JP7263699B2 - 電子装置 - Google Patents
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Description
そこで、熱可塑性樹脂を用いて筐体部材に形成したボスを、他方の筐体部材の取付け用の孔に挿通して、そのボスの先端部を熱かしめすることも考えられる。しかしながら、係るボス部分は、ねじに比して強度に劣り、又、ボスを挿通するための孔と当該ボスとの間に必要なクリアランスが、筐体部材のがたつきを招くことも想定される。このため、電子装置に外部から振動や衝撃が作用した際に、ボス部分の損傷を助長する虞があり、又、内部空間の電子部品を筐体部材でカバーする機能が損なわれる虞がある。
第1実施形態について図1~図4を参照しながら説明する。図1に示す電子装置1は、例えば車両に搭載される電子制御装置である。電子装置1において外郭をなす筐体2は、全体として薄型の矩形箱状をなしており、その内部に回路基板3を収容している。
このうち、カバー11は、回路基板3を上面側から覆う第1筐体部材であり、例えば金属材料としてのアルミ材から形成されている。カバー11は、上壁部11aと周壁部11bとを一体に有し、下方が開放された矩形箱状をなす。カバー11の上壁部11aには、回路基板3におけるX方向の一端側に配されたコネクタ3aに合わせて、その一端側でコネクタ3aを露出させる前記開口部2aが形成されている。また、上壁部11aには、開口部2aからX方向の他端側へ離間した位置に、同X方向に延びY方向へ並ぶ複数の放熱フィン11cが配設されている。
このうち、回路基板3用の取付部14は、枠部10bのコーナー部分の内側に位置する。取付部14は、回路基板3を支持する支持面部14aと、その支持面部14aに立設されたボス14bとを有する。詳しい図示は省略するが、ボス14bは、回路基板3の挿通孔5に挿通された後に当該ボス14bの先端にて熱かしめされ、支持面部14aは、回路基板3を下面側から支持する。
なお、図示は省略するが、本体ケース10には例えば、Y方向の一端側と他側とに夫々外側へ張出す一対の固定部が設けられており、電子装置1は、車両に対し当該固定部で各々ねじ止めされて、底壁部10aが略水平となる向きで搭載される(底壁部10aが略鉛直となる向きでもよい)。
取付部15のボス17は、その板片15a上における中央部に配置され(図1参照)、被取付部12の挿通孔13に対応する柱状のボスである。また、図4(a)に示すように、ボス17は、熱かしめが行われることにより、その柱状部18の先端側に設けられた熱かしめ部19を一体に有する。
図2(a)にも示すように、リブ201、202は、挿通孔13におけるZ方向の一端側から他端側まで挿通方向へ延在する。また、リブ201、202は、挿通孔13の周方向におけるリブ間距離で等間隔となるよう、当該挿通孔13内周面の周りに180度間隔で形成されている。また、リブ201、202は、挿通孔13の径方向内側へ各々突起する。
これにより、ボス17は、その窪み部221、222にてリブ201、202と当接することにより、挿通孔13内周面との間のクリアランスを無くし(図3(d)、図4(a)参照)、本体ケース10とカバー11とがXY方向へ相対的にずれないように保持する。
この後、挿通孔13に挿通されたボス17における柱状部18の先端側を熱かしめして、熱かしめ部19を形成することにより、本体ケース10にカバー11を取付け固定する(図2(b)参照)。
リブ201、202は、挿通孔13の内周面からの突起長L1,L2がリブ相互間で同等である。これによれば、例えば上記のようにリブ201、202を等間隔としたとき、当該複数のリブ201、202により、柱状部18を挿通孔13の中心O側へ寄せる(前記同心状に保持する)均等な力で当接させることができるとともに、熱かしめ部19による軸方向の固定と相俟って、カバー11を全方向にがたつきなく固定することが可能となる。
更に、熱かしめによりカバー11を取付け固定するため、固定用のねじ等が不要となることは勿論、本体ケース10がボス17を含め熱可塑性樹脂により一体成形されているため、製造コストを低減することが可能となり、本体ケース10を金属材料で形成した場合に比して軽量化も図りうる。
図5~図7は、本発明の第2~第4実施形態を示している。以下では、既述した実施形態と実質的に異なる点について述べることとする。
a+b+c=0 …(2)
また、ボス17の柱状部18に、リブ231~233の形状と合致する形状に窪み、当該リブ231~233と当接する窪み部を形成することで、柱状部18の外周長さを増大させてせん断強度を高めることができる等、第1実施形態と同様の効果を奏する。
例えば、図3(b)に示すボス17の柱状部18の外径D1を、仮想内接円102の直径D2よりも大きくしたが(D2<D1)、仮想内接円102の直径D2と同じ大きさにしてもよい(D2=D1)。この場合、ボス17の窪み部221、222を省略した構成となるが、ボス17の外周面に対して、リブ201、202各々の頂点21が当接するため、カバー11のX方向のがたつきを抑制することができる。それ故、柱状部18の外径D1と仮想内接円102の直径D2とが、D2≦D1を満たす構成とすることで、上記した実施形態と同様の効果を奏するものといえる。
ボス17の柱状部18は、小円柱状のものに限らず、Z方向に直交する断面が多角形の多角柱状とする等、柱状のものであればよい。
Claims (8)
- 電子部品(3b)が実装された回路基板(3)と、
内部に前記回路基板を収容する筐体(2)として相互に組み合わされる一対の筐体部材であって、少なくとも1つ以上の取付け用の挿通孔(13)が設けられた第1筐体部材(11)、並びに前記挿通孔に対応する少なくとも1つ以上の柱状のボス(17)が設けられた第2筐体部材(10)と、を備え、
前記ボスは、前記柱状をなして前記挿通孔に挿通される柱状部(18,31)と、その先端側に前記挿通孔よりも大きい外形となるように熱かしめされた熱かしめ部(19)とを有し、
前記挿通孔の内周面には、当該挿通孔の径方向内側へ突起するリブ(20,23)が、前記ボスの柱状部の外周面と当接するように設けられる一方、前記ボスの柱状部には、前記リブの形状と合致する形状に窪み、当該リブと当接する窪み部(22)が形成されていて、
前記ボスの柱状部において、その基端側から前記熱かしめ部側にわたって前記窪み部が延在することにより熱かしめ強度を高めるとともに前記リブと相互に当接面で面接触するように形成され、その柱状部の外周面での当該面接触による嵌合と、前記挿通孔を覆う前記熱かしめ部とにより、がたつかないように保持する構成とした電子装置(1)。 - 前記リブは、1つの前記挿通孔に対して複数設けられており、当該挿通孔の周方向におけるリブ間距離で等間隔となるように形成されている請求項1記載の電子装置。
- 前記リブは、1つの前記挿通孔に対して複数設けられており、当該挿通孔のリブ相互間で当該挿通孔の内周面からの突起長が同等である請求項1記載の電子装置。
- 前記リブは、1つの前記挿通孔に対して複数設けられており、当該挿通孔において当該複数のリブ各々の前記径方向内側へ突起する方向ベクトルの総和が0となるように形成されている請求項1記載の電子装置。
- 電子部品(3b)が実装された回路基板(3)と、
内部に前記回路基板を収容する筐体(2)として相互に組み合わされる一対の筐体部材であって、少なくとも1つ以上の取付け用の挿通孔(13)が設けられた第1筐体部材(11)、並びに前記挿通孔に対応する少なくとも1つ以上の柱状のボス(17)が設けられた第2筐体部材(10)と、を備え、
前記ボスは、前記柱状をなして前記挿通孔に挿通される柱状部(18,31)と、その先端側に前記挿通孔よりも大きい外形となるように熱かしめされた熱かしめ部(19)とを有し、
前記挿通孔の内周面には、当該挿通孔の径方向内側へ突起するリブ(30)が、前記ボスの柱状部の外周面と当接するように設けられており、
前記第1筐体部材において、複数の前記挿通孔が設けられるとともに、それら複数の挿通孔における全てのリブは、当該複数の挿通孔相互間で周方向における位置が一致せず、且つ当該全てのリブ各々の前記径方向内側へ突起する方向ベクトルの総和が0となるように形成されている電子装置。 - 前記第1筐体部材には、複数の前記挿通孔が設けられており、
前記リブは、当該複数の挿通孔相互間で、夫々の挿通孔の周方向において同じ位置となるように形成されている請求項1記載の電子装置。 - 前記リブは、前記挿通孔の挿通方向へ延在するリブである請求項1から6の何れか一項記載の電子装置。
- 電子部品(3b)が実装された回路基板(3)と、
内部に前記回路基板を収容する筐体(2)として相互に組み合わされる一対の筐体部材であって、少なくとも1つ以上の取付け用の挿通孔(13)が設けられた第1筐体部材(11)、並びに前記挿通孔に対応する少なくとも1つ以上の柱状のボス(17)が設けられた第2筐体部材(10)と、を備え、
前記ボスは、前記柱状をなして前記挿通孔に挿通される柱状部(18,31)と、その先端側に前記挿通孔よりも大きい外形となるように熱かしめされた熱かしめ部(19)とを有し、
前記挿通孔の内周面には、当該挿通孔の径方向内側へ突起するリブ(40)が、前記ボスの柱状部の外周面と当接するように設けられており、
1つの前記挿通孔に対して複数の前記リブが当該挿通孔の周方向におけるリブ間距離で等間隔とならないように設けられることにより、前記柱状部の外周面に対して前記リブの先端部と前記挿通孔の内周面の一部とが夫々当接して嵌合する電子装置。
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