JP3230198B2 - 複数個取り遠心鋳造装置 - Google Patents
複数個取り遠心鋳造装置Info
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Description
の管状物体あるいはリング状物体を一度に成形するため
の遠心鋳造装置に関する。
る方法としては、遠心鋳造法が採用される。遠心鋳造装
置としては、回転鋳型がほぼ垂直な軸心の周りに回転さ
れる竪型遠心鋳造装置や、ほぼ水平な軸心の周りに回転
される横形遠心鋳造装置が知られており、給排水管や地
中打ち込み用パイル等、寸法公差的に精度の低い製品を
鋳造する場合は、鋳放しのままで製品とし、寸法公差の
厳しい製品の鋳造においては、後加工による仕上を施し
て使用に供している。
ても、個々の鋳型に個別の注湯行程によって溶融金属を
順次注湯して行く一個取り鋳型が殆どであるが、近年、
小径のリング状鋳造品の需要が増大しており、したがっ
て、小径品を大量生産可能な遠心鋳造法が要求されてい
る。このような複数個取り遠心鋳造装置としては、例え
ば図4に示すように、ローラ103上でほぼ水平もしく
は僅かに傾斜した軸心を中心として回転される外殻円筒
101内に複数の賦形空間102を軸方向に並べて形成
した回転鋳型100の内周空間に、注湯管104を移動
自在に配置し、この注湯管104から各賦形空間102
に溶融金属Mを順次注湯して行く方式のものがある。
鋳造装置によれば、注湯管104から各賦形空間102
へ配分される湯(溶融金属)量の定量化が困難であるた
め、寸法精度の高い鋳造品を得ることができず、鋳造品
の内径を切削しなければならないという問題がある。し
かも、例えば一部の賦形空間102に過剰な注湯が行わ
れることによって隣接する他の賦形空間102へ溶融金
属が流れ込んだり、溶融金属Mの粘性や慣性等によって
その一部が各賦形空間102,102の間の内径部10
0aに注湯されると、これによる湯バリの形成によっ
て、各賦形空間102の鋳造品同士が連結されたり、バ
リ取り工程が必要になるという問題がある。
れたもので、その技術的課題とするところは、各賦形空
間への注湯配分の過不足や湯バリを生じることなく、複
数個取りすることが可能な遠心鋳造装置を提供すること
にある。
効に解決するための手段として、本発明に係る複数個取
り遠心鋳造装置は、ほぼ鉛直な軸心の周りに回転され内
周に製品形状を賦形する複数の賦形空間が軸方向に並ん
で形成された円筒状の回転鋳型と、この回転鋳型の内周
に同心的に挿通されて回転及び軸方向移動可能な湯分配
軸と、前記回転鋳型の内周空間の上側から前記湯分配軸
の上端の湯受け面へ溶融金属を注湯する注湯機とを備え
る。この場合、例えば前記注湯機が炉内と回転鋳型の内
周空間の真上との間を順次移動して前記内周空間の真上
で注湯動作される複数のルツボを備え、前記湯分配軸の
上端の湯受け面の外周縁が前記賦形空間の下端に対して
高くなる段差をもって前記賦形空間へ臨む位置に存在す
る時刻と前記注湯動作の動作時刻が同期され、あるいは
前記注湯機が回転鋳型の内周空間へ溶融金属を一定の流
量で供給する注湯管を備えるものであり、あるいは前記
回転鋳型の各賦形空間の間の内径部が円周方向に連続し
た刃状をなすテーパ状に形成される。
配軸を回転鋳型と共に回転させて回転鋳型内周を軸方向
に移動させながら、回転鋳型の内周空間へ上方から注湯
機により溶融金属を注入する。注入された溶融金属は、
回転している湯分配軸の上端の湯受け面において遠心力
により外周側へ押し出されるので、湯分配軸の軸方向移
動に伴って各賦形空間へ順次鋳込まれる。
次移動して注湯動作される複数のルツボを備えるもので
あることによって、このルツボの容積に応じた一定の量
で溶融金属が秤量され、湯分配軸の湯受け面の外周縁が
前記賦形空間の下端に対して高くなる段差をもって前記
賦形空間へ臨む位置に到達するのに同期して前記ルツボ
の傾倒による前記内周空間への注湯動作が行われること
によって、各賦形空間への注湯量を定量化することがで
きる。また、このような定量化は、注湯機として注湯管
を用い、この注湯管によって回転鋳型の内周空間へ溶融
金属を一定の流量で供給すると共に、湯分配軸を回転鋳
型と共に回転させて回転鋳型内周を一定速度で軸方向に
移動させることによっても達成することができる。この
場合、回転鋳型における各賦形空間の間の内径部を円周
方向に連続した刃状をなすテーパ状に形成することによ
って、各賦形空間の間で湯切りされ、湯バリの発生が有
効に防止される。
置の第一の実施例を示すもので、図中参照符号1はほぼ
鉛直な軸心Oの周りに図示されていない回転装置によっ
て回転される円筒状の回転鋳型、2はこの回転鋳型1の
内周空間Sに同心的に挿通されて回転及び軸方向(略鉛
直方向)移動可能な湯分配軸、3は複数のルツボ31
1 ,312 ,・・・ を備えた注湯機である。回転鋳型1
は、複数の上型11及び下型12が、軸方向に並んで互
いに密接状態に配置されると共に複数のスライドピン1
3で互いに連結された構成を有し、これによって、内周
に軸方向に並んだ複数の環状の賦形空間101 ,10
2 ,・・・ が形成されている。
1の内径よりも僅かに小径の円盤部21を有し、この円
盤部21の上面には、軸心側へ向けて漸次高くなる緩や
かな円錐状の湯受け面21aが形成されている。また、
この湯分配軸2は、図2に示すように、湯受け面21a
の外周縁が賦形空間101,102,・・・ の下端に
相当する下型12の上面12aに対して高さhの段差を
もって賦形空間101,102,・・・へ臨む位置で所
定時間停止された後、隣接する賦形空間101,1
02,・・・の配置間隔(例えば隣り合う下型12,1
2の上面12a,12a間の軸方向距離L)に相当する
ストロークだけ下方へ移動して、再び図2の状態となる
位置で所定時間停止するといった間欠的な軸方向移動を
繰り返しながら、回転鋳型1と同一回転数で、軸心Oを
中心にして継続的に回転される。
2 ,・・・ は、回転鋳型1の各賦形空間101 ,102 ,
・・・ への注湯量に相当する容積を有するものであって、
図示されていない溶解炉と回転鋳型1の内周空間Sの真
上の位置との間に設けられた循環経路32上に所定の間
隔で配置され、前記溶解炉内から1500〜1600℃
の高温の溶融金属Mを秤量して汲み取ってから前記循環
経路32に沿って移動し、前記内周空間Sの真上の位置
で傾倒されることによって溶融金属Mを回転鋳型1内へ
注湯した後、再び前記溶解炉へ復帰するといった動作が
繰り返される。前記内周空間Sへの各ルツボ311 ,3
12 ,・・・ の注湯タイミングは、湯分配軸2が図2の状
態で停止する時間と同期し、注湯の終わった空のルツボ
311 が復帰方向への移動を開始すると同時に、溶融金
属Mを満たした次のルツボ312 が前記内周空間Sの真
上の位置へ向けて移動を開始するようになっている。
造装置によれば、溶解炉内から溶融金属Mを秤量して汲
み取ったルツボ311 が回転鋳型1の内周空間Sの真上
の位置に到達した時点で、湯分配軸2は、その上端の円
錐状の湯受け面21aが賦形空間101 の内周において
図2の状態となる位置にあって、回転鋳型1と同一回転
数で回転している。このため、前記ルツボ311 が図1
に示すように傾倒動作して注湯を開始すると、回転鋳型
1の内周空間Sへ向けて注入された溶融金属Mは、回転
している湯分配軸2の上端の湯受け面21aに衝突し
て、遠心力により外周側の賦形空間101 へ鋳込まれ
る。このとき、前記湯受け面21aの外周縁が賦形空間
101 ・・・ の下端に相当する下型12の上面12aより
も高さhだけ高くなっているため、溶融金属Mが遠心力
によって賦形空間101 へ鋳込まれる過程で湯分配軸2
の円盤部21と前記下型12の間の隙間へ漏れて湯バリ
を形成するようなことはない。鋳込まれた溶融金属M
は、遠心力によって前記賦形空間101 の全周に均一に
賦形され、数秒後に凝固する。
の注湯が終了すると、湯分配軸2は下方移動を開始し、
注湯された賦形空間101 の下の、次の賦形空間102
の内周において再び図2の状態となる位置で停止する。
一方、注湯を終えたルツボ311 は溶解炉へ向けて復帰
動作を開始され、同時に、溶融金属Mを満たされた次の
ルツボ312 が回転鋳型1の内周空間Sの真上の位置へ
向けて移動され、上述の注湯動作が開始される。
空間101 ,102 ,・・・ への鋳込みが終了したら、こ
の回転鋳型1及び湯分配軸2をルツボ311 ,312 ,
・・・による注湯位置から移動させて回転を停止し、それ
ぞれ上型11と下型12とに分離して賦形空間101 ,
102 ,・・・ から鋳造品を離型する。賦形空間101,
102 ,・・・ への注湯量は、同一容積のルツボ311 ,
312 ,・・・ によって定量化されるため、寸法公差の少
ない鋳造品が得られる。離型後は再び回転鋳型1を組み
立て、前記注湯位置に移動させて回転させ、注湯可能な
状態とする。なお、回転鋳型1が鋳造ライン上に複数設
けられ、ひとつの回転鋳型1の全ての賦形空間101 ,
102 ,・・・ への鋳込みが終了して離型位置へ移動され
るのと同時に、待機していた次の回転鋳型1が注湯位置
へ送られるようにすることによって、鋳込みを継続的に
行うことができる。
が軸方向移動・停止を繰り返す間欠的な動作を行うもの
としたが、これを一定の速度で連続的に移動させ、湯受
け面21aの外周縁が各賦形空間101 ,102 ,・・・
の下端位置よりも低くなる直前の時点で各ルツボ31
1 ,312 ,・・・ からの注湯が終了するようにしても良
い。また、注湯機3には、複数の注湯量に相当する容積
を有する単一のルツボを用いて、このルツボの傾倒角度
を複数段階に規定することによって注湯量を定量化する
こともできる。
装置の第二の実施例を示すもので、回転鋳型1には、製
品を鋳造するための複数の賦形空間101 ,102 ,・・
・ のほか、その上下両側に、予備賦形空間100 が設け
られている。予備賦形空間100 及び各賦形空間10
1 ,102 ,・・・ の間の区画壁内径部141 ,142 ,
・・・ は、円周方向に連続した刃状をなし、下側が拡径し
たテーパ状に形成されている。また、注湯機3は回転鋳
型1の内周空間Sへ溶融金属Mを一定の流量で供給する
注湯管33を備え、湯分配軸2は、軸心Oを中心に回転
鋳型1と共に回転されながら前記内周空間Sを一定速度
で軸方向に下方移動されるようになっている。
配軸2はその上端の湯受け面21aが予備賦形空間10
0 の内周の待機位置にあって回転鋳型1と共に回転さ
れ、注湯管33から回転鋳型1の内周空間Sへの注湯が
開始されると同時に下方移動を開始する。また、回転鋳
型1は予め所定温度に保温されている。注湯管33から
一定の流量で連続的に供給される溶融金属Mは、回転鋳
型1と共に回転している湯分配軸2の上端の湯受け面2
1aに衝突して、遠心力により外周側へ押し出され、ま
ず予備賦形空間100 へ鋳込まれる。
け面21aの外周縁が予備賦形空間100 の下端に相当
する下型120 の上面よりも低くなった時点で、予備賦
形空間100 の下側のテーパ状内径部141 を介して、
製品鋳造用の最初の賦形空間101 へ鋳込まれ、更に前
記湯受け面21aが前記賦形空間101 の内周位置に達
すると、湯受け面21aからの溶融金属Mは、直接この
賦形空間101 へ鋳込まれる。賦形空間101 への注湯
量が所定量に達した時点で、下方移動している湯分配軸
2の湯受け面21aの外周縁は、賦形空間101 の下端
に相当する下型121 の上面よりも低位置に達するた
め、湯受け面21aからの溶融金属Mは、最初の賦形空
間101 の下側のテーパ状内径部142 を介して2番目
の賦形空間102 への鋳込みが開始される。
02 ,・・・ への鋳込みが順次実行され、その鋳込み過程
においては、溶融金属Mが一定流量で連続的に供給され
ると共に、湯分配軸2の湯受け面21aが一定の速度で
各賦形空間101 ,102 ,・・・ の内周を移動するた
め、これら各賦形空間101 ,102 ,・・・ への注湯量
が定量化される。また、湯分配軸2の湯受け面21aに
よる鋳込み位置が例えば賦形空間101 から102 へ移
行する過程で、前記湯受け面21aからの溶融金属Mは
両賦形空間101 ,102 間の仕切壁内径部142 に当
たるが、この仕切壁内径部142 はテーパ状に形成され
ているため、湯切れが良く、回転鋳型1を所定温度に保
温しておくことによってバリの形成が有効に防止され
る。
2 ,・・・ への鋳込みが終了し、湯分配軸2の湯受け面2
1aの外周縁が回転鋳型1の下端の予備賦形空間の内周
位置に達した時点で、注湯管33からの注湯を停止し、
回転鋳型1の回転を停止して各賦形空間101 ,10
2 ,・・・ 内の鋳造品を離型する。なお、この実施例にお
いては、回転鋳型1の上下両端の予備賦形空間100 に
対する注湯量は、注湯管33からの注湯開始タイミング
あるいは注湯停止タイミングや湯分配軸2の待機位置の
僅かな誤差によって異なるため、この予備賦形空間10
0 で賦形され凝固した鋳造物M’は、製品とはしない。
よれば、次のような効果を実現することができる。 (1) 回転鋳型内周における湯分配軸の湯受け面の移動に
よって、複数の賦形空間へ溶融金属が順次鋳込まれるの
で、短時間で多数の鋳造品を鋳造することができる。 (2) 各賦形空間への注湯量が定量化されるので、製品寸
法のバラツキを小さくして切削等の後工程を不要にする
ことができる。 (3) 鋳造された複数の製品が湯バリで連結された状態に
はならないので、湯バリの切断作業等の後工程が不要で
ある。
実施例を示す説明図である。
実施例を示す説明図である。
明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ほぼ鉛直な軸心の周りに回転され内周に
製品形状を賦形する複数の賦形空間が軸方向に並んで形
成された円筒状の回転鋳型と、 この回転鋳型の内周に同心的に挿通されて回転及び軸方
向移動可能な湯分配軸と、 前記回転鋳型の内周空間の上側から前記湯分配軸の上端
の湯受け面へ溶融金属を注湯する注湯機と、を備えるこ
とを特徴とする複数個取り遠心鋳造装置。 - 【請求項2】 請求項1の記載において、 注湯機が炉内と回転鋳型の内周空間の真上との間を順次
移動して前記内周空間の真上で注湯動作される複数のル
ツボを備え、 湯分配軸の上端の湯受け面の外周縁が前記賦形空間の下
端に対して高くなる段差をもって前記賦形空間へ臨む位
置に存在する時刻と前記注湯動作の動作時刻が同期され
たことを特徴とする複数個取り遠心鋳造装置。 - 【請求項3】 請求項1の記載において、 注湯機が回転鋳型の内周空間へ溶融金属を一定の流量で
供給する注湯管を備えることを特徴とする複数個取り遠
心鋳造装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの記載におい
て、 回転鋳型の各賦形空間の間の内径部が円周方向に連続し
た刃状をなすテーパ状に形成されたことを特徴とする複
数個取り遠心鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29370294A JP3230198B2 (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | 複数個取り遠心鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29370294A JP3230198B2 (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | 複数個取り遠心鋳造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132208A JPH08132208A (ja) | 1996-05-28 |
JP3230198B2 true JP3230198B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=17798137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29370294A Expired - Lifetime JP3230198B2 (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | 複数個取り遠心鋳造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3230198B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104289693A (zh) * | 2014-10-24 | 2015-01-21 | 三鑫重工机械有限公司 | 分离式辊环组合铸造法及其铸造系统 |
CN105108121B (zh) * | 2015-09-24 | 2017-08-08 | 宁国市志诚机械制造有限公司 | 浇注机 |
CN110560656A (zh) * | 2019-10-23 | 2019-12-13 | 湖北正信管件有限公司 | 一种球墨铸铁管件生产设备 |
CN114210943B (zh) * | 2021-12-28 | 2023-03-14 | 马鞍山市海天重工科技发展有限公司 | 一种卸料门弧衬板的浇注生产工艺 |
-
1994
- 1994-11-04 JP JP29370294A patent/JP3230198B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08132208A (ja) | 1996-05-28 |
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