してもよい。
【0043】
本発明のセメント添加剤は、セメントや水を含有するセメント組成物として、例えば、ポルトランドセメント、ビーライト高含有セメント、アルミナセメント、各種混合セメント等の水硬セメントや、石膏等のセメント以外の水硬性材料に用いられることになる。
【0044】
本発明のセメント添加剤の水硬性材料への添加量としては、従来のセメント添加剤に比較して少量の添加でも優れた効果を発揮することになるが、例えば、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメントの重量を100重量%とすると、0.001〜5重量%となるような比率の量を練り混ぜの際に添加すればよい。0.001重量%未満であると、セメント添加剤の作用効果が充分に発揮されないおそれがあり、5重量%を超えると、その効果は実質的に頭打ちとなり、経済性の面からも不利となるおそれがある。より好ましくは、0.01〜1重量%である。これにより、高減水率の達成、スランプロス防止性能の向上、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の作用効果を奏することになる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。なお、「%」は、特に断りのない限り「重量%」を意味する。
【0046】
実施例1
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製反応器に、イオン交換水546g、溶融無水マレイン酸(以下、MAahと称す)83gを仕込み、65℃に昇温した。反応器を65℃に保った状態で3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50モル付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(以下、IPN−50と称す)800gを仕込み、次いで30%過酸化水素水溶液2.4gを添加した。そこへ、イオン交換水39.1gにL−アスコルビン酸0.9gを溶解させた水溶液を1時間で滴下、引続き65℃で1時聞熟成して重合を完結させた。そしてこの反応液を49%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整して、ポリカルボン酸水溶液を得た。原料仕込み時のハーフエステル生成量及び得られたポリカルボン酸の重量平均分子量を表1に示す。なお、ポリカルボン酸の重量平均分子量(ポリエチレングリコール換算値)と3量体以上のポリマー成分の含有比は、上述した測定条件でGPCにより求めたものであり、各原料単量体の重合率は、上述した測定条件でLCにより求めたものであり、以下の実施例と比較例でも同様である。
【0047】
実施例2
実施例1と同様の装置に、イオン交換水546g、MAah83gを仕込み、65℃に昇温した。反応器を65℃に保った状態でIPN−50を800g添加した。そこへ、イオン交換水39.1gにNC−32W(日宝化学(株)社製;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩90%品)3.2gを溶解させた水溶液を滴下、引続き65℃で10時聞熟成して重合を完結させた。そしてこの反応液を49%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整して、ポリカルボン酸水溶液を得た。原料仕込み時のハーフエステル生成量及び得られたポリカルボン酸の重量平均分子量を表1に示す。
【0048】
実施例3
実施例1と同様の装置に、イオン交換水200g、IPN−50を800gを仕込み、65℃に昇温した。反応器を65℃に保った状態でイオン交換水346gにMAah83gを溶解させた水溶液を添加した。そこへ、イオン交換水39.1gにNC−32W(日宝化学(株)社製;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩90%品)3.2gを溶解させた水溶液を滴下、引続き65℃で10時聞熟成して重合を完結させた。そしてこの反応液を49%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整して、ポリカルボン酸水溶液を得た。原料仕込み時のハーフエステル生成量及び得られたポリカルボン酸の重量平均分子量を表1に示す。
【0049】
実施例4
実施例1と同様の装置に、イオン交換水546g、IPN−50を800g仕込み、65℃に昇温した。反応器を65℃に保った状態でMAah83gを添加した。そこへ、イオン交換水39.1gにNC−32W(日宝化学(株)社製;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩90%品)3.2gを溶解させた水溶液を滴下、引続き65℃で10時聞熟成して重合を完結させた。そしてこの反応液を49%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整して、ポリカルボン酸水溶液を得た。原料仕込み時のハーフエステル生成量及び得られたポリカルボン酸の重量平均分子量を表1に示す。
【0050】
実施例5
実施例1と同様の装置に、イオン交換水200g、IPN−50を800g仕込み、65℃に昇温した。反応器を65℃に保った状態でMAah83g、イオン交換水346gの順に添加した。そこへ、イオン交換水39.1gにNC−32W(日宝化学(株)社製;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩90%品)3.2gを溶解させた水溶液を滴下、引続き65℃で10時聞熟成して重合を完結させた。そしてこの反応液を49%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整して、ポリカルボン酸水溶液を得た。原料仕込み時のハーフエステル生成量及び得られたポリカルボン酸の重量平均分子量を表1に示す。
【0051】
比較例1
実施例1と同様の装置に、IPN−50を800gを仕込み、65℃に昇温した。反応器を65℃に保った状態でMAah83g、イオン交換水546gの順に添加した。そこへ、イオン交換水39.1gにNC−32W(日宝化学(株)社製;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩90%品)3.2gを溶解させた水溶液を滴下、引続き65℃で10時間熟成して重合を完結させた。そしてこの反応液を49%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整して、ポリカルボン酸水溶液を得た。原料仕込み時のハーフエステル生成量及び得られたポリカルボン酸の重量平均分子量を表1に示す。
【0052】
比較例2
実施例1と同様の装置に、イオン交換水89g、IPN−50を800g仕込み、65℃に昇温した。反応器を65℃に保った状態でMAah83g、イオン交換水457gの順に添加した。そこへ、イオン交換水39.1gにNC−32W(日宝化学(株)社製;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩90%品)3.2gを溶解させた水溶液を滴下、引続き65℃で10時聞熟成して重合を完結させた。そしてこの反応液を49%水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整して、ポリカルボン酸水溶液を得た。原料仕込み時のハーフエステル生成量及び得られたポリカルボン酸の重量平均分子量を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
表1中、実施例3では、別槽でMAahを水に溶解しマレイン酸水溶液として反応器内に投入しており、MAahの反応器への投入は工程上存在しないため、MAah反応器投入時のIPN−50/イオン交換水(mol比)は記載していない。
【0055】
【発明の効果】
本発明のポリカルボン酸の製造方法は、上述の構成よりなるので、ハーフエステルが形成されることを抑制することにより、架橋ポリマーの生成を抑えてセメント添加剤等に好適な重合体を得ることができるものである。また、本発明のポリカルボン酸は、良好なセメント分散性能及びスランプ保持性能を発揮することができるセメント添加剤の製造原料として好適なものである。
Claims (5)
- ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)とマレイン酸系単量体(II)と水とを必須として反応器内に投入して、混合した後に、共重合を開始させる工程を含んでなるポリカルボン酸を製造する方法であって、
該マレイン酸系単量体(II)は、その一部又は全部が無水マレイン酸であり、
該無水マレイン酸の反応器投入時のポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と水とのモル比は、3/97〜0/100であり、
該工程は、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と水とのモル比が該範囲内である溶液中に溶融無水マレイン酸を投入して、混合し、共重合させる工程であり、
ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と無水マレイン酸とを全て反応容器に投入した時点で、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)と無水マレイン酸とにより形成されるハーフエステルの生成量が6.0重量%以下である
ことを特徴とするポリカルボン酸の製造方法。 - 前記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)は、オキシアルキレン基の平均付加モル数が15〜300である
ことを特徴とする請求項1記載のポリカルボン酸の製造方法。 - 前記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)は、下記一般式(1);
R1−O−(R2O)p−H (1)
(式中、R1は、炭素数2〜5のアルケニル基を表す。R2Oは、同一又は異なって、炭素数2〜18のオキシアルキレン基を表す。pは、R2Oで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜300の数である。)で表される化合物である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のポリカルボン酸の製造方法。 - 前記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)は、上記一般式(1)におけるR1が、炭素数5のアルケニル基である
ことを特徴とする請求項3記載のポリカルボン酸の製造方法。 - 前記ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル系単量体(I)は、上記一般式(1)におけるR1が、3−メチル−3−ブテニル基である
ことを特徴とする請求項4記載のポリカルボン酸の製造方法。
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