JP4036710B2 - (ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液、その製造方法並びにセメント添加剤用重合体の製造方法 - Google Patents

(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液、その製造方法並びにセメント添加剤用重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液、該水溶液の製造方法、該不飽和単量体の保存方法、並びに、セメント添加剤用重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体は、これにより調製される重合体が(ポリ)アルキレングリコール鎖やエステル結合による特性を発揮することになり、各種の重合体の製造原料として有用である。このような不飽和単量体により調製される重合体は、例えば、セメント添加剤(セメント分散剤)や炭酸カルシウム、カーボンブラック、インク等の顔料分散剤、スケール防止剤、石膏・水スラリー用分散剤、石炭・水スラリー(CWM)用分散剤、増粘剤等の化学製品に好適に用いられることになる。
【0003】
このような(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体としては、ポリエチレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体が挙げられ、ポリエチレンイミンにエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドをアルカリ条件下で付加反応させて得られるポリエチレンイミンアルキレンオキシド付加物に不飽和結合を導入することにより合成して製造することができる。不飽和結合の導入は、グリシジルメタクリレート等のエポキシ環と不飽和結合とを有する化合物をポリエチレンイミンアルキレンオキシド付加物の末端水酸基に反応させることにより行うことができる。また、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸とのエステル化反応や(メタ)アクリル酸メチル等のエステルとのエステル交換反応によっても、不飽和結合を導入することができる。例えば、このように製造されるポリエチレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体を重合工程が行われる反応器に移送し、他の単量体等と混合し重合することによりセメント添加剤に用いることができる有用な重合体が製造されている。
【0004】
ところで、ポリエチレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体やその他の単量体を含む単量体の単量体溶液を用いる重合体の製造工程では、単量体溶液の調製から重合までにおいて、製造時間や温度の管理を厳しくしなければならず、生産管理がしにくい点を改善する工夫の余地があった。例えば、次の(1)〜(10)のような改善すべき点があった。すなわち(1)不飽和単量体を他の単量体と混合した際に、混合された不飽和単量体溶液が不安定なものであり、経時的に増粘(架橋)し、このため混合された不飽和単量体を取り扱う時間や温度の管理が厳しいこと、(2)混合された不飽和単量体溶液の増粘の程度がバラツクと、製品の分子量(品質)がバラツクと考えられること、(3)不飽和単量体の粘度が高いために、取り扱いにくいものであること、(4)不飽和単量体の粘度が高いために、不飽和単量体を溶液とする際の混合が難しいこと、(5)不飽和単量体の粘度が高いために、安定に保存するために必要な冷却に時間がかかること、(6)不飽和単量体の粘度が高いために、特殊な攪拌装置が必要となり反応容器の選択が制約されること、(7)不飽和単量体の粘度が高いために、不飽和単量体を反応器等に移送する際に、作業しにくくて人手を要すること、(8)未反応の原料に毒性があると人体に有害であること、(9)不飽和単量体の粘度が高いために、不飽和単量体を配管で移送すると投入量の制御(押し出し)が難しいこと、(10)不飽和単量体の粘度が高いために、洗浄が困難であり、洗浄時に多量の廃液が発生すること、等の改善すべき点が挙げられる。
【0005】
このような単量体溶液を用いて製造されるセメント分散剤について、特定の構造式を有する化合物と、アクリル酸又はメタクリル酸を反応せしめたポリアルキレンポリアミンのアマイドにエチレンオキサイド又は/及びプロピレンオキサイドを付加せしめた化合物とを共重合した水溶性共重合体を主成分とするセメント分散剤組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリアマイドポリアミンにアルキレンオキサイドを付加させた化合物と、特定の構造式を有する化合物とを共重合した水溶性両性型共重合体を主成分とするセメント分散剤が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、このようなセメント分散剤を製造する際にも、上述した(1)〜(10)の点を改善するような工夫はなく、単量体溶液の取扱いや重合体の製造において製品品質を向上したり生産管理しやすくしたりするための工夫の余地があった。なお、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体から得られるセメント分散剤用重合体を含むセメント添加剤は、セメント組成物の流動性を向上させると共に、硬化物の強度や耐久性等も向上させる作用を有するものであるが、重合体の性能や品質が低下すると、土木・建築構造物等の硬化物の強度や耐久性等が低下して安全性の低下や修復コストの増大等の問題が生じることになる。従って、セメント添加剤の他、各種の化学製品の性能や品質をより向上することができる安定化された製造原料が求められている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−33496号公報(第1−2頁)
【0008】
【特許文献2】
特開2000−191356号公報(第1−2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を取扱いやすい粘度とし、安定化させて経時的な増粘(架橋)、ゲル化、エステルの加水分解を充分に抑制することにより、セメント添加剤の他、各種の化学製品の製造において生産管理しやすくし、製品品質を向上することを可能とする(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液、該水溶液の製造方法、該不飽和単量体の保存方法、並びに、該不飽和単量体の水溶液又は不飽和単量体を用いたセメント添加剤用重合体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の粘度を取扱いやすいものとし、安定化させることについて検討したところ、まず、該不飽和単量体を水溶液の形態とし、低粘度化することを考えた。この水溶液において不飽和単量体が加水分解しなければ、取扱いやすいものとなり、作業性が改善されるものと考えられる。そして、水溶液のpHが特定の範囲内であると、取扱いやすい粘度が維持され、水溶液が安定化されて経時的な増粘(架橋)やエステルの加水分解が充分に抑制されることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。また、水溶液の水含有量の範囲を特定すると、本発明の作用効果がより発揮されること、不飽和単量体の水溶液の製造方法がセメント添加剤の他、各種の化学製品の製造において有用であることを見いだした。更に、不飽和単量体の安定性を改善して、粘度の上昇、架橋の進行、分子量の増加を抑制するためには、不飽和単量体の保存温度を低下させればよいと考えられていたが、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体においては、これとは逆の現象が起こることも見出した。すなわち、例えば、該不飽和単量体の保存温度を90℃として保存する方が、通常のように60℃まで低下させて保存するよりも安定的に保存できることを見出した。そして、これらが特にセメント添加剤用重合体の製造方法にとって有用であることを見いだし、本発明に到達したものである。
【0011】
すなわち本発明は、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を必須とする単量体の水溶液であって、上記水溶液のpHは、6.1〜9.5である(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液である。
以下に、本発明を詳述する。
【0012】
本発明の単量体の水溶液は、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を必須とする単量体を含んでなる。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体としては、不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、多価アルコールへのアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体、ポリアルキレンイミンヘのアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体が好適であり、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体としては、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体であることが好ましい。また、これらの中でも、分岐骨格を有するものが好適である。このような不飽和単量体化合物としては、ポリエチレンイミンへのアルキレンオキシド付加物、ソルビトールや(ポリ)グリセリンへのアルキレンオキシド付加物等への無水メタクリル酸付加物、無水マレイン酸付加物、グリシジルメタクリレート付加物、(メタ)アリルグリシジルエーテル付加物、(メタ)アクリル酸とのエステル化物、エステル交換物等が挙げられる。これらの中でも、上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体としては、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体であることが好ましい。ポリエチレンイミンへのエチレンオキシド付加物のグリシジルメタクリレート水溶液、ソルビトールへのエチレンオキシド付加物のグリシジルメタクリレート水溶液は、本発明の好ましい実施形態の一つである。
なお、単量体における(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の含有量としては、全単量体100質量%に対して、1質量%以上が好ましい。より好ましくは、3質量%以上であり、また、30質量%以下である。
【0013】
上記不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物は、(ポリ)アルキレングリコール鎖を有する不飽和単量体である。また、ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体、多価アルコールへのアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体、ポリアルキレンイミンへのアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体は、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体である。
【0014】
上記不飽和アルコールのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜300モル付加した化合物を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、アルキレンオキシドとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる1種又は2種以上のアルキレンオキシドを付加させてもよく、その場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等の何れでもよい。また、不飽和アルコールに付加したアルキレンオキシドの末端は、水素であってもよく、炭素数1〜30の炭化水素基であってもよい。炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素原子数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基又は脂環族アルキル基)、炭素原子数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。
【0015】
上記ポリアルキレングリコールエステル系不飽和単量体としては、アルコキシポリアルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好適である。
【0016】
上記エステル化物としては、以下に示す(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステル類等が好適である。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0017】
ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0018】
ヘプトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0019】
デカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、デカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、デカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、デカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ウンデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ウンデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ドデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ドデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ドデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ドデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0020】
トリデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、トリデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、テトラデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ペンタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0021】
ヘキサデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘキサデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ヘプタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、オクタデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0022】
ノナデカノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノナデカナノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、ノナデカノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロペントキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキソキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
【0023】
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、他にも、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、フェノキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート等が好適である。
【0024】
上記ポリアルキレングリコールエステル系単量体(ポリアルキレングリコールエステルを有する単量体)としては、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルの他にも、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノマレイン酸エステル、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールジマレイン酸エステル等が好適である。このような単量体としては、以下のもの等が好適である。
炭素数1〜22個のアルコールや炭素数1〜22のアミンに炭素数2〜4のオキシアルキレンを1〜300モル付加させたアルキルポリアルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸系単量体とのハーフエステル、ジエステル;上記不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールの平均付加モル数2〜300のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類等。
これらの中でも、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好適である。
【0025】
上記多価アルコールへのアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体としては、多価アルコールへのアルキレンオキシド付加物に、該化合物が有する水酸基と反応する官能基をもつ不飽和化合物を反応させて得られる化合物が好適である。
多価アルコールへのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、グルコン酸、グルカル酸、ソルビトール、酒石鹸、ポリビニルアルコール等の多官能アルコールにアルキレンオキシドを1〜300モル付加した化合物を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なお、アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる1種又は2種以上のアルキレンオキシドを付加させてもよく、その場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等の何れでもよい。また、多価アルコールに付加したアルキレンオキシドの末端は水素であってもよく、炭素数1〜30の炭化水素基であってもよい。炭素数1〜30の炭化水素基としては、炭素原子数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基又は脂環族アルキル基)、炭素原子数6〜30のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。
【0026】
上記多価アルコールへのアルキレンオキシド付加物に、該化合物が有する水酸基と反応する官能基をもつ不飽和化合物を反応させて不飽和結合を導入する方法としては、後述するポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物(ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物)に不飽和基を導入する方法と同様の方法が好適である。
【0027】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体としては、不飽和基と(ポリ)アルキレングリコール鎖とを有するポリアルキレンイミンであればよく、例えば、ポリアルキレンイミンが有するアミノ基やイミノ基の窒素原子にアルキレンオキシドを付加した化合物に、該化合物が有する水酸基やアミノ基、イミノ基と反応する官能基をもつ不飽和化合物を反応させて得ることができる。なお、アルキレンオキシドが付加するアミノ基やイミノ基の窒素原子は、活性水素原子をもつものである。
【0028】
上記ポリアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の炭素数2〜8アルキレンイミンの1種又は2種以上を特公昭49−33120号公報、特公昭43−8828号公報に開示されている方法により重合して得られる、これらのアルキレンイミンの単独重合体や共重合体が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このようなポリアルキレンイミンによりポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体のポリアルキレンイミン鎖が形成されることになるが、該ポリアルキレンイミン鎖は、直鎖状の構造、分枝状の構造、三次元状に架橋された構造のいずれであってもよい。更に、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等であってもよい。このようなポリアルキレンイミンでは、通常、構造中に第3級アミノ基の他、活性水素原子をもつ第1級アミノ基や第2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
【0029】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体では、ポリアルキレンイミン鎖を有するが、このようなポリアルキレンイミン鎖は、エチレンイミンを主体として形成されるものであることが好ましい。この場合、「主体」とは、ポリアルキレンイミン鎖が2種以上のアルキレンイミンにより形成されるときに、全アルキレンイミンのモル数において、大半を占めるものであることを意味する。本発明においては、ポリアルキレンイミン鎖を形成するアルキレンイミンにおいて、大半を占めるものがエチレンイミンであることにより、このような単量体を含む単量体成分を重合してなる重合体の親水性が向上して作用効果が充分に発揮されるので、上記作用効果が充分に発揮される程度に、ポリアルキレンイミン鎖を形成するアルキレンイミンとしてエチレンイミンを用いることをもって、上記にいう「大半を占める」こととなるので、上記「主体」となりうることとなる。
【0030】
上記ポリアルキレンイミン鎖を形成するアルキレンイミンにおいて、上記「大半を占める」ことを全アルキレンイミン100モル%中のエチレンイミンのモル%で表すとき、50〜100モル%が好ましい。50モル%未満であると、ポリアルキレンイミン鎖の親水性が低下するおそれがある。より好ましくは、60モル%以上であり、更に好ましくは、70モル%以上、特に好ましくは、80モル%以上、最も好ましくは、90モル%以上である。
【0031】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体ではまた、ポリアルキレンイミン鎖1つあたりのアルキレンイミンの平均重合数としては、2以上であることが好ましく、また、300以下であることが好ましい。2未満であると、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の機能が充分に発揮されないおそれがあり、300を超えると、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の重合性が低下するおそれがある。特に好ましくは、3以上である。また、より好ましくは、200以下であり、更に好ましくは、100以下であり、特に好ましくは、75以下であり、最も好ましくは、50以下である。この場合、ジエチレントリアミンの平均重合数は2、トリエチレンテトラミンの平均重合数は3となる。
【0032】
上記ポリアルキレンイミンを合成する際の重合開始剤としては、強い無機、有機、又はルイス酸触媒が適当である。例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸等の鉱酸;p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸;強酸性イオン交換樹脂;塩化アルミニウム等のルイス酸;1,2−ジクロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、ジクロロメタン、ビス−β−クロロエチルエーテル、1,2−ジブロモエタン、クロロホルム等のハロゲン化物を挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
上記ポリアルキレンイミンに付加させるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド,1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、オクチレンオキシド等の炭素数2〜8のアルキレンオキシドの他、ジペンタンエチレンオキシド、ジヘキサンエチレンオキシド等の脂肪族エポキシド;トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オクチレンオキシド等の脂環エポキシド;スチレンオキシド、1,1−ジフェニルエチレンオキシド等の芳香族エポキシドが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エチレンオキシドを主体とすることが好ましい。
【0034】
上記ポリアルキレンイミンが有するアミノ基やイミノ基の窒素原子にアルキレンオキシドを付加する際には、触媒を用いることが好ましい。このような触媒としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、それらの水酸化物である水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等、アルコラート、アルキルアミン等の塩基性触媒;金属及び半金属のハロゲン化合物(アルミニウム、アンチモン、ホウ素、ベリリウム、リン、鉄、亜鉛、チタン、ジルコニウム等の主に塩化物及び一部弗化物)、鉱酸(塩酸、臭化水素、硫酸)や酢酸等の酸性触媒を挙げることができる。
【0035】
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数としては、0〜300とすることが好ましい。300を超えると、単量体の重合性が低下するおそれがある。より好ましくは、1以上であり、更に好ましくは、2以上、特に好ましくは、5以上、最も好ましくは、10以上である。また、より好ましくは、250以下であり、更に好ましくは、200以下、特に好ましくは、150以下、最も好ましくは、100以下である。不飽和単量体におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数がこのような範囲を外れると、このような単量体を共重合してなる重合体が、セメント組成物等の流動性を優れたものとする作用効果が充分に発揮することができなくなるおそれがある。なお、上記平均付加モル数とは、不飽和単量体が有する(ポリ)アルキレングリコール鎖、すなわちオキシアルキレン基により形成される基1モル中において付加している当該オキシアルキレン基のモル数の平均値、又は、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物不飽和単量体を形成することになるポリアルキレンイミンが有する活性水素原子をもつ窒素原子1モルに対して付加している当該オキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。また、上記平均付加モル数が0の不飽和単量体は、オキシアルキレン基を有しないものとなる。
【0036】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物には、アルキレンオキシド付加触媒由来の塩基性化合物が含まれ、水を添加した際には塩基性を示すことになる。これにより生成するポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体が加水分解することから、酸性化合物を用いてポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を中和することが好ましい。酸性化合物としては、塩基を中和できる物質であれば特に制限はないが、酢酸、ギ酸、乳酸、硝酸、硫酸、塩酸等の不飽和結合を有さないものと、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、3−メチルクロトン酸、チグリン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等の不飽和結合を有するものが挙げられる。これらは単独で用いても複数を組み合わせて用いてもよいが、(メタ)アクリル酸等の不飽和結合を有する酸を用いる場合には、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物へのマイケル付加や重合等の副反応が起こりやすい。これらの副反応を避けるためには、硫酸、塩酸、酢酸等の不飽和結合を有さない酸性物質を用いることが好ましい。ただし、重合に関与しないこれらの酸性物質の量が増えると、最終的に機能を発揮するポリマーとはなり得ないことから、重合工程で使用する不飽和結合を有する酸を併用して中和することが好ましい。例えば、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物にメタクリル酸グリシジルを反応させる際には、マイケル付加や重合等の副反応を防止するために酢酸等の不飽和結合を有さない酸性物質で中和することが好ましく、メタクリル酸グリシジルが付加した後に水を添加する際にも加水分解が起こり難くする。更に充分に、エステルの加水分解や重合(架橋)が起こりにくくするためには、重合反応工程に用いる(メタ)アクリル酸等の不飽和結合を有する酸を添加して、pHが6.1〜9.5となるようにすることが好ましい。好ましい形態としては、例えば、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物のメタクリル酸グリシジル付加物を合成する際に予め酢酸を添加しておき、水を投入したときのpHが9.8(10以下)となるようにする。更に水を添加した後にメタクリル酸を加えてpHが7.0〜7.5となるようにするとよい。
【0037】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物には、酸と共に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき、フェノチアジン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、ジ−p−フルオロフェニルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジル、N−(3−N−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ベンゾキノン、ハイドロキノン、メトキノン、ブチルカテコール、ニトロソベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィド、クペロン、塩化銅(II)が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶解性の点から、フェノチアジン、ハイドロキノン、メトキノンを用いることが好ましい。
【0038】
上記重合禁止剤の使用量としては、重合禁止剤の種類等により適宜設定することになるが、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物100重量部に対して、0.001重量部以上とすることが好ましく、また、0.1重量部以下とすることが好ましい。0.001重量部未満であると、重合禁止能の発現が充分でなく、反応原料や生成物の重合を有効に防止しにくくなり、0.1重量部を超えると、生成物中に残留する重合禁止剤量が増えるため、品質及び性能が低下するおそれがあり、また、過剰に添加することに見合う効果も得られず、経済的な面から不利となるおそれがある。より好ましくは、0.01重量部以上であり、また、0.05重量部以下である。
【0039】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体を得る場合、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物(ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物)に不飽和基を導入する方法としては、(1)ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物が有する水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化して不飽和基を導入する方法、(2)ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物が有する水酸基を(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の不飽和化合物でエステル交換して不飽和基を導入する方法、(3)ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物が有する水酸基に(メタ)アクリル酸グリシジルや(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物を反応させて不飽和基を導入する方法等が好適である。これらの中でも、(3)の方法が好適である。
【0040】
上記不飽和基を導入するには、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸無水物、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物;(メタ)アクリル酸クロライド等の不飽和カルボン酸ハロゲン化物;炭素数1〜30の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数1〜30のマレイン酸モノエステル、炭素数1〜30のマレイン酸ジエステル等の不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物等を用いるとよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸グリシジルが好適である。
【0041】
上記製造方法においては、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物が有する水酸基に(メタ)アクリル酸グリシジル等の不飽和化合物を反応させた後、熟成工程を行うことにより、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体を含む単量体を得ることができる。
このような製造方法により製造されたポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体を用いることは、本発明の好ましい実施形態の1つである。
【0042】
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の重量平均分子量としては、200以上であることが好ましく、また、30000以下が好ましい。より好ましくは、500以上であり、更に好ましくは、10000以下である。なお、重量平均分子量は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
【0043】
本発明の(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液は、上記水溶液のpHが、6.1〜9.5である。pHが6.1未満であっても、9.5を超えても、水溶液が安定化されず経時的に変化することが充分に抑制されなくなる。好ましくは、6.5以上とすることであり、また、8.5以下とすることである。より好ましくは、7.0以上とすることであり、また、7.5以下とすることである。なお、本明細書中、pHは、25℃における値である。
【0044】
本発明においては、上記水溶液の水含有量が、40質量%以上であることが好ましい。水溶液100質量%に対する水含有量が40質量%未満であると、取扱いやすい粘度を維持することができなくなるおそれがある。より好ましくは、水含有量が45質量%以上であり、また、90質量%以下である。更に好ましくは、50質量%以上であり、また、70質量%以下である。
【0045】
本発明の単量体の水溶液は、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を必須とする単量体、及び、水系媒体を含むものである。水系媒体としては、水を必須とし、必要に応じて水に溶解することができる有機溶媒1種又は2種以上を含む溶液であるが、水溶液が用いられる用途等に応じて、溶媒以外の他の成分を含んでいてもよい。このような水系媒体において、水と溶解することができる有機溶媒及びその他の成分の種類や使用量としては、水溶液の用途や所望する性能等に応じて適宜設定することになる。
【0046】
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液を保存する場合には、温度を0℃以上とすることが好ましく、また、60℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、10℃以上であり、また、40℃以下である。このような温度範囲であると、調製後72時間以上保存後も取扱いやすい粘度が維持され、水溶液が安定化されて増粘(架橋)や加水分解が充分に抑制されるため、セメント添加剤用重合体等の製造原料として好適に用いることができることになる。
【0047】
本発明はまた、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を必須とする単量体と水系媒体とを混合して水溶液とする工程を含んでなる上記不飽和単量体の水溶液の製造方法であって、上記不飽和単量体の水溶液の製造方法は、上記水溶液のpHを6.1〜9.5とし、かつ上記水溶液の水含有量を40質量%以上とする(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液の製造方法でもある。
このような製造方法もまた、本発明の1つである。
なお、このような水溶液の製造方法における好ましい形態としては、上述した(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液におけるのと同様である。
【0048】
上記水溶液のpHを調整する方法としては、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の種類や水溶液のpH等により適宜選択することになるが、酸性物質又は塩基性物質を添加して混合することにより行うことができ、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。酸性物質としては、不飽和単量体水溶液を重合反応に供する場合に、重合に関与する物質と関与しない物質に分けることができる。重合に関与しない物質とは、不飽和結合を有さない物質であり、酢酸、ギ酸、乳酸、硝酸、硫酸、塩酸等を挙げることができる。また、重合に関与する物質とは、不飽和結合を有する物質であり、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、3−メチルクロトン酸、チグリン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、マレイン酸等を挙げることができる。重合に関与する物質を用いて中和する場合には、中和剤(不飽和単量体)の量が、得られる重合体(ポリマー)に組み込まれるために、重合体の性能に及ぼす影響が大きいことから、中和剤の量を管理することが大切である。また、重合後の水溶液をそのままセメントへの添加剤として用いることを考えると、例えばセメント硬化剤の硬化遅延を引き起こす酢酸の如きカルボン酸を多量に添加するよりも、重合後には中和用の酸が重合物に組み込まれてポリマーとなり得る中和剤(例えば、(メタ)アクリル酸)を用いることが好ましい。一方、高温時に添加する中和剤としては、むしろ重合に関与しない中和剤(例えば酢酸)を用いることが好ましく、用途に応じて両者を併用することが最も好ましい。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類が好適である。これらは水溶液として添加することが好ましい。
【0049】
本発明は更に、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を必須とする単量体を保存する方法であって、上記単量体の保存方法は、上記単量体の温度を70〜140℃とする(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の保存方法でもある。このような保存方法により、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を用いる重合体の製造工程において、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の合成から重合までの間、例えば、単量体を合成後、熟成させる際等に該単量体を安定的に保存することができるため、セメント添加剤の他、各種の化学製品の製造において生産管理しやすくし、製品品質を向上することを可能とすることができることになる。このような保存方法もまた、本発明の1つである。
なお、上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体やその好ましい形態としては、上述した(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液におけるのと同様である。
【0050】
上記単量体の保存方法においては、上記単量体の温度を70〜140℃とする。70℃未満であったり、140℃を超えたりすると、アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を安定的に保存することができなくなる。好ましくは、80℃以上であり、また、120℃以下である。より好ましくは、85℃以上であり、また、110℃以下である。
【0051】
上記単量体の保存方法における保存時間としては、アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の種類等により適宜設定することになるが、例えば、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物不飽和単量体であれば、100時間以内とすることが好ましい。100時間を超えると、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物不飽和単量体が増粘するおそれがある。より好ましくは、10時間以内である。このような保存方法により保存された不飽和単量体は、セメント添加剤用重合体の製造等に有用な(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液とすることができることになる。
【0052】
本発明はそして、上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液、又は、上記(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の保存方法により保存された単量体をセメント添加剤用重合体原料とし、セメント添加剤用重合体を製造するセメント添加剤用重合体の製造方法でもある。
これにより、セメント添加剤の製造において、その性能や品質が低下することが抑制されて安定的に製造することが可能となる。
このようなセメント添加剤用重合体の製造方法もまた、本発明の1つである。
【0053】
本発明の実施形態の一例として、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の水溶液を調製する方法の好ましい形態について以下に説明する。
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体としては、上述した製造方法により製造されるものが好適である。
【0054】
上記不飽和単量体の保存方法は、上述したポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の製造方法において、熟成を行う際に好適に適用され、単量体の温度を70〜140℃とすることによりポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体を安定化させて経時的に増粘(架橋)することを充分に抑制することができることになる。このような、70〜140℃で安定な不飽和単量体は、本発明の好ましい形態の1つである。また、熟成時間としては、10分以上が好ましく、また、10時間以下が好ましい。
【0055】
本発明の(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液の製造方法は、上記のようにして製造されたポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体を含む単量体を水溶液とする際に好適に適用され、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体水溶液のpHや水含有量を上記の範囲に調整することにより、取扱いやすい粘度が維持され、安定化させて経時的に増粘(架橋)することが充分に抑制された水溶液とすることができることになる。
【0056】
上記の製造方法により生成したポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体を水溶液とする場合には、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体と水系媒体とを混合することにより行うことができるが、好ましい形態としては、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の温度が50〜90℃になったときに水を添加することである。水を添加する際の温度が50℃未満であると、熟成から時間をかけて冷却している間にポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の分子量が増大するおそれがあり、90℃を超えると、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の加水分解が起こりやすくなる。より好ましくは、55℃以上であり、また、80℃以下であり、更に好ましくは、60℃以上であり、また、70℃以下である。また、好ましい形態としては、エステル結合を有する不飽和単量体に水を添加した際のpHが6〜10となるように、酢酸等の不飽和結合をもたない物質で調整しておくことが好ましい。
【0057】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体の水溶液のpHを調整する方法としては、上述した酸性化合物を添加して混合することにより行うことができるが、熟成後のポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体に直接不飽和結合を有する酸性物質を添加した場合には、重合や架橋が起こるおそれがあることから、水を添加して冷却してから酸性物質を添加してpHを調整することが好ましい。この際、水を添加してから酸性物質を添加するまでの時間は早いほどよく、水を添加後すぐに酸性物質を添加することが好ましい。また、水を添加することによって該不飽和単量体を冷却するので、水の温度は0〜40℃が好ましく、更に好ましくは0〜30℃である。酸性物質としては特に限定されるものではないが、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体をセメント添加剤用重合体の原料として用いる場合には、前述の理由で(メタ)アクリル酸等の不飽和結合を有する酸が好適である。
【0058】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物の中和や単量体の水溶液のpHの調整に酢酸を用いる場合には、酢酸の爆発防止及び単量体の重合防止から、後述するセメント添加剤用重合体の重合時や、上述したグリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和化合物投入時及び(メタ)アクリル酸等の酸性物質投入時に反応器内の酸素濃度を2〜9%とすることが好ましい。より好ましくは、5〜8%である。
【0059】
上記ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体等の(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液は、セメント添加剤用重合体を製造するための製造原料として好適に適用されることになるが、このような不飽和単量体を含む水溶液から製造される重合体は、例えば、セメント添加剤の他にも、炭酸カルシウム、カーボンブラック、インク等の顔料分散剤、スケール防止剤、石膏・水スラリー用分散剤、石炭・水スラリー(CWM)用分散剤、増粘剤等の化学製品の製造に用いることもできる。
【0060】
以下では、上述した(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体を必須とする単量体の水溶液からセメント添加剤用重合体を製造する方法や、該セメント添加剤用重合体を含有するセメント添加剤を製造する方法、該セメント添加剤を使用する方法について説明する。
【0061】
上記セメント添加剤用重合体としては(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体、及び、不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合してなるポリカルボン酸系重合体が好適である。このような重合体としては、ポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体及び不飽和カルボン酸系単量体を含む単量体成分を共重合してなるポリカルボン酸系重合体が好適であり、より好ましくは、更に、ポリアルキレングリコールエステルを有する不飽和単量体を含む単量体成分を共重合してなるポリカルボン酸系重合体である。このようなポリカルボン酸系重合体の重合方法としては、特に制限はなく、例えば、重合開始剤を用いての溶液重合や塊状重合等の公知の重合方法を採用できる。
【0062】
上記不飽和カルボン酸系単量体としては、重合性不飽和基とカルボアニオンを形成しうる基とを有する単量体であればよく、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、シトロネル酸、ウンデシレン酸、エライジン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類;これらのジカルボン酸とアルコールのモノエステル類や、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が好適である。
【0063】
上記ポリカルボン酸系重合体には、必要に応じてポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物不飽和単量体、不飽和カルボン酸系単量体及びポリアルキレングリコールエステル系単量体以外の単量体を共重合させることもできる。このような単量体としては、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類やそれらの一価金属塩、二価金属塩、アルモニウム塩、有機アミン塩類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;炭素数1〜18、好ましくは1〜15の脂肪族アルコールやベンジルアルコール等のフェニル基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類;ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0064】
上記ポリカルボン酸系重合体を構成する各単量体の比率は特に制限はないが、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の含有量としては、全単量体成分中の50〜99質量%が好ましい。より好ましくは60〜98質量%、更に好ましくは、70〜97質量%である。また、不飽和カルボン酸系単量体の含有量としては、全単量体成分中の1〜50質量%が好ましい。より好ましくは2〜40質量%、更に好ましくは3〜30質量%である。不飽和カルボン酸系単量体の含有量が50質量%を超えると、セメントに添加した際に、減水性が低下する上に硬化遅延をも引き起こすためによくない。また、不飽和カルボン酸系単量体の含有量が1質量%未満であっても、減水性が低下するためによくない。本発明では、上記単量体以外のその他の単量体を用いることもできるが、その他の単量体を用いる場合には、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体及び不飽和カルボン酸系単量体の合計が、単量体成分中において主成分となるようにすることが好ましく、例えば、全単量体を100質量%とした場合に、これらの合計が50〜100質量%となるようにすることが好ましい。より好ましくは70〜100質量%であり、更に好ましくは、90〜100質量%である。
【0065】
上記ポリカルボン酸系重合体を得るには、重合開始剤を用いて上記単量体成分を重合させればよい。重合は、溶液重合や塊状重合等の公知の方法で行うことができる。溶液重合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際に使用される溶媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられるが、原料単量体及び得られる共重合体の溶解性から水及び炭素数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、その中でも水を溶媒に用いるのが、脱溶剤工程を省略できる点で更に好ましい。
【0066】
水溶液重合を行う場合には、重合開始剤として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2′−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物;2,2′−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤が使用され、この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。中でも、過酸化水素とL−アスコルビン酸(塩)等の促進剤との組み合わせが好ましい。
【0067】
また、低級アルコール、芳香族若しくは脂肪族炭化水素、エステル化合物、又は、ケトン化合物を溶媒とする溶液重合には、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等がラジカル重合開始剤として用いられる。この際、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。更に、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々のラジカル開始剤、又は、ラジカル開始剤と促進剤の組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。
【0068】
上記塊状重合は、ラジカル重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用い、50〜20℃の温度範囲で行われる。
【0069】
また、分子量調整のため、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤を用いることができ、2種類以上の連鎖移動剤の併用も可能である。
【0070】
このようにして得られたポリカルボン酸系重合体は、そのままでもセメント添加剤の主成分として用いられるが、必要に応じて更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。このようなアルカリ性物質としては、1価金属又は2価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;ジエタノールアミン等の有機アミン等が好ましいものとして挙げられる。また、反応終了後、必要に応じて濃度調整を行うこともできる。
【0071】
上記ポリカルボン酸系重合体を製造する際には、重合時にポリアルキレンイミンアルキレンオキシド付加物を有する不飽和単量体等の(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液は、pH6.1〜9.5を外れない範囲で、(ポリ)アルキレングリコールエステル系不飽和単量体や不飽和カルボン酸系単量体等のその他の単量体と混合して重合を行うことが好ましい。また、この単量体成分混合物の水含有量は40質量%以上であることが好ましい。これらの範囲を外れて単量体成分を作り重合を行おうとすると、単量体成分の保存安定性が悪いために所望の重合体を得ることができなくなるおそれがある。単量体成分のpHや水含有量がこれらの範囲を外れる場合には、単量体成分が変質する前にできるだけ速やかに重合を行わなければならない。単量体成分のpHや水含有量がこれらの範囲を外れる場合には、不飽和カルボン酸系単量体の一部を、単量体成分とはせずに、重合時に分けてフィードし、反応槽内で混合しながら重合を行うことが好ましい。
【0072】
上記ポリカルボン酸系重合体は、特定の重量平均分子量を有する重合体であることが好ましい。例えば、下記測定条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算での重量平均分子量としては、例えば、500以上であることが好ましく、また、500000以下であることが好ましい。500未満であると、セメント添加剤の減水性能が低下するおそれがあり、500000を超えると、セメント添加剤の減水性能、スランプロス防止能が低下するおそれがある。より好ましくは、5000以上であり、また、300000以下であり、最も好ましくは5000以上であり、また、100000以下である。
【0073】
上記GPCは、溶離液貯蔵槽、溶離液の送液装置、オートサンプラー、カラムオーブン、カラム、検出器、データ処理機等から構成される。例えば、下記の市販の装置を組み合わせることにより測定条件を設定して分子量を測定することができる。
【0074】
分子量測定条件
機種 :LCモジュール1plus(商品名、WATERS社製)
検出器:示差屈折計(RI)410示差屈折計(商品名、WATERS社製)
溶離液:0.05M 酢酸ナトリウム、アセトニトリル/イオン交換水=40/60混合液を酢酸でpHを6に調整したものを使用する。
溶離液の流量:1.0ml/min
カラム:
TSK−GEL ガードカラム(内径6mm、長さ40mm)
+TSK−GEL G−4000SWXL(内径7.8mm、長さ300mm)
+TSK−GEL G−3000SWXL(内径7.8mm、長さ300mm)
+TSK−GEL G−2000SWXL(内径7.8mm、長さ300mm)
(いずれも商品名、東ソー社製)
カラムオーブンの温度:40℃
【0075】
検量線:検量線は、標準試料の分子量や数、ベースラインの引き方、検量線近似式の作製方法等により変化する。このため、以下の条件を設定することが好ましい。
1.標準試料
標準試料には、市販の標準ポリエチレンオキシド(PEO)と標準ポリエチレングリコール(PEG)を使用する。標準試料には、次の分子量のものを使用することが好ましい。
1470、4250、7100、12600、24000、46000、85000、219300、272500(合計9点)
これらの標準試料は、以下の点に配慮して選択した。
(1)分子量900以上の標準試料を7点以上使用する。
(2)分子量900〜2000の標準試料を少なくとも1点含む。
(3)分子量2000〜60000の標準試料を少なくとも3点含む。
(4)分子量200000±30000の標準試料を少なくとも1点含む。
(5)分子量270000±30000の標準試料を少なくとも1点含む。
【0076】
2.ベースラインの引き方
分子量の上限:水平で安定なベースラインからピークが立ち上がる点とする。
分子量の下限:主ピークの検出が終了した点とする。
3.検量線の近似式
上記標準試料を用いて作製した検量線(「溶出時間」対「log分子量」)は3次式の近似式を作製し、これを計算に用いる。
【0077】
上記ポリカルボン酸系重合体を含有するセメント添加剤では、良好なセメント分散性能及びスランプ保持性能を発揮することができるが、必要により、ポリカルボン酸系重合体以外の公知のセメント添加剤(セメント分散剤)を更に配合してもよい。
【0078】
上記セメント添加剤ではまた、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、遅延剤、急結剤、水溶性高分子物質、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、消泡剤等を配合することができる。
このようにして得られるセメント添加剤は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に加えて用いることができる。上記セメント組成物としては特に限定されず、例えば、セメント、水、細骨材、粗骨材等を含む通常用いられるものが挙げられる。また、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム、石灰石等の微粉末を添加したものであってもよい。
【0079】
上記セメントとしては特に限定されず、例えば、普通、早強、超早強、中庸熱、白色等のポルトランドセメント;アルミナセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント等の混合ポルトランドセメント等が挙げられる。上記セメントのコンクリート1m3当りの配合量及び単位水量としては特に限定されず、例えば、高耐久性・高強度のコンクリートを製造するためには、単位水量50〜300kg/m3、水/セメント比=10〜60%であることが好ましい。より好ましくは、単位水量100〜200kg/m3、水/セメント比=12〜50%である。
【0080】
上記セメント添加剤の水硬性材料への添加量としては、従来のセメント添加剤に比較して少量の添加でも優れた効果を発揮することになるが、例えば、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメントの重量を100質量%とすると、0.001〜5質量%となるような比率の量を練り混ぜの際に添加すればよい。0.001質量%未満であると、セメント添加剤の作用効果が充分に発揮されないおそれがあり、5質量%を超えると、その効果は実質的に頭打ちとなり、経済性の面からも不利となるおそれがある。より好ましくは、0.01〜1質量%である。これにより、高減水率の達成、スランプロス防止性能の向上、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の作用効果を奏することになる。
【0081】
【発明の実施の形態】
本発明によりセメント添加剤用重合体を製造する一例として、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液として、ポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物(以下、PAOともいう)のメタクリル酸エステル(以下、PAOMGともいう)水溶液及び不飽和カルボン酸系単量体としてメタクリル酸(以下、MAAともいう)、その他単量体としてメトキシポリエチレングリコール(以下、PGMともいう)モノメタクリル酸エステル(以下、PGMEともいう)を用いてセメント添加剤用重合体を製造する工程の一実施形態を図1を用いて説明する。なお、本発明の実施形態の一つと、従来の実施形態とを対比するために、図2に従来の製造工程を示して説明する。
【0082】
図1においては、反応槽(反応器)1−1でPAOにGMA(グリシジルメタクリレート)を付加し水溶液としてpHを調整することにより得た本発明のPAOMG水溶液、反応槽1−2でPGM(アルコール)とMAA(酸)をエステル化することにより得たPGME(エステル)とMAAの混合液、開始剤調整タンク8で調整した重合開始剤水溶液の3種の水溶液を各々、反応槽1−3に添加して、重合時に反応槽内で混合して重合を行う。
【0083】
反応槽1−1でPAOMG水溶液を製造する際には、先ず、ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加物に重合禁止剤であるメトキノン(以下、MEHQともいう)及び酢酸を添加する。MEHQを溶解した酢酸を添加する際の反応槽内の酸素濃度としては2〜9%とすることが好ましく、5〜8%とすることが更に好ましい。重合禁止剤は、酢酸に溶解して添加するのが好ましい。反応温度まで昇温後、メタクリル酸グリシジル(以下、GMAともいう)を添加して反応させてPAOMGを合成し、熟成を行った後にすぐに冷却する。反応温度及び熟成温度としては70〜140℃、好ましくは80〜120℃、更に好ましくは、85〜110℃である。熟成終了後、所定の温度になった時点で水を投入する。このときの温度としては50〜90℃、好ましくは55〜80℃、更に好ましくは、60〜70℃である。所定の温度まで冷却後に水を投入しているので、加水分解が起こりにくい低い温度となっている。また、水溶液とするための水を投入することによって、PAOMG水溶液の温度は更に冷却されて、エステルが加水分解されにくい温度となっている。投入する水の温度としては0〜60℃、好ましくは0〜40℃、更に好ましくは10〜30℃である。また予め酢酸を添加してあるので、PAOMG水溶液は、加水分解が起こりにくいpHとなっている。この際のpHとしては10以下が好ましく、より好ましくは8〜10である。水を投入後、すぐにMAAを投入してPAOMG水溶液にMAAを投入することによって、pHを6.1〜9.5、最も好ましくは7.0〜7.5に調整する。MAAを投入する際の温度としては0〜70℃、好ましくは10〜60℃である。得られたPAOMG水溶液の水含有量としては、40〜90質量%とすることが好ましく、50〜70質量%とすることが更に好ましい。反応槽1−1で合成されたPAOMG水溶液は、貯蔵タンク6に移送されて保存される。移送後すぐに移送配管を洗浄水で洗浄することもできる。
【0084】
反応槽1−2でメトキシポリエチレングリコール(PGM)とメタクリル酸(MAA)をエステル化してメトキシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステル(PGME)とMAAの混合液を得る。このような混合液を得る方法としては特に制限はないが、特開平11−60302号公報で示される方法が好ましい。すなわち、温度計、冷却器、水分離器、攪拌装置等を備えた反応装置に、PGM、MAA、重合禁止剤、脱水溶剤、エステル化触媒等を仕込む。昇温して所定のエステル化率までエステル化反応終了後、冷却してエステル化触媒の中和を行う。水を添加後再び昇温して溶剤を留去し、冷却後にMAA量及び純水量を分析確認・調整して、PGMEとMAAの水溶液を得る。反応槽1−2で合成された水溶液は、貯蔵タンク7に移送されて保存される。移送後すぐに移送配管を洗浄水で洗浄することもできる。
【0085】
重合に使用するMAAは、貯蔵タンク6及び貯蔵タンク7から供給される量の合計である。重合体中のMAA量は性能に大きく影響することから、貯蔵タンク6から供給する量を考慮して貯蔵タンク7から供給する量を決めなければならない。この量から、反応槽1−2でのエステル化反応に使用するMAAの量が決まることになる。
【0086】
開始剤調整タンク8では重合開始剤を水に溶解し、充分に攪拌して重合開始剤水溶液を得る。
反応槽1−3に水を仕込み、所定の重合温度まで昇温する。重合温度としては20〜110℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは60〜90℃である。貯蔵タンク7に連鎖移動剤として、β−メルカプトプロピオン酸を投入し攪拌する。次に、3種の水溶液を各々反応槽1−3に添加する。貯蔵タンク6からのPAOMG水溶液の滴下時間及び貯蔵槽7からの単量体の滴下時間としては、1〜10時間が好ましく、更に好ましくは2〜5時間である。重合開始剤水溶液は、上記単量体水溶液が添加されてから引き続いて0〜5時間、好ましくは0.5〜2時間添加することが好ましい。更に、重合開始剤添加終了後の熟成時間としては0〜10時間が好ましく、更に好ましくは0.5〜2時間である。得られた重合体は、冷却後必要に応じて中和され、水分量を調整してセメント添加剤用重合体が得られる。なお重合工程での攪拌機の回転数としては反応槽や攪拌羽根の形状にもよるが、5〜200rpmが好ましく、20〜100rpmが更に好ましい。
なお、反応槽1−2及び反応槽1−3は同一の反応槽である。
【0087】
図2に、従来の製造工程によりセメント添加剤用重合体を製造し得る方法を示す。
図2においては、上記と同様の方法によって反応槽1−1でPAOにGMA(グリシジルメタクリレート)を付加してPAOMGを得る。一方、反応槽1−2では、上記と同様の方法によって得られたPGME及びMAAの単量体水溶液を張込み、PAOMGが得られる前に予め昇温しておく。このときの温度としては40〜60℃である。反応槽1−1でPAOMGが得られると、約20Lの容器に小分けして移送し、反応槽1−2でPGME及びMAAの単量体混合液と混合して30分間攪拌する。容器に抜き出すPAOMGは、水を添加していないので粘度が高く、経時的に増粘する。このため移送及び混合・攪拌の時間の管理が重要である。混合・攪拌後の混合液のpHは5.3である。
混合液も経時的に増粘するが、調整直後は水溶液となっており配管で移送できる程度である。混合液を処理槽に移送後、ブライン(15℃程度の冷却水)で25℃以下まで急冷する。混合液を処理槽に移送した後、反応槽1−2を洗浄し、水を仕込んで所定の重合温度まで昇温する。混合液は非常に不安定であり、重合は、混合液調整後5時間以内に開始しなければならない。停電や攪拌機の故障等のトラブルがあると、目標の重合体が得られなくなる。
このように従来の製造工程による方法では、時間及び温度の制約が多く、製造が煩雑である。
【0088】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」は、特に断りのない限り「重量部」を意味し、「%」は、「質量%」を意味する。
【0089】
実施例1
(化合物Aの製造方法)
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたSUS304製反応装置に、ジエチレントリアミン350部、塩酸(38%)27部を順に仕込み、85〜100℃に加温した。エチレンイミン1700部を100〜130℃に保ちながら添加し、添加終了後20時間熟成して重量平均分子量(Mw)600のポリエチレンイミン(化合物A)を得た。
【0090】
(化合物Bの製造方法)
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたSUS304製圧力反応装置に、上記で得た分子量600のポリエチレンイミン(PEI−600)770部を仕込み、反応器内を窒素で置換後、140〜150℃に昇温した。初圧を0.3MPaとして140〜160℃でエチレンオキシド750部を添加し、エチレンオキシド添加後同温で1時間熟成して80〜90℃に降温して、水酸基価720〔mg−KOH/g〕のポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物を得た。次に水酸化カリウム12部を添加して再び150〜170℃まで昇温し、初圧を0.25MPaに合わせて150〜170℃でエチレンオキシド435部を添加した。エチレンオキシド添加後160〜170℃で1時間熟成して、150〜160℃に降温後、内圧を0.2MPaに合わせて150〜170℃でエチレンオキシド1580部を添加した。同温で1時間熟成して降温し、水酸基価360[mg−KOH/g]のポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物(化合物B)を得た。
【0091】
(化合物Cの製造方法)
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたグラスライニング製反応装置に、ポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物(Mw600のポリエチレンイミンの活性水素にエチレンオキシドを平均付加モル数3.5で付加した化合物;化合物B)1096部を仕込み、反応装置内の酸素濃度を7%にして密閉した。化合物Bは、粘性を低くするために予め50〜60℃に加温して2800[mPa・s]として投入した。酢酸34部にハイドロキノンモノメチルエーテル0.2部を予め溶解した溶液を添加し、反応系内を密閉したまま90〜100℃まで加温した。温度が90〜100℃で安定した所で、グリシジルメタクリレート(ダウケミカル日本社製)86.5部を1時間かけて投入し、更に30分間同温で熟成し、ポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物のメタクリル酸エステル(化合物C)1217部を得た。
【0092】
化合物Cの熟成終了後直ちに降温し、40分後に60〜70℃になったときに、水1240部を30分以内で投入し、続けて直ちにメタクリル酸145部を5分以内で投入して、水分濃度47.7%、pH7.4、粘度100[mPa・s]の水溶液を得た。この水溶液を2時間以内に別の容器に配管で移送し、配管に300部の水を通して洗浄し、洗浄水を水溶液に混合することによって、水分濃度53.1%、pH7.3、粘度40[mPa・s(20℃)]の水溶液(水溶液D)を得た。
【0093】
化合物Cの水溶液は粘度が低く取扱いが容易であり、pHと水溶液の濃度を調整した水溶液(水溶液D)は、保存安定性に優れ、3日後でも、粘度上昇、ゲル化、分解は確認されなかった。
【0094】
実施例2
(水溶液Eの製造方法)
温度計、攪拌機、生成水分離器及び円柱型還流冷却管(コンデンサ)各1個を備えた外部ジャケット付円筒型反応槽にメトキシポリ(n=25)エチレングリコール16500部、メタクリル酸4870部、パラトルエンスルホン酸水和物の70%水溶液550部、フェノチアジン5部及びシクロヘキサン1380部を仕込み、反応温度110〜120℃でエステル化反応を行った。約20時間でエステル化率が99%に達したのを確認した。得られたエステル化反応液に65℃以下で4.2%水酸化ナトリウム2590部、水2260部を加えてパラトルエンスルホン酸とメタクリル酸の一部を中和した。中和後98℃まで昇温し、シクロヘキサンを水との共沸で留去した。シクロヘキサンを留去後冷却して、TCAV=87.0[mg−KOH/g]、水分=18.0%のエステル化物の水溶液(水溶液E)を得た。
【0095】
(ポリカルボン酸系重合体の製造方法)
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたグラスライニング製の反応装置に、水3900部を仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加温した。水溶液E5100部にメタクリル酸220部、水780部、β−メルカプトプロピオン酸163部を混合して得た単量体混合液(水溶液F)、水溶液D2900部、過硫酸ナトリウム75部を水750部に溶解した重合開始剤水溶液をそれぞれ3時間で添加した。続いて過硫酸ナトリウム25部を水250部に溶解した重合開始剤水溶液を1時間添加した。滴下終了後、1時間引き続いて80℃に温度を維持して重合反応を完結させ、重量平均分子量10500のポリカルボン酸系重合体水溶液(水溶液G)を得た。
【0096】
実施例3
(化合物Hの製造方法)
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたSUS304製反応装置に、ポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物(Mw600のポリエチレンイミンの活性水素にエチレンオキシドを平均付加モル数3.5で付加した化合物;化合物B)2350部を仕込み、反応装置内の酸素濃度を7%にして密閉した。化合物Bは、粘性を低くするために予め50〜60℃に加温して2800[mPa・s]として投入した。酢酸73部にハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部を予め溶解した溶液を添加し、反応系内を密閉したまま90〜100℃まで加温した。温度が90〜100℃で安定した所で、グリシジルメタクリレート(ダウケミカル日本社製)185部を1時間かけて投入し、更に30分間同温で熟成し、ポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物のメタクリル酸エステル(化合物H)2608部を得た。
【0097】
化合物Hの熟成終了後直ちに降温し、40分後に60〜70℃になったときに、水2500部を30分以内で投入し、続けて直ちにメタクリル酸300部を5分以内で投入して、水分濃度46.2%、pH7.4、粘度90[mPa・s]の水溶液を得た。この水溶液を2時間以内に別の容器に配管で移送し、配管に500部の水を適して洗浄し、洗浄水を水溶液に混合することによって、水分濃度50.8%、pH7.3、粘度50[mPa・s(20℃)]の水溶液(水溶液I)を得た。
【0098】
化合物Hの水溶液は粘度が低く取扱いが容易であり、pHと水溶液の濃度を調整した水溶液(水溶液I)は、保存安定性に優れ、3日後でも、粘度上昇、ゲル化、分解は確認されなかった。
【0099】
実施例4
(水溶液Jの製造方法)
温度計、攪拌機、生成水分離器及び円柱型還流冷却管(コンデンサ)各1個を備えた外部ジャケット付円筒型反応槽にメトキシポリ(n=4)エチレングリコール11500部、メタクリル酸8110部、パラトルエンスルホン酸水和物の70%水溶液620部、フェノチアジン5部及びシクロヘキサン1930部を仕込み、反応温度110〜120℃でエステル化反応を行った。約20時間でエステル化率が98%に達したのを確認した。得られたエステル化反応液に65℃以下で4.2%水酸化ナトリウム2415部、水300部を加えてパラトルエンスルホン酸とメタクリル酸の一部を中和した。中和後103℃まで昇温し、シクロヘキサンを水との共沸で留去した。シクロヘキサンを留去後冷却して、メタクリル酸量と水量を調整してTCAV=103.3[mg−KOH/g]、水分=11.0%のエステル化物の水溶液(水溶液J)を得た。
【0100】
(ポリカルボン酸系重合体の製造方法)
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたグラスライニング製の反応装置に、水1600部を仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で70℃まで加温した。水溶液J2140部、水溶液I1180部、β−メルカプトプロピオン酸70部を水76部に混合した連鎖移動剤水溶液146部、過硫酸ナトリウム50部を水160部に溶解した重合開始剤水溶液210部をそれぞれ4時間で添加した。連鎖移動剤水溶液は、スタティックミキサーで水溶液Jと混合して添加した。続いて過硫酸ナトリウム12.5部を水40部に溶解した重合開始剤水溶液を1時間添加した。滴下終了後、1時間引き続いて70℃に温度を維持して重合反応を完結させ、重量平均分子量9000のポリカルボン酸系重合体水溶液(水溶液K)を得た。
【0101】
実施例5
実施例1と同様の方法で化合物Cを得た。化合物Cを90℃で保存したところ、重量平均分子量(Mw)は、熟成終了から1時間後6220、3時間後6180、4時間後6270であり、5時間後に増粘はなかった。
【0102】
比較例1
化合物Cを40℃で保存したところ、粘度が不安定であり、熟成終了から2時間後に11.0[Pa・s]であったものが窒素雰囲気下5時間後には15.5[Pa・s]、7時間後には19.5〔Pa・s〕と変化した。また、酸素濃度を7%にした雰囲気下でも不安定であり、熟成終了から2時間後に11.0[Pa・s]であったものが5時間後には13.0[Pa・s]、20時間後には14.5[Pa・s]と変化した。
化合物Cは粘度が高く、しかも粘度が経時的に変化するため工業的に取扱うことが困難であった。
【0103】
比較例2
実施例1と同様にして化合物C1217部を得た。化合物Cの熟成終了後直ちに降温し、60〜70℃になったときに、水1540部を投入し、水分濃度55.9%、pH9.8、重量平均分子量(Mw)4930の水溶液を得た。測定時には既に加水分解が6%であった。1日後pHは9.0、Mwは4820となり、エステルの加水分解率は5%増加して11%となった。このように、メタクリル酸エステルの加水分解が早いため品質が不安定であり、工業的に利用できなかった。なお、エステルの加水分解率は、メタクリル酸の増加量を分析することによって測定した。
【0104】
比較例3
実施例1と同様にして化合物C1217部を得た。化合物Cの熟成終了後直ちに降温し、60〜70℃になったときに、水1540部を投入し、続けて直ちにメタクリル酸253部を5分以内で投入して、水分濃度51.1%、pH6.0、重量平均分子量(Mw)4960の水溶液を得た。1日後水溶液はゲル化しており、使用不可能であった。
【0105】
比較例4
(調整工程)
実施例2と同様にして、単量体Eを得た。温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたグラスライニング製の反応装置に、単量体E5100部、メタクリル酸365部、水2320部、β−メルカプトプロピオン酸163部を仕込み、攪拌下に50℃まで加温した。実施例1と同様の方法によって化合物C1460部を合成し、熟成終了後直ちに冷却してその内1217部を約20部ずつにバケツに小分けして手作業で移送し、1時間以内に反応装置に投入して混合した。得られた混合液(水溶液L)の水分濃度は35.3%、pHは5.3であった。化合物Cは粘度が大きく取扱いが困難であった。また、配管での定量的な移送が困難であり、バケツでの移送を行ったが、バケツへの付着等によるロス量が大きく、化合物Cを過剰に合成しなければならなかった。化合物C投入終了後1時間攪拌して直ちに攪拌機及び冷却装置を備えた貯蔵槽に移送して25℃まで降温した。
【0106】
(重合工程)
移送終了後、上記反応装置に水3900部を仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、80℃まで加温した。化合物Cの熟成終了から5時間以内に、次の重合を開始した。水溶液L9165部、過硫酸ナトリウム75部を水750部に溶解した重合開始剤水溶液を3時間で滴下した。続いて過硫酸ナトリウム25部を水250部に溶解した重合開始剤水溶液を1時間添加した。滴下終了後、1時間引き続いて80℃に温度を維持して重合反応を完結させ、重量平均分子量12800のポリカルボン酸系重合水溶液(水溶液M)を得た。
水溶液Mを得るまで、煩雑であり、時間管理、温度管理、スケジュール管理が困難であった。
【0107】
比較例5
実施例5と同様にして化合物Cを60℃で保存した。重量平均分子量(Mw)は、熟成終了から1時間後6550、3時間後8230、4時間後8720であり、5時間後には増粘していた。
【0108】
【発明の効果】
本発明の(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液は、上述の構成よりなるので、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又はエステル結合を有する不飽和単量体の水溶液を取扱いやすい粘度とし、安定化させて経時的に増粘(架橋)することを充分に抑制することにより、セメント添加剤の他、各種の化学製品の製造において生産管理しやすくし、製品品質を向上することを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりセメント添加剤用重合体を製造する場合の実施形態の一例を示す概念図である。
【図2】セメント添加剤用重合体の従来の製造工程を示す概念図である。
【符号の説明】
1−1、1−2、1−3 反応槽(反応器)
2 攪拌翼
3 配管(供給管)
4 タンク(処理槽)
5 ジャケット
6 単量体(ポリエチレンイミンエチレンオキシド付加物不飽和単量体(PAOMG))貯蔵タンク
7 単量体((ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体、不飽和カルボン酸系単量体)貯蔵タンク
8 開始剤調整タンク

Claims (3)

  1. 不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とを有するポリアルキレンイミンを必須とする単量体の水溶液を保存する方法であって、
    該水溶液のpHは、6.1〜9.5であり、
    該不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とを有するポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加した化合物の水酸基に不飽和化合物を反応させて不飽和基を導入したものであり、
    該不飽和化合物は、エポキシ化合物であり、
    水溶液の保存方法は、該単量体の水溶液の温度を0℃以上、60℃以下とする
    ことを特徴とする不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とを有するポリアルキレンイミンを必須とする単量体の水溶液の保存方法。
  2. 前記水溶液の水含有量は、40質量%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とを有するポリアルキレンイミンを必須とする単量体の水溶液の保存方法
  3. 前記不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とを有するポリアルキレンイミンは、ポリアルキレングリコール鎖におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数が2以上、300以下であり、ポリアルキレンイミンの平均重合数が2以上、300以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の不飽和基とポリアルキレングリコール鎖とを有するポリアルキレンイミンを必須とする単量体の水溶液の保存方法
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