JP2001180991A - 溶融スラグの処理方法及びその処理設備 - Google Patents

溶融スラグの処理方法及びその処理設備

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JP2001180991A
JP2001180991A JP37019999A JP37019999A JP2001180991A JP 2001180991 A JP2001180991 A JP 2001180991A JP 37019999 A JP37019999 A JP 37019999A JP 37019999 A JP37019999 A JP 37019999A JP 2001180991 A JP2001180991 A JP 2001180991A
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slag
molten slag
cooled
cooling
molten
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JP37019999A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Akashi
哲夫 明石
Hidenobu Hiraoka
英伸 平岡
Katsuo Watanabe
克夫 渡辺
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理能力が大きく、冷却されたスラグが容易
に剥離されると共に、所望粒度の粒状スラグが高い歩留
まりで得られる溶融スラグの処理方法及びその処理設備
を提供すること。 【解決手段】 冷却可能に構成され、その外周面上に溶
融スラグ50を供給して付着させるための一対の水冷ド
ラム11a,11bが外周面を接して水平に配置され、
この一対の水冷ドラム11a,11bが何れも外周面を
接した箇所が上方に向かう方向に回転するように構成さ
れた溶融スラグ冷却装置10と、溶融スラグ冷却装10
から剥離したスラグ52を圧延するためのスラグ圧延装
置20a,20bと、圧延されたスラグをガラス転移点
を下回る温度範囲まで冷却するための二次冷却装置20
a,20bと、圧延されたスラグを破砕する破砕機40
a,40bを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ごみなどの廃棄
物焼却残渣を溶融処理した際に排出される溶融スラグや
製鉄所で発生する高炉スラグなどの溶融スラグを冷却・
固化する処理方法及びその処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄所においては、発生する溶融スラグ
の多くがスラグ置き場へ搬送されて徐冷され、固化され
ているが、一部の溶融スラグについては、水中に投入し
て直接冷却する急冷処理がなされている。又、廃棄物の
溶融処理施設においても、製鉄所の場合と同様に、溶融
スラグを自然冷却する徐冷又は水中に投入して直接冷却
する急冷処理が行われている。
【0003】溶融スラグの急冷処理においては、上記の
ような直接冷却の他に、間接冷却による試みがなされて
いる。この間接冷却による急冷法については、冷却され
た金属体の上に溶融スラグを供給して冷却する技術の提
案がなされており、その利点として、水分を含まないス
ラグが得られるため、セメント原料などに供する場合に
乾燥処理を必要としない、と言うことなどが挙げられて
いる。
【0004】上記の間接冷却による急冷処理について
は、種々の技術が提案されているが、そのうち、冷却さ
れた回転体の上に溶融スラグを供給して冷却する方式の
技術がある。この技術においては、冷却されたロールや
ドラムなどの円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供
給して付着させ、冷却・固化されたスラグを剥離して排
出する操作が行われる。このような技術としては、例え
ば、特開平10−287453号公報、特開昭60−2
64349号公報、特公昭61−8912号公報に開示
された装置が示されている。
【0005】特開平10−287453号公報に記載さ
れている装置は、複数の水冷ロールが外周面を接して配
置されたものであって、廃棄物などの溶融炉から発生す
る溶融スラグを上記の水冷ロールの上に落下させ、複数
の水冷ロール上を順次転送しながら冷却・造粒する構成
になっている。
【0006】特開昭60−264349号公報に記載さ
れている装置は、冷却された2基のロールが水平方向に
間隔をあけて配置されており、2基のロールの間に溶融
スラグを供給するようになっている。この装置によれ
ば、2基のロールが互いに下側に向かって噛み合う状態
になるように反対方向に回転し、スラグが圧延されて下
方へ押し出される。次いで、押し出されたスラグは冷却
パネルの間を通過して再度冷却された後、破砕される。
【0007】又、特公昭61−8912号公報に記載さ
れている装置は、冷却された2基のドラムが外周面を接
して水平に配置されており、2基のドラムの間に溶融ス
ラグを供給するようになっている。この装置によれば、
2基のドラムが互いに付着した溶融スラグを上側へ持ち
上げるように反対方向に回転し、付着したスラグはドラ
ムの下端部に設けられたピンチロールで押圧され、さら
にカッターにより掻き取られて排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術においては、次のような問題点がある。特開平10−
287453号公報に記載されている装置においては、
溶融スラグを冷却する際に、同時に粒状化する構成にな
っているので、溶融スラグを滴下するように供給しなけ
ればならない。このため、水冷ロールの外周面が冷却面
として活用される度合いが非常に小さく、装置の処理能
力が小さい。
【0009】特開昭60−264349号公報に記載さ
れている装置においては、2基のロールの間隙からスラ
グが圧延されて下方へ押し出されるので、水冷ロールの
冷却面が最大でも外周面の1/4周分(90°分)であ
り、ロールの外周面が冷却面として活用される度合いが
小さい。
【0010】又、2基のロールの間隙からほぼ一定量の
スラグが押し出されるので、押し出される溶融スラグ量
に相当する量の溶融スラグが供給されるように、溶融ス
ラグの供給量を精度よく制御しなければならない。しか
し、温度が極めて高く、或いはスラグの種類によっては
粘性が非常に高い、溶融スラグの流量を精度よく制御す
ることは困難である。
【0011】又、特公昭61−8912号公報に記載さ
れている装置においては、ドラムに付着して冷却・固化
したスラグをピンチロールやカッターなどを使用して剥
離しなければならないので、ドラムの外周面に疵が発生
しやすい。そして、外周面に疵があるドラムを使用する
と、ドラムに付着したスラグが更に剥離しにくくなる。
【0012】さらに、従来技術においては、排出された
スラグを粒状品にして有効利用する場合、製品歩留まり
が非常に低いと言う問題がある。すなわち、廃棄物溶融
処理施設などにおいて、例えば、道路舗装材の用途に供
する場合には、破砕処理及び篩い分け処理を行い、規格
に適合する粒状スラグを得るための整粒操作が行われ
る。しかし、上記従来技術により得られたスラグを破砕
すると、規格外れの細粒や粉が多量に発生する。このた
め、スラグの有効利用が不十分である上に、粒状スラグ
の製造コストが高くなっている。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、処理能力が大きく、冷却されたスラグが容易に剥離
されると共に、所望粒度の粒状スラグが高い歩留まりで
得られる溶融スラグの処理方法及びその処理設備を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明に
より解決される。第1の発明に係る溶融スラグの処理方
法は、冷却されたスラグを剥離して排出する溶融スラグ
の処理方法において、円筒状回転体に付着したスラグが
離脱点に達した時点で、そのスラグを可塑性を有する状
態に保持しながら剥離させ、剥離したスラグを圧延して
所定形状に成形することを特徴としている。
【0015】第2の発明に係る溶融スラグの処理方法
は、第1の発明において、剥離したスラグを圧延して所
定形状に成形したスラグを破砕することを特徴としてい
る。
【0016】第3の発明に係る溶融スラグの処理方法
は、第1の発明において、剥離したスラグを圧延して所
定形状に成形したスラグを冷却して固化させた後、破砕
することを特徴としている。
【0017】第4の発明に係る溶融スラグの処理方法
は、第1〜第3の何れかの発明において、剥離したスラ
グを圧延して所定形状に成形する際に、外周面に多数の
凸部を有するロールを使用して圧延することを特徴とし
ている。
【0018】第5の発明に係る溶融スラグの処理設備
は、冷却されている円筒状回転体の外周面上に溶融スラ
グを供給して付着させ、冷却されたスラグを剥離して排
出する溶融スラグの処理設備において、冷却可能に構成
され、その外周面上に溶融スラグを供給して付着させる
ための一対の円筒状回転体が外周面を接して水平に配置
され、この一対の円筒状回転体が何れも外周面を接した
箇所が上方に向かう方向に回転するように構成された溶
融スラグ冷却装置と、溶融スラグ冷却装置から剥離した
スラグを圧延するためのスラグ圧延装置を備えたことを
特徴としている。
【0019】第6の発明に係る溶融スラグの処理設備
は、第5の発明において、圧延されたスラグを破砕する
破砕機を有することを特徴としている。
【0020】第7の発明に係る溶融スラグの処理設備
は、第5の発明において、圧延されたスラグをガラス転
移点を下回る温度範囲まで冷却するための二次冷却装置
と、冷却されたスラグを破砕する破砕機を有することを
特徴としている。
【0021】第8の発明に係る溶融スラグの処理設備
は、第7の発明において、二次冷却装置が冷却流体を吹
き付ける方式によるものであることを特徴としている。
【0022】第9の発明に係る溶融スラグの処理設備
は、第5〜第8の発明において、円筒状回転体に付着し
ているスラグの表面温度を測定するための温度計が設け
られ、この温度計の測定値に基づいて円筒状回転体の回
転数を調節することが可能に構成されたことを特徴とし
ている。
【0023】円筒状回転体を用いる溶融スラグの冷却・
固化処理において、円筒状回転体からのスラグの剥離が
容易であることが、安定操業を行うための条件の一つで
ある。そこで、本発明者らが、円筒状回転体に付着した
スラグを容易に剥離させる条件を見出すために種々の試
験を行った結果、次のような知見を得た。すなわち、ス
ラグが十分に冷却されておらず、未だ可塑性を有する状
態においては、冷却された金属体とスラグとの付着度合
いは非常に小さい。そして、スラグが可塑性を有する状
態で付着している円筒状回転体を回転させ、スラグを離
脱点に到達させると、付着していたスラグはたやすく剥
離する。
【0024】円筒状回転体に付着したスラグを可塑性を
有する状態に保持するためには、付着したスラグの外面
の温度をそのスラグの溶流点未満でかつガラス転移点を
超える範囲に保持し、スラグを冷却不十分の状態にす
る。スラグの温度が溶流点未満であれば、スラグが帯状
に成形された状態に保たれ、又、スラグの温度がガラス
転移点を超える範囲であれば、スラグは可塑性を有する
状態に保たれる。なお、溶融スラグは発生源や被処理物
の種類によって組成が異なるので、溶流点及びガラス転
移点については、その組成における値を用いる必要があ
る。
【0025】上記溶流点とは、JIS(K2151)に
規定された方法によって測定される温度であって、現象
的には、固体スラグを加熱して昇温させたときに、最初
に溶融・流動が始まる温度を指すものとする。なお、こ
の温度状態におけるスラグの粘度は105 poise程度で
あると言われている。
【0026】付着したスラグの温度管理に際しては、ス
ラグの組成によって異なるが、上限温度が1200〜1
350℃程度の範囲、下限温度が600〜1000℃程
度の範囲に設定される。
【0027】本発明においては、一対の円筒状回転体が
何れも外周面を接した箇所が、朝顔の外形を描くよう
に、上方に向かって回転するので、円筒状回転体に付着
したスラグは上昇して外側へ移動し、次いで、下降して
上記の外周面を接した箇所と同じ高さの位置(以下、離
脱点と言う)に達する。この位置において、スラグが可
塑性を有する温度に保持されていれば、円筒状回転体上
に形成されている帯状のスラグは自重によって円筒状回
転体から自然剥離し、垂れ下がって下降する。もしも、
スラグの温度が可塑性を有する温度を下回っている場合
には、帯状のスラグが円筒状回転体の曲率に合わせた形
状に固化して付着し、上記のような自然剥離が行われな
くなる。このため、離脱点におけるスラグが可塑性を有
する温度に保つために、円筒状回転体の回転数を変えて
冷却量を調節する。
【0028】又、本発明においては、上記のように、外
周面を接して配置された一対の円筒状回転体を上方に向
かって回転させ、円筒状回転体に付着したスラグを順次
排出させるので、スラグの温度が上記範囲内であれば、
排出されるスラグの厚さが変動してもよい。このため、
溶融スラグの供給量の変動が許容される。
【0029】本発明においては、スラグの表面温度を測
定し、この値に基づいて円筒状回転体の回転数を制御す
ることにより、スラグの冷却量を調節することができる
ので、剥離したスラグを圧延可能な状態に保持しながら
溶融スラグの冷却処理を行うことができる。
【0030】又、本発明においては、円筒状回転体から
剥離したスラグを圧延するので、スラグを所望の厚さに
することができる。このため、これを破砕すれば、比較
的粒径が揃った粒状スラグが得られる。
【0031】特に、外周面に多数の凸部を設けたロール
で圧延した場合には、スラグの表面に多数の凹部が形成
されるので、破砕時にはこの凹部が応力集中部となって
破砕される。このため、スラグの破砕が容易に行われる
と共に、細粒品や粉の発生が減少する。
【0032】又、本発明においては、圧延されたスラグ
を冷却するための二次冷却装置が設けられており、スラ
グの冷却が円筒状回転体と二次冷却装置によって2段階
に行われる。このため、本発明に係る設備の処理能力は
極めて大きく、多量の溶融スラグを冷却固化させること
ができる。又、スラグの冷却が2段階に行われるので、
溶融スラグの供給量や温度によって、円筒状回転体から
冷却不十分の度合いが大きいスラグが剥離してきても、
これを冷却して固化させることができ、負荷変動に対処
することができる。
【0033】特に、二次冷却装置が冷却流体を吹き付け
る方式によるものである場合には、円筒状回転体による
間接冷却と冷却流体の吹き付けによる直接冷却の2方式
によってスラグの冷却が行われる。すなわち、溶融スラ
グを冷却された円筒状回転体に付着させて冷却し、次い
で、剥離したスラグに冷却流体を吹き付けて冷却する2
段階の冷却処理が行われる。最初の冷却段階において
は、円筒状回転体に付着したスラグを可塑性を有する状
態で剥離させるので、スラグは未だ冷却不十分の状態で
ある。このため、次の冷却段階において、円筒状回転体
から自然剥離して垂れ下がっている帯状のスラグに、水
あるいは空気などの冷却流体を吹き付けて冷却し、スラ
グを固化させる。この冷却は直接冷却であり、冷却効率
が非常によいので、少量の冷却流体を吹き付けるだけで
スラグの温度を大幅に低下させることができる。又、こ
の冷却における冷却量の調節は冷却流体の流量変更によ
って行うことができ、冷却流体の流量を変えるだけで冷
却量を大幅に変化させることができる。このため、円筒
状回転体から剥離してきたスラグの温度が大幅に変動し
ても、スラグを所定温度まで容易に降下させることがで
きる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明の設備に係る実施の
形態の一例を示す図である。この実施の形態は、供給さ
れた溶融スラグを付着させて冷却するための溶融スラグ
冷却装置10と、溶融スラグ冷却装置から剥離したスラ
グを圧延するための圧延装置20a,20bと、圧延さ
れたスラグをガラス転移点を下回る温度範囲まで冷却す
るための二次冷却装置30a,30bと、冷却されたス
ラグを破砕する破砕機40a,40bを有している。
【0035】溶融スラグ冷却装置10においては、冷却
可能に構成された円筒状回転体の一つとして水冷ドラム
が使用されている。11a,11bは金属製の水冷ドラ
ムである。又、16は溶融炉の出湯口に接続されたスラ
グ樋、50はスラグ樋16から供給された溶融スラグ、
51は水冷ドラム11a,11bに付着したスラグ、5
2は水冷ドラム11a,11bから剥離したスラグを示
す。
【0036】水冷ドラム11a,11bの内部には冷却
水の配管が組み込まれており、内壁を冷却するためのス
プレーノズルが多数設けられている。又、内部にはスプ
レーノズルから噴射された水が滞留するようになってお
り、下部においても冷却される構造になっている。回転
軸12a,12bには冷却水の供給、排水のための流路
がそれぞれ設けられている。この2基の水冷ドラム11
a,11bは互いに外周面を接して水平に配置されお
り、図中に矢印で示すように、互いに反対方向に回転
し、何れも外周面を接した箇所が上方に向かって上昇す
る方向に回転する。13は2基の水冷ドラム11a,1
1bの間に溶融スラグを貯えるための堰板であり、水冷
ドラム11a,11bの両端部の外周面に接して設けら
れている。
【0037】14は水冷ドラム11a,11bに付着し
たスラグの表面温度を測定するための赤外線温度計であ
る。この温度計14は離脱点Fの付近におけるスラグの
温度測定が可能な位置に配置されている。なお、温度計
14は一方の水冷ドラム11a側にしか配置されていな
いが、2基の水冷ドラム11a,11bに付着するスラ
グの量はほぼ同じであり、又、冷却量もほぼ同じである
ので、2基の水冷ドラム11a,11bに付着するスラ
グの温度はほぼ同じであるものと見なすことができる。
【0038】15は制御器である。制御器15は温度計
14から送られる温度信号に基づいて、水冷ドラム11
a,11bに付着したスラグ51が可塑性を有する状態
に保たれる所定の温度範囲に収まるように、水冷ドラム
11a,11bの駆動部(図示せず)へ信号を送り、水
冷ドラム11a,11bの回転数を増減させる。
【0039】スラグ圧延装置20a,20bは圧延部2
1と凹部形成部22よりなり、水冷ドラム11a,11
bから剥離したスラグが2段階で処理されるようになっ
ている。圧延部21はスラグを所定の厚さにするための
圧延を行うものである。又、凹部形成部22はスラグの
表面に多数の凹部を形成させるための圧延を行うもので
ある。
【0040】図2はスラグ圧延装置の構成を示す図であ
る。図2において、52は水冷ドラムから剥離したスラ
グを示す。圧延部21はワークロール23と受けロール
24よりなり、ワークロール23はスラグ厚さ調整のた
めに、スライド可能になっている。凹部形成部22はワ
ークロール23と凸部付きロール25よりなり、ワーク
ロール23はスラグ厚さに応じてロール間隔を調整のた
めに、スライド可能になっている。
【0041】凸部付きロール25としては、図4(a)
に示すような形状のものが使用される。このロールは外
周面の円周方向に多数の筋状の凸部26が設けられてお
り、このロールを使用すれば、スラグの表面に長手方向
(圧延方向)の溝が多数形成される。
【0042】なお、凸部付きロール25は図4(a)に
示す形状のものに限定されるものではなく、図4(b)
及び図4(c)に示す形状のもの、或いは(a)図に示
す縦方向の凸部と(b)図に示す横方向の凸部を組み合
わせて格子状に形成された凸部を有する形状のものを使
用することもできる。(b)図のロールは外周面の幅方
向に多数の筋状の凸部27が設けられている。このロー
ルを使用すれば、スラグの表面に幅方向の溝が多数形成
される。(c)図のロールは外周面に多数の斑点状の凸
部28が幅方向及び円周方向に所定の間隔をあけて設け
られている。このロールを使用すれば、スラグの表面に
多数の斑点状の凹部が形成される。
【0043】又、スラグ圧延装置20a,20bは図3
に示す構成にしてもよい。図3においては、凹部形成部
22が2段になっている。まず、1段目の凹部形成圧延
では、図4(a)に示すロールが使用され、スラグの表
面に長手方向の溝が多数形成される。次いで、2段目の
凹部形成圧延では、図4(b)に示すロールが使用さ
れ、1段目で長手方向の溝が形成されたスラグの上に、
さらに幅方向の溝が形成される。このため、凹部形成圧
延が終了した時点では、スラグの表面上に碁盤の目状に
溝が形成される。
【0044】なお、スラグを圧延する際に、水冷ドラム
から剥離したスラグの厚さが所定の厚さに近く、スラグ
を圧延する度合いが小さい場合には、必ずしも、厚さ調
整を行うため圧延部21を設けなくてもよい。
【0045】二次冷却装置30a,30bは冷却流体吹
き付け方式によるものである。冷却流体としては、水、
空気などを使用することができるが、この実施の形態に
おいては、水が使用される。31は流量計、32は水を
微細化して吹き付けるスプレーノズルである。二次冷却
装置30a,30bにおいては、冷却後のスラグの温度
がガラス転移点を下回る所定の範囲に収まるように、剥
離したスラグ52の温度を測定した温度計14から送ら
れる信号に基づいて、制御器15から流量計31,31
へ指示信号が送られ、噴霧する水の流量が制御される。
【0046】破砕機40a,40bは冷却されて固化し
たスラグを破砕して粒状スラグを製造するための装置で
ある。ここで破砕されるスラグは厚さが調整されたもの
であり、厚さ調整によって、破砕されたスラグ粒の一方
向の寸法決められているので、粒径の揃った粒状スラグ
得られる割合が大きい。又、このスラグは表面に凹部が
形成されたものであり、応力集中部となる凹部に沿って
破断が起こるので、スラグの破砕が容易に行われると共
に、凹部を形成した間隔に応じた粒径の破砕品が得られ
る度合いが大きい。このため、細粒品や粉の発生が減少
する。
【0047】41は破砕されたスラグを篩い分け処理、
摩砕処理(丸み付け)などを行う整粒工程へ搬送するた
めのコンベアである。
【0048】上記の構成による設備により溶融スラグの
冷却・固化する処理は次のように行われる。
【0049】溶融スラグ50を2基の水冷ドラム11
a,11bの間へ供給し、水冷ドラム11a,11bを
回転させると、その付近のスラグが冷却されて水冷ドラ
ムに付着する。付着したスラグは上昇し、次いで、外側
へ移動して下降する。水冷ドラム11a,11bに付着
したスラグ51は温度計14によってその表面温度が測
定されており、この温度測定値に基づいて、付着したス
ラグ51の温度が可塑性を有する範囲に維持されるよう
に、水冷ドラム11a,11bの回転数制御が行われ、
付着したスラグ51の冷却量が調節される。このように
して、付着したスラグ51が可塑性を有する状態に保持
されているので、付着したスラグ51が離脱点Fに達す
ると、スラグは自重によって水冷ドラム11a,11b
から剥離し、帯状に垂れ下がる。従って、この装置にお
けるスラグの冷却は2基の水冷ドラム11a,11bの
接点から離脱点Fまでの間で行われ、その外周面の1/
2が冷却面として使用される。
【0050】水冷ドラム11a,11bから剥離した帯
状のスラグ52,52は、可塑性を有する状態になって
いる間に、スラグ圧延装置20a,20bにより圧延処
理される。最初に、圧延部21でスラグの厚さが調整さ
れ、次いで、凹部形成部22でスラグに溝が形成され
る。
【0051】圧延処理されたスラグ53は未だ固化して
いないので、二次冷却装置30a,30bから水を噴霧
して急冷する。二次冷却装置30a,30bから吹き付
ける水の流量は温度計14によって測定されたスラグ5
1の温度に基づいて制御される。
【0052】固化したスラグ53は破砕機40a,40
bにより破砕されて粒状化される。この際、破砕機に供
給されるスラグは厚さが調整され、かつ表面に凹部が形
成されているので、粒径の揃った粒状スラグが高歩留ま
りで得られる。粒状スラグはコンベア41により、次の
工程へ搬送される。
【0053】なお、水冷ドラム11a,11bに付着し
たスラグ51はその厚さ方向の温度が一定ではなく、水
冷ドラムとの接触面が最も低く、次いで外表面、内部の
順に温度が高くなっており、温度差が生じているが、水
冷ドラム11a,11bに付着するスラグはあまり厚く
ならないので、表面温度が所定範囲の値になっていれ
ば、付着したスラグ51は帯状の形状に保たれると共に
可塑性を有する状態に保たれる。又、剥離したスラグ5
2が千切れて落下することはない。
【0054】又、二次冷却装置30a,30bによる冷
却に際し、冷却後のスラグの温度を後工程に配置された
機器に支障が生じないに降下させる程度の冷却にとどめ
るのがよい。
【0055】なお、図1に示す実施の形態においては、
水冷ドラム11a,11bの回転数及び二次冷却装置3
0a,30bにおける冷却流体の流量が、温度計14に
より計測された温度に基づいて制御される構成になって
いるが、本発明においては、必ずしも、水冷ドラムの回
転数や冷却流体の流量を自動調節するための制御機構を
備えなければならない訳ではない。
【0056】すなわち、水冷ドラム11a,11bの回
転数の変更は、付着したスラグの冷却量を変えて、スラ
グを可塑性を有する温度範囲に保つために行うものであ
るが、前述のように、付着したスラグの温度管理幅はス
ラグの溶流点〜ガラス転移点の範囲であって、上限温度
がスラグの溶流点1200〜1350℃、下限温度が6
00〜1000℃程度であると予想され、その温度範囲
は非常に広い。このため、供給される溶融スラグの温度
変動があまり大きくない場合には、状況に応じて水冷ド
ラム11a,11bの回転数を手動で調節する操作を行
うことによっても、付着したスラグの温度を上記範囲に
保つことができる。又、水冷ドラムから剥離したスラグ
の温度が上記範囲内であれば、その間の温度変動は二次
冷却装置30a,30bによる冷却により調整される。
【0057】又、二次冷却装置30a,30bによるス
ラグの冷却は水冷ドラム11a,11bから剥離したス
ラグを急冷して固化させ、装置を小型化するために行う
操作であって、その冷却度合いは以後のスラグの処理条
件によって異なる。例えば、、後工程の操作に支障が生
じない程度の温度まで冷却するだけの場合には、状況に
応じて冷却流体の流量を手動で調節する操作を行うこと
によっても、目的を達成することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、円筒状回転体に付着し
たスラグが離脱点に達した時点で、そのスラグを可塑性
を有する状態で剥離させ、次いで二次冷却装置によって
冷却する2段階の冷却が行われるので、その設備は処理
能力が大きく、負荷変動にも対処することができる。
【0059】又、設備の処理能力が非常に大きいので、
設備の設置に要する敷地面積が大幅に縮小される。
【0060】又、円筒状回転体に付着したスラグが可塑
性を有する状態で剥離させるので、スラグの剥離が極め
て容易に行われる。
【0061】さらに、本発明によれば、円筒状回転体か
ら剥離したスラグを圧延処理した後に冷却固化させて破
砕するので、所望粒度の粒状スラグが高い歩留まりで得
られる。特に、凸部を有するロールを使用して圧延して
スラグの表面に凹部を形成させた場合には、所望粒度品
の歩留まりが一層向上かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の設備に係る実施の形態の一例を示す図
である。
【図2】スラグ圧延装置の構成を示す図である。
【図3】スラグ圧延装置の構成に係る他の例を示す図で
ある。
【図4】凸部付きロールの形状を示す図である。
【符号の説明】
10 溶融スラグ冷却装置 11a,11b 水冷ドラム 12a,12b 水冷ドラムの回転軸 14 温度計 15 制御器 16 スラグ樋 20a,20b スラグ圧延装置 21 圧延部 22 凹部形成部 23 ワークロール 24 受けロール 25 凸部付きロール 26 円周方向の筋状の凸部 27 幅方向の筋状の凸部 28 斑点状の凸部 30a,30b 二次冷却装置 31 流量計 32 スプレーノズル 40a,40b 破砕機 41 コンベア 50 溶融スラグ 51 付着したスラグ 52 剥離したスラグ 53 圧延処理されたスラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 克夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AA43 CA04 CA14 CB15 DA02 DA06 DA13 4G012 JK01 JK07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却されている円筒状回転体の外周面上
    に溶融スラグを供給して付着させ、冷却されたスラグを
    剥離して排出する溶融スラグの処理方法において、円筒
    状回転体に付着したスラグが離脱点に達した時点で、そ
    のスラグを可塑性を有する状態に保持しながら剥離さ
    せ、剥離したスラグを圧延して所定形状に成形すること
    を特徴とする溶融スラグの処理方法。
  2. 【請求項2】 剥離したスラグを圧延して所定形状に成
    形したスラグを破砕することを特徴とする請求項1に記
    載の溶融スラグの処理方法。
  3. 【請求項3】 剥離したスラグを圧延して所定形状に成
    形したスラグを冷却して固化させた後、破砕することを
    特徴とする請求項1に記載の溶融スラグの処理方法。
  4. 【請求項4】 剥離したスラグを圧延して所定形状に成
    形する際に、外周面に多数の凸部を有するロールを使用
    して圧延することを特徴とする請求項1〜請求項3の何
    れかに記載の溶融スラグの処理方法。
  5. 【請求項5】 冷却されている円筒状回転体の外周面上
    に溶融スラグを供給して付着させ、冷却されたスラグを
    剥離して排出する溶融スラグの処理設備において、冷却
    可能に構成され、その外周面上に溶融スラグを供給して
    付着させるための一対の円筒状回転体が外周面を接して
    水平に配置され、この一対の円筒状回転体が何れも外周
    面を接した箇所が上方に向かう方向に回転するように構
    成された溶融スラグ冷却装置と、溶融スラグ冷却装置か
    ら剥離したスラグを圧延するためのスラグ圧延装置を備
    えたことを特徴とする溶融スラグの処理設備。
  6. 【請求項6】 圧延されたスラグを破砕する破砕機を有
    することを特徴とする請求項5に記載の溶融スラグの処
    理設備。
  7. 【請求項7】 圧延されたスラグをガラス転移点を下回
    る温度範囲まで冷却するための二次冷却装置と、冷却さ
    れたスラグを破砕する破砕機を有することを特徴とする
    請求項5に記載の溶融スラグの処理設備
  8. 【請求項8】 二次冷却装置が冷却流体を吹き付ける方
    式によるものであることを特徴とする請求項7に記載の
    溶融スラグの処理設備。
  9. 【請求項9】 円筒状回転体に付着しているスラグの表
    面温度を測定するための温度計が設けられ、この温度計
    の測定値に基づいて円筒状回転体の回転数を調節するこ
    とが可能に構成されたことを特徴とする請求項5〜請求
    項8に記載の溶融スラグの処理設備。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101716542B (zh) * 2009-12-11 2012-07-04 中冶京诚工程技术有限公司 炉渣破碎装置、破碎方法及半湿法炉渣处理系统
RU2497764C1 (ru) * 2012-03-11 2013-11-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Белгородский государственный технологический университет им. В.Г. Шухова" Устройство для переработки жидких шлаков
CN111206131A (zh) * 2020-02-28 2020-05-29 西安联创分布式可再生能源研究院有限公司 一种高温熔渣粒化装置

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