JP2001208483A - 溶融スラグの冷却固化装置 - Google Patents
溶融スラグの冷却固化装置Info
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- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
- Manufacture Of Iron (AREA)
- Furnace Details (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 処理能力が大きく、冷却されたスラグが剥離
されやすく、かつ、塩類を含む溶融スラグを処理して
も、装置の運転に支障が生じたり、或いは排出される固
化スラグの品質が低下する等の問題が発生しない、溶融
スラグの冷却固化装置を提供すること。 【解決手段】 冷却可能に構成された2基の円筒状回転
体10a,10bを有し、一方の円筒状回転体10aに
はその両端部にガイドフランジ11a,11bが設けら
れ、このガイドフランジ11a,11bの内側に他方の
円筒状回転体10bがその両端を接する状態に挿入され
ると共に2基の円筒状回転体10a,10bが互いに外
周面を接して水平に配置されている。何れの円筒状回転
体も外周面を接した箇所が上方に向かう方向に回転する
ように構成され、その回転数が調節可能になっている。
ガイドフランジ11bはガイドフランジ11aよりも直
径が小さい。
されやすく、かつ、塩類を含む溶融スラグを処理して
も、装置の運転に支障が生じたり、或いは排出される固
化スラグの品質が低下する等の問題が発生しない、溶融
スラグの冷却固化装置を提供すること。 【解決手段】 冷却可能に構成された2基の円筒状回転
体10a,10bを有し、一方の円筒状回転体10aに
はその両端部にガイドフランジ11a,11bが設けら
れ、このガイドフランジ11a,11bの内側に他方の
円筒状回転体10bがその両端を接する状態に挿入され
ると共に2基の円筒状回転体10a,10bが互いに外
周面を接して水平に配置されている。何れの円筒状回転
体も外周面を接した箇所が上方に向かう方向に回転する
ように構成され、その回転数が調節可能になっている。
ガイドフランジ11bはガイドフランジ11aよりも直
径が小さい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ごみや産業廃棄
物などの廃棄物焼却残渣を溶融処理した際に排出される
溶融スラグなどを冷却・固化する装置に関する。
物などの廃棄物焼却残渣を溶融処理した際に排出される
溶融スラグなどを冷却・固化する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】廃棄物の溶融処理施設においては、排出
された溶融状態のスラグの多くはスラグ置き場へ搬送さ
れて自然冷却れているが、一部の溶融スラグについて
は、水中に投入して直接冷却する急冷処理がなされてい
る。
された溶融状態のスラグの多くはスラグ置き場へ搬送さ
れて自然冷却れているが、一部の溶融スラグについて
は、水中に投入して直接冷却する急冷処理がなされてい
る。
【0003】溶融スラグの急冷処理においては、上記の
ような直接冷却の他に、間接冷却による試みがなされて
いる。この間接冷却による急冷法については、冷却され
た金属体の上に溶融スラグを供給して冷却する技術の提
案がなされており、その利点として、水分を含まないス
ラグが得られるため、セメント原料などに供する場合に
乾燥処理を必要としないことなどが挙げられている。
ような直接冷却の他に、間接冷却による試みがなされて
いる。この間接冷却による急冷法については、冷却され
た金属体の上に溶融スラグを供給して冷却する技術の提
案がなされており、その利点として、水分を含まないス
ラグが得られるため、セメント原料などに供する場合に
乾燥処理を必要としないことなどが挙げられている。
【0004】上記の間接冷却による急冷処理について
は、種々の技術が提案されているが、そのうち、冷却さ
れた回転体の上に溶融スラグを供給して冷却する方式の
技術がある。この技術においては、冷却されたロールや
ドラムなどの円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供
給して付着させ、冷却・固化されたスラグを剥離して排
出する操作が行われる。このような技術としては、例え
ば、特開平10−287453号公報、特開昭60−2
64349号公報、特公昭61−8912号公報に開示
された装置が示されている。
は、種々の技術が提案されているが、そのうち、冷却さ
れた回転体の上に溶融スラグを供給して冷却する方式の
技術がある。この技術においては、冷却されたロールや
ドラムなどの円筒状回転体の外周面上に溶融スラグを供
給して付着させ、冷却・固化されたスラグを剥離して排
出する操作が行われる。このような技術としては、例え
ば、特開平10−287453号公報、特開昭60−2
64349号公報、特公昭61−8912号公報に開示
された装置が示されている。
【0005】特開平10−287453号公報に記載さ
れている装置は、複数の水冷ロールが外周面を接して配
置されたものであって、廃棄物などの溶融炉から発生す
る溶融スラグを上記の水冷ロールの上に落下させ、複数
の水冷ロール上を順次転送しながら冷却・造粒する構成
になっている。
れている装置は、複数の水冷ロールが外周面を接して配
置されたものであって、廃棄物などの溶融炉から発生す
る溶融スラグを上記の水冷ロールの上に落下させ、複数
の水冷ロール上を順次転送しながら冷却・造粒する構成
になっている。
【0006】特開昭60−264349号公報に記載さ
れている装置は、冷却された2基のロールが水平方向に
間隔をあけて配置されており、2基のロールの上に溶融
スラグを供給するようになっている。この装置によれ
ば、2基のロールが互いに下側に向かって噛み合う状態
になるように反対方向に回転し、スラグが圧延され板状
になって下方へ押し出される。
れている装置は、冷却された2基のロールが水平方向に
間隔をあけて配置されており、2基のロールの上に溶融
スラグを供給するようになっている。この装置によれ
ば、2基のロールが互いに下側に向かって噛み合う状態
になるように反対方向に回転し、スラグが圧延され板状
になって下方へ押し出される。
【0007】又、特公昭61−8912号公報に記載さ
れている装置は、冷却された2基のドラムが外周面を接
して水平に配置されており、2基のドラムの間に溶融ス
ラグを供給するようになっている。この装置によれば、
2基のドラムが互いに付着した溶融スラグを上側へ持ち
上げるように反対方向に回転し、付着したスラグはドラ
ムの下端部に設けられたピンチロールで押圧され、さら
にカッターにより掻き取られて排出される。
れている装置は、冷却された2基のドラムが外周面を接
して水平に配置されており、2基のドラムの間に溶融ス
ラグを供給するようになっている。この装置によれば、
2基のドラムが互いに付着した溶融スラグを上側へ持ち
上げるように反対方向に回転し、付着したスラグはドラ
ムの下端部に設けられたピンチロールで押圧され、さら
にカッターにより掻き取られて排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術においては、次のような問題点がある。特開平10−
287453号公報に記載されている装置においては、
溶融スラグを冷却する際に、同時に粒状化する構成にな
っているので、溶融スラグを滴下するように供給しなけ
ればならない。このため、水冷ロールの外周面が冷却面
として活用される度合いが非常に小さく、装置の処理能
力が小さい。
術においては、次のような問題点がある。特開平10−
287453号公報に記載されている装置においては、
溶融スラグを冷却する際に、同時に粒状化する構成にな
っているので、溶融スラグを滴下するように供給しなけ
ればならない。このため、水冷ロールの外周面が冷却面
として活用される度合いが非常に小さく、装置の処理能
力が小さい。
【0009】特開昭60−264349号公報に記載さ
れている装置においては、2基のロールの間隙からスラ
グが圧延されて下方へ押し出されるので、水冷ロールの
冷却面が最大でも外周面の1/4周分(90°分)であ
り、ロールの外周面が冷却面として活用される度合いが
小さい。
れている装置においては、2基のロールの間隙からスラ
グが圧延されて下方へ押し出されるので、水冷ロールの
冷却面が最大でも外周面の1/4周分(90°分)であ
り、ロールの外周面が冷却面として活用される度合いが
小さい。
【0010】又、2基のロールの間隙からほぼ一定量の
スラグが押し出されるので、押し出される溶融スラグ量
に相当する量の溶融スラグが供給されるように、溶融ス
ラグの供給量を精度よく制御しなければならない。しか
し、温度が極めて高く、或いはスラグの種類によっては
粘性が非常に高い、溶融スラグの流量を精度よく制御す
ることは困難である。
スラグが押し出されるので、押し出される溶融スラグ量
に相当する量の溶融スラグが供給されるように、溶融ス
ラグの供給量を精度よく制御しなければならない。しか
し、温度が極めて高く、或いはスラグの種類によっては
粘性が非常に高い、溶融スラグの流量を精度よく制御す
ることは困難である。
【0011】又、特公昭61−8912号公報に記載さ
れている装置においては、ドラムに付着して冷却・固化
したスラグをピンチロールやカッターなどを使用して剥
離しなければならないので、ドラムの外周面に疵が発生
しやすい。そして、外周面に疵があるドラムを使用する
と、ドラムに付着したスラグが更に剥離しにくくなる。
れている装置においては、ドラムに付着して冷却・固化
したスラグをピンチロールやカッターなどを使用して剥
離しなければならないので、ドラムの外周面に疵が発生
しやすい。そして、外周面に疵があるドラムを使用する
と、ドラムに付着したスラグが更に剥離しにくくなる。
【0012】さらに、都市ごみ焼却残渣のような多量の
塩類が含まれているものを溶融処理した際に発生する溶
融スラグを上記従来の装置で冷却・固化処理した場合に
は、装置の運転に支障が生じたり、或いは排出される固
化スラグの品質が低下する等の問題が発生する。
塩類が含まれているものを溶融処理した際に発生する溶
融スラグを上記従来の装置で冷却・固化処理した場合に
は、装置の運転に支障が生じたり、或いは排出される固
化スラグの品質が低下する等の問題が発生する。
【0013】塩類を含む溶融スラグを特開平10−28
7453号公報に記載されている装置で処理すると、供
給された溶融スラグがそのまま粒状化されてしまうの
で、多量の塩類を含む固化スラグが排出される。このよ
うなスラグは土木建築材料などの用途に供することがで
ず、有効利用ができない。
7453号公報に記載されている装置で処理すると、供
給された溶融スラグがそのまま粒状化されてしまうの
で、多量の塩類を含む固化スラグが排出される。このよ
うなスラグは土木建築材料などの用途に供することがで
ず、有効利用ができない。
【0014】又、上記溶融スラグは、主としてSiO
2 、Al2 O3 、CaOなどの酸化物とNaCl、KC
l、CaCl2などの塩類の混合物であるので、この溶
融スラグを特開昭60−264349号公報に記載され
ている装置又は特公昭61−8912号公報に記載され
ている装置で処理すると、図10に示すように、供給さ
れた溶融スラグ40が2基の水冷ロールの上に滞留して
いる間に高融点(1300℃〜1500℃)の酸化物と
低融点(700℃〜800℃)の塩類に分離され、2基
の水冷ロール上に酸化物の層40aと塩類の層40bよ
りなる2層が形成される。この際、比重差によって、融
点が低い塩類の層40bが上に形成され、その下に融点
が高いの酸化物の層40aが形成される。
2 、Al2 O3 、CaOなどの酸化物とNaCl、KC
l、CaCl2などの塩類の混合物であるので、この溶
融スラグを特開昭60−264349号公報に記載され
ている装置又は特公昭61−8912号公報に記載され
ている装置で処理すると、図10に示すように、供給さ
れた溶融スラグ40が2基の水冷ロールの上に滞留して
いる間に高融点(1300℃〜1500℃)の酸化物と
低融点(700℃〜800℃)の塩類に分離され、2基
の水冷ロール上に酸化物の層40aと塩類の層40bよ
りなる2層が形成される。この際、比重差によって、融
点が低い塩類の層40bが上に形成され、その下に融点
が高いの酸化物の層40aが形成される。
【0015】上記のようにして塩類と酸化物の2層がで
きると、下層に存在する高融点の酸化物が先に水冷ロー
ルに凝固して付着し、排出される。しかし、水冷ロール
に付着した酸化物の層は熱伝導が悪いので、上層に存在
する塩類は冷却されにくく、凝固温度以下には容易に冷
却されない。このため、供給された溶融スラグのうち、
酸化物だけが凝固して排出され、塩類のスラグはそのま
ま残留して蓄積される。そして、多量の塩類が水冷ロー
ル上に滞留し、湯面が上昇する。
きると、下層に存在する高融点の酸化物が先に水冷ロー
ルに凝固して付着し、排出される。しかし、水冷ロール
に付着した酸化物の層は熱伝導が悪いので、上層に存在
する塩類は冷却されにくく、凝固温度以下には容易に冷
却されない。このため、供給された溶融スラグのうち、
酸化物だけが凝固して排出され、塩類のスラグはそのま
ま残留して蓄積される。そして、多量の塩類が水冷ロー
ル上に滞留し、湯面が上昇する。
【0016】このような状態になると、特開昭60−2
64349号公報の装置においては、凝固したスラグに
塩類が巻き込まれて抜き出されるようになり、多量の塩
類を含む固化スラグが排出される。又、特公昭61−8
912号公報の装置においては、塩類の蓄積によって水
冷ロール上に滞留する溶融物の湯面が上昇し、装置の運
転を停止しなければならない状態になる。
64349号公報の装置においては、凝固したスラグに
塩類が巻き込まれて抜き出されるようになり、多量の塩
類を含む固化スラグが排出される。又、特公昭61−8
912号公報の装置においては、塩類の蓄積によって水
冷ロール上に滞留する溶融物の湯面が上昇し、装置の運
転を停止しなければならない状態になる。
【0017】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、処理能力が大きく、冷却されたスラグが剥離されや
すく、かつ、塩類を含む溶融スラグを処理しても、装置
の運転に支障が生じたり、或いは排出される固化スラグ
の品質が低下する等の問題が発生しない、溶融スラグの
冷却固化装置を提供することを目的とする。
し、処理能力が大きく、冷却されたスラグが剥離されや
すく、かつ、塩類を含む溶融スラグを処理しても、装置
の運転に支障が生じたり、或いは排出される固化スラグ
の品質が低下する等の問題が発生しない、溶融スラグの
冷却固化装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明に
より解決される。第1の発明は、冷却可能に構成された
2基の円筒状回転体を有し、一方の円筒状回転体にはそ
の両端部にガイドフランジが設けられ、このガイドフラ
ンジの内側に他方の円筒状回転体がその両端を接する状
態に挿入されると共に2基の円筒状回転体が互いに外周
面を接して水平に配置され、何れの円筒状回転体も外周
面を接した箇所が上方に向かう方向に回転するように構
成され、その回転数が調節可能に構成されたことを特徴
としている。
より解決される。第1の発明は、冷却可能に構成された
2基の円筒状回転体を有し、一方の円筒状回転体にはそ
の両端部にガイドフランジが設けられ、このガイドフラ
ンジの内側に他方の円筒状回転体がその両端を接する状
態に挿入されると共に2基の円筒状回転体が互いに外周
面を接して水平に配置され、何れの円筒状回転体も外周
面を接した箇所が上方に向かう方向に回転するように構
成され、その回転数が調節可能に構成されたことを特徴
としている。
【0019】第2の発明は、第1の発明において、一方
の円筒状回転体の両端部に設けられたガイドフランジの
うち、一端部に設けられたガイドフランジが他端部に設
けられたガイドフランジよりも直径が小さく形成された
ことを特徴としている。
の円筒状回転体の両端部に設けられたガイドフランジの
うち、一端部に設けられたガイドフランジが他端部に設
けられたガイドフランジよりも直径が小さく形成された
ことを特徴としている。
【0020】第3の発明は、第2の発明において、直径
が小さいガイドフランジと他方の円筒状回転体が接する
位置又はその近傍に配置され、直径が小さいガイドフラ
ンジの外周面及び他方の円筒状回転体に接して摺動可能
に構成された湯面レベル調整器を有することを特徴とし
ている。
が小さいガイドフランジと他方の円筒状回転体が接する
位置又はその近傍に配置され、直径が小さいガイドフラ
ンジの外周面及び他方の円筒状回転体に接して摺動可能
に構成された湯面レベル調整器を有することを特徴とし
ている。
【0021】円筒状回転体を用いる溶融スラグの冷却・
固化処理において、円筒状回転体からのスラグの剥離が
容易であることが、安定操業を行うための条件の一つで
ある。そこで、本発明者らが、円筒状回転体に付着した
スラグを容易に剥離させる条件を見出すために種々の試
験を行った結果、次のような知見を得た。すなわち、凝
固したスラグが十分に冷却されておらず、未だ可塑性を
有する状態においては、冷却された金属体とスラグとの
付着度合いは非常に小さい。このため、スラグが可塑性
を有する状態で付着している円筒状回転体を回転させ、
スラグを離脱点に到達させると、付着していたスラグは
自然に剥離する。
固化処理において、円筒状回転体からのスラグの剥離が
容易であることが、安定操業を行うための条件の一つで
ある。そこで、本発明者らが、円筒状回転体に付着した
スラグを容易に剥離させる条件を見出すために種々の試
験を行った結果、次のような知見を得た。すなわち、凝
固したスラグが十分に冷却されておらず、未だ可塑性を
有する状態においては、冷却された金属体とスラグとの
付着度合いは非常に小さい。このため、スラグが可塑性
を有する状態で付着している円筒状回転体を回転させ、
スラグを離脱点に到達させると、付着していたスラグは
自然に剥離する。
【0022】円筒状回転体に付着したスラグを可塑性を
有する状態に保持するためには、付着したスラグの外面
の温度をそのスラグの溶流点未満でかつガラス転移点を
超える範囲に保持し、スラグを冷却不十分の状態にす
る。スラグの温度が溶流点未満であれば、円筒状回転体
に付着したスラグは凝固して帯状に成形された状態に保
たれ、又、スラグの温度がガラス転移点を超える範囲で
あれば、スラグは可塑性を有する状態に保たれる。な
お、溶融スラグは発生源や被処理物の種類によって組成
が異なるので、溶流点及びガラス転移点については、そ
の組成における値を用いる必要がある。
有する状態に保持するためには、付着したスラグの外面
の温度をそのスラグの溶流点未満でかつガラス転移点を
超える範囲に保持し、スラグを冷却不十分の状態にす
る。スラグの温度が溶流点未満であれば、円筒状回転体
に付着したスラグは凝固して帯状に成形された状態に保
たれ、又、スラグの温度がガラス転移点を超える範囲で
あれば、スラグは可塑性を有する状態に保たれる。な
お、溶融スラグは発生源や被処理物の種類によって組成
が異なるので、溶流点及びガラス転移点については、そ
の組成における値を用いる必要がある。
【0023】本発明においては、2基の円筒状回転体が
何れも外周面を接した箇所が、朝顔の外形を描くよう
に、上方に向かって回転するので、円筒状回転体に付着
したスラグは上昇して外側へ移動し、次いで、下向きに
なって上記の外周面を接した箇所と同じ高さの位置(以
下、離脱点と言う)まで下降する。この位置において、
スラグが可塑性を有する温度に保持されていれば、円筒
状回転体上に形成されている帯状のスラグは自重によっ
て円筒状回転体から自然剥離し、垂れ下がる。もしも、
スラグの温度が可塑性を有する温度を下回っている場合
には、帯状のスラグが円筒状回転体に付着したまま固化
し、上記のような自然剥離が行われなくなる。
何れも外周面を接した箇所が、朝顔の外形を描くよう
に、上方に向かって回転するので、円筒状回転体に付着
したスラグは上昇して外側へ移動し、次いで、下向きに
なって上記の外周面を接した箇所と同じ高さの位置(以
下、離脱点と言う)まで下降する。この位置において、
スラグが可塑性を有する温度に保持されていれば、円筒
状回転体上に形成されている帯状のスラグは自重によっ
て円筒状回転体から自然剥離し、垂れ下がる。もしも、
スラグの温度が可塑性を有する温度を下回っている場合
には、帯状のスラグが円筒状回転体に付着したまま固化
し、上記のような自然剥離が行われなくなる。
【0024】又、本発明においては、上記のように、円
筒状回転体に付着したスラグを、そのスラグの溶流点未
満でかつガラス転移点を超える温度範囲の状態に保持す
ればよく、スラグの温度が広範囲にわたるので、スラグ
が凝固されてさえいれば、排出することができる。この
ため、円筒状回転体の回転数を上げて処理量を増加させ
ることができ、溶融スラグの供給量の大幅な変動が許容
される。
筒状回転体に付着したスラグを、そのスラグの溶流点未
満でかつガラス転移点を超える温度範囲の状態に保持す
ればよく、スラグの温度が広範囲にわたるので、スラグ
が凝固されてさえいれば、排出することができる。この
ため、円筒状回転体の回転数を上げて処理量を増加させ
ることができ、溶融スラグの供給量の大幅な変動が許容
される。
【0025】さらに、本発明においては、一方の円筒状
回転体の両端部に設けたガイドフランジの一方の直径を
小さくしているので、前述のような塩類の蓄積による湯
面の上昇が起こった場合、その蓄積された塩類を直径を
小さいガイドフランジ側から溢流させて排出させること
ができる。
回転体の両端部に設けたガイドフランジの一方の直径を
小さくしているので、前述のような塩類の蓄積による湯
面の上昇が起こった場合、その蓄積された塩類を直径を
小さいガイドフランジ側から溢流させて排出させること
ができる。
【0026】そして、上記の直径が小さいガイドフラン
ジの外周面に接して摺動可能に構成された湯面レベル調
整器を付けた場合には、この湯面レベル調整器を上昇さ
せて2基の円筒状回転体の上に滞留している溶融スラグ
の湯面レベルを上げたり、或いは湯面レベル調整器を下
げて溶融スラグの一部を溢流させることができる。この
ため、2基の円筒状回転体の上に滞留している溶融スラ
グの上部に塩類の層が形成された場合には、湯面レベル
調整器を下げることにより、塩類だけを別途に排出する
ことができる。
ジの外周面に接して摺動可能に構成された湯面レベル調
整器を付けた場合には、この湯面レベル調整器を上昇さ
せて2基の円筒状回転体の上に滞留している溶融スラグ
の湯面レベルを上げたり、或いは湯面レベル調整器を下
げて溶融スラグの一部を溢流させることができる。この
ため、2基の円筒状回転体の上に滞留している溶融スラ
グの上部に塩類の層が形成された場合には、湯面レベル
調整器を下げることにより、塩類だけを別途に排出する
ことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
一例を示す概略の平面図である。又、図2は図1の装置
により溶融スラグの冷却・固化処理がされている状態を
示す概略の縦断面図である。この実施の形態において
は、冷却可能に構成された円筒状回転体の一つとして水
冷ドラムが使用される。
一例を示す概略の平面図である。又、図2は図1の装置
により溶融スラグの冷却・固化処理がされている状態を
示す概略の縦断面図である。この実施の形態において
は、冷却可能に構成された円筒状回転体の一つとして水
冷ドラムが使用される。
【0028】図1及び図2において、10a,10bは
溶融スラグを付着させて冷却するための金属製の水冷ド
ラムである。この2基の水冷ドラム10a,10bのう
ち、一方の水冷ドラム10aにはその両端にガイドフラ
ンジ11が設けられており、この2枚のガイドフランジ
11の内側に他の水冷ドラム10bがその両端を接する
状態に挿入されている。2基の水冷ドラム10a,10
bは互いに外周面を接して水平に配置されている。この
ため、2基の水冷ドラム10a,10bの上に供給され
た溶融スラグはガイドフランジ11,11によって堰き
止められ、水冷ドラム10a,10b上に滞留すること
ができるようになっている。
溶融スラグを付着させて冷却するための金属製の水冷ド
ラムである。この2基の水冷ドラム10a,10bのう
ち、一方の水冷ドラム10aにはその両端にガイドフラ
ンジ11が設けられており、この2枚のガイドフランジ
11の内側に他の水冷ドラム10bがその両端を接する
状態に挿入されている。2基の水冷ドラム10a,10
bは互いに外周面を接して水平に配置されている。この
ため、2基の水冷ドラム10a,10bの上に供給され
た溶融スラグはガイドフランジ11,11によって堰き
止められ、水冷ドラム10a,10b上に滞留すること
ができるようになっている。
【0029】回転軸12a,12bには水冷ドラム10
a,10b内へ冷却水を供給する流路及び排水の流路が
それぞれ設けられており、水冷ドラム10a,10bが
常時冷却されるようになっている。
a,10b内へ冷却水を供給する流路及び排水の流路が
それぞれ設けられており、水冷ドラム10a,10bが
常時冷却されるようになっている。
【0030】又、水冷ドラム10a,10bは回転軸1
2a,12bに連結された駆動装置(図示せず)によっ
て駆動され、図中に矢印で示すように、互いに反対方向
に回転し、何れも外周面を接した箇所が上方に向かって
上昇する方向に回転する。そして、水冷ドラム10a,
10bはその回転数が適宜変更することが可能になって
いる。
2a,12bに連結された駆動装置(図示せず)によっ
て駆動され、図中に矢印で示すように、互いに反対方向
に回転し、何れも外周面を接した箇所が上方に向かって
上昇する方向に回転する。そして、水冷ドラム10a,
10bはその回転数が適宜変更することが可能になって
いる。
【0031】上記のように構成された装置による溶融ス
ラグの冷却・固化処理の操作を図2により説明する。図
2において、水冷ドラム10a,10bは図1における
A−A部の断面を示す。又、30は溶融スラグを供給す
るスラグ樋、40は供給された溶融スラグを示す。
ラグの冷却・固化処理の操作を図2により説明する。図
2において、水冷ドラム10a,10bは図1における
A−A部の断面を示す。又、30は溶融スラグを供給す
るスラグ樋、40は供給された溶融スラグを示す。
【0032】図示する方向に回転している水冷ドラム1
0a,10bの上に供給された溶融スラグ40は、ガイ
ドフランジ11,11により堰き止められて滞留してい
る間に、水冷ドラム10a,10b近傍のものが冷却さ
れて凝固し、水冷ドラムに付着して上昇する。水冷ドラ
ムに付着したスラグ41は離脱点Fに達するまで冷却さ
れた後、自然剥離して垂れ下がる。この際、離脱点Fに
おける付着スラグ41が可塑性を有する状態に保持され
るように、必要に応じて、水冷ドラム10a,10bの
回転数を変更する操作が行われる。
0a,10bの上に供給された溶融スラグ40は、ガイ
ドフランジ11,11により堰き止められて滞留してい
る間に、水冷ドラム10a,10b近傍のものが冷却さ
れて凝固し、水冷ドラムに付着して上昇する。水冷ドラ
ムに付着したスラグ41は離脱点Fに達するまで冷却さ
れた後、自然剥離して垂れ下がる。この際、離脱点Fに
おける付着スラグ41が可塑性を有する状態に保持され
るように、必要に応じて、水冷ドラム10a,10bの
回転数を変更する操作が行われる。
【0033】水冷ドラム10a,10bの回転数は、例
えば、次に記すシステムを備えることにより自動的に調
節することができる。このシステムにおいては、離脱点
Fの付近における付着スラグ41の表面温度を測定する
ための温度計を設置しておき、この温度計により測定さ
れた温度の信号が制御器へ送られ、この温度信号に基づ
いて付着スラグ41の温度が所定の範囲に収まるように
演算された適正回転数の信号が水冷ドラム10a,10
bの駆動部へ送られ、水冷ドラム10a,10bの回転
数が増減される。
えば、次に記すシステムを備えることにより自動的に調
節することができる。このシステムにおいては、離脱点
Fの付近における付着スラグ41の表面温度を測定する
ための温度計を設置しておき、この温度計により測定さ
れた温度の信号が制御器へ送られ、この温度信号に基づ
いて付着スラグ41の温度が所定の範囲に収まるように
演算された適正回転数の信号が水冷ドラム10a,10
bの駆動部へ送られ、水冷ドラム10a,10bの回転
数が増減される。
【0034】水冷ドラム10a,10bから剥離したス
ラグ42は可塑性を有する状態であり、未だ固化してい
ないので、必要に応じ、急冷して固化させることが望ま
しい。水冷ドラム10a,10bから剥離した段階でス
ラグを急冷して固化させてしまえば、引き続いて、破砕
操作や篩い分け操作などを実施することができ、スラグ
処理に係る設備全体がコンパクトに収められる。
ラグ42は可塑性を有する状態であり、未だ固化してい
ないので、必要に応じ、急冷して固化させることが望ま
しい。水冷ドラム10a,10bから剥離した段階でス
ラグを急冷して固化させてしまえば、引き続いて、破砕
操作や篩い分け操作などを実施することができ、スラグ
処理に係る設備全体がコンパクトに収められる。
【0035】水冷ドラムから剥離したスラグ42を急冷
する場合、水や空気などの冷却流体を吹き付ける装置を
用いるのがよい。この冷却方式はスラグを直接冷却する
ものであり、冷却効率が非常によい。特に、冷却流体と
して水を使用した場合には、少量の水を噴霧するだけで
スラグの温度を大幅に低下させることができる。又、こ
の直接冷却による冷却量の調節は吹き付ける冷却流体の
流量を変更することによって行われるので、水冷ドラム
から剥離してきたスラグ42の温度が大幅に変動して
も、スラグを所定温度まで容易に降下させることができ
る。このため、水冷ドラムから剥離したスラグ42を直
接冷却することにより、溶融スラグの処理量を増やすこ
とができき、大きな負荷変動があっても、これにも対処
することができる。
する場合、水や空気などの冷却流体を吹き付ける装置を
用いるのがよい。この冷却方式はスラグを直接冷却する
ものであり、冷却効率が非常によい。特に、冷却流体と
して水を使用した場合には、少量の水を噴霧するだけで
スラグの温度を大幅に低下させることができる。又、こ
の直接冷却による冷却量の調節は吹き付ける冷却流体の
流量を変更することによって行われるので、水冷ドラム
から剥離してきたスラグ42の温度が大幅に変動して
も、スラグを所定温度まで容易に降下させることができ
る。このため、水冷ドラムから剥離したスラグ42を直
接冷却することにより、溶融スラグの処理量を増やすこ
とができき、大きな負荷変動があっても、これにも対処
することができる。
【0036】そして、上記の冷却流体を吹き付ける装置
に冷却流体の流量計を備えておき、その流量調節機構
を、上記した水冷ドラム10a,10bの回転数を自動
調節する際に適用することができるものとして提案した
上記システムに組み込めば、付着スラグ41の表面温度
の測定値に基づいて剥離したスラグ42の温度が所定の
範囲に収まるように演算された冷却流体の流量値の信号
が冷却流体の流量計へ送られ、冷却流体の流量が調節さ
れる。
に冷却流体の流量計を備えておき、その流量調節機構
を、上記した水冷ドラム10a,10bの回転数を自動
調節する際に適用することができるものとして提案した
上記システムに組み込めば、付着スラグ41の表面温度
の測定値に基づいて剥離したスラグ42の温度が所定の
範囲に収まるように演算された冷却流体の流量値の信号
が冷却流体の流量計へ送られ、冷却流体の流量が調節さ
れる。
【0037】図3、図4は本発明の実施の形態に係る他
の例を示し、図3は概略の平面図、図4は概略の側面図
である。図3、図4において、図1及び図2と同じ構成
による部分については、同一の符号を付し説明を省略す
る。この実施の形態においては、水冷ドラム10aの両
端に設けられているガイドフランジの大きさが異なって
おり、一方のガイドフランジ11bは他方のガイドフラ
ンジ11aよりも直径が小さく形成されている。このよ
うに、一方のガイドフランジ11bの直径を小さくして
あるのは、塩類を含む溶融スラグを処理する場合、2基
の水冷ドラム10a,10bの上に堰き止められた溶融
スラグの上部に存在する塩類を溢流させることができる
ようにするためである。
の例を示し、図3は概略の平面図、図4は概略の側面図
である。図3、図4において、図1及び図2と同じ構成
による部分については、同一の符号を付し説明を省略す
る。この実施の形態においては、水冷ドラム10aの両
端に設けられているガイドフランジの大きさが異なって
おり、一方のガイドフランジ11bは他方のガイドフラ
ンジ11aよりも直径が小さく形成されている。このよ
うに、一方のガイドフランジ11bの直径を小さくして
あるのは、塩類を含む溶融スラグを処理する場合、2基
の水冷ドラム10a,10bの上に堰き止められた溶融
スラグの上部に存在する塩類を溢流させることができる
ようにするためである。
【0038】上記の構成による水冷ドラムにおいて、2
基の水冷ドラム10a,10b上に堰き止められた溶融
スラグの湯面レベルが塩類の蓄積によって上昇し、湯面
レベルがガイドフランジ11bを超える高さになると、
溶融物がガイドフランジ11b側から溢流する状態にな
る。このため、上記の状態になった後に溜まった塩類は
溢流して系外に排出される。図中、22は溢流した塩類
を排出する溶融塩樋である。
基の水冷ドラム10a,10b上に堰き止められた溶融
スラグの湯面レベルが塩類の蓄積によって上昇し、湯面
レベルがガイドフランジ11bを超える高さになると、
溶融物がガイドフランジ11b側から溢流する状態にな
る。このため、上記の状態になった後に溜まった塩類は
溢流して系外に排出される。図中、22は溢流した塩類
を排出する溶融塩樋である。
【0039】なお、この実施の形態においては、上記の
ように、塩類が蓄積すると、湯面が上昇し、塩類がガイ
ドフランジ11bから自然に溢流するようになっている
が、塩類の蓄積量がさらに増加してその比率が非常に大
きくなると、酸化物と共に塩類が凝固してスラグに混入
するようになる。しかし、図5に示す方法によれば、ス
ラグへの塩類の混入を防止することができる。
ように、塩類が蓄積すると、湯面が上昇し、塩類がガイ
ドフランジ11bから自然に溢流するようになっている
が、塩類の蓄積量がさらに増加してその比率が非常に大
きくなると、酸化物と共に塩類が凝固してスラグに混入
するようになる。しかし、図5に示す方法によれば、ス
ラグへの塩類の混入を防止することができる。
【0040】図5において、図2と同じ構成による部分
については、同一の符号を付し説明を省略する。この図
に示す方法においては、水冷ドラム10a,10bの何
れかの上方に温度計23を備えておき、これによって水
冷ドラムに付着した湯面近傍のスラグの表面温度を測定
し、この温度が塩類の融点を超える範囲に保持されるよ
うに、水冷ドラム10a,10bの回転数を調整する。
これにより、塩類の凝固を防ぐことができる。そして、
凝固しないで水冷ドラム10a,10b上に溜まった塩
類は溢流して排出される。
については、同一の符号を付し説明を省略する。この図
に示す方法においては、水冷ドラム10a,10bの何
れかの上方に温度計23を備えておき、これによって水
冷ドラムに付着した湯面近傍のスラグの表面温度を測定
し、この温度が塩類の融点を超える範囲に保持されるよ
うに、水冷ドラム10a,10bの回転数を調整する。
これにより、塩類の凝固を防ぐことができる。そして、
凝固しないで水冷ドラム10a,10b上に溜まった塩
類は溢流して排出される。
【0041】図6〜図8は本発明の実施の形態に係るさ
らに他の例を示し、図6は概略の正面図、図7は概略の
側面図、図8は概略の平面図である。図6〜図8におい
て、図3及び図4と同じ構成による部分については、同
一の符号を付し説明を省略する。この実施の形態におい
ては、塩類を溢流させるレベルを変えることができよう
にするために、湯面レベル調整器20が設けられてい
る。湯面レベル調整器20はガイドフランジ11bと水
冷ドラム10bが接する位置又はその近傍に配置され、
ガイドフランジ11bの外周面と水冷ドラム10bの端
面に接すると共に、ガイドフランジ11bの外周方向に
摺動可能になっている。
らに他の例を示し、図6は概略の正面図、図7は概略の
側面図、図8は概略の平面図である。図6〜図8におい
て、図3及び図4と同じ構成による部分については、同
一の符号を付し説明を省略する。この実施の形態におい
ては、塩類を溢流させるレベルを変えることができよう
にするために、湯面レベル調整器20が設けられてい
る。湯面レベル調整器20はガイドフランジ11bと水
冷ドラム10bが接する位置又はその近傍に配置され、
ガイドフランジ11bの外周面と水冷ドラム10bの端
面に接すると共に、ガイドフランジ11bの外周方向に
摺動可能になっている。
【0042】上記の構成による水冷ドラムにおいて、2
基の水冷ドラム10a,10bの上に堰き止められた溶
融スラグの湯面レベルが上昇していくと、ガイドフラン
ジ11b側から溶融スラグが溢流する状態になるが、湯
面レベル調整器20が設けられているので、これを上下
させることによって溶融スラグを堰き止める高さを所望
の高さに変えることができる。このため、2基の水冷ド
ラム10a,10bの上に滞留している溶融スラグの上
部に塩類の層が生成された場合、塩類の層が存在するレ
ベルまで湯面レベル調整器20の上端を下降させること
により、塩類だけを溢流させて系外に排出させることが
できる。図中、21aはガイドフランジ11bに付着し
た塩類を取り除くスクレーパー、21bは水冷ドラム1
0bに付着した塩類を取り除くスクレーパーである。
基の水冷ドラム10a,10bの上に堰き止められた溶
融スラグの湯面レベルが上昇していくと、ガイドフラン
ジ11b側から溶融スラグが溢流する状態になるが、湯
面レベル調整器20が設けられているので、これを上下
させることによって溶融スラグを堰き止める高さを所望
の高さに変えることができる。このため、2基の水冷ド
ラム10a,10bの上に滞留している溶融スラグの上
部に塩類の層が生成された場合、塩類の層が存在するレ
ベルまで湯面レベル調整器20の上端を下降させること
により、塩類だけを溢流させて系外に排出させることが
できる。図中、21aはガイドフランジ11bに付着し
た塩類を取り除くスクレーパー、21bは水冷ドラム1
0bに付着した塩類を取り除くスクレーパーである。
【0043】上記の湯面レベル調整操作を図9により説
明する。図9において、図5と同じ構成による部分につ
いては、同一の符号を付し説明を省略する。水冷ドラム
10a,10bの上に滞留している溶融スラグの上部に
塩類の層40bが生成した場合、湯面レベル調整器20
を下降させ、その上端(A点)が湯面レベルを下回る位
置まで下がると、塩類が溢流して排出される。そして、
湯面レベル調整器20の上端が塩類の層40bと酸化物
の層40aとの界面が位置するB点の近傍まで下降する
と、大部分の塩類は溢流して排出される。
明する。図9において、図5と同じ構成による部分につ
いては、同一の符号を付し説明を省略する。水冷ドラム
10a,10bの上に滞留している溶融スラグの上部に
塩類の層40bが生成した場合、湯面レベル調整器20
を下降させ、その上端(A点)が湯面レベルを下回る位
置まで下がると、塩類が溢流して排出される。そして、
湯面レベル調整器20の上端が塩類の層40bと酸化物
の層40aとの界面が位置するB点の近傍まで下降する
と、大部分の塩類は溢流して排出される。
【0044】なお、上記のようにして塩類を溢流させる
操作に際し、塩類の層の有無については、滞留している
溶融スラグを観察することによっても判断されるが、図
9に示すように、水冷ドラム10a,10bの上方に溶
融スラグの表面温度を測定するための温度計23を配置
しておき、この測定値からその有無を判定することもで
きる。
操作に際し、塩類の層の有無については、滞留している
溶融スラグを観察することによっても判断されるが、図
9に示すように、水冷ドラム10a,10bの上方に溶
融スラグの表面温度を測定するための温度計23を配置
しておき、この測定値からその有無を判定することもで
きる。
【0045】前述のように、都市ごみ焼却残渣の溶融炉
から排出される溶融スラグは、主として、融点が130
0℃〜1500℃の酸化物と融点が700℃〜800℃
のNaCl、KClなどの塩類が混合されたものであ
り、この両者が2層に分離した場合、その間に大きな温
度差が生じる。そして、非常に高温の酸化物の上に相対
的に温度が低い塩類が存在する状態になる。このため、
温度計23の測定値により塩類の層の有無が判定され
る。
から排出される溶融スラグは、主として、融点が130
0℃〜1500℃の酸化物と融点が700℃〜800℃
のNaCl、KClなどの塩類が混合されたものであ
り、この両者が2層に分離した場合、その間に大きな温
度差が生じる。そして、非常に高温の酸化物の上に相対
的に温度が低い塩類が存在する状態になる。このため、
温度計23の測定値により塩類の層の有無が判定され
る。
【0046】そして、塩類を溢流させるための湯面レベ
ル調整器20の操作は、塩類の層が生成した際に適宜行
ってもよいが、温度計23の測定値に基づいて湯面レベ
ル調整器20の駆動装置(図示せず)を駆動させる機構
を備え、その操作を自動的に行うようにしてもよい。
ル調整器20の操作は、塩類の層が生成した際に適宜行
ってもよいが、温度計23の測定値に基づいて湯面レベ
ル調整器20の駆動装置(図示せず)を駆動させる機構
を備え、その操作を自動的に行うようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明においては、外周面を接した箇所
が上方に向かう方向に回転するように構成された2基の
円筒状回転体に溶融スラグを付着させて冷却し、この付
着したスラグを上方に引き上げて順次排出させるので、
排出されるスラグの厚さを適宜変えることができる。こ
のため、必要に応じて多量の溶融スラグを供給して処理
することができる。
が上方に向かう方向に回転するように構成された2基の
円筒状回転体に溶融スラグを付着させて冷却し、この付
着したスラグを上方に引き上げて順次排出させるので、
排出されるスラグの厚さを適宜変えることができる。こ
のため、必要に応じて多量の溶融スラグを供給して処理
することができる。
【0048】又、円筒状回転体の回転数が調節可能に構
成されているので、その回転数を調節することによって
付着したスラグの冷却状態を適宜か変えることができ
る。このため、円筒状回転体に付着したスラグを可塑性
を有する状態に保つことができ、そのスラグを帯状のま
ま容易に剥離させることができる。又、円筒状回転体の
回転数を上げて処理量を増加させることができ、溶融ス
ラグの供給量の大幅な変動が許容される。
成されているので、その回転数を調節することによって
付着したスラグの冷却状態を適宜か変えることができ
る。このため、円筒状回転体に付着したスラグを可塑性
を有する状態に保つことができ、そのスラグを帯状のま
ま容易に剥離させることができる。又、円筒状回転体の
回転数を上げて処理量を増加させることができ、溶融ス
ラグの供給量の大幅な変動が許容される。
【0049】さらに、本発明においては、溶融スラグの
一部を溢流させることができるように構成されているの
で、2基の円筒状回転体の上に滞留している溶融スラグ
の上部に塩類の層が形成された場合には、この塩類だけ
を別途に排出することができる。このため、溶融スラグ
の湯面上昇が起こらないので、装置の運転に支障が生じ
たりすることがない。又、塩類を含まない固化スラグが
得られ、これを土木建築用などの用途に供することがで
きる。
一部を溢流させることができるように構成されているの
で、2基の円筒状回転体の上に滞留している溶融スラグ
の上部に塩類の層が形成された場合には、この塩類だけ
を別途に排出することができる。このため、溶融スラグ
の湯面上昇が起こらないので、装置の運転に支障が生じ
たりすることがない。又、塩類を含まない固化スラグが
得られ、これを土木建築用などの用途に供することがで
きる。
【図1】本発明の実施の形態に係る一例を示す概略の平
面図である。
面図である。
【図2】図1に示す装置により溶融スラグの冷却・固化
処理がされている状態を示す概略の縦断面図である。
処理がされている状態を示す概略の縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る他の例を示す概略の
平面図である。
平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る他の例を示す概略の
側面図である。
側面図である。
【図5】図3及び図4示す装置により溶融スラグの冷却
・固化処理がされている状態を示す概略の縦断面図であ
る。
・固化処理がされている状態を示す概略の縦断面図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態に係るさらに他の例を示す
概略の正面図である。
概略の正面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るさらに他の例を示す
概略の側面図である。
概略の側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るさらに他の例を示す
概略の平面図である。
概略の平面図である。
【図9】図6〜図8示す装置により溶融スラグの冷却・
固化処理がされている状態を示す概略の縦断面図であ
る。
固化処理がされている状態を示す概略の縦断面図であ
る。
【図10】塩類を含む溶融スラグが滞留している間に2
層に分離した状態を模式的に示した図である。
層に分離した状態を模式的に示した図である。
10a,10b 水冷ドラム 11 ガイドフランジ 11a 直径が大きいガイドフランジ 11b 直径が小さいガイドフランジ 12a,12b 水冷ドラムの回転軸 20 湯面レベル調整器 21a スクレーパー 21b スクレーパー 22 溶融塩樋 23 温度計 30 スラグ樋 40 溶融スラグ 40a 酸化物の層 40b 塩類の層 41 水冷ドラムに付着したスラグ 42 水冷ドラムから剥離したスラグ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21C 5/28 C21C 5/28 D (72)発明者 渡辺 克夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 勝呂 洋次 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K061 NB14 NB18 4G012 JK05 4K002 AE07 4K012 AB08 4K063 AA04 BA13 CA02 CA06 HA23
Claims (3)
- 【請求項1】 冷却されている円筒状回転体の外周面上
に溶融スラグを供給して付着させ、冷却されたスラグを
剥離して排出する溶融スラグの冷却固化装置において、
冷却可能に構成された2基の円筒状回転体を有し、一方
の円筒状回転体にはその両端部にガイドフランジが設け
られ、このガイドフランジの内側に他方の円筒状回転体
がその両端を接する状態に挿入されると共に2基の円筒
状回転体が互いに外周面を接して水平に配置され、何れ
の円筒状回転体も外周面を接した箇所が上方に向かう方
向に回転するように構成され、その回転数が調節可能に
構成されたことを特徴とする溶融スラグの冷却固化装
置。 - 【請求項2】 一方の円筒状回転体の両端部に設けられ
たガイドフランジのうち、一端部に設けられたガイドフ
ランジが他端部に設けられたガイドフランジよりも直径
が小さく形成されたことを特徴とする請求項1に記載の
溶融スラグの冷却固化装置。 - 【請求項3】 直径が小さいガイドフランジと他方の円
筒状回転体が接する位置又はその近傍に配置され、直径
が小さいガイドフランジの外周面及び他方の円筒状回転
体に接して摺動可能に構成された湯面レベル調整器を有
することを特徴とする請求項2に記載の溶融スラグの冷
却固化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000016574A JP2001208483A (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 溶融スラグの冷却固化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000016574A JP2001208483A (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 溶融スラグの冷却固化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001208483A true JP2001208483A (ja) | 2001-08-03 |
Family
ID=18543690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000016574A Pending JP2001208483A (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 溶融スラグの冷却固化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001208483A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006024231A1 (fr) * | 2004-08-31 | 2006-03-09 | Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. | Appareil a tambour pour traiter les crasses |
JP2013082582A (ja) * | 2011-10-11 | 2013-05-09 | Jfe Steel Corp | 溶融スラグ処理用双ロール冷却装置 |
-
2000
- 2000-01-26 JP JP2000016574A patent/JP2001208483A/ja active Pending
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