JP4091522B2 - 土砂分離用フィルタ装置及びトンネル掘削機 - Google Patents

土砂分離用フィルタ装置及びトンネル掘削機 Download PDF

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Description

本発明は、トンネル掘削などにより発生した掘削土砂を水と土砂に分離処理する土砂分離用フィルタ装置、また、地盤を掘削してトンネルを構築するトンネル掘削機に関する。
泥水式シールド掘削機は、円筒形状をなす掘削機本体の前部に円盤形状をなすカッタヘッドが駆動回転可能に装着される一方、後部には掘削機本体を前進させる多数のシールドジャッキが装着されると共に、既設トンネルの内壁面にセグメントを組み付けるエレクタ装置が装着されて構成されている。従って、カッタヘッドを回転させながらシールドジャッキを伸長させると、既設セグメントからの掘削反力を得て掘削機本体が前進し、各カッタビットが前方の地盤を掘削し、トンネルを形成することができる。
ところで、泥水式シールド掘削機が使用される地盤は、切羽が比較的軟弱で、湧水処理の困難な安定しない地層であり、トンネル掘削作業では、泥水を循環させることにより、この泥水により切羽の安定を図りながら地盤を掘削している。即ち、地盤掘削により発生したずりを排泥ポンプにより泥水として地上に流体輸送し、地上に設置された処理施設で土砂と泥水に分離し、泥水ポンプにより泥水をチャンバに戻して加圧状態に維持することで、切羽の安定を図っている。なお、掘削土砂の処理方法としては、下記に記載した特許文献1、2がある。
特開平11−159281号公報 特開平10−252381号公報
ところが、このようにずりを泥水として地上に流体輸送して土砂と水に分離した後に水をチャンバに戻しているため、ずりを地上に排出するための排泥ポンプ及び排泥管と、泥水をチャンバに戻すための泥水ポンプ及び泥水管が必要となり、配管設備が大掛かりなものとなって設備コストが増大してしまうという問題がある。また、チャンバ内でのずりの流動性を確保するために、ずりに対してベントナイトなどの添加材を注入しているため、地上に流体輸送されて分離された土砂は産業廃棄物として処理しなければならず、処理コストが増大してしまう。
更に、泥水式シールド掘削機のトンネル掘削作業で発生した掘削土砂をろ過装置を用いて土砂と泥水に分離するが、地層の種類(土、砂、粘度、礫など)によってそのろ過度合が異なる。そのため、ろ過装置のフィルタが目詰まりしたり、土砂を適正に分離することができなかったりして、掘削土砂のろ過作業に長時間を要してしまい、作業効率が良くなかった。
本発明はこのような問題を解決するものであって、設備コストや処理コストの低減を図ると共に掘削土砂のろ過効率の向上を図った土砂分離用フィルタ装置及びトンネル掘削機を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するための請求項1の発明の土砂分離用フィルタ装置は、排土装置に設けられて掘削土砂から水と土砂を分離する土砂分離用フィルタ装置において、掘削土砂に含有する土砂の種類に応じてろ過度合を変更するろ過度合変更手段を設け、前記ろ過度合変更手段は、前記排土装置の掘削土砂流動領域とその周辺部との間で移動可能な複数のフィルタを有することを特徴とするものである。
請求項2の発明の土砂分離用フィルタ装置では、前記複数のフィルタは、前記掘削土砂流動領域に移動して互いに重合することを特徴としている。
請求項3の発明の土砂分離用フィルタ装置では、前記複数のフィルタは串歯形状をなし、互いに交差する方向に移動自在に支持されたことを特徴としている。
請求項4の発明の土砂分離用フィルタ装置では、前記複数のフィルタは、前記掘削土砂流動領域に移動して互いに並行状態で該掘削土砂流動領域を被覆可能であることを特徴としている。
請求項5の発明の土砂分離用フィルタ装置では、前記複数のフィルタは、前記掘削土砂流動領域にて移動方向に沿った軸心を中心として回動可能であることを特徴としている。
請求項6の発明の土砂分離用フィルタ装置では、前記複数のフィルタは、直列に連結されたろ過度合の異なる複数のフィルタであることを特徴としている。
請求項7の発明の土砂分離用フィルタ装置では、前記複数のフィルタは、選択的に前記掘削土砂流動領域に移動可能なろ過度合の異なる複数のフィルタであることを特徴としている。
請求項8の発明の土砂分離用フィルタ装置では、前記ろ過度合変更手段は、前記排土装置の掘削土砂流動領域とその周辺部との間で互いに交差する方向に移動自在な複数組の駆動ロッドであることを特徴としている。
また、請求項9の発明のトンネル掘削機は、切羽に連通する送水管及び排土管を有する循環配管系と、該循環配管系に流動する掘削土砂を水と土砂とに分離するろ過装置と、該ろ過装置に設けられて掘削途中でも土砂の種類に応じてろ過度合を変更可能とするろ過度合変更手段と、前記ろ過装置から砂礫を取出す砂礫排出口とを具えたことを特徴とするものである。
請求項10の発明のトンネル掘削機では、前記ろ過装置は、掘削土砂を加圧する加圧装置と、該加圧装置により分離された掘削土砂をろ過するフィルタ装置とを有し、前記ろ過度合変更手段は該フィルタ装置のろ過度合を変更することを特徴としている。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、掘削土砂に含有する土砂の種類に応じてろ過度合を変更するろ過度合変更手段を設けたので、ろ過フィルタの目詰まりを防止し、土砂と水分とを適正に分離することができ、ろ過作業を短時間で容易に行うことで、作業効率を向上することができ、また、設備コストや処理コストの低減を図ることができると共に、掘削土砂のろ過効率を向上することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、ろ過度合変更手段は、排土装置の掘削土砂流動領域とその周辺部との間で移動可能な複数のフィルタを有するので、土砂の種類に応じて複数のフィルタを移動することで、容易にろ過度合を変更することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、複数のフィルタは、掘削土砂流動領域に移動して互いに重合するので、複数のフィルタの組み合わせにより多数のろ過度合を形成することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、複数のフィルタは串歯形状をなし、互いに交差する方向に移動自在に支持したので、簡単な構成で複数のろ過度合を形成することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、複数のフィルタは、掘削土砂流動領域に移動して互いに並行状態で掘削土砂流動領域を被覆可能としたので、フィルタ全体の厚さを薄く構成することで、装置の小型軽量化を可能とすることができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、複数のフィルタを、掘削土砂流動領域にて移動方向に沿った軸心を中心として回動可能としたので、短時間で容易にろ過度合を変更することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、複数のフィルタを、直列に連結されたろ過度合の異なる複数のフィルタとしたので、フィルタ全体の厚さを薄く構成することで、装置の小型軽量化を可能とすることができると共に、土砂のろ過度合を容易に変更することができ、作業性を向上することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、複数のフィルタを、選択的に掘削土砂流動領域に移動可能なろ過度合の異なる複数のフィルタとしたので、土砂のろ過度合を容易に変更することができ、作業性を向上することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置によれば、ろ過度合変更手段を、排土装置の掘削土砂流動領域とその周辺部との間で互いに交差する方向に移動自在な複数組の駆動ロッドとしたので、複数の駆動ロッドによりフィルタを構成し、その伸長する本数により土砂のろ過度合を変更することができ、装置の簡素化を可能とすることができる。
本発明のトンネル掘削機によれば、切羽に連通する送水管及び排土管を有する循環配管系と、循環配管系に流動する掘削土砂を水と土砂とに分離するろ過装置と、ろ過装置に設けられて掘削途中でも土砂の種類に応じてろ過度合を変更可能とするろ過度合変更手段と、ろ過装置から砂礫を取出す砂礫排出口とを設けたので、掘削土砂を地上に排出するための排泥ポンプや排土管などの排土設備が不要となり、全体の排土設備をコンパクトにすることができると共に、設備コストを低減することができると共に、土砂の種類に応じてろ過度合を変更することで、ろ過装置の目詰まりを防止し、掘削土砂を適正に分離することができ、ろ過作業を短時間で容易に行うことで、作業効率を向上することができる。
本発明のトンネル掘削機によれば、ろ過装置を、掘削土砂を加圧する加圧装置と、加圧装置により分離された掘削土砂をろ過するフィルタ装置とで構成し、ろ過度合変更手段がフィルタ装置のろ過度合を変更する用にしたので、簡単な構成で掘削土砂の加圧ろ過処理を行うことができ、設備コストを低減することができる。
本発明の土砂分離用フィルタ装置及びトンネル掘削機の最良の形態は、循環配管系に流動する掘削土砂を水と土砂とに分離する際に、土砂の種類に応じてろ過度合を変更可能としたものであり、以下に、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
図1に本発明の第1実施例に係るトンネル掘削機に搭載されたろ過フィルタの縦断面、図2に第1実施例のろ過フィルタの水平断面、図3に第1実施例のトンネル掘削機の概略断面、図4に第1実施例のトンネル掘削機の背面視、図5乃至図10に第1実施例のトンネル掘削機による掘削工法を表す概略を示す。
第1実施例のトンネル掘削機は、特に、深度40m以上の、所謂、大深度におけるトンネル掘削作業に用いられるものであり、このような大深度の地層は比較的硬質なものとなっている。
第1実施例のトンネル掘削機において、図3及び図4に示すように、掘削機本体11は円筒形状をなす前胴12と後胴13とが屈曲自在に連結されてなり、複数の中折ジャッキ14によって屈曲可能となっている。この掘削機本体11の前胴12の前部にはカッタヘッド15が回転自在に装着されており、このカッタヘッド15には多数のカッタビット16が固定されると共に、コピーカッタ17が装着されている。また、カッタヘッド15の後部にはリングギア18が固定される一方、前胴12には複数の旋回モータ19が取付けられ、各旋回モータ19の駆動ギア20がこのリングギア18に噛み合っている。従って、旋回モータ19を駆動して駆動ギア20を回転駆動すると、リングギア18を介してカッタヘッド15を回転することができる。
一方、掘削機本体11の後胴13の前部内周面にはシールドジャッキ21が周方向に沿って複数並設されており、このシールドジャッキ21を掘進方向後方に伸長して掘削したトンネル内周面に構築された既設セグメントSに押し付けることで、その反力により掘削機本体11を前進することができる。また、この後胴13には旋回リング22が駆動旋回自在に支持され、この旋回リング22にセグメントSを組立てるエレクタ装置23が装着されている。更に、掘削機本体11の後部にはエレクタ装置23によりリング状に組付けられたセグメントS同士をボルト締結するためのセグメント組立足場24と、リング状のセグメントSを所定形状(例えば、真円形状)に矯正して保持する形状保持装置25が設けられている。
ところで、第1実施例のトンネル掘削機は、比較的硬質な大深度の地盤におけるトンネル掘削作業に用いて好適であり、掘削土砂をろ過手段に供給して水と砂礫と分離(分離工程)し、切羽内の土水圧対抗水圧として分離した水(または補給水)のみを掘削機本体内の閉鎖系循環配管路から供給しながら掘削(掘削工程)する一方、分離された砂礫を地上に搬送(搬送工程)するようにしている。そして、このろ過装置にて、掘削土砂の種類に応じてそのろ過度合を変更(ろ過度合変更手段)可能となっている。
即ち、掘削機本体11の前胴12にはカッタヘッド15の後方に位置してバルクヘッド26が取付けられており、カッタヘッド15とこのバルクヘッド26との間にチャンバ27が形成されている。そして、掘削機本体11内には前傾した第1スクリューコンベヤ28が配設されており、前端部がこのチャンバ27に突出して連通している。一方、この第1スクリューコンベヤ28の後端部には水平な第2スクリューコンベヤ29が連結されている。
この第2スクリューコンベヤ29の下方には、ろ過手段を構成する一対の加圧装置30,31が配設され、排土管32,33を介して連結されている。この加圧装置30,31はほぼ同様の構成をなしており、図5に詳細に示すように、円筒形状をなして水平に支持されたケーシング34,35と、このケーシング34,35内に移動自在に支持された加圧ピストン36,37と、この加圧ピストン36,37を往復移動可能な加圧ジャッキ38,39と、このケーシング34,35の先端部を開閉可能な排土ゲート(砂礫排出口)40,41及び排土ジャッキ42,43とから構成されている。この各排土管32,33には泥土投入ゲート44,45が泥土投入ジャッキ46,47により開閉可能となっている。
そして、この各加圧装置30,31には送水管48,49の基端部が連結され、先端部は前方に延設されてチャンバ27に連結されている。この場合、第1加圧装置30のケーシング34と第1送水管48の基端部とは、前部操作弁50a,50b及びろ過フィルタ51、中部操作弁52a,52b及びろ過フィルタ53、後部操作弁54a,54b及びろ過フィルタ55を介して連結されている。一方、第2加圧装置31のケーシング35と第2送水管49の基端部とは、前部操作弁56a,56b及びろ過フィルタ57、中部操作弁58a,58b及びろ過フィルタ59、後部操作弁60a,60b及びろ過フィルタ61を介して連結されている。また、第1、第2送水管48,49の先端部にはそれぞれチャンバ27の手前に開閉弁62,63が介装されている。
上述したろ過フィルタ51,53,55,57,59,61は土砂分離用フィルタ装置として機能し、排土室34a,35aで掘削土砂から加圧処理された土砂を土砂と水分とに分離し、土砂を排土室34a,35aに戻す一方、水分のみを各送水管48,49に排出するものであり、土砂の種類に応じてろ過度合を変更可能となっている。なお、以下に、ろ過フィルタ51について詳細に説明するが、他のろ過フィルタ53,55,57,59,61もほぼ同様の構成となっており、詳細な説明は省略する。
ろ過フィルタ51において、図1及び図2に示すように、L字の箱型のハウジング81の下部には取付ブラケット82を介して配管83が連結され、この配管83に前部操作弁50bが装着されてケーシング34(排土室34a)に連結される一方、ハウジング81の上部には取付ブラケット84を介して配管85が連結され、この配管85に前部操作弁50aが装着されて第1送水管48に連結されている。
このハウジング81の一側部には上下一対の第1フィルタ移動ジャッキ86a,86bが装着され、各駆動ロッド87a,87bの先端部には串歯形状をなす第1フィルタ88a,88bが連結されている。また、ハウジング81の隣接する一側部には上下一対の第2フィルタ移動ジャッキ89a,89bが装着され、各駆動ロッド90a,90bの先端部には串歯形状をなす第2フィルタ91a,91bが連結されている。
従って、第1フィルタ移動ジャッキ86a,86bを駆動することで、第1フィルタ88a,88bをハウジング81内の退避位置と配管83,85を遮る稼働位置(掘削土砂流動領域)との間を移動することができる。一方、第2フィルタ移動ジャッキ89a,89bを駆動することで、第2フィルタ91a,91bをハウジング81内の退避位置と配管83,85を遮る稼働位置(掘削土砂流動領域)との間を移動することができる。そのため、稼働位置(掘削土砂流動領域)に重合するフィルタ88a,88b,89a,89bの数に応じて土砂のろ過度合を変更することができる。
また、加圧装置30,31の下方には貯留タンク(給排水タンク)64が配設され、第1加圧装置30のケーシング34の排土室34aと操作弁65a,65b及びろ過フィルタ66を有する連結管67を介して連結されると共に、ケーシング34の排水室34bと開閉弁68を有する連結管69を介して連結されている。一方、第2加圧装置31のケーシング35の排土室35aと操作弁70a,70b及びろ過フィルタ71を有する連結管72を介して連結されると共に、ケーシング35の排水室35bと開閉弁73を有する連結管74を介して連結されている。そして、貯留タンク64は、開閉弁75を有する連結管76を介して第1送水管48に連結され、開閉弁77を有する連結管78を介して第2送水管49に連結されている。
なお、上述したろ過フィルタ66,71は、前述したろ過フィルタ51,53,55,57,59,61とほぼ同様の構成となっており、詳細な説明は省略する。
そして、第1実施例では、スクリューコンベヤ(排泥管)28,29、加圧装置30,31、送水管48,49などにより閉鎖系循環配管系が構成される。
ここで、このように構成された第1実施例のトンネル掘削機によるトンネル掘削作業並びに排土作業について説明する。
トンネルを掘削形成するには、図3及び図4に示すように、旋回モータ19を駆動してカッタヘッド15を回転させなから、複数のシールドジャッキ21を伸長して既設セグメントSへの押し付け反力によって掘削機本体11を前進させることで、多数のカッタビット16によって前方の地盤を掘削する。次に、トンネルジャッキ21の何れか一つを縮み方向に作動して既設セグメントSとの間に空所を形成し、エレクタ装置23によってこの空所に新しいセグメントSを装着することでリングセグメントを形成する。
この掘削作業により発生した掘削土砂はチャンバ27内に取り込まれ、第1、第2スクリューコンベヤ28,29によって後方に搬送され、この掘削土砂が水と砂礫とに分離され、分離した水のみをチャンバ27に戻す一方、分離された砂礫を地上に搬送する。この場合、第1加圧装置30及び第1送水管48と、第2加圧装置31及び第2送水管49とを交互に用いて排土処理する。
この掘削土砂を加圧装置30,31により水と砂礫に分離する場合、ろ過フィルタ51,53,55,57,59,61を用いて泥水を水と土砂に分離するが、地層の種類(土、砂、粘度、礫など)によってそのろ過度合が異なるため、各ろ過フィルタ51,53,55,57,59,61のろ過度合を地層に合わせて調整しておく。
即ち、地層の種類が土のようにその粒子が小さいときは、ろ過フィルタ51,53,55,57,59,61にて、図1及び図2に示すように、第1フィルタ移動ジャッキ86a,86bを伸長駆動し、第1フィルタ88a,88bを配管83,85を遮る稼働位置に移動すると共に、第2フィルタ移動ジャッキ89a,89bを伸長駆動し、第2フィルタ91a,91bを同様に稼働位置に移動することで、ろ過度合を上げて目を細かくし、土の通過を防止する。一方、地層の種類が砂や礫のようにその粒子が大きくなると、第1フィルタ88a,88b及び第2フィルタ91a,91bの重合する数を減らしてろ過度合を下げて目を粗くする。
このようにろ過フィルタ51,53,55,57,59,61のろ過度合が地層に合わせて調整された状態で、まず、図5に示すように、第1加圧装置30の泥土投入ゲート44を開放する一方、第2加圧装置31の泥土投入ゲート45を閉止した状態で、チャンバ27内の掘削土砂を第1スクリューコンベヤ28から第2スクリューコンベヤ29に搬送し、排土管32を通して第1加圧装置30のケーシング34の排土室34a内に投入する。そして、ケーシング34内に所定量の掘削土砂が投入されたら、図6に示すように、第1加圧装置30の泥土投入ゲート44を閉止する一方、第2加圧装置31の泥土投入ゲート45を開放する。すると、掘削土砂の投入位置が第1加圧装置30から第2加圧装置32に切り換わり、第2スクリューコンベヤ29内の掘削土砂が排土管33を通して第2加
圧装置31のケーシング35の排土室35a内に投入される。
掘削土砂が第2加圧装置32に投入されている間に、第1加圧装置30では、加圧ジャッキ38を伸長して加圧ピストン36によりケーシング34内の掘削土砂を加圧することで、水分と砂礫とに分離する。このとき、操作弁65a,65b及び開閉弁68を開放すると、排土室34aにて分離された水分が貯溜タンク64を介して排水室34bに供給されるため、ケーシング34(排土室34a、排水室34b)内が所定圧に維持することができる。また、分離された水分には泥土が含まれているが、ケーシング34の排土室34aから貯溜タンク64に供給されるときにろ過フィルタ66でろ過されるため、排水室34bに泥土が侵入して加圧ジャッキ38の作動に影響を与えることはない。その後、第1加圧装置30の加圧ジャッキ38を収縮して加圧ピストン36を元の位置に戻す。
そして、ケーシング35内に所定量の掘削土砂が投入されたら、図7に示すように、第2加圧装置31の泥土投入ゲート45を閉止する一方、第1加圧装置30の泥土投入ゲート44を開放する。すると、掘削土砂の投入位置が第2加圧装置31から第1加圧装置31に切り換わり、第2スクリューコンベヤ29内の掘削土砂が排土管32を通して第1加圧装置30のケーシング34の排土室34a内に投入される。
すると、第2加圧装置31では、加圧ジャッキ39を伸長して加圧ピストン37によりケーシング35内の掘削土砂を加圧することで、水分と砂礫とに分離する。このとき、操作弁70a,70b及び開閉弁73を開放すると、排土室35aにて分離された水分が貯溜タンク64を介して排水室35bに供給されるため、ケーシング35(排土室35a、排水室35b)内が所定圧に維持することができる。また、排土室35aから貯溜タンク64に供給される水はろ過フィルタ71でろ過されるため、排水室35bに泥土が侵入して加圧ジャッキ39の作動に影響を与えることはない。その後、第2加圧装置31の加圧ジャッキ39を収縮して加圧ピストン37を元の位置に戻す。
ところで、このトンネル掘削作業では、チャンバ27に水を供給して加圧状態に維持することで、この加圧水により切羽の安定を図っている。そのため、チャンバ27には図示しない土圧センサが設けられており、この土圧センサの検出結果に基づいてチャンバ27の圧力が所定圧となるように、各加圧装置30,31で掘削土砂から分離した水分をチャンバ27に戻している。
例えば、図8に示すように、第1加圧装置30の排土室34a内に掘削土砂が投入され、図9に示すように、加圧ジャッキ38を伸長して加圧ピストン36によりケーシング34内の掘削土砂を加圧するとき、操作弁50a,50b,52a,52b,54a,54bを開放する。すると、排土室34aで加圧分離された水分をろ過フィルタ51,53,55を通して第1送水管48に押し出し、この第1送水管48を通してチャンバ27に送給することができる。この場合、分離された水分には泥土が含まれているが、各ろ過フィルタ51,53,55でろ過されるため、チャンバ27に泥土が戻されて排土効率を低下させることはない。
この場合、掘削土砂から分離した水分をチャンバ27に戻して加圧状態に維持することで、切羽の安定を図っており、掘削土砂に対してベントナイトなどの加泥材を添加する必要もない。また、加圧ジャッキ38を収縮して加圧ピストン36を戻すときに、操作弁50a,50b,52a,52b,54a,54bを開放すると、ろ過された水分がろ過フィルタ51,53,55を通してケーシング34,35側に戻されることで、ろ過フィルタ51,53,55の逆洗処理を行うこともできる。
なお、加圧装置30,31にて、加圧ジャッキ38,39を伸長して加圧ピストン36,37によりケーシング34,35内の掘削土砂を加圧して水分と砂礫とに分離するとき、分離した水分を貯溜タンク64に戻すか、送水管48,49を通してチャンバ27に戻すかは、チャンバ27の土圧状態に応じて選択すればよい。また、分離した水分を送水管48,49から周辺の地層に圧送して地下水として戻すようにしてもよい。更に、貯溜タンク64内の水が満水状態となって、チャンバ27や周辺地層に送給することができないときには、別途配設された排水管を通して地上に排出すればよい。
そして、この作業を繰り返すことで、図9に示すように、第1加圧装置30の排土室34a内にほぼ満杯の掘削土砂が投入されたら、加圧ジャッキ38を伸長して加圧ピストン36によりケーシング34内の掘削土砂を加圧する。すると、図10に示すように、投入された掘削土砂は水分と砂礫に分離され、水分がチャンバ27あるいは貯留タンク64に送給される一方、圧縮された砂礫は固まりとなり、排土ジャッキ42を伸長して排土ゲート40を開放することで、固化した砂礫をケーシング34の後端部から外部に排出することができる。
既設トンネル内には、図示しないレールが敷設されて搬送台車が移動自在となっており、第1加圧装置30にて掘削土砂から分離された固化した砂礫をこの搬送台車に積載して地上に搬送する。なお、第2加圧装置31にて掘削土砂から分離された固化した砂礫も同様に搬送台車に積載して地上に搬送する。
なお、地層の種類が変更したときには、掘削途中で各ろ過フィルタ51,53,55,57,59,61のろ過度合を変更調整する。この場合、作業者が掘削土砂の地質を目視したり、検査装置で測定したり、あるいは粒子検出センサなどを用いて行ってもよい。
このように第1実施例のトンネル掘削機にあっては、掘削機本体11に形成されたチャンバ27に第1、第2スクリューコンベヤ28,29を連結し、この第2スクリューコンベヤ29の後端部にろ過装置としての一対の加圧装置30,31を連結し、この加圧装置30,31に掘削土砂から分離した水分をチャンバ27に戻す第1、第2送水管48,49を連結して循環配管系を形成すると共に、分離した砂礫を排出する排土ゲート40,41を設けている。
そして、掘削作業により発生した掘削土砂がチャンバ27内に取り込まれると、第1、第2スクリューコンベヤ28,29によって後方に搬送し、加圧装置30,31により掘削土砂を加圧して水と砂礫とに分離し、分離した水のみをチャンバ27に戻す一方、分離した砂礫を排土ゲート40,41から排出して地上に搬送している。
従って、水分を含んだ掘削土砂を地上に排出するための排泥ポンプや排泥管などの排土設備が不要となり、全体の排土設備をコンパクトにすることができると共に、設備コストを低減することができる。また、チャンバ27内での掘削土砂の流動性を確保するために添加するベントナイトなどの添加材も不要となり、分離された砂礫が産業廃棄物として処理する必要となく、処理コストを低減することができると共に、再利用が可能となる。
また、掘削機本体11の後方の既設トンネル内に、掘削土砂を水分と砂礫に加圧分離するろ過装置としての加圧装置30,31を配設したことで、地上に設置する掘削土砂の処理施設を小型化することができる。また、この第1、第2加圧装置30,31に第1、第2送水管48,49を連結して交互運転することで、掘削土砂を断続的に連続処理することができ、掘削土砂の処理効率を向上することができる。
更に、各加圧装置30,31に貯留タンク64を連結したことで、チャンバ27に戻しても処理しきれない水分をこの貯留タンク64に一時的に貯留することができ、作業性を向上することができる。
また、各加圧装置30,31で処理された泥水をチャンバ27または貯留タンク64に送給する排水系にろ過フィルタ51,53,55,57,59,61を設け、このろ過フィルタ51,53,55,57,59,61にて、掘削土砂の種類に応じてそのろ過度合を変更可能としている。従って、ろ過フィルタ51,53,55,57,59,61における第1フィルタ88a,88b及び第2フィルタ91a,91bの目詰まりを防止し、掘削土砂を適正に分離することができ、ろ過作業を短時間で容易に行うことで、作業効率を向上することができる。
なお、上述の実施例では、スクリューコンベヤ29の後端部にろ過装置として2つの加圧装置30,31及び送水管48,49を連結したが、掘削土砂の発生量に応じて1つの加圧装置及び送水管を用いて断続運転してもよく、3つ以上の加圧装置及び送水管を用いて連続運転してもよい。また、この加圧装置30,31をケーシング34,35、加圧ピストン36,37、加圧ジャッキ38,39、排土ゲート40,41等により構成したが、この構成に限定されるものではない。
また、第1、第2加圧装置30,31にて掘削土砂から分離された砂礫を搬送台車に積載して地上に搬送して処理したが、この砂礫を既設トンネル内に有効利用を図ってもよい。例えば、トンネル完成後には、線路を敷設したり道路を形成するために下部を水平地盤とするが、砂礫をこの水平地盤の盛土として利用(還元)してもよい。また、トンネル掘削後にトンネル内壁面と既設セグメントとの空間部に裏込め材(モルタルなど)を注入するが、この裏込め材の代わりに砂礫を注入してもよい。この場合、砂礫を小さい粒径に粉砕したり水分量を調整してスラリー状とすることで流動性を確保し、この状態で空間部に注入することで砂礫を空間部に隙間なく十分に行き渡らせて充填することができる。そして、上述の実施例では、本発明のろ過度合変更手段を、ろ過フィルタ51,53,55,57,59,61,66,71としたが、この構成に限定されるものではない。
図11に本発明の第2実施例に係るろ過フィルタの縦断面、図12に第2実施例のろ過フィルタの水平断面を示す。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図11及び図12に示すように、第2実施例のろ過フィルタ100において、箱型のハウジング101の下部には取付ブラケット102を介して配管103が連結される一方、ハウジング101の上部には取付ブラケット104を介して配管105が連結されている。このハウジング101の側部には3つのフィルタ移動ジャッキ106a,106b,106cが互いに並行状態で装着され、各駆動ロッド107a,107b,107cの先端部には串歯形状をなすフィルタ108a,108b,108cが連結されている。
従って、フィルタ移動ジャッキ106a,106b,106cを駆動することで、フィルタ108a,108b,108cをハウジング101内の退避位置と配管103,105を遮る稼働位置(掘削土砂流動領域)との間を移動することができ、図12(a)(b)(c)に示すように、稼働位置(掘削土砂流動領域)に位置するフィルタ108a,108b,108cの数に応じて土砂のろ過度合を変更することができる。この場合、例えば、中央部のフィルタ108bを移動方向に沿った軸心、つまり、駆動ロッド107bを軸中心として回動可能とすることで、更に、土砂のろ過度合を細かく変更することができる。
このように第2実施例のろ過フィルタ100にあっては、3つのフィルタ108a,108b,108cを水平な方向に並行して配設したことで、ろ過フィルタ100全体の厚さを薄く構成することで、装置の小型軽量化を可能とすることができる。
図13に本発明の第3実施例に係るろ過フィルタの縦断面、図14に第3実施例のろ過フィルタの水平断面を示す。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図13及び図14に示すように、第3実施例のろ過フィルタ110において、矩形箱型のハウジング111の下部には取付ブラケット112を介して配管113が連結される一方、ハウジング111の上部には取付ブラケット114を介して配管115が連結されている。このハウジング111の側部にはフィルタ移動ジャッキ116が装着され、駆動ロッド117の先端部には串歯形状をなしてろ過度合の異なる3つのフィルタ118a,118b,118cが直列に連結されている。この場合、フィルタ118aの目が一番細かく、フィルタ118cの目が一番粗くなっている。
従って、フィルタ移動ジャッキ116を駆動することで、フィルタ118a,118b,118cのいずれか一つハウジング111内の退避位置から配管113,115を遮る稼働位置(掘削土砂流動領域)に移動することができ、稼働位置(掘削土砂流動領域)に位置するフィルタ118a,118b,118cに応じて土砂のろ過度合を変更することができる。
このように第3実施例のろ過フィルタ100にあっては、3つのフィルタ118a,118b,118cを直列に連結したことで、ろ過フィルタ110全体の厚さを薄く構成することで、装置の小型軽量化を可能とすることができると共に、土砂のろ過度合を容易に変更することができ、作業性を向上することができる。
図15に本発明の第4実施例に係るろ過フィルタの縦断面、図16に第4実施例のろ過フィルタの水平断面を示す。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図15及び図16に示すように、第4実施例のろ過フィルタ120において、箱型のハウジング121の下部には取付ブラケット122を介して配管123が連結される一方、ハウジング121の上部には取付ブラケット124を介して配管125が連結されている。このハウジング121の一側部には上下2段にそれぞれ並行をなす5つの第1フィルタ移動ジャッキ126a〜126e,127a〜127eが装着され、それぞれ伸縮する棒状の駆動ロッド128a〜128e,129a〜129eを有している。また、ハウジング121の隣接する一側部には上下2段にそれぞれ並行をなす5つの第2フィルタ移動ジャッキ130a〜130e,131a〜131eが装着され、それぞれ伸縮する棒状の駆動ロッド132a〜132e,133a〜133eを有している。この場合、第1フィルタ移動ジャッキ126a〜126e,127a〜127eの上下位置及び第2フィルタ移動ジャッキ130a〜130e,131a〜131eの上下位置は並列方向にずれた位置となっている。
従って、第1フィルタ移動ジャッキ126a〜126e,127a〜127eを伸長駆動することで、駆動ロッド128a〜128e,129a〜129eを配管123,125を遮る稼働位置(掘削土砂流動領域)に移動することができ、また、第2フィルタ移動ジャッキ130a〜130e,131a〜131eを伸長駆動することで、駆動ロッド132a〜132e,133a〜133eを配管123,125を遮る稼働位置(掘削土砂流動領域)に移動することができ、また、稼働位置に移動する駆動ロッド128a〜128e,129a〜129e,132a〜132e,133a〜133eの本数に応じて土砂のろ過度合を変更することができる。
このように第4実施例のろ過フィルタ120にあっては、複数の駆動ロッド128a〜128e,129a〜129e,132a〜132e,133a〜133eによりフィルタを構成し、その伸長する本数により土砂のろ過度合を変更することができ、装置の簡素化を可能とすることができる。
図17に本発明の第5実施例に係るろ過フィルタの概略を示す。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図17に示すように、第5実施例のろ過フィルタ130において、加圧装置のケーシングとチャンバへの第1送水管48とを連結する配管131には取付ブラケット132が固定され、この取付ブラケット132にリング形状をなす3つのフィルタ133a,133b,133cが回動自在に装着され、フィルタ移動ジャッキ134により回動可能となっている。この場合、フィルタ133aの目が一番細かく、フィルタ133cの目が一番粗くなっている。
従って、フィルタ移動ジャッキ134により3つのフィルタ133a,133b,133cのうちの一つを選択的に移動して配管131を遮る稼働位置(掘削土砂流動領域)に移動することができ、選択するフィルタ133a,133b,133cの種類に応じて土砂のろ過度合を変更することができる。
このように第5実施例のろ過フィルタ130にあっては、3つのフィルタ133a,133b,133cを選択的に回動可能としたことで、土砂のろ過度合を容易に変更することができ、作業性を向上することができる。
本発明に係る土砂分離用フィルタ装置は、トンネル掘削機のろ過フィルタに適用して公的であるが、これに限定されるものではなく、掘削土砂を排泥ポンプにより泥水として地上に流体輸送し、地上に設置された処理施設で土砂と水分に分離するためのフィルタ装置として使用することもでき、また、トンネル掘削作業で発生した掘削土砂に限らず、土木建設現場で発生した泥水などの分離作業にも適用することができる。
本発明の第1実施例に係るトンネル掘削機に搭載された土砂分離用フィルタ装置の縦断面図である。 第1実施例の土砂分離用フィルタ装置の水平断面図である。 第1実施例に係るトンネル掘削機の概略断面図である。 第1本実施例のトンネル掘削機の背面図である。 第1実施例のトンネル掘削機による掘削工法を表す概略図である。 第1実施例のトンネル掘削機による掘削工法を表す概略図である。 第1実施例のトンネル掘削機による掘削工法を表す概略図である。 第1実施例のトンネル掘削機による掘削工法を表す概略図である。 第1実施例のトンネル掘削機による掘削工法を表す概略図である。 第1実施例のトンネル掘削機による掘削工法を表す概略図である。 本発明の第2実施例に係るろ過フィルタの縦断面図である。 第2実施例のろ過フィルタの水平断面図である。 本発明の第3実施例に係るろ過フィルタの縦断面図である。 第3実施例のろ過フィルタの水平断面図である。 本発明の第4実施例に係るろ過フィルタの縦断面図である。 第4実施例のろ過フィルタの水平断面図である。 本発明の第5実施例に係るろ過フィルタの概略図である。
符号の説明
11 掘削機本体
15 カッタヘッド
19 旋回モータ
21 シールドジャッキ
23 エレクタ装置
27 チャンバ
28 第1スクリューコンベヤ
29 第2スクリューコンベヤ
30 第1加圧装置(ろ過手段)
31 第2加圧装置(ろ過手段)
40,41 排土ゲート(砂礫排出口)
48 第1送水管
49 第2送水管
51,53,55,57,59,61,66,71 ろ過フィルタ(ろ過度合変更手段)
64 貯留タンク
80,100,110,120,130 ろ過フィルタ
81 101,111,121 ハウジング
86a,86b,126a〜126e,127a〜127e 第1フィルタ移動ジャッキ
88a,88b 第1フィルタ
89a,89b,130a〜130e,131a〜131e 第2フィルタ移動ジャッキ
91a,91b 第2フィルタ
106a,106b,106c,116,134 フィルタ移動ジャッキ
108a,108b,108c,118a,118b,118c,133a,133b,133c フィルタ

Claims (10)

  1. 排土装置に設けられて掘削土砂から水と土砂を分離する土砂分離用フィルタ装置において、
    掘削土砂に含有する土砂の種類に応じてろ過度合を変更するろ過度合変更手段を設け、
    前記ろ過度合変更手段は、前記排土装置の掘削土砂流動領域とその周辺部との間で移動可能な複数のフィルタを有する
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  2. 請求項1記載の土砂分離用フィルタ装置において、
    前記複数のフィルタは、前記掘削土砂流動領域に移動して互いに重合する
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  3. 請求項2記載の土砂分離用フィルタ装置において、
    前記複数のフィルタは串歯形状をなし、互いに交差する方向に移動自在に支持された
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  4. 請求項1記載の土砂分離用フィルタ装置において、
    前記複数のフィルタは、前記掘削土砂流動領域に移動して互いに並行状態で該掘削土砂流動領域を被覆可能である
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  5. 請求項4記載の土砂分離用フィルタ装置において、
    前記複数のフィルタは、前記掘削土砂流動領域にて移動方向に沿った軸心を中心として回動可能である
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  6. 請求項1記載の土砂分離用フィルタ装置において、
    前記複数のフィルタは、直列に連結されたろ過度合の異なる複数のフィルタである
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  7. 請求項1記載の土砂分離用フィルタ装置において、
    前記複数のフィルタは、選択的に前記掘削土砂流動領域に移動可能なろ過度合の異なる複数のフィルタである
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  8. 請求項1記載の土砂分離用フィルタ装置において、
    前記ろ過度合変更手段は、前記排土装置の掘削土砂流動領域とその周辺部との間で互いに交差する方向に移動自在な複数組の駆動ロッドである
    ことを特徴とする土砂分離用フィルタ装置。
  9. 切羽に連通する送水管及び排土管を有する循環配管系と、
    該循環配管系に流動する掘削土砂を水と土砂とに分離するろ過装置と、
    該ろ過装置に設けられて掘削途中でも土砂の種類に応じてろ過度合を変更可能とするろ過度合変更手段と、
    前記ろ過装置から砂礫を取出す砂礫排出口とを具えた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  10. 請求項9記載のトンネル掘削機において、
    前記ろ過装置は、掘削土砂を加圧する加圧装置と、該加圧装置により分離された掘削土砂をろ過するフィルタ装置とを有し、
    前記ろ過度合変更手段は、該フィルタ装置のろ過度合を変更する
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
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