JP4546665B2 - 立坑掘削装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法によらずに立坑の掘削及び掘削土の排出をおこなう立坑掘削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の立坑掘削は、発破又は機械によって掘削した掘削土を、シャフトローダ及びバケットを組み合わせて搬出していた。
また、シールド工法が適用できる地盤においては、立坑の掘削、掘削土の排出及びセグメントの組み立てを連続しておこなう方法がある。
さらに、全断面カッタヘッドを使用してチェンコンベアからバケットエレベータ、スキップホイストによって掘削土を排出する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の立坑掘削にあっては、次のような問題点がある。
<イ>バケット方式による掘削土の搬出は、掘削距離の増加に伴い搬出時間も増するため、掘削スピードが遅くなる。
<ロ>泥水式シールド工法による掘削土の搬出の場合、マシン周辺部において水密性を保つためにセグメントを必要とする。また、泥土圧式シールド工法の場合は大規模な泥土圧送ポンプを用意する必要がある。
<ハ>泥水式シールド工法による場合は、掘削用カッタを交換するのに圧気状態の掘削面近傍で作業する必要があり、必ずしも作業環境が良いとはいえない。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、掘削及び掘削土の排出を連続して効率よくおこなうことができる立坑掘削装置を提供することを目的とする。
また、確実に掘削土を排出できる立坑掘削装置を提供することを目的とする。
特に、立坑の掘削延長が長くなった場合でも確実に掘削土を排出できる立坑掘削装置を提供することを目的とする。
さらに、掘削用カッタを安全な作業環境で容易に交換できる立坑掘削装置を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の立坑掘削装置は、立坑の掘削及び掘削土の排出をおこなう立坑掘削装置であって、面板に少なくともカッタ及びスクレーパの一方を取り付けた掘削装置と、前記面板の背面に設けた掘削土を泥土状に混練する混練装置と、スクリューコンベアからなる排土装置と、前記排土装置に接続する泥水槽と、泥水を処理する泥水処理プラントと、前記泥水槽と前記泥水プラントを接続する排泥管と送泥管からなる泥水輸送装置と、からなり、
前記排土装置の土砂吸込み口周辺に、截頭円錐状の吸込み促進具を、截頭部分が前記掘削装置側に位置するように設けたことを特徴とするものである。
【0006】
ここで、掘削土に注入する添加材用プラント及び注入パイプからなる注入装置を設けることができる。掘削土に添加材を添加することによって掘削土を泥土状にし塑性流動性を促進できる。また、注入装置によって泥土を加圧することで、泥土の排出を促進することも可能である。
【0007】
また、前記吸込み促進具によって、泥土を吸込み口周辺に誘導することができる。
【0008】
さらに上記立坑掘削装置において、前記排土装置と前記泥水槽の間にスクリューコンベヤへの逆流防止具を設けることもできる。逆流防止具は泥水槽側にのみ開くヒンジ構造にするのが好ましい。これによって、スクリューコンベヤへ泥水槽の泥水が流れ込むことを防ぐことができる。
【0009】
そして上記立坑掘削装置において、ジャッキによって前記面板を持ち上げて掘削面から引き離すことにより、無加圧状態で前記カッタの交換ができるように構成することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
<イ>全体の構成
立坑掘削装置1は、地盤を掘削する掘削装置2と、掘削土を混練する混練装置3と、掘削土を排出する排土装置4と、泥水や泥土(以下、泥水等という)を貯留する泥水槽5と、泥水等を輸送する泥水輸送装置6と、泥水等を処理する泥水処理プラント7と、掘削土を泥土状にする添加材を注入するための注入装置8により構成する(図1参照)。
【0012】
<ロ>掘削装置
掘削装置2は、外部に笠状に突出した面板21と、面板21に取り付けたカッタ22及びスクレーパ23で構成する。
カッタ22には交換が可能なローラカッタなどを使用する。
スクレーパ23によって地盤を削り取るように掘削することができる。ここで、カッタ22及びスクレーパ23は公知のものを使用することができ、どちらか一方を使用する構成としても、両方を使用する構成としてもどちらでもよい。
掘削装置2は、泥土の侵入がない位置に取り付けた駆動モータ24等で回転させる。
【0013】
<ハ>注入装置
注入装置8は、掘削装置2で掘削した掘削土を泥土状にするために添加する添加材を注入する装置である。また、注入装置8によって掘削土が充満するチャンバー33内の泥土の泥圧を調整することができる。
注入装置8は、添加材用プラント81と注入パイプ82で構成する。
注入パイプ82は、添加材用プラント81と面板21の内側とを連結するパイプで、添加材用プラント81の添加材を掘削土に供給する役割を果たす。
掘削土に添加材を添加することによって、掘削土の粒度分布が改善され、塑性流動性を促進する。
添加材には、粘土、ベントナイト、気泡、高分子系増粘剤等が使用できる。
【0014】
<ニ>混練装置
混練装置3は、掘削装置2で掘削した掘削土と、注入装置8から供給する添加材とを掘削土が充満するチャンバー33内で混練する装置である。
混練装置3は、掘削土を掻き寄せる横断面が三角形のかき寄せ板31、棒体の撹拌棒32等で構成する。かき寄せ板31及び撹拌棒32の取り付け位置及び取り付け数は任意に調整できる。
【0015】
<ホ>排土装置
排土装置4は、泥土状になった掘削土を吸込み口に誘導する截頭円錐状の吸込み促進具42と、吸込み口から吸い込んだ泥土を泥水槽5まで輸送するスクリューコンベア41で構成する。
スクリューコンベア41の回転速度は可変にするのが好ましい。
掘削土はスクリューコンベアの機械的な輸送力と、注入装置8による泥土圧の調整によって、容易に泥水槽5まで運ばれる。即ち、注入装置8によって泥土を加圧することで、泥土の上昇を助けることができる。
【0016】
<ヘ>泥水槽
泥水槽5は、排土装置4を介して運ばれた泥土を貯留する容器である。
泥水槽5と排土装置4の境界には、逆流防止具51を配置する。逆流防止具51は、ヒンジで泥水槽5内側にのみ開くように構成したバルブで、泥水槽5内の泥水等が排土装置4に流れ込むのを防止する役割を果たす。このため、スクリューコンベア41内の泥土圧が泥水槽5の圧力より低くなった場合でも、泥水槽5の泥水等がスクリューコンベア41に逆流することがない。
【0017】
<ト>泥水輸送装置
泥水輸送装置6は、泥水槽5から泥水等を排出する排泥管61と、泥水槽5へ泥水等を送出する送泥管62とで構成する。
排泥管61及び送泥管62は、途中に延長装置63を設けて、掘削が進行するとともに管を延長できる構成にしておく。
また、送泥管62の泥水槽5側の送出口にはずり噴流装置52などを設け、送出口が沈殿した土砂分で埋没しないよう、かつ沈殿した土砂分を泥水槽5内で撹拌できるような構成にするのが好ましい。
【0018】
<チ>泥水処理プラント
泥水処理プラント7は、送り込まれた泥土中の泥水と掘削土を分離し、泥水を再利用できる状態に処理するプラントである。
すなわち、本発明では泥土となって排出された掘削土を、泥水処理プラント7で泥水と分離し、掘削土のみ搬出する。そして、再生した泥水を再び送泥管62で泥水槽5に送り込み再利用する。
【0019】
<リ>カッタ交換機構
フロントグリッパ92を開放し、メイングリッパ91で坑壁に反力をとり、スラストジヤッキ93にて面板21を持ち上げて、チャンバー33内の掘削土を下部に落とす。
こうすることによって、無加圧状態のチャンバー33内で安全にカッタ22を交換することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の立坑掘削装置は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>本発明では掘削及び掘削土の排出を連続しておこなうことができる。このため、効率よく立坑を掘削することができる。
<ロ>排土は、スクリューコンベアによる機械的な排出機構に加えて、泥圧力を利用している。このため、掘削土を確実に排出することができる。さらに、泥土を一旦泥水槽に貯留し、泥水によって立坑外に排出する構成を採用することで、立坑の掘削延長が長くなった場合でも確実に掘削土を排出できる。
<ハ>マシン周辺部の水密性確保する必要がない。このため、セグメントを使用する必要もない。
<ニ>掘削土と添加剤を泥土状に混練する混練装置を有する。このため、排出前に掘削土を良好な泥土にすることができ、掘削土の排出が容易になる。
<ホ>面板を引き上げることにより、無加圧状態でカッタの交換ができる。すなわち、安全な作業環境で容易に掘削用カッタを交換できる。
<ヘ>逆流防止具を排土装置と泥水槽の間に設けることによって、スクリューコンベヤへの泥水等の流入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の立坑掘削装置の実施例の説明図。
【図2】立坑掘削装置のA−A断面図及びB−B断面図。
【図3】立坑掘削装置のC−C断面図。
【符号の説明】
1・・・立坑掘削装置
2・・・掘削装置
3・・・混練装置
4・・・排土装置
5・・・泥水槽
6・・・泥水輸送装置
7・・・泥水処理プラント
8・・・注入装置
Claims (4)
- 立坑の掘削及び掘削土の排出をおこなう立坑掘削装置であって、
面板に少なくともカッタ及びスクレーパの一方を取り付けた掘削装置と、
前記面板の背面に設けた掘削土を泥土状に混練する混練装置と、
スクリューコンベアからなる排土装置と、
前記排土装置に接続する泥水槽と、
泥水を処理する泥水処理プラントと、
前記泥水槽と前記泥水プラントを接続する排泥管と送泥管からなる泥水輸送装置と、からなり、
前記排土装置の土砂吸込み口周辺に、截頭円錐状の吸込み促進具を、截頭部分が前記掘削装置側に位置するように設けたことを特徴とする、
立坑掘削装置。 - 請求項1記載の立坑掘削装置において、掘削土に注入する添加材用プラント及び注入パイプからなる注入装置を設けたことを特徴とする、立坑掘削装置。
- 請求項1又は2に記載の立坑掘削装置において、前記排土装置と前記泥水槽の間にスクリューコンベヤへの逆流防止具を備えたことを特徴とする、立坑掘削装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の立坑掘削装置において、ジャッキによって前記面板を持ち上げて掘削面から引き離すことにより、無加圧状態で前記カッタの交換を可能にしたことを特徴とする、立坑掘削装置。
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- 2001-05-09 JP JP2001139068A patent/JP4546665B2/ja not_active Expired - Lifetime
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