JP4089269B2 - 放射性廃液の固化処理方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力施設から排出される濃縮廃液の処理方法、特に、ホウ酸廃液およびナトリウム廃液の固化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PWR型の原子力発電所においては、原子力の出力制御に使用されたホウ酸を水酸化ナトリウムで中和し、濃縮器で濃縮した濃縮廃液が発生する。この種の放射性廃液の処理には、アスファルトあるいはセメントと混合し、固体状の廃棄体としたのち、埋設処分する方法が、従来、一般的に用いられている。
【0003】
このうち、アスファルト固化法は、廃液を蒸発装置内で 150℃に加熱されたアスファルトに混合、加熱し、水分を蒸発させて固形分のみをアスファルトと均一に混合させたのち、冷却して均一な固化体を得る方法であり、セメント固化法に比べて、減容比、水に対する浸出性ともに優れている。しかしながら、1997年、このアスファルト固化法を適用した東海再処理施設のアスファルト固化施設で火災、爆発事故が発生し、その原因は、アスファルトの混合物に混入した有機物が発熱、分解することによって、アスファルトと硝酸ソーダの急激な酸化反応が起こり、可燃性ガスが放出されて発火に至ったものと推定されている。このため、本アスファルト固化施設の操業は停止されており、また、六ヶ所再処理施設においても、このアスファルト固化法は採用されないこととなっている。
【0004】
一方、放射性廃液をセメントと混合して固化体とするセメント固化法においては、セメントの入手が容易で、廉価であり、かつ、室温で処理できるという特徴があり、得られる固化体は、十分な強度と長期にわたる安定性が期待できるが、アスファルト固化法により得られる固化体に比べて浸出性が比較的大きいことが難点である。特に、PWR型の原子力発電所において生じるホウ酸廃液の場合には、ホウ酸によるセメント硬化の遅延作用によって、硬化に長時間を要する場合や、あるいは硬化しない場合が生じる。すなわち、セメントは水と反応することにより水酸化カルシウム等の水和物を生成して硬化するが、セメント粒子から浸出した Ca2+ イオンが水溶性のホウ酸と反応するとセメント粒子の表面にホウ酸カルシウムの結晶膜が形成される。このように表面に結晶膜が形成されると、セメント粒子からの Ca2+ イオンの浸出が遅くなり、セメントの硬化が遅れ、このため、十分な強度を持つ固化体が得られなくなる。また、セメント中のホウ酸廃液の充填率は小さく、本発明者らの実験においては、セメントに対して1wt%のホウ酸を加えた場合には、セメントは硬化しなかった。したがって、この種のセメント固化法を原子力施設から排出される濃縮廃液の処理方法に適用することは困難である。
【0005】
これらのアスファルト固化法あるいはセメント固化法に代わる放射性廃液の処理方法には、例えば特開平5−161824号公報に開示されているように、放射性物質を含む廃液を加熱、乾燥させ、得られた残渣にガラス化助剤を添加して加熱溶融することによって安定なガラス固化体とする処理方法がある。
図3は、特開平5−161824号公報に示されている処理システムの説明図である。この処理システムでは、高塩濃度及び放射性物質を含むアルコール廃液を、受け入れタンク30において硝酸で中和したのち蒸発乾固装置32の乾固皿33に送り、蒸発用ヒーター18で加熱してアルコールガスを蒸発させ、続いて、乾固皿33に残った放射性物質や硝酸ナトリウムからなる残渣物を、蒸発乾固装置32より固化装置40へと送り、供給ホッパー41からガラス添加剤(ガラス化助剤)を加えて、マイクロ波発生装置42によりマイクロ波加熱溶融し、安定なガラス固化体43へと処理する方法が採られている。なお、蒸発乾固装置32で蒸発したアルコールガスは、加熱用ヒーター36で加熱し、白金触媒塔37を通すことによって炭酸ガスと水蒸気に転化させ、そののち、外部空気を加えて希釈冷却し、ヘパフィルタ38で濾過して大気中へと排出されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、原子力施設から排出される濃縮廃液の処理方法にはアスファルト固化法やセメント固化法があるが、それぞれ難点があり、加熱、乾燥して得られた残渣にガラス化助剤を添加して安定なガラス固化体を形成して処理する方法が期待されている。
【0007】
しかしながら、本方法においても、例えば図3に示した従来の処理システムでは、廃液を加熱させるためのヒーター加熱式の蒸発乾固装置32と残渣を加熱してガラス化するためのマイクロ波加熱式の固化装置40の2台の加熱装置を必要とし、また、蒸発乾固装置32での加熱、蒸発乾固処理の進捗状況の把握は、監視窓35からの目視観察に依存しているので、必ずしも効率的な処理が実現されているとは言えない。
【0008】
本発明は、上記のごとき技術の現状を考慮してなされたもので、本発明の課題は、放射性廃液、特に、PWR型の原子力発電所において生じるホウ酸廃液を安定な固化体へと効果的に処理する放射性廃液の固化処理方法、およびこの処理方法を用いる処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明においては、
マイクロ波によって放射性廃液を加熱乾燥させる廃液乾燥工程と、廃液乾燥工程で得られた廃液残渣をガラス化助剤とともにマイクロ波により加熱溶融してガラス化するガラス化工程とを含む放射性廃液の固化処理方法において、
(1)廃液乾燥工程において金属製炉容器の内部に乾燥空気を流通させることとし、さらに、金属製炉容器の壁面温度を 80 ℃以上、100 ℃以下に保持することとする。
【0010】
また、本発明の参考手段においては、
(2)また、廃液乾燥工程の終了を、金属製炉容器の底部の温度変化の検出、あるいは、廃液の状態変化に伴って生じるインピーダンス不整合により発生するマイクロ波の反射波の検出により判定することとする。
(3)また、ガラス化工程において生じる金属製炉容器内の異常放電を、インピーダンス不整合により発生するマイクロ波の反射波の検出により検知することとする。
【0011】
さらに、本発明においては、
(4)また、上記のガラス化助剤の粒径を、1μm以上、60μm以下とし、このガラス化助剤を、SiO2に、Al2O3、MgO、CaO、CoOのうちの少なくともいずれか一つの金属酸化物を添加した混合物とする。
また、放射性廃液の固化処理装置を、
(5)放射性廃液を収納して固化処理する金属製炉容器と、金属製炉容器の内部に放射性廃液を供給する廃液供給手段と、金属製炉容器の内部にガラス化助剤を供給するガラス化助剤供給手段と、金属製炉容器の内部に乾燥空気を流通させる乾燥空気流通手段と、金属製炉容器の炉壁を加熱する炉壁加熱手段と、金属製炉容器の内部に収納された放射性廃液を加熱乾燥し、生じた残渣とガラス化助剤とを加熱するマイクロ波加熱手段とを備えて構成することとし、さらに、
(6)金属製炉容器の底部の温度を検出する温度センサーと、この温度センサーの出力信号によって収納された放射性廃液の加熱乾燥の終了を検知し、廃液供給手段とマイクロ波加熱手段とガラス化助剤供給手段の運転を制御する制御手段とを備えるか、あるいは、マイクロ波加熱手段で検出された反射波の検知信号によって収納された放射性廃液の加熱乾燥の終了を検知し、廃液供給手段とマイクロ波加熱手段とガラス化助剤供給手段の運転を制御する制御手段を備えることとする。
【0012】
上記の(1)のごとく、廃液乾燥工程において金属製炉容器の内部に乾燥空気を流通させることとすれば、金属製炉容器内の水蒸気が積極的に排出されることとなり、さらに、金属製炉容器の壁面温度を 80 ℃以上に上昇させれば、壁面への結露が防止されるので、廃液乾燥工程を効率的に進行させることができる。
また、廃液乾燥工程において廃液の処理が進行している際には、廃液が沸騰状態にあり、金属製炉容器の底部の温度は約 100℃に保持されるが、乾燥が進行して水分がなくなると底部の温度は上昇する。また、廃液の加熱に用いられるマイクロ波は、EHチューナーなどのインピーダンス整合器により、マイクロ波電力が最大となるように調整してもちいられるが、乾燥が進行して水分量が低下するとチューナーのマッチングポイントがずれ、マイクロ波の反射電力が大きくなる。したがって、上記の(2)のごとく、金属製炉容器の底部の温度変化を検出するか、あるいは、廃液の状態変化に伴って生じるインピーダンス不整合により発生するマイクロ波の反射波の変化を検出すれば、廃液乾燥工程の進捗状況が把握され、処理廃液の再投入、あるいは次工程への移行をタイミングよく実行できるので、廃液乾燥工程の効率的な運転が可能となる。
【0013】
また、マイクロ波により加熱溶融することによって廃液残渣をガラス化するガラス化工程において、異常放電が生じると溶融ガラスにマイクロ波が吸収されなくなるので、マイクロ波出力を低下させる必要があるが、異常放電時にはマイクロ波の反射波が変化する。したがって、上記(3)のごとく、マイクロ波の反射波を検出すれば異常放電が検知され、ガラス化工程を効率的に進行させることができる。
【0014】
また、ガラス化処理に用いるガラス化助剤の粒径が大きいと廃液中での沈降速度が速く、廃液残渣とガラス化助剤との混合の均一性が確保できなくなる。また、本発明者らの模擬廃液を用いた基礎実験によれば、粒径が 63 〜 106μmのガラス化助剤を加えた加熱実験の場合には廃液の突沸が生じて容器の器壁を汚染するという不具合が生じたが、最小粒径 1μm、最大粒径 60 μmのガラス化助剤を加えた加熱実験の場合には適切な乾燥処理が実施できた。したがって、上記の(4)のごとく、ガラス化助剤の粒径を、1 μm以上、 60 μm以下とすれば、効果的に乾燥処理することができる。また、ガラス化助剤を、ガラスの主成分である SiO2 に金属酸化物を添加した混合物とすれば、ガラスの耐水性が向上し、ガラスからの乾燥残渣成分の浸出率が低下する。
【0015】
また、放射性廃液の固化処理装置を上記の(5)のごとく構成すれば、単一の金属製炉容器と単一のマイクロ波加熱手段により、放射性廃液の加熱乾燥処理と生じた残渣のガラス化処理が実施できるので、コンパクトな固化処理装置が得られる。また、金属製炉容器の内部に乾燥空気を流通させる乾燥空気流通手段と、金属製炉容器の炉壁を加熱する炉壁加熱手段を備えているので、上記の(1)のごとき処理方法を適用して廃液乾燥工程を効率的に進行させることができる。
【0016】
さらに、放射性廃液の固化処理装置を上記の(6)のごとく構成すれば、上記の(2)のごとき処理方法を適用して廃液乾燥工程を効率的に進行させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、実施例を挙げて詳しく説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の放射性廃液の固化処理装置の第1の実施例の構成図である。本図において、1は、放射性廃液を固化処理する金属製炉容器、2は、金属製炉容器1の内部に収納された放射性廃液を加熱乾燥し、生じた残渣とガラス化助剤とを加熱するマイクロ波加熱手段としてのマイクロ波供給装置、4は、金属製炉容器1の内部に放射性廃液あるいはガラス化助剤を供給するためのホッパー、5は、金属製炉容器1の内部に乾燥空気を供給するための空気供給口、6は、水蒸気および排ガスを排出し、排ガス処理装置へと送るための排気口、7は、金属製炉容器1の炉壁加熱手段として設置された炉壁ヒーター、8は放射性廃液供給装置、9はガラス化助剤供給装置、10は、金属製炉容器1の底部の温度を検出するための熱電対、20は、熱電対10によって検出された温度を基にして放射性廃液供給装置8、ガラス化助剤供給装置9、マイクロ波加熱手段2の運転を制御する制御ユニットである。このうち、金属製炉容器1は、内径がφ280 mmの円筒状の金属製処理容器である。また、マイクロ波供給装置2は、発振周波数 915 Hz、最大出力 25 Kwのマイクロ波電源21、負荷から反射してきたマイクロ波のマイクロ波電源21への戻りを阻止する役割を果たすアイソレーター22、進行波と反射波のマイクロ波電力を測定するパワーメーター23、負荷とのマッチングを調整して負荷で消費されるマイクロ波電力を最大にするためのEHチューナー24、パワーメーター23の測定結果を基にEHチューナー24を調整するチューナー駆動回路26、並びに、マイクロ波を伝播する導波管25からなり、本マイクロ波加熱手段2で得られたマイクロ波は、石英板3を介して連結された金属製炉容器1の内部へと送られる。
【0018】
本処理装置を用いて行った放射性廃液の固化処理の実施例は以下のごとくである。
まず、ホウ素濃度が 21000ppm のホウ酸廃液 10 lと、平均粒径が 18 μmで、表1のごとき組成からなるガラス化助剤 3 kg を、それぞれ放射性廃液供給装置8とガラス化助剤供給装置9からホッパー4を通して金属製炉容器1に供給した。
【0019】
【表1】
ついで、マイクロ波加熱手段2から金属製炉容器1の内部へと 20 kWのマイクロ波を照射するとともに、空気供給口5より乾燥空気を供給し、炉壁ヒーター7に通電して炉壁温度を 80 〜 100℃に保持した。照射されたマイクロ波の吸収によって廃液の温度が上昇し、水分の蒸発が進み、廃液量が減少して、やがて乾燥してホウ酸を主成分とする廃液残渣とガラス化助剤の混合物が得られた。廃液残渣の質量は、元の廃液の質量の約 10 %であった。金属製炉容器1の底面に取り付けた熱電対10の検出温度の変化、すなわち水の沸点 100℃を超える温度上昇によって、金属製炉容器1内の廃液の蒸発、乾燥工程の完了を検知し、新たにホウ酸廃液 10 lを放射性廃液供給装置8から金属製炉容器1内へと供給して、廃液の蒸発、乾燥を行った。このようにマイクロ波を供給しての蒸発、乾燥工程を二回繰り返したのち、残った廃液残渣とガラス化助剤の混合物に対して 20 kWのマイクロ波の照射を継続して行い、ガラス化処理をした。
【0020】
表2は、上記のごとき固化処理方法によりガラス化して得た、種々の乾燥残渣充填率のガラスからのホウ素浸出率を示したものである。
【0021】
【表2】
表に見られるように、本固化処理方法を用いて、乾燥残渣充填率を 40 wt%を超えない値に制限してガラス化処理を行えば、ガラスからのホウ素浸出率を 1×10-5(g/cm2・day)より十分低い値に抑えることができる。
【0022】
<実施例2>
図2は、本発明の放射性廃液の固化処理装置の第2の実施例の構成図である。本図においても、図1に示した第1の実施例と同一の機能を有する構成部品には同一符号が付されており、重複する説明は省略する。本第2の実施例の特徴は、金属製炉容器1内の廃液の蒸発、乾燥工程の完了を、マイクロ波供給装置2のパワーメーター23において検出されたマイクロ波電力の反射波の検知信号によって検知するよう構成されている点にあり、金属製炉容器1の底面には、第1の実施例で見られたごとき熱電対10は備えられていない。したがって本実施例の固化処理装置においても、第1の実施例と同様に廃液の蒸発、乾燥が行われ、本蒸発、乾燥工程の完了をマイクロ波供給装置2で検知したのち、第1の実施例と同様にガラス化処理が行われることとなる。
【0023】
上記の第1、第2の実施例において用いられているマイクロ波加熱においては、廃液、あるいは廃液残渣やガラス化助剤の被処理物が直接発熱体となるので、発熱体から被処理物へと伝熱する他の加熱手段に比べて熱効率が極めて高く、一般の焼却炉などと異なり、装置を室温で運転できるので安全性も高い。また、一般の炉に見られるような耐熱性の断熱材を用いる必要もなく、メンテナンスも軽減されるので、この種の放射性廃液の固化処理装置として極めて有効である。
【0024】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、
(1)放射性廃液を、請求項1,2,3,4に記載のごとき処理方法によって固化処理することとしたので、効率的に処理できることとなった。このようにマイクロ波加熱によって放射性廃液を蒸発、乾燥させ、その残渣をガラス化助剤とともに加熱してガラス化すれば、ガラス中に40wt%の乾燥残渣を充填することが可能になるので、このガラスを40wt%充填してセメント固化体を形成すれば、セメント固化体中に16wt%の乾燥残渣を充填できることとなる。この値は、通常にセメント固化処理の場合の充填率の限界(約1wt%)の約16倍であり、放射性廃棄物の埋設費が約1/16となる。
【0025】
(2)また、放射性廃液の固化処理装置を、請求項5,6,7に記載のごとく構成すれば、上記(1)のごとき処理方法を適用して効果的に固化処理できるので、放射性廃液の固化処理装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射性廃液の固化処理装置の第1の実施例の構成図
【図2】本発明の放射性廃液の固化処理装置の第2の実施例の構成図
【図3】従来の放射性物質を含む廃液の処理方法の一例を示す説明図
【符号の説明】
1 金属製炉容器
2 マイクロ波供給装置
4 ホッパー
5 空気供給口
6 排気口
7 ヒーター
8 放射性廃液供給装置
9 ガラス化助剤供給装置
10 熱電対
20,20A 制御ユニット
21 マイクロ波電源
22 アイソレーター
23 パワーメーター
24 EHチューナー
25 導波管
26 チューナー駆動回路
Claims (7)
- マイクロ波によって放射性廃液を加熱乾燥させる廃液乾燥工程と、廃液乾燥工程で得られた廃液残渣をガラス化助剤とともにマイクロ波により加熱溶融してガラス化するガラス化工程とを含む放射性廃液の固化処理方法において、
廃液乾燥工程において金属製炉容器の内部に乾燥空気を流通させることを特徴とする放射性廃液の固化処理方法。 - マイクロ波によって放射性廃液を加熱乾燥させる廃液乾燥工程と、廃液乾燥工程で得られた廃液残渣をガラス化助剤とともにマイクロ波により加熱溶融してガラス化するガラス化工程とを含む放射性廃液の固化処理方法において、
廃液乾燥工程における金属製炉容器の壁面温度を80℃以上、100℃以下に保持することを特徴とする放射性廃液の固化処理方法。 - マイクロ波によって放射性廃液を加熱乾燥させる廃液乾燥工程と、廃液乾燥工程で得られた廃液残渣をガラス化助剤とともにマイクロ波により加熱溶融してガラス化するガラス化工程とを含む放射性廃液の固化処理方法において、
前記のガラス化助剤の粒径が、60μm以下、1μm以上であることを特徴とする放射性廃液の固化処理方法。 - 請求項3に記載の放射性廃液の固化処理方法において、前記のガラス化助剤が、SiO2にAl2O3、MgO、CaO、CoOのうちの少なくともいずれか一つの金属酸化物を添加した混合物よりなることを特徴とする放射性廃液の固化処理方法。
- 放射性廃液を収納して固化処理する金属製炉容器と、金属製炉容器の内部に放射性廃液を供給する廃液供給手段と、金属製炉容器の内部にガラス化助剤を供給するガラス化助剤供給手段と、金属製炉容器の内部に乾燥空気を流通させる乾燥空気流通手段と、金属製炉容器の炉壁を加熱する炉壁加熱手段と、金属製炉容器の内部に収納された放射性廃液を加熱乾燥し、生じた残渣とガラス化助剤とを加熱するマイクロ波加熱手段とを備えたことを特徴とする放射性廃液の固化処理装置。
- 請求項5に記載の放射性廃液の固化処理装置において、金属製炉容器の底部の温度を検出する温度センサーと、この温度センサーの出力信号によって収納された放射性廃液の加熱乾燥の終了を検知し、廃液供給手段とマイクロ波加熱手段とガラス化助剤供給手段の運転を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする放射性廃液の固化処理装置。
- 請求項5に記載の放射性廃液の固化処理装置において、マイクロ波加熱手段で検出された反射波の検知信号によって収納された放射性廃液の加熱乾燥の終了を検知し、廃液供給手段とマイクロ波加熱手段とガラス化助剤供給手段の運転を制御する制御手段を備えたことを特徴とする放射性廃液の固化処理装置。
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