JP4092774B2 - 光ディスク装置におけるフォーカシング装置 - Google Patents

光ディスク装置におけるフォーカシング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層膜媒体を用いた光ディスク装置におけるフォーカシング装置に関し、特にフォーカスジャンプ方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォーカシングサーボ(以下、フォーカスサーボという)は、ディスクの面振れに対し、対物レンズとディスク信号面との相対距離を一定に保ち、ディスク信号面がレーザのビームウェストの範囲、いわゆる焦点深度(約±1μm)内に位置するように対物レンズを制御する。このフォーカシングサーボは、ディスクからの反射光の状態からフォーカシング誤差信号を検出し、これにより対物レンズを駆動する。図30は従来のフォーカシングサーボ回路の具体例を示す図である。図において、88はピックアップ光検出用ダイオード、89は電流−電圧変換回路、90は減算回路、91は位相補償回路、92はスイッチ、93は駆動回路兼ピックアップUP/DOWN回路、94はピックアップUP/DOWN信号、95はフォーカシングアクチュエータ(以下、フォーカスアクチュエータという)、96は自動焦点検出回路を示す。4つのダイオード88は4分割された光検出器であり、2組の対角線上の検出器の出力はそれぞれ電流−電圧変換回路89にて電圧値に変換され、減算回路90で減算されてフォーカシング誤差信号に変換される。(以下、フォーカスエラー信号という)フォーカシング誤差信号は、フォーカスサーボループの位相補償回路91、スイッチ回路92および駆動回路93を通りフォーカスアクチュエータ95を駆動する。対物レンズとディスクの相対位置を±1μm以内に保たなければならないがCDプレーヤに±1μm以内の高精度でディスクを装着することは不可能である。そのため、ディスクと離れた位置にある対物レンズを持ち上げ、サーボの制御範囲内、すなわちフォーカシング誤差信号を得るまで対物レンズを駆動する必要がある。ピックアップUP/DOWN信号94はこのための対物レンズ駆動信号である。スイッチ92は対物レンズがサーボをかけられる範囲、すなわちS字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域に入ったとき出力される自動焦点検出信号(FOK信号)でサーボループを閉じる。なお、対物レンズが上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域に入ったことの検出、および上記自動焦点検出信号の発生は自動焦点検出回路96で行う。
【0003】
また、図31は従来の光ディスクを用いた記録再生および再生装置の全体構成図である。図において、66は光ディスク(多層膜ディスク)、67はディスクモータ、68はディスクモータサーボ、69はレーザーダイオード、70は対物レンズ、71はフォーカシングアクチュエータ(フォーカスアクチュエータ)、72はトラッキングアクチュエータ、73は光検出器、74はピックアップ送り機構、75はオートレーザーパワーコントロール回路、76はフォーカシングサーボ回路、77はトラッキングサーボ回路、78はピックアップ送りサーボ回路である。光ピックアップはレーザーダイオード69、対物レンズ70、フォーカスアクチュエータ71、トラッキングアクチュエータ72、光検出器73、および光ピックアップ送り機構74で構成されている。
【0004】
格におけるディスクは、0.6mm厚の基板を張り合わせて1.2mmの厚みとしている。片面ディスクの場合には、成形時に情報を転写した0.6mm厚基板を、情報記録面を向かい合わせに貼り合わせる。また、ディスクの一方の情報記録面を半透明層として形成し、他方の情報記録面に通常の反射層を形成することによって、半透明層を形成した基板側から両記録層の情報をディスク反転することなく読み取ることができる。この場合、第1層と第2層との間の接着層の厚みは30〜40μmとし、一方の情報記録層を読み取っているときには他方の情報記録層は30〜40μm程度デフォーカスされることとなって、他方の情報記録層からの反射光はほとんど変化しない。すなわち、層間ストロークはきわめて小さな値となる。
【0005】
しかし、第1層を読み取る時と第2層を読み取る時では、実質的に基板の厚みが30〜40μm異なることとなる。この厚みの誤差は光学系の球面収差の原因となる。そこでその誤差を両層に振り分けるように、第1層を形成する基板の厚みを0.6mmより接着層の厚みの半分程度薄くする。こうすることによって、第1層までの基板の厚みは20μm程度薄めに、第2層までの基板の厚みは20μm程度厚めになる。どちらの層を読み取る時でも同程度基板厚み誤差が生じ、これによる収差がわずかに発生するので、記録密度を10%低減して、1層あたりの記憶容量を4.25GBとし、両層あわせて8.5GBとした。図32は従来の光ディスクの構造を示す図である。通常トラックジャンプを行う場合、トラックとトラックの間の中間の位置を検出することができる。その位置でキックパルスとブレーキパルスを切り替えることによってディスクの偏心などに対応する。具体的には、現在位置から目的位置までの約半分の位置まで進行方向の駆動力を与えるキックパルスをサーボループに印加し、半分の位置から目的位置まで逆方向の駆動力を与えるブレーキパルスを印加する。従って、サーボループを閉じたままで、トラックジャンプを行うことができる。特に、トラックジャンプの場合は、ディスク偏心の影響でアクチュエータに慣性力がついており、固定したパルス長のキックパルスとブレーキパルスを印加すると上記慣性力の影響でトラックジャンプ引き込みの失敗が生じる問題があった。しかし、トラックとトラックの中間点を検出し(図32の下図参照)、ここでパルスを切り替えれば、同じ電圧のパルスを印加しても中間点への到達時間が異なるため、慣性の大きさに応じてパルス幅が可変され、偏心の影響を相殺できる。
【0006】
以下、図33を用いて従来の問題点を簡単に説明する。図33は従来の光ディスクの動作を説明するための図であり、多層膜ディスクを用いた場合のフォーカスジャンプ時におけるフォーカスエラー信号を示している。図において、79は多層膜ディスク、80は2層目情報記録面、81は1層目情報記録面、82は1層目にフォーカスをあわせている光ピックアップ、83は2層目にフォーカスをあわせている光ピックアップ、84は現在層から次層へフォーカスジャンプを行う際のフォーカスエラー信号波形で横軸は時間である。85は現在層における合焦点、86は次層における合焦点、87の区間は現在層の合焦点から次層の合焦点までのフォーカスエラー信号を示す。なお、実際のフォーカスジャンプの際は合焦点85付近よりフォーカスエラー信号が出力される(図34(b)参照)が図33(b)では、1層目の合焦点85の手前の1層目のフォーカスエラー信号が出力が得られはじめる位置より2層目の合焦点86を越えフォーカスエラー信号が得られなくなるまでのフォーカスエラー信号の波形を示した。
【0007】
図33(b)において例えば1層目から2層目へフォーカスジャンプを行う際には、まず始めフォーカスアクチュエータ71にキックパルスを印加する。(キックパルスの詳細に関しては後述する。)キックパルスが印加されると光ピックアップ82は2層目に向け移動を開始する。(なお、実際は光ピックアップ82内の対物レンズ70が駆動されるが、以下の説明では簡単のため光ピックアップ82内の対物レンズ70を駆動する場合、単に光ピックアップという)光ピックアップ82が合焦点85より離れるに従いまず始め図に示すように示すように従来例では下側に1層目のフォーカスエラー信号が現れる。そして1層目から離れるとしばらくはフォーカスエラー信号は0となり、2層目付近に光ピックアップが近づくと2層目のフォーカスエラー信号が図に示すようにまず上側に現れ合焦点86で再び0となる。
【0008】
これは図33(a)に示すように光ピックアップ82によって1層目にフォーカスをあわせていた状態から光ピックアップ83によって2層目にフォーカスをあわせるため、フォーカスジャンプを行ったことを示す。ここで光ピックアップ82と83はフォーカスをあわせている層が異なるだけで同一の光ピックアップを示す。87は現在層の合焦点から次層までの合焦点までのフォーカスエラー信号波形を示したもので以下、図3・4・5・6・8・9・12・16・17・21・22・25・26・27・28・34・35・36のフォーカスエラー信号と同一の意味を持つものである。(1層目の合焦点から2層目の合焦点まで、および2層目の合焦点から1層目の合焦点までのフォーカスエラー信号のことである。)
【0009】
次に、従来のフォーカスジャンプ方式を図34(a)を用いて説明する。本従来例では1層目から2層目のフォーカスジャンプの場合について説明する。従来のフォーカスジャンプ方式は、フォーカスジャンプ時、まず始め図34(a)に示すように固定幅、固定パルス高さのキックパルスがフォーカスアクチュエータ95に印加される。(図30参照)キックパルスが印加されると光ピックアップ82は現在層より次層へ移動を開始する。光ピックアップ82の移動が開始すると同図(b)に示すようにフォーカスエラー信号が下側に現れる。そして、1層目から離れると先ほど説明したようにフォーカスエラー信号は0になり、2層目に近づくと再びフォーカスエラー信号が同図(b)に示すように上側に現れる。従来のフォーカスジャンプ方式ではブレーキパルスを以下のような手順で発生する。まず始め、上記フォーカスエラー信号を同図(b)に示すように所定値zと比較する。そして、フォーカスエラー信号が上記所定値zを超えたタイミングで固定幅、固定パルス高さのブレーキパルスを発生する。
【0010】
従来のフォーカスジャンプは上述のように行われているため、以下のような問題点があった。例えば、光ピックアップのばらつき(光検出感度など)、あるいは光ディスクの反射率の違い(一般に、光ディスクの反射率はディスクによってまちまちである。)などに起因し、フォーカスエラー信号の出力振幅にばらつきが発生する。これにより、ブレーキパルスの発生タイミングがまちまちになりフォーカスジャンプが安定に動作しないといった問題点があった。また、フォーカスアクチュエータの感度、機構部分の静止、動摩擦の違い、光ピックアップのフォーカスジャンプの開始時点における位置、あるいは速度(慣性)など要因により光ピックアップの次層への飛び込み速度が、同一形状のキックパルスを発生してもばらつきが発生する。この次層への飛び込み速度の違いに起因しフォーカスジャンプが安定に動作しないといった問題点があった。
【0011】
以下、図35、および36を用いて従来の問題点を具体的に説明する。図35を用いて、フォーカスエラー信号の出力振幅のばらつき(図35ではフォーカスエラー信号の振幅が半分程度の場合)に起因するフォーカスジャンプの問題点を説明する。先ほどと同様、キックパルスが印加されると光ピックアップ82は現在層より次層へ移動を開始する。光ピックアップ82の移動が開始すると同図(b)に示すようにフォーカスエラー信号が下側に現れる。(ただし、フォーカスエラー信号の振幅は半分程度)そして、1層目から離れると先ほど説明したようにフォーカスエラー信号は0になり、2層目に近づくと再びフォーカスエラー信号が同図(b)に示すように上側に現れる。そして、先ほどと同様に、上記フォーカスエラー信号を所定値zと比較し、上記所定値zを超えたタイミングで固定幅、固定パルス高さのブレーキパルスを発生する。しかし、この場合フォーカスエラー信号の振幅が小さいためにブレーキパルスの発生タイミングが本来のタイミングに対し遅れて出力される。そのため、ブレーキパルスを発生しても次層の制御領域内に光ピックアップ82がとまらずフォーカスサーボが外れてしまう。すなわち、対物レンズ70がサーボをかけられる範囲、すなわちS字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域から外れてしまいフォーカスサーボが落ちてしまう。
【0012】
また、図36を用いて、次層への飛び込み速度の違い(次層への飛び込み速度が十分に得られていなかった場合)に起因するフォーカスジャンプの問題点を説明する。先ほどと同様、キックパルスが印加されると光ピックアップ82は現在層より次層へ移動を開始する。光ピックアップ82の移動が開始すると同図(b)に示すようにフォーカスエラー信号が下側に現れる。そして、1層目から離れると先ほど説明したようにフォーカスエラー信号は0になり、2層目に近づくと再びフォーカスエラー信号が同図(b)に示すように上側に現れる。そして、先ほどと同様に、上記フォーカスエラー信号を所定値zと比較し、上記所定値zを超えたタイミングで固定幅、固定パルス高さのブレーキパルスを発生する。しかし、この場合次層への飛び込み速度が十分に得られていないため、ブレーキパルスが強すぎ、ちょうど矢印Pで対物レンズ70の移動方向が反対になり1層目に戻ってしまい、フォーカスジャンプ終了時には先ほどと同様に2層目の制御領域内(S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域)に対物レンズ70がとまらずフォーカスサーボが落ちてしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ディスク装置におけるフォーカシング装置は上記のように構成されているので、光検出器から得られる光ディスクの面振れ信号(フォーカスエラー信号)に基づきフォーカス制御を行い、フォーカスアクチュエータ95を用いて対物レンズ70を縦方向に動作させることでディスクの面振れに追従し、焦点合わせを行ってきた。しかし、多層膜ディスクを用いた記録再生あるいは再生装置において、1層目から2層目もしくは2層目から1層目にフォーカスジャンプを行う場合、光ピックアップ70のばらつき、光ディスクの反射率のばらつき、装置のばらつき、フォーカスジャンプ時の光ピックアップ82の状態などの要因でフォーカスジャンプを安定に行うことができないといった問題点があった。
【0014】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、光ピックアップ82中の対物レンズ70の次層突入速度、あるいはディスクの面振れを検出、あるいは推定し、この信号に基づいてブレーキパルスの形状を可変させ、最適なブレーキパルスを得ることで安定にフォーカスジャンプを行うことができる光ディスク装置におけるフォーカシング装置を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る請求項1の光ディスク装置におけるフォーカシング装置は、複数の情報記録、あるいは再生面を有する多層膜光ディスクを記録、あるいは再生する光ディスク装置において、光検出手段と、該光検出手段の出力をもとにフォーカスエラー信号を発生するフォーカスエラー発生手段と、該フォーカスエラー信号を用い光ディスクの面振れに対応して対物レンズを駆動し上記光検出手段のフォーカスを制御する面振れ制御手段と、フォーカスジャンプ時キックパルス発生開始信号によりキックパルスを発生するキックパルス発生手段と、フォーカスサーチ時またはフォーカスジャンプ時にフォーカスエラー信号のピーク値を検出するフォーカスエラーピーク検出手段と、フォーカスジャンプ時前記フォーカスエラー信号のピーク値に基づき、また、上方あるいは下方のピーク値のどちらか一方が検出されていない場合は検出されたピーク値に基づき設定されたスレッショルド値とフォーカスエラー信号の振幅を比較しブレーキパルスの発生タイミング信号を出力するブレーキパルス発生タイミング検出手段と、フォーカスジャンプ時上記ブレーキパルス発生タイミング検出手段より出力される発生タイミング信号に対応してブレーキパルスを発生するブレーキパルス発生手段と、フォーカスジャンプ時上記キックパルス終了から上記ブレーキパルス発生までの時間に基づいて上記対物レンズの移動速度を推定する移動速度推定手段と、上記キックパルス終了直後のフォーカスエラー信号の振幅に基づいて上記対物レンズの脱出速度を推定する脱出速度推定手段とを有し、現在層から次層へフォーカスジャンプを行う際、上記ブレーキパルス発生手段において、上記移動速度推定手段により推定された対物レンズの移動速度と上記脱出速度推定手段により推定された対物レンズの脱出速度とに基づいて推定された対物レンズの移動速度の推定結果により上記ブレーキパルスのパルス形状が制御されるように構成するものである。
【0016】
また、請求項2の光ディスク装置におけるフォーカシング装置は、請求項1の光ディスク装置におけるフォーカシング装置において、上記ブレーキパルスを発生する際、上記移動速度推定手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果に基づき上記ブレーキパルスのパルス高さを変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御するように構成するものである。
【0017】
また、請求項3の光ディスク装置におけるフォーカシング装置は、請求項1の光ディスク装置におけるフォーカシング装置において、上記ブレーキパルスを発生する際、上記移動速推定出手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果に基づき上記ブレーキパルスの印加時間を変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御するように構成するものである。
【0024】
また、請求項の光ディスク装置におけるフォーカシング装置は、請求項の光ディスク装置におけるフォーカシング装置において、上記フォーカスエラー信号のピークを検出する際、各層毎に上記ピークを検出するよう上記フォーカスエラーピーク検出手段を制御するように構成するものである。
【0048】
【発明の実施の形態】
この発明に係る請求項1の光ディスク装置におけるフォーカシング装置は、複数の情報記録、あるいは再生面を有する多層膜光ディスクを記録、あるいは再生する光ディスク装置において、まず光検出手段の出力をもとにフォーカスエラー信号をフォーカスエラー発生手段で検出する。面振れ制御手段では上記フォーカスエラー信号を用い光ディスクの面振れを検出し、該検出結果をもとに光ピックアップ内の対物レンズを駆動しフォーカス制御を行う。フォーカスジャンプの際、キックパルス発生手段ではキックパルス発生開始信号によりキックパルスを発生する。フォーカスサーチまたはフォーカスジャンプの際、フォーカスエラーピーク検出手段ではフォーカスエラー信号のピーク値を検出する。また、フォーカスジャンプ時ブレーキパルス発生タイミング検出手段では上記フォーカスエラー信号のピーク値に基づき、また、上方あるいは下方のピーク値のどちらか一方が検出されていない場合は検出されたピーク値に基づき設定されたスレッショルド値とフォーカスエラー信号の振幅を比較しブレーキパルスの発生タイミング信号を出力する。一方、移動速度推定手段ではフォーカスジャンプ時上記キックパルス終了から上記ブレーキパルス発生までの時間に基づいて上記対物レンズの移動速度を推定し、脱出速度推定手段では上記キックパルス終了直後のフォーカスエラー信号の振幅に基づいて上記対物レンズの脱出速度を推定する。ブレーキパルス発生手段では上記ブレーキパルスの発生タイミング信号に基づきブレーキパルスを発生する。その際、ブレーキパルス発生タイミング検出手段における上記スレッショルド値がフォーカスエラー信号のピーク値に基づいて設定されるので、フォーカスエラー信号の出力振幅が、光ピックアップのばらつき(光検出感度など)、あるいは光ディスクの反射率の違い(一般に、光ディスクの反射率はディスクによってまちまちである。)などに起因しばらついた場合でもブレーキパルスの発生タイミングを安定させることができ、また、フォーカスエラー信号のどちらかのピークが検出されていないような場合でもブレーキパルスを所定のタイミングで発生させることができるので、フォーカスジャンプを安定に動作させることができる。また上記移動速度推定手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果と、脱出速度推定手段より出力される上記対物レンズの脱出速度を推定結果とにより上記ブレーキパルスのパルス形状を変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御するので、機構部分の静止、動摩擦の違い、上記対物レンズのフォーカスジャンプ開始時点における位置、あるいは速度(対物レンズの加速度(慣性量))の違い、あるいはフォーカスアクチュエータの感度の違いなどの要因により上記対物レンズの次層への突入速度が異なっても良好なフォーカスジャンプを実現することができる。
【0049】
また、請求項2の光ディスク装置におけるフォーカシング装置においては、フォーカスジャンプの際、上記移動速度推定手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果に基づき上記ブレーキパルスの発生高さを変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御するので、上記対物レンズの次層突入速度が異なっても良好なフォーカスジャンプを実現することができる。
【0050】
また、請求項3の光ディスク装置におけるフォーカシング装置においては、フォーカスジャンプの際、上記移動速推定出手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果に基づき上記ブレーキパルスの印加時間を変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御するので、上記対物レンズの次層突入速度が異なっても良好なフォーカスジャンプを実行できる。
【0057】
また、請求項の光ディスク装置におけるフォーカシング装置においては、上記フォーカスエラー信号のピークを検出する際、各層毎に上記ピークを検出するよう上記フォーカスエラーピーク検出手段を制御するので、各層で光ディスクの反射率が違う場合でもブレーキパルスを所定のタイミングで発生させることができ、フォーカスジャンプを安定に動作させることができる。
【0081】
以上この発明は、フォーカスジャンプ時、上記光ピックアップ内の対物レンズの次層突入速度を推定し、推定した上記次層突入速度よりフォーカスジャンプ開始時のアクチュエータ加速度(慣性量)分の補正量、およびフォーカスジャンプ時の動摩擦量、あるいはアクチュエータの感度などを補正するためブレーキパルスの形状を変える。これにより、多層膜ディスクにおいて、現在層から次層へとフォーカスジャンプを行う際に、フォーカスジャンプ終了時の対物レンズを上記フォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができ極めて安定にかつ確実にフォーカスジャンプを行うことができる。
【0082】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0083】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である多層膜ディスクを用いた記録再生および再生装置のフォーカスサーボ回路のブロック図である。図において、1は多層膜光ディスク、2はディスクモータ、3は光ピックアップ、4はフォーカスエラーアンプ、5はフォーカスループ低域補償フィルタ、6はフォーカスループ位相補償フィルタ、7はフォーカスサーチ引き込み回路、8はフォーカスジャンプ回路、9は切り替えスイッチ、10はフォーカスアクチュエータドライバ、11はフォーカスアクチュエータ、12は切り替えスイッチ、22はフォーカスサーボ系を制御するフォーカスサーボ制御回路、23は再生、停止、フォーカスジャンプなどのコマンド情報の入力端子を示す。なお、本実施の形態1では、上記フォーカスアクチュエータ11を含む光ピックアップ3の構成は従来例と同様図31に示すものと同一である。
【0084】
図2はこの発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおけるフォーカスジャンプ回路8のブロック図である。図において、13はフォーカスエラー信号の入力端子、14は入力端子13より入力されるフォーカスエラー信号をもとにブレーキパルスの発生タイミングを検出するブレーキパルス発生タイミング検出回路、15はフォーカスジャンプ時のブレーキパルスの高さデータを発生するブレーキパルス高さ決定回路、16はキックパルス発生回路、17はブレーキパルス高さ決定回路15の出力に基づきブレーキパルスを発生するブレーキパルス発生回路、18はフォーカスジャンプ制御回路、19は加算回路、20はフォーカスジャンプパルスの出力端子、21は各層のフォーカスエラー信号の下側のピークと上側のピークを検出するフォーカスエラーピーク検出回路である。
【0085】
以下、図1から図9を用いて実施の形態1の動作を説明する。図1において、通常再生時まず、光ピックアップ3からフォーカスエラーアンプ4を介して、光ディスク1の面振れ信号(フォーカスエラー信号)が出力され、フォーカスループ低域補償フィルタ5とフォーカスサーチ引き込み回路7、フォーカスジャンプ回路8にそれぞれ入力される。フォーカスループ低域補償フィルタ5の出力はフォーカスループ位相補償フィルタ6を介して、切り替えスイッチ12に入力される。切り替えスイッチ12はフォーカスサーボ制御回路22より出力される制御信号により再生時はフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を、フォーカスジャンプ時はフォーカスジャンプ回路8より出力されるフォーカスジャンプパルスを選択し出力する。切り替えスイッチ12の出力は切り替えスイッチ9に入力される。切り替えスイッチ9ではフォーカスサーボ制御回路22より出力される制御信号によりフォーカスサーチ時にはフォーカスサーチ引き込み回路7の出力を、それ以外の場合は切り替えスイッチ12の出力を選択し出力する。切り替えスイッチ9の出力は、フォーカスアクチュエータドライバ10を介して、フォーカスアクチュエータ11に入力され光ピックアップ3を駆動する。(なお、従来例と同様に実際は光ピックアップ3内の対物レンズ70が駆動されるが、以降の説明では簡単のため光ピックアップ3内の対物レンズ70を駆動する場合、単に光ピックアップ3と記す。)
【0086】
次に、フォーカスサーチ時の動作を簡単に説明する。まずはじめ、フォーカスサーチについて簡単に説明する。フォーカスサーチ(フォーカス引き込み)とは、従来例でも簡単に述べたが、光ディスク装置の場合、対物レンズ70とディスクの相対位置を±1μm以内に保たなければならないがCDプレーヤに±1μm以内の高精度でディスクを装着することは不可能である。そのため、ディスクと離れた位置にある対物レンズ70を持ち上げ、サーボの制御範囲内、すなわちフォーカシング誤差信号を得るまで対物レンズ70を駆動する必要がある。この動作を、以降フォーカスサーチと記す。以下、図1を用いてフォーカスサーチ時の動作を説明する。通常再生コマンドが入力されるとフォーカスサーボ制御回路22では切り替えスイッチ9にフォーカスサーチ引き込み回路7の出力を選択するよう制御信号を出力する。
【0087】
図3はこの発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおけるフォーカス引き込みを行う際(フォーカスサーチを行う際)のフォーカスサーチ引き込み回路7の出力とフォーカスエラー信号の波形を示す図である。本実施の形態1では、上記UP/DOWN信号が入力されると光ピックアップ3(実際には光ピックアップ3内の対物レンズ70)が持ち上げられ1層目のフォーカスエラー信号が図に示すようにまずはじめ上側に現れ、1層目の合焦点(図中、Hと記した部分)付近で再び0になる。フォーカスサーチ引き込み回路7では、合焦点H付近にピックアップが移動したことを検出するとフォーカスサーボ制御回路22にサーボループを閉じるために自動焦点検出信号(FOK信号)を出力する。(図3参照)フォーカスサーボ制御回路22では上記自動焦点検出信号が入力されると切り替えスイッチ9を切り替えスイッチ12の出力に切り替えフォーカスサーボループを閉じる。なお、通常再生時はあらかじめ切り替えスイッチ12はフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を選択するようフォーカスサーボ制御回路22より制御信号が出力される。
【0088】
次に、図2を用いてフォーカスジャンプ回路8のフォーカスサーチ時の動作を説明する。本実施の形態1では、フォーカスサーチ時はフォーカスエラーピーク検出回路21のみ動作する。以下、フォーカスエラーピーク検出回路21の動作を説明する。フォーカスエラーピーク検出回路21ではフォーカスサーチ時入力端子13より入力される1層目のフォーカスエラー信号の上側のピーク(図3中、Gと記す)を検出する。フォーカスエラーピーク検出回路21で検出された上記1層目のフォーカスエラー信号の上側のピーク値はブレーキパルス発生タイミング検出回路14に入力される。
【0089】
以下、フォーカスサーチ時にフォーカスエラーピーク検出回路21にてフォーカスエラー信号のピークを検出する理由に関して簡単に説明する。従来例でも述べたが、フォーカスエラー信号の出力振幅は、光ピックアップ3のばらつき(光検出感度など)、あるいは光ディスクの反射率の違い(一般に、光ディスクの反射率はディスクによってまちまちである。)などに起因しばらつきが発生する。(実測で、200%程度振幅がばらつく場合もある。)また、同一の光ディスクであっても各層でディスクの反射率が異なり、やはりフォーカスエラー信号の振幅がばらつく。(この場合、同一ディスクであるので前者に比べ、ばらつき具合は小さい。)フォーカスエラー信号が上述のようにばらつくと、ブレーキパルスの発生タイミングがまちまちとなり従来例でも述べたがフォーカスジャンプが安定に動作しないといった問題が発生する。本実施の形態1ではフォーカスエラー信号のピークを検出し、この検出したフォーカスエラー信号のピークをもとにブレーキパルスを発生する際のタイミングを検出するように構成する。これにより、ブレーキパルスを所定のタイミングで発生させることができ、フォーカスジャンプをより安定に動作させることができる。
【0090】
しかし、通常再生時にはフォーカスサーボがかけられているため光ピックアップ3は合焦点H付近で制御されておりフォーカスエラー信号のピークを検出することは不可能である。したがって、本実施の形態1では、フォーカスサーチ時光ピックアップ3を上記フォーカスサーボの制御範囲内に移動する際に得られるフォーカスエラー信号のピーク(図中、G部)を検出し、この検出結果をもとにブレーキパルスの発生タイミングを検出するように構成する。これにより、本実施の形態1ではフォーカスジャンプを安定に動作させることが可能となる。
【0091】
次に、フォーカスジャンプ時のフォーカスサーボ回路の動作を説明する。なお、以下の説明では1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明する。入力端子23を介してフォーカスジャンプコマンドが入力されるとフォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ回路8へフォーカスジャンプコマンド(フォーカスジャンプ開始信号、およびフォーカスジャンプ方向を含むフォーカスジャンプ制御情報)を出力し、切り替えスイッチ12にフォーカスジャンプ回路8の出力を選択するよう制御信号を出力する。また、切り替えスイッチ9へ切り替えスイッチ12の出力を選択するよう制御信号を出力する。
【0092】
以下、図2、および図4を用いてフォーカスジャンプ時のフォーカスジャンプ回路8の詳細な動作を説明する。フォーカスジャンプコマンドが入力端子24を介して入力されるとフォーカスジャンプ制御回路18ではキックパルス発生回路16に対しキックパルス発生するよう、キックパルス発生開始信号を出力するとともに、ブレーキパルス発生タイミングまでの時間を計測するため内部の時間計測カウンタのカウンター値を0にセットする。なお、その際フォーカスジャンプ方向を含むフォーカスジャンプ制御情報がブレーキパルス高さ発生回路15、キックパルス発生回路16、およびブレーキパルス発生回路17に出力される。また、入力端子24を介して上記フォーカスジャンプコマンドはブレーキパルス発生タイミング検出回路14、およびフォーカスエラーピーク検出回路21へも入力される。キックパルス発生回路16では、従来例と同様、キックパルス発生開始信号を受け取ると上記フォーカスジャンプ制御情報をもとにあらかじめ定められたパルス高さ(図4中、khと記す)のキックパルスをあらかじめ定められた時間(図4中、ktと記す)発生する。(本実施の形態1ではキックパルスの形状は説明をわかりやすくするため従来例と同様の形状とする。)キックパルス発生回路16の出力は加算回路19で後述するブレーキパルス発生回路17の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ入力される。一方、フォーカスエラーピーク検出回路21では1層目のフォーカスエラー信号の下側のピーク(図4中、Aと記す)、および2層目の上側のピーク(図4中、Bと記す)の検出を開始する。
【0093】
一方、ブレーキパルス発生タイミング検出回路14ではフォーカスエラーピーク検出回路21より入力されるフォーカスエラー信号のピーク検出結果に基づきブレーキパルスを発生する際のフォーカスエラー信号のスレッショルド値(図中、z1と記す)を設定する。本実施の形態1では、フォーカスエラー信号の振幅(ピーク)の半分の振幅をスレッショルド値z1と設定するものとする。そして、フォーカスエラー信号を上記スレッショルド値(z1)と比較し、スレッショルド値(z1)を超えた時点でブレーキパルスを発生するようフォーカスジャンプ制御回路18へブレーキパルス発生タイミング信号を出力する。ブレーキパルス発生タイミング信号を受け取るとフォーカスジャンプ制御回路18では、上記時間計測カウンタのカウント値(図中、T1と記す)をブレーキパルス高さ決定回路15へ出力するとともにブレーキパルス発生回路17へブレーキパルス開始信号を出力する。
【0094】
ブレーキパルス高さ決定回路15では上記時間計測カウンタのカウント値(T1)をもとにブレーキパルスの高さを決定し、ブレーキパルス発生回路17へブレーキパルス高さ(図4中、bh1と記す)を出力する。なお、ブレーキパルス高さの具体的な発生方法の詳細は後述する。ブレーキパルス高さ決定回路15よりブレーキパルス高さ(bh1)が入力されるとブレーキパルス発生回路17ではパルス高さbh1のブレーキパルスをあらかじめ定められた時間(図中、btと記す)発生する。ブレーキパルス発生回路17の出力は加算回路19でキックパルス発生回路16の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ供給される。
【0095】
ブレーキパルス発生を終了するとフォーカスジャンプ制御回路18はフォーカスサーボ制御回路22にフォーカスジャンプ終了信号を出力する。フォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ終了信号を受け取ると切り替えスイッチ12に対しフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を選択するよう制御信号を出力しフォーカスサーボループを再び閉じる。
【0096】
以下、ブレーキパルス高さの発生方法と、光ピックアップ3の次層突入速度の推定方法について説明する。従来例でも述べたが固定幅、固定パルス高さのキックパルスを加えても、実際の光ピックアップ3の次層突入速度は、機構部分の静止、動摩擦の違い、光ピックアップ3(実際は光ピックアップ3内の対物レンズ70)のフォーカスジャンプの開始時点における位置、あるいは速度(対物レンズ70の加速度(慣性量))などの要因によりフォーカスジャンプ毎に異なる。また、装置が異なればフォーカスアクチュエータの感度、動摩擦係数などの要因によりやはり次層への突入速度は異なる。したがって、本実施の形態1では、上記時間計測カウンタのカウンタ値(T1)を用いて光ピックアップ3の次層(2層目)突入速度を推定する。
【0097】
図4には2層目への突入速度が通常の場合(初期設定範囲内)のフォーカスジャンプパルスの形状とフォーカスエラー信号波形を示す。なお、ここで述べる2層目への突入速度が通常の場合(初期設定の範囲)とは図34で示した従来例のブレーキパルスと同一の形状(ブレーキパルス高さ、ブレーキパルス幅)でフォーカスジャンプを安定に実行できる突入速度の場合を示す。(後述する図7に示すブレーキパルス高さを決定する変換テーブルを作成する際はこのブレーキパルス高さを基準に該変換テーブルを作成する。)図5には2層目の突入速度が通常の場合と比べ速い場合のフォーカスジャンプパルスの形状とフォーカスエラー信号波形を示す。図6には2層目の突入速度が通常の場合と比べ遅い場合のフォーカスジャンプパルスの形状とフォーカスエラー信号波形を示す。図7にはブレーキパルス高さと時間計測カウンタのカウント値(以下、時間計測カウンタ値という)との関係の具体的な1実施例を示す。以下、ブレーキパルス高さの決定方法に関し説明する。
【0098】
まずはじめ、2層目の突入速度が通常の場合の動作について図4を用いて説明する。具体的には図に示すように、キックパルス発生から2層目への到達時間がT1の場合について説明する。フォーカスジャンプ制御回路18より時間計測カウンタ値T1が入力されるとブレーキパルス高さ決定回路15では上記T1をもとに光ピックアップ3の2層目突入速度を推定しブレーキパルス高さを決定する。本実施の形態1では、あらかじめ図7に示すように時間計測カウンタ値をブレーキパルス高さに変換する変換テーブルを用意しておきブレーキパルス高さを決定する。上述のようにT1は通常の突入速度であるので変換テーブルを作成する際基準としたブレーキパルス高さbh1が出力される。
【0099】
図5はこの発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際の光ピックアップ3の次層突入速度が速い場合のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図であり、キックパルス発生から2層目突入までの時間が短い場合(図中、T2と記す)を示した。具体的には、キックパルス発生から2層目への到達時間(T2)が短い場合ということは2層目突入時の光ピックアップ3の移動速度(突入速度)が速いと推定される。したがって、ブレーキパルス発生の際には光ピックアップ3を確実にサーボをかけられる範囲、すなわちS字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめるために強力なブレーキパルスを発生する必要がある。図5に本実施の形態1のブレーキパルス波形、およびフォーカスエラー信号波形を実線で、従来例のブレーキパルス波形、およびフォーカスエラー信号波形を一点鎖線で示した。図に示すように、ブレーキパルス波形のパルス高さを従来に比べ高くすることにより強力なブレーキをかけることができるので、光ピックアップ3をフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができる。(従来例のブレーキパルス波形では十分にブレーキをかけることができず光ピックアップ3を一点鎖線で示すように上記フォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができない。)
【0100】
以下、簡単に図5に示す場合のブレーキパルス高さ決定回路15の動作を説明する。フォーカスジャンプ制御回路18より時間計測カウンタ値T2が入力されるとブレーキパルス高さ決定回路15では上記T2をもとに光ピックアップ3の2層目突入速度を推定しブレーキパルス高さbh2を出力する。(図7参照)
【0101】
図6はこの発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際の光ピックアップ3の次層突入速度が遅い場合のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図であり、キックパルス発生から2層目突入までの時間が長い場合(図中、T3と記す)を示した。具体的には、キックパルス発生から2層目への到達時間(T3)が長い場合ということは2層目突入時の光ピックアップ3の移動速度(突入速度)が遅いと推定される。したがって、ブレーキパルス発生の際には光ピックアップ3を確実にサーボをかけられる範囲、すなわちS字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめるために緩やかなブレーキパルスを発生する必要がある。図6では図5と同様に、本実施の形態1のブレーキパルス波形、およびフォーカスエラー信号波形を実線で、従来例のブレーキパルス波形、およびフォーカスエラー信号波形を一点鎖線で示した。図に示すように、ブレーキパルス波形のパルス高さを従来に比べ低くすることにより緩やかなブレーキをかけることができ、光ピックアップ3をフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができる。(従来例のブレーキパルス波形ではブレーキがかかりすぎ、2層目の合焦点に到達する前に光ピックアップ3が逆方向に動き出し光ピックアップ3を一点鎖線で示すようにフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができない。)
【0102】
上記図5と同様、簡単に図6に示す場合のブレーキパルス高さ決定回路15の動作を説明する。フォーカスジャンプ制御回路18より時間計測カウンタ値T3が入力されるとブレーキパルス高さ決定回路15では上記T3をもとに光ピックアップ3の2層目突入速度を推定しブレーキパルス高さbh3を出力する。(図7参照)
【0103】
次に、図7に示すブレーキパルス高さと時間計測カウンタ値の関係に関して簡単に説明する。フォーカスジャンプを安定に動作させるためには、上述のように次層への光ピックアップ3の突入速度が速い場合は次層を突き抜けてしまわないようにブレーキパルス高さを高くしブレーキ効きを強くする必要がある。反対に、突入速度が遅い場合は次層の合焦点に光ピックアップ3が到達するようにブレーキパルス高さを低くしブレーキの効きを弱くする必要がある。本実施の形態1ではキックパルス発生からブレーキパルス発生までの時間を計測することにより、光ピックアップ3の次層への突入速度を推測する。すなわち、フォーカスジャンプの際、光ピックアップ3の現在層から次層への移動距離はほぼ同一である。したがって、次層への到達時間(時間計測カウンタ値)はキックパルス発生後から次層に到達するまでの光ピックアップ3の平均移動速度にほぼ比例することになる。したがって、上記時間計測カウンタ値を用いることにより光ピックアップ3の次層突入速度を推定することが可能となる。
【0104】
次に、図8を用いて2層目から1層目へのフォーカスジャンプ時の動作を説明する。フォーカスジャンプコマンドが入力端子24を介して入力されるとフォーカスジャンプ制御回路18ではキックパルス発生回路16に対しキックパルス発生するよう、キックパルス発生開始信号を出力するとともに、ブレーキパルス発生タイミングまでの時間を計測するため内部の時間計測カウンタのカウンター値を0にセットする。なお、先ほどの場合と同様にフォーカスジャンプの方向を含むフォーカスジャンプ制御情報が各回路へ出力される。キックパルス発生回路16では、キックパルス発生開始信号を受け取るとあらかじめ定められたパルス高さ(図中、kh1と記す。なお、キックパルスの極性は1層目から2層目へのフォーカスジャンプの際のものと逆になる。)のキックパルスをあらかじめ定められた時間(図中、kt1と記す)発生する。キックパルス発生回路16の出力は加算回路19で後述するブレーキパルス発生回路17の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ入力される。一方、フォーカスエラーピーク検出回路21では1層目のフォーカスエラー信号の下側のピーク(図中、Aと記す)、および2層目の上側のピーク(図中、Bと記す)の検出を開始する。
【0105】
一方、ブレーキパルス発生タイミング検出回路14ではフォーカスエラーピーク検出回路21より入力されるフォーカスエラー信号のピーク検出結果(検出した点Aの値)に基づきブレーキパルスを発生する際のフォーカスエラー信号のスレッショルド値(図中、z2と記す)を設定する。(具体的には、1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合と同様フォーカスエラー信号の振幅(ピーク)の半分の値をスレッショルド値z2とするものとする。)そして、フォーカスエラー信号を上記スレッショルド値(z2)と比較し、スレッショルド値(z2)より値が小さくなった時点でブレーキパルスを発生するようフォーカスジャンプ制御回路18へブレーキパルス発生タイミング信号を出力する。ブレーキパルス発生タイミング信号を受け取るとフォーカスジャンプ制御回路18では、上記時間計測カウンタ値(図中、T4と記す)をブレーキパルス高さ決定回路15へ入力するとともにブレーキパルス発生回路17へブレーキパルス開始信号を出力する。
【0106】
ブレーキパルス高さ決定回路15では先ほどと同様、上記時間計測カウンタ値(T4)をもとにブレーキパルスの高さを決定し、ブレーキパルス発生回路17へブレーキパルス高さ(図中、bh4と記す)を出力する。ブレーキパルス高さ決定回路15よりブレーキパルス高さ(bh4)が入力されるとブレーキパルス発生回路17ではパルス高さbh4のブレーキパルスをあらかじめ定められた時間(図中、bt1と記す)発生する。ブレーキパルス発生回路17の出力は加算回路19でキックパルス発生回路16の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ供給される。なお、本実施の形態1ではブレーキパルス高さ決定回路15内の上記変換テーブルの内容(上記時間計測カウンタ値とブレーキパルス高さの変換テーブル)は1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合と、2層目から1層目へのフォーカスジャンプの場合で異なるものとする。実際、上記光ディスクは水平に置かれる場合が多く、その場合、光ピックアップ3にかかる重力の影響などを考慮し上記変換テーブルを作成する必要がある。また、光ピックアップ3のヒステリシスなどを考慮すると異なる変換テーブルを用いたほうが安定にフォーカスジャンプを実現することができる。
【0107】
次に、図9を用いてフォーカスエラーピーク検出回路21の動作を説明する。図9には、1層目、および2層目のフォーカスエラー信号の出力振幅(出力波形)を示した。図中、Gは1層目のフォーカスエラー信号の上側のピーク、Hは1層目の合焦点、Aは1層目のフォーカスエラー信号の下側のピーク、Bは2層目のフォーカスエラー信号の上側のピーク、Cは2層目の合焦点、Dは2層目の下側のピークである。2層ディスクの場合、図に示すように1層目と2層目の反射率が異なるためフォーカスエラー信号の振幅が異なる。したがって、本実施の形態1ではフォーカスジャンプを行う際、フォーカスエラーピーク検出回路21にて点A、および点Bのピーク値を検出するよう制御を行う。
【0108】
以下、簡単にフォーカスエラーピーク検出回路21の動作を説明する。1層目から2層目へのフォーカスジャンプを行う際、フォーカスエラーピーク検出回路21はキックパルス開始よりブレーキパルス発生までの期間、1層目の下側のピークのみを検出する。次に、ブレーキパルスが発生しフォーカスループが再び閉じるまでの期間、2層目の上側のピークを検出するよう制御を行う。また、2層目から1層目へのフォーカスジャンプを行う際、フォーカスエラーピーク検出回路21はキックパルス開始よりブレーキパルス発生までの期間、2層目の上側のピークのみを検出する。次に、ブレーキパルスが発生しフォーカスループが再び閉じるまでの期間、1層目の下側のピークのみを検出するよう制御を行う。上記動作により、ピークD、およびピークGを誤検出することなく1層目の下側ピーク(ピークA)、および2層目の上側ピーク(ピークB)を確実に検出することができる。また、2層目の上側ピークを検出する際は、フォーカスサーチ時に検出した1層目の上側ピークの検出結果を無視して検出するように制御する。これは、1層目の上方ピークが2層目の上方ピークより振幅が大きい場合においても、2層目の上方ピーク値の検出を確実に実行するためである。
【0109】
なお、本実施の形態1では、ブレーキパルスの発生タイミングを検出する際検出したフォーカスエラー信号の振幅(ピーク)の半分の振幅値をスレッショルド値として設定したがこれに限るものではなく、たとえば1/4、あるいは1/3であっても同様の効果を奏することは言うまでもない。また、ブレーキパルス高さを決定する際の変換テーブルの1実施例を図7に示したがこれに限るものではない。たとえば、T1付近の場合はbh1を出力するような構成でもよい。
【0110】
本実施の形態1の光ディスク装置は以上のように構成されているの、現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、フォーカスアクチュエータの感度、機構部分の静止、動摩擦の違い、光ピックアップ3(実際には光ピックアップ3内の対物レンズ70)のフォーカスジャンプの開始時点における位置、あるいは速度(慣性)など要因により光ピックアップ3の次層への突入速度(飛び込み速度)が違っても、光ピックアップ3の次層突入速度を推定し、その推定結果にもとづき発生するブレーキパルスの形状(本実施の形態1ではブレーキパルスの高さ)を変えるので、フォーカスジャンプを安定に動作させることができる効果がある。特に、同一セットであっても光ピックアップ3のフォーカスジャンプ時の状態(制御位置、あるいはフォーカスジャンプ時の速度(光ピックアップ3内の対物レンズ70の持つ慣性)の状態)によって次層への突入速度(飛び込み速度)はまちまちになる。しかし、本実施の形態1に示すように光ピックアップ3の次層突入速度を推定し、推定結果をもとにブレーキパルスの形状を変えるので、次層への突入速度がまちまちの場合でもフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。すなわち、ブレーキパルスの高さを可変することで装着された光ディスクに対して最適なブレーキパルスを発生する。そして、上記フォーカスジャンプパルスを得ることで強制的に次層にフォーカスを合わせることができる。上記フォーカスジャンプパルスを得る際、ブレーキパルスの形状を可変させる回路を備えたフォーカシング装置を用いると多層膜ディスクを用いた記録再生あるいは再生装置においてフォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。
【0111】
また、本実施の形態1では上記光ピックアップ3の次層突入速度をキックパルス発生からブレーキパルス発生までの時間を計測し推定するように構成したので簡単な回路構成で上記光ピックアップ3の次層突入速度をほぼ推定することができる効果がある。
【0112】
また、実施の形態1では、ブレーキパルス発生タイミングを検出する際、フォーカスエラー信号のピークを検出するように構成したので、現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、光ピックアップ3のばらつき(光検出感度など)、あるいは光ディスクの反射率の違いなどに起因し、フォーカスエラー信号の振幅がばらついた場合でもフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。また、本実施の形態1に示すようにフォーカスジャンプの際フォーカスエラーピーク検出回路21において各層のフォーカスエラー信号の信号ピークを検出するように構成したので、各層での反射率のばらつきに起因するフォーカスエラー信号振幅のばらついた場合でも、各層で所定のタイミングでブレーキパルスを発生することができフォーカスジャンプを安定に動作させることができる効果がある。
【0113】
また、本実施の形態1では、ブレーキパルス発生タイミングを検出する際、フォーカスサーチ時(フォーカス引き込み時)にフォーカスエラー信号のピークを検出するように構成したので、現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、光ピックアップ3のばらつき、あるいは光ディスクの反射率の違いなどに起因し、フォーカスエラー信号の振幅がばらついた場合でもフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。具体的には、各層の反射率のばらつきは上述でも述べたが、光ピックアップ3のばらつき、あるいは各光ディスクごとの反射率の違いに比べ比較的ばらつかない。したがって、フォーカスサーチの際の1層目のフォーカスエラー信号振幅をもとに、2層目へのフォーカスジャンプの際のブレーキパルスの発生タイミングを検出し、ブレーキパルスを発生するように構成してもフォーカスジャンプを安定に動作させることができる効果がある。特に、フォーカスサーチ後初めてのフォーカスジャンプの際は本構成を採用しなかった場合、2層目のフォーカスエラー信号のピークが検出されていないので、上記フォーカスエラー信号の振幅がばらつきにより、ブレーキパルスの発生タイミングがまちまちとなりフォーカスジャンプを安定に行うことができない。また、現在層から次層へのフォーカスジャンプの際、現在層を離脱する時に得られるフォーカスエラー信号の振幅をもとにブレーキパルスの発生タイミングを検出しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0114】
また、上記実施の形態1ではフォーカスジャンプの際もフォーカスエラー信号の信号ピークを検出するように構成したがそれに限るものではなく、フォーカスサーチ時にのみフォーカスエラー信号のピークを検出するように構成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。特に、光ディスク装置のサーボ系の処理をマイコン、あるいはディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPという)などを用いて実施する場合、実行の際のステップ数、あるいはプログラム容量などの関係でフォーカスジャンプ時上記フォーカスエラー信号のピーク検出ができないような場合(ステップ数の不足、あるいはプログラム記憶用のメモリ容量の不足、プログラム実行のためのメモリ容量の不足など)においても、上記フォーカスサーチ時に検出したフォーカスエラー信号のピークを用い、上記ブレーキパルスの発生タイミングを制御しても同様の効果を奏する。
【0115】
また、実施の形態1では、フォーカスジャンプのときに使用するフォーカスエラー信号のピークを各層で検出する(1層目の下側ピーク、および2層目の上側ピーク)ように構成したがこれに限るものではなく、フォーカスエラー信号の各層の識別を行わず上方、および下方のピークのみを検出するような構成でも同様の効果を奏する。特に、先ほどと同様に光ディスク装置のサーボ系の処理をマイコン、あるいはDSPなどを用いて実施する場合、ステップ数、あるいはプログラム容量などの関係でフォーカスジャンプ時上記フォーカスエラー信号の各層のピーク検出ができないような場合においても、上記上方、および下方のピークのみを検出し、検出結果をもとに上記ブレーキパルスの発生タイミングを検出しても同様の効果を奏する。
【0116】
また、上方、あるいは下方のフォーカスエラー信号のどちらか一方しか検出されていないような場合においても、図9に示すようにフォーカスエラー信号はほぼ上下対称に出力される。例えば、ピークG、およびピークAの絶対値の振幅、あるいはピークB、およびピークDの絶対値の振幅はほぼ同じである。また、ピークA、およびピークBに関しても、反射率の違いにより振幅は異なるが上述のように光ピックアップ3のばらつき、あるいは光ディスクの反射率の違いなどに比べて比較的にばらつかない。よって、検出された上記フォーカスエラー信号の上方、あるいは下方のピーク検出結果を用いて上記ブレーキパルスの発生タイミングを検出するように制御しても同様の効果を奏する。
【0117】
実施の形態2.
図10はこの発明の実施の形態2である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスジャンプ回路8のブロック図である。図において、同一符号を記したものは実施の形態1と構成、および動作が同一であるので詳細な説明は省略する。25はブレーキパルスの印加時間を決定するブレーキパルス発生時間決定回路、26はブレーキパルス発生時間決定回路25より出力されるブレーキパルス印加時間にもとづきブレーキパルスを発生するブレーキパルス発生回路、27はフォーカスジャンプ回路8を制御するフォーカスジャンプ制御回路である。
【0118】
以下、図1、図10から図14を用いて本実施の形態2のフォーカスジャンプ時の動作を説明する。実施の形態2では実施の形態1とはフォーカスジャンプの際のブレーキパルスの形状、および光ピックアップ3の次層突入速度の推定方法のみ異なり、通常再生時、およびフォーカス引き込み(フォーカスサーチ)時の動作は同一であるので動作の説明は省略する。また、本実施の形態2においても実施の形態1と同様にフォーカスサーチ時、フォーカスエラーピーク検出回路21では1層目のフォーカスエラー信号の信号ピークを検出する。
【0119】
以下、1層目から2層目へフォーカスジャンプを行った場合の動作について説明する。図1において、入力端子23を介してフォーカスジャンプコマンドが入力されると実施の形態1と同様にフォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ回路8へフォーカスジャンプコマンド(フォーカスジャンプ開始信号、およびフォーカスジャンプ制御情報など)を出力し、切り替えスイッチ12にフォーカスジャンプ回路8の出力を選択するよう制御信号を出力する。また、切り替えスイッチ9へ切り替えスイッチ12の出力を選択するよう制御信号を出力する。フォーカスジャンプコマンドが入力端子24を介して入力されるとフォーカスジャンプ制御回路27ではキックパルス発生回路16に対しキックパルス発生するようキックパルス発生開始信号を出力する。なお、その際上記フォーカスジャンプ制御情報をキックパルス発生回路16、ブレーキパルス発生時間決定回路25、およびブレーキパルス発生回路26に出力される。また、入力端子24を介して上記フォーカスジャンプコマンドはブレーキパルス発生タイミング検出回路14、およびフォーカスエラーピーク検出回路21へも入力される。キックパルス発生回路16では、実施の形態1と同様、キックパルス発生開始信号を受け取ると上記フォーカスジャンプ制御情報をもとにあらかじめ定められたパルス高さ(kh)のキックパルスをあらかじめ定められた時間(kt)発生する。(図4参照)キックパルス発生回路16の出力は加算回路19で後述するブレーキパルス発生回路26の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ出力される。一方、フォーカスエラーピーク検出回路21では1層目のフォーカスエラー信号の下側のピーク、および2層目の上側のピークの検出を開始する。なお、上記フォーカスエラー信号のピーク検出方法は実施の形態1と同一であるので説明は省略する。
【0120】
一方、フォーカスジャンプ制御回路27ではキックパルス発生終了直後のフォーカスエラー信号の信号レベルを検出し、検出結果をブレーキパルス発生時間決定回路25に出力する。ブレーキパルス発生時間決定回路25では上記フォーカスエラー信号の信号レベル、およびフォーカスエラーピーク検出回路21より出力される1層目のフォーカスエラー信号の下側ピークの検出結果を用いて光ピックアップ3の1層目の脱出速度を推定する。(なお、実施の形態1と同様に実際は光ピックアップ3内の対物レンズ70が移動するが、以降の説明では簡単のため光ピックアップ3内の対物レンズ70を移動する場合、単に光ピックアップ3と記す。)
【0121】
以下、図12を用いて光ピックアップ3の1層目の脱出速度の推定方法を説明する。図12に上記光ピックアップ3の1層目の脱出速度が速かった場合のフォーカスエラー信号波形を一点鎖線で、通常の場合(実施の形態1と同様に従来例のブレーキパルスと同一の形状(ブレーキパルス高さ、ブレーキパルス幅)でフォーカスジャンプを実行できる脱出速度の場合)のフォーカスエラー信号波形を実線で、遅かった場合のフォーカスエラー信号波形を二点鎖線で示した。
【0122】
図に示すように、光ピックアップ3の脱出速度が速くなるにつれて、キックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅は小さくなってくる。よって、このキックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅により光ピックアップ3の現在層の脱出速度を推定することができる。本実施の形態2では、上記光ピックアップ3のばらつき、あるいは光ディスクの反射率の違いなどに起因する上記フォーカスエラー信号の信号振幅のばらつきを考慮し、キックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅(図中、kef1、kef2、およびkef3と記す。)を、フォーカスエラーピーク検出回路21で検出された1層目のフォーカスエラー信号の下方の信号ピークで除算した結果をもとに上記脱出速度を推定する。
【0123】
図14には、1層目から2層目へフォーカスジャンプする際のフォーカスジャンプパルスと光ピックアップ3の移動速度の変化を示した。図に示すように、キックパルスが発生している期間では光ピックアップ3は加速される。一方、キックパルス発生終了後、ブレーキパルス発生までの期間はほぼ等速で光ピックアップ3は移動する。(実際は、光ピックアップ3の動摩擦、あるいは重力などの影響により若干速度は図に示すように変化する。)また、ブレーキパルスが入力されると光ピックアップ3は減速する。
【0124】
図14に示すように、2層目への光ピックアップ3の突入速度は1層目の脱出速度とほぼ等しい。したがって、本実施の形態2では、光ピックアップ3の現在層の脱出速度(キックパルス終了時の速度)をキックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅により推定し、その結果を用いブレーキパルスの形状を決定する。
【0125】
ブレーキパルス発生時間決定回路25では、上記キックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅、およびフォーカスエラーピーク検出回路21で検出された1層目のフォーカスエラー信号の下方の信号ピークを用い光ピックアップ3の1層目の脱出速度を推定する。そして、上記脱出速度推定結果をもとにブレーキパルスの印加時間を決定しブレーキパルス発生回路26へ出力する。図13に本実施の形態2のフォーカスエラー信号振幅と、ブレーキパルス幅の関係の1実施例を示した。なお、図中横軸は上述のようにキックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅(図12中、kef1、kef2、およびkef3と記す。)を、フォーカスエラーピーク検出回路21で検出された1層目のフォーカスエラー信号の下方の信号ピークで除算した結果である。なお、図13では簡単のため上記除算結果を単にフォーカスエラー信号振幅kef1、kef2、およびkef3と記した。図に示すようにフォーカスエラー信号振幅が大きくなるにつれて上記光ピックアップ3の1層目の脱出速度が小さくなるのでブレーキパルスの幅が狭くなっている。
【0126】
一方、ブレーキパルス発生タイミング検出回路14では実施の形態1と同様にフォーカスエラーピーク検出回路21より入力されるフォーカスエラー信号のピーク検出結果に基づきブレーキパルスを発生する際のフォーカスエラー信号のスレッショルド値を設定する。そして、フォーカスエラー信号を上記スレッショルド値と比較し、スレッショルド値を超えた時点でブレーキパルスを発生するようフォーカスジャンプ制御回路27へブレーキパルス発生タイミング信号を出力する。ブレーキパルス発生タイミング信号を受け取るとフォーカスジャンプ制御回路27では、ブレーキパルス発生回路26へブレーキパルス開始信号を出力する。
【0127】
ブレーキパルス発生回路26ではパルス高さbh1のブレーキパルスを上記ブレーキパルス発生時間決定回路25より入力されたブレーキパルスの印加時間発生する。図11に各々の場合のブレーキパルスの形状を示した。図に示すように、光ピックアップ3の1層目脱出速度が速い場合(kef1)は、ブレーキパル幅(bt2)を広くし強力なブレーキをかける。反対に、光ピックアップ3の1層目脱出速度が遅い場合(kef3)は、ブレーキパル幅(bt4)を狭くし緩やかなブレーキをかける。ブレーキパルス発生回路26の出力は加算回路19でキックパルス発生回路16の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ供給される。
【0128】
ブレーキパルス発生を終了するとフォーカスジャンプ制御回路27はフォーカスサーボ制御回路22にフォーカスジャンプ終了信号を出力する。フォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ終了信号を受け取ると切り替えスイッチ12に対しフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を選択するよう制御信号を出力しフォーカスサーボループを再び閉じる。
【0129】
次に、フォーカスエラーピーク検出回路21の動作をもう少し詳しく説明する。実施の形態1でも簡単に述べたがフォーカスサーチ後はじめてのフォーカスジャンプ時(光ディスクの再生開始後初めてのフォーカスジャンプ時)には1層目のフォーカスエラー信号の下側ピーク(あるいは2層目の上側ピーク)が検出されていない。本実施の形態2に示すフォーカスエラーピーク検出回路21では、上述のように他方のピーク信号(上側ピーク、あるいは下側ピーク信号のどちらか一方)が検出されていない場合は検出されたもう一方のピーク信号の検出結果を出力するように制御する。従って、1層目の脱出速度を推定する際は、フォーカスサーチ時に検出したフォーカスエラー信号の1層目の上側のピーク信号を用いる。これは、上述でも述べたが、図9に示すように、各層のフォーカスエラー信号の上側ピークと下側ピークの振幅がほぼ等しいことに起因する。これにより、フォーカスエラー信号の下側ピークが検出されていない場合であってもキックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅をもとに光ピックアップ3の1層目の脱出速度をほぼ正確に推定することができる。
【0130】
また、実施の形態1でも少し述べたが光ディスク装置のサーボ系の処理をマイコン、あるいはDSPなどを用いて実施する場合、実行時のステップ数、プログラム容量、あるいはメモリ容量などの関係でフォーカスジャンプ時上記フォーカスエラー信号の各層のピーク検出ができないような場合においても、上方、あるいは下方のどちらか一方のピークのみ、あるいは各層を識別せず上方、および下方のピークのみを検出し、検出結果をもとに上記ブレーキパルスの発生タイミング、および上記光ピックアップ3の現在層の脱出速度を推定してもフォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。
【0131】
なお、本実施の形態2では2層ディスクの1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明したがこれに限るものではなく、2層目から1層目のフォーカスジャンプの際も2層目の光ピックアップ3の脱出速度の推定結果(1層目突入速度)をもとにブレーキパルスのパルス幅を変えるように制御すれば安定にフォーカスジャンプを実現することができる効果がある。
【0132】
本実施の形態2の光ディスク装置は以上のように構成されているの、現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、フォーカスアクチュエータ11の感度、機構部分の静止、動摩擦の違い、光ピックアップ3のフォーカスジャンプの開始時点における位置、あるいは速度(慣性)など要因により光ピックアップ3の現在層の脱出速度(飛び出し速度)が変わっても、光ピックアップ3の現在層の脱出速度(光ピックアップ3の次層への突入速度)を推定し、その推定結果にもとづき発生するブレーキパルスの形状(本実施の形態2ではブレーキパルス幅)を変えるので、フォーカスジャンプを安定に動作させることができる効果がある。すなわち、現在層の脱出速度より次層の突入速度を推定しブレーキパルスのパルス幅を可変することで装着された光ディスクに対して最適なブレーキパルスを発生する。そして、上記フォーカスジャンプパルスを得ることで強制的に次層にフォーカスを合わせることができる。上記フォーカスジャンプパルスを得る際、ブレーキパルスの形状を可変させる回路を備えたフォーカシング装置を用いると多層膜ディスクを用いた記録再生あるいは再生装置においてフォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。
【0133】
また、本実施の形態2では上記光ピックアップ3の現在層の脱出速度をキックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅で検出するように構成したので簡単な回路構成で上記光ピックアップ3の次層突入速度をほぼ推定することができる効果がある。また、本実施の形態2ではブレーキパルス発生時間決定回路25内の上記変換テーブルの内容(上記時間計測カウンタ値とブレーキパルス幅の変換テーブル)は1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合と、2層目から1層目へのフォーカスジャンプの場合で異なるものとする。実際、上記光ディスクは水平に置かれる場合が多く、その場合、光ピックアップ3にかかる重力の影響などを考慮し上記変換テーブルを作成する必要がある。また、光ピックアップ3のヒステリシスなどを考慮すると異なる変換テーブルを用いたほうが安定にフォーカスジャンプを実現することができる。また、上記変換テーブルの形状に関しても図13に示すものに限るものではない。
【0134】
また、実施の形態2では、フォーカスジャンプの際フォーカスエラーピーク検出回路21を上述のように制御するので、各層での反射率のばらつきに起因するフォーカスエラー信号振幅のばらついた場合でも、各層で所定のタイミングでブレーキパルスを発生することができフォーカスジャンプを安定に動作させることができる効果がある。
【0135】
また、本実施の形態2では、ブレーキパルス発生タイミングを検出する際、フォーカスサーチ時(フォーカス引き込み時)にフォーカスエラー信号のピークを検出するように構成したので、現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、光ピックアップ3のばらつき、あるいは光ディスクの反射率の違いなどに起因し、フォーカスエラー信号の振幅がばらついた場合でもフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。特に、フォーカスサーチ後初めてのフォーカスジャンプの際は上述のように確実に光ピックアップ3の現在層の脱出速度を推定することができる効果がある。
【0136】
本実施の形態2では、多層膜ディスクを用いた光ディスク再生装置においてフォーカスジャンプを行う場合、固定パルスを用いると安定にフォーカスジャンプを行うことが極めて困難なため、現在層からの脱出速度をキックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅によって推定し、該推定結果をもとにブレーキパルスのパルス形状を変えるので、次層へ安定にフォーカスジャンプを行うことができるブレーキパルスを発生することができる。これにより、多層膜ディスクにおいて安定なフォーカスジャンプを実現できる効果がある。
【0137】
実施の形態3.
図15はこの発明の実施の形態3である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスジャンプ回路8のブロック図である。図において、同一符号を記したものは実施の形態1と構成、および動作が同一であるので詳細な説明は省略する。30はフォーカスジャンプ制御回路、31は補助パルス発生制御回路、32は補助パルス発生回路、33は加算回路である。
【0138】
以下、図1、図12、および図15から図18を用いて本実施の形態3におけるフォーカスジャンプ時の動作を説明する。実施の形態3では上記実施の形態1、および2とはフォーカスジャンプ時の光ピックアップ3の次層突入速度の推定方法、およびブレーキパルス発生終了後の補助パルス発生部分の構成、および制御のみ異なり、通常再生時、およびフォーカス引き込み(フォーカスサーチ)時の動作は同一であるので動作の説明は省略する。なお、本実施の形態3においても実施の形態1と同様にフォーカスサーチ時、フォーカスエラーピーク検出回路21では1層目のフォーカスエラー信号の信号ピークを検出する。
【0139】
以下、本実施の形態3の1層目から2層目へのフォーカスジャンプ時の動作について説明する。図15において、入力端子23を介してフォーカスジャンプコマンド(フォーカスジャンプ開始信号、およびフォーカスジャンプ方向などを含むフォーカスジャンプ制御情報)が入力されるとフォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ回路8へ上記フォーカスジャンプコマンドを出力し、切り替えスイッチ12にフォーカスジャンプ回路8の出力を選択するよう制御信号を出力する。また、切り替えスイッチ9へ切り替えスイッチ12の出力を選択するよう制御信号を出力する。フォーカスジャンプコマンドが入力端子24を介して入力されるとフォーカスジャンプ制御回路30ではキックパルス発生回路16に対しキックパルス発生するようキックパルス発生開始信号を出力するとともに、実施の形態1と同様ブレーキパルス発生タイミングまでの時間を計測するため内部の時間計測カウンタのカウンター値を0にセットする。なお、その際フォーカスジャンプ方向を含むフォーカスジャンプ制御情報がブレーキパルス高さ決定回路15、キックパルス発生回路16、ブレーキパルス発生回路17、および補助パルス発生制御回路31へ入力される。また、入力端子24を介して上記フォーカスジャンプコマンドはブレーキパルス発生タイミング検出回路14、およびフォーカスエラーピーク検出回路21へも入力される。
【0140】
キックパルス発生回路16では、実施の形態1と同様、キックパルス発生開始信号を受け取ると上記フォーカスジャンプ制御情報をもとに、あらかじめ定められたパルス高さ(kh)のキックパルスをあらかじめ定められた時間(kt)発生する。(図16(a)参照)キックパルス発生回路16の出力は加算回路19で後述するブレーキパルス発生回路17の出力と加算された後、やはり後述する補助パルス発生回路32の出力と加算回路33で加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ入力される。また、フォーカスエラーピーク検出回路21では1層目のフォーカスエラー信号の下側のピーク、および2層目の上側のピークの検出を開始する。
【0141】
一方、フォーカスジャンプ制御回路30では、キックパルス発生終了直後のフォーカスエラー信号の信号レベルを検出する。そして、上記フォーカスエラー信号の信号レベル、およびフォーカスエラーピーク検出回路21より出力される1層目のフォーカスエラー信号の下側ピーク検出結果を用いて光ピックアップ3の1層目の脱出速度を推定する。(なお、実施の形態1と同様に実際は光ピックアップ3内の対物レンズ70が移動するが、以下の説明では簡単のため光ピックアップ3内の対物レンズ70を単に光ピックアップ3という)なお、上記光ピックアップ3の1層目の脱出速度の推定方法は実施の形態2と同様に図12に示すようにキックパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅(図12中、kef1、kef2、およびkef3と記す)を、フォーカスエラーピーク検出回路21で検出された1層目のフォーカスエラー信号の下方の信号ピークで除算した結果をもとに推定する。
【0142】
ブレーキパルス発生タイミング検出回路14では実施の形態1と同様にフォーカスエラーピーク検出回路21より入力されるフォーカスエラー信号のピーク検出結果(図16(b)〜(d)中点Bの値)に基づきブレーキパルスを発生する際のフォーカスエラー信号のスレッショルド値(z1)を設定する。そして、フォーカスエラー信号を上記スレッショルド値(z1)と比較し、スレッショルド値(z1)より値が大きくなった時点でブレーキパルスを発生するようフォーカスジャンプ制御回路30へブレーキパルス発生タイミング信号を出力する。ブレーキパルス発生タイミング信号を受け取るとフォーカスジャンプ制御回路30では、上記時間計測カウンタ値(図16(a)中、T1と記す)、および上記光ピックアップ3の1層目脱出速度の推定結果もとに上記光ピックアップ3の2層目への突入速度を推定する。
【0143】
以下、本実施の形態3における上記光ピックアップ3の次層突入速度の推定方法について説明を行う。本実施の形態3では、上記光ピックアップ3の次層突入速度の推定にあたっては上記キックパルス終了時の光ピックアップ3の現在層脱出速度と、上記時間計測カウンタ値より実施の形態1の要領で推定した上記光ピックアップ3の次層突入速度の推定結果を用いる。本実施の形態3では両者の平均をとり次層への光ピックアップ3の突入速度を推定する。特に、マイコンやDSPなどを用いたソフトウェアによるフォーカス制御を行った場合は、フォーカスエラー信号のサンプリングのタイミングで、上記ブレーキパルス発生タイミング、および上記時間計測カウンタ値に最大1クロック幅の誤差を生じる。フォーカス系のサーボ帯域を2KHz程度とするとサンプリングは50KHz程度で行われる。その際、上記ブレーキパルスの発生タイミング(時間計測カウンタ値)には最大20μsの誤差が発生する。また、ノイズなどの影響を考慮すると誤差はもっと大きくなる。実際、キックパルス発生からブレーキパルス発生終了までの時間が400μsから600μsであることを考えると上記誤差は無視できない。同様に、現在層の脱出速度の推定に関してもノイズなどの影響により生じる上記脱出速度の推定誤差は無視できない。また、光ディスク上の傷などで現在層脱出時のフォーカスエラー信号が得られなかった場合は、現在層の上記光ピックアップ3の脱出速度を推定できない。(なお、その場合は本実施の形態3では上記時間計測カウンタ値のみを用い次層の突入速度を推定する。)上述のように本実施の形態3では上記2つの推定結果を用いるので、上記光ピックアップ3の次層突入速度の推定精度を上げることができる。
【0144】
ブレーキパルス高さ決定回路15では上記フォーカスジャンプ制御回路30より出力される上記光ピックアップ3の2層目への突入速度の推定結果をもとにブレーキパルスの高さを決定し、ブレーキパルス発生回路17へブレーキパルス高さ(図16(a)中bh1と記す。)を出力する。なお、ブレーキパルス高さの具体的な発生方法は実施の形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。ブレーキパルス高さ決定回路15よりブレーキパルス高さ(bh1)が入力されるとブレーキパルス発生回路17ではパルス高さbh1のブレーキパルスをあらかじめ定められた時間(図中btと記す。)発生する。ブレーキパルス発生回路17の出力は加算回路19でキックパルス発生回路16の出力と加算され加算回路33へ入力される。
【0145】
以下、図16から18を用いて実施の形態3の補助パルス発生制御回路31、および補助パルス発生回路32の動作を説明する。光ディスク装置においては、再生時に光ディスクの偏心、あるいはひずみなどに起因する面振れをフォーカスサーボにより吸収している。なお、光ディスクの上記偏心、あるいはひずみに起因する面振れは周期性を持って変化している。従って、面振れの度合いによってはフォーカスジャンプを安定に動作させることはがきない場合がある。以下、図16を用いてフォーカスジャンプ時の上記問題点に関して簡単に説明する。図16において(a)はフォーカスジャンプパルスを示した。同図(b)から(d)には想定される各々の場合のフォーカスエラー信号の信号波形を示した。
【0146】
図に示すように、キックパルス発生からブレーキパルス発生までの時間に関しては各々の場合T1である。しかし、上記偏心、あるいはひずみの影響により上記光ピックアップ3の2層目突入速度が異なる。同図(b)には上記2層目への突入速度が正確に推定された場合を示す。同図(c)には上記2層目への突入速度が推定結果より速かった場合を示す。この場合、ブレーキパルスの振幅(高さ)が小さいため上記光ピックアップ3を上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内にブレーキパルス発生終了時とどめることができない。同図(d)には上記2層目への突入速度が推定結果より遅かった場合を示す。この場合、ブレーキパルスの振幅(高さ)が大きすぎるため、やはり上記光ピックアップ3を上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内にブレーキパルス発生終了時とどめることができない。なお、図中記したfehs1、fehs2、およびfehs3はブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅を示す。
【0147】
従って、本実施の形態3ではブレーキパルス発生終了時の上記フォーカスエラー信号の信号振幅に応じて補助パルス発生回路32にてフォーカスジャンプの際の補助パルスを発生する。図17、および図18を用いて補助パルス発生制御回路31、および補助パルス発生回路32の動作を説明する。図17に上記図16に示す各々の場合に関して補助パルスを付加した際の補助パルス波形、およびフォーカスエラー信号の信号波形を示す。図17(a)にブレーキパルス、および上記補助パルスの信号波形を示す。図17(b)にはブレーキパルス発生時に得られるフォーカスエラー信号の信号波形を示す。図中実線は図16(b)の場合を、一点鎖線は図16(c)の場合を、二点鎖線は図16(d)の場合を示した。図17において、実線で示すように上記光ピックアップ3の2層目の突入速度が正確に検出された場合は本実施の形態3では補助パルスを発生しない。しかし、一点鎖線、あるいは二点鎖線で示したように上記光ディスクの偏心、あるいはひずみなどの影響で上記突入速度が正確に検出できなかった場合は同図(a)に示すように補助パルスを補助パルス発生回路32より発生する。
【0148】
以下、本実施の形態3における補助パルスの発生方法に関して説明する。ブレーキパルスの発生を終了するとフォーカスジャンプ制御回路30はブレーキパルス発生終了信号を補助パルス発生制御回路31に出力する。上記ブレーキパルス発生終了信号が入力されると補助パルス発生制御回路31ではその時点でのフォーカスエラー信号の信号振幅を検出する。補助パルス発生制御回路31では、上記振幅検出結果(図17中、fehs1、fehs2、およびfehs3と記す)、およびフォーカスエラーピーク検出回路21より出力されるフォーカスエラー信号の2層目の上側ピーク信号の検出結果をもとに上記光ピックアップ3のブレーキパルス発生終了時の位置、および移動速度を推定し、該推定結果をもとに発生する補助パルスの形状を決定する。
【0149】
以下、上記ブレーキパルス発生終了時の上記光ピックアップ3の位置、および移動速度の推定方法に関して説明する。まず、上記ブレーキパルス発生終了信号が入力されると補助パルス発生制御回路32では上記フォーカスエラー信号の符号、および振幅を確認する。これにより、発生する補助パルスの極性を決定する。すなわち、1層目から2層目へのフォーカスジャンプの際は図17(b)に示すように、上記フォーカスジャンプ制御回路30で推定された上記光ピックアップ3の2層目の突入速度の推定結果が実際の突入速度と比較して遅い場合に上記フォーカスエラー信号の符号は負になる。(図16(c)参照)したがって、補助パルス発生回路32では上記光ピックアップを上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に引き戻すために再度ブレーキパルスと同一極性を持つ補助パルス(図17(a)中、一点鎖線で記す)を発生する必要がある。反対に、上記フォーカスジャンプ制御回路30で推定された上記光ピックアップ3の2層目の突入速度の推定結果が実際の突入速度と比べ速いと推定された場合に上記フォーカスエラー信号の符号は正になる。(図16(d)参照)したがって、補助パルス発生回路32では上記光ピックアップを上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に到達させるために再度キックパルスと同一極性を持つ補助パルス(図17(a)中、二点鎖線で記す)を発生する必要がある。
【0150】
次に、補助パルス発生制御回路31では上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅を用い、その時点における光ピックアップ3の位置、および移動速度を推定する。具体的には、振幅が大きいほど合焦点に対して上記光ピックアップ3の位置が離れていると判断する。また、移動速度に関しても同様に上記フォーカスエラー振幅が大きいほど移動速度が大きいと判断する。
【0151】
図18に以上を考慮し作成した本実施の形態3におけるフォーカスエラー信号振幅と、補助パルス高さの関係の1実施例を示した。(補助パルスの発生高さ決定用の変換テーブル)なお、図中横軸は上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅(図17中、fehs1、fehs2、およびfehs3と記す)を、フォーカスエラーピーク検出回路21で検出された2層目のフォーカスエラー信号の上方の信号ピークで除算した結果を示す。また、縦軸は上記補助パルスのパルス高さを示す。なお、本実施の形態3では上述でも述べたが同一層内のフォーカスエラー信号の上方、および下方ピークの振幅の絶対値はほぼ同じであるので、2層目の上方のピーク値を用いてフォーカスエラー信号の振幅が負の場合(図中、fehs2)の正規化を行う。
【0152】
本実施の形態3では、図18に示すように除算結果が所定値以上(本実施の形態3では図に示すように1/2)の場合にパルス高さsh1、パルス幅stの補助パルス(図17(a)の二点鎖線参照)を発生し、また、所定値以下(本実施の形態3では図に示すように−1/2)の場合にパルス高さsh2、パルス幅stの補助パルス(図17(a)一点鎖線参照)を発生する。なお、除算値がぞれ以外の場合には本実施の形態3では補助パルスを発生せずフォーカスジャンプを終了しフォーカスサーボループをふたたび閉じる。
【0153】
補助パルス発生制御回路31では、上記要領で補助パルス形状を決定すると補助パルス発生回路32に補助パルス高さ、パルス幅、および補助パルス発生開始信号を出力する。補助パルス発生回路32では上記補助パルス発生開始信号が入力されると上記補助パルス高さ、およびパルス幅の補助パルスを発生する。(図17(a)参照)本実施の形態3ではパルス幅固定(st)の補助パルスを発生する。補助パルス発生回路32の出力は加算回路33で加算回路19の出力と加算され出力端子20を介してスイッチ12に供給される。
【0154】
また、補助パルス発生回路32では補助パルスの発生を終了すると補助パルス発生終了信号を補助パルス発生制御回路31に出力する。補助パルス発生制御回路31では上記補助パルス発生終了信号が入力されるとフォーカスジャンプ制御回路30へ補助パルス発生終了信号を出力する。なお、上記除算結果が−1/2より大きくかつ1/2未満の場合は補助パルス発生制御回路31では、フォーカスジャンプ制御回路30に補助パルス発生終了信号を出力する。フォーカスジャンプ制御回路30は上記補助パルス発生終了信号を受け取るとフォーカスジャンプ終了信号をフォーカスサーボ制御回路22に出力する。フォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ終了信号を受け取ると切り替えスイッチ12に対しフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を選択するよう制御信号を出力しフォーカスサーボループをふたたび閉じる。
【0155】
上述のように補助パルスを発生するので、図17中一点鎖線で示すようにブレーキパルス発生時の上記光ピックアップ3の2層目の実際の突入速度が上記推定結果より速かった場合は、上述のようにブレーキパルスの振幅が小さいためブレーキパルス発生終了直後フォーカスサーボループを閉じても上記光ピックアップ3を上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができない。しかし、補助パルス発生回路32より同図(a)の一点鎖線で示すように下側(ブレーキパルスの方向)にさらに補助パルスを発生するのでさらにブレーキがかかり同図(b)に示すように上記光ピックアップ3を上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に再度引き戻すことができる。
【0156】
同様に、上述のように補助パルスを発生するので、図17中の二点鎖線で示すようにブレーキパルス発生時の上記光ピックアップ3の2層目の実際の突入速度が上記推定結果より遅かった場合は、上述のようにブレーキパルスの振幅が大きいためブレーキパルス発生終了直後フォーカスサーボループを閉じても上記光ピックアップ3を上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができない。しかし、補助パルス発生回路32より同図(a)の二点鎖線で示すように上側(キックパルスの方向)にさらに補助パルスを発生するのでブレーキパルス発生直後再度キックがかかり同図(b)に示すように上記光ピックアップ3を上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に再度引き戻すことができる。すなわち、フォーカスジャンプにおけるブレーキ終了時にブレーキが強すぎた場合と、ブレーキが弱すぎた場合、ブレーキパルスに任意の補助パルスを印加する。ブレーキパルスに補助パルスを印加することによって、安定にかつ確実に多層膜ディスクにおける現在層から次層へのフォーカスジャンプを行うことができる効果がある。
【0157】
なお、実施の形態3では1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明したがこれに限るものではなく2層目から1層目へのフォーカスジャンプにおいても上記補助パルス高さ発生用の変換テーブル、およびパルス幅が異なるだけで上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅により発生する上記補助パルスの形状を決定し出力するように構成すればフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。以下、簡単に2層目から1層目へのフォーカスジャンプの際の補助パルスの発生形状の決定方法に関して説明する。
【0158】
まず、先ほどと同様に上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号が入力されると補助パルス発生制御回路31では上記フォーカスエラー信号の符号を確認する。これにより、発生する補助パルスの極性を決定する。すなわち、2層目から1層目へのフォーカスジャンプの際は、上記フォーカスジャンプ制御回路30で推定された上記光ピックアップ3の2層目の突入速度の推定結果が実際の突入速度と比較して遅い場合に上記フォーカスエラー信号の符号は正になる。したがって、補助パルス発生回路32では上記光ピックアップを上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に引き戻すために再度ブレーキパルスを発生する必要がある。(正の極性を持つパルス)反対に、上記フォーカスジャンプ制御回路30で推定された上記光ピックアップ3の2層目の突入速度の推定結果が実際の突入速度と比べ速いと推定された場合に上記フォーカスエラー信号の符号は負になる。したがって、補助パルス発生回路32では上記光ピックアップを上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に到達させるために再度キックパルスを発生する必要がある。(負の極性を持つパルス)なお、発生する各パルス高さは重力などの影響を考慮しフォーカスジャンプの向きによって変えてもよい。
【0159】
次に、補助パルス発生制御回路31では上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅を用い、その時点における光ピックアップ3の位置、および移動速度を推定する。具体的には、振幅が大きいほど合焦点に対して上記光ピックアップ3の位置が離れていると判断する。また、移動速度に関しても同様に上記フォーカスエラー振幅が大きいほど移動速度が大きいと判断する。以上を考慮し2層目から1層目へのフォーカスジャンプを行う際の上記補助パルスの発生高さ決定用の変換テーブルを作成する。
【0160】
また、本実施の形態3では上記補助パルスの高さを決定する際図18に示すような変換テーブルを用いた場合(補助パルス発生のスレッショルドを1/2、および−1/2に設定した場合)について説明したがこれに限るものではない。また、上記補助パルス高さ発生用の変換テーブルも図18に示すものに限るものではなく、例えば図19に示すような形状でも同様の効果を奏することは言うまでもない。以下、簡単に図19に示す上記補助パルス高さ発生用の変換テーブルについて説明する。
【0161】
図19は図18と同様にフォーカスエラー信号振幅と、補助パルス高さの関係の他の実施例を示した。なお、図中横軸は上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅を、フォーカスエラーピーク検出回路21で検出された2層目のフォーカスエラー信号の上方の信号ピークで除算した結果を示す。また、縦軸は上記補助パルスのパルス高さを示す。図19に示す上記補助パルス高さ発生用の変換テーブルでは、ブレーキパルス発生終了時に得られたフォーカスエラー信号の信号振幅により発生する補助パルスの高さを変えるような構成になっている。具体的には、上述のように振幅が大きいほど合焦点に対して上記光ピックアップ3の位置が離れていると判断され、また、移動速度に関しても同様に上記フォーカスエラー振幅が大きいほど移動速度が大きいと判断される。すなわち、図19に示すようにブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅にあわせ上記補助パルスのパルス高さを変えることにより、最適な補助パルスの発生形状を決定し出力することができるのでより安定にフォーカスジャンプを実施することができる効果がある。
【0162】
また、本実施の形態3では図18、あるいは図19に示すように上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅に応じて補助パルスの発生、およびパルス高さを変化させるように構成したがこれに限るのもではなく、補助パルス発生時間(パルス幅)を変化させるように構成しても同様の効果を奏する。図20にはフォーカスエラー信号振幅と、補助パルス幅の関係の1の実施例を示した。なお、図中横軸は上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅を、フォーカスエラーピーク検出回路21で検出された2層目のフォーカスエラー信号の上方の信号ピークで除算した結果を示す。また、縦軸は上記補助パルスのパルス幅を示す。
【0163】
図20に示す変換テーブルを使用する場合の上記補助パルス発生制御回路31、および補助パルス発生回路32の動作について以下簡単に説明する。ブレーキパルスの発生を終了するとフォーカスジャンプ制御回路30はブレーキパルス発生終了信号を補助パルス発生制御回路31に出力する。上記ブレーキパルス発生終了信号が入力されると補助パルス発生制御回路31ではその時点でのフォーカスエラー信号の信号振幅を検出する。補助パルス発生制御回路31では、上記振幅検出結果、およびフォーカスエラーピーク検出回路21より出力されるフォーカスエラー信号の2層目の上側ピーク信号の検出結果をもとに上記光ピックアップ3のブレーキパルス発生終了時の位置、および移動速度を推定し、該推定結果をもとに発生する補助パルスの形状を決定する。以下、補助パルスの発生形状の決定方法に関して説明する。
【0164】
上述と同様にまず、上記ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号が入力されると補助パルス発生制御回路31では上記フォーカスエラー信号の符号を確認する。これにより、発生する補助パルスの極性を決定する。すなわち、1層目から2層目へのフォーカスジャンプの際は、上記フォーカスジャンプ制御回路30で推定された上記光ピックアップ3の2層目の突入速度の推定結果が実際の突入速度と比較して遅い場合に上記フォーカスエラー信号の符号は負になるのでブレーキパルスと同一の極性を持つパルスを発生させる必要がある。反対に、上記フォーカスジャンプ制御回路30で推定された上記光ピックアップ3の2層目の突入速度の推定結果が実際の突入速度と比べ速いと推定された場合に上記フォーカスエラー信号の符号は正になるのでブレーキパルスとは反対の極性を持つパルスを発生させる必要がある。
【0165】
また、フォーカスエラー信号の振幅が大きいほど合焦点に対して上記光ピックアップ3の位置が離れていると判断され、移動速度に関しても同様に上記フォーカスエラー振幅が大きいほど移動速度が大きいと判断される。よって、図20に示す上記補助パルス幅決定用の変換テーブルでは、上記検出されたフォーカスエラー信号の信号振幅が大きくなるにつれてパルス幅が広くなるように構成されている。すなわち、ブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅にあわせ上記補助パルスのパルス幅を変えることにより、最適な補助パルスの発生形状を決定し出力することができるのでより安定にフォーカスジャンプを実施することができる効果がある。
【0166】
また、上記補助パルスの発生は1回に限るものではなく、補助パルス発生終了後のフォーカスエラー信号の信号振幅により再度補助パルスを発生しても同様の効果を奏することは言うまでもない。以下、図21を用いて補助パルスを再度発生する場合の上記補助パルス発生制御回路31、および補助パルス発生回路32の動作を説明する。図21(a)にはブレーキパルス(2回の補助パルスを含む。)波形を示した。図21(b)にはフォーカスエラー信号波形を示した。以下、補助パルス発生制御回路31、および補助パルス発生回路32の動作について説明する。ブレーキパルスの発生を終了するとフォーカスジャンプ制御回路30はブレーキパルス発生終了信号を補助パルス発生制御回路31に出力する。上記ブレーキパルス発生終了信号が入力されると補助パルス発生制御回路31ではその時点でのフォーカスエラー信号の信号振幅を検出する。補助パルス発生制御回路31では、上記振幅検出結果、およびフォーカスエラーピーク検出回路21より出力されるフォーカスエラー信号の2層目の上側ピーク信号の検出結果をもとに上記光ピックアップ3のブレーキパルス発生終了時の位置、および移動速度を上述の要領で推定し、該推定結果をもとに発生する補助パルスの形状を決定する。図21中パルス高さsh1、パルス幅stと記した。
【0167】
補助パルス発生制御回路31では、補助パルスの形状を決定すると補助パルス発生回路32に補助パルス高さ、パルス幅、および補助パルス発生開始信号を出力する。補助パルス発生回路32では上記補助パルス発生開始信号が入力されると上記補助パルス高さ、およびパルス幅の補助パルスを発生する。(図21(a)参照)補助パルス発生回路32の出力は加算回路33で加算回路19の出力と加算され出力端子20を介してスイッチ12に供給される。
【0168】
補助パルス発生回路32では補助パルスの発生を終了すると補助パルス発生終了信号を補助パルス発生制御回路31に出力する。補助パルス発生制御回路31では上記補助パルス発生終了信号を受け取ると、その時点のフォーカスエラー信号の信号振幅(図中、fehs5と記す)を再度検出する。そして、上記検出結果に応じて再度補助パルスを発生するか判断する。本実施の形態3では、上記フォーカスエラー信号の除算結果が−1/2より大きくかつ1/2未満の場合は補助パルス発生制御回路31では、フォーカスジャンプ制御回路30に補助パルス発生終了信号を出力する。一方、上記フォーカスエラー信号の除算結果が1/2以上、あるいは−1/2以下の場合には再度補助パルスを発生するよう制御する。なお、本実施の形態3では補助パルスのパルス高さ変換用のテーブルは最初に発生した補助パルスのテーブルとは異なるものとする。
【0169】
よって補助パルス発生制御回路31では上記補助パルスのパルス発生高さ変換テーブルをもとに再度パルス形状を決定する。なお、本実施の形態3では2度目以降の補助パルスに関しては少なくともパルス高さ(高さの絶対値)、およびパルス幅のどちらか一方を前回発生した補助パルスより小さくするように上記補助パルス形状を決定するものとする。補助パルス発生制御回路31では、補助パルスの形状を決定すると補助パルス発生回路32に補助パルス高さ(図中、sh3)、パルス幅(図中、st1)、および補助パルス発生開始信号を再度出力する。補助パルス発生回路32では上記補助パルス発生開始信号が入力されると上記補助パルス高さ、およびパルス幅の補助パルスを発生する。(図21(a)参照)補助パルス発生回路32の出力は加算回路33で加算回路19の出力と加算され出力端子20を介してスイッチ12に供給される。
【0170】
補助パルス発生回路32では補助パルスの発生を終了すると補助パルス発生終了信号を補助パルス発生制御回路31に出力する。補助パルス発生制御回路31では上記補助パルス発生終了信号を受け取るとフォーカスジャンプ制御回路30に補助パルス発生終了信号を出力する。フォーカスジャンプ制御回路30は上記補助パルス発生終了信号を受け取るとフォーカスジャンプ終了信号をフォーカスサーボ制御回路22に出力する。フォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ終了信号を受け取ると切り替えスイッチ12に対しフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を選択するよう制御信号を出力しフォーカスサーボループをふたたび閉じる。
【0171】
本実施の形態3は以上のように光ディスク装置のフォーカシング装置を構成しているので、1度目の補助パルスで十分に補償しきれなかった場合も再度発生した補助パルスにより補償されるのでフォーカスジャンプをより安定に動作させることができる効果がある。なお、本実施の形態3では補助パルスを2度発生する場合について説明したがこれに限るものではなく、補助パルス発生回路32より再度補助パルス発生終了信号を受け取った時にその時点でのフォーカスエラー信号の信号振幅を再度検出し、その検出結果に応じてさらに補助パルスを発生するように構成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。また、本実施の形態3では、上記補助パルスを再度発生する場合、2度目以降の補助パルスに関してはパルス高さ(高さの絶対値)、およびパルス幅の少なくともどちらか一方を前回発生した補助パルスより小さくするように上記補助パルス形状を決定するので、複数回上記補助パルスを発生した場合でもフォーカスジャンプ動作が発散することなく安定に動作する効果がある。また、上記補助パルスを複数回発生させる場合は、あらかじめ発生する補助パルスの最大回数を定めておくように構成してもよいことは言うまでもない。(この構成により、フォーカスジャンプの際、補助パルスの発生のしすぎによる発散を防ぐことができる。)
【0172】
また、本実施の形態3では補助パルス発生の際にブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の振幅をもとに上記光ピックアップ3の位置、および移動速度を推定し、この推定結果をもとに補助パルスの形状を決定するように構成していたので、フォーカスジャンプを安定に動作させることができた。また、上述のようにフォーカスエラー信号の信号振幅は光ピックアップ3の光検出感度、あるいは光ディスクの反射率の違いなどによりばらつく。従って、本実施の形態3に示すようにフォーカスエラーピーク検出回路21にて検出したフォーカスエラー信号の信号ピークを用いることにより、上記光ピックアップ3の位置、および移動速度の推定精度が上がりフォーカスジャンプをより安定に動作させることができる効果がある。
【0173】
なお、上記光ピックアップ3の位置、および移動速度の推定方法は上述の方法に限るものではない。例えば、ブレーキパルス発生時のフォーカスエラー信号の信号振幅変化を検出し上記光ピックアップ3の移動速度を検出するように構成しても同様の効果を奏する。図22を用いて簡単に上記光ピックアップ3の移動速度の検出方法について説明する。図22はこの発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のブレーキパルス発生終了時の光ピックアップの位置、および移動速度推定時の動作を説明するための動作説明図である。図において、上側にブレーキパルス波形、下側にフォーカスエラー信号波形を示した。図中、実線で示したフォーカスエラー信号波形は図16(b)の場合、一転鎖線で示した波形は図16(c)の場合、二点鎖線で示した波形は図16(d)の場合を示す。本実施の形態3では図22中の点B、点I、および点J、およびフォーカスエラー信号の振幅をもとに光ピックアップ3の移動速度を推定する。
【0174】
以下、上記推定方法について簡単に説明する。まずはじめ、補助パルス発生制御回路31ではブレーキパルス発生後フォーカスエラー信号の振幅変化を検出し、まずはじめ点Bを越えたことを上記フォーカスエラー信号の信号変化、およびフォーカスエラー信号ピーク検出回路21より出力されるフォーカスエラー信号のピーク検出結果を用い検出する。具体的には、上記ブレーキパルス発生時のフォーカスエラー信号の上側ピークを検出し検出結果と、上記フォーカスエラー信号のピーク検出結果を比較しほぼ等しかった場合は点Bを越えたと判断する。これにより、光ピックアップ3が上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に入ったことを検出する。点Bを越えたと判断されなかった場合(ブレーキパルス発生時に検出されたフォーカスエラー信号のピークが、上記フォーカスエラーピーク検出回路21より出力されるフォーカスエラー信号のピーク検出結果よりも小さかった場合)はブレーキパルスの発生を中止し補助パルスをキックパルスと同じ極性で発生するよう補助パルス発生回路32を制御する。
【0175】
そして、点Bを越えたことを判断すると今度はブレーキパルス発生時の下側のピークの検出を開始する(点I、および点J)。点I,あるいは点Jを検出する。そして、その振幅を上記フォーカスエラー信号のピーク検出結果(本実施の形態3では点Bの検出結果のー1倍の値)と比較し値がほぼ等しかった場合は、光ピックアップ3が上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域外に出ていってしまったと判断し、さらに強力なブレーキをかけるために補助パルス発生回路32にブレーキパルスと同じ極性を有する補助パルスを発生するよう制御信号を出力する。一方、比較結果が等しくなかった場合はこの時点で光ピックアップ3の移動方向が反対に変わったと判断し、この時点でのフォーカスエラー信号の振幅を検出し検出結果に応じて発生する補助パルスの形状を決定し補助パルス発生回路32に制御信号を出力する。具体的には、点Iを検出した際にはキックパルスと同じ極性を持つ補助パルスを点I時点のフォーカスエラー信号の振幅に応じて発生する。また、点Jを検出した場合はブレーキパルスと同じ極性を持つパルスをやはり点J時点のフォーカスエラー信号振幅に応じて発生する。本実施の形態3では上述のように補助パルスを発生するので、光ピックアップ3を上記S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内にとどめることができ安定にフォーカスジャンプを実行できる効果がある。
【0176】
なお、実施の形態3では1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明したがこれに限るものではなく2層目から1層目へのフォーカスジャンプにおいても上記補助パルス高さ発生用の変換テーブル、およびパルス幅が異なるだけで上記ブレーキパルス発生終了時の光ピックアップ3の状態(位置、および移動速度の推定結果)により発生する上記補助パルスの形状を決定し出力するように構成すればフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。また、補助パルスを発生する際に変換テーブルに関しても図18から図20に示すものに限るものではない。また、補助パルス形状に関しても図17、あるいは図21に示す方形波形状に限るものではない。
【0177】
実施の形態3の光ディスク装置は以上のように構成されているので、現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、フォーカスアクチュエータ11の感度、機構部分の静止、動摩擦の違い、光ピックアップ3のフォーカスジャンプの開始時点における位置、あるいは速度(慣性)など要因により光ピックアップ3の次層への突入速度(飛び込み速度)が違っても、キックパルス発生終了時の上記光ピックアップ3の現在層の脱出速度、および光ピックアップ3の次層突入速度時の突入速度を推定し、その推定結果にもとづき発生するブレキーパルスの形状(本実施の形態3ではブレーキパルスの高さ)を変えるので、上記光ピックアップ3の次層への飛び込み速度の推定精度が上がりフォーカスジャンプをより安定に動作させることができる効果がある。
【0178】
特に、同一セットであっても光ピックアップ3のフォーカスジャンプ時の状態(制御位置、あるいはフォーカスジャンプ時の速度(光ピックアップ3内の対物レンズ70の持つ慣性)の状態)によって次層への突入速度(飛び込み速度)はまちまちになる。また、光ディスク上に傷などがあり現在層のフォーカスエラー信号の振幅が出力されない場合、あるいはフォーカスエラー信号のサンプリング位相、あるいはノイズの影響で次層への突入速度の検出結果に誤差が発生したような場合であっても、まともに得られたどちらか一方の推定結果、あるいは両推定結果の平均を用いることにより上記光ピックアップ3の次層への飛び込み速度の推定結果の精度を上げることができ安定にフォーカスジャンプを実施できる効果がある。また、本実施の形態3では上記次層飛び込み速度検出結果に基づきブレーキパルスの高さを可変することで装着された光ディスクに対して最適なブレーキパルスを発生する。そして、上記フォーカスジャンプパルスを得ることで強制的に第2層目にフォーカスを合わせることができる。上記フォーカスジャンプパルスを得る際、ブレーキパルスの形状を可変させる回路を備えたフォーカシング装置を用いると多層膜ディスクを用いた記録再生あるいは再生装置においてフォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。また、このように構成することによって、脱出速度検出がディスクの傷等によって正確に行えない場合(キックパルスの高さが異常な場合)もブレーキパルスがこれに連動していないため、フォーカスジャンプはずれを防ぐことができる。
【0179】
また、本実施の形態3の光ディスク装置は現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、フォーカスアクチュエータの感度、機構部分の静止、動摩擦の違い、光ピックアップ3のフォーカスジャンプの開始時点における位置、速度 (慣性)、あるいは再生時に発生する光ディスクの偏心、あるいはひずみなどに起因する面振れにより上記フォーカスジャンプ時の光ピックアップ3の次層への飛び込み速度の推定結果が正確に推定されない場合が発生する。なお、光ディスクの上記偏心、あるいはひずみに起因する面振れは周期性を持って変化している。特に、面振れの度合いによっては上記飛び込み速度の推定結果が正しくなく、ブレーキパルス発生終了時S字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に上記光ピックアップ3をとどめることができない場合が発生する。そのような場合でも、本実施の形態3ではブレーキパルス発生終了時の上記光ピックアップ3の状態(位置、および移動速度)を検出し、該検出結果をもとに補助パルスを発生するので上記光ディスクの偏心、あるいはひずみの影響で光ピックアップ3の次層突入速度の推定を間違った場合でもブレーキパルス発生終了後、上記補助パルスにより再び上記光ピックアップ3をS字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内に引き戻すことができ安定なフォーカスジャンプを実現することができる効果がある。
【0180】
また、上記補助パルスを発生させることにより上記光ディスクの偏心、あるいはひずみなどの影響に対して最適なブレーキパルス(この場合のブレーキパルスは上記補助パルスを含む。)を発生する。そして、上記フォーカスジャンプパルスを得ることで強制的に第2層目にフォーカスを合わせることができる。上記フォーカスジャンプパルスを得る際、ブレーキパルスの形状を可変させる回路を備えたフォーカシング装置を用いると多層膜ディスクを用いた記録再生あるいは再生装置においてフォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。
【0181】
また、本実施の形態3では、上記光ピックアップ3のブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号の信号振幅の絶対値が所定のレベル未満の場合補助パルスを発生させずフォーカスサーボループを閉じるように構成したので、フォーカスジャンプ所用時間を短縮できるとともにフォーカスジャンプの安定性を増すことができる効果がある。
【0182】
また、実施の形態3では、補助パルスの発生制御の際、フォーカスエラー信号のピーク検出結果を用いるように構成したので、現在層から次層へフォーカスジャンプを実施する際、光ピックアップ3のばらつき、あるいは光ディスクの反射率の違いなどに起因し、フォーカスエラー信号の振幅がばらついた場合でも補助パルスの発生を確実に行うことができフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。また、本実施の形態3に示すようにフォーカスジャンプの際フォーカスエラーピーク検出回路21において各層のフォーカスエラー信号の信号ピークを検出するように構成したので、各層での反射率のばらつきに起因するフォーカスエラー信号振幅のばらつきに対しても、各層で所定のタイミングで補助パルスを発生することができフォーカスジャンプを安定に動作させることができる効果がある。
【0183】
また、上記実施の形態3では通常検出されることのないフォーカスエラー信号の2層目の下側ピークを同一層の上側ピークの検出結果を用いるように構成したので上記補助パルスを確実に発生させることができフォーカスジャンプを安定に動作させることができる。また、光ディスク装置のサーボ系の処理をマイコン、あるいはDSPなどを用いて実施する場合、フォーカスエラー信号の符号により設定値を変える必要がなくステップ数、あるいはプログラム容量、メモリ容量などを小さく押えることができる効果がある。
【0184】
実施の形態4.
図23はこの発明の実施の形態4である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスサーボ回路のブロック図である。図において、同一符号を記したものは実施の形態1と構成、および動作が同一であるので詳細な説明は省略する。図において40は光ピックアップ3より出力される再生信号のジッタを検出するジッタ検出回路、41は再生信号中のジッタが最小になるようにフォーカスサーボループに加えるフォーカスオフセット値を検出(自動調整)するフォーカスオフセット自動調整回路、42は上記フォーカスオフセット自動調整回路41より出力される上記フォーカスオフセット値をフォーカスエラー信号に加える加算回路、43はフォーカスサーボ系を制御するフォーカスサーボ制御回路、44はフォーカスサーボループ内のフォーカスサーボループゲインを自動調整するフォーカスゲイン自動調整回路、45はフォーカスゲイン自動調整回路44より出力されるフォーカスサーボゲインをスイッチ9より出力される信号に乗算する乗算回路、46は上記フォーカスサーボループゲインを自動調整する際フォーカスゲイン自動調整回路44より出力される正弦波を乗算回路45の出力に加算する加算回路、47はフォーカスサーボ制御回路43より出力されるフォーカスゲイン情報に基づきフォーカスジャンプ終了時のフォーカスサーボループゲインをあげるための乗算回路である。
【0185】
図24はこの発明の実施の形態4である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスジャンプ回路8のブロック図である。図において、同一符号を記したものは実施の形態1と構成、および動作が同一であるので詳細な説明は省略する。図において、50はキックパルス発生回路、51はフォーカスジャンプ制御回路である。
【0186】
以下、図23から図27を用いて実施の形態4の動作を説明する。図23において、通常再生が開始されると実施の形態1と同様にフォーカスサーボ制御回路43よりフォーカスサーチ引き込み回路7にフォーカスサーチ開始信号を出力するとともに、切り替えスイッチ9にフォーカスサーチ引き込み回路7の出力を選択するよう制御信号を出力する。フォーカスサーチ引き込み回路7では上記フォーカスサーチ開始信号が入力されると光ピックアップ3のUP/DOWN信号出力する。その際、実施の形態1と同様にフォーカスエラーピーク検出回路21では1層目の上側ピーク信号の検出を行う。そして、実施の形態1と同様に1層目の合焦点(図25中、Hと記す)付近に光ピックアップ3が移動したことを検出するとフォーカスサーボ制御回路43にサーボループを閉じるために自動焦点検出信号(FOK信号)を出力する。フォーカスサーボ制御回路43では上記自動焦点検出信号が入力されると切り替えスイッチ9を切り替えスイッチ12の出力に切り替えフォーカスサーボループを閉じる。なお、通常再生時はあらかじめ切り替えスイッチ12はフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を選択するようフォーカスサーボ制御回路43より制御信号が出力される。
【0187】
フォーカスサーボループが閉じられるとフォーカスサーボ制御回路43では、フォーカスサーボループゲインの自動調整を開始するためフォーカスサーボループゲイン自動調整開始信号を出力する。フォーカスサーボループの特性は上述のように光ピックアップ3の光検出感度などの違い、あるいは光ディスクの反射率の違いによりまちまちである。また、同一ディスクであっても上述のように各層での反射率の違いにより異なる。よって、フォーカスサーボ系のループ特性を一定にするために光ディスク装置ではループゲインの自動調整を行う。上記フォーカスサーボループゲインが低い場合はフォーカスサーボのサーボ帯域が狭くなり外乱に対してシステムが弱くなる。反対に、高い場合は外乱に対しては強くなるが騒音大きくなるなどの弊害が発生する。また、高すぎる場合はフォーカスアクチュエータ11を焼いてしまう場合もある。
【0188】
以下、フォーカスゲイン自動調整方法に関して説明する。具体的は、フォーカスサーボループ内にあらかじめ定められた周波数(この周波数はサーボ帯域で決まる。)の正弦波を入力する。そして、上記発生した正弦波とフォーカスサーボループを一巡して戻ってきた上記正弦波の位相差が90°になるようにサーボ系のループゲインを調整する。以下、図23を用いてフォーカスゲイン自動調整動作を説明する。フォーカスサーボループゲイン自動調整開始信号が入力されるとフォーカスゲイン自動調整回路44ではあらかじめ定められた周波数の正弦波を発生し加算回路46に出力する。また、フォーカスゲイン自動調整回路44はフォーカスゲインを初期値(本実施の形態4では1)よりあらかじめ定められた範囲で動かすよう乗算係数を乗算回路45へ出力する。
【0189】
上記加算回路46ではフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力に上記フォーカスゲイン自動調整回路44より出力された上記正弦波を加算する。加算回路46の出力は乗算回路47でフォーカスサーボ制御回路43より出力される上記フォーカスゲイン(なお、通常再生時は1)と乗算されフォーカスアクチュエータドライバ10を介してフォーカスアクチュエータ11に出力される。一方、光ピックアップ3より出力されるフォーカスエラー信号はフォーカスエラーアンプ4で増幅され加算回路42でフォーカスオフセット値(通常、フォーカスサーボループゲインの自動調整時は0が出力される。)が加算されフォーカスループ低域補償フィルタ5、およびフォーカスループ位相補償フィルタ6を介してフォーカスゲイン自動調整回路44に入力される。フォーカスゲイン自動調整回路44ではフォーカスループ位相補償フィルタ6より出力されるフォーカスエラー信号中に含まれる上記発生した正弦波と同一の周波数成分を有する正弦波を分離する。そして、分離した正弦波と現在発生している正弦波の位相差を検出する。フォーカスゲイン自動調整回路44では該位相差の検出結果が90°になるよう、乗算回路45へ出力する上記乗算係数をあらかじめ定められた範囲で動かす。そして、上記位相差の検出結果が90°であると確認すると、上記正弦波の発生をとめ、フォーカスサーボループゲインを現在発生している値に固定し乗算回路45へ供給するとともに、フォーカスゲイン自動調整完了信号をフォーカスサーボ制御回路43へ出力する。
【0190】
フォーカスサーボループゲインの自動調整が終了するとフォーカスサーボ制御回路43では、フォーカスオフセット値を調整するためにフォーカスオフセット自動調整回路41にフォーカスオフセット自動調整開始信号を出力する。フォーカスオフセット自動調整回路41では上記フォーカスオフセット開始信号が入力されるとシステム動作が安定していることを確認しフォーカスオフセット値の自動調整に入る。以下、簡単にフォーカスオフセット自動調整について図25を用いて簡単に説明する。図25には1層目、および2層目のフォーカスエラー信号を示した。図において、点Gは1層目のフォーカスエラー信号の上側ピーク、点Hは合焦点、点Aは1層目のフォーカスエラー信号の下側ピークである。また、点Bは2層目のフォーカスエラー信号の上側ピーク、点Cは合焦点、点Dは2層目のフォーカスエラー信号の下側ピークである。
【0191】
通常フォーカスサーボは合焦点(点H、あるいは点C)にフォーカスが合うように制御される。しかし、一般に上記合焦点と再生信号中に含まれるジッタが最小になるポイントとは異なる。図25に各層の上記ジッタが最小となる制御ポイントを点K、および点Lで示した。すなわち、1層目を再生する場合は点Kが制御ポイントとなるようにフォーカスサーボループにオフセット値(図中fo1と記す。)を与え制御することにより再生信号中のジッタを最小に抑えることができる。同様に、2層目を再生する場合は点Lが制御ポイントとなるようにフォーカスサーボループにオフセット値(図中fo2と記す。)を与え制御することにより再生信号中のジッタを最小に抑えることができる。従って、通常再生時光ディスク装置のフォーカスサーボは再生信号中のジッタを最小にするため合焦点で制御されているのではなく、オフセット値(fo1、あるいはfo2)が与えられて制御されている。以降、上記オフセット値をフォーカスオフセット値と記す。なお、上記フォーカスオフセット値は、光ディスクが異なれば反射率と同様に異なる。また、上記光ピックアップ3が異なれば同一ディスクであっても上記フォーカスオフセット値は異なる。
【0192】
フォーカスオフセット自動調整回路41の動作を説明する。本実施の形態4に示すフォーカスオフセット自動調整回路41はフォーカスサーボループゲインの自動調整が終了し、通常再生動作に入りシステム動作が安定すると、上記合焦点を中心にフォーカスオフセット値をあらかじめ定められた範囲で動かし加算回路42でフォーカスエラー信号に加算する。そして、その際各フォーカスオフセット値において上記再生信号中に含まれるジッタをジッタ検出回路40で検出しジッタが最小になるフォーカスオフセット値を検出する。上記要領でフォーカスオフセット自動調整回路41で検出されたフォーカスオフセット値は加算回路42に出力されフォーカスエラー信号に加算される。なお、各自動調整終了後の通常再生動作に関しては実施の形態1と同一であるので説明は省略する。
【0193】
次に、フォーカスジャンプ時の動作を説明する。なお、以下の説明では実施の形態1と同様に1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明する。入力端子23を介してフォーカスジャンプコマンドが入力されるとフォーカスサーボ制御回路43ではフォーカスゲイン自動調整回路44、およびフォーカスオフセット自動調整回路41にフォーカスジャンプ開始信号を出力する。フォーカスゲイン自動調整回路44では上記フォーカスジャンプ開始信号が入力されると各層毎に設けられた上記自動調整結果待避レジスタに上記フォーカスサーボゲインの自動調整結果待避し乗算回路45の乗算係数を初期値に切り替える。また、フォーカスオフセット自動調整回路41ではフォーカスジャンプ開始信号が入力されると現在発生しているフォーカスオフセット値をフォーカスサーボ制御回路43へ出力するとともに各層毎に設けられた上記フォーカスオフセット自動調整結果待避レジスタに上記フォーカスオフセット値の自動調整結果待避し加算回路42への出力を初期値に切り替える。
【0194】
また、フォーカスサーボ制御回路43では切り替えスイッチ12にフォーカスジャンプ回路8の出力を選択するよう制御信号を出力するとともに、切り替えスイッチ9へ切り替えスイッチ12の出力を選択するよう制御信号を出力する。そして、フォーカスジャンプ回路8へフォーカスジャンプコマンド(フォーカスジャンプ開始信号、およびフォーカスジャンプ方向を含むフォーカスジャンプ制御情報)を出力しフォーカスジャンプを開始する。
【0195】
以下、図24から図28を用いてフォーカスジャンプ時のフォーカスジャンプ回路8の詳細な動作を説明する。フォーカスジャンプコマンドが入力端子24を介して入力されるとフォーカスジャンプ制御回路51ではキックパルス発生回路50に対しキックパルス発生するよう、キックパルス発生開始信号を出力するとともに、ブレーキパルス発生タイミングまでの時間を計測するため内部の時間計測カウンタのカウンター値を0にセットする。なお、その際フォーカスジャンプ方向を含むフォーカスジャンプ制御情報がブレーキパルス高さ発生回路15、キックパルス発生回路50、およびブレーキパルス発生回路17に出力する。また、入力端子24を介して上記フォーカスジャンプコマンドはブレーキパルス発生タイミング検出回路14、およびフォーカスエラーピーク検出回路21へも入力される。キックパルス発生回路50では、キックパルス発生開始信号を受け取ると上記フォーカスジャンプ制御情報をもとにあらかじめ定められたパルス高さ(図26中、khと記す)に上記フォーカスオフセット値の大きさの1/4倍の数値(図26中、fo1/4と記す)を加算したパルス高さを持つキックパルスをあらかじめ定められた時間(図26中、ktと記す)発生する。
【0196】
図26にフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号波形を示した。通常再生時上述のように再生信号のジッタを最小にするためフォーカスオフセット自動調整回路41で検出した上記フォーカスオフセット値をフォーカスサーボループに加算し制御する。したがって、図に示すようにフォーカスジャンプを実施する際、光ピックアップ3は1層目の合焦点Hよりfo1だけオフセットを持った点Kを中心にフォーカスサーボ系が制御されているので、合焦点H付近で制御されている場合に比べて光ピックアップ3の移動距離はfo1長くなる。(図26中の下図参照)よって、本実施の形態4ではキックパルス発生時、上記フォーカスオフセット値に応じてキックパルスの高さを変えるように構成する。(図26中の上図参照)これにより、フォーカスジャンプの際上記フォーカスオフセット値に起因する光ピックアップ3の現在層の脱出速度、あるいは次層への飛び込み速度の推定結果のばらつきを抑えるとともに、上記フォーカスオフセット値に応じたキックパルスを発生することができより安定なフォーカスジャンプを実施できる。(なお、実施の形態1と同様に実際は光ピックアップ3内の対物レンズ70が駆動されるが、以降の説明では簡単のため光ピックアップ3内の対物レンズ70を駆動する場合、単に光ピックアップ3と記す)
【0197】
キックパルス発生回路50の出力は加算回路19で後述するブレーキパルス発生回路17の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ入力される。また実施の形態1と同様に、フォーカスエラーピーク検出回路21では1層目のフォーカスエラー信号の下側のピーク(図26中、Aと記す)、および2層目の上側のピーク(図26中、Bと記す)の検出を開始する。
【0198】
一方、ブレーキパルス発生タイミング検出回路14ではフォーカスエラーピーク検出回路21より入力されるフォーカスエラー信号のピーク検出結果に基づきブレーキパルスを発生する際のフォーカスエラー信号のスレッショルド値(図中、z1と記す)を設定する。そして、フォーカスエラー信号を上記スレッショルド値(z1)と比較し、スレッショルド値(z1)を超えた時点でブレーキパルスを発生するようフォーカスジャンプ制御回路51へブレーキパルス発生タイミング信号を出力する。ブレーキパルス発生タイミング信号を受け取るとフォーカスジャンプ制御回路51では、上記時間計測カウンタ値(図中、T1と記す)、および1層目のフォーカスオフセット値をブレーキパルス高さ決定回路15へ入力するとともにブレーキパルス発生回路17へブレーキパルス開始信号を出力する。
【0199】
ブレーキパルス高さ決定回路15では上記時間計測カウンタ値(T1)、および上記フォーカスオフセット値をもとにブレーキパルスの高さを決定し、ブレーキパルス発生回路17へブレーキパルス高さ(図26中、bh5と記す)を出力する。以下、簡単に上記ブレーキパルス高さ決定方法について説明する。先ほども述べたようにフォーカスオフセット値を持って制御されていた状態からフォーカスジャンプを実施するので上記光ピックアップ3の移動距離は号焦点Hで制御されていた場合と比べfo1長くなる。したがって、光ピックアップ3の次層突入速度を上記時間計測カウンタ値を用いて推定する場合はこの移動距離の違いを考慮する必要がある。本実施の形態4では1層目のフォーカスオフセット値の大きさの1/4倍の値を実施の形態1の要領で発生したブレーキパルス高さに加えるように構成する。これにより、フォーカスジャンプの際上記フォーカスオフセット値に応じた補正値をブレーキパルスに加え発生することができるので、フォーカスオフセット値に応じたブレーキパルス高さの変換テーブル持つことなくフォーカスジャンプを実施できるので回路規模を縮小することができるとともに、フォーカスオフセットを有するフォーカスサーボシステムにおいてもより安定なフォーカスジャンプを実現することができる。
【0200】
ブレーキパルス高さ決定回路15よりブレーキパルス高さ(bh5)が入力されるとブレーキパルス発生回路17ではパルス高さbh5のブレーキパルスをあらかじめ定められた時間(図中、btと記す)発生する。ブレーキパルス発生回路17の出力は加算回路19でキックパルス発生回路50の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ供給される。
【0201】
ブレーキパルス発生を終了するとフォーカスジャンプ制御回路51はフォーカスサーボ制御回路43にフォーカスジャンプ終了信号を出力する。フォーカスサーボ制御回路43ではフォーカスジャンプ終了信号を受け取ると切り替えスイッチ12に対しフォーカスループ位相補償フィルタ6の出力を選択するよう制御信号を出力しフォーカスサーボループを再び閉じる。また、フォーカスサーボ制御回路43ではフォーカスジャンプ終了信号が入力されると乗算回路47へフォーカスサーボループのゲインを一時的にあげるよう乗算係数(フォーカスゲイン)を出力する。これは、フォーカスジャンプにて2層目に強制的にフォーカスを合わせる際のフォーカスサーボ系の安定性を確保するため、および収束時間を早めるために行う。
【0202】
また、フォーカスジャンプの開始時に上記フォーカスゲイン自動調整結果を初期値に戻すのは以下の理由による。これは、2層目のフォーカスサーボループゲインが低い場合上記フォーカスゲイン自動調整回路44でフォーカスサーボループゲインが上げられる。よって、該2層目のフォーカスループゲインの自動調整結果をフォーカスジャンプ終了時に乗算回路45にセットした状態でさらに、上記システムの安定性を向上するため乗算回路47でフォーカスゲインをアップした場合、システム全体のフォーカスループゲインが上がり過ぎ、ノイズや外乱に対してシステムが敏感に応答してしまい不安定になってしまう。あるいは、上述のようにフォーカスサーボループゲインが上がりすぎるとフォーカスアクチュエータを焼いてしまうといった現象が発生する。この現象を防ぐためにあらかじめフォーカスジャンプ終了時には上記フォーカスゲイン自動調整結果を初期値に戻すように構成する。これにより、フォーカスジャンプ終了時、フォーカスループゲインを上げてもシステム全体のフォーカスゲインが上がりすぎシステムが不安定になることはなく、また、フォーカスジャンプ終了後の合焦点Cへの収束時間も早くすることができる。
【0203】
そして、フォーカスサーボ系の収束を確認するとフォーカスサーボ制御回路43は、フォーカスオフセット自動調整回路41、およびフォーカスゲイン自動調整回路44に自動調整結果を加算回路42、および乗算回路45に出力するよう制御信号を出力するとともに乗算回路47の乗算係数を初期値に戻す。なお、2層目の各種自動調整がまだ行われていなかった場合は、上述した要領で各種自動調整を開始するよう制御信号を出力する。
【0204】
以下、図27、および28を用いて上記フォーカスサーボ制御回路43の動作を詳しく説明する。図27にはブレーキパルス発生時のフォーカスエラー信号の信号波形、および2層目のフォーカスエラー信号の信号波形を示した。フォーカスジャンプ終了直後にフォーカスオフセット自動調整回路41よりフォーカスオフセット値を出力しフォーカスサーボループを閉じると図に示すように2層目のS字状のフォーカシング誤差信号負帰還領域内の下側のマージン(図中、fem2と記す)が十分に取れない。これにより、フォーカスジャンプ終了時の上記光ピックアップ3の位置、および速度によってはフォーカスサーボループを閉じても上記フォーカシング誤差信号負帰還領域内に上記光ピックアップ3をとどめることができない場合が発生する。よって、本実施の形態4ではフォーカスサーボループが安定してから上記フォーカスオフセット値をフォーカスサーボループに加えることにより、各層におけるフォーカシング誤差信号負帰還領域内のマージンを均等に割り振るように構成している。また、フォーカスサーボループゲインの自動調整を行う際、上述のようにフォーカスオフセット値を0に戻した後に行う理由は、やはりフォーカシング誤差信号負帰還領域内のマージンを均等に割り振るためである。上述のように、フォーカスサーボループゲインを自動調整する際は外乱としてあらかじめ定められた周波数の正弦波をフォーカスサーボループ内に混入する。したがって、自動調整時にシステムを安定に動作させるため上記フォーカスオフセット値を0に戻しフォーカシング誤差信号負帰還領域内のマージンを均等に割り振り自動調整を行うように構成している。
【0205】
図28この発明の実施の形態4である多層膜ディスクにおける光ディスク装置のフォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボ制御回路の動作を説明するためのブレーキパルスおよびフォーカスエラー信号波形を示す図である。図に示すように、本実施の形態4ではブレーキパルス発生終了後あらかじめ定められた期間以上フォーカスサーボループゲインを上げる。これにより、上記光ピックアップ3の合焦点Cへの収束時間が短縮できるとともに、フォーカスジャンプ終了時のフォーカスサーボ系の動作がより安定になる。そして、フォーカスサーボ制御回路43では上記光ピックアップ3が合焦点C付近に収束したことを検出すると上記フォーカスゲインを初期値に戻すとともに、フォーカスオフセット値、およびフォーカスサーボループゲイン自動調整結果を加算回路42、および乗算回路45に出力するよう制御信号を出力する。
【0206】
上記制御信号が入力されるとフォーカスゲイン自動調整回路44では2層目のフォーカスサーボループゲインを乗算回路45へ出力する。また、2層目のフォーカスサーボループゲインがまだ自動調整されていない場合は上述の要領でフォーカスサーボループゲインの自動調整を行い該自動調整結果を乗算回路45へ出力する。フォーカスサーボループゲインのセットが完了するとフォーカスゲイン自動調整回路44はフォーカスゲインのセットが完了したことをフォーカスサーボ制御回路43へ出力する。フォーカスサーボループゲインのセットが完了したことを検出するとフォーカスオフセット自動調整回路41では2層目のフォーカスオフセット値(fo2)を加算回路42へ出力する。また、2層目のフォーカスオフセット値がまだ検出されていない場合は上述の要領でフォーカスオフセット自動調整値を検出し加算回路42にセットする。フォーカスオフセット値のセットを完了するとフォーカスオフセット自動調整回路41はオフセット値のセットが完了したことをフォーカスサーボ制御回路43へ出力する。(図28下図参照)これにより、図28に示すようにフォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボループを安定に動作させることができる。すなわち、フォーカスジャンプにて2層目に強制的にフォーカスを合わせる際フォーカスサーボ系の安定性を確保することができるとともに、フォーカスジャンプ開始よりフォーカスサーボ系が安定するまでの時間(収束時)を早めることができる効果がある。
【0207】
本実施の形態4ではフォーカスジャンプの際フォーカスオフセット値に応じてキックパルスのパルス高さを変える場合について説明したがこれに限るものではなく、例えば、上記フォーカスオフセット値の振幅に応じてキックパルスの幅を変えても同様の効果を奏することは言うまでもない。また、キックパルス高さに加えるオフセット値を図26に示すようにフォーカスオフセット値の1/4倍の場合について説明したがこれに限るものではなく、フォーカスオフセット値に応じてシステムに最適なパルス形状のキックパルスを発生するように構成すれば同様の効果を奏する。
【0208】
また、本実施の形態4ではフォーカスジャンプの際フォーカスオフセット値に応じて少なくともキックパルスの形状を変えるように構成したがこれに限るものではなく、ブレーキパルス発生時に上記フォーカスオフセット値、および光ピックアップ3の次層突入速度検出結果に基づきブレーキパルスの発生形状を変えるように制御しても同様の効果を奏することは言うまでもない。また、ブレーキパルスの形状も上記フォーカスオフセット値に応じてパルス高さを変えるように構成したがこれに限るものではなく、例えば、ブレーキパルス幅を上記フォーカスオフセット値に応じて変えても同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0209】
また、本実施の形態4ではフォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいてフォーカスジャンプの際フォーカスオフセット値に応じて少なくともキックパルスの形状を変える場合について説明したがこれに限るものではない。以下、簡単に説明する。上述のようにフォーカスサーボ制御回路43にフォーカスジャンプコマンドが入力されるとフォーカスサーボ制御回路43はフォーカスオフセット自動調整回路41にフォーカスオフセット値を初期値に戻すように制御信号を出力する。フォーカスオフセット自動調整回路41では上記制御信号を受け取るとフォーカスオフセット値を各層毎に設けられたフォーカスオフセット自動調整待避レジスタに待避するとともにフォーカスオフセット値を初期値(0)に戻す。フォーカスサーボ制御回路43ではフォーカスオフセット値が初期値に戻ったことを確認すると、フォーカスサーボ系の制御ポイントが合焦点付近に戻ってくるまでしばらく待機する。そして、制御ポイントが合焦点付近に戻ってきたことを確認するとフォーカスジャンプ回路8にフォーカスジャンプコマンドを出力し実施の形態1の要領でフォーカスジャンプパルスを発生しフォーカスジャンプを実施する。
【0210】
上述のように、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいてフォーカスジャンプを行う際、フォーカスジャンプを実施する前にフォーカスサーボの制御ポイントを合焦点付近に一度戻した後フォーカスジャンプを実行するように構成するのでフォーカスオフセットの影響を受けること無しに安定にフォーカスジャンプを実現できる効果がある。また、フォーカスオフセット値を補償する回路、あるいは変換テーブルを新たに設ける必要がなく回路規模の削減ができる。
【0211】
本実施の形態4は以上のように光ディスク装置のフォーカシング装置を構成しているので、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいて、フォーカスジャンプを行う際上記フォーカスオフセット値に応じて少なくともキックパルスの形状を変えるようにフォーカスジャンプ回路8を構成するので、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいてもフォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。また、上記フォーカスオフセット値の影響をキックパルス発生時に吸収するよう制御するのでブレーキパルス発生時のパルス形状を決定する際に使用する変換テーブルをフォーカスオフセット値に応じて複数用意する必要がなく回路規模の削減が行える効果がある。あるいは、マイコン、DSPなどを用いてフォーカスサーボ系を制御するような場合は、プログラム容量、メモリ容量、プログラムステップ数を削減することができる効果がある。
【0212】
また、本実施の形態4は以上のように光ディスク装置のフォーカシング装置を構成しているので、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいて、フォーカスジャンプを行う際上記フォーカスオフセット値、および光ピックアップ3の次層突入速度に応じて少なくともブレーキパルスの形状を変えるようにフォーカスジャンプ回路8を構成するので、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいてもフォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。
【0213】
また、本実施の形態4は以上のように光ディスク装置のフォーカシング装置を構成しているので、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいて、フォーカスジャンプを行う際上記フォーカスオフセット値に応じてキックパルスの高さを変えるようにキックパルス発生回路50を制御するので簡単な回路構成でフォーカスオフセットを有するフォーカスサーボ系のフォーカスジャンプを安定に実施することができる効果がある。また、マイコン、DSPなどを用いてフォーカスサーボ系を制御するような場合は、プログラム容量、メモリ容量、プログラムステップ数を削減することができる効果がある。
【0214】
また、本実施の形態4は以上のように光ディスク装置のフォーカシング装置を構成しているので、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいて、フォーカスジャンプを行う際上記フォーカスオフセット値に応じてキックパルスのパルス幅を変えるようにキックパルス発生回路50を制御するので簡単な回路構成でフォーカスオフセットを有するフォーカスサーボ系のフォーカスジャンプを安定に実施することができる効果がある。また、マイコン、DSPなどを用いてフォーカスサーボ系を制御するような場合は、プログラム容量、メモリ容量、プログラムステップ数を削減することができる効果がある。
【0215】
また、本実施の形態4は以上のように光ディスク装置のフォーカシング装置を構成しているので、フォーカスオフセット値を有するフォーカスサーボシステムにおいて、フォーカスジャンプを行う際上記フォーカスオフセット値に応じて上記ブレーキパルスのパルス高さ、あるいはパルス幅を変えるようにブレーキパルス発生回路17を制御するので簡単な回路構成でフォーカスオフセットを有するフォーカスサーボ系のフォーカスジャンプを安定に実施することができる効果がある。また、マイコン、DSPなどを用いてフォーカスサーボ系を制御するような場合は、プログラム容量、メモリ容量、プログラムステップ数を削減することができる効果がある。
【0216】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了時にフォーカスサーボのループゲインを少なくともあらかじめ定められた時間以上、上げるように構成しているのでフォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボ系のシステムの安定性を向上させることができるとともに、フォーカスサーボ制御開始時のサーボ系のくいつきがよくなり、フォーカスジャンプ終了後の収束時間を早めることができる効果がある。
【0217】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了時にフォーカスサーボのループゲインを少なくともフォーカスサーボ系の動作が安定するまで上げるように制御するのでフォーカスサーボ終了時のフォーカスサーボ系のシステムの安定性を向上させることができる効果がある。
【0218】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了時に上記フォーカスサーボループゲイン、およびフォーカスオフセット値の自動調整結果を初期値に戻した後、フォーカスサーボループを再び閉じるので、フォーカスジャンプにて2層目に強制的にフォーカスを合わせる際フォーカスエラー信号のフォーカシング誤差信号負帰還領域内のマージンを均等に割り振ることができフォーカスサーボ系の安定性を確保することができる。また、フォーカスジャンプ終了時のフォーカスサーボループゲインの自動調整結果を初期値に戻すので、上述のようにフォーカスサーボ系のフォーカスジャンプ終了時のくいつきをよくするためフォーカスサーボ系のループゲインを上げるように制御した場合でも上記システム全体のフォーカスサーボループゲインを上げすぎることがないので、フォーカスサーボループゲインが高すぎてシステムが不安定になる、あるいはフォーカスアクチュエータを焼いてしまうといったことを防止できる効果がある。
【0219】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了時に上記フォーカスサーボループゲイン自動調整結果を各層毎に設けられた自動調整結果待避レジスタに待避した後フォーカスサーボループゲインを初期値に戻すように構成したので、フォーカスジャンプ毎にフォーカスゲインの自動調整を行う必要がなくフォーカスジャンプ後、フォーカスサーボループが安定するまでの時間を短縮することができる効果がある。
【0220】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了時に上記フォーカスオフセット自動調整結果(フォーカスオフセット値)を初期値(0)に戻した後、フォーカスサーボループを再び閉じるので、フォーカスジャンプにて2層目に強制的にフォーカスを合わせる際フォーカスエラー信号のフォーカシング誤差信号負帰還領域内のマージンを均等に割り振ることができフォーカスサーボ系の安定性を確保することができる効果がある。
【0221】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了時に上記フォーカスオフセット自動調整結果(フォーカスオフセット値)を各層毎に設けられたフォーカスオフセット自動調整待避レジスタに待避した後フォーカスオフセット値を初期値に戻すように構成したので、フォーカスジャンプ毎にフォーカスオフセット値の自動調整を行う必要がなくフォーカスジャンプ後、フォーカスサーボループが安定するまでの時間を短縮することができる効果がある。
【0222】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了後、フォーカスサーボ系のサーボループを閉じ上記光ピックアップ3が合焦点付近に収束したことを確認した後、上記フォーカスサーボループゲイン、フォーカスオフセット値をセットするように構成するので、フォーカスジャンプにて次層に強制的にフォーカスを合わせる際フォーカスサーボ系の安定性を確保することができるとともに、フォーカスジャンプ開始よりフォーカスサーボ系が安定するまでの時間(収束時)を早めることができる効果がある。
【0223】
また、本実施の形態4における、光ディスク装置のフォーカシング装置はフォーカスジャンプ終了後、フォーカスサーボ系のサーボループを閉じ上記光ピックアップ3が合焦点付近に収束したことを確認した後、各種自動調整を行うように構成するので自動調整を行うために入力される外乱(フォーカスサーボループゲイン自動調整時の正弦波、およびフォーカスオフセット自動調整時のフォーカスエラー信号に加えられるオフセット値など)によりフォーカスサーボが外れるといった現象を防止できる効果がある。
【0224】
なお、実施の形態4では1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、2層目から1層目へのフォーカスジャンプにおいてもフォーカスオフセット値に応じて少なくともキックパルスの形状を変えるように制御すれば、上記フォーカスオフセットを有するようなフォーカスサーボシステムにおいても安定にフォーカスジャンプを実現することができる効果がある。また、2層目から1層目へのフォーカスジャンプにおいてもフォーカスジャンプ終了時にフォーカスサーボ系のくいつきをよくするためにフォーカスサーボループゲインを上げるように構成すれば同様の効果を奏することは言うまでもない。また、2層目から1層目へのフォーカスジャンプにおいてもフォーカスジャンプ終了時に上記自動調整結果を各待避用レジスタに待避した後初期値に戻すようにすれば同様の効果を奏する。また、キックパルス、あるいはブレーキパルスを発生する際のフォーカスオフセット値に応じて決定したパルス形状に関しても図26に示す形状に限るものではない。また、パルス形状に関しても図26に示す方形波形状に限るものではない。
【0225】
なお、本実施の形態4ではフォーカスオフセット値に応じてブレーキパルスの形状も変化させる場合について述べたが、キックパルスのみ少なくともフォーカスオフセット値の値に応じて形状を変えるように構成すれば、ブレーキパルス発生の際の上記ブレーキパルス高さの変換テーブルを各フォーカスオフセット値ごとに持つ必要はなく回路規模を縮小することができる効果がある。
【0226】
実施の形態5.
以下、本実施の形態5の動作について説明する。本実施の形態5ではフォーカスジャンプ時のフォーカスジャンプ制御回路18、およびフォーカスサーボ制御回路22の動作が異なるのみで他の動作は実施の形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。以下、図1、および図2を用いて本実施の形態5の動作を説明する。以下、フォーカスジャンプ時の動作について説明する。なお、以下の説明では1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明する。入力端子23を介してフォーカスジャンプコマンドが入力されるとフォーカスサーボ制御回路22ではフォーカスジャンプ回路8へフォーカスジャンプコマンド(フォーカスジャンプ開始信号、およびフォーカスジャンプ方向を含むフォーカスジャンプ制御情報)を出力し、切り替えスイッチ12にフォーカスジャンプ回路8の出力を選択するよう制御信号を出力する。また、切り替えスイッチ9へ切り替えスイッチ12の出力を選択するよう制御信号を出力する。
【0227】
フォーカスジャンプコマンドが入力端子24を介して入力されるとフォーカスジャンプ制御回路18ではキックパルス発生回路16に対しキックパルス発生するよう、キックパルス発生開始信号を出力するとともに、ブレーキパルス発生タイミングまでの時間を計測するため内部の時間計測カウンタのカウンター値を0にセットする。キックパルス発生回路16では、キックパルス発生開始信号を受け取るとフォーカスジャンプ制御情報をもとキックパルスを発生する。キックパルス発生回路16の出力は加算回路19で後述するブレーキパルス発生回路17の出力と加算され出力端子20を介して切り替えスイッチ12へ入力される。一方、フォーカスジャンプ制御回路22では上記時間計測カウンタ値を所定の値と比較する。そして、所定値以上待って上記ブレーキパルス発生タイミング信号が入力されない場合はフォーカスジャンプ動作が失敗したと判断してフォーカスサーボ制御回路22にフォーカスジャンプが失敗したことを通知する。フォーカスサーボ制御回路22では上記フォーカスジャンプが失敗したことが通知されると光ディスク装置の再生を停止するように制御する。なお、上記所定時間内に上記ブレーキパルス発生タイミング信号が入力された場合は実施の形態1に示す要領でブレーキパルスを発生しフォーカスジャンプを実行する。
【0228】
本実施の形態5は以上のように構成されているので、光ディスク上の傷などの要因により次層のフォーカスエラー信号が出力されず次層突入タイミングを検出できなかった場合、フォーカスジャンプ動作を強制的に終了するように構成するので、フォーカスジャンプの失敗の検知がすばやく行えるとともに、光ピックアップ3のアクチュエータが焼ける、あるいは上記対物レンズ70が光ディスクに衝突し上記対物レンズ70を傷つける、あるいは光ディスクを傷つけるといった現象を防止できるとともに、フォーカスジャンプ失敗時の通常再生へのリカバリーに関してもすばやく対応ができる効果がある。また、キックパルスにより現在層を脱出できなかった場合についても同様に、フォーカス制御を停止するのでフォーカスアクチュエータなどの焼け付きなどを保護することができる効果がある。また、実施の形態5では1層目から2層目へのフォーカスジャンプの場合について説明したがこれに限るものではない。
【0229】
また、上記実施の形態1から5では、多層ディスクの1実施例として2層ディスクの場合について説明したがこれに限るものではなく、3層以上の多層ディスクの場合でもフォーカスジャンプの際、上述と同様に構成すれば同様の効果を奏することは言うまでもない。また、各層より出力される上記フォーカスエラー信号の信号波形を図33(b)に示したがこれに限るものではなく、例えば、その極性が反対であっても同様の効果を奏することは言うまでもない。また、光ピックアップ3の次層突入速度の推定方法も実施の形態1から4に示したものに限るものではない。例えば、図14に示すように光ピックアップ3の等速移動期間の時間(キックパルス発生終了からブレーキパルス発生開始までの時間)を計測しこの計測結果をもとに光ピックアップ3の次層突入速度を検出しても同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0230】
また、上記実施の形態では、フォーカスエラー信号のピークを各層毎に検出するように構成した場合について説明したがこれに限るものではなく、たとえば、各層のフォーカスエラー信号の上側のピークと下側のピークのピーク値の絶対値はほぼ等しいので、各層のフォーカスエラー信号のピークを検出する際はどちらか一方のフォーカスエラー信号の振幅(ピーク)を検出するように構成しても同様の効果を奏する。また、各層のフォーカスエラー信号の振幅(ピーク)を検出する際、フォーカスエラー信号の絶対値を用いて検出するように構成しても同様の効果を奏する。また、上記フォーカスエラー信号の振幅(ピーク)の他方(上側ピーク、あるいは下側ピーク)が検出されていなかった場合、ピークの検出された方のフォーカスエラー信号の振幅によりブレーキパルス発生タイミングを検出するよう構成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。また、各層のフォーカスエラー信号のばらつきは上述でも述べたように光ピックアップ3のばらつき(光検出感度など)、あるいは光ディスクの反射率の違いなどに起因するばらつきに比べ小さい。よって、各層ごとにフォーカスエラー信号の振幅を検出せず、各層同一のフォーカスエラー信号のピーク検出結果を用いてブレーキパルスの発生タイミングを検出するよう構成しても同様の効果を奏する。たとえば、フォーカスエラーピーク検出回路21でフォーカスエラー信号のピークを検出する際、各層の識別を行わずフォーカスエラー信号のピーク(上方下方の両ピーク、あるいは上方、下方のどちらか一方のピークなど)を検出するように構成しても同様の効果を奏する。また、フォーカスサーチ時に検出したフォーカスエラー信号のピーク値のみを用いて上記ブレーキパルスの発生タイミングを検出するようの構成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。(ただし、ノイズなどの影響によりまちがったタイミングでブレーキパルスを発生する可能性あるので、ピーク検出の際にはノイズの影響を考え設定する必要がある。)
【0231】
また、上記実施の形態1から5では、ブレーキパルスの形状を次層への光ピックアップ3の突入速度の推定結果をもとにブレーキパルスの高さ、あるいはブレーキパルスの幅を制御する場合について説明したがこれに限るものではなく、たとえば、推定した次層突入速度に応じてブレーキパルス高さ、およびブレーキパルス幅の両方を変化させてもよい。また、ブレーキパルスの形状は方形波形状に限るものではなく、台形波形状、あるいは図29に示すように光ピックアップ3の次層突入速度に応じて特にブレーキパルスの立ち上がりを図に示すように制御してもよいことは言うまでもない。なお、図中、100は従来のブレーキパルス波形、101は次層への突入速度が遅い場合のブレーキパルス波形、102は次層への突入速度が通常の場合のブレーキパルス波形、103は次層への突入速度が速い場合のブレーキパルス波形を示す。
【0232】
また、上記実施の形態1から5に示す光ディスク装置のフォーカシング装置を図1、あるいは図23に示すような回路で構成したがこれに限るものではなく、光ディスク装置のサーボ系の処理をマイコン、あるいはDSPなどを用いて実施する場合、上記実施の形態1から5に示す手順に従いキックパルス、あるいはブレーキパルスを発生するようにプログラムを構成すれば同様の効果を奏することは言うまでもない。また、フォーカスサーボ系全体の制御も、上記実施の形態1から5に示す手順に従いプログラムを構成すれば同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0233】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0234】
この発明に係る請求項1の光ディスク装置におけるフォーカシング装置によれば、まず光検出手段の出力をもとにフォーカスエラー信号をフォーカスエラー発生手段で検出する。面振れ制御手段では上記フォーカスエラー信号を用い光ディスクの面振れを検出し、該検出結果をもとに光ピックアップ内の対物レンズを駆動しフォーカス制御を行う。フォーカスジャンプの際、キックパルス発生手段ではキックパルス発生開始信号によりキックパルスを発生する。フォーカスサーチまたはフォーカスジャンプの際、フォーカスエラーピーク検出手段ではフォーカスエラー信号のピーク値を検出する。また、フォーカスジャンプ時ブレーキパルス発生タイミング検出手段では上記フォーカスエラー信号のピーク値に基づき、また、上方あるいは下方のピーク値のどちらか一方が検出されていない場合は検出されたピーク値に基づき設定されたスレッショルド値とフォーカスエラー信号の振幅を比較しブレーキパルスの発生タイミング信号を出力する。一方、移動速度推定手段ではフォーカスジャンプ時上記キックパルス終了から上記ブレーキパルス発生までの時間に基づいて上記対物レンズの移動速度を推定し、脱出速度推定手段では上記キックパルス終了直後のフォーカスエラー信号の振幅に基づいて上記対物レンズの脱出速度を推定する。ブレーキパルス発生手段では上記ブレーキパルスの発生タイミング信号に基づきブレーキパルスを発生する。その際、ブレーキパルス発生タイミング検出手段における上記スレッショルド値がフォーカスエラー信号のピーク値に基づいて設定されるので、フォーカスエラー信号の出力振幅が、光ピックアップのばらつき(光検出感度など)、あるいは光ディスクの反射率の違い(一般に、光ディスクの反射率はディスクによってまちまちである。)などに起因しばらついた場合でもブレーキパルスの発生タイミングを安定させることができ、また、フォーカスエラー信号のどちらかのピークが検出されていないような場合でもブレーキパルスを所定のタイミングで発生させることができるので、フォーカスジャンプを安定に動作させることができる。また上記移動速度推定手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果と、脱出速度推定手段より出力される上記対物レンズの脱出速度を推定結果とにより上記ブレーキパルスのパルス形状を変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御するので、機構部分の静止、動摩擦の違い、上記対物レンズのフォーカスジャンプ開始時点における位置、あるいは速度(対物レンズの加速度(慣性量))の違い、あるいはフォーカスアクチュエータの感度の違いなどの要因により上記対物レンズの次層への突入速度が異なっても安定にフォーカスジャンプを実行できる効果がある。すなわち、上記フォーカスジャンプの際、フォーカスエラー信号のピーク値に基づいてブレーキパルスの発生タイミングを検出し、更にブレーキパルスの形状を可変させる回路を備えたフォーカシング装置を用いるようにして、多層膜ディスクを用いた記録再生あるいは再生装置において装着された光ディスクに対して最適なブレーキパルスを出力するので強制的に次層にフォーカスを合わせることができ、フォーカスジャンプを安定に行うことができる効果がある。また、脱出速度検出がディスクの傷等によって正確に行えない場合にキックパルスの高さが異常になっても上記時間をもとに検出した上記対物レンズの次層突入速度をもとにブレーキパルスを発生すれば、上記現在層の脱出速度推定結果に連動していないため、フォーカスジャンプはずれを防ぐことができる効果がある。また、フォーカスエラー信号から脱出速度を検出する際に、一定のスレッショルド電圧ではなく、正規化された値を用いることによってフォーカスエラー信号の感度がレーザーパワーのバラつきやディスクの反射率のバラつきによって変動しても正確に検出できる効果がある。
【0235】
また、請求項2の光ディスク装置におけるフォーカシング装置よれば、フォーカスジャンプの際、上記移動速度推定手段にて上記対物レンズの次層突入速度を推定し、該推定結果をもとに最適なブレーキパルスの高さのブレーキパルスを発生するので強制的に次層にフォーカスを合わせることができ、安定でかつ確実なフォーカスジャンプを行うことができる効果がある。
【0236】
また、請求項3の光ディスク装置におけるフォーカシング装置によれば、フォーカスジャンプの際、上記移動速推定出手段にて上記対物レンズの次層突入速度を推定し、該推定結果をもとに最適なブレーキパルス幅のブレーキパルスを発生するので強制的に次層にフォーカスを合わせることができ、安定でかつ確実なフォーカスジャンプを行うことができる効果がある。すなわち、上記対物レンズの次層突入速度が異なっても良好なフォーカスジャンプを実行できる。
【0243】
また、請求項の光ディスク装置におけるフォーカシング装置によれば、上記フォーカスエラー信号のピークを検出する際、各層毎に上記ピークを検出するよう上記フォーカスエラーピーク検出手段を制御するので、各層で光ディスクの反射率が違う場合でもフォーカスエラー信号を正規化しブレーキパルスの発生タイミングを検出するのでブレーキパルスを所定のタイミングで発生させることができ、フォーカスジャンプを安定に動作させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスサーボ回路のブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスジャンプ回路のブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおけるフォーカス引き込み(フォーカスサーチ)を行う際のフォーカスサーチ引き込み回路の出力とフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際の光ピックアップの次層突入速度が通常の場合のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際の光ピックアップの次層突入速度が速い場合のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際の光ピックアップの次層突入速度が遅い場合のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける光ディスク装置の動作を説明するためのブレーキパルス高さを決定する際の変換テーブルの1実施例を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける第2層目から第1層目へのフォーカスジャンプを行う際のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態1である多層膜ディスクにおける光ディスク装置の動作を説明するためのフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態2である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスジャンプ回路のブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態2である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のブレーキパルスの波形を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態2である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のキックパルス発生時のフォーカスエラー信号とキックパルスの波形を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態2である多層膜ディスクにおける光ディスク装置の動作を説明するためのブレーキパルス幅を決定する際の変換テーブルの1実施例を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態2である多層膜ディスクにおける光ディスク装置の動作を説明するための第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のフォーカスジャンプパルスと光ピックアップの移動速度を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスジャンプ回路のブロック図である。
【図16】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際の動作を説明するための図である。
【図17】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際の補助パルス発生動作を説明するための図である。
【図18】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号振幅と補助パルス高さの関係を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号振幅と補助パルス高さの関係を示す図である。
【図20】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のブレーキパルス発生終了時のフォーカスエラー信号振幅と補助パルス幅の関係を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際に補助パルスを複数回発生する場合の動作を説明するための動作説明図である。
【図22】 この発明の実施の形態3である多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のブレーキパルス発生終了時の光ピックアップの位置、および移動速度推定時の動作を説明するための動作説明図である。
【図23】 この発明の実施の形態4である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスサーボ回路のブロック図である。
【図24】 この発明の実施の形態4である多層膜ディスクを用いた記録再生装置および再生装置のフォーカスジャンプ回路のブロック図である。
【図25】 この発明の実施の形態4である多層膜ディスクにおける光ディスク装置のフォーカスオフセット動作を説明するためのフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図26】 この発明の実施の形態4である多層膜ディスクにおける光ディスク装置のフォーカスジャンプ時の動作を説明するためのフォーカスジャンプパルス、およびフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図27】 この発明の実施の形態4である多層膜ディスクにおける光ディスク装置のフォーカスジャンプ終了時の動作を説明するためのフォーカスエラー信号の波形、およびS字状のフォーカシング誤差信号負帰還信号を示す図である。
【図28】 この発明の実施の形態4である多層膜ディスクにおける光ディスク装置のフォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボ制御回路の動作を説明するためのブレーキパルス、およびフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図29】 この発明の多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のブレーキパルスの他の形状を示す図である
【図30】 従来のフォーカスサーボ回路の具体例を示す図である。
【図31】 従来の光ディスクを用いた記録再生および再生装置の全体構成図である。
【図32】 従来の光ディスクの構造を示す図である。
【図33】 従来の光ディスクの動作を説明するための図である。
【図34】 従来の多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図35】 従来の多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【図36】 従来の多層膜ディスクにおける第1層目から第2層目へのフォーカスジャンプを行う際のフォーカスジャンプパルスとフォーカスエラー信号の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 多層膜光ディスク、3 光ピックアップ、4 フォーカスエラーアンプ、5 フォーカスループ低域補償フィルタ、6 フォーカスループ位相補償フィルタ、7 フォーカスサーチ引き込み回路、8 フォーカスジャンプ回路、9 切り替えスイッチ、10 フォーカスアクチュエータドライバ、11 フォーカスアクチュエータ、12 切り替えスイッチ、14 ブレーキパルス発生タイミング検出回路、15 ブレーキパルス高さ決定回路、16 キックパルス発生回路、17 ブレーキパルス発生回路、18 フォーカスジャンプ制御回路、19 加算回路、21 フォーカスエラーピーク検出回路、22 フォーカスサーボ制御回路、25 ブレーキパルス発生時間決定回路、26 ブレーキパルス発生回路、27 フォーカスジャンプ制御回路、30 フォーカスジャンプ制御回路、31 補助パルス発生制御回路、32 補助パルス発生回路、33 加算回路、40 ジッタ検出回路、41 フォーカスオフセット自動調整回路、42 加算回路、43 フォーカスサーボ制御回路、44 フォーカスゲイン自動調整回路、45 乗算回路、46 加算回路、47 乗算回路、50 キックパルス発生回路、51 フォーカスジャンプ制御回路、66 光ディスク、69 レーザダイオード、70 対物レンズ、71 フォーカシングアクチュエータ、72 トラッキングアクチュエータ、73 光検出器、74 ピックアップ送り機構、75 オートレーザパワーコントロール、76 フォーカシングサーボ、88 ピックアップ光検出用ダイオード、89 電流−電圧変換回路、90 減算回路、91 位相補償回路、92 スイッチ、93 駆動回路兼ピックアップUP/DOWN回路、95 フォーカスアクチュエータ、96 自動焦点検出回路。

Claims (4)

  1. 複数の情報記録、あるいは再生面を有する多層膜光ディスクを記録、あるいは再生する光ディスク装置において、光検出手段と、該光検出手段の出力をもとにフォーカスエラー信号を発生するフォーカスエラー発生手段と、該フォーカスエラー信号を用い光ディスクの面振れに対応して対物レンズを駆動し上記光検出手段のフォーカスを制御する面振れ制御手段と、フォーカスジャンプ時キックパルス発生開始信号によりキックパルスを発生するキックパルス発生手段と、フォーカスサーチ時またはフォーカスジャンプ時にフォーカスエラー信号のピーク値を検出するフォーカスエラーピーク検出手段と、フォーカスジャンプ時該フォーカスエラー信号のピーク値に基づき、また、上方あるいは下方のピーク値のどちらか一方が検出されていない場合は検出されたピーク値に基づき設定されたスレッショルド値とフォーカスエラー信号の振幅を比較しブレーキパルスの発生タイミング信号を出力するブレーキパルス発生タイミング検出手段と、フォーカスジャンプ時上記ブレーキパルス発生タイミング検出手段より出力される上記発生タイミング信号に対応してブレーキパルスを発生するブレーキパルス発生手段と、フォーカスジャンプ時上記キックパルス発生から上記ブレーキパルス発生までの時間に基づいて上記対物レンズの移動速度を推定する移動速度推定手段と、上記キックパルス終了直後のフォーカスエラー信号の振幅に基づいて上記対物レンズの脱出速度を推定する脱出速度推定手段とを備え、現在層から次層へフォーカスジャンプを行う際、上記ブレーキパルス発生手段において、上記移動速度推定手段により推定された対物レンズの移動速度と上記脱出速度推定手段により推定された対物レンズの脱出速度とに基づいて推定された対物レンズの移動速度の推定結果により上記ブレーキパルスのパルス形状が制御されることを特徴とする光ディスク装置におけるフォーカシング装置。
  2. 上記ブレーキパルスを発生する際、上記移動速度推定手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果に基づき上記ブレーキパルスのパルス高さを変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置におけるフォーカシング装置。
  3. 上記ブレーキパルスを発生する際、上記移動速推定出手段より出力される上記対物レンズの移動速度の推定結果に基づき上記ブレーキパルスの印加時間を変えるよう上記ブレーキパルス発生手段を制御することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置におけるフォーカシング装置。
  4. 上記フォーカスエラー信号のピークを検出する際、各層毎に上記ピークを検出するよう上記フォーカスエラーピーク検出手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置におけるフォーカシング装置。
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