JP2005200298A - セメント混和剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)とポリカルボン酸系重合体(A)とを含んでなるセメント混和剤であって、上記セメント混和剤は、上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)を、セメント混和剤の固形分100質量%に対して、1質量%以上、45質量%以下含有するセメント混和剤である。
【選択図】なし
Description
このようなセメント混和剤においては、セメント組成物に対する減水性能に加えて、セメント組成物を取り扱う現場において作業しやすくなるように、その粘性を良好にすることができるものが求められている。すなわち減水剤として用いられるセメント混和剤は、セメント組成物の粘性を低下させることによる減水性能を発揮することになるが、このような性能を発揮すると共に、それを取り扱う現場において作業しやすくなるような粘性とすることができるものが土木・建築構造物等の製造現場において求められている。セメント混和剤がこのような性能を発揮すると、土木・建築構造物等の構築における作業効率等が改善されることとなる。
しかしながら、セメント組成物等に用いる場合、減水性があるだけでは充分ではない。すなわち、1)製造現場においてコンクリート等の流動性の保持性を向上させ、2)コンクリート等の状態がより作業しやすい状態となるようにすることにより、土木・建築構造物等の構築現場における作業効率等を更に改善し、3)硬化コンクリートの圧縮強度がより高くなるための工夫をし、4)高性能AE減水剤を用いた生コンクリートの空気量を低減する等の点において改良の余地があった。
本発明はまた、炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)を含んでなるセメント混和剤であって、上記セメント混和剤は、上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)の末端が、オキシエチレン基であるセメント混和剤でもある。
本発明は更に、炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)を含んでなるセメント混和剤であって、上記セメント混和剤は、上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)のオキシアルキレン基100質量%に対して、炭素数3以上のオキシアルキレン基を15質量%以上含有するセメント混和剤でもある。
以下に本発明を詳述する。
これらの形態において、ポリカルボン酸系重合体、及び、炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物は、それぞれ1種又は2種以上を用いてもよいが、上記形態(1)のセメント混和剤においては、2種以上のポリカルボン酸系重合体を含んでなることが好ましい。また、上記形態(2)及び(3)のセメント混和剤においては、更に、ポリカルボン酸系重合体(A)を含んでなることが好ましく、より好ましくは、ポリカルボン酸系重合体を2種以上含んでなることである。なお、2種以上のポリカルボン酸系重合体とは、例えば、平均分子量、アルキレンオキシド平均付加モル数等の特性が異なるポリカルボン酸系重合体が2種以上であることを意味する。
上記構成要素において、重合体(A)は、重合体(B)、重合体(C)及び重合体(D)の上位概念となる重合体であり、重合体(B)、重合体(C)及び重合体(D)は、重合体(A)に含まれるものである。同様に、付加物(II)及び付加物(III)は、付加物(I)に含まれるものである。
付加物(I)+重合体(B)との組み合わせ、
付加物(I)+重合体(C)との組み合わせ、
付加物(I)+重合体(D)との組み合わせ、
付加物(I)+重合体(B)+重合体(D)との組み合わせ、
付加物(I)+重合体(C)+重合体(D)との組み合わせ等が挙げられる。
付加物(II)+付加物(III)との組み合わせ、
付加物(II)+重合体(A)との組み合わせ、
付加物(II)+付加物(III)+重合体(A)との組み合わせ等が挙げられる。
なお、上記形態(2)及び(3)のセメント混和剤もまた、上述したようにポリカルボン酸系重合体(A)を含んでなることが好ましいが、この場合、付加物(I)としては、上記形態(1)と同様に、1質量%以上、45質量%以下であることが好適であり、より好ましい上限値及び下限値もまた、上述したとおりである。
ここで、本発明のセメント混和剤においては、セメント混和剤中の上記付加物(I)及び上記重合体(A)の固形分合計を100質量%とし、上記使用量に調整することが好ましい。
上記付加物(I)としてはまた、オキシエチレン基を必須とすることが好ましく、これにより、セメント混和剤の親水性がより向上されて、分散性をより充分に発揮することが可能となる。より好ましくは、オキシプロピレン基とオキシエチレン基とを共に必須とすることであり、更に好ましくは、後述するように、オキシプロピレン基とオキシエチレン基とによる、いわゆるA−B−A型(A:オキシエチレン基、B:オキシプロピレン基)のブロック共重合構造を有する形態である。
上記付加物(I)としては更に、その末端がオキシエチレン基であることが好適であり、これにより、親水性が向上し、減水性をより充分に高めることが可能となる。
(固形分測定方法)
1.アルミ皿を精秤する。
2.1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3. 窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4.1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5.15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6.5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固定分の質量を除することで固形分を測定する。
1.固形分を20質量%に調整したセメント混和剤水溶液に20質量%のパラトルエンスルホン酸水溶液を加えてpH2.0に調整する。
2.1で調整した混合物を85℃に調温して1時間静置する。
3.混合物が2層に分離していることを確認して、上澄みと沈殿とに分離する。
4. 上澄みを濃縮し、液体クロマトグラフィーによりパラトルエンスルホン酸量を定量し、パラトルエンスルホン酸量を差し引き、付加物(I)の質量を得る。得られた付加物(I)の質量を1で用いたセメント混和剤の重量で除すことにより、付加物(I)の固形分割合を測定する。
5.3で得られた沈殿に等量の水を加え、85℃に調温して1時間静置する。
6.混合物が2層に分離していることを確認して、上澄みと沈殿とに分離する。
7. 上澄みを濃縮し、液体クロマトグラフィーによりパラトルエンスルホン酸量を定量し、パラトルエンスルホン酸量を差し引き、重合体(B)の質量を得る。得られた重合体(B)の質量を1で用いたセメント混和剤の質量で除すことにより、重合体(B)の固形分割合を測定する。
上記炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)(付加物(I))としては、炭素数3以上のオキシアルキレン基を有するポリアルキレンイミンであればよく、重合性不飽和二重結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、これらを併用してもよい。
上記重合性不飽和二重結合を有する付加物(I)としては、後述するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体(c)のうち、炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物が好適である。
上記重合性不飽和二重結合を有さない付加物(I)としては、ポリアルキレンイミンが有するアミノ基やイミノ基の窒素原子にアルキレンオキシドを付加させて得られる化合物が好適である。なお、アルキレンオキシドが付加するアミノ基やイミノ基の窒素原子は、活性水素原子をもつものである。
上記付加物(I)において、ポリアルキレンイミン鎖1つあたりのアルキレンイミンの平均重合数としては、2以上であることが好ましく、また、300以下であることが好ましい。2未満であると、付加物(I)の機能が充分に発揮されないおそれがあり、300を超えると、付加物(I)の重合性が低下するおそれがある。特に好ましくは、3以上である。また、より好ましくは200以下であり、更に好ましくは100以下であり、特に好ましくは75以下であり、最も好ましくは50以下である。なお、ジエチレントリアミンの平均重合数は2、トリエチレンテトラミンの平均重合数は3となる。
なお、上記平均付加モル数とは、付加物(I)が有するオキシアルキレン基により形成される基1モル中において付加している当該オキシアルキレン基のモル数の平均値、又は、付加物(I)を形成することになるポリアルキレンイミンが有する活性水素原子をもつ窒素原子1モルに対して付加している当該オキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
このような形態の付加物(I)において、使用されるポリエチレンイミン鎖1つあたりのアルキレンイミンの平均重合数、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加モル数としては上述したとおりであるが、特に好適な形態としては、使用されるポリエチレンイミン鎖1つあたりのアルキレンイミンの平均重合数が10〜20、ポリエチレンイミンに付加するエチレンオキサイドの付加モル数が1〜15、該エチレンオキサイドに付加するプロピレンオキサイドの付加モル数が1〜10、末端のエチレンオキサイドの付加モル数が5〜20である形態である。最も好ましくは、それぞれ順に、13〜15、3〜10、4〜7、10〜17である形態である。
また上記付加物(III)としては、上記付加物(II)以外の炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物、すなわち、末端にオキシエチレン基を有しない上記付加物(I)であればよく、特に限定されるものではない。
以下では、ポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)、不飽和カルボン酸系単量体(b)及びポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体(c)を、それぞれ単量体(a)、単量体(b)及び単量体(c)ともいう。
上記ポリアルキレングリコールエステル系単量体としては、不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とがエステル結合を介して結合された構造を有する単量体であればよく、不飽和カルボン酸ポリアルキレングリコールエステル系化合物が好適であり、中でも、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルが好適である。
上記不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、不飽和基を有するアルコールにポリアルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であればよく、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物が好適である。また、このような不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(1)における−(RaO)−で表されるオキシアルキレン基が同一の不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物に2種以上存在する場合には、−(RaO)−で表されるオキシアルキレン基がランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。
なお、上記平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(2)における−(RaO)−で表されるオキシアルキレン基は、一般式(1)におけるものと同様である。また、(メタ)アクリル酸とのエステル結合部分にエチレンオキシド部分が付加していることが、(メタ)アクリル酸とのエステル化の生産性の向上の点から好ましい。
なお、上記平均付加モル数とは、単量体1モル中において付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
ヘキサデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
炭素数1〜22個のアルコールや炭素数1〜22のアミンに炭素数2〜4のオキシアルキレンを1〜300モル付加させたアルキルポリアルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸系単量体とのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールの平均付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体としては、分子内に不飽和基とカルボアニオンを形成しうる基とを1つずつ有する単量体であればよく、好ましい形態としては、下記一般式(3)で表される化合物である。
上記一般式(3)のMにおける金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子が好適である。また、有機アミン基としては、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が好適である。更に、アンモニウム基であってもよい。このような不飽和モノカルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等;これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が好適である。これらの中でも、セメント分散性能の向上の面から、メタクリル酸;その一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩を用いることが好ましく、不飽和カルボン酸系単量体(b)として好適である。
上記不飽和カルボン酸系単量体(b)としては、これらの他にも、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル、マレアミン酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミドが好適である。
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体(c)を得る場合において、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物に不飽和基を導入する方法としては、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物が有する水酸基を(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の不飽和化合物でエステル交換して不飽和基を導入する方法、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物が有するアミノ基を(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の不飽和化合物でアミド化して不飽和基を導入する方法、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物が有する水酸基を(メタ)アクリル酸グリシジルや(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物を反応させて不飽和基を導入する方法が好適である。
上記不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸無水物、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物;(メタ)アクリル酸クロライド等の不飽和カルボン酸ハロゲン化物;炭素数1〜30の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数1〜30のマレイン酸モノエステル、炭素数1〜30のマレイン酸ジエステル等の不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等が好適であり、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物単量体(c)では、ポリアルキレンイミン鎖を有するが、このようなポリアルキレンイミン鎖やその好ましい形態としては、上述したのと同様である。また、ポリアルキレンイミン鎖1つあたりのアルキレンイミンの平均重合数やその好ましい形態も、上述したのと同様である。
スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、上記不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのジアミド、上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのジエステル。
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物類。
上記共重合方法としては、例えば、単量体成分と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合等の通常の重合方法により行うことができる。重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができ、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシドが好適である。また、促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物を併用することもできる。これらの重合開始剤や促進剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記共重合方法においてはまた、単量体成分が、オキシアルキレン基を有する単量体、すなわちポリアルキレングリコール系不飽和単量体(a)の1種又は2種以上を含む場合、疎水性連鎖移動剤を用いることもできる。
上記疎水性連鎖移動剤とは、炭素数3以上の炭化水素基をもつチオール化合物又は25℃の水に対する溶解度が10%以下の化合物が好適であり、上述した連鎖移動剤や、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、2−メルカプトプロピオン酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン等のチオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、四臭化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン化物;α−メチルスチレンダイマー、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、ターピノーレン等の不飽和炭化水素化合物が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤を含むことが好ましい。
上記連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよく、単量体成分を構成するオキシアルキレン基を有する単量体、溶媒等とあらかじめ混同しておいてもよい。
上記共重合方法では、上記不飽和カルボン酸系単量体(b)の中和率を0〜60mol%として単量体成分の共重合を行うことが好ましい。不飽和カルボン酸系単量体(b)の中和率は、不飽和カルボン酸系単量体(b)の全モル数を100mol%としたときに、塩を形成している不飽和カルボン酸系単量体(b)のmol%で表されることになる。不飽和カルボン酸系単量体(b)の中和率が60mol%を超えると、共重合工程における重合率が上がらず、得られる重合体の分子量が低下したり、製造効率が低下したりするおそれがある。より好ましくは50mol%以下であり、更に好ましくは40mol%以下であり、より更に好ましくは30mol%以下であり、特に好ましくは20mol%以下であり、最も好ましくは10mol%以下である。
なお、本明細書中、重合体の重量平均分子量は、下記GPC測定条件により測定される値である。
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に酢酸でpH6.0に調整した溶離液溶液を用いる。
打込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、トップピーク分子量(Mp)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470。
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.3.21
上記セメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができる。また、超高強度コンクリートにも用いることができる。
上記セメント組成物としては、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含む通常用いられるものが好適である。また、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、石灰石等の微粉体を添加したものであってもよい。
なお、超高強度コンクリートとは、セメント組成物の分野で一般的にそのように称されているもの、すなわち従来のコンクリートに比べて水/セメント比を小さくしてもその硬化物が従来と同等又はより高い強度となるようなコンクリートを意味し、例えば、水/セメント比が25質量%以下、更に20質量%以下、特に18質量%以下、特に14質量%以下、特に12質量%程度であっても通常の使用に支障をきたすことのない作業性を有するコンクリートとなり、その硬化物が60N/mm2以上、更に80N/mm2以上、より更に100N/mm2以上、特に120N/mm2以上、特に160N/mm2以上、特に200N/mm2以上の圧縮強度を示すことになるものである。
なお、上記質量%は、固形分換算の値である。
リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;特開平1−113419号公報に記載の如くアミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノスルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載の如く(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリル酸系化合物との共重合体及び/又はその塩と、(b)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体及び/若しくはその加水分解物、並びに/又は、その塩と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレングリコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第2508113号明細書に記載の如くA成分として、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メタ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコンクリート混和剤;特開昭62−216950号公報に記載の如く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステル若しくはポリエチレン(プロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、並びに、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体。
(3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸、リンゴ酸又はクエン酸、及び、これらの、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカルボン酸並びにその塩;グルコース、フラクトース、ガラクトース、サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデキストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;アルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。
(5)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。
(6)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(7)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等。
(8)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等。
(11)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。
(12)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等。
(13)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等。
(14)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。
(15)AE剤:樹脂石鹸、飽和又は不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネート等。
(17)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス等。
(18)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。
(19)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル類;2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルカンジオール類等。
(20)膨張材:エトリンガイト系、石炭系等。
上記セメント添加剤は、上述した通常使用されるセメント分散剤やセメント添加剤(材)の他に、セメント組成物の分散性、抑泡制等を向上させるものと併用させてもよい。
上記セメント添加剤や上記セメント分散剤をセメント組成物に加える方法としては、これらのセメント添加剤やセメント分散剤を混合してセメント混和剤とし、セメント組成物への混入を容易として行うことが好ましい。
なお、重量平均分子量としては、上述したGPC分子量測定条件にて行った。
攪拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のポリエチレンイミン(数平均分子量600;エチレンイミン付加数14)46.5gと水素化ナトリウム0.1gとを入れ、温度130〜170℃でエチレンオキサイドを953.5g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数20モル)添加し、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド化合物を得た。この化合物をP14−20−00−00とした(プロピレンオキサイドは含有していない)。
攪拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のポリエチレンイミン(数平均分子量600;エチレンイミン付加数14)37.2gと水素化ナトリウム0.1gとを入れ、温度130〜170℃でエチレンオキサイドを761.8g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数20モル)添加し、更に引き続いてプロピレンオキサイドを200.8g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数4モル)添加し、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド化合物を得た。この化合物をP14−20−04−00とした(アルキレンオキサイド100質量%に対してプロピレンオキサイドを20.9質量%含有している)。この場合のアルキレンオキサイドとは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの合計質量のことになる。
攪拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のポリエチレンイミン(数平均分子量600;エチレンイミン付加数14)37.2gと水素化ナトリウム0.1gとを入れ、温度130〜170℃でエチレンオキサイドを380.9g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数10モル)添加し、更に引き続いてプロピレンオキサイドを301.3g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数6モル)添加し、ポリオキシアルキレン系化合物を得た。この化合物をP14−10−06−00とした。更に引き続いてエチレンオキサイドを380.9g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数10モル)添加し、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド化合物を得た。この化合物をP14−10−06−10とした(アルキレンオキサイド100質量%に対してプロピレンオキサイドを28.3質量%含有している)。
製造例9と同様にして、攪拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のトリエチレンテトラミン(数平均分子量146;エチレンイミン付加数3)19.4gを入れ、温度130〜170℃でエチレンオキサイドを351.3g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数10モル)添加し、更に引き続いてプロピレンオキサイドを277.9g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数6モル)添加し、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を得た。この化合物をP03−10−06−00とした。更に引き続いてエチレンオキサイドを351.3g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数10モル)添加し、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を得た。この化合物をP03−10−06−10とした(アルキレンオキサイド100質量%に対してプロピレンオキサイドを28.3質量%含有している)。
製造例9と同様にして、攪拌機、圧力計、温度計を備えた圧力容器に市販のポリエチレンイミン(数平均分子量1800;エチレンイミン付加数42)33.8gと水素化ナトリウム0.1gとを入れ、温度130〜170℃でエチレンオキサイドを346.2g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数10モル)添加し、更に引き続いてプロピレンオキサイドを279.3g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数6モル)添加し、ポリオキシアルキレン系化合物を得た。この化合物をP42−10−06−00とした。更に引き続いてエチレンオキサイドを346.2g(ポリエチレンイミン活性水素に対して付加数10モル)添加し、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を得た。この化合物をP42−10−06−10とした(アルキレンオキサイド100質量%に対してプロピレンオキサイドを28.3質量%含有している)。
エチレンイミンやアルキレンオキサイド等の平均付加数を表1のようにした他は、製造例2及び3については製造例1と同様に、製造例4及び6については製造例5と同様に、製造例7、8、10〜13及び16〜25については製造例9と同様にして、表1に示すポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を得た。表中、EInは、エチレンイミンの平均付加数を示し、en1、en2は、ポリエチレンイミン活性水素に対してのエチレンオキサイド平均付加数を示し、pnは、ポリエチレンイミン活性水素に対してのプロピレンオキサイドの平均付加数を示す。なお、ポリエチレンイミンの分子量は、表1に記載のEIn相当のものを、各々用いた。表中のPO質量%とは、アルキレンオキサイド100質量%に対してプロピレンオキサイドの質量%を示す。
(「単量体1」の製造)
温度計、攪拌機、滴下装置、空気導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置にポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物(Mw600のポリエチレンイミンの活性水素にエチレンオキシド平均付加モル数3モル付加した化合物)600g、メトキノン0.12g、酢酸18.5gを仕込み30分間90〜95℃で維持した。その後90〜95℃を維持したまま、グリシジルメタクリレート47.4gを60分かけて反応容器に滴下した。その後90〜95℃を1時間維持し、その後65℃に降温して水990g、メタクリル酸79gを投入してpHを7.0に調整して「単量体1」を合成した。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水1100g仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃まで加熱した。メトキシポリ(n=4)エチレングリコールモノメタクリレート1286g、メタクリル酸192g、水193g及び連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸66gを混合したモノマー水溶液、及び上記「単量体1」1013gをそれぞれ4時間、14.8%過硫酸アンモニウム水溶液352gを5時間かけて反応容器に滴下した。その後、70℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量9000の重合体1のを得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水597gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で75℃まで加熱した。メトキシポリ(n=6)エチレングリコールモノメタクリレート633g、メタクリル酸167g、3−メルカプトプロピオン酸9g、水166gを混合したモノマー水溶液を5時間、並びに11.1%過硫酸アンモニウム水溶液84gを6時間かけて反応容器に滴下した。その後、75℃に温度を維持し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して、重量平均分子量15000の重合体2の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入菅、及び冷却菅を備えた反応器に、水144gを仕込み、60℃に昇温した。続いて、溶融マレイン酸を17g、IPN−50(イソプレノールのエチレンオキサイド50mol付加物)196gを投入した後、温度を60℃に調整した。30%過酸化水素水0.5gを混合後、水11.2gとL−アスコルビン酸0.24gを混合した溶液を1時間かけて滴下した。その後、60℃に保ったままで1時間攪拌し、重合反応を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、PH7に調整し、重量平均分子量28000の重合体3の水溶液を得た。
(H−(OC2H4)13−(OC3H6)2−(OC2H4)10−OCH3の製造)
温度計、攪拌機、原料導入菅、及び窒素導入管を備えた反応装置にポリ(n=10)エチレングリコールモノメチルエーテル1100g、水酸化カリウム0.5gを仕込み、反応器内を窒素置換した後、120℃に昇温して、この温度を保ちながらプロピレンオキシド235gを3時間かけて投入した。投入後、さらに120℃で2時間熟成した後、再び反応器内を窒素置換してから、120℃に保ちながらエチレンオキシド1165gを3時間かけて投入した。投入後さらに120℃で1時間熟成して、水酸基価48mg・KOH/gのアルキレングリコールモノメチルエーテルを得た。
温度計、攪拌機、窒素導入菅、及び縮合水分離菅を備えた反応器に、上記ポリアルキレングリコールモノメチルエーテル2083g、メタクリル酸350g、パラトルエンスルホン酸1水和物54g、フェノチアジン0.5g、及び、共沸溶媒としてシクロヘキサン243gを仕込み、115℃に保ちながら縮合水を分離して28時間加熱してエステル化を行った。エステル化率99%(ポリアルキレングリコールモノメチルエーテルの転化率)で、蒸留水510gと30%水酸化ナトリウム溶液41gを加えた後、再び昇温して、共沸によりシクロヘキサンを除去してから、蒸留水を加えて、エステル化物を72%と未反応のメタクリル酸8%を含む「エステル化物水溶液1」を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入菅、及び冷却菅を備えた反応器に、蒸留水50gを仕込み、80℃に昇温した。続いて、上記「エステル化物水溶液1」200g、メタクリル酸25g、蒸留水71g、及び3−メルカプトプロピオン酸3.5gを混合した溶液を4時間、並びに蒸留水47.9gと過硫酸アンモニウム2.1gを混合した溶液を5時間かけて滴下した。その後、80℃に保ったままで1時間攪拌し、重合を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、PH7に調整し、重量平均分子量14000の重合体4の水溶液を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入菅、及び冷却菅を備えた反応器に、蒸留水115gを仕込み、80℃に昇温した。続いて、(H−(OC2H4)7−(OC3H6)2−(OC2H4)6−OCH3のメタクリル酸エステル273g、メタクリル酸11.4g、水11.2g、及び3−メルカプトプロピオン酸3.5gを混合した溶液を4時間、並びに「水48.6gと30%過酸化水素水溶液1.4gを混合した溶液」と「蒸留水49.5gとL−アスコルビン酸0.5gを混合した溶液」をそれぞれ5時間かけて滴下した。その後、80℃に保ったままで1時間攪拌し、重合を完結させた。冷却後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、PH7に調整し、重量平均分子量13000重合体5の水溶液を得た。
モノマー組成比を以下に示すように変更し、各ポリマーの重量平均分子量になるようにメルカプトプロピオン酸量を調整のうえ、製造例と同様に合成を行い各重合体水溶液を得た。
重合体6:IPN50/AANa=85/15(質量%)、重量平均分子量30000
重合体7:IPN50/AANa/HEA=87.5/10/7.5(質量%)、重量平均分子量30000
重合体8:IPN50/AANa=97.5/7.5(質量%)、重量平均分子量30000
重合体9:PGM10/MAANa=75/25(質量%)、重量平均分子量17000
重合体10:PGM10/MAANa/MMA=67/8/25(質量%)、重量平均分子量12000
重合体11:PGM25/MAANa=87.5/12.5(質量%)、重量平均分子量20000
IPN50:イソプレノールのエチレンオキサイド50mol付加物
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
AANa:アクリル酸ナトリウム
MMA:メタクリル酸メチル
PGM10:メトキシポリ(n=10)エチレングリコールモノメタクリレート
PGM25:メトキシポリ(n=25)エチレングリコールモノメタクリレート
製造例1〜25のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物、及び、製造例26〜31の共重合体(重合体)1〜11を、配合表1〜3(表2、4、6)に示す割合で混合して、下記のようなコンクリート試験方法により評価した。性能評価表1〜3(表3、5、6)に結果を示す。
なお、下記表1〜6において、添加量は、セメント質量に対する混和剤の固形分質量%を表し、混和剤の配合割合は、固形分質量比を表す。混和剤とは、付加物A、B、重合体A、B、Cを配合表中の配合割合で混合したものである。
コンクリート配合は、以下のような組成とした。
水:175kg/m3
セメント(太平洋セメント社製、住友大阪セメント社製、宇部三菱セメント社製:普通ポルトランドセメント):389kg/m3
細骨材(君津産山砂):831kg/m3
粗骨材(八戸産石灰砕石):924kg/m3
W/C:45% s/a:47.7%
上記配合で、セメント混和剤は練り水にあらかじめ混合し、55L二軸練りミキサーに30Lのコンクリート材料を投入し、120秒間練り混ぜた。
得られたコンクリートのスランプフロー値、空気量の測定は、日本工業規格(JIS A1101(1998)、1128(1999)、6204(2000))に準拠して行った。
製造例1〜6のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物、及び、製造例7〜12の共重合体1〜11を、配合表4(表7)に示す割合で混合して、下記のようなコンクリート試験方法により評価した。性能評価表4(表7)に結果を示す。
なお、下記表7において、添加量は、セメント質量に対する混和剤の固形分質量%を表し、混和剤の配合割合は、固形分質量比を表す。混和剤とは、付加物A、B、重合体A、B、Cを配合表中の配合割合で混合したものである。また、表7中の実施例及び比較例は全て、セメント混和剤を0.21%使用した。更に、消泡剤は、エヌエムビー社製の「マイクロエアー404(商品名)」を有姿に対して1%水溶液に調整したものをセメント質量に対して0.01%使用した。
コンクリート配合は、以下のような組成とした。
水:175kg/m3
セメント(住友大阪セメント社製):389kg/m3
細骨材(君津産山砂):831kg/m3
粗骨材(八戸産石灰砕石):924kg/m3
W/C:45% s/a:47.7%
上記配合で、セメント混和剤は練り水にあらかじめ混合し、55L二軸練りミキサーに30Lのコンクリート材料を投入し、120秒間練り混ぜた。
得られたコンクリートのスランプフロー値、空気量の測定及び硬化コンクリートの圧縮強度の測定は、日本工業規格(JIS A1101(1998)、1128(1999)、6204(2000))に準拠して行った。
Claims (7)
- 炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)とポリカルボン酸系重合体(A)とを含んでなるセメント混和剤であって、
該セメント混和剤は、該ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)を、セメント混和剤の固形分100質量%に対して、1質量%以上、45質量%以下含有することを特徴とするセメント混和剤。 - 炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)を含んでなるセメント混和剤であって、
該セメント混和剤は、該ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)の末端が、オキシエチレン基であることを特徴とするセメント混和剤。 - 炭素数3以上のオキシアルキレン基を必須とするポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)を含んでなるセメント混和剤であって、
該セメント混和剤は、該ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)のオキシアルキレン基100質量%に対して、炭素数3以上のオキシアルキレン基を15質量%以上含有することを特徴とするセメント混和剤。 - 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)は、その末端がオキシエチレン基であることを特徴とする請求項1に記載のセメント混和剤。
- 前記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物(I)は、オキシアルキレン基の総量100質量%に対して、炭素数3以上のオキシアルキレン基を15質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は4に記載のセメント混和剤。
- 前記セメント混和剤は、更に、ポリカルボン酸系重合体(A)を含んでなることを特徴とする請求項2又は3に記載のセメント混和剤。
- 前記炭素数3以上のオキシアルキレン基は、オキシプロピレン基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のセメント混和剤。
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