JP4090288B2 - スラグ生成設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、灰溶融炉から排出される溶融スラグを冷却して固化スラグを生成するスラグ生成設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、灰溶融炉から排出される溶融スラグは、直接冷却水中に投入して冷却することにより水砕スラグを生成するものがあり、また溶融スラグをバケットなどに収容して自然空冷するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水冷により生成される水砕スラグは、熱応力による割れのために細粒となり、またガラス質状の非結晶質であるため、圧縮強度が小さいという問題があった。このため、たとえば道路用アスファルトの骨材として使用する場合、水砕スラグには細粒が多く、規格上許容される粒度分布の範囲が狭い。また圧縮強度が低いために添加できる量が限られ、歩留まりが悪く有効利用されにくいという問題があった。
【0004】
一方、自然空冷されるスラグは、結晶質で圧縮強度は十分であるが、固化に長時間を要するため、広い空冷エリアが必要で、生産性が低いという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決して、十分な圧縮強度を確保できるとともに、短時間に冷却できて生産性が高いスラグ生成設備を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、溶融スラグの成分のうち、SiOとCaOとAlとの総和を100wt%とした場合に、SiOが38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Alが12〜40wt%となるように、溶融前の灰に不足する成分調整材を添加して成分調整する調整材添加装置と、灰を加熱溶融する溶融炉と、対向部が下方に移動するように相対方向に回動される一対の冷却用無端回動体の間に、前記溶融炉から供給される溶融スラグを導入して板状スラグに成形し冷却するスラグ冷却装置と、前記冷却用無端回動体の出口で検出された板状スラグの温度に基づいて前記冷却用無端回動体の移動速度を制御するスラグ冷却制御装置とを具備し、前記スラグ冷却制御装置により、冷却用無端回動体の入口で900〜1200℃の溶融スラグを冷却するとともに板状スラグに成形し、1分以上の時間をかけて800℃まで冷却して結晶析出点を通過させ、結晶化度が10%以上の板状スラグを生成するように構成したものである。
【0011】
上記構成によれば、灰溶融炉から排出される溶融スラグを連続して冷却処理することができるとともに、また調整材添加装置により不足する成分を添加することで、板状スラグにアノーサイト結晶を効果的に析出させることができて、結晶化度および圧縮強度を向上させることができる。また冷却用無端回動体により溶融スラグを板状に圧延形成しつつ、スラグ冷却制御装置により冷却用無端回動体の移動速度を制御して、1200〜900℃の溶融スラグを板状に圧延形成しつつ1分以上の時間をかけて800℃まで(平均冷却速度:33℃/分〜400℃/分以下で)冷却することにより、結晶化度が10%以上の板状スラグを効率良く生産することができ、アスファルトなどの骨材として使用可能な十分な圧縮強度を得ることができる。これにより、板状スラグに十分な圧縮強度を確保できるとともに、自然空冷却に比較して冷却時間も短くてすみ、生産性を向上することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、溶融スラグの成分のうち、SiOとCaOとAlとの総和を100wt%とした場合に、SiOが38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Alが12〜40wt%となるように、溶融前の灰に不足する成分調整材を添加して成分調整する調整材添加装置と、灰を加熱溶融する溶融炉と、冷却流体が供給された一対の冷却用無端回動体を対向部が下方に移動するように相対方向に回動させて、前記溶融炉から供給される溶融スラグを板状スラグに成形して冷却するスラグ冷却装置と、前記スラグ冷却装置から排出された板状スラグを通過させてその放熱を制御可能な放熱制御室と、前記冷却用無端回動体の入口または出口で検出されたスラグ温度と、前記放熱制御室出口で検出された板状スラグ温度とに基づいて、前記冷却用無端回動体に供給する冷却流体の供給量を制御する冷却速度制御部とを具備し、該冷却速度制御部により、冷却用無端回動体を介して、冷却用無端回動体の入口で900〜1200℃の溶融スラグを冷却するとともに板状スラグに成形し、1分以上の時間をかけて800℃まで冷却して結晶析出点を通過させ、結晶化度が10%以上の板状スラグを生成するように構成したものである。
【0013】
上記構成によれば、灰溶融炉から排出される溶融スラグを連続して冷却処理することができるとともに、また調整材添加装置により不足する成分を添加することで、板状スラグにアノーサイト結晶を効果的に析出させることができて、結晶化度および圧縮強度を向上させることができる。また冷却用無端回動体により溶融スラグを板状に圧延形成しつつ、冷却温度制御部により冷却用無端回動体に供給される冷却流体の流量を制御して、1200〜900℃の溶融スラグを板状に圧延形成しつつ1分以上の時間をかけて800℃まで(平均冷却速度:33℃/分〜400℃/分以下で)冷却することにより、結晶化度が10%以上の板状スラグを効率良く生産することができ、アスファルトなどの骨材として使用可能な十分な圧縮強度を得ることができる。これにより、板状スラグに十分な圧縮強度を確保できるとともに、自然空冷却に比較して冷却時間も短くてすみ、生産性を向上することができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の構成において、冷却用無端回動体出口の板状スラグの板厚を計測する板厚検出手段と、前記板厚検出手段の計測値に基づいて、冷却用無端回動体の移動速度を制御して板状スラグの板厚を一定に保持するスラグ厚み制御部とを設けたものである。
【0015】
上記構成によれば、板厚制御部により板状スラグの板厚を一定に成形しつつ、冷却温度制御部により無端回動体によるスラグの冷却速度を制御することで、結晶化度が10%以上でアスファルトなどの骨材として使用可能な十分な圧縮強度を有する板状スラグを能率良く生産することができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、冷却用無端回動体を冷却用ロールにより構成し、前記冷却用ロールの、少なくとも溶融スラグが接する外周部を耐熱性および機械的強度を具備し熱伝導率が低い材質により形成したものである。
【0017】
上記構成によれば、外周部が熱伝導率の低いカーボンまたはセラミックスからなる冷却用ロールを使用するので、溶融スラグの冷却速度を十分に遅くして結晶化度を上げることができ、板状スラグの圧縮強度を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係るスラグ生成設備の第1の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。
【0019】
図5に示すように、このスラグ生成設備は、たとえば溶融炉(図ではプラズマ式)21から連続して排出される溶融スラグMをスラグ冷却装置1に導入し、スラグ冷却装置1の冷却用無端回動体の一例である一対の冷却用ロール2により冷却して少なくとも表面が固化された板状スラグCSに成形し、その平均冷却速度を水冷に比べて十分に遅くしてスラグの結晶化度を高め、固化された板状スラグCSの圧縮強度を、アスファルトなどの骨材として使用可能な一軸圧縮強度=980×104Pa以上(100kgf/cm2以上)に高めるもので、自然空冷に比べて大幅な冷却時間の短縮を図り、生産性を高めることができる。
【0020】
灰溶融炉21は、炉本体22の一端側に灰投入口23が形成されるとともに、他端側にスラグ排出口24が形成されている。灰投入口23には、灰ホッパ25の灰Aを所定量ずつ炉本体22内に供給する灰プッシャー26が配置されている。また灰ホッパ25に投入される灰(焼却灰/飛灰)を、板状スラグCSの結晶化を促す組成とするために、図10に示すように、SiO2とCaOとAl23との総和を100wt%とした場合に、SiO2が38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Al23が12〜40wt%となるように、成分調整材を添加して均一に混合し成分調整する調整材添加装置27が設けられており、溶融スラグMの成分範囲Sは、図10に示すアノーサイト結晶を析出する範囲である。なお、通常の焼却灰(高分子系)の場合には、CaOが不足することが多く、焼却灰に成分調整材として石灰を約20wt%前後添加することによりアノーサイド結晶を良好に析出させることができる。
【0021】
この炉本体22の底部にはベースメタルBMが配置され、炉本体2の天部には、昇降位置調整自在な複数の電極(陰電極および陽電極)28が昇降自在に垂下されており、炉本体22および電極28に形成されたガス供給孔29から不活性ガス(たとえば窒素ガス)を炉本体22内に充填されて不活性ガス(酸素不足)雰囲気に保持し、電源装置30から供給された電流により、電極28とベースメタルBMとの間にプラズマアークを発生させ、ベースメタルBM上の灰Aを加熱溶融して溶融スラグMSを生成する。スラグ排出口24には、一定量を越えた溶融スラグMSをオーバーフローさせて排出する堰部31が設けられ、スラグ排出口24から溶融スラグMSをほぼ連続して滴下排出するように構成されている。
【0022】
スラグ冷却装置1は、図1〜図4に示すように、基台フレーム3上に軸心が同一水平面上に配置された前後一対の冷却用ロール2,2がロール軸受4A,4Bを介して配置されている。そして前記ロール軸受4A,4Bのうち、奥側のロール軸受が手前側の固定ロール軸受4Aに対して接近離間自在な可動ロール軸受4Bに構成され、たとえば駆動源をコイルばねやエアシリンダなどの付勢機構を有するロール付勢装置5により可動ロール軸受4Bが固定ロール軸受4A側に所定圧、たとえばばね定数が9.8〜4.41N/mm(1.0〜4.5kg/mm)のコイルばねにより、ロール圧力:9.8×106〜44×106Pa(100〜450kg/cm2)の範囲で調整可能に付勢されている。そして、両冷却用ロール2,2は、ロール回転駆動装置(電動または油圧モータ)6により、チェーンとスプロケット、分配ギヤなどからなる連動機構7を介して相対方向に同期速度で回転駆動される。
【0023】
前記冷却用ロール2,2は同一構造で、上部にガイド堰20と冷却手段8を具備している。この冷却手段8は大型の灰溶融炉21から連続的に溶融スラグMSが供給されるような大規模設備に適したもので、回転軸2bからロール本体2a内に冷却流体(冷却水または冷却空気)を供給排出する冷却用流路8a,8b,8cが形成されており、冷却流体は一方のロータリジョイント8dからの回転軸2bの冷却用流路8bを介してロール本体2a内に供給され、回転軸2bの冷却用流路8cからロータリジョイント8eを介して排出される。
【0024】
上記構成において、灰溶融炉21で1200〜1450℃で溶融された溶融スラグMSが冷却用ロール2,2上に900〜1200℃(表面温度を示す)で供給され、冷却用ロール2,2の回転により冷却されるとともにたとえば厚さ:t=0.8〜3mmの板状スラグCSに成形される。そして成形から1分以上(好ましくは1〜3分)の時間をかけて(平均冷却速度400℃/分〜33℃/分以下)で板状スラグCSが800℃となるように、冷却用ロール2,2と空冷とにより900〜1200℃→800℃に冷却される間に結晶析出点を通過してアノーサイド結晶が部分的に析出される。
【0025】
冷却用ロール2,2の出口には、図に示すように、板状スラグCSの表面温度を検出する温度センサ(温度検出手段)9が配置され、この温度センサ9の検出値に基づいて、スラグ冷却制御装置10によりロール回転駆動装置6の回転速度が制御されている。そして、スラグの冷却成形速度を調整し、この成形から1分以上(好ましくは1〜3分)の時間をかけて板状スラグCSの温度が800℃まで冷却するように制御される。なお、実験によれば、直径が200mmの冷却用ロール2の場合の回転数は3〜15r.p.mの範囲(回転速度:約3.14〜15.7cm/sec)が最適であった。
【0026】
成形された板状スラグCSは、下方に垂下されてスチールコンベヤ12上に落下され、折れ曲がって破断される。また必要に応じてスチールコンベヤ12の上方に所定長さで板状スラグCSを破断または切断する破断装置11を設けてもよい。
【0027】
スチールコンベヤ9により搬送された板状スラグCSの破断片は、800℃未満に冷却された後、トレイ13に投入される。そして後工程で破砕機により粉砕され、アスファルトなどの骨材として再利用される。
【0028】
なお、冷却手段8の他の実施の形態として、図12に示すように、冷却用ロール2の外周面に、外部エアノズル16から冷却エアを吹き付ける冷却手段18Aや、図13に示すように、冷却用ロール2の外周面に、外部冷却水ノズル17から冷却水を吹き付ける冷却手段18Bであってもよい。19は冷却用ロール2の表面に付着した水滴を除去するスクレーパである。
【0029】
また上記冷却用ロール2,2は、スラグと接触する外周材を鋼製としたが、少なくともスラグと接触する外周材を、鋼製の熱伝導率に比較して1/10程度の低い熱伝導率でかつ耐熱性で機械的強度を有する材質により形成して、冷却時間を長くすることもできる。たとえばこのような材質として、カーボンやセラミックスが採用可能で、図14に示すように、中実のカーボン製またはセラミックス製のロール2Aや、鋼製ロール軸2Cの外周部にカーボン製またはセラミックス製の外筒2Bを外嵌固定した複合ロール2Dとなる。
【0030】
(実験例1)
内部から冷却水により冷却する冷却手段8を有し、外径が200mmの鋼製冷却用ロール2,2を3〜15r.p.m(回転速度:3.14〜15.7cm/s)の範囲で回転駆動し、1200℃〜900℃の溶融スラグMSを冷却用ロール2間で圧延成形し、この成形から1分間以上をかけて空冷して板状スラグを800℃まで冷却し、厚みが0.3〜3mmの板状スラグCSを形成した。
【0031】
たとえば冷却用ロール2で回転速度3.14cm/sで1100℃の溶融スラグMSを3分間かけて800℃まで冷却し(平均冷却速度約100℃/分)、厚み3mmの板状スラグCSを形成した時、ロール付勢装置5のばね定数が40.2N/mm(4.1kg/mm)で、ロール2,2による溶融スラグMSへの圧力は、40×106Pa(410kg/cm2)であった。この板状スラグCSのサンプルをX線回折解析(X-RAY DIFFRACTOMETER)にかけた時のグラフを図6に示す。このグラフの横軸は回折角(2θ)で、縦軸はX線強度であり、下部にピーク値の度数を示している。図6によれば、図7に示す水冷による水砕スラグのX線回折解析図と比較すると、図7ではほとんどピーク値が表れていないのに対して、図6では多数のピーク値が表れており、結晶化されていることがわかる。
【0032】
ここで、結晶化度を算出する場合には、X線回折解析図からX線強度の3本の最大ピーク値を合計して合計ピーク値を求め、結晶化度が100%の3本の最大ピーク値3本を合計して飽和ピーク値を求め、結晶化度=合計ピーク値/飽和ピーク値×100(%)により求めている。
【0033】
これによれば、図6の結晶化度は30.0%であり、その一軸圧縮強度は3040×104Pa(310kgf/cm2)であった。
なお、比較のために、自然空冷した場合の固化スラグのX線回折解析図を図8に示す。図8に示す自然空冷した板状スラグの結晶化度は80.0%であり、またその一軸圧縮強度は6860×104Pa(700kgf/cm2)であった。
【0034】
(実験例2)
12のように、外側から冷却用エアを吹き付けて冷却する冷却手段18Aを有する外径200mmの鋼製冷却用ロール2,2を回転速度5.86cm/sec(5.6r.p.m)で回転駆動し、1100℃の溶融スラグMSを冷却用ロール2間で冷却しつつ圧延し、3分間をかけて空冷して800℃まで冷却し(平均冷却速度100℃/分)、厚みが1.0mmの板状の板状スラグCSを形成した。
【0035】
図9は、上記板状スラグCSのサンプルをX線回折解析(X-ray Diffractometer)にかけた時のグラフである。図9によれば、多数のピーク値が表れて結晶化しており、結晶化度は10.5%で、その一軸圧縮強度は1270×104Pa(130kgf/cm2)であった。
【0036】
表1および図11に実験により得られた結晶化度と一軸圧縮強度との関係を示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004090288
上記実施の形態によれば、溶融スラグMSを冷却手段8,18A,18Bを有する冷却用ロール2,2間に導入し板状に圧延成形しつつ冷却し、1200℃〜900℃の溶融スラグCSを1分以上かけて800℃まで冷却することにより、結晶化度10%以上に結晶を析出させて、アスファルト用骨材として必要な980×104Pa(100kgf/cm2)以上の一軸圧縮強度を確保することができる。
【0038】
したがって、従来の自然空冷のように、冷却に要する時間を大幅に短縮できて生産性を向上でき、アスファルトに適した圧縮強度の骨材を生産することができる。
【0039】
またここで、1200℃〜900℃の溶融スラグMSを800℃まで冷却する時間が3分を越えると、作業時間が長く必要で生産能率が低下し、設備機器のラインが長くなってコストの増大を招くことになる。
【0040】
さらに、調整材添加装置27により、溶融前の灰(焼却灰・飛灰)を成分調整材を添加混合して、溶融スラグMの成分がSiO2を38〜63wt%、CaOが15〜40wt%、Al23が18〜40wt%の範囲とすることで、冷却用ロール2,2による圧延冷却により、板状スラグCSにアノーサイト結晶を析出させることができ、圧縮強度の高い板状スラグCSを得ることができる。
【0041】
さらにまた、スラグ冷却装置1において、冷却用ロール2の出口に板状スラグの温度(表面)を検出する温度センサ9を配置し、温度センサ9の検出値に基づいてスラグ冷却制御装置10によりロール回転駆動装置6を制御し、冷却用ロール2を適正な回転速度に制御することにより、1200℃〜900℃の溶融スラグMSを1分以上かけて800℃まで冷却して結晶析出点を通過させることができ、結晶化度が10%以上で圧縮強度がアスファルトの骨材の基準規格である一軸圧縮強度980×104Pa(100kgf/cm2)以上の板状スラグを得ることができる。
【0042】
16は冷却用無端回動体と冷却手段の他の実施の形態を示すもので、冷却用ロール2,2に代えて、上下一対の回転体41,42を前後2組配置し、上下の回転体41,42間にそれぞれ鋼製ベルト(無端回動体)43を巻張したものである。これにより、鋼製ベルト43の間に溶融スラグMSを挟み込んで形状を保持した状態で冷却しつつ板状に成形することができ、溶融スラグを凝固させつつ板形状を十分に保持して徐冷することができる。また冷却手段18Cとして、溶融スラグMSを挟み込んだ搬送側や戻り側の鋼製ベルト43に冷却水や冷却エアを吹き付ける冷却ノズル44が配置される。
【0043】
したがって、溶融スラグMSを鋼製ベルト43を介して板状な圧延成形するとともに1分以上の時間をかけて1200℃〜900℃の溶融スラグMSを800℃まで冷却することができ、これにより結晶化度が10%以上で、圧縮強度がアスファルトの骨材に適した980×104Pa(100kgf/cm2)以上の板状スラグを短時間で得ることができる。
【0044】
上記実施の形態では、灰溶融炉21をプラズマ式としたが、バーナー式や他の電気形式の抵抗炉やアーク炉であってもよい。
次に本発明に係るスラグ生成設備の第2の実施の形態を図17〜図20に基づいて説明する。なお、第1の実施の形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
第1の実施の形態の板状スラグCSの冷却は、スチールコンベヤ12上で空冷していたが、第2の実施の形態では、図17に示すように、スチールコンベヤ12上の板状スラグCSを覆って外気から遮断し、板状スラグCSの放熱量を調整することにより、平均冷却速度を調整可能な放熱制御室51が設けられており、この放熱制御室51では、板状スラグCSを断熱材を有する隔壁で覆って外気から遮断することにより、放熱を減少させて平均冷却速度を低下させるように構成されている。
【0046】
また第1の実施の形態では、冷却用ロール2出口の板状スラグCSの表面温度を検出する温度センサ9の検出値に基づいて、ロール回転駆動装置6の回転速度が制御するスラグ冷却制御装置10が設けられていた。
【0047】
これに対して、第2の実施の形態では、冷却用ロール2A,2Bの出口の板状スラグCSの厚みを検出するスラグ厚み検出センサ(板厚検出手段)Stの検出値に基づいて、ロール回転駆動装置6の回転速度を制御し、目的の板厚の板状スラグCSを成形するスラグ厚み制御部52が設けられている。また冷却用ロール2出口の板状スラグCSの温度(表面温度)を検出する第1温度センサ(高温部温度検出手段)T1と、放熱制御室51の出口の板状スラグCSの温度を検出する第2温度センサ(低温部温度検出手段)T2と、第1温度センサT1および第2温度センサT2の検出値に基づいて、流量制御弁53a,53bを制御し冷却用ロール2A,2Bに供給する冷却水の流量を調整し、板状スラグCSの平均冷却速度を制御する冷却速度制御部54が設けられている。なお、第1温度センサT1は冷却用ロール2,2の入口の温度を検出するものであってもよい。
【0048】
上記構成において、ごみ焼却炉などから排出される灰(焼却灰/飛灰)に、調整材添加装置27によりたとえば成分調整材として、アルミナを多く含んだ焼却灰/飛灰を添加混合し、灰に含まれるSiO2とCaOとAl23との総和を100wt%とした場合に、SiO2が38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Al23が12〜40wt%の範囲となるように成分調整する。そして、この灰を溶融炉(バーナ式、電気式、自己熱灰溶融式焼却炉など、図はプラズマ式)に投入して加熱溶融し、スラグ排出口24から排出される溶融スラグをガイド堰0を介して直接一対の冷却用ロール2,2間に導入し、冷却すると同時に板状スラグCSを成形する。この時、スラグ厚み制御部52により冷却用ロール2,2の回転速度を調整して所定厚みの板状スラグCSを連続して成形する。そして、冷却速度制御部54により板状スラグCSの板厚に応じて、冷却用ロール2,2への冷却水の供給量を制御し、冷却用ロール2,2の入口で表面温度が1200〜900℃であった溶融スラグを板状スラグCSに形成し、冷却用ロール2,2による直接冷却と放熱制御室51での空冷とにより平均冷却速度で800℃まで冷却して結晶析出点を通過させる。
【0049】
これにより、板状スラグCSにおけるアノーサイト結晶を結晶化度10%以上、好ましくは10〜70%の範囲で結晶化させる。結晶化度が10%以上で、一軸圧縮強度がアスファルトの骨材に適した980×104Pa(100kgf/cm2)以上の板状スラグを短時間で得ることができる。なお、結晶化度70%では一軸圧縮強度が約7600×104Pa(約780kgf/cm2)である。ここで結晶化度の上限を70%以下としたのは、冷却時間が長くなると生産能率が低下し、スチールコンベヤ12のラインや放熱制御室51の長さが長くなって、製造コストを増大させるためである。
【0050】
次に板状スラグCSの板厚に対する冷却速度について実験例を参照して説明する。
(実験例3)板厚み1.0mm未満の場合
灰を成分調整して、SiO2とCaOとAl23との総和を100wt%とした場合に、SiO2が41.7wt%、CaOが25.0wt%、Al23が33.3wt%の灰をプラズマ式灰溶融炉21に投入して加熱溶融した。そして15r.p.m(回転速度:12.25cm/s)で回転される外径260mmの鋼製冷却用ロール2,2を15r.p.m(回転速度:12.25cm/s)に、溶融スラグMSを導入して圧延し厚さ0.8mm板状スラグCSを形成し、次いで放熱制御室51を通過させて60℃/分で800℃まで冷却した。この時のロール2,2による溶融スラグMSへの圧力は、39.2×106Pa(400kg/cm2)であった。
【0051】
上記板状スラグCSをX線回折分析にかけると、図18に示すようになり、ピーク値が検出されて結晶化度が42.0%であった。この時の一軸圧縮強度は4508×104Pa(460kgf/cm2)であり、一軸圧縮強度がアスファルトの骨材に適した980×104Pa(100kgf/cm2)以上であるのが確認された。
【0052】
上記と同様にSiO2が38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Al23が12〜40wt%の範囲とその範囲前後の複数の灰を加熱溶融して、その平均冷却速度を変化させ、厚さ1mm未満の板状スラグCSをサンプリングした結果、80℃/分で冷却された0.8mmの板状スラグCSでは、その結晶化度が約10%で一軸圧縮強度が980×104Pa(100kgf/cm2)であり、平均冷却速度が80℃/分未満の冷却された厚さ1mm未満の板状スラグCSは、結晶化度が約10%未満となり、アスファルトの骨材として必要な圧縮強度が得られないことがわかった。
【0053】
(実験例4)板厚み1.0〜2.5mm未満の場合
成分調整されて、SiO2とCaOとAl23との総和を100wt%とした場合に、SiO2が41.9wt%、CaOが21.6wt%、Al23が36.5wt%の灰を、プラズマ式灰溶融炉21に投入して加熱溶融した。そして7.5r.p.m(回転速度:6.13cm/s)で回転される外径260mmの鋼製冷却用ロール2,2を15r.p.m(回転速度:12.25cm/s)に、溶融スラグMSを導入して圧延し厚さ2.0mmの板状スラグCSを形成し、次いで放熱制御室51を通過させて80℃/分で800℃まで冷却した。この時のロール2,2による溶融スラグMSへの圧力は、24.5×106Pa(250kg/cm2)であった。
【0054】
上記板状スラグCSをX線回折分析にかけると、図19のようになり、ピーク値が検出されて結晶化度が35%で、その一軸圧縮強度が3626×104Pa(370kgf/cm2)であり、一軸圧縮強度がアスファルトの骨材に適した980×104Pa(100kgf/cm2)以上であるのが確認された。
【0055】
上記と同様にSiO2が38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Al23が12〜40wt%の範囲とその範囲前後の複数の灰を加熱溶融して、その平均冷却速度を変化させ、厚さ1.0〜2.5mm未満の板状スラグCSをサンプリングした結果、100℃/分で冷却された板状スラグCSでは、結晶化度が約10.5%未満で一軸圧縮強度が1029×104Pa(105kgf/cm2)であり、その結果平均冷却速度が100℃/分未満で冷却された厚さ1mm未満の板状スラグCSは、アスファルトの骨材として必要な強度が得られないことがわかった。
【0056】
(実験例5)板厚み2.5〜4.0mm以下の場合
成分調整されて、SiO2とCaOとAl23との総和を100wt%とした場合に、SiO2が42.8wt%、CaOが27.2wt%、Al23が30.0wt%の灰を、プラズマ式灰溶融炉21に投入して加熱溶融した。そして2.5r.p.m(回転速度:2.04cm/s)で回転される外径260mmの鋼製冷却用ロール2,2溶融スラグMSを導入して圧延し、厚さ3.0mmの板状スラグCSを形成し、次いで放熱制御室51を通過させて平均冷却速度100℃/分で800℃まで冷却した。この時のロール2,2による溶融スラグMSへの圧力は、14.7×106Pa(150kg/cm2)であった。
【0057】
上記板状スラグCSをX線回折分析にかけると、図20のようになり、ピーク値が検出されて結晶化度が55.0%で、その一軸圧縮強度が5292×104Pa(540kgf/cm2)であり、一軸圧縮強度がアスファルトの骨材に適した980×104Pa(100kgf/cm2)以上であるのが確認された。
【0058】
上記と同様にSiO2が38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Al23が12〜40wt%の範囲とその範囲前後の複数の灰を加熱溶融して、その平均冷却速度を変化させ、厚さ2.5〜4.0mm以下の板状スラグCSをサンプリングし、調査した結果、120℃/分を越えて冷却された板状スラグCSでは、結晶化度が約10.8%未満で一軸圧縮強度が1058×104Pa(約108kgf/cm2)であり、120℃/分未満の平均冷却速度で冷却された厚さ2.5〜4.0mm以下の板状スラグCSはアスファルトの骨材として必要な強度が得られないことがわかった。
【0059】
なお、平均冷却速度が大きいほど、結晶化度が高くなり、大きい一軸圧縮強度が得られるが、反対に冷却時間がながくなり、破砕動力も必要となって生産性が低下するため、結晶化度を70%と設定した場合の各板厚に対する冷却速度をサンプリング試料から推測した。
【0060】
厚さ1mm未満の板状スラグCSでは、40℃/分で冷却されたものの結晶化度が約68%で、一軸圧縮強度が7056×104Pa(720kgf/cm2)であった。また厚さ1.0〜2.5mm未満の板状スラグCSでは、60℃/分で冷却されたものの結晶化度が約62%で、一軸圧縮強度が約6076×104Pa(620kgf/cm2)であった。さらに厚さ2.5〜4.0mm以下の板状スラグCSでは、80℃/分で冷却されたものの結晶化度が約69.8%で、一軸圧縮強度が約6540×104Pa(680kgf/cm2)であった。
【0061】
上記実験例3〜5を表2に示す。
【0062】
【表2】
Figure 0004090288
なお、上記説明において、結晶化度を計算する場合には、サンプリングした試料のX線回折図形を結晶性部分と非結晶性部分とに分けて面積比を求め、結晶化度を計算している。
【0063】
上記実施の形態によれば、灰の成分のうち、SiO2とCaOとAl23の成分比率をアノーサイト結晶を形成する領域内となるように調整し、一対の冷却ロール2,2により冷却成形される板状スラグを、板厚に対応して冷却水の供給量を制御して、冷却ロール2,2による直接冷却とその後の放熱制御室51内での空冷による平均冷却速度を制御することにより、アノーサイト結晶の結晶化度を10%以上として、アスファルトの骨材として必要な圧縮強度のある板状スラグを製造することができる。
【0064】
またスラグ厚み制御部52により冷却ロール2,2の回転速度を制御することにより、板状スラグの厚みを一定に制御することができ、溶融炉21からの出滓量が変動しても容易に対応することができる。
【0065】
したがって、溶融炉21から排出される溶融スラグを連続して冷却し、短時間に必要な強度を有する固化スラグを製造することができ、再度粉砕する必要があるが、粒度も粗く、圧縮強度が十分に得られるので、アスファルトの骨材としての添加量を増大できる。また固化を短時間で行えるため、従来のように広い空冷エリアも不要で、生産性が高い。
【0068】
【発明の効果】
以上に述べたごとく請求項1記載の発明によれば、灰溶融炉から排出される溶融スラグを連続して冷却処理することができるとともに、また調整材添加装置により不足する成分を添加することで、板状スラグにアノーサイト結晶を効果的に析出させることができて、結晶化度および圧縮強度を向上させることができる。また冷却用無端回動体により溶融スラグを板状に圧延形成しつつ、スラグ冷却制御装置により冷却用無端回動体の移動速度を制御して、1200〜900℃の溶融スラグを板状に圧延形成しつつ1分以上の時間をかけて800℃まで(平均冷却速度:33℃/分〜400℃/分)冷却することにより、結晶化度が10%以上の板状スラグを効率良く生産することができ、アスファルトなどの骨材として使用可能な十分な圧縮強度を得ることができる。これにより、板状スラグに十分な圧縮強度を確保できるとともに、自然空冷却に比較して冷却時間も短くてすみ、生産性を向上することができる。
【0069】
請求項2記載の発明によれば、灰溶融炉から排出される溶融スラグを連続して冷却処理することができるとともに、また調整材添加装置により不足する成分を添加することで、板状スラグにアノーサイト結晶を効果的に析出させることができて、結晶化度および圧縮強度を向上させることができる。また冷却用無端回動体により溶融スラグを板状に圧延形成しつつ、冷却温度制御部により冷却用無端回動体に供給される冷却流体の流量を制御して、1200〜900℃の溶融スラグを板状に圧延形成しつつ1分以上の時間をかけて800℃まで(平均冷却速度:33℃/分〜400℃/分)冷却することにより、結晶化度が10%以上の板状スラグを効率良く生産することができ、アスファルトなどの骨材として使用可能な十分な圧縮強度を得ることができる。これにより、板状スラグに十分な圧縮強度を確保できるとともに、自然空冷却に比較して冷却時間も短くてすみ、生産性を向上することができる。
【0070】
請求項3記載の発明によれば、板厚制御部により板状スラグの板厚を一定に成形しつつ、冷却温度制御部により無端回動体によるスラグの平均冷却速度を制御することで、結晶化度が10%以上でアスファルトなどの骨材として使用可能な十分な圧縮強度を有する板状スラグを能率良く生産することができる。
【0071】
請求項4記載の発明によれば、外周部が熱伝導率の低いカーボンまたはセラミックスからなる冷却用ロールを使用するので、溶融スラグの平均冷却速度を十分に遅くして結晶化度を上げることができ、板状スラグの圧縮強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスラグ生成設備の第1の実施の形態を示す冷却用ロールの横断面図である。
【図2】同冷却用ロールを示す平面半断面図である。
【図3】同冷却装置の側面図である。
【図4】同冷却装置の平面図である。
【図5】同冷却装置を備えたスラグ生成設備を示す全体構成図である。
【図6】実験例1により生成された板状スラグのX線回折解析図である。
【図7】水冷により生成された従来の水砕スラグのX線回折解析図(比較例)である。
【図8】自然空冷により生成された板状スラグのX線回折解析図(比較例)である。
【図9】実験例2で異なる冷却手段を用いて実験により生成された板状スラグのX線回折解析図である。
【図10】溶融スラグの成分SiO2、CaO、Al23の割合を示す層図である。
【図11】板状スラグの結晶化率と一軸圧縮強度の関係を示すグラフである。
【図12】同冷却装置の第2の冷却手段を示す側面図である。
【図13】同冷却装置の第3の冷却手段を示す側面図である。
【図14】同冷却装置の他の冷却用ロールの構造を示す断面図である。
【図15】同冷却装置のさらに他の冷却用ロールの構造を示す断面図である。
【図16】同冷却装置の他の実施の形態を示す側面断面図である。
【図17】本発明に係るスラグ生成設備の第2の実施の形態を示す全体構成図である。
【図18】実験例3により生成された板状スラグのX線回折解析図である。
【図19】実験例4により生成された板状スラグのX線回折解析図である。
【図20】実験例5により生成された板状スラグのX線回折解析図である。
【符号の説明】
A 灰
MS 溶融スラグ
CS 板状スラグ
BM ベースメタル
1 スラグ冷却装置
2 冷却用ロール
4A 固定軸受
4B 可動軸受
5 ロール付勢装置
6 ロール回転駆動装置
7 連動機構
8 冷却手段
9 温度センサ
10 スラグ冷却制御装置
11 破断装置
12 スチールコンベヤ
18A 冷却手段
18B 冷却手段
20 ガイド堰
21 灰溶融炉
27 調整材添加装置
41,42 回転体
43 鋼製ベルト
44 冷却ノズル
T1 第1温度センサ
T2 第2温度センサ
51 放熱制御室
52 スラグ厚み制御部
53a,53b 流量制御弁
54 冷却速度制御部

Claims (4)

  1. 溶融スラグの成分のうち、SiO とCaOとAl との総和を100wt%とした場合に、SiO が38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Al が12〜40wt%となるように、溶融前の灰に不足する成分調整材を添加して成分調整する調整材添加装置と、
    灰を加熱溶融する溶融炉と、
    対向部が下方に移動するように相対方向に回動される一対の冷却用無端回動体の間に、前記溶融炉から供給される溶融スラグを導入して板状スラグに成形し冷却するスラグ冷却装置と、
    前記冷却用無端回動体の出口で検出された板状スラグの温度に基づいて前記冷却用無端回動体の移動速度を制御するスラグ冷却制御装置とを具備し、
    前記スラグ冷却制御装置により、冷却用無端回動体の入口で900〜1200℃の溶融スラグを冷却するとともに板状スラグに成形し、1分以上の時間をかけて800℃まで冷却して結晶析出点を通過させ、結晶化度が10%以上の板状スラグを生成するように構成した
    ことを特徴とするスラグ生成設備。
  2. 溶融スラグの成分のうち、SiO とCaOとAl との総和を100wt%とした場合に、SiO が38〜68wt%、CaOが12〜40wt%、Al が12〜40wt%となるように、溶融前の灰に不足する成分調整材を添加して成分調整する調整材添加装置と、
    灰を加熱溶融する溶融炉と、
    冷却流体が供給された一対の冷却用無端回動体を対向部が下方に移動するように相対方向に回動させて、前記溶融炉から供給される溶融スラグを板状スラグに成形して冷却するスラグ冷却装置と、
    前記スラグ冷却装置から排出された板状スラグを通過させてその放熱を制御可能な放熱制御室と、
    前記冷却用無端回動体の入口または出口で検出されたスラグ温度と、前記放熱制御室出口で検出された板状スラグ温度とに基づいて、前記冷却用無端回動体に供給する冷却流体の供給量を制御するスラグ冷却制御部とを具備し、
    該スラグ冷却制御部により、冷却用無端回動体を介して、冷却用無端回動体の入口で900〜1200℃の溶融スラグを冷却するとともに板状スラグに成形し、1分以上の時間をかけて800℃まで冷却して結晶析出点を通過させ、結晶化度が10%以上の板状スラグを生成するように構成した
    ことを特徴とするスラグ生成設備。
  3. 冷却用無端回動体出口の板状スラグの板厚を計測する板厚検出手段と、
    前記板厚検出手段の計測値に基づいて、冷却用無端回動体の移動速度を制御して板状スラグの板厚を一定に保持するスラグ厚み制御部とを設けた
    ことを特徴とする請求項2記載のスラグ生成設備。
  4. 冷却用無端回動体を冷却用ロールにより構成し、
    前記冷却用ロールの、少なくとも溶融スラグが接する外周部を耐熱性および機械的強度を具備し熱伝導率が低い材質により形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスラグ生成設備。
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