JP4090203B2 - 螺旋付き杭成形用モールドのセット方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、螺旋付き杭成形用モールドのセット方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製杭として、先端外周に螺旋状の羽根(以下螺旋条という)を形成した螺旋付き杭が知られている。
【0003】
この螺旋付き杭は、一般に螺旋条が杭周囲を一周以上旋回しているので、脱型時に製品を軸方向に引き抜く遠心力鋳造では製造できない。
このような問題を解消するため、螺旋条の周回数を、杭周囲の一周以下として、軸方向引抜を可能とすることにより、先端に螺旋条を有する杭を遠心力鋳造法によって連続的に成形できるようにした螺旋付き杭の鋳造装置が提案されている(例えば特開平11−179517号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記螺旋付き杭を連続的に製造する場合、従来では、図4に示すように、杭となる管を遠心力により鋳造するモールド1の端面1bに径方向に広がる第一の螺旋面2を形成し、この第一の螺旋面2の周方向外縁より軸方向に伸びる外周枠部3aと、この外周枠部3aから段状に拡径された軸方向延出筒部3を一体に形成したモールド1を使用し、前記第一の螺旋面2に対し螺旋付き杭Pの螺旋条P1の肉厚に相当する隙間を隔てて対面する第二の螺旋面4を有するバンド部材5を、矢印で示すように前記外周筒部3内へ同軸に嵌め込むことにより螺旋条の型を形成し、両者を固定した後に高速回転させて溶融鋳鉄を流しこみ、末端に螺旋条P1を有する杭Pを成形し、次いでモールド1の回転を止め、バンド部材5を外し杭Pを脱型する工程で製造されている。
【0005】
しかしながら、この方法を実施するには、バンド部材5のモールド1への嵌めこみを、第一の螺旋面2と第二の螺旋面4との対面状態を正しく一致させた上、これらの対面間隔を螺旋条の厚さに合致するように嵌めこまなくてはならないので、この調整が困難となる問題があった。
【0006】
すなわち図5に示すように、上記の調整は、モールド1を静止状態とし、両者の位置合わせを、モールド1かバンド部材5のどちらかを人力などで軸周囲に相対回転させて第一と第二の螺旋面の対面状態を合致させ、また軸方向へ押し込むことにより図4に示すようにセットする作業手順によるので、モールドの位置設定や脱着に手間がかかり、また連続製造する場合は前回の鋳造時の残熱でモールド1が高温となっているので危険作業ともなる欠点があった。
【0007】
この発明は上記問題を解消し、モールドに対するバンド部材の位置合わせと固定を、モールドを静止させず駆動回転させながらでも可能とし、また型の設定と脱着の迅速化ならびに安全化を図ることを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の螺旋付き杭用モールドのコアセット方法は、杭となる管を遠心力により鋳造する筒状をなすモールドであって、該モールドの端面が螺旋状の端面とされ、この螺旋状の端面が径方向へ拡大されて第一の螺旋面とされ、該第一の螺旋面の周方向外縁より軸方向に伸びる外周筒部を一体に形成してなるモールドを、該モールドにおける螺旋巻回始端と終端との間にできる軸方向面が前進する方向へ軸周囲に回転させ、該回転するモールドに対し、前記第一の螺旋面に対面する第二の螺旋面を有するバンド部材を、前記モールドと同一軸線周囲に自由回転可能に軸支した状態で接近させて行き、該バンド部材における螺旋巻回始端と終端との間の軸方向面を前記モールドの軸方向面に当接させることにより前記バンド部材を前記モールドと共に回転させ、次いで前記バンド部材を前記第一の螺旋面方向へさらに接近させ第二の螺旋面との間隔を、成形しようとする螺旋条の肉厚に相当する間隔として両者を固定するのである。
【0009】
従って、この発明の方法によれば、モールドの一端にバンド部材をセットする場合、回転させたモールドにバンド部材を接近していけば、バンド部材の軸方向面が、モールドの軸方向面に当接し、両者の軸周囲方向の位置合わせが自動的に行われ、そのままバンド部材をモールドの一端に押し込んでいけば今度はモールドの軸方向の位置合わせが行え、モールドの回転を完全に停止することなく位置の設定、固定が可能となるのである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の実施の形態である螺旋付き杭のモールドを示す縦断面図である。
【0011】
なお、この実施の形態において使用されるモールド1の従来と異なる点はバンド部材の構造であるため、従来と同一部分に付いては図4、図5に付した符号を示すことで詳細な説明は省略する。
【0012】
ただし、図1において、図中2aは第一の螺旋面2の螺旋巻回始端2bと終端2cとの間にできる軸方向面を示す。
図示例の場合は、モールド1の軸線1aを含む平面とされた場合を示しているが、モールド1の軸線1aに対し型抜が容易な開き勝手の方向へ傾斜させた面としても良い。
【0013】
また軸方向延出筒部3には、前記第一の螺旋面2に対面する第二の螺旋面4を有するバンド部材5が嵌合可能とされている。すなわち、この第二の螺旋面4は第一の螺旋面2と等しいピッチのねじ面とされ、螺旋面4の始端4bと終端4cとの間に軸方向面4aが設けられている。
【0014】
この軸方向面4aも前記と同様、モールド1の軸方向面2aに合わせ、モールド1の軸線1aに対し型抜が容易な開き勝手の方向へ傾斜させた面としても良い。
【0015】
このバンド部材5は鋳物砂で成形される。そして、この鋳物砂製のバンド部材5は、背面側5aが保持具6で支持されるようになっている。
この保持具6は、その背面側6aがベアリング7を介して軸8先端に軸支され、自由回転可能とされている。また、軸8は図示されていないが油圧装置、エアシリンダなどで矢印で示すように軸方向へ進退可能とされ、前記バンド部材5は、軸8に支持されてモールド1の軸1aと同一軸上を軸周囲に回転しながら軸方向へ移動できるようにされている。
【0016】
また、モールド1の軸方向延出筒部3の開口部には、爪9が軸方向延出筒部3内側へ出没自在に取り付けられている。
図示された爪9は、支持アーム9aの先端に設けられ、支持アーム9aの中間部に支点9bが設けられ、さらに支点9bより後端側に錘9cが設けられ、モールド1が回転すると錘9cに作用する遠心力によって、爪9が挿入されたバンド部材5の背面側に自動的に係合し、抜けないようにされている。
【0017】
次に、上記モールド1にバンド部材5をセットする工程について説明する。
まず、図1に示したように、バンド部材5を保持具6に取り付けて軸8周囲に自由回転可能にすると共に軸8に沿った方向へ往復移動可能にする。
【0018】
次いで、図2(a)に示すようにモールド1における軸方向面2aを矢印で示すように進ませる方向へ、ゆっくり回転させる。このゆっくりした回転速度は、鋳物砂製のバンド部材5の軸方向面4aが前記軸方向面2aに衝突したとき、鋳物砂製のバンド部材5が損傷されない程度の回転速度とされる。
【0019】
そして、図外の油圧装置やエアシリンダなどの駆動装置を使用して軸8(図1)をモールド1方向へ突き出させて移動させ保持具6(図1)に保持されたバンド部材5を第一の螺旋面2を囲む軸方向延出筒部3へ図2(b)に示すように挿入していく。
【0020】
そのまま挿入していくとバンド部材5は爪9を押し広げて奥方へ移動されていき、やがて図2(c)に示すように、回転するモールド1の軸方向面2aがバンド部材5の軸方向面4aに衝突する。
【0021】
バンド部材5を支持する保持具6(図1)は、軸8(図1)にベアリング7(図1)を介して軸支されているので、その後バンド部材5は軸方向面2aに押されて共に回転し、両者の相対回転速度差はゼロとなる。
【0022】
さらに、軸8(図1)を突き出し移動することによって図2(d)に示すようにバンド部材5を軸方向延出筒部3へ挿入していく。
最終的にバンド部材5は、第一の螺旋面2の周方向外縁より軸方向に伸びる外周枠部3aに当接する。
【0023】
その状態となれば図3に示したように爪9が錘9cに作用する遠心力で支点9bを中心として回動し、外周筒部3の開口縁から突出してバンド部材5をモールド1から抜けないように固定する。
【0024】
次いで、モールド1を高速に回転させ、内部に溶融鋳鉄を流し込んで螺旋付き杭を遠心力鋳造法により成形する。
成形が終了すれば、回転数を下げ、錘9c部分に軸心方向への解除力を適宜手段で付与して爪9を外方へ移動させ、バンド部材5を引き出し成形した杭Pをモールド1から引出すのである。
【0025】
そして、保持具6に新たなバンド部材5を装着し、モールド1が回転している間に再び上記と同様にしてバンド部材5をモールド1に挿入して取り付け、成形を繰り返すのである。
【0026】
以上説明したように、この発明の方法によれば、モールド1が回転していてもバンド部材5のセットが可能となるため、従来のようにバンド部材5をモールド1にセットする際、モールド1の回転を完全に停止させなくて良いので、モールド1の反復使用に要する時間を短くすることができ、迅速な製造が可能となる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の螺旋付き杭成形用モールドのセット方法によれば、螺旋付き杭を製造する場合、杭先端の螺旋条を成形するのに必要なバンド部材のモールドに対する脱着が、モールドを回転させたままでできるので、モールドを完全に停止させて位置合わせする工程が省略でき、製造時間の短縮化が図られ、生産効率の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の螺旋付き杭成形用モールドの断面図である。
【図2】この発明の方法の工程説明図であり、(a)より順に(b)(c)(d)へと工程が進む状態を示している。
【図3】この発明の実施の形態の螺旋付き杭成形用モールドをセットした状態を示す断面図である。
【図4】従来使用されている螺旋付き杭成形用モールドの断面図である。
【図5】従来の螺旋付き杭成形用モールドの使用状態を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 モールド
1a モールドの中心回転軸線
1b モールド端面
2 第一の螺旋面
2a 軸方向面
3 外周筒部
3a 軸方向延出筒部
4 第二の螺旋面
4a 軸方向面
5 バンド部材
6 保持具
7 ベアリング
8 軸
Claims (1)
- 杭となる管を遠心力により鋳造する筒状をなすモールドであって、該モールドの端面が螺旋状の端面とされ、この螺旋状の端面が径方向へ拡大されて第一の螺旋面(2)とされ、該第一の螺旋面(2)の周方向外縁より軸方向に伸びる外周筒部(3)を一体に形成してなるモールド(1)を、該モールド(1)における螺旋巻回始端と終端との間にできる軸方向面(2a)が前進する方向へ軸周囲に回転させ、該回転するモールド(1)に対し、前記第一の螺旋面(2)に対面する第二の螺旋面(4)を有するバンド部材(5)を、前記モールド(1)と同一軸線(1a)周囲に自由回転可能に軸支した状態で接近させて行き、該バンド部材(5)における螺旋巻回始端と終端との間の軸方向面(4a)を前記モールド(1)の軸方向面(2a)に当接させることにより前記バンド部材(5)を前記モールド(1)と共に回転させ、次いで前記バンド部材(5)を前記第一の螺旋面(2)方向へさらに接近させ第二の螺旋面(4)との間隔を、成形しようとする螺旋条の肉厚に相当する間隔として両者を固定する螺旋付き杭成形用モールドのセット方法。
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Applications Claiming Priority (1)
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CN114734017B (zh) * | 2022-06-13 | 2022-09-02 | 四川富生电器有限责任公司 | 一种电机转子离心铸铝模具 |
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2001
- 2001-01-22 JP JP2001012558A patent/JP4090203B2/ja not_active Expired - Lifetime
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