JP4089378B2 - フレキシブルケーブル用位置決めピン、及び、液体噴射ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルケーブルが取り付けられる取付部に立設され、フレキシブルケーブルに設けられたケーブル貫通孔に挿通して、このフレキシブルケーブルを取付部の所定位置に位置付けるフレキシブルケーブル用位置決めピン、及び、これを用いた液体噴射ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等の内部の回路間で信号伝送を行うためには、信号伝送用ケーブルが用いられている。そのケーブルとして近年では、電子機器の小型化や高密度化に応じて、小型で薄く、且つ、柔軟性を有するシート状のフレキシブルケーブルが使用されることが多くなっている。このフレキシブルケーブルは、例えば、ポリイミド等のベースフィルムの表面に銅箔等で導体パターンを形成し、この導体パターンをレジストで被覆した構成とされる。このフレキシブルケーブルが利用される機器の一例として、圧力発生素子を駆動することで圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ、これによりノズル開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドが挙げられる。
【0003】
この液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを吐出し、ディスプレー製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を吐出する。また、電極製造装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を吐出し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を吐出する。
【0004】
このような液体噴射ヘッドの中には、圧力発生素子に駆動信号を供給する配線基板(プリント基板)をケースヘッドに備え、フレキシブルケーブルを介して配線基板から各圧力発生素子に駆動信号を供給する構成を採るものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、このフレキシブルケーブルの一端側の端子部は圧力発生素子の端子部に接続され、他端側の端子部は配線基板上の基板端子部に接続される。
【0005】
このような液体噴射ヘッドの製造においては、製造効率の向上や人件費削減の観点からオートメーション化が図られており、配線基板へのフレキシブルケーブルの配線工程(半田付け)についても、機械の自動制御によって行われる。
【0006】
図11〜13は、従来の液体噴射ヘッドの製造におけるフレキシブルケーブルの配線基板への接続工程の一例を説明する図である。なお、図11は、液体噴射ヘッドの斜視図、図12は、液体噴射ヘッドの側面図、図13は、図12の一部を拡大して示した要部断面図である。この液体噴射ヘッド70の製造において、フレキシブルケーブル71の配線基板72への接続は、台座(治具)73上で行われる。この台座73の上面には、位置決めピン74が形成されており、この位置決めピン74は、配線基板72に設けられた貫通孔72´とフレキシブルケーブル71に設けられた貫通孔71´に挿通して、配線基板72とフレキシブルケーブル71の位置決めをするようになっている。
【0007】
フレキシブルケーブル71は、その一端部がヘッドユニット75の圧力発生素子に予め接続され、残りの部分は破線で示すようにヘッドユニット75から上方に起立した状態に折り曲げられる。さらに、フレキシブルケーブル71の他端部は、この他端部を配線基板側に折り曲げるためのツール(吸引ツール/図示せず)により吸引されて配線基板72側に屈曲されるとともに、押圧ツール(図示せず)によって上方から配線基板72側に押さえ付けられる。この際、貫通孔71´に位置決めピン74が挿通することで、フレキシブルケーブル71側の接続端子部と配線基板72側の接続端子部とが、互いに位置を合わされた上で重合される。
【0008】
ここで、フレキシブルケーブル71は、柔軟性を有するものの、元々真っ直ぐな形状であるので、屈曲した状態で取り付けると、多少なりとも元の真っ直ぐな状態に戻ろうとする復元力が働く。そのため、屈曲したフレキシブルケーブル71は、位置決めピン74から離脱し易くなっている。これを防止するため、従来では、両端子部の接続が完了するまでの間、押圧ツールによってフレキシブルケーブル71を上方から配線基板側に常に押圧した状態で作業する。そして、加熱されたヒートツール(鏝)76によって、重合された端子部分をフレキシブルケーブル71側から配線基板72側に押し当てることで、フレキシブルケーブル71が配線基板72に接続固定する。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−211131号公報(第5頁、第3図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の位置決めピン74では、フレキシブルケーブル71が離脱し易いので、これを防止するために押圧ツールによってフレキシブルケーブル71を押圧した状態でヒートツール76が接続作業を行うため、その分の作業スペースを確保する必要があり、万一液体が漏出した場合における配線基板72への漏出液体の浸入を防止するための壁の立設や、液体噴射ヘッドの小型化への対応を困難にしていた。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、フレキシブルケーブルのケーブル貫通孔に嵌合してこのフレキシブルケーブルを離脱し難くしたフレキシブルケーブル用位置決めピン、及び、この位置決めピンを用いた液体噴射ヘッドを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のフレキシブルケーブル用位置決めピンは、フレキシブルケーブルが取り付けられる取付部に立設され、フレキシブルケーブルに開設されたケーブル貫通孔に挿通してフレキシブルケーブルを取付部の所定位置に位置決めするフレキシブルケーブル用位置決めピンであって、ケーブル貫通孔の内径よりも太い位置決めピン本体の側面に欠截面が形成され、取り付け状態において、欠截面がフレキシブルケーブルの長手方向に沿うように配置され、欠截面は位置決めピン本体の両側に形成され、ケーブル貫通孔内に挿入するとフレキシブルケーブルの弾性により締り嵌め状態となるようにしたことを特徴とする。
【0013】
これにより、フレキシブルケーブルが位置決めピンから離脱し難くなるので、例えば、フレキシブルケーブルを配線する際に、フレキシブルケーブルを押圧するツールが不要となり、その分のスペースを確保することができる。したがって、狭いスペースにおいてもフレキシブルケーブルの配線作業が可能となる。
【0014】
そして、位置決めピンに関し、位置決めピン本体の側面に突起部を突設し、突起部の先端から位置決めピン本体の中心を通って反対側までの長さを、ケーブル貫通孔の内法よりも長く設定し、突起部を設けた部分をケーブル貫通孔内に挿入するとフレキシブルケーブルの弾性により締り嵌め状態となるようにする構成を採ることも可能である。
また、突起部に関し、取り付け状態におけるフレキシブルケーブルの長手方向に沿って且つ位置決めピン本体の中心を通る仮想線上に配置すると、位置決めピンがケーブル貫通孔に挿通した際、ケーブル貫通孔の周囲が突起部によって押圧されることによりフレキシブルケーブルが長手方向に多少変形したとしても、支障なく端子部の位置決めが可能となる。
【0015】
そして、2つの突起部を位置決めピン本体の両側に、仮想線上に配設することも可能である。即ち、ケーブル貫通孔に対して締り嵌めとなる突起部を2つにしたので、フレキシブルケーブルを位置決めピンからより離脱し難くすることが可能となる。
【0016】
また、突起部を、先端が尖ったリブで構成した場合には、ケーブル貫通孔により引っ掛かり易くなるので、フレキシブルケーブルに対して効果的に締り嵌めすることが可能となる。
【0018】
また、本発明の液体噴射ヘッドは、液体導入口から共通液体室及び圧力室を通ってノズル開口に至る一連の液体流路が形成され、液体導入口から導入した液体を圧力発生素子を駆動することにより液滴としてノズル開口から吐出するヘッドユニットと、圧力発生素子の素子端子部に一端側端子部が接続されるフレキシブルケーブルと、フレキシブルケーブルを介して圧力発生素子に駆動信号を供給する配線基板と、をケースヘッドに備えた液体噴射ヘッドにおいて、ケースヘッドは、ヘッドユニットを取り付ける箱体状のヘッドユニット取付部と、ヘッドユニット取付部から外側に向けて延在し、配線基板を配設する基板ベース部とにより構成され、配線基板に基板貫通孔を形成し、フレキシブルケーブルの他端側にケーブル貫通孔を形成し、基板ベース部の基板配設面に立設する位置決めピンとして、上記の何れかのフレキシブルケーブル用位置決めピンを用いたことを特徴とする。
【0019】
これにより、フレキシブルケーブルが位置決めピンから離脱し難くなるので、フレキシブルケーブルの他端側端子部を配線基板の基板端子部に接続する際に、フレキシブルケーブルを押圧するツールが不要となり、その分のスペースを確保することができる。したがって、配線基板の周囲に液体の浸入を防止するための壁を立設することが可能となると共に、液体噴射ヘッドの小型化への対応も可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のフレキシブルケーブル用位置決めピン(以下、位置決めピンという)を適用した液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド1(以下、記録ヘッド1と略す)を右前上方から見た分解斜視図、図2は、記録ヘッド1を右後下方から見た分解斜視図、図3は、記録ヘッド1を真上から見た平面図である。なお、図3において、(a)は、記録ヘッド1に蓋部材が取り付けられていない状態の平面図、(b)は、記録ヘッド1に蓋部材が取り付けられた状態の平面図を示している。また、図4は、図3(b)におけるA−A線断面図、図5は、図3(b)におけるB−B線断面図である。なお、説明の便宜上、供給針ベース部8側を記録ヘッド1の前方、基板ベース部10側を記録ヘッド1の後方とし、ノズル列直交方向を左右方向として説明する。
【0021】
記録ヘッド1は、インク(本発明の液体の一種)を吐出して画像等を記録するために用いられるものであり、図示しないインクカートリッジ内のインクを記録ヘッド1内に導入するインク供給針2と、圧力発生素子として機能する圧電振動子3を有するヘッドユニット4と、フレキシブルケーブル5を介して圧電振動子3に駆動信号を供給する配線基板6と、をケースヘッド7に備えて概略構成される。
【0022】
ケースヘッド7は、複数のインク供給針2を左右横並びに配設する供給針ベース部8と、この供給針ベース部8の底面から下方に向けて延出した前後左右の壁により内部に収納空部9´を形成した樹脂製の箱体状部材であり、開口した先端面にヘッドユニット4を取り付けるヘッドユニット取付部9と、このヘッドユニット取付部9の後壁から外側(後方)に向けて供給針ベース部8と略平行に延在し、配線基板6を配設する基板ベース部10とを有する。本実施形態においては、ケースヘッド7の材料として、例えば、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂等の熱可塑性樹脂にガラス繊維を混入して強度を向上させたものを使用している。
【0023】
供給針ベース部8は、左右方向に長尺な板状部材であり、インク供給針2を配設する部分である。この供給針ベース部8に配設されるインク供給針2の先端部は円錐状に尖っており、インクカートリッジ内に挿入し易くなっている。また、このインク供給針2の先端部には、インク供給針2の内外を連通するインク導入孔が複数穿設されており、これらのインク導入孔(液体導入口)を通じてインクカートリッジ内に貯留されたインクが記録ヘッド1内に導入される。そして、本実施形態の記録ヘッド1は4種類のインクを吐出可能であるため、供給針ベース部8には、合計4本のインク供給針2が先端を上方に突出した姿勢で、左右横並びに配設される。
【0024】
供給針ベース部8には、その前後両縁部からそれぞれカートリッジ装着壁11a,11bが立設されており、このカートリッジ装着壁11a,11bには、各インク供給針2に対応するインクカートリッジの装着時において、インクカートリッジを定位置に案内して保持するためのガイドリブ12が複数形成されている。本実施形態においては、合計4つのインクカートリッジが装着され、このガイドリブ12は、カートリッジ装着壁11a,11bの片側で2本1組、両側で4本1組となって1つのインクカートリッジを案内・保持するため、カートリッジ装着壁11a,11bには、それぞれ8本ずつ、両方で合計16本のガイドリブ12が形成されている。
【0025】
ヘッドユニット取付部9は、インク供給針2からヘッドユニット4にインクを供給するためのインク供給路の一部を収納空部9´内に形成した部材である。この収納空部9´には、フレキシブルケーブル5の大部分が収納される。このフレキシブルケーブル5は、圧電振動子3に駆動信号を供給するための配線パターンが形成されたフィルム状の配線部材であり、一端側には、圧電振動子3の素子端子部(図示せず)と電気的に接続される一端側端子部13が形成され、他端側には、配線基板6の基板端子部14と電気的に接続される他端側端子部15が形成されている。また、フレキシブルケーブル5には、ケーブル貫通孔5´が穿設されており、同様に、後述する配線基板6にも、基板貫通孔6´が設けられている。そして、この基板貫通孔6´とケーブル貫通孔5´との位置を合致させると、基板端子部14の各端子と他端側端子部15の各端子との互いの位置が合致するように各部の寸法が設定されている。
【0026】
また、ヘッドユニット取付部9の収納空部9´内には、供給針ベース部8の底面、即ち、ヘッドユニット取付部9の天井側から先端側(ヘッドユニット4取付面側)に向けて延出する案内リブ16が形成されている。この案内リブ16は、先端部がヘッドユニット取付部9先端側から基板ベース部10側に向けて傾斜しており、基板ベース部10側の傾斜終端16´(図7参照)が、後述する囲繞壁35の挿通開口部36を通じて基板ベース部10側に臨むように形成されている。即ち、この案内リブ16は、ヘッドユニット取付部9へのヘッドユニット4の取付時において、フレキシブルケーブル5の他端側を、ヘッドユニット取付部9の収納空部9´内から基板ベース部10側に案内するようになっている。
【0027】
ヘッドユニット4は、アクチュエータユニット18と流路ユニット19とから構成されており、アクチュエータユニット18と流路ユニット19とを重ね合わせた状態で一体化してある。アクチュエータユニット18は、ノズル開口に対応する圧力室を形成した圧力室プレート、連通口を形成した連通口プレート、及び、圧電振動子3を実装した振動プレート(何れも図示せず)を積層し、焼成等により一体化することで構成されている。
【0028】
流路ユニット19は、インク供給口20とリザーバの圧力変動を緩和するコンプライアンス部21とを形成した供給口プレート22、複数のリザーバ23(共通液体室)を形成したリザーバプレート24、及び、複数のノズル開口を列設してなるノズル列25が形成されたノズルプレート26を積層して一体化することで構成されている。なお、本実施形態においては、これらの各プレート部材を、熱溶着性のフィルムを用いて接続するが、熱溶着性フィルムに限定されるものではなく、各プレート部材を接着できるものであればよい。
【0029】
アクチュエータユニット18の圧電振動子3は、所謂撓み振動モードの圧電振動子であり、この圧電振動子3を駆動、即ち、撓み振動させると、圧力室の容積が変化し、ノズル開口からインク滴が吐出される。圧電振動子3には、駆動電極に駆動信号を給電するための素子端子部(図示せず)が形成されており、この接続端子にフレキシブルケーブル5の一端側端子部13が半田付け等によって電気的に接続される。ここで、圧電振動子3に一端側端子部13が接続されたフレキシブルケーブル5は、圧電振動子3に対して起立した状態に折り曲げられる。そして、ヘッドユニット4は、ノズルプレート26を下側にした姿勢でヘッドユニット取付部9の先端側(底面)に取り付けられ、ヘッドカバー27によって縁部が保護されるようになっている。
【0030】
次に、基板ベース部10と配線基板6について説明する。この基板ベース部10は、左右方向(ノズル列直交方向)に長尺な矩形の板状部材であり、上面(基板配設面)に配線基板6を配設する。この配線基板6にはフレキシブルケーブル5が接続されるので、この基板ベース部10は、フレキシブルケーブル5を取り付ける取付部としても機能する。また、基板ベース部10上には、位置決めピン62が立設されており、配線基板6の基板貫通孔6´とフレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´に位置決めピン62を挿通することで、これらの部材を基板ベース部10上の所定位置に位置付けるようになっている。この位置決めピン62については後述する。
【0031】
配線基板6は、ヘッドユニット4の圧電振動子3に供給する各種駆動信号用の導体パターンや電気部品が実装されると共に、フレキシブルケーブル5の他端側端子部15と接続される基板端子部14が形成された基板である。また、配線基板6は、コネクタ28を備えており、このコネクタ28には、制御装置からのFFC(フレキシブルフラットケーブル)等の制御ケーブル(何れも図示せず)の先端が挿入されるようになっている。
【0032】
基板ベース部10の基板配設面には、部分的に上方に向けて凸状に隆起した基板当接凸部30が突設されている(図7参照)。配線基板6は、この基板当接凸部30の上面(基板当接面)30´に当接した状態で、基板ベース部10上に配設されるようになっている。また、この基板当接凸部30とは反対側の基板ベース部10の底面には、部分的に下方に向けて凸状に隆起した台座当接凸部31が突設されている。この台座当接凸部31の下面(台座当接面)31´は、配線基板6の基板端子部14にフレキシブルケーブル5の他端側端子部15を接続(半田付け)する際に、基板ベース部10を下方から支持するための治具(台座)が当接する部分である。
【0033】
本実施形態においては、これらの当接凸部42,43の高さを約0.1mmとしている。また、この基板当接凸部30の基板当接面30´と台座当接凸部31の台座当接面31´とを、例えば、両面研磨装置等でラップ加工を施すことにより高精度で平行に揃えている。これにより、配線基板6の基板端子部14にフレキシブルケーブル5の他端側端子部15を接続する際、配線基板6、基板ベース部10、及び、台座の間のがたつきを抑制し、接続不良等の不具合を防止することができる。したがって、歩留まりを向上させることができる。
【0034】
基板ベース部10には、基板配設面上に配設した状態における配線基板6のヘッドユニット取付部9側、即ち、基板ベース部10の前端から上方に起立する第1起立壁32と、この第1起立壁32とは配線基板6を挟んで反対側、即ち、基板ベース部10の後端から上方に起立する第2起立壁33と、第1,第2起立壁32,33の左右端部同士を接続する起立側壁34,34とが立設されている。そして、第1起立壁32、第2起立壁33、及び、起立側壁34,34によって、配線基板6の周囲を囲繞する囲繞壁35が形成されている。この囲繞壁35は、万一インク漏れが生じた場合に、配線基板6への側方からの漏出インクの浸入を防止する。これにより、漏出インクが配線基板6に付着することによる絶縁不良を抑制することができる。
【0035】
囲繞壁35とヘッドユニット取付部9との間、即ち、第1起立壁32には、挿通開口部36が開設されており、フレキシブルケーブル5の他端側をヘッドユニット取付部9の収納空部9´側から挿通開口部36に通して基板ベース部10側(囲繞壁35内)へ案内できるようになっている。
また、基板ベース部10には、起立側壁34,34の外側に位置し、基板ベース部10の左右方向の両縁から上方に起立する基板ベース側壁37が立設されている。この基板ベース側壁37の基端部分(基板ベース部10側)には、後述する蓋部材52を取り付けるための矩形状に切り欠いた係止受け部39が形成されている。
【0036】
上記囲繞壁35の後側(ヘッドユニット取付部9とは反対側)、即ち、第2起立壁33の約半分の高さの部分からは、フレーム後壁47が断面略L字状に延出している。また、基板ベース側壁37,37には、その上端から側方に向けて延出するフレームベース部48,48が形成されており、このフレームベース部48,48の両縁からは、フレーム側壁49,49が上方に立設されている。また、フレームベース部48,48上のフレーム側壁49,49の内側には、第2フレーム側壁50,50が上方に立設されている。これらのフレーム後壁47、フレームベース部48,48、フレーム側壁49,49、及び、第2フレーム側壁50,50が、フレーム部51を構成する。このフレーム部51は、カートリッジホルダ部(図示せず)が装着される部分である。
【0037】
ここで、本実施形態の記録ヘッド1は、基板ベース部10に蓋部材52を取り付けて囲繞壁35の上部開口を塞ぐようになっている。この蓋部材52は、ケースヘッド7と同様に樹脂製の板状部材であり、長尺方向の長さが基板ベース側壁37,37間の長さとほぼ等しく、短尺方向の長さがカートリッジ装着壁11bとフレーム後壁47との間の距離とほぼ等しく設定されている。この蓋部材52は、短尺方向の両縁から下方、即ち、基板ベース部10側に向けて略直角に屈曲した屈曲部53,53が形成されており、この屈曲部53,53は、第1起立壁32とカートリッジ装着壁11bとの間の溝、及び、第2起立壁33とフレーム後壁47との間の溝に入り込んで嵌合するようになっている。また、この蓋部材52は、長尺方向の両縁から下方、即ち、基板ベース部10側に向けて係止脚部54,54を延出しており、この係止脚部54,54の先端部には、部分的に外側に突出した係止爪片55,55が形成されている。この係止爪片55,55は、基板ベース側壁37,37の係止受け部39,39に係止して、蓋部材52を基板ベース部10に固定するようになっている。
【0038】
また、蓋部材52は、その裏面において、係止脚部54,54よりも長尺方向の内側の位置から基板ベース10側に向けて基板当接脚部56,56を延出している。この基板当接脚部56,56は、その基端から先端までの長さが、蓋部材52を基板ベース部10に取り付けた状態において配線基板6に当接することができる長さ、即ち、囲繞壁35の高さから配線基板6の厚さ分短くした長さに設定されている。また、この基板当接脚部56,56間の距離は、配線基板6の長尺方向の長さよりも若干短く設定されている。つまり、基板ベース10に、配線基板6を配置した状態で蓋部材52を取り付けると、基板当接脚部56,56が配線基板6に当接すると共に、係止脚部54,54の係止爪片55,55が、基板ベース側壁37,37の係止受け部39,39に係止した状態で、囲繞壁35の上部開口を塞ぐようになっている。これにより、蓋部材52を基板ベース部10に確実に取り付けると共に、配線基板6を基板ベース部10上に確実に固定することが可能となる。
【0039】
この蓋部材52によって、囲繞壁35の上部開口を塞ぐことにより、万一、供給針ベース部8側でインク漏れが生じた場合においても、漏出インクの上方からの配線基板6への浸入をこの蓋部材52が遮り、漏出インクが配線基板6に付着することによる絶縁不良をより確実に防止することが可能となる。
【0040】
また、蓋部材52には、基板ベース部10上に取り付けられた状態において配線基板6のコネクタ28の丁度真上にあたる位置に、制御装置からの制御ケーブルを挿通する制御ケーブル挿通口57が厚さ方向を貫通して形成されている。これにより、基板ベース部10に蓋部材52を取り付けた状態においても、制御装置からの制御ケーブルを、制御ケーブル挿通口57に通して配線基板6のコネクタ28に装着することができるようになっている。また、図3(b)に示すように、制御ケーブル挿通口57の開口縁の近傍の蓋部材52表面に、断面矩形状に窪ませたトラップ溝58が、制御ケーブル挿通口57の開口縁に沿って形成されている。このトラップ溝58は、制御ケーブル挿通口57の供給針ベース部8側に位置し、蓋部材52の長尺方向の両端に亘って延在するトラップ溝58aと、このトラップ溝58aとは制御ケーブル挿通口57を挟んで反対側に位置し、蓋部材52の長尺方向の両端に亘って延在するトラップ溝58bと、制御ケーブル挿通口57の蓋部材52長尺方向の両側に位置し、一端側がトラップ溝58bに連通するトラップ溝58c,58dとにより構成されている。
【0041】
このトラップ溝58は、万一、供給針ベース部8側においてインク漏れが発生し、漏出インクが基板ベース部10側に浸入した場合に、この漏出インクを溝内に落とし込み、即ち、トラップして、漏出インクの流れ方向を規制し、ケーブル挿通口57から囲繞壁35内に漏出インクが浸入するのを抑制するようになっている。また、漏出インクがトラップ溝58に蓄積してきても、トラップ溝58a又は58bによって蓋部材52の長尺方向両側に排出されるようになっている。そして、排出された漏出インクは、係止脚部54又は基板ベース側壁37等を伝って、囲繞壁35と基板ベース側壁37との間に流れ出る。
配線基板6は、前述したように囲繞壁35によって周囲を囲繞され、且つ、囲繞壁35の上部開口は蓋部材52により塞がれているので、囲繞壁35と基板ベース側壁37との間に流れ出た漏出インクが配線基板8側に浸入することは困難である。また、この漏出インクは、基板ベース側壁37の係止受け部39の切欠から基板ベース部10の外側へとさらに排出されるようになっている。
【0042】
また、制御ケーブル挿通口57とトラップ溝58aとの間の蓋部材52表面には、上方に向けて起立した遮蔽壁59が立設されている。この遮蔽壁59は、例えば、トラップ溝58aから溢れ出した漏出インクや、トラップ溝58aにトラップされなかった漏出インクが、制御ケーブル挿通口57側に流れるのを遮るようになっている。
したがって、万一インク漏れが生じた場合においても、トラップ溝58と遮蔽壁59によって、囲繞壁53内への漏出インクの浸入を阻止し、漏出インクが配線基板8に付着することによる絶縁不良を一層確実に防止することができる。
【0043】
ここで、図6は、図3(a)における領域Xを拡大した平面図であり、図7は、図5における領域Zを拡大した要部断面図である。なお、図6,7においては、基板ベース部10に蓋部材52は取り付けられていない状態となっている。同図に示すように、基板ベース部10には、基板配設面におけるヘッドユニット取付部9寄りの端部に、先端を上方に突出させた姿勢で位置決めピン62(フレキシブルケーブル用位置決めピン)を立設している。
【0044】
図8は、位置決めピン62を説明する図であり、(a)は位置決めピン62の平面図、(b)は位置決めピン62の側面図である。なお、同図(a)において、左右方向がフレキシブルケーブル5の長手方向、上下方向がフレキシブルケーブル5の幅(短尺)方向である。また、同図左側がフレキシブルケーブル5の他端側端子部15側、右側が一端側端子部13側である。
この図に示すように、位置決めピン62は、円柱状の位置決めピン本体62´と、その他端側端子部15側(図中左側)の側面から外側に突出したリブ63とにより構成されており、基板ベース部10と一体に形成されている。この位置決めピン62は、フレキシブルケーブル5と配線基板6の貫通孔5´,6´に挿通することで、フレキシブルケーブル5の他端側端子部15の各端子と配線基板6の基板端子部14とを合致させた状態で、配線基板6とフレキシブルケーブル5を基板ベース部10上に位置付けるようになっている。
位置決めピン本体62´は、その直径Nがフレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´の内径(内法)よりも小さく設定され、また、その先端は、先細りとなるように面取りし、配線基板6の基板貫通孔6´とフレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´に通し易いようにしてある。
【0045】
リブ63は、位置決めピン本体62´の基端(下端)側から先端(上端)側に亘って形成された断面三角形状の突起部であり、このリブ63の突出端から、位置決めピン本体62´の中心点Cを通る仮想線L上の反対側の位置決めピン62の端点Hまで(以下、説明の便宜上、この方向を締り嵌め方向という)の長さMはフレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´の直径よりも若干長く設定されている。本実施形態においては、ケーブル貫通孔5´の径が約1.05mmで、位置決めピン62の締り嵌め方向の長さMは、それよりも若干長め(例えば、1.10mm)に設定されている。
【0046】
即ち、位置決めピン62は、リブ63を設けた部分をケーブル貫通孔5´内に挿通すると、フレキシブルケーブル5の弾性により締り嵌め状態となる。これにより、フレキシブルケーブル5が位置決めピン62から離脱し難くなるので、押圧ツール等によりフレキシブルケーブル5を基板ベース部10側に常に押さえ付けておく必要がなくなり、その分の作業スペースを確保することができる。そのため、周囲を囲繞壁35で囲まれた狭いスペースにおいても、半田付けツール(ヒートツール)によってフレキシブルケーブル5の他端側端子部15と配線基板6の基板端子部14とを支障なく接続(半田付け)することができる。
【0047】
ここで、図6に示すように、フレキシブルケーブル5の他端側端子部15は、ケーブル長手方向に長尺な短冊型の端子がケーブル幅方向(短尺方向)に複数列設されているため、ケーブル幅方向の各端子の位置決めについては比較的高い位置精度が求められるが、長手方向の位置決めについては多少の誤差が許容される。そのため、上記仮想線L、即ち、締り嵌め方向が、フレキシブルケーブル5の長手方向と平行となるように、位置決めピン本体62´におけるリブ63の形成位置が設定されている。これにより、位置決めピン62がケーブル挿通孔5´に挿通する際、ケーブル貫通孔5´の周辺部がリブ63によって押圧されることによりフレキシブルケーブル5が長手方向に多少変形したとしても、支障なく配線基板6の基板端子部14とフレキシブルケーブル5の他端側端子部5´の位置決めが可能となる。
【0048】
図9は、位置決めピン62の第2実施形態について説明する図であり、(a)は位置決めピン62の平面図、(b)は位置決めピン62の側面図である。この位置決めピン62の基本構成は図8において示したものと同じであるが、リブ63に加えて、もう一つのリブ63´を設けた点が異なる。このリブ63´は、リブ63とは、位置決めピン本体62´の中心点Cを通る仮想線L上の反対側に位置するように形成されている。そして、リブ63の突出端からリブ63´の突出端までの長さM2がフレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´の直径よりも若干長くなるように、各リブ63,63´の突出長と、位置決めピン本体62´の直径N2が設定されている。即ち、ケーブル貫通孔5´に対して締り嵌めとなる突起部を2つにしたので、フレキシブルケーブル5を位置決めピン62からより離脱し難くすることが可能となる。
【0049】
また、図10は、位置決めピン62の第3実施形態について説明する図であり、(a)は位置決めピン62の平面図、(b)は位置決めピン62の側面図である。この位置決めピン62は図8,9に示したものと異なり、突起部であるリブ63(63´)を設けていないことを特徴としている。この位置決めピン62は、ケーブル貫通孔5´の内径よりも太い位置決めピン本体62´と、その側面に形成された欠截面64,64とにより構成されている。位置決めピン本体62´の直径M3は、ケーブル貫通孔5´の内径よりも若干大きく設定されている。そして、欠截面64,64は、フレキシブルケーブル5の長手方向に平行となるように位置決めピン本体62´の両側に形成されており、ケーブル貫通孔5´に挿通する際に、ケーブル貫通孔5´が、締り嵌め方向に引っ張られて変形し、締り嵌め方向とは直交する方向に縮む、即ち、この方向にケーブル貫通孔5´の径が短くなるのを許容するようになっている。つまり、両欠截面64,64間の寸法Pは、ケーブル貫通孔5´の変形分を許容可能な長さに設定されている。これにより、フレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´に位置決めピン62が通し易くなると共に、挿通の際に、ケーブル貫通孔5´の近傍が破れる等の不具合を防止することができる。
【0050】
なお、上記第1及び第2実施形態において示した位置決めピン62には、欠截面64を設けなかったが、これらの実施形態における位置決めピン62にも、欠截面64を設けることも可能である。例えば、図6に示す位置決めピン62は、1つのリブ63と両側の欠截面64を設けたものである。
【0051】
フレキシブルケーブル5の種類によっては、ケーブル貫通孔5´が、ケーブル幅方向に長い長円の形状のものもあるが、この場合、位置決めピン62に欠截面64を設けなくてもよい。
【0052】
次に、配線基板6とフレキシブルケーブル5との端子部の接続について説明する。なお、以下の説明においては、基板ベース部10の台座当接凸部31の台座当接面43に、基板ベース部10を下方から支持する台座(図示せず)が常に当接した状態であるものとして説明する。
まず、配線基板6を、その底面を基板当接凸部30の基板当接面30´に当接させると共に、基板貫通孔6´に位置決めピン62を挿通し、且つ、囲繞壁35によって周囲を囲繞された状態で、基板ベース部10上に配設する。
次に、ヘッドユニット4をヘッドユニット取付部9に取り付ける。上述したように、一端側端子部13が圧電振動子3の素子端子部に接続されたフレキシブルケーブル5の他端側は、圧電振動子3、即ち、ヘッドユニット4に対して起立した状態に折り曲げられており、この状態でヘッドユニット4をヘッドユニット取付部9の先端側に取り付けると、フレキシブルケーブル5の他端側は、案内リブ16の傾斜にしたがって、ヘッドユニット取付部9の収納空部9´側から挿通開口部36を通って基板ベース部10側へと案内される。
【0053】
ヘッドユニット4をヘッドユニット取付部9に取り付けた状態において、フレキシブルケーブル5の他端側は、案内リブ16によって基板ベース部10側に若干傾倒した姿勢にされる。そして、この傾倒した部分を押圧ツールが上方から基板ベース部10側に押圧すると、フレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´に位置決めピン62が挿通し、他端側端子部15の端子位置と配線基板6の基板端子部14の端子位置とが合致した状態で、フレキシブルケーブル5の他端側が配線基板6上に重合される。本実施形態においては、上述したように、位置決めピン62は、ケーブル貫通孔5´に対して締り嵌めとなっているので、押圧ツールによる押圧を解除しても位置決めピン62からフレキシブルケーブル5が離脱し難くなっている。
【0054】
そして、この状態において、フレキシブルケーブル5の他端側端子部15と配線基板6の基板端子部14との重合部分を、ヒートツールによって加熱することによって両者を電気的に接続、即ち、半田付けする。ここで、本実施形態におけるヒートツールの温度は約400度であり、また、位置決めピン62は、約120度の熱で変形するようになっている。これにより、半田付けの際に、ヒートツールの熱によって位置決めピン62の先端が加熱されて変形し、フレキシブルケーブル5を基板ベース部10に仮留した状態にする。これにより、一層フレキシブルケーブル5が位置決めピン62から離脱し難くすることができる。
【0055】
フレキシブルケーブル5の他端側端子部15と配線基板6の基板端子部14とを接続したならば、蓋部材52を、基板当接脚部56の先端を配線基板6に当接させる共に、屈曲部53,53を第1起立壁32とカートリッジ装着壁11bとの間の溝及び第2起立壁33とフレーム後壁47との間の溝に嵌合させ、且つ、係止脚部54,54の係止爪片55,55を基板ベース側壁37,37の係止受け部39,39に係止させた状態で、基板ベース部10に取り付けることで、囲繞壁53の上部開口を塞ぐ。
【0056】
以上のように、フレキシブルケーブル5のケーブル貫通孔5´に対して締り嵌め可能な位置決めピン62を基板ベース部10上に設けたので、フレキシブルケーブル5が位置決めピン62から離脱し難くなり、フレキシブルケーブル5と配線基板6の各端子部を接続する際に、フレキシブルケーブル5の離脱を防止するための押圧ツールが不要となり、その分のスペースを確保することができる。したがって、配線基板6の周囲に囲繞壁35を立設することが可能となり、これによりインク浸入対策が可能となると共に、記録ヘッド1の小型化にも対応することが可能となる。
【0057】
ところで、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
【0058】
例えば、圧力発生素子に関し、上記実施形態においては、圧電振動子を例示したが、これに限定されるものではない。圧力発生素子は、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ得るものであればよく、例えば、電気機械変換素子の一種である磁歪素子であってもよいし、圧力室内のインクを突沸させる発熱素子であってもよい。
【0059】
また、位置決めピン62に関し、上記第1実施形態においては、1つの突起部としてリブ63、第2実施形態においては、2つの突起部としてリブ63,63´を設けた例を示したが、これに限らず、2つ以上の突起部を設けるようにしてもよい。
また、位置決めピン本体62´及びリブ63(63´)の形状はリブは例示したものには限らない。例えば、位置決めピン本体62´の形状に関し、断面形状が楕円、長円、多角形等とすることも可能である。要は、位置決めピン62の形状がケーブル貫通孔5´に対して締り嵌めとなるものであればよい。
【0060】
なお、上記実施形態では、インクジェット式記録ヘッドに本発明を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップの製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット式記録ヘッドを右前上方から見た分解斜視図である。
【図2】 インクジェット式記録ヘッドを右後下方から見た分解斜視図である。
【図3】 (a)及び(b)は、インクジェット式記録ヘッドを真上から見た平面図である。
【図4】 図3(b)におけるA−A線断面図である。
【図5】 図3(b)におけるB−B線断面図である。
【図6】 図3(a)における領域Xを拡大した平面図である。
【図7】 図5における領域Zを拡大した要部断面図である。
【図8】 位置決めピンを説明する図であり、(a)は、位置決めピンの平面図であり、(b)は、位置決めピンの左側面図である。
【図9】 位置決めピンの第2実施形態を説明する図であり、(a)は、位置決めピンの平面図であり、(b)は、位置決めピンの左側面図である。
【図10】 位置決めピンの第3実施形態を説明する図であり、(a)は、位置決めピンの平面図であり、(b)は、位置決めピンの左側面図である。
【図11】 従来の液体噴射ヘッドの斜視図である。
【図12】 従来の液体噴射ヘッドの側面図である。
【図13】 図12の一部を拡大して示した要部断面図である。
【符号の説明】
1…記録ヘッド,5…フレキシブルケーブル,5´…ケーブル貫通孔5´,10…基板ベース部,62,62´…位置決めピン,63…リブ
Claims (6)
- フレキシブルケーブルが取り付けられる取付部に立設され、前記フレキシブルケーブルに開設されたケーブル貫通孔に挿通して該フレキシブルケーブルを前記取付部の所定位置に位置決めするフレキシブルケーブル用位置決めピンであって、
前記ケーブル貫通孔の内径よりも太い位置決めピン本体の側面に欠截面が形成され、
取り付け状態において、前記欠截面がフレキシブルケーブルの長手方向に沿うように配置され、
前記欠截面は位置決めピン本体の両側に形成され、
ケーブル貫通孔内に挿入するとフレキシブルケーブルの弾性により締り嵌め状態となるようにしたことを特徴とするフレキシブルケーブル用位置決めピン。 - 前記位置決めピン本体の側面に突起部を突設し、
突起部の先端から位置決めピン本体の中心を通って反対側までの長さを、前記ケーブル貫通孔の内法よりも長く設定し、突起部を設けた部分を前記ケーブル貫通孔内に挿入するとフレキシブルケーブルの弾性により締り嵌め状態となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルケーブル用位置決めピン。 - 前記突起部は、取り付け状態におけるフレキシブルケーブルの長手方向に沿って且つ位置決めピン本体の中心を通る仮想線上に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルケーブル用位置決めピン。
- 2つの突起部が位置決めピン本体の両側に、前記仮想線上に配設されていることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブルケーブル用位置決めピン。
- 前記突起部を、先端が尖ったリブで構成したことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載のフレキシブルケーブル用位置決めピン。
- 液体導入口から共通液体室及び圧力室を通ってノズル開口に至る一連の液体流路が形成され、液体導入口から導入した液体を圧力発生素子を駆動することにより液滴として前記ノズル開口から吐出するヘッドユニットと、前記圧力発生素子の素子端子部に一端側端子部が接続されるフレキシブルケーブルと、該フレキシブルケーブルを介して前記圧力発生素子に駆動信号を供給する配線基板と、をケースヘッドに備えた液体噴射ヘッドにおいて、
前記ケースヘッドは、前記ヘッドユニットを取り付ける箱体状のヘッドユニット取付部と、該ヘッドユニット取付部から外側に向けて延在し、前記配線基板を配設する基板ベース部とにより構成され、
前記配線基板に基板貫通孔を形成し、
前記フレキシブルケーブルの他端側にケーブル貫通孔を形成し、
前記基板ベース部の基板配設面に立設する位置決めピンとして請求項1から請求項5の何れか一項に記載のフレキシブルケーブル用位置決めピンを用いたことを特徴とする液体噴射ヘッド。
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