JP4088608B2 - 画像処理装置の支持構造 - Google Patents
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Description
さらに、本願出願人は、台ゴムによる支持部位間における撓みを防止するために、その撓みが発生する可能性の高い中間部位に突起部を設けることを提案している(例えば、特許文献2)。この先行技術に記載の実施例2においては、枠の中に弾性部材が設けられている。
画像読み取り機能を有しないプリンタ等の画像処理装置であれば、この種の沈み込みが大きな問題を発生することはないが、特にスキャナーを備えた複写機等、画像読み取り機能を有する画像処理装置の場合は、読み取り光学系等が、本体上部等に取り付けられているので、その取付面の平面度、平行度が問題となる。これら精度が確保されていなければ、光学系自体を歪ませてしまうことになり、画像のゆがみや直角度不良等が発生する。
この胴内排出型装置の構成では、重心に最も近い位置の台ゴムが最もよく沈み込み、その他の台ゴムは大して沈まない。結果、常用の樹脂製一体型の装置本体を備えたものにあっては、光学系の取付平面度・平行度に問題を生じる傾向にあることが判明した。
ここで、台ゴムはエチレンプロピレン(EPDM)ゴムの硬度(JIS K6301 Aに基づく硬度)60°の直方体(20×22×8.5mm)を使用し、装置底面から5mm突出するものとする。
さらに、ゴム等で画像処理装置の滑りを防止する構造を採用する場合に、画像処理装置の引きずりや、長期にわたる恒常的な設置後に、容易にこれが剥離、脱落しない構造を得ることにある。
さて、装置本体内あるいはその上部といった部位に画像処理部を備える場合、本願が問題とする画像のゆがみ等の発生は、装置本体が接地し、その支持を受ける複数ヶ所において支持が不均衡となっている場合に発生するが、本願の場合、接地部を装置本体と一体に、例えば、その構成材料である樹脂材等を構成することとなるため、この不均衡が発生することがなく、画像のゆがみ等の問題が発生することはない。
特に、装置本体側の重心に平面視で偏りがある場合にあっても、本願構造では、この種の不均衡の発生を避けることができ、良好な画像処理を実行できる装置を得ることとなる。
本願の趣旨からすれば、弾性突出部と接地部とは相互に関連なく独立に設けられていても何ら問題はないが、弾性突出部を接地部に囲まれるように設けることで、接地に関連する箇所を必要最小限に抑えることが可能となり、装置の所謂、水平出しが容易となるとともに、弾性突出部の支持を接地部において行うことも可能となる。
本願における弾性突出部は、その非接地状態で弾性突出部の少なくとも一部が、接地部の底面より外側(底側で、装置本体から離間する側)に突出されており、接地状態で、少なくとも接地部の底面と面一になることが必要とされるため、その弾性変形分の空間が接地部、弾性突出部間に設けられていることで、弾性突出部の非接地状態、接地状態間での弾性変形をスムーズに発生させて、本願の平面度・平行度確保および滑り防止等の目的を容易に達成できる。
この種の構造としては、例えば、弾性突出部を挿入位置決めするための収納穴を接地部に設け、さらに、この収納穴に弾性突出部を圧入するものとすることで達成されるが、このように弾性突出部が弾性状態で位置保持されることで、弾性材料に発生する保持力を利用して、強固な保持状態を得ることができる。結果、引きずりによる外れ、或いは、長期設置後の脱落等の可能性を確実に低減することができる。
つまり、弾性突出部材の平断面長が異なる状態であって、複数の弾性突出部材の平断面における長手配設方向が全て同じ場合であれば、滑りやすい接地対象面上において、装置本体は長手配設方向側に滑りやすくなる。一方、本構成であれば、複数の弾性突出部材の平断面における長手配設方向が全て同じではないため、装置本体の滑り止め効果が向上する。
この突出量設定により、装置接地時には、全ての接地部の底面が接地対象面と接触し、かつ、それ以上の圧縮がない状態とすることができるため、ベース部を接地対象面と平行に支持できる接地部内で、弾性突出部材が圧縮されながら接地対象面に強く接触していることになる。そのため、装置本体の平面度を確実に確保できると共に、良好な滑り止め効果を奏する。
図1は電子写真方式を用いた複写装置の概略外観図であり、図2は図1の複写装置の概略断面図である。
複写装置1の上部には画像読取り手段2が配置され、その下方の胴体部3には画像形成手段4、定着手段5、用紙搬送手段6が設けられ、胴体部3と画像読取り部の間で形成された空間には用紙の排出部7が形成されており、胴体部3の下方には画像を形成する用紙が収納された用紙収納手段9が設けられている。
また、画像読取り手段2の上部には原稿搬送装置(図示省略)が取付可能である。
前記画像形成手段4には、図2、3に示すように、円筒状の感光体ドラム10の周囲に隣接して帯電装置11、露光装置12、現像装置13、転写装置(転写ローラ)14、クリーニング装置15などが配置されている。
クリーニング装置15ではブレードが感光体ドラム表面に接触し残留しているトナーを回収する。
ベース部30、作像フレーム部31及び補強部材部33は、ポリフェニレンエーテル(PPE樹脂)や、ABS樹脂等の一体成形体とされている。
また、上部には定着手段5が着脱可能に装備され、図2〜3に示すように、右方には露光手段12と冷却ファン16が取り付けられている。後方においては、画像形成手段4、定着手段5、用紙搬送手段6などを回転駆動させるモータ17や駆動機構18が側板部材に装着されて構成された駆動部19が取り付けられている。本願の複写装置1にあっては、この駆動部19が、装置本体左奥側に設けられていることで、平面視での重心位置が、その部位側に偏り、その対策が重要となる。
図4は画像読取り装置2の概略外観図であり、図2にその概略断面図が示されている。
画像読取り装置2は、上方が開放された箱型の構造枠体41を有して構成され、その開放面にはコンタクトガラス42が載置され、それに対向するように開閉可能に原稿押さえ手段47(図1参照)が設けられ、その下方の内部空間には光源43、ミラーユニット44、レンズユニット45、CCD46が配置されている。
以下、本願の特徴である装置本体50の支持構造に関して、図5〜8に基づいて説明する。
これら図面において、図5は、弾性突出部材60を圧入して備えた装置1を底面側から見た状態を、図6は弾性突出部材60を収納穴54に収納する前の状態を、図7は装置1が接地されることなく、単に弾性突出部材60が装置されたフリーな状態を、図8は実際に装置1が接地された状態を示している。
また、これらの図7、8において、(イ)は接地部近傍の縦方向断面図を示し、(ロ)は圧入状態にある弾性突出部材60を含めた接地部近傍の平断面図を示す。
このベース部30の底面には四隅近傍に、本願独特の構成を有する接地部51が設けられている。図6に示す様に、この接地部51は、装置本体50の底面からは一段下側に部分的に突出されており、本体四隅で接地が起こるように構成されている。
本願にあっては、下記する構成を採用することで、ベース部30の水平出しは、ベース部30と一体に樹脂材料から設けられる接地部51によって達成される。
この配設方向は、後述する弾性突出部材60の平断面、長手配設方向に関しても同様である。
各接地部51に関して、弾性突出部材60は、装置の上下方向において、ベース部30内に、その上部側過半以上が収納されており、その一部が、図7に示す非接地状態(装置本体が浮いた状態)で、下側に突出するように構成されている。
そして、少なくとも1つの弾性突出部材60の平断面における長手配設方向が、他の少なくとも1つの弾性突出部材60の平断面における長手配設方向と異なるように構成する。つまり、図5に示す例にあっては、左側接地部(前後共)51a、51cに配設してある弾性突出部材60は左右方向に、右側接地部(前後共)51b、51dに配設してある弾性突出部材60は前後方向に、それぞれ長手配設方向が長い構成となる。
ここで、弾性突出部材の平断面長が異なる状態であって、複数の弾性突出部材の平断面における長手配設方向が全て同じ場合であれば、滑りやすい接地対象面上において、装置本体は長手配設方向側に滑りやすくなる。一方、本構成であれば、複数の弾性突出部材の平断面における長手配設方向が全て同じではないため、例えば方形状の装置本体50の各辺に垂直な四方向において、台表面における装置本体50の滑り止め効果が向上する。
即ち、水平面を成す台上に、複写装置1を設置した際には、図8に示すように、四隅近傍のこれら各接地部51の底面52が接地して、複写装置1を水平に保つことが可能とされている。この接地状態では、この部位が主に本体荷重を支える。
また、この弾性変形を許容するように、図7(ロ)に示すように、接地部51と弾性突出部材60との間に、非接地状態と接地状態との間での、弾性突出部材60の変形を許容する変形許容空間57が設けられている。
本願構成を採用することにより達成される平面度に関して、具体例を以下に示す。装置構成は、先に従来技術の課題で説明した状況と同じである。
後方左では、仮に、接地部51が存在せず弾性突出部材60のみで装置本体50の荷重を支持するときには2mm圧縮されるところであるが、本構成の場合は0.5mm圧縮されたところで、当該部位にある接地部の底面52と台表面が接触して、それ以上圧縮されることはなかった。後方右と前方左では1mm圧縮されるところであるが、本構成の場合は0.5mm圧縮されたところで当該部位にある接地部の底面52と台表面が接触し、それ以上圧縮されることはなかった。さらに、前方右では、接地部51の有無に関わらず0.5mmに圧縮されるところであるため、丁度0.5mmの圧縮で接地部の底面52が台表面に接触する。つまり、この実施例では、接地部51の底面52からの弾性突出部材60の突出量を、接地部51が存在せず弾性突出部材60のみで装置本体50の荷重を支持するときの弾性変形量以下であると共に前記弾性変形量の4分の1以上になるように、設定していることになる。
この突出量設定により、装置接地時には、全ての接地部51の底面52が台表面と接触しており、それ以上の圧縮がないため、光学系取付面の平面度も、樹脂ベース単体精度で確保できていた。
また、全ての接地部51内では、弾性突出部材60が十分に圧縮されながら床に強く接触しているため、滑り止め効果を損なうことはなかった。
よって、今回の構成によって、弾性部材本来の機能を失うことなく、光学系の平面度、平行度を確保することができた。
以上、説明した弾性突出部材60の接地当接面61は、単純な平面としたものであるが、図9、10に示すように、所定の凹凸形状(同図に示すものは波型凹凸形状)を成すものとすることで、この面が机表面と密着して、装置1の移動時に脱離を防止することができる。
こうすることで、コスト削減の効果を得るとともに、切断面位置の選択により、各弾性突出部材60の形状差を抑え、特性の同一性が確保された弾性突出部材60を得ることができる。
本願の別実施の形態に関して以下説明する。
(1) 上記の実施の形態にあっては、画像処理機能として、画像形成処理、画像読み取り処理の両方を備えた装置を示したが、これら機能のいずれか一方を有する画像処理装置にあっても、本願支持構造を採用することで、本願の課題を解決できる。
(2) 上記の実施の形態においては、接地部に対して弾性突出部材を設け、接地部の底面と弾性突出部材の接地当接面との両方が接地される構成を示したが、引きずりに伴う脱落、長期設置後の持ち上げによる抜け落ちに対する対策にあっては、接地部の底面が接地対象面に接地することは必ずしも要求されない。
従って、本願にあって、接地対象面に接地当接面で接地する弾性突出部材を保持するため、ベース部に設けられる部位を保持部と称する。この保持部は、本願において弾性突出部を保持する部位を意味する。
(3) 上記の実施の形態にあっては、接地部に弾性突出部材を圧入することで、本願の支持構造を得るものとしたが、接地部(引いては装置本体)を構成する樹脂材料に対して、弾性に富み、接地して本願目的を達成できる弾性材料を、装置本体の形成時に一体に成形しておいてもよい。従って、接地部に対して弾性に富み、接地された状態で、接地部と面一となる弾性部位を、弾性突出部と呼ぶ。
この弾性突出部の概念は、本願上述の保持部に対しても適用する。但し、保持部を対象とする場合、接地状態で保持部と弾性突出部とが面一となることは要求しない。
(4) さらに、弾性突出部の保持構成は、上述の圧入に限られるものではなく、何らかの意味で接地部(又は保持部)に保持されていればよい。
(5) 上記の実施の形態にあっては、弾性突出部材を角柱状のものとしたが、図12に示すように、弾性突出部材を従来のように円筒状のもの71としてもよい。同図に示すものにあっては、円筒内の軸側に位置される突出柱が、本願にいう接地部を構成するのであり、円筒状の弾性突出部材71の内径は突出柱72の外径に対して僅かに小さく設定され、弾性突出部材に働く弾性変形力により、確実に位置保持されるように構成されている。
さらに、外径側に本体側から突出される環状の保持部73が設けられ、弾性突出部材71に過度の変形が発生しないように構成されている。図13(イ)に非接地状態を、(ロ)に接地状態を示した。
本願にいう保持部に関しても、保持部を突出柱状とし、弾性突出部を円筒状とする構成とすることができる。この場合も、保持部の接地は必要ない。
(6) 上記の実施の形態において、弾性突出部材60の接地当接面61の凹凸形状に関しては、これが波型を成す例を示したが、図14(イ)(ロ)に示すように、単純な矩形形状とされる構成としてもよい。図14の記載は、図10の記載に習ったものである。
さらに、このように特定の凹凸形状とする以外に、単に表面を荒らす、さらに表面に所定のローレット加工を施す等の操作を行うものとしてもよい。
(1) 上記の実施の形態にあっては、各接地部の弾性突出部材の収納穴を設け、この穴に弾性突出部材を圧入することで、本願の支持構造を得るものとしたが、比較例として、弾性突出部材の形成部位が、接地部とは独立とされるものがある。
図11に、接地部51とは独立に、本願に言う弾性突出部70を設けた比較例を示した。同図(イ)は非接地状態を、(ロ)は接地状態に対応している。この比較例にあっては、四端辺に設けられる各接地部の平面視で内側に、弾性突出部70が独立に設けられている。
(2) 上記の実施の形態にあっては、弾性突出部材が、図7(ロ)、図8(ロ)に示すように、実質水平な平断面方向に弾性変形して変形が吸収される構成を示したが、比較例として、装置の上下方向に設けられる収納穴の天面近傍に、この機能を果す空間を設け、弾性変形を上下方向で吸収するものがある。当然、水平・鉛直方向の両方向で吸収するものもある。
50 装置本体
51 接地部
52 底面
53 平行接地面
54 収納穴
55 リブ
56 平面
57 変形許容空間
60 弾性突出部材(弾性突出部)
61 接地当接面
Claims (3)
- 装置本体の下側部分に前記装置本体を支持するベース部を備え、前記装置本体の内部に若しくは前記装置本体とともに、画像形成処理又は画像読取り処理の少なくとも一方を実行可能な画像処理部を備えた画像処理装置の支持構造において、
前記ベース部の底面に、接地対象面に対する前記ベース部の水平度を確保するための接地部を設け、
前記接地部の構成材料より弾性に富む材料で構成され、前記接地対象面に接地する接地当接面を備えた弾性突出部を、前記接地部に囲まれるように設け、
前記弾性突出部が前記接地対象面に対して非接地状態にあるとき前記接地当接面が前記接地部の底面より外側に突出した状態となり、接地状態にあるとき前記弾性突出部が弾性変形し、前記接地部が前記接地対象面に接地した状態となる画像処理装置の支持構造であって、
前記弾性突出部を囲む前記接地部は、前記非接地状態にあるときに、前記弾性突出部と当接する部位と当接しない部位とを有し、
前記当接する部位は、前記接地部の内周壁に鉛直方向に長さを有する凸部であり、
前記当接しない部位は、前記非接地状態と前記接地状態との間での、前記弾性突出部の変形を許容する変形許容空間となる画像処理装置の支持構造。 - 前記弾性突出部が、圧縮状態で前記接地部に保持されている請求項1記載の画像処理装置の支持構造。
- 前記接地部が、前記内周壁に前記凸部としてのリブを備えた収納穴を備え、前記弾性突出部は当該収納穴に圧入されており、
前記収納穴の内部空間のうち、前記リブを除いた前記内周壁と前記弾性突出部との間の領域が、前記非接地状態と前記接地状態との間での、前記弾性突出部の変形を許容する変形許容空間となる請求項1又は2記載の画像処理装置の支持構造。
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