JP5393120B2 - 金属チタンの電子ビーム溶解装置およびこれを用いた溶解方法 - Google Patents

金属チタンの電子ビーム溶解装置およびこれを用いた溶解方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子ビーム溶解装置を用いた金属の溶解装置および方法に関し、とりわけ原料形態によらず効率よく金属インゴットを溶解できる装置および方法に関する。
金属チタンは、従来航空機に多く用いられてきたが、近年用途開発が進み、建材や道路、あるいはスポーツ用品等に広く用いられている。
このような金属チタンは、一般的には、クロール法で製造されたスポンジチタンを破砕整粒後、加圧成形されたブリケットを組み合わせて電極とし、これを真空アーク溶解することにより金属チタンインゴットが製造され、前記金属チタンインゴットを鍛造後、圧延もしくは切削して半製品まで得ている。この間に発生するサイズの小さいチタンスクラップは、そのまま圧縮成形して電極に成形した後、VAR溶解してインゴットに再生利用されている。
しかしながら、鍛造時に発生する大きめのチタンスクラップはそのまま電極に加工することは難しく、更に、粉砕あるいは切断して小さめのチタンスクラップに処理する必要があった。
また、真空アーク溶解同様チタンインゴットの製造に一般的に用いられる電子ビーム溶解炉においては、従来顆粒状のチタンスクラップを溶融チタンで満たされたハースに導入して溶融させ、前記スクラップ中の不純物を分離除去した後、鋳型内に供給されてインゴットが溶製されてきた。
さらに、前記チタンスクラップの発生量は必ずしも一定でなく、よって入手しうるチタンスクラップの形態や量も一定に維持することは困難であった。このため、所定サイズのチタンインゴットをチタンスクラップのみで溶解して構成することは困難であるため、新規なスポンジチタンとチタンスクラップを混合して溶解原料を構成し、前記溶解原料をハースに供給して電子ビーム溶解して金属チタンインゴットを得る方法が一般的であった。
このように、前記した従来の方法では、溶解原料を所定の大きさに破砕・整粒する必要がありコストや工数の点で改善が求められていた。
これに対して、棒状の電極を溶解炉の中心部に吊り下げて前記電極の下端部を電子ビームにより溶解せしめて前記電極の下方に配置した鋳型内に溶融落下させるとともに、顆粒状原料をフィーダーにより別個独立に供給して組成の均一な合金インゴットを溶製する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記の方法では、溶解原料を棒状の電極に成形加工することが必要であり、サイズの大きな塊状スクラップを破砕整粒することなくそのまま電子ビーム溶解炉にて溶解することは困難であった。
また、前記スクラップ原料は、スポンジチタンに比べてLDI(Low Density Inclusion、低密度介在物)やHDI(High Density Inclusion、高密度介在物)等の不純物が多く含有されているため、前記スクラップ原料を単純に溶解しただけでは、インゴットに不純物が移行し、製品としての品質特性が得られないという課題が残されている。
更には、チタンスクラップの発生量は市場に委ねられているので、チタンインゴット原料としての安定性を欠いているという問題がある。
このように、発生量の不安定で、かつ寸法に大小ばらつきがあるチタンスクラップを溶解原料として安定してチタンインゴットを溶製でき、しかも前記チタンスクラップを用いて溶製されたインゴットの品質が優れている金属チタンインゴットの製造装置およびその方法が望まれている。
特開平01−205039号
本発明は、チタンスクラップを溶解原料として電子ビーム溶解によりチタンインゴットを溶製する技術において、寸法に大小ばらつきのあるチタンスクラップを溶解原料として安定して利用でき、品質の優れたチタンインゴットを歩留まり良くしかも安定的に金属を溶製できる装置および方法の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて鋭意検討を重ねてきたところ、ハースを用いた金属の電子ビーム溶解装置およびこれを用いた金属の溶解方法において、前記ハースに供給する塊状原料供給装置と顆粒状原料供給装置を配設して、塊状原料と顆粒状原料を前記ハースに同時に供給することにより形態や発生量が変動するチタンスクラップを効率よく溶解でき、しかも品質の優れたチタンインゴットを溶製できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本願発明に係る金属チタンの電子ビーム溶解装置は、原料供給手段と、電子ビーム照射手段と、供給された金属原料を溶解した溶湯を保持するハースと、溶湯を冷却してインゴットを得る鋳型を備えた金属チタンの電子ビーム溶解装置であって、原料供給手段は、塊状原料供給手段と顆粒状原料供給手段とからなり、顆粒状原料供給手段からハースに供給される原料の投入方向が、塊状原料供給手段からハースに供給される原料の投入方向に対して平行または斜交するように、顆粒状原料供給手段と塊状原料供給手段が配設されていることを特徴とするものである。
ここで、本願発明でいうところの「塊状原料」とは、チタンスラブやインゴットを鍛造あるいは圧延する際に発生したブロック状原料を意味する。これに対して「顆粒状原料」とは、スポンジチタンやインゴットの切削屑あるいは切粉を意味し、いわゆる破砕・整粒処理されたバラ状の原料を意味する。
本願発明に係る金属の電子ビーム溶解装置は、ハースが平面配置においてL字型に構成されており、L字型ハースの上流側が溶解ハース、下流側が精製ハースで構成されていることを好ましい態様とするものである。
本願発明に係る金属の電子ビーム溶解装置は、塊状原料供給装置を溶解ハースの上流側に配置し、顆粒状原料供給装置を溶解ハースの下流側に配置することを好ましい態様とするものである。
本願発明に係る金属の電子ビーム溶解装置は、顆粒状原料供給装置からハースに供給される原料の投入方向が、塊状原料供給装置からハースに供給される原料の投入方向に対して平行または斜交するように、顆粒状原料供給装置と塊状原料供給装置が配設されていることを好ましい態様とするものである。
本願発明に係る金属の電子ビーム溶解装置は、塊状原料供給装置からの原料供給位置と顆粒状原料供給装置からの原料供給位置との間隔が、溶解ハースに供給した際の顆粒状原料の広がりよりも大きくなるように配設されていることを好ましい態様とし、具体的には、1〜4倍の距離であることを好ましい態様とするものである。
本願発明に係る金属の電子ビーム溶解装置は、顆粒状原料供給装置が振動フィーダーで構成されていることを好ましい態様とするものである。
本願発明に係る金属の電子ビーム溶解装置は、塊状原料供給装置がローラーフィーダーで構成されていることを好ましい態様とするものである。
本願発明に係る金属の電子ビーム溶解装置は、ハースに面した塊状原料供給装置の先端部には耐熱性シャッターが設けられていることを好ましい態様とするものである。
また、本願発明に係るハースを用いた金属チタンの電子ビーム溶解方法は、ハースに塊状原料と顆粒状原料を同時に供給し、かつ、顆粒状原料の供給手段からハースに供給される原料の投入方向が、塊状原料の供給手段からハースに供給される原料の投入方向に対して平行または斜交するように供給することを特徴とするものである。
本願発明に係るハースを用いた金属チタンの電子ビーム溶解方法は、塊状原料と顆粒状原料をハース内に保持された溶湯よりも高温に加熱溶融してハースに供給することを好ましい態様とするものである。
本願発明に係るハースを用いた金属チタンの電子ビーム溶解方法は、塊状原料をハースの上流側に供給し、顆粒状原料をハースの下流側に供給することを好ましい態様とするものである。
本願発明に係るハースを用いた金属チタンの電子ビーム溶解方法は、顆粒状原料を前記ハース内の溶湯流れに対して斜交するように供給することを好ましい態様とするものである。
本願発明に係るハースを用いた金属チタンの電子ビーム溶解方法は、顆粒状原料が、スポンジチタン、チタン切粉、チタン切断片または、これらの混合物であることを好ましい態様とするものである。
本願発明に係るハースを用いた金属チタンの電子ビーム溶解方法は、塊状原料が、チタンインゴットの鍛造または圧延工程で発生したチタンスクラップであることを好ましい態様とするものである。
以上述べた装置構成および方法に従うことで、金属チタンスクラップを効率よく溶解でき、品質の優れたチタンインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
本発明の金属チタンの電子ビーム溶解装置および溶解方法によれば、寸法の異なるチタンスクラップをそれぞれ同時に供給してインゴットの溶製を行うことができるので、発生量および寸法の不安定なチタンスクラップ効率よく利用できる。さらに、不純物の少ない品質の優れたチタンインゴットを溶製することができ、その結果、金属チタン資源を効率よくリサイクルでき地球資源の有効利用を図ることができるという効果を奏するものである。
本発明の最良の実施形態について図面を用いて以下に説明する。
図1は、従来から使用されている電子ビーム溶解装置の構成を示す概略図である。チタン原料12は、例えばアルキメデス缶等の原料供給手段10によって振動フィーダー11等を経て溶解ハース13に投入され、電子ビーム照射手段14によって溶解され、下流側に設けられた鋳型4に供給されて、冷却凝固され、チタンインゴット15が得られる。
図2は、本願発明に係る金属チタンの電子ビーム溶解装置の構成およびそれ用いた金属チタンのハースにおける好ましい溶解方法を表している。本願発明に係る電子ビーム溶解装置においては、図2に示すように、溶解ハース1の下流側に、さらに精製ハース2を備えていることを特徴としている。また、溶解ハース1への原料供給手段として、塊状原料8を供給する塊状原料供給手段6が溶解ハース1の最上流側に設けられ、さらに顆粒状原料7を供給する顆粒状原料供給手段5が溶湯流れの途上に設けられている。符号9は、供給された顆粒状原料7が溶湯面を拡散した様子を示しており、これを原料投入域と称する。前記したようなハース構成とすることで、溶解ハース1で溶解された溶解原料を精製ハース2にて更に不純物を分離精製することができるという効果を奏するものである。
溶解ハース1と精製ハース2は、図2に示すように、それぞれの位置関係がL字型になるように構成することが好ましい。このような装置構成とすることで、溶解ハース1で溶解生成し、原料投入域9の右寄りを流れる溶湯を、溶解ハース1から精製ハース2への流入後には精製ハース2の壁面に衝突させ精製ハース2の左寄りを流れるように転向させることができ、その結果、溶解ハース1で溶解生成した溶湯中の固形の不純物を効果的に前記衝突させる壁面近傍に沈降落下させることができるという効果を奏するものである。
前記塊状原料供給手段6から供給する塊状原料8は相対的に大きいため、塊状原料供給手段6としてはローラーフィーダーを用いることが好ましい。また、前記顆粒状原料供給手段5から供給する前記顆粒状原料7は相対的に小さいため、前記顆粒状原料供給手段5としては振動フィーダーを用いることが好ましい。
本願発明においては、前記顆粒状原料供給手段5から溶解ハース1に供給される顆粒状原料7は、溶解ハース1に投入される塊状原料8の投入方向に対して、斜交して供給されるように顆粒状原料供給手段5を構成することが好ましい。
本願発明でいうところの「斜交」とはハースに対する顆粒状原料の投入方向と塊状原料の投入方向が、ハースの平面配置において斜交していることを意味する。よって、これらの条件を満足するものであれば、どのような配置においても本願発明の効果を奏することができる。
たとえば、図2に示した顆粒状原料供給手段5を、ハースの対向する位置に配置してもよい。また、ハースに対する顆粒状原料7の投入方向は、図2に示すようにハースの下流方向、あるいはハースの上流方向のいずれの形態も採用することができる。よって、本願発明は、種々の形態をとることができる。
また、「平行」とは、溶解ハース1の同一辺上に顆粒状原料と塊状原料供給装置をそれぞれの供給方向が平行になるように配置する場合を意味する。
本願発明においては、前記のような装置構成とすることで、顆粒状原料供給手段5からハースに供給された顆粒状原料7を溶解ハース1内の溶湯中に効率よく溶解させることができ、その結果、淀みのない溶解ハース1内の溶湯流れを形成することができるという効果を奏するものである。
図2は、前記態様の中で、溶解ハースへの塊状原料8の投入方向を溶解ハース1の溶湯流れに対して平行になるように構成した場合のものであり、この場合には、溶解ハース1への顆粒状原料7の投入方向と塊状原料8の投入方向、すなわち溶解ハース1への塊状原料7の投入方向と溶解ハース1の溶湯流れに対するなす角度θを90度以下に配置することにより本願発明の好ましい態様である装置を配置することができる。
また、本願発明においては、ハース1への顆粒状原料7の投入方向と塊状原料8の投入方向のなす角度に相当するハース1への塊状原料7の投入方向と溶解ハース1の溶湯流れに対する角度θを30°〜45°の範囲となるように配置することが好ましい。
前記溶解ハース1内に溶湯流れに対する原料の供給方向のなす角θが、30°よりも小さい場合には、溶解ハース1内に供給された顆粒状原料7の一部が未溶解のまま精製ハース2に逸流する場合があり好ましくない。一方、溶湯流れに対する原料の供給方向のなす角θが45°よりも大きい場合には、溶解ハース1に供給された顆粒状溶原料が、溶解ハース1内の溶湯流れを遮る場合があり好ましくない。
前記したような装置構成とすることで、顆粒状原料7が溶解ハース1で溶解を開始した際に発生するスプラッシュが塊状原料8の塊状原料供給手段6部に達して塊状原料8の供給が阻害される場合を抑制することができるという効果を奏するものである。
図2に示した原料投入域9は、本願発明に係る溶解ハース1に供給された顆粒状原料8が溶解するまでの間に拡散して消失するまでに広がる領域を表している。本願発明では、溶解ハース1と顆粒状原料7が供給される顆粒状原料供給手段5の先端部が交差する点Aから原料投入域9の外周部までの距離のうち最大値を「原料投入域9の大きさ」と定義する。
本願発明においては、溶解ハース1と塊状原料8が供給される塊状原料供給手段6の先端部が交差する点Bと前記顆粒状原料供給手段5の先端部が交差する点Aとの距離は、前記の原料投入域9の大きさに対して1〜4倍の範囲に設定することが好ましい。点Aと点Bの距離がこの範囲にあれば、塊状原料8が溶解ハース1に達した際に発生するスプラッシュの飛散を効果的に抑制することができるという効果を奏するものである。
前記点Aと点Bの距離が原料投入域9の1倍未満の場合には、塊状原料8が溶解ハース1に達した際に発生するスプラッシュの飛散が、塊状原料供給手段6にまで到達するという問題がある。
一方、前記点Aと点Bの距離が原料投入域9の4倍以上に拡大すると、溶解エネルギーが増大してエネルギーロスが大きくなり好ましくない。
本願発明においては、具体的には、顆粒状原料供給手段5から溶解ハース1に供給される顆粒状原料7の供給速度や供給位置を適宜設定することにより実施することができる。
また、本願発明においては、前記塊状原料供給手段6を溶解ハース1の上流側に配置し、前記顆粒状原料供給手段5を溶解ハース1の下流側に配設することが好ましい。
本願発明においては、前記顆粒状原料供給手段5には純度の高いチタン材由来の顆粒状原料を、塊状原料供給手段6には純度の低いチタンスクラップ由来の塊状原料を装入しておくことが好ましい。
その結果、純度の高いチタン材に比べて、純度の低いチタンスクラップの溶解ハース1における滞留時間を長めに設定することができる。その結果、チタンスクラップを十分に溶解させることができ、チタンスクラップ中に含まれる不純物も溶け残ることなく効率よく溶湯中に溶解させることができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、顆粒状原料供給手段5からハース1に供給された顆粒状原料7は、溶解ハース1に投入後照射された電子ビームエネルギーにより加熱溶融するが、その際、前記溶融した顆粒状原料7の温度は、溶解ハース1に保持された溶湯よりも高温に維持することが好ましい。
更に、塊状原料供給手段6から溶解ハース1の直上に押し出された塊状のチタンスクラップも電子ビームが照射され溶融するが、その際に溶融したチタンスクラップの温度は、ハース1に保持された溶湯よりも高温に維持することが好ましい。
前記のように溶解ハース1に供給される溶融した原料の温度を溶解ハース1に保持された溶湯に比べて高温に維持することにより、溶解ハース1内の保持された溶湯の温度をより高温に維持することができる。
その結果、溶解ハース1内に供給された溶湯中にLDIが混入していた場合にも前記LDIを溶解させることができるという効果を奏するものである。
本願発明においては、溶解ハース1に供給する溶融した原料の温度は、溶解ハース1に保持された溶湯に比べて150℃〜400℃だけ高温に保持することが好ましい。
本願発明においては、前記顆粒状原料供給手段5の筐体は、チタン材で構成することが好ましい。前記のような材質で顆粒状原料供給手段5を構成することで、スプラッシュによって顆粒状原料供給手段5の一部が溶解されてハースに落下した場合も、品質汚染の少ないチタンインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
また、塊状原料供給手段の先端部には、スプラッシュの付着による塊状原料供給手段の損傷を防ぐため、耐熱性シャッターを設けることが好ましい。この耐熱性シャッターも上記顆粒状原料供給手段5の筐体と同様にチタン材で構成することが好ましい。スプラッシュによって耐熱性シャッターの一部が溶解されてハースに落下した場合も、品質汚染の少ないチタンインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
前記顆粒状原料供給手段5から供給する顆粒状原料7は、スポンジチタンのみならず、チタンインゴットの切粉や切断片を使用することができる。また、顆粒状原料の粒度は、10メッシュ〜1/2インチの範囲に整粒しておくことが好ましい。このような範囲に整粒しておくことで、顆粒状原料供給手段5から円滑に原料を供給することができるという効果を奏するものである。
これに対して、塊状原料供給手段6から供給する塊状原料8は、チタン材を高温鍛造して際に発生する耳やしわ部を切断除去されたブロック状のスクラップ等の顆粒状原料に対してサイズの大きい原料を好適に用いることができる。
前記したブロック状のチタンスクラップは、表面に酸化物層や窒化物層が残存している場合が多い。このため前記酸化物層や窒化物層は電子ビーム溶解に先立って、酸洗あるいはショットブラストにより除去しておくことが好ましい。
前記した方法により酸化物や窒化物層が分離されたブロック状のチタンスクラップを溶解ハースの上流側から供給することで品質汚染の少ないチタンインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
また、溶解ハース1内の溶湯中への塊状原料8の溶解速度に比べて、顆粒状原料7の供給速度を大きく設定することもできる。その場合には、溶解ハース1内に供給された顆粒状原料7の一部が未溶解のまま原料投入域9のように溶解ハース1内の溶湯表面近傍に滞留させることができる。
溶解ハース1の上流側に供給される塊状原料8は、溶解ハース1に供給されるに先立って塊状原料供給手段6の先端部にて溶融させておくことが好ましく、溶解ハース1における塊状原料8中に含まれている不純物の精製効果を高めることができる。
その結果、図2に示すように溶解ハース1内の溶湯流れを蛇行させることができ、溶解ハース1の上流側から供給された塊状原料8の溶解ハース1内における滞留時間を長くとることができ、塊状原料8に含まれている未溶解不純物を効率よく溶解消滅させることができるという効果を奏するものである。
本願発明に係る溶解ハース1から精製ハース2に溶湯が排出させる部位には、図2に示すような堰3を設けることが好ましい。前記のような堰3を設けることで、溶湯が堰3を通過する際に一旦上昇流を形成し、通過後に下降流を形成して精製ハース2へ供給されるため、溶解ハース1へ供給された顆粒状原料7中の未溶解原料の精製ハース2への逸流を効果的に抑制することができる。
本願発明に使用する塊状原料8は、チタンインゴットを高温鍛造した後、圧延して形成されたチタンスラブのうち、形状や品質汚染の大きな周辺部を切断したブロック状のチタンスクラップを効果的に用いることができる。
前記のようなブロック状のチタンスクラップを予め原料供給手段であるローラーフィーダー内に装入しておくことで、効率よくチタンスクラップを供給することができる。
溶解ハース1に供給される顆粒状原料7と塊状原料8の供給比率は、所定量の金属チタンインゴットを溶製する間は一定に保持しておくことが好ましい。その結果、品質の安定した金属チタンインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
以上本願発明に係る装置および方法を用いることで純チタン材に比べて不純物の含有量が高くまた、発生量の安定しないチタンスクラップを効率的に使用することができるのみならず、品質の優れたチタンインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施例について図2を用いて説明する。
[実施例1]
A.試験条件
1.試験装置
1)電子ビーム溶解炉出力
ハースプール加熱出力:300KW
鋳型プール加熱出力:800KW
2)水冷ハース形状:L字型
3)鋳型:矩形鋳型
4)顆粒状原料供給装置:振動フィーダー
5)塊状原料供給装置:ローラーフィーダー
6)顆粒状原料の供給方向、θ:45°
2.溶解原料
1)顆粒状原料:スポンジチタン(粒度:10メッシュ〜1/2インチ)
2)塊状原料:スラブ切断片
3)供給速度比(顆粒状原料/塊状原料):1〜4
3.操業条件
1)減圧度:2×10−3Torr〜5×10−3Torr
2)ハースプール温度:1800℃
3)鋳型プール温度:1750℃
B.試験結果
前記操業条件および装置を用いて鍛造工程で発生した大型の塊状チタンスクラップと顆粒状のスポンジチタンを同時に溶解し、10tのインゴットを5本溶製した。溶製されたチタンインゴット中の不純物を分析し、その結果を表1に示した。また、溶製されたインゴットの一部を切り出して、内質を調査したがLDIやHDIといった介在物は検出されなかった。
Figure 0005393120
[比較例1]
実施例1において、顆粒状原料供給手段5と塊状原料供給手段6の位置を交換してそれぞれの原料を溶解ハース1に供給した以外は同じ条件下にて溶解して金属チタンインゴットを溶製した。実施例1と同様に溶製されたインゴットの内質を調査し、その結果を表2に示した。その結果、比較例1においては、溶製されたインゴットのMiddle部とBottom部において酸素含有量が、Bottom部において窒素含有量が増加していた。また、Middle部に1個のLDIが検出された。
Figure 0005393120
以上の実施例1および比較例1により、発生量および寸法の安定しないチタンスクラップを効率よく溶解することができるのみならず、溶製されたチタンインゴットの品質も製品としての特性を具備していることが確認された。
本発明によれば、発生量および寸法の安定しないチタンスクラップを効率良くリサイクル使用することができる。
従来の電子ビーム溶解方法によるチタンインゴット製造工程を示す模式断面図である。 本発明の電子ビーム溶解装置を示す斜視図である。 本発明の溶解ハースにおける塊状原料供給箇所と顆粒状原料供給箇所の位置関係を示す平面図である。
符号の説明
1…溶解ハース、2…精製ハース、3…堰、4…鋳型、5…顆粒状原料供給手段、6…塊状原料供給手段、7…顆粒状原料、8…塊状原料、9…原料投入域、10…原料供給手段、11…振動フィーダー、12…溶解原料、13…溶解ハース、14…電子ビーム照射手段、15…インゴット

Claims (14)

  1. 原料供給手段と、電子ビーム照射手段と、供給された金属原料を溶解した溶湯を保持するハースと、上記溶湯を冷却してインゴットを得る鋳型を備えた金属チタンの電子ビーム溶解装置であって、
    上記原料供給手段は、塊状原料供給手段と顆粒状原料供給手段とからなり、
    上記顆粒状原料供給手段から上記ハースに供給される原料の投入方向が、上記塊状原料供給手段から上記ハースに供給される原料の投入方向に対して平行または斜交するように、上記顆粒状原料供給手段と上記塊状原料供給手段が配設されていることを特徴とする金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  2. 前記ハースが平面配置においてL字型に構成されており、上記L字型ハースの上流側部分が溶解ハース、下流側部分が精製ハースで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  3. 前記溶解ハースと前記精製ハースの境界に堰を配置したことを特徴とする請求項2に記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  4. 前記塊状原料供給手段を前記ハースの上流側に配置し、前記顆粒状原料供給手段を上記塊状原料供給手段よりも下流側に配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  5. 前記塊状原料供給手段からの原料供給位置と前記顆粒状原料供給手段からの原料供給位置との間隔が、前記ハースに顆粒状原料を供給した際の顆粒状原料の広がりよりも大きくなるように配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  6. 前記塊状原料供給手段からの原料供給位置と前記顆粒状原料供給手段からの原料供給位置との間隔が、前記ハースに顆粒状原料を供給した際の顆粒状原料の広がりの長さの1〜4倍であることを特徴とする請求項に記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  7. 前記顆粒状原料供給手段が振動フィーダーで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  8. 前記塊状原料供給手段がローラーフィーダーで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  9. 前記溶解ハースに面した塊状原料供給手段の先端部に耐熱性シャッターが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属チタンの電子ビーム溶解装置。
  10. 原料供給手段と、電子ビーム照射手段と、供給された金属原料を溶解した溶湯を保持するハースと、上記溶湯を冷却してインゴットを得る鋳型を備えた金属チタンの電子ビーム溶解装置を用いた金属の電子ビーム溶解方法において、上記ハースに塊状原料と顆粒状原料を同時に供給し、かつ、顆粒状原料の供給手段から上記ハースに供給される原料の投入方向が、塊状原料の供給手段から上記ハースに供給される原料の投入方向に対して平行または斜交するように供給することを特徴とする金属チタンの電子ビーム溶解方法。
  11. 前記塊状原料と前記顆粒状原料を前記ハース内に保持された溶湯よりも高温に加熱溶融してハースに供給することを特徴とする請求項10に記載の金属チタンの電子ビーム溶解方法。
  12. 前記塊状原料を前記ハースの上流側に供給し、顆粒状原料をハースの下流側に供給することを特徴とする請求項10に記載の金属チタンの電子ビーム溶解方法。
  13. 前記顆粒状原料が、スポンジチタン、チタン切粉、チタン切断片または、これらの混合物であることを特徴とする請求項10に記載の金属チタンの電子ビーム溶解方法。
  14. 前記塊状原料が、チタンインゴットの鍛造または圧延工程で発生したチタンスクラップであることを特徴とする請求項10に記載の金属チタンの電子ビーム溶解方法。
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