JP3733795B2 - 溶融スラグの冷却固化方法及びその装置 - Google Patents

溶融スラグの冷却固化方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は都市ごみなどの廃棄物焼却残渣を溶融処理した際に排出される溶融スラグや製鉄所で発生する高炉スラグなどの溶融スラグを冷却・固化する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄所においては、発生する溶融スラグの多くがスラグ置き場へ搬送されて徐冷され、固化されているが、一部の溶融スラグについては、水中に投入して直接冷却する急冷処理がなされている。又、廃棄物の溶融処理施設においても、製鉄所の場合と同様に、溶融スラグを自然冷却する徐冷又は水中に投入して直接冷却する急冷処理が行われている。
【0003】
溶融スラグの急冷処理においては、上記のような直接冷却の他に、間接冷却による試みがなされている。この間接冷却による急冷法については、冷却された金属体の上に溶融スラグを供給して冷却する技術の提案がなされており、その利点として、水分を含まないスラグが得られるため、セメント原料などに供する場合に乾燥処理を必要としないこと、溶融スラグの熱回収が可能であると言うことなどが挙げられている。そして、さらに、廃棄物の溶融処理施設においては、間接冷却による急冷処理を行うことによって、溶融スラグの冷却・固化処理に要する敷地面積を大幅に縮小することができると言う利点が付加される。
【0004】
上記の間接冷却による急冷処理については、種々の技術が提案されているが、そのうち、冷却された回転体の上に溶融スラグを供給して冷却する方式の技術がある。この技術においては、冷却されたロールやドラムなどの円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供給して付着させ、冷却・固化されたスラグを剥離して排出する操作が行われる。このような技術としては、例えば、特開平10−287453号公報、特開昭60−264349号公報、特公昭61−8912号公報に開示された装置が示されている。
【0005】
特開平10−287453号公報に記載されている装置は、複数の水冷ロールが外周面を接して配置されたものであって、廃棄物などの溶融炉から発生する溶融スラグを上記の水冷ロールの上に落下させ、複数の水冷ロール上を順次転送しながら冷却・造粒する構成になっている。
【0006】
特開昭60−264349号公報に記載されている装置は、冷却された2基のロールが水平方向に間隔をあけて配置されており、2基のロールの間に溶融スラグを供給するようになっている。この装置によれば、2基のロールが互いに下側に向かって噛み合う状態になるように反対方向に回転し、スラグが圧延されて下方へ押し出される。次いで、押し出されたスラグは冷却パネルの間を通過して再度冷却された後、破砕される。
【0007】
又、特公昭61−8912号公報に記載されている装置は、冷却された2基のドラムが外周面を接して水平に配置されており、2基のドラムの間に溶融スラグを供給するようになっている。この装置によれば、2基のドラムが互いに付着した溶融スラグを上側へ持ち上げるように反対方向に回転し、付着したスラグはドラムの下端部に設けられたピンチロールで押圧され、さらにカッターにより掻き取られて排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術においては、次のような問題点がある。
【0009】
特開平10−287453号公報に記載されている装置においては、溶融スラグを冷却する際に、同時に粒状化する構成になっているので、溶融スラグを滴下するように供給しなければならない。このため、水冷ロールの外周面が冷却面として活用される度合いが非常に小さく、装置の処理能力が小さい。
【0010】
特開昭60−264349号公報に記載されている装置においては、2基のロールの間隙からスラグが圧延されて下方へ押し出されるので、水冷ロールの冷却面が最大でも外周面の1/4周分(90°分)であり、ロールの外周面が冷却面として活用される度合いが小さい。
【0011】
又、2基のロールの間隙からほぼ一定量のスラグが押し出されるので、押し出される溶融スラグ量に相当する量の溶融スラグが供給されるように、溶融スラグの供給量を精度よく制御しなければならない。しかし、温度が極めて高く、或いはスラグの種類によっては粘性が非常に高い、溶融スラグの流量を精度よく制御することは困難である。
【0012】
又、特公昭61−8912号公報に記載されている装置においては、ドラムに付着して冷却・固化したスラグをピンチロールやカッターなどを使用して剥離しなければならないので、ドラムの外周面に疵が発生しやすい。そして、外周面に疵があるドラムを使用すると、ドラムに付着したスラグが更に剥離しにくくなる。
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決し、冷却されたスラグが容易に剥離され、処理能力が大きい、溶融スラグの冷却固化方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は次の発明により解決される。
【0015】
第1の発明に係る溶融スラグの冷却固化方法は、冷却されている円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供給して付着させ、付着して冷却されたスラグを剥離して排出する溶融スラグの冷却固化方法において、前記円筒状回転体に付着したスラグの離脱点の付近における表面温度を測定し、その温度測定値がスラグの溶流点未満でガラス転移点を超える範囲に保持されるように、前記円筒状回転体の回転数を制御すると共に、前記温度測定値に基づいて冷却流体の吹き付け流量を制御しながら、前記円筒状回転体から剥離したスラグに冷却流体を吹き付けてスラグを冷却することを特徴としている。
【0017】
の発明に係る溶融スラグの冷却固化装置は、冷却可能に構成された円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供給して付着させ、付着して冷却されたスラグを剥離して排出する溶融スラグの冷却固化装置において、冷却可能で、外周面を接した箇所が上方に向かう方向に回転するように構成された、一対の円筒状回転体が外周面を接して水平に配置されていると共に、前記円筒状回転体に付着したスラグの離脱点の付近における表面温度を測定するための温度計が設けられており、この温度計の温度測定値がスラグの溶流点未満でガラス転移点を超える範囲に保持されるように、前記円筒状回転体の回転数を制御することが可能に構成されていて、かつ、前記円筒状回転体から剥離したスラグに冷却流体を吹き付けて冷却するための冷却流体吹き付け装置が設けられ、前記温度測定値に基づき冷却流体の吹き付け流量を制御することが可能に構成されていることを特徴としている。
【0020】
円筒状回転体を用いる溶融スラグの冷却・固化処理において、円筒状回転体からのスラグの剥離が容易であることが、安定操業を行うための条件の一つである。そこで、本発明者らが、円筒状回転体に付着したスラグを容易に剥離させる条件を見出すために種々の試験を行った結果、次のような知見を得た。すなわち、スラグが十分に冷却されておらず、未だ可塑性を有する状態においては、冷却された金属体とスラグとの付着度合いは非常に小さい。そして、スラグが可塑性を有する状態で付着している円筒状回転体を回転させ、スラグを離脱点に到達させると、付着していたスラグはたやすく剥離する。
【0021】
本発明においては、円筒状回転体に付着したスラグを可塑性を有する状態に保持するために、付着したスラグの外面の温度をそのスラグの溶流点未満でかつガラス転移点を超える範囲に保持し、スラグを冷却不十分の状態にする。スラグの温度がガラス転移点を超える範囲であれば、スラグは可塑性を有する状態に保たれ、又、スラグの温度が溶流点未満であれば、スラグが帯状に成形された状態に保たれる。なお、溶融スラグは発生源や被処理物の種類によって組成が異なるので、溶流点及びガラス転移点については、その組成における値を用いる必要がある。
【0022】
なお、本発明における溶流点とは、JIS(K2151)に規定された方法によって測定される温度であって、現象的には、固体スラグを加熱して昇温させたときに、最初に溶融・流動が始まる温度を指すものとする。なお、この温度状態におけるスラグの粘度は10 5 poise 程度であると言われている。
【0023】
付着したスラグの温度管理はスラグの組成によって異なるが、上限温度が1200〜1350℃程度の範囲、下限温度が600〜1000℃程度の範囲に設定される。
【0024】
本発明においては、一対の円筒状回転体が何れも外周面を接した箇所が、朝顔の外形を描くように、上方に向かって回転するので、円筒状回転体に付着したスラグは上昇して外側へ移動し、次いで、下降して上記の外周面を接した箇所と同じ高さの位置(以下、離脱点と言う)に達する。この位置において、スラグが可塑性を有する温度に保持されていれば、円筒状回転体上に形成されている帯状のスラグは自重によって円筒状回転体から自然剥離し、垂れ下がって下降する。もしも、スラグの温度が可塑性を有する温度を下回っている場合には、帯状のスラグが円筒状回転体の曲率に合わせた形状に固化して付着し、上記のような自然剥離が行われなくなる。このため、離脱点におけるスラグが可塑性を有する温度に保つために、円筒状回転体の回転数を変えて冷却量を調節する。
【0025】
又、本発明においては、上記のように、外周面を接して配置された一対の円筒状回転体を上方に向かって回転させ、円筒状回転体に付着したスラグを順次排出させるので、排出されるスラグの厚さが変動してもよい。このため、溶融スラグの供給量の変動が許容される。
【0026】
スラグの離脱点の付近における表面温度を測定し、この値に基づいて円筒状回転体の回転数を制御することにより、スラグの冷却量を調節することができるので、スラグを可塑性を有する状態に保持しながら自然剥離させることができる。
【0027】
本発明においては、冷却された円筒状回転体による間接冷却と冷却流体の吹き付けによる直接冷却の2方式によってスラグの冷却が行われる。すなわち、溶融スラグを冷却された円筒状回転体に付着させて冷却し、次いで、剥離したスラグに冷却流体を吹き付けて冷却する2段階の冷却処理が行われる。最初の冷却段階においては、円筒状回転体に付着したスラグを可塑性を有する状態で剥離させるので、スラグは未だ冷却不十分の状態である。このため、次の冷却段階において、円筒状回転体から自然剥離して垂れ下がっている帯状のスラグに、水あるいは空気などの冷却流体を吹き付けて冷却し、スラグを固化させる。この冷却は直接冷却であり、冷却効率が非常によいので、少量の冷却流体を吹き付けるだけでスラグの温度を大幅に低下させることができる。又、この冷却における冷却量の調節は冷却流体の流量変更によって行われ、冷却流体の流量を変えるだけで冷却量を大幅に変化させることができる。このため、円筒状回転体から剥離してきたスラグの温度が大幅に変動しても、スラグを所定温度まで容易に降下させることができる。上記のように、本発明は冷却された円筒状回転体により帯状のスラグを形成させる間接冷却と冷却流体の吹き付けによる直接冷却よりなる2方式が組み合わせられた構成になっているので、溶融スラグの供給量が変動して冷却不十分の度合いが大きい帯状のスラグが剥離してきても、これを冷却して固化させることができ、負荷変動に対処することができる。
【0029】
円筒状回転体に付着したスラグの離脱点の付近における温度を測定し、この値に基づいて円筒状回転体の回転数を制御することにより、円筒状回転体から剥離するスラグの可塑性を保ち、かつその温度変動を小さくすることができる。又、円筒状回転体に付着したスラグの離脱点の付近における温度に基づいて冷却流体の流量を制御することにより、スラグを確実に固化させることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の装置に係る実施の形態の一例を示す図である。この実施の形態においては、冷却可能に構成された円筒状回転体の一つとして水冷ドラムが使用される。図1において、10a,10bは溶融スラグを付着させて冷却するための金属製の水冷ドラムである。又、40は溶融炉の出湯口に接続されたスラグ樋、50はスラグ樋40から供給された溶融スラグ、51は水冷ドラム10a,10bに付着したスラグを示す。
【0033】
水冷ドラム10a,10bの内部には冷却水の配管が組み込まれており、内壁を冷却するためのスプレーノズルが多数設けられている。又、内部の下半分の部分にはスプレーノズルから噴射された水が滞留するようになっており、下部においても冷却される構造になっている。回転軸11a,11bには冷却水の供給、排水のための流路がそれぞれ設けられている。この2基の水冷ドラム10a,10bは互いに外周面を接して水平に配置されおり、図中に矢印で示すように、互いに反対方向に回転し、何れも外周面を接した箇所が上方に向かって上昇する方向に回転する。12は2基の水冷ドラム10a,10bの間に溶融スラグを貯えるための堰板であり、水冷ドラム10a,10bの両端部の外周面に接して設けられている。
【0034】
13は水冷ドラム10a,10bに付着したスラグの表面温度を測定するための赤外線温度計である。この温度計13は離脱点Fの付近におけるスラグの温度測定が可能な位置に配置されている。なお、温度計13は一方の水冷ドラム10a側にしか配置されていないが、2基の水冷ドラム10a,10bに付着するスラグの量はほぼ同じであり、又、冷却量もほぼ同じであるので、2基の水冷ドラム10a,10bに付着するスラグの温度はほぼ同じであるものと見なすことができる。
【0035】
14a,14bは水冷ドラムから剥離したスラグ52に冷却流体を噴霧して冷却するための冷却流体吹き付け装置である。冷却流体としては、水、空気などを使用することができるが、この実施の形態においては、水が使用される。15a,15bは流量計、16a,16bは水を微細化して吹き付けるスプレーノズルである。
【0036】
17は制御器である。制御器17は温度計13から送られる温度信号に基づいて、水冷ドラム10a,10bに付着したスラグ51の温度が所定の範囲に収まるように、水冷ドラム10a,10bの駆動部(図示せず)へ信号を送り、水冷ドラム10a,10bの回転数の増減させる。又、制御器17は温度計13から送られる温度信号に基づいて、水冷ドラムから剥離したスラグ52の温度が所定の範囲に収まるように、冷却流体吹き付け装置の流量計15a,15bへ信号を送り、噴霧する水の流量を制御する。
【0037】
18a,18bは水冷ドラム10a,10bの下方に設けられた破砕機である。この実施の形態においては、ジョークラッシャーが用いられ、水噴霧により冷却されて固化したスラグ53を破砕する。
【0038】
19は破砕されたスラグ54を篩い分け処理、摩砕処理(丸み付け)などを行う工程へ搬送するためのコンベアである。
【0039】
上記の構成による装置により溶融スラグの冷却・固化する処理は次のように行われる。
【0040】
溶融スラグ50をスラグ樋40から2基の水冷ドラム10a,10bの間へ供給し、水冷ドラム10a,10bを回転させると、その付近のスラグが冷却されて水冷ドラムに付着する。付着したスラグは上昇し、次いで、外側へ移動して下降する。水冷ドラム10a,10bに付着したスラグ51は温度計13によってその表面温度が測定されており、この温度測定値に基づいて、付着したスラグ51の温度が可塑性を有する範囲に維持されるように、水冷ドラム10a,10bの回転数制御が行われ、付着したスラグ51の冷却量が調節される。このようにして、付着したスラグ51が可塑性を有する状態に保持されているので、付着したスラグ51が離脱点Fに達すると、スラグは自重によって水冷ドラム10a,10bから剥離し、帯状に垂れ下がる。従って、この装置におけるスラグの冷却は2基の水冷ドラム10a,10bの接点から離脱点Fまでの間で行われ、その外周面の1/2が冷却面として使用される。
【0041】
剥離したスラグ52は未だ冷却不十分であり、固化していないので、このスラグに水を噴霧して急冷する。冷却流体吹き付け装置14a,14bから吹き付ける水の流量は温度計13によって測定されたスラグ51の温度に基づいて制御される。
【0042】
固化したスラグ53は破砕機18a,18bの上に落下して破砕された後、コンベア19上に落下し、次の工程へ搬送される。
【0043】
なお、この実施の形態においては、破砕機を設けて冷却された板状のスラグを破砕する処理を行うが、破砕機の代わりに剪断機を設け、板状のスラグを所定の大きさに裁断する処理をしてもよい。
【0044】
そして、上記の水冷ドラム10a,10bに付着したスラグ51の温度制御においては、前述のように、その温度制御範囲はそのスラグの組成によってそれぞれ異なり、上限温度が1200〜1350℃程度の範囲、下限温度が600〜1000℃程度の範囲に設定される。なお、本発明者らによるの試験結果によれば、好ましい下限温度は800〜1000℃程度の範囲であった。
【0045】
又、水冷ドラム10a,10bに付着したスラグ51はその厚さ方向の温度が一定ではなく、水冷ドラムとの接触面が最も低く、次いで外表面、内部の順に温度が高くなっており、温度差が生じているが、水冷ドラム10a,10bに付着するスラグはあまり厚くならないので、表面温度が所定範囲の値になっていれば、付着したスラグ51は帯状の形状に保たれると共に可塑性を有する状態に保たれる。又、剥離したスラグ52が千切れて落下することはない。
【0046】
又、冷却流体吹き付け装置14a,14bから水を噴霧することによるスラグの冷却は、剥離したスラグ52を固化させ、又、その温度を後工程に配置された機器の耐熱温度よりも低くするために行うものであるので、固化したスラグ53の温度が200〜300℃になる程度にとどめるのがよい。又、水の吹き付けはできるだけ微細化させて行い、その流量は吹き付けた水がすべて蒸発して消失する程度にし、乾燥したスラグが排出されるようにするのがよい。
【0047】
又、水冷ドラム10a,10bから剥離した帯状のスラグ52に、縦横に交差する多数の溝が形成されていれば、破砕後のスラグはその溝に沿って割れたものが多くなるので、後工程における整粒調整処理の負荷が軽減される。上記のような溝が形成されたスラグを得るためには、水冷ドラム10a,10bの外周面に筋状の突起を設けるか、或いは筋状の突起を有するロールを水冷ドラム10a,10bの上部に近接させて設け、水冷ドラム10a,10bに付着したスラグ51押圧すればよい。
【0048】
図2は本発明の装置に係る他の実施の形態における円筒状回転体の構造を示す図である。この実施の形態においては、冷却可能に構成された円筒状回転体の一つとして水冷ロールが使用される。図2において、図1と同じ構成に係る部分については同一の符号を付し、説明を省略する。30a,30bは溶融スラグを付着させて冷却するための金属製の水冷ロールである。水冷ロール30a,30bの外周面を形成する外殻部には冷却水の流路32が設けられており、この冷却水は回転軸31a,31bに設けられた流路及び接続配管を通じて供給され、排水される構造になっている。この2基の水冷ロール30a,30bは互いに外周面を接して水平に配置されおり、図中に矢印で示すように、互いに反対方向に回転し、何れも外周面を接した箇所が上方に向かって上昇する方向に回転するように構成されている。
【0049】
水冷ロール30a,30bは図1において説明した水冷ドラムと同様に使用され、水冷ロール30a,30bに付着したスラグ51が可塑性を有する温度領域に保持されるように、回転数の調節がなされる。
【0050】
水冷ロール30a,30bにおいては、冷却水が管路により流通する構造になっており、冷却水の圧力を高くすることができる。このため、冷却水を高温にして排水することができ、効率よく熱回収をすることができる。
【0051】
【実施例】
図2と同様の構成による冷却固化装置により、都市ごみの焼却残渣を溶融処理した際に排出された溶融スラグを固化させる試験を行った。装置は、直径が40cm、長さが70cmの水冷ロールを備えたものであった。この装置を上記溶融炉の近くに設置し、溶融炉の出湯口に接続されたスラグ樋から溶融スラグを供給した。供給した溶融スラグは温度が約1350℃で、塩基度が約0.8であった。この試験では、溶融スラグを平均1.5t/hの流量で供給した。そして、6日間にわたって装置を稼働させたが、全期間において、水冷ロールに付着したスラグは離脱点に到達した時点で自然剥離して垂れ下がり、帯状になって下降した。この際、離脱点におけるスラグの外面温度を測定した結果は表1の通りであった。
【0052】
【表1】
Figure 0003733795
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る方法によれば、円筒状回転体に付着したスラグが離脱点に達した時点で、そのスラグを可塑性を有する状態に保持するので、円筒状回転体に付着して冷却されたスラグを極めて容易に剥離させて排出することができる。
【0054】
本発明に係る装置においては、円筒状回転体に付着したスラグの温度をそのスラグの溶流点未満でガラス転移点を超える範囲に保持されるように構成されているので、円筒状回転体に付着して冷却されたスラグは極めて容易に剥離して排出される。
【0055】
そして、冷却流体吹き付け装置が設けられた装置においては、スラグが円筒状回転体による間接冷却と冷却流体の吹き付けによる直接冷却よりなる2方式によって2段階に冷却される構成になっているので、処理能力が大きく、負荷変動に対処することができる。
【0056】
又、破砕機が設けられた装置においては、固化したスラグを搬送機へ送るまでの間に破砕処理をすることができるので、固化したスラグを一時貯留するためのホッパーなどを設置する必要がなく、敷地面積の狭小化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置に係る実施の形態の一例を示す図である。
【図2】本発明の装置に係る他の実施の形態における円筒状回転体の構造を示す図である。
【符号の説明】
10a,10b 水冷ドラム
11a,11b 水冷ドラムの回転軸
12 溶融スラグを貯えるための堰板
13 温度計
14a,14b 冷却流体吹き付け装置
15a,15b 流量計
16a,16b スプレーノズル
17 制御器
18a,18b 破砕機
19 コンベア
30a,30b水冷ロール
31a,31b 水冷ロールの回転軸
32 冷却水の流路
40 スラグ樋
50 溶融スラグ
51 付着したスラグ
53 固化したスラグ

Claims (2)

  1. 冷却されている円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供給して付着させ、付着して冷却されたスラグを剥離して排出する溶融スラグの冷却固化方法において、前記円筒状回転体に付着したスラグの離脱点の付近における表面温度を測定し、その温度測定値がスラグの溶流点未満でガラス転移点を超える範囲に保持されるように、前記円筒状回転体の回転数を制御すると共に、前記温度測定値に基づいて冷却流体の吹き付け流量を制御しながら、前記円筒状回転体から剥離したスラグに冷却流体を吹き付けてスラグを冷却することを特徴とする、溶融スラグの冷却固化方法。
  2. 冷却可能に構成された円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供給して付着させ、付着して冷却されたスラグを剥離して排出する溶融スラグの冷却固化装置において、冷却可能で、外周面を接した箇所が上方に向かう方向に回転するように構成された、一対の円筒状回転体が外周面を接して水平に配置されていると共に、前記円筒状回転体に付着したスラグの離脱点の付近における表面温度を測定するための温度計が設けられており、この温度計の温度測定値がスラグの溶流点未満でガラス転移点を超える範囲に保持されるように、前記円筒状回転体の回転数を制御することが可能に構成されていて、かつ、前記円筒状回転体から剥離したスラグに冷却流体を吹き付けて冷却するための冷却流体吹き付け装置が設けられ、前記温度測定値に基づき冷却流体の吹き付け流量を制御することが可能に構成されていることを特徴とする、溶融スラグの冷却固化装置。
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