JP3361693B2 - 粉末状セメント混和剤 - Google Patents
粉末状セメント混和剤Info
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- polyalkylene glycol
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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- C04B24/24—Macromolecular compounds
- C04B24/28—Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
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- C04B2103/00—Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
- C04B2103/0045—Polymers chosen for their physico-chemical characteristics
- C04B2103/0059—Graft (co-)polymers
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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- Organic Chemistry (AREA)
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセメント混和剤に関
し、特に粉末であるため、セメントとプレミックスする
ことが可能であり、高い分散性能を有し、スランプロス
の低減および初期強度の増加といった多くの効果を有す
る。
し、特に粉末であるため、セメントとプレミックスする
ことが可能であり、高い分散性能を有し、スランプロス
の低減および初期強度の増加といった多くの効果を有す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、セメント混和剤用途においてはセ
メント分散剤に対する高性能化の要望があり、従来より
も減水効果が高く、分散状態の経時安定性に優れたセメ
ント分散剤として、ポリアルキレングリコール側鎖を有
する高分子ポリカルボン酸が種々提案されている。例え
ば、特公昭58−38380号公報及び特開昭63−2
85140号公報等には、ポリアルキレングリコールア
ルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体からなるセ
メント分散剤が提案されている。
メント分散剤に対する高性能化の要望があり、従来より
も減水効果が高く、分散状態の経時安定性に優れたセメ
ント分散剤として、ポリアルキレングリコール側鎖を有
する高分子ポリカルボン酸が種々提案されている。例え
ば、特公昭58−38380号公報及び特開昭63−2
85140号公報等には、ポリアルキレングリコールア
ルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体からなるセ
メント分散剤が提案されている。
【0003】ポリアルキレングリコールアルケニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体からなるセメント分散剤
の出現は、従来セメント分散剤では実現できなかった低
水/セメント比のコンクリートの製造を可能とし、コン
クリートの高強度化が可能となった。しかし、ポリアル
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体は室温でロウ状あるいは水飴状であり、液状で
しか使用できない問題があった。
テル−無水マレイン酸共重合体からなるセメント分散剤
の出現は、従来セメント分散剤では実現できなかった低
水/セメント比のコンクリートの製造を可能とし、コン
クリートの高強度化が可能となった。しかし、ポリアル
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体は室温でロウ状あるいは水飴状であり、液状で
しか使用できない問題があった。
【0004】液状のセメント混和剤は、セメント混和剤
とこれ以外の水硬性粉体材料を別々に計量、添加する必
要がある。それらを定常的に使用する現場では混和剤の
受け入れタンク、計量装置、移送装置等の専用設備が必
要となる。更に、セメント粉体、セメント分散剤等のセ
メント混和剤、シリカフューム等の無機粉体からなるセ
メント混和材などをあらかじめドライブレンドしてなる
プレミックス製品には液状のセメント混和剤は使用でき
ない為、その用途が限定されてしまう。
とこれ以外の水硬性粉体材料を別々に計量、添加する必
要がある。それらを定常的に使用する現場では混和剤の
受け入れタンク、計量装置、移送装置等の専用設備が必
要となる。更に、セメント粉体、セメント分散剤等のセ
メント混和剤、シリカフューム等の無機粉体からなるセ
メント混和材などをあらかじめドライブレンドしてなる
プレミックス製品には液状のセメント混和剤は使用でき
ない為、その用途が限定されてしまう。
【0005】粉体材料とドライブレンド可能な粉末状セ
メント混和剤には、特開昭54−139929号公報に
はナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物を粒状した
ものをセメント配合物に添加する方法、特公平7−17
421号公報にはオレフィンとα、β−不飽和ジカルボ
ン酸との共重合体と2価以上の金属との水不溶性金属コ
ンプレックスを粉砕してなる粉末状物をセメント配合物
に添加する方法が開示されている。しかし、これらのセ
メント分散剤はポリアルキレングリコールアルケニエル
エーテル−無水マレイン酸共重合体と比較し性能が格段
に劣っており、加えて粉末状物の粒径が大きい場合には
混和剤が局在化したり溶解しきらずに残存し、セメント
配合物の硬化速度および強度を低下する問題があった。
メント混和剤には、特開昭54−139929号公報に
はナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物を粒状した
ものをセメント配合物に添加する方法、特公平7−17
421号公報にはオレフィンとα、β−不飽和ジカルボ
ン酸との共重合体と2価以上の金属との水不溶性金属コ
ンプレックスを粉砕してなる粉末状物をセメント配合物
に添加する方法が開示されている。しかし、これらのセ
メント分散剤はポリアルキレングリコールアルケニエル
エーテル−無水マレイン酸共重合体と比較し性能が格段
に劣っており、加えて粉末状物の粒径が大きい場合には
混和剤が局在化したり溶解しきらずに残存し、セメント
配合物の硬化速度および強度を低下する問題があった。
【0006】この為、ポリアルキレングリコールアルケ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体からなるセメン
ト分散剤の粉末化に対する要望が高く、特開平6−23
9652号公報にはポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体等のポリカルボン
酸系共重合体を、シリカ系微粉末等の無機粉体に坦持し
粉体化する方法が提案されている。しかしこの方法で
は、無機粉体に吸着されたまま脱着されない共重合体が
存在することが原因と考えられるが、水溶液状態で使用
した場合よりもセメント分散性能が低下することがあ
り、製造方法の煩雑さと分散性能において問題があっ
た。
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体からなるセメン
ト分散剤の粉末化に対する要望が高く、特開平6−23
9652号公報にはポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体等のポリカルボン
酸系共重合体を、シリカ系微粉末等の無機粉体に坦持し
粉体化する方法が提案されている。しかしこの方法で
は、無機粉体に吸着されたまま脱着されない共重合体が
存在することが原因と考えられるが、水溶液状態で使用
した場合よりもセメント分散性能が低下することがあ
り、製造方法の煩雑さと分散性能において問題があっ
た。
【0007】このような背景からセメント混和剤用途に
おいては、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体を、その高いセメント分散
性能を損なう事なく粉末化したセメント混和剤が望まれ
ていた。
おいては、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテ
ル−無水マレイン酸共重合体を、その高いセメント分散
性能を損なう事なく粉末化したセメント混和剤が望まれ
ていた。
【0008】ポリアルキレングリコールアルケニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体の室温付近(20〜30
℃)における性状は、共重合体中のポリアルキレングリ
コール鎖の溶融温度と、ポリアルキレングリコール鎖の
分子量によって変化する共重合体中のポリアルキレング
リコール鎖含有率により変化する。平均エチレンオキシ
ド付加モル数(平均EO付加モル数)が3モルで、分子
量約200g/molの室温で液状のポリエチレングリ
コールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
は、室温では粘着性と若干の柔軟性を有する塊状重合物
となる為、室温では粉砕等による粉末化及び粉末品とし
ての取扱いは出来ない。
テル−無水マレイン酸共重合体の室温付近(20〜30
℃)における性状は、共重合体中のポリアルキレングリ
コール鎖の溶融温度と、ポリアルキレングリコール鎖の
分子量によって変化する共重合体中のポリアルキレング
リコール鎖含有率により変化する。平均エチレンオキシ
ド付加モル数(平均EO付加モル数)が3モルで、分子
量約200g/molの室温で液状のポリエチレングリ
コールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
は、室温では粘着性と若干の柔軟性を有する塊状重合物
となる為、室温では粉砕等による粉末化及び粉末品とし
ての取扱いは出来ない。
【0009】また、平均EO付加モル数約45モルで、
分子量約2000g/molの室温で固体状のポリエチ
レングリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の
共重合体は、室温では固形であり粉砕あるいは析出によ
る粉末化は可能であるが、50〜60℃付近に溶融温度
を有している為に粉体としての使用温度範囲が非常に狭
く実用性が無い。更に、平均EO付加モル数約11モル
で、分子量約400g/molの室温で液状のポリエチ
レングリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の
共重合体は室温では粘度が高い水飴状であり粉体には出
来ない。以上のように、ポリアルキレングリコールアル
ケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体は粉体品とし
て取り扱うには共重合体組成、使用条件並びに製造工程
に関する制約が多く、粉体として取扱い可能なものは従
来無かった。
分子量約2000g/molの室温で固体状のポリエチ
レングリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の
共重合体は、室温では固形であり粉砕あるいは析出によ
る粉末化は可能であるが、50〜60℃付近に溶融温度
を有している為に粉体としての使用温度範囲が非常に狭
く実用性が無い。更に、平均EO付加モル数約11モル
で、分子量約400g/molの室温で液状のポリエチ
レングリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の
共重合体は室温では粘度が高い水飴状であり粉体には出
来ない。以上のように、ポリアルキレングリコールアル
ケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体は粉体品とし
て取り扱うには共重合体組成、使用条件並びに製造工程
に関する制約が多く、粉体として取扱い可能なものは従
来無かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
アルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体を粉体化することにより、従来の粉末状分
散剤よりも高い分散性能、スランプロスの低減、初期強
度の向上といった効果を有する粉末状分散剤を得ること
である。
アルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体を粉体化することにより、従来の粉末状分
散剤よりも高い分散性能、スランプロスの低減、初期強
度の向上といった効果を有する粉末状分散剤を得ること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポリアル
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体に金属イオンを添加し、高分子鎖内及び高分子
鎖間にイオン的結合力を導入することによる粉体化の可
能性を検討した。その結果、本発明のベースポリマーと
なるポリアルキレングリコールアルケニルエーテル−無
水マレイン酸共重合体と比較し、多価金属との塩にした
共重合体は溶融温度及び強靭さが向上する為、粉体とし
ての取扱いが可能となると共に、水溶性であるため粉体
としても水溶液としても使用可能であることを見いだし
本発明に至った。
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体に金属イオンを添加し、高分子鎖内及び高分子
鎖間にイオン的結合力を導入することによる粉体化の可
能性を検討した。その結果、本発明のベースポリマーと
なるポリアルキレングリコールアルケニルエーテル−無
水マレイン酸共重合体と比較し、多価金属との塩にした
共重合体は溶融温度及び強靭さが向上する為、粉体とし
ての取扱いが可能となると共に、水溶性であるため粉体
としても水溶液としても使用可能であることを見いだし
本発明に至った。
【0012】一般的な高分子ポリカルボン酸、例えばポ
リ(メタ)アクリル酸、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、イソブチレン−無水マレイン酸、メチルビニルエ
ーテル−無水マレイン酸等はカルシウム等の多価金属イ
オンと水不溶性のコンプレックスを形成する。これは、
解離したカルボキシル基による分子内及び分子間の電気
的反発力と、解離したカルボキシル基の溶媒和により水
に溶解している高分子鎖が、カルボキシル基と多価イオ
ンがコンプレックスを形成した場合にはカルボキシル基
の解離が減少し、電気的反発力と溶媒和が低下する為に
水不溶性になる現象である。
リ(メタ)アクリル酸、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、イソブチレン−無水マレイン酸、メチルビニルエ
ーテル−無水マレイン酸等はカルシウム等の多価金属イ
オンと水不溶性のコンプレックスを形成する。これは、
解離したカルボキシル基による分子内及び分子間の電気
的反発力と、解離したカルボキシル基の溶媒和により水
に溶解している高分子鎖が、カルボキシル基と多価イオ
ンがコンプレックスを形成した場合にはカルボキシル基
の解離が減少し、電気的反発力と溶媒和が低下する為に
水不溶性になる現象である。
【0013】これら一般的高分子ポリカルボン酸の現象
と異なり、本発明のポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体と多価金属からな
る塩が水に溶解する現象は、ポリアルキレングリコール
アルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の構造と
関連していると考えられる。カルボキシル基含有率が一
般的高分子ポリカルボン酸と比較し少ない事、水溶性良
好なポリエチレングリコールを主成分とするポリアルキ
レングリコール側鎖を有している事に起因していると考
えられる。
と異なり、本発明のポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体と多価金属からな
る塩が水に溶解する現象は、ポリアルキレングリコール
アルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の構造と
関連していると考えられる。カルボキシル基含有率が一
般的高分子ポリカルボン酸と比較し少ない事、水溶性良
好なポリエチレングリコールを主成分とするポリアルキ
レングリコール側鎖を有している事に起因していると考
えられる。
【0014】すなわち本発明は一般式(1)
【化2】
(式中のAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であ
り、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は水素また
は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜60の整
数である)で示されるポリアルキレングリコールアルケ
ニルエーテルと無水マレイン酸とのポリエチレングリコ
ール換算重量平均分子量が3、000〜5×105の共
重合体の2価以上の金属との塩であり、水溶性である事
を特徴とする粉末状セメント混和剤である。
り、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は水素また
は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜60の整
数である)で示されるポリアルキレングリコールアルケ
ニルエーテルと無水マレイン酸とのポリエチレングリコ
ール換算重量平均分子量が3、000〜5×105の共
重合体の2価以上の金属との塩であり、水溶性である事
を特徴とする粉末状セメント混和剤である。
【0015】前記一般式(1)において、AOで示され
る炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシ
エチレン基、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレ
ン基などが挙げられ、特に炭素数2のオキシエチレン基
が好ましい。炭素数が増えるに従って共重合体の水溶性
が低下する。なお、得られる共重合体の水溶性を損なわ
ない範囲で、共重合体の有機溶媒溶解性及び極性制御の
目的で、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基
などのオキシアルキレン基とのランダムまたはブロック
共重合体を使用できる。
る炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシ
エチレン基、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレ
ン基などが挙げられ、特に炭素数2のオキシエチレン基
が好ましい。炭素数が増えるに従って共重合体の水溶性
が低下する。なお、得られる共重合体の水溶性を損なわ
ない範囲で、共重合体の有機溶媒溶解性及び極性制御の
目的で、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基
などのオキシアルキレン基とのランダムまたはブロック
共重合体を使用できる。
【0016】オキシアルキレン基の平均付加モル数nは
1〜60モルの範囲がこのましい。60モルを越えると
反応液の粘度が著しく上昇し、同時に重合反応性が低下
するのでこのましくない。また生成した共重合体のセメ
ントに対する分散性能も低下する。普通ポルトランドセ
メントを分散させる場合nが5未満となるとスランプの
経時変化が低下する傾向がある。そのため用途によりそ
れを避けたい場合はnを5以上とする事が好ましい。逆
にアルミナセメントの場合はnが20以上になると若干
スランプの経時変化が低下するので、それを避けたい場
合はnを20未満とする事が好ましい。
1〜60モルの範囲がこのましい。60モルを越えると
反応液の粘度が著しく上昇し、同時に重合反応性が低下
するのでこのましくない。また生成した共重合体のセメ
ントに対する分散性能も低下する。普通ポルトランドセ
メントを分散させる場合nが5未満となるとスランプの
経時変化が低下する傾向がある。そのため用途によりそ
れを避けたい場合はnを5以上とする事が好ましい。逆
にアルミナセメントの場合はnが20以上になると若干
スランプの経時変化が低下するので、それを避けたい場
合はnを20未満とする事が好ましい。
【0017】R1で示される炭素数2〜5のアルケニル
基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、3−ブ
テニル基、4−ペンテニル基、3−メチル−3−ブテニ
ル基等があるが、無水マレイン酸との共重合性の観点か
らビニル基が最も好ましい。R2は水素または炭素数1
〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三
ブチル基等が挙げられるが、水溶性と製造コスト上の観
点からはメチル基が好ましい。
基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、3−ブ
テニル基、4−ペンテニル基、3−メチル−3−ブテニ
ル基等があるが、無水マレイン酸との共重合性の観点か
らビニル基が最も好ましい。R2は水素または炭素数1
〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三
ブチル基等が挙げられるが、水溶性と製造コスト上の観
点からはメチル基が好ましい。
【0018】一般式(1)
【化3】
(式中のAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であ
り、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は水素また
は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜60の整
数である)で示されるポリアルキレングリコールアルケ
ニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体においてポ
リアルキレングリコールアルケニルエーテルと無水マレ
イン酸とのモル比は1/2〜2/1の範囲であることが
望ましく、より好ましくは1/1.2〜1.2/1であ
る。
り、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は水素また
は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜60の整
数である)で示されるポリアルキレングリコールアルケ
ニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体においてポ
リアルキレングリコールアルケニルエーテルと無水マレ
イン酸とのモル比は1/2〜2/1の範囲であることが
望ましく、より好ましくは1/1.2〜1.2/1であ
る。
【0019】共重合体の製造には、公知のラジカル重合
方法を適用しうる。例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤を
使用し、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等のベン
ゼン誘導体、酢酸エチルや酢酸イソプロピル等の有機酸
エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン等のケトン類、四塩化炭素、クロロホルム等の有機
ハロゲン化物などのような溶媒中で、5〜150℃でラ
ジカル共重合を行う溶液重合が可能であり、また、溶媒
を使用せずにアルキレングリコールアルケニルエーテル
に無水マレイン酸をよく溶解させた後、上述のラジカル
開始剤により5〜150℃でバルク重合することも可能
である。どのような重合方法を選ぶかは、使用するアル
キレングリコールアルケニルエーテルの融点および粘度
と、生成する共重合体の分子量および粘度等に応じて、
取扱いの容易性、コストの有利性などを考慮して選択す
ればよい。
方法を適用しうる。例えば、ベンゾイルパーオキサイ
ド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤を
使用し、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等のベン
ゼン誘導体、酢酸エチルや酢酸イソプロピル等の有機酸
エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン等のケトン類、四塩化炭素、クロロホルム等の有機
ハロゲン化物などのような溶媒中で、5〜150℃でラ
ジカル共重合を行う溶液重合が可能であり、また、溶媒
を使用せずにアルキレングリコールアルケニルエーテル
に無水マレイン酸をよく溶解させた後、上述のラジカル
開始剤により5〜150℃でバルク重合することも可能
である。どのような重合方法を選ぶかは、使用するアル
キレングリコールアルケニルエーテルの融点および粘度
と、生成する共重合体の分子量および粘度等に応じて、
取扱いの容易性、コストの有利性などを考慮して選択す
ればよい。
【0020】また、重量平均分子量が数千程度と小さい
共重合体を製造する場合には通常の連鎖移動剤、例え
ば、チオール系連鎖移動剤、アルキルアルデヒド系連鎖
移動剤などを使用できる。更に、分子量を制御する技術
として溶媒中に無水マレイン酸及びラジカル開始剤を添
加しておき、それにアルキレングリコールアルケニルエ
ーテルを特定の時間をかけて分添供給する方法等も用い
られる。なお、得られる共重合体の性能と水溶性を損な
わない範囲で、スチレン、フェニルマレイミド等のマレ
イミド類、αオレフィン等のオレフィン類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等の低級ア
ルキルビニルエーテル類などの単量体を共重合すること
もできる。
共重合体を製造する場合には通常の連鎖移動剤、例え
ば、チオール系連鎖移動剤、アルキルアルデヒド系連鎖
移動剤などを使用できる。更に、分子量を制御する技術
として溶媒中に無水マレイン酸及びラジカル開始剤を添
加しておき、それにアルキレングリコールアルケニルエ
ーテルを特定の時間をかけて分添供給する方法等も用い
られる。なお、得られる共重合体の性能と水溶性を損な
わない範囲で、スチレン、フェニルマレイミド等のマレ
イミド類、αオレフィン等のオレフィン類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニ
ルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等の低級ア
ルキルビニルエーテル類などの単量体を共重合すること
もできる。
【0021】2価以上の金属としては、カルシウム、マ
グネシウム、アルミニウム等の金属が好ましいが、製造
の容易さ、価格、低吸湿性の点からカルシウムが好まし
い。ナトリウム、カリウム等の1価金属との塩は、ベー
スポリマーであるポリアルキレングリコールアルケニエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体と比較すれば、幾分強
靭さが向上し粉末品は得られるものの、得られる粉末品
は吸湿性が高く粉体として取り扱い可能な使用範囲が非
常に狭く問題がある。
グネシウム、アルミニウム等の金属が好ましいが、製造
の容易さ、価格、低吸湿性の点からカルシウムが好まし
い。ナトリウム、カリウム等の1価金属との塩は、ベー
スポリマーであるポリアルキレングリコールアルケニエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体と比較すれば、幾分強
靭さが向上し粉末品は得られるものの、得られる粉末品
は吸湿性が高く粉体として取り扱い可能な使用範囲が非
常に狭く問題がある。
【0022】得られる粉末状セメント混和剤の平均粒径
は特に限定されないが、好ましくは平均粒径0.1〜2
00μmである。平均粒径200μm以上の粉体では溶
媒に対する溶解速度の違いと、各種粉体材料とドライブ
レンドした際の偏析により、本来の性能が再現よく得ら
れず好ましくない。
は特に限定されないが、好ましくは平均粒径0.1〜2
00μmである。平均粒径200μm以上の粉体では溶
媒に対する溶解速度の違いと、各種粉体材料とドライブ
レンドした際の偏析により、本来の性能が再現よく得ら
れず好ましくない。
【0023】本発明で用いる、ポリアルキレングリコー
ルアルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の分子
量は各種無機粉体/水スラリー分散剤およびセメント等
の水硬性粉体分散剤等の分散剤用途に使用する場合に
は、水系GPCで測定したポリエチレングリコール換算
重量平均分子量が3、000〜5×105の範囲が好ま
しく、特に好ましくは3、000〜1×105の範囲で
ある。重量平均分子量が3、000以下の場合には充分
な分散性能が得られない。一方、重量平均分子量が5×
105以上の範囲では、分散性能が低下するうえに、製
造が難しく製造コストが高くなるため好ましくない。
ルアルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の分子
量は各種無機粉体/水スラリー分散剤およびセメント等
の水硬性粉体分散剤等の分散剤用途に使用する場合に
は、水系GPCで測定したポリエチレングリコール換算
重量平均分子量が3、000〜5×105の範囲が好ま
しく、特に好ましくは3、000〜1×105の範囲で
ある。重量平均分子量が3、000以下の場合には充分
な分散性能が得られない。一方、重量平均分子量が5×
105以上の範囲では、分散性能が低下するうえに、製
造が難しく製造コストが高くなるため好ましくない。
【0024】重量平均分子量が1×105〜5×105の
範囲では、分散効果はあるが増粘効果が現れてくる為
に、本来有している高い分散性能は低下する。従って、
高分散性能を目的とする場合は重量平均分子量3、00
0〜1×105の範囲が特に好ましい。分散性能に加え
て若干の増粘効果も得たい場合や、非常に水和反応が早
い水硬性粉体、例えばアルミナセメントを分散する為
に、分散剤を過剰添加する事により水和反応を遅延させ
ながら分散状態を維持したい場合等には重量平均分子量
1×105〜5×105の範囲が好ましい。
範囲では、分散効果はあるが増粘効果が現れてくる為
に、本来有している高い分散性能は低下する。従って、
高分散性能を目的とする場合は重量平均分子量3、00
0〜1×105の範囲が特に好ましい。分散性能に加え
て若干の増粘効果も得たい場合や、非常に水和反応が早
い水硬性粉体、例えばアルミナセメントを分散する為
に、分散剤を過剰添加する事により水和反応を遅延させ
ながら分散状態を維持したい場合等には重量平均分子量
1×105〜5×105の範囲が好ましい。
【0025】なお、共重合体の性能と水溶性を損なわな
い範囲であれば得られたポリアルキレングリコールアル
ケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の無水マレイ
ン酸基の一部を低級アルコール、ポリアルキレングリコ
ール等のアルコール類によるエステル化、アミン類によ
るアミド化、またはイミド化により変性し使用できる。
い範囲であれば得られたポリアルキレングリコールアル
ケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の無水マレイ
ン酸基の一部を低級アルコール、ポリアルキレングリコ
ール等のアルコール類によるエステル化、アミン類によ
るアミド化、またはイミド化により変性し使用できる。
【0026】本発明の粉末状セメント混和剤は、ポリア
ルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン
酸共重合体を2価以上の金属と反応する事により得られ
る。製造方法としては、重合した共重合体の有機溶媒溶
液あるいは共重合体溶液に2価以上金属の塩または水酸
化物−水スラリーを添加し中和反応後に乾燥・粉砕する
方法、重合した共重合体−有機溶媒と加熱スチームによ
るストリッピングにより共重合体水溶液を調整した後に
2価以上金属の塩または水酸化物と反応させて乾燥、粉
砕する方法、重合した共重合体−有機溶媒溶液あるいは
共重合体バルクに2価以上金属の塩または水酸化物を少
量の水存在化で反応させた後に、反応物を共重合体の貧
溶媒に滴下し共重合体粉末を析出、濾過、乾燥する方法
等により製造することができる。
ルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン
酸共重合体を2価以上の金属と反応する事により得られ
る。製造方法としては、重合した共重合体の有機溶媒溶
液あるいは共重合体溶液に2価以上金属の塩または水酸
化物−水スラリーを添加し中和反応後に乾燥・粉砕する
方法、重合した共重合体−有機溶媒と加熱スチームによ
るストリッピングにより共重合体水溶液を調整した後に
2価以上金属の塩または水酸化物と反応させて乾燥、粉
砕する方法、重合した共重合体−有機溶媒溶液あるいは
共重合体バルクに2価以上金属の塩または水酸化物を少
量の水存在化で反応させた後に、反応物を共重合体の貧
溶媒に滴下し共重合体粉末を析出、濾過、乾燥する方法
等により製造することができる。
【0027】本発明の粉末状重合体組成物をセメントの
添加剤として使用する場合、その使用方法には特に限定
されないが、粉末状でありながらセメントに対してすぐ
れた分散性能を示すため各種粉体材料とあらかじめドラ
イブレンドしておき使用する事が可能である。また、水
溶性にすぐれるためセメント配合物と水を混練後に本発
明の粉末状セメント混和剤を添加する方法、本発明の粉
末状セメント混和剤をあらかじめ水溶液としておき単独
あるいは各種液体状セメント混和剤との混合水溶液とし
ておき、セメント配合物に混練水と同時あるいは分割し
て添加する方法等の種々の使用方法が可能である。
添加剤として使用する場合、その使用方法には特に限定
されないが、粉末状でありながらセメントに対してすぐ
れた分散性能を示すため各種粉体材料とあらかじめドラ
イブレンドしておき使用する事が可能である。また、水
溶性にすぐれるためセメント配合物と水を混練後に本発
明の粉末状セメント混和剤を添加する方法、本発明の粉
末状セメント混和剤をあらかじめ水溶液としておき単独
あるいは各種液体状セメント混和剤との混合水溶液とし
ておき、セメント配合物に混練水と同時あるいは分割し
て添加する方法等の種々の使用方法が可能である。
【0028】本発明の粉末状セメント混和剤は他の公知
のセメント混和剤と組み合わせて使用してもよい、例え
ば、急結剤、硬化促進剤等のセメントの凝結・硬化調整
剤、分離低減剤、従来の分散剤、消泡剤、空気連行剤等
を挙げる事ができる。この際、本発明の粉末状セメント
混和剤は各種粉体状混和剤とのドライブレンドも可能で
あれば、水溶性であるため水溶液混合も可能である。ま
た、本発明の粉末状セメント混和剤はポルトランドセメ
ント、アルミナセメント、各種混合セメント等の水硬性
セメント、あるいは石膏等のセメント以外の水硬性材料
等に用いることができる。
のセメント混和剤と組み合わせて使用してもよい、例え
ば、急結剤、硬化促進剤等のセメントの凝結・硬化調整
剤、分離低減剤、従来の分散剤、消泡剤、空気連行剤等
を挙げる事ができる。この際、本発明の粉末状セメント
混和剤は各種粉体状混和剤とのドライブレンドも可能で
あれば、水溶性であるため水溶液混合も可能である。ま
た、本発明の粉末状セメント混和剤はポルトランドセメ
ント、アルミナセメント、各種混合セメント等の水硬性
セメント、あるいは石膏等のセメント以外の水硬性材料
等に用いることができる。
【0029】使用量はセメント組成物中のセメントに対
して固形分換算で0.01〜5.0重量%が適当であ
る。0.01重量%未満では充分な分散性能が得られな
いことがある。また、5重量%を越える場合には凝結遅
延やセメント組成物の材料分離などの問題を引きおこし
たりすることがある上、経済的にも不利となる。
して固形分換算で0.01〜5.0重量%が適当であ
る。0.01重量%未満では充分な分散性能が得られな
いことがある。また、5重量%を越える場合には凝結遅
延やセメント組成物の材料分離などの問題を引きおこし
たりすることがある上、経済的にも不利となる。
【0030】粉末状のセメント分散剤が使用される用途
は種々あるが、具体的な例としては、トンネル一次復工
用吹き付けコンクリートのベースコンクリート用セメン
ト分散剤用途を挙げることができる。本用途では急結
剤、硬化促進剤等のセメントの凝結・硬化調整剤等の粉
体材料とセメント分散剤を併用するため、セメント分散
剤は粉体材料とドライブンレンド可能な粉体である事が
望ましい。また、トンネル内のコンクリート吹き付け作
業においては、作業時の粉塵が作業者の健康に与える影
響が問題となっていたが、近年はトンネルの大断面化に
伴い吹き付けコンクリートに対する要求強度が高くなっ
た関係上、単位面積当たりのコンクリート吹き付け量が
増加し作業時の粉塵も多くなり問題となっていた。
は種々あるが、具体的な例としては、トンネル一次復工
用吹き付けコンクリートのベースコンクリート用セメン
ト分散剤用途を挙げることができる。本用途では急結
剤、硬化促進剤等のセメントの凝結・硬化調整剤等の粉
体材料とセメント分散剤を併用するため、セメント分散
剤は粉体材料とドライブンレンド可能な粉体である事が
望ましい。また、トンネル内のコンクリート吹き付け作
業においては、作業時の粉塵が作業者の健康に与える影
響が問題となっていたが、近年はトンネルの大断面化に
伴い吹き付けコンクリートに対する要求強度が高くなっ
た関係上、単位面積当たりのコンクリート吹き付け量が
増加し作業時の粉塵も多くなり問題となっていた。
【0031】本発明の粉末状セメント混和剤は、従来粉
末状セメント混和剤として広く使用されているナフタレ
ンスルホン酸塩ホルマリン縮合物よりも格段に優れた減
水性能を有しており、コンクリートの高強度化が可能で
ある。従って、本発明の粉末状セメント混和剤をトンネ
ル内吹き付けコンクリート用途に使用した場合には、各
種粉体状セメント混和材とセメント分散剤を別々に計
量、添加する必要が無くなるばかりでなく、吹き付けコ
ンクリートの高強度化により単位面積当たりのコンクリ
ート吹き付け量が低減できる為、作業時間の短縮と作業
時の粉塵低減にも効果があり、大幅に作業性が改善でき
る。
末状セメント混和剤として広く使用されているナフタレ
ンスルホン酸塩ホルマリン縮合物よりも格段に優れた減
水性能を有しており、コンクリートの高強度化が可能で
ある。従って、本発明の粉末状セメント混和剤をトンネ
ル内吹き付けコンクリート用途に使用した場合には、各
種粉体状セメント混和材とセメント分散剤を別々に計
量、添加する必要が無くなるばかりでなく、吹き付けコ
ンクリートの高強度化により単位面積当たりのコンクリ
ート吹き付け量が低減できる為、作業時間の短縮と作業
時の粉塵低減にも効果があり、大幅に作業性が改善でき
る。
【0032】
【実施例】以下、ポリアルキレングリコールアルケニル
エーテルの製造例、ポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体及び粉末状共重合
体金属塩の製造例、実施例、比較例により更に詳細に説
明する。
エーテルの製造例、ポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体及び粉末状共重合
体金属塩の製造例、実施例、比較例により更に詳細に説
明する。
【0033】(1)ポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル(A)の製造例 温度計、撹拌機、還流装置、アセチレンガス導入管、窒
素導入管、アセチレンガス流量積算計を備えたガラス製
オートクレーブに、メトキシポリエチレングリコール
(分子量164、EO平均付加モル数3)600.0
g、水酸化カリウム64.8g(メトキシポリエチレン
グリコールに対して30mol%)を仕込み、装置の漏
れがないことを確認後、オートクレーブ内の温度を12
0℃まで昇温しながら、窒素バブリングにより装置内を
窒素置換した。添加した水酸化カリウムはこの間に完溶
した。内温が120℃に安定後、アセチレンの供給を開
始し、約9時間でアセチレンの吸収量がなくなったの
で、アセチレンの供給を停止し、オートクレーブを窒素
置換後、冷却、解体した。得られた反応物は酸・アルカ
リ吸着剤で不純物の除去を行い薄黄色液状の精製物を得
た。
ルエーテル(A)の製造例 温度計、撹拌機、還流装置、アセチレンガス導入管、窒
素導入管、アセチレンガス流量積算計を備えたガラス製
オートクレーブに、メトキシポリエチレングリコール
(分子量164、EO平均付加モル数3)600.0
g、水酸化カリウム64.8g(メトキシポリエチレン
グリコールに対して30mol%)を仕込み、装置の漏
れがないことを確認後、オートクレーブ内の温度を12
0℃まで昇温しながら、窒素バブリングにより装置内を
窒素置換した。添加した水酸化カリウムはこの間に完溶
した。内温が120℃に安定後、アセチレンの供給を開
始し、約9時間でアセチレンの吸収量がなくなったの
で、アセチレンの供給を停止し、オートクレーブを窒素
置換後、冷却、解体した。得られた反応物は酸・アルカ
リ吸着剤で不純物の除去を行い薄黄色液状の精製物を得
た。
【0034】(2)ポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル(B)の製造例 原料アルコールとしてメトキシポリエチレングリコール
(平均分子量約1000、EO平均付加モル数22)6
00.0g、水酸化カリウム5.3g(メトキシポリエ
チレングリコールに対して15mol%)を使用した以
外は、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル
(A)の製造例と同様に反応、精製を行い、薄黄白色の
ロウ状態精製物を得た。
ルエーテル(B)の製造例 原料アルコールとしてメトキシポリエチレングリコール
(平均分子量約1000、EO平均付加モル数22)6
00.0g、水酸化カリウム5.3g(メトキシポリエ
チレングリコールに対して15mol%)を使用した以
外は、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル
(A)の製造例と同様に反応、精製を行い、薄黄白色の
ロウ状態精製物を得た。
【0035】(3)ポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル(C)の製造例 原料アルコールとしてメトキシポリエチレングリコール
(平均分子量約2000、EO平均付加モル数44)6
00.0g、水酸化カリウム5.3g(メトキシポリエ
チレングリコールに対して30mol%)を使用した以
外は、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル
(A)の製造例と同様に反応、精製を行い、薄黄白色の
固体状態精製物を得た。
ルエーテル(C)の製造例 原料アルコールとしてメトキシポリエチレングリコール
(平均分子量約2000、EO平均付加モル数44)6
00.0g、水酸化カリウム5.3g(メトキシポリエ
チレングリコールに対して30mol%)を使用した以
外は、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル
(A)の製造例と同様に反応、精製を行い、薄黄白色の
固体状態精製物を得た。
【0036】(4)共重合体(a)の製造例
温度計、攪拌機、滴下装置、真空ライン、窒素ガス導入
管を備えた1リットルガラス製オートクレーブに、使用
するポリアルキレングリコールアルケニルエーテルと無
水マレイン酸の仕込みモル比が1/1になるように、ポ
リアルキレングリコールアルケニルエーテル(A)の製
造例で得られたメトキシポリエチレングリコールビニル
エーテル(分子量190、EO平均付加モル数3)を2
1.1g、無水マレイン酸10.9g(分子量98)を
仕込み、モノマーの仕込み濃度が5重量%となるように
メチルエチルケトン(MEK)溶媒608gを仕込ん
だ。その後、減圧/窒素バブリングを繰り返しオートク
レーブ内を窒素置換し、オートクレーブ内圧を窒素導入
により常圧に戻し、オートクレーブ内の温度を80℃ま
で昇温した。内温が80℃に安定後、2、2’−アゾビ
スイソブチロニトリルの3重量%MEK溶媒からなる開
始剤溶液11mlを、重合熱による発熱に注意しながら重
合時間3時間の間に分割添加した。重合溶液の温度を8
0℃に保つように外温制御しながら5時間重合反応を行
った後、重合溶液をサンプリングし重合率を測定した結
果、重合率は無水マレイン酸基準で100%であった。
次いでオートクレーブを冷却、解体後、重合溶液を取り
出し減圧乾燥により溶媒を除去し、室温で若干の接着性
と柔軟性を有する塊状共重合体を得た。
管を備えた1リットルガラス製オートクレーブに、使用
するポリアルキレングリコールアルケニルエーテルと無
水マレイン酸の仕込みモル比が1/1になるように、ポ
リアルキレングリコールアルケニルエーテル(A)の製
造例で得られたメトキシポリエチレングリコールビニル
エーテル(分子量190、EO平均付加モル数3)を2
1.1g、無水マレイン酸10.9g(分子量98)を
仕込み、モノマーの仕込み濃度が5重量%となるように
メチルエチルケトン(MEK)溶媒608gを仕込ん
だ。その後、減圧/窒素バブリングを繰り返しオートク
レーブ内を窒素置換し、オートクレーブ内圧を窒素導入
により常圧に戻し、オートクレーブ内の温度を80℃ま
で昇温した。内温が80℃に安定後、2、2’−アゾビ
スイソブチロニトリルの3重量%MEK溶媒からなる開
始剤溶液11mlを、重合熱による発熱に注意しながら重
合時間3時間の間に分割添加した。重合溶液の温度を8
0℃に保つように外温制御しながら5時間重合反応を行
った後、重合溶液をサンプリングし重合率を測定した結
果、重合率は無水マレイン酸基準で100%であった。
次いでオートクレーブを冷却、解体後、重合溶液を取り
出し減圧乾燥により溶媒を除去し、室温で若干の接着性
と柔軟性を有する塊状共重合体を得た。
【0037】得られた共重合体について、水溶媒系のG
PC(Gel Permeation Chromat
ography)により、ポリエチレングリコール、ポ
ルエチレンオキシド換算の分子量を測定したところ、重
量平均分子量は6万であった。使用したポリアルキレン
グリコールアルケニルエーテル種と得られた共重合体の
分子量と性状を表1に記載した。
PC(Gel Permeation Chromat
ography)により、ポリエチレングリコール、ポ
ルエチレンオキシド換算の分子量を測定したところ、重
量平均分子量は6万であった。使用したポリアルキレン
グリコールアルケニルエーテル種と得られた共重合体の
分子量と性状を表1に記載した。
【0038】(5)共重合体(b)の製造例
ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル(B)の
製造例で得られたメトキシポリアルキレングリコールビ
ニルエーテル(平均分子量約1026、平均EO付加モ
ル数22)を使用し、重合溶媒及び開始剤の希釈液とし
てトルエンを使用した以外は、共重合体(a)の製造例
と同一条件、同一操作で重合を実施し、表1記載の重量
平均分子量2万の室温でロウ状体の共重合体を得た。
製造例で得られたメトキシポリアルキレングリコールビ
ニルエーテル(平均分子量約1026、平均EO付加モ
ル数22)を使用し、重合溶媒及び開始剤の希釈液とし
てトルエンを使用した以外は、共重合体(a)の製造例
と同一条件、同一操作で重合を実施し、表1記載の重量
平均分子量2万の室温でロウ状体の共重合体を得た。
【0039】(6)共重合体(c)の製造例
ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル(C)の
製造例で得られたメトキシポリエチレングリコールビニ
ルエーテル(平均分子量約2026、平均EO付加モル
数45)を使用した以外は、重合溶媒及び開始剤の希釈
液としてトルエンを使用した以外は、共重合体(a)の
製造例と同一条件、同一操作で重合を実施し、表1記載
の重量平均分子量2万の室温で固体状の共重合体を得
た。
製造例で得られたメトキシポリエチレングリコールビニ
ルエーテル(平均分子量約2026、平均EO付加モル
数45)を使用した以外は、重合溶媒及び開始剤の希釈
液としてトルエンを使用した以外は、共重合体(a)の
製造例と同一条件、同一操作で重合を実施し、表1記載
の重量平均分子量2万の室温で固体状の共重合体を得
た。
【0040】(7)共重合体(d)の製造例
ポリアルキレングリコールアルケニルエーテルとしてメ
トキシポリエチレングリコールアリルエーテル(平均分
子量1500、EO平均付加モル32、日本油脂製品ユ
ニオックスPKA−5010)を使用した。温度計、攪
拌機、滴下装置、真空ライン、窒素ガス導入管を備えた
1リットルガラス製オートクレーブに、ポリアルキレン
グリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の仕込
みモル比が1/1になるように、メトキシポリエチレン
グリコールアリルエーテル(分子量1500、EO平均
付加モル数32)を653.3g、無水マレイン酸4
2.7g(分子量98)、開始剤としてラウロイルパー
オキサイド(LPO)7gを仕込んだ。その後、減圧/
窒素バブリングを繰り返しオートクレーブ内を窒素置換
し、オートクレーブ内圧を窒素導入により常圧に戻し、
オートクレーブ内の温度を80℃まで昇温した。重合溶
液の内温を80℃に保つように外温制御しながら5時間
重合反応を行った後、重合溶液をサンプリングし重合率
を測定した結果、重合率は無水マレイン酸基準で57%
であった。その後、撹拌しながら80℃で22時間反応
を継続した。22時間における重合率は無水マレイン酸
基準で60%であった。得られた反応缶液はそのまま共
重合体(d)として使用した。表1に得られた共重合体
の分子量と性状を記載した。
トキシポリエチレングリコールアリルエーテル(平均分
子量1500、EO平均付加モル32、日本油脂製品ユ
ニオックスPKA−5010)を使用した。温度計、攪
拌機、滴下装置、真空ライン、窒素ガス導入管を備えた
1リットルガラス製オートクレーブに、ポリアルキレン
グリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸の仕込
みモル比が1/1になるように、メトキシポリエチレン
グリコールアリルエーテル(分子量1500、EO平均
付加モル数32)を653.3g、無水マレイン酸4
2.7g(分子量98)、開始剤としてラウロイルパー
オキサイド(LPO)7gを仕込んだ。その後、減圧/
窒素バブリングを繰り返しオートクレーブ内を窒素置換
し、オートクレーブ内圧を窒素導入により常圧に戻し、
オートクレーブ内の温度を80℃まで昇温した。重合溶
液の内温を80℃に保つように外温制御しながら5時間
重合反応を行った後、重合溶液をサンプリングし重合率
を測定した結果、重合率は無水マレイン酸基準で57%
であった。その後、撹拌しながら80℃で22時間反応
を継続した。22時間における重合率は無水マレイン酸
基準で60%であった。得られた反応缶液はそのまま共
重合体(d)として使用した。表1に得られた共重合体
の分子量と性状を記載した。
【0041】
【表1】
【0042】(8)粉末状セメント混和剤の製造例
得られた共重合体(a)の40%濃度水溶液を温度80
〜100℃に加熱しながら、水溶液pHが7〜8になる
ように水酸化カルシウムを添加し中和反応を行った。得
られた水溶液から水を減圧除去し共重合体(a)のカル
シウム塩を取りだした後、粉砕機により粉砕し篩いによ
り粒径1〜200μmの粉体とした。以下、表2記載の
アルカリ種を使用し実施例の粉末状セメント混和剤を作
成し評価に使用した。また、比較例として共重合体
(b)と1価金属との塩及びアンモニウム塩、メチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のカルシウム塩
を作成し評価に用いた。
〜100℃に加熱しながら、水溶液pHが7〜8になる
ように水酸化カルシウムを添加し中和反応を行った。得
られた水溶液から水を減圧除去し共重合体(a)のカル
シウム塩を取りだした後、粉砕機により粉砕し篩いによ
り粒径1〜200μmの粉体とした。以下、表2記載の
アルカリ種を使用し実施例の粉末状セメント混和剤を作
成し評価に使用した。また、比較例として共重合体
(b)と1価金属との塩及びアンモニウム塩、メチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のカルシウム塩
を作成し評価に用いた。
【0043】(実施例1)製造例で得られた粉末状セメ
ント混和剤について、温度23〜25℃、湿度65%に
おける吸湿性と吸湿前後の性状変化を測定し表2に記載
した。比較例としてポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体と1価金属との
塩、並びに市販されている粉末状高分子ポリカルボン酸
であるポリアクリル酸ナトリウムの吸湿性と性状を測定
した。
ント混和剤について、温度23〜25℃、湿度65%に
おける吸湿性と吸湿前後の性状変化を測定し表2に記載
した。比較例としてポリアルキレングリコールアルケニ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体と1価金属との
塩、並びに市販されている粉末状高分子ポリカルボン酸
であるポリアクリル酸ナトリウムの吸湿性と性状を測定
した。
【0044】
【表2】
【0045】表2示した結果から明かな様に、ポリアル
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体とナトリウム、カリウム、アンモニウムの塩は
高粘性水飴状態であり吸湿性も高く粉体としては取り扱
えないのに対して、本発明の粉末状セメント混和剤は粉
体として取扱い可能である。また、市販されている粉体
状カルボン酸系高分子の代表であるポリアクリル酸ナト
リウムと比較すると低吸湿性の点で優れている。
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体とナトリウム、カリウム、アンモニウムの塩は
高粘性水飴状態であり吸湿性も高く粉体としては取り扱
えないのに対して、本発明の粉末状セメント混和剤は粉
体として取扱い可能である。また、市販されている粉体
状カルボン酸系高分子の代表であるポリアクリル酸ナト
リウムと比較すると低吸湿性の点で優れている。
【0046】(実施例2)製造例で得られた粉末状セメ
ント混和剤について、温度23〜25℃、濃度10%に
おいて、粉末状セメント混和剤と純水をガラス容器に入
れて撹拌子で撹拌した際の水に対する溶解性を表3に記
載した。比較例としてメチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体のカルシウム塩の溶解性を測定した。
ント混和剤について、温度23〜25℃、濃度10%に
おいて、粉末状セメント混和剤と純水をガラス容器に入
れて撹拌子で撹拌した際の水に対する溶解性を表3に記
載した。比較例としてメチルビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体のカルシウム塩の溶解性を測定した。
【0047】
【表3】
【0048】表3に示した結果から明かな様に、メチル
ビニルエーテル−無水マレイン酸のカルシウム塩が水に
溶解しないのに対して、本発明の粉末状セメント混和剤
は容易に水に溶解する。
ビニルエーテル−無水マレイン酸のカルシウム塩が水に
溶解しないのに対して、本発明の粉末状セメント混和剤
は容易に水に溶解する。
【0049】(実施例3)製造例で得られた粉末状セメ
ント混和剤の加熱による性状変化を測定し表4に記載し
た。比較例として、金属塩とする前の表1記載のポリア
ルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン
酸共重合体の加熱による性状変化を測定した。
ント混和剤の加熱による性状変化を測定し表4に記載し
た。比較例として、金属塩とする前の表1記載のポリア
ルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン
酸共重合体の加熱による性状変化を測定した。
【0050】
【表4】
【0051】表4に示した結果から明かな様に、共重合
体(a)、(b)、(c)共にカルシウム塩とする事に
より溶融温度が向上している。
体(a)、(b)、(c)共にカルシウム塩とする事に
より溶融温度が向上している。
【0052】(実施例4)
普通ポルトランドセメントにおける分散性能評価
表2に記載した粉末状セメント混和剤の普通ポルトラン
ドセメント分散性能をモルタル試験で評価した。比較例
として表1記載の共重合体(c)(カルシウム塩とする
前のポリアルキレングリコール−無水マレイン酸共重合
体)を水に溶解し水酸化ナトリウム中和した試料、及び
市販粉状セメント減水剤であるβ−ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物を評価した。粉体品はセメントとあ
らかじめドライブレンドしておきセメントと同時添加
し、水溶液品は配合量の混練水と混合し水と同時添加と
した。セメント分散性能の評価は下記モルタル配合に各
セメント分散剤を添加した際に、モルタルのミニスラン
プフロー値を300mm付近とするのに必要なセメント分
散剤添加量と、ミニスランプフロー値の経時安定性、及
びモルタルの材齢1日強度を比較により行った。
ドセメント分散性能をモルタル試験で評価した。比較例
として表1記載の共重合体(c)(カルシウム塩とする
前のポリアルキレングリコール−無水マレイン酸共重合
体)を水に溶解し水酸化ナトリウム中和した試料、及び
市販粉状セメント減水剤であるβ−ナフタレンスルホン
酸ホルマリン縮合物を評価した。粉体品はセメントとあ
らかじめドライブレンドしておきセメントと同時添加
し、水溶液品は配合量の混練水と混合し水と同時添加と
した。セメント分散性能の評価は下記モルタル配合に各
セメント分散剤を添加した際に、モルタルのミニスラン
プフロー値を300mm付近とするのに必要なセメント分
散剤添加量と、ミニスランプフロー値の経時安定性、及
びモルタルの材齢1日強度を比較により行った。
【0053】
モルタル配合
水 270 g
普通ポルトランドセメント 600 g
川砂 1200 g
セメント分散剤 セメント重量×0.21〜1.00%
消泡剤 共重合体カルシウム塩×1.0%
水/セメント比 45%
砂/セメント比 2/1 重量比
【0054】(評価方法)セメントとして小野田セメン
ト社/住友セメント社/電気化学社の各普通ポルトラン
ドセメントを等量混合したものを、砂として姫川産川砂
を、水として水道水を使用し、上記の配合でモルタル試
験を行った。モルタルミキサーに減水剤水溶液およびモ
ルタル練り混ぜ水を投入後、セメント、砂の順に投入
し、得られたモルタル組成物について、ミニスランプフ
ロー経時変化、材齢1日強度を測定した。ここで、ミニ
スランプフローの測定には下端内径100mm、上端内径
50mm、高さ150mmの鋳鉄製スランプコーンを使用し
た。ミニスランプフロー経時変化は、上記投入手順で各
配合物をモルタルミキサーに投入し練り上がった直後の
測定値を経時0分とし、再度モルタルをモルタルミキサ
ーに戻し3分間練った後の測定値を経時3分とし、以後
この操作を繰り返し経時9分までの経時変化を測定し
た。材齢1日強度は、断面40mm平方、長さ160mmの
供試体の圧縮強度により測定した。これ以下の詳細につ
いてはJIS A 6204に準じた。以上の方法で評
価した結果を表5に記載した。
ト社/住友セメント社/電気化学社の各普通ポルトラン
ドセメントを等量混合したものを、砂として姫川産川砂
を、水として水道水を使用し、上記の配合でモルタル試
験を行った。モルタルミキサーに減水剤水溶液およびモ
ルタル練り混ぜ水を投入後、セメント、砂の順に投入
し、得られたモルタル組成物について、ミニスランプフ
ロー経時変化、材齢1日強度を測定した。ここで、ミニ
スランプフローの測定には下端内径100mm、上端内径
50mm、高さ150mmの鋳鉄製スランプコーンを使用し
た。ミニスランプフロー経時変化は、上記投入手順で各
配合物をモルタルミキサーに投入し練り上がった直後の
測定値を経時0分とし、再度モルタルをモルタルミキサ
ーに戻し3分間練った後の測定値を経時3分とし、以後
この操作を繰り返し経時9分までの経時変化を測定し
た。材齢1日強度は、断面40mm平方、長さ160mmの
供試体の圧縮強度により測定した。これ以下の詳細につ
いてはJIS A 6204に準じた。以上の方法で評
価した結果を表5に記載した。
【0055】
【表5】
【0056】表5に示したように、本発明の粉末状セメ
ント混和剤は、ポリアルキレングリコールアルケニルエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体と同様に高いセメント
分散性能を示した。この結果から、本発明の粉末化方法
は共重合体が本来有している高い分散性能を損なわない
事、添加した粉末状セメント混和剤は混練水と接触後速
やかに溶解している事が判る。また、粉末状セメント減
水剤として広く使用されているβ−ナフタレン系の市販
品と比較した場合、本発明の粉末状セメント混和剤は格
段に分散性能が優れている。更に、共重合体(a)と共
重合体(b)、(c)の比較から明らかなように、普通
ポルトランドセメントの分散においては、ポリアルキレ
ングリコールアルケニルエーテル鎖が短く、共重合体中
のカルボキシル基含量が多い共重合体(a)はミニスラ
ンプフロー経時変化の0分の値から優れた分散性能を有
す事は明らかであるが、経時安定性はやや劣る傾向があ
り、強度遅延もみられる。従って、普通ポルトランドセ
メントを分散する目的では、ポリアルキレングリコール
鎖が長く、共重合体中のカルボキシル基含量が少ない共
重合体(b)、(c)からなる粉末状セメント混和剤の
使用が好ましい。
ント混和剤は、ポリアルキレングリコールアルケニルエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体と同様に高いセメント
分散性能を示した。この結果から、本発明の粉末化方法
は共重合体が本来有している高い分散性能を損なわない
事、添加した粉末状セメント混和剤は混練水と接触後速
やかに溶解している事が判る。また、粉末状セメント減
水剤として広く使用されているβ−ナフタレン系の市販
品と比較した場合、本発明の粉末状セメント混和剤は格
段に分散性能が優れている。更に、共重合体(a)と共
重合体(b)、(c)の比較から明らかなように、普通
ポルトランドセメントの分散においては、ポリアルキレ
ングリコールアルケニルエーテル鎖が短く、共重合体中
のカルボキシル基含量が多い共重合体(a)はミニスラ
ンプフロー経時変化の0分の値から優れた分散性能を有
す事は明らかであるが、経時安定性はやや劣る傾向があ
り、強度遅延もみられる。従って、普通ポルトランドセ
メントを分散する目的では、ポリアルキレングリコール
鎖が長く、共重合体中のカルボキシル基含量が少ない共
重合体(b)、(c)からなる粉末状セメント混和剤の
使用が好ましい。
【0057】(実施例5)
アルミナセメントにおける分散性能評価
表2に記載した共重合体(a)、(b)からなる粉末状
セメント混和剤のアルミナセメント分散性能をモルタル
試験により評価した。
セメント混和剤のアルミナセメント分散性能をモルタル
試験により評価した。
【0058】
モルタル配合
水 286 g
アルミナセメント組成物 520 g
組成:アルミナセメント 512 g
粉末状セメント混和剤 セメント重量×0.75%
硬化調整剤(カルボン酸系) セメント重量×0.80%
豊浦標準砂 1040 g
消泡剤 共重合体カルシウム塩×1.0%
水/セメント比 55%
砂/セメント比 2/1 重量比
【0059】(評価方法)普通ポルトランドセメントの
モルタル試験と同じ手順で、上記配合においてアルミナ
セメントのモルタル試験を実施し、ミニスランプフロー
経時変化を測定した。但し、ミニスランプフローの測定
は、練り上がった直後の測定値を経時0分とし、練り上
がったモルタルを30分静置後の測定値を経時30分と
し、更に30分静置後の測定値を経時60分とした。測
定結果を表6に示した。
モルタル試験と同じ手順で、上記配合においてアルミナ
セメントのモルタル試験を実施し、ミニスランプフロー
経時変化を測定した。但し、ミニスランプフローの測定
は、練り上がった直後の測定値を経時0分とし、練り上
がったモルタルを30分静置後の測定値を経時30分と
し、更に30分静置後の測定値を経時60分とした。測
定結果を表6に示した。
【0060】
【表6】
【0061】表6から明かなように、普通ポルトランド
セメントの場合とは逆に、アルミナセメントのように硬
化速度が早いセメント系には、ポリアルキレングリコー
ル鎖が長く、共重合体中のカルボキシル基含量が少ない
共重合体(b)は充分な分散状態の経時安定性を有して
いない。従って、アルミナセメントのように硬化速度が
早いセメント系を分散する目的には、ポリアルキレング
リコール鎖が短く共重合体中のカルボキシル基が多い共
重合体(a)からなる粉末状セメント混和剤の使用が好
ましい。
セメントの場合とは逆に、アルミナセメントのように硬
化速度が早いセメント系には、ポリアルキレングリコー
ル鎖が長く、共重合体中のカルボキシル基含量が少ない
共重合体(b)は充分な分散状態の経時安定性を有して
いない。従って、アルミナセメントのように硬化速度が
早いセメント系を分散する目的には、ポリアルキレング
リコール鎖が短く共重合体中のカルボキシル基が多い共
重合体(a)からなる粉末状セメント混和剤の使用が好
ましい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明の粉末状セメ
ント混和剤は、セメント等の水硬性粉体の分散剤として
従来分散剤よりも格段に優れた分散性能を有しており、
従来より粉状セメント分散剤を使用してきた用途では混
練水低減による高強度化と高強度化による施工量及び施
工時間の短縮化を可能にする。また、これまでポリアル
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体からなる水溶液形態のセメント分散剤を使用し
てきた用途においては、プレミックス化によって現場に
おける混和剤及び混和材の計量・添加工程を簡略化でき
る。更に、プレミックス化によって、従来は水溶液形態
のセメント混和剤用の専用設備がない為に、ポリアルキ
レングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体からなる水溶液形態のセメント分散剤の使用を見
合わせてきた用途にも適用できる。更に、本発明の粉末
状セメント混和剤は水溶性である為、水溶液形態のセメ
ント分散剤と同様の使用方法でも使用できる。
ント混和剤は、セメント等の水硬性粉体の分散剤として
従来分散剤よりも格段に優れた分散性能を有しており、
従来より粉状セメント分散剤を使用してきた用途では混
練水低減による高強度化と高強度化による施工量及び施
工時間の短縮化を可能にする。また、これまでポリアル
キレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体からなる水溶液形態のセメント分散剤を使用し
てきた用途においては、プレミックス化によって現場に
おける混和剤及び混和材の計量・添加工程を簡略化でき
る。更に、プレミックス化によって、従来は水溶液形態
のセメント混和剤用の専用設備がない為に、ポリアルキ
レングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体からなる水溶液形態のセメント分散剤の使用を見
合わせてきた用途にも適用できる。更に、本発明の粉末
状セメント混和剤は水溶性である為、水溶液形態のセメ
ント分散剤と同様の使用方法でも使用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平6−48801(JP,A)
特開 昭63−285140(JP,A)
特開 平5−310458(JP,A)
特開 平5−345647(JP,A)
特開 平7−267705(JP,A)
特開 平8−34652(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 24/26
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(1)で示されるポリアルキレン
グリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸とのポ
リエチレングリコール換算重量平均分子量が3、000
〜5×105の共重合体の2価以上の金属との塩からな
り、水溶性である事を特徴とする粉末状セメント混和
剤。 【化1】 (式中のAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であ
り、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、R2は水素また
は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜60の整
数である) - 【請求項2】 R1がビニル基、R2がメチル基、2価以
上の金属がカルシウム、マグネシウム、アルミニウムか
ら選ばれた金属である請求項1記載の粉末状セメント混
和剤。 - 【請求項3】 ポリアルキレングリコールアルケニルエ
ーテルと無水マレイン酸との共重合体のポリエチレング
リコール換算重量平均分子量が3、000〜1×105
である請求項1記載の粉末状セメント混和剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12941096A JP3361693B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 粉末状セメント混和剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12941096A JP3361693B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 粉末状セメント混和剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09309756A JPH09309756A (ja) | 1997-12-02 |
JP3361693B2 true JP3361693B2 (ja) | 2003-01-07 |
Family
ID=15008859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12941096A Expired - Fee Related JP3361693B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 粉末状セメント混和剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3361693B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19843730A1 (de) * | 1998-09-24 | 2000-03-30 | Sueddeutsche Kalkstickstoff | Stabilisierte, wasserlösliche Polymerpulver auf Basis von Polyoxyalkylenglykol-Carboxylaten und Verfahren zu deren Herstellung |
CA2318090A1 (en) * | 1998-11-30 | 2000-06-08 | Kenjiro Makino | Process for producing dispersant for powdery hydraulic composition |
DE19905488A1 (de) * | 1999-02-10 | 2000-08-17 | Sueddeutsche Kalkstickstoff | Pulverförmige Polymerzusammensetzungen auf der Basis von Polyethercarboxylaten |
JP4336002B2 (ja) * | 1999-07-23 | 2009-09-30 | 太平洋セメント株式会社 | セメント混和材 |
JP4761089B2 (ja) * | 1999-08-03 | 2011-08-31 | 日油株式会社 | セメント用添加剤組成物 |
US20020099115A1 (en) * | 2000-11-28 | 2002-07-25 | Daisuke Shibai | Powder dispersant for hydraulic compositions |
JP5100934B2 (ja) * | 2001-06-15 | 2012-12-19 | 太平洋セメント株式会社 | 粉末状セメント分散剤の製造方法 |
JP4056809B2 (ja) * | 2002-07-09 | 2008-03-05 | 花王株式会社 | 粉末収縮低減剤 |
JP2006069855A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Taiheiyo Cement Corp | 空洞充填材 |
CN101189197A (zh) * | 2005-06-01 | 2008-05-28 | 株式会社日本触媒 | 粉状水泥分散剂 |
KR101647658B1 (ko) * | 2015-05-20 | 2016-08-12 | 주식회사 알티켐 | 콘크리트 혼화제용 폴리카르복실산 중합체 조성물 및 이를 포함하는 콘크리트 조성물 |
-
1996
- 1996-05-24 JP JP12941096A patent/JP3361693B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09309756A (ja) | 1997-12-02 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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