JP4088397B2 - 斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置等の冷凍サイクルに介装されて、冷媒ガスの圧縮に用いられる斜板式可変容量圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
斜板式可変容量圧縮機の中には、例えば特公平6−89741号公報に示されているように、ソレノイドの励磁電流によってパイロット弁の弁開度を制御して、冷媒吐出室の高圧側冷媒をピストン弁の背部に作用させ、該ピストン弁により冷媒吸入室に流入する冷媒流量を制御するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の斜板式可変容量圧縮機は、圧縮機駆動プーリーに電磁クラッチを組込んだ所謂クラッチ付きタイプのものを基本構造としているため、構造が複雑となってしまうばかりでなく重量が嵩んでしまい、また、部品点数も嵩んでコスト的にも不利となってしまうことは否めない。
【0004】
また、クラッチを接続した圧縮機駆動状態にあって、エバポレータの凍結を回避するために圧縮機の冷媒吸入室の冷媒流入量を0にしたい場合には、パイロット弁を作動するソレノイドの励磁電流を最大にしてピストン弁を閉弁側へフルストロークさせる必要があって、消費電力が大きくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明はクラッチを付設しなくても圧縮機の稼働を断・続制御できてクラッチレスとすることができると共に、冷媒の流量制御を司どるパイロット弁を作動するソレノイドを消磁することで圧縮機の冷媒吸入室への冷媒流入量を0にして、エバポレータの凍結防止を行わせることができる斜板式可変容量圧縮機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明にあっては、冷媒吸入室に流入する冷媒流量を制御して冷媒吸入室とクランク室との差圧を調整する圧力調整手段を備えた斜板式可変容量圧縮機において、
前記圧力調整手段を、スプール弁,該スプール弁を閉弁方向に付勢するスプリングを配設したスプリング室,およびスプール弁を開弁方向に作用させる圧力を蓄圧する圧力室を備え、前記冷媒吸入室の上流の低圧側冷媒通路に設けられた流量制御弁と、
冷媒吐出室と圧力室とを連通する通路に設けられて、常態にあってはスプリングにより閉弁され、ソレノイドの励磁電流により弁開度が制御されて冷媒吐出室の高圧側冷媒を作動圧力として圧力室へ導入制御するパイロット弁を有する流量制御弁駆動機構と、で構成し、
かつ、前記流量制御弁には圧力室内の圧力を低圧側冷媒通路の冷媒吸入室側へ逃がす圧力調整通路を設けると共に、スプール弁の全開時に該圧力調整通路をほぼ全閉にする絞り手段を設け
流量制御弁のスプリング室を通路を介して低圧側冷媒通路の冷媒吸入室側に連通すると共に、スプール弁に圧力室とスプリング室とを連通する絞り通路を設けて、これら通路と絞り通路とにより圧力調整通路を構成し、かつ、スプリング室内にスプール弁の全開時にその端面に当接して前記絞り通路のスプリング室側の開口端を閉塞する全開規制ストッパを設けると共に、該全開規制ストッパの端面又は絞り通路のスプリング室側の開口端に、前記スプール弁の全開規制状態で絞り通路よりも絞り面積が小さいオリフィスを形成する溝を設けて絞り手段を構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項の発明にあっては、請求項1に記載のスプール弁は、そのスプール溝の両側面の受圧面積を等しくしたことを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明にあっては、請求項1,2に記載の流量制御弁駆動機構は、低圧側冷媒通路の流量制御弁よりも上流のエバポレータ側の圧力を検出して、パイロット弁の所定開度状態時に該エバポレータ側の圧力が一定圧よりも変化した時にパイロット弁を閉弁方向又は開弁方向に作動させ、流量制御弁の弁開度を調整して前記エバポレータ側の圧力を一定に保持させるフイードバック手段を備えていることを特徴としている。
【0010】
請求項の発明にあっては、請求項1〜に記載の流量制御弁駆動機構は、クランク室と、低圧側冷媒通路の流量制御弁よりも上流のエバポレータ側とを連通する圧力調整通路を備えていることを特徴としている。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、流量制御弁駆動機構のソレノイドへの供給電流を0にして該ソレノイドを消磁するとパイロット弁が閉弁し、流量制御弁の圧力室への作動圧力の供給を遮断するため、スプール弁が閉弁して冷媒吸入室への冷媒流入量を0にし、低圧側冷媒通路の流量制御弁上流のエバポレータ側圧力の低下を止めて、エバポレータの凍結防止を行わせることができる。
【0012】
従って、エバポレータの凍結防止作動時には、ソレノイドへの励磁電流の供給を停止すればよいので、電力消費を節減することができると共にスプール弁の全閉作動により圧縮機の負荷をほぼ0にするため、駆動源の出力の向上を図ることができる。
【0013】
また、このようにソレノイドへの励磁電流の供給を停止して流量制御弁のスプール弁を閉弁作動させることにより、冷媒吸入室の圧力が降下してその冷媒を吸入したシリンダ内圧とクランク室との差圧が最大となり、各ピストンにかかる力によるモーメントにより斜板の傾斜を立ててピストンストロークを最小にさせて圧縮機の圧縮仕事をほぼ0にするため、ソレノイドの励,消磁で圧縮機の稼働を断・続させることができてクラッチレスとすることができる。
【0014】
従って、圧縮機の構造を簡単にできて小型,軽量化を実現できると共にコスト的に有利に得ることができる。
【0015】
また、前記流量制御弁は圧力室内の圧力を低圧側冷媒通路の冷媒吸入室側へ逃がす圧力調整通路を備えているため、スプール弁が所要の開度で開弁している状態で流量制御弁駆動機構のソレノイドの消磁によりパイロット弁が閉弁すると、流量制御弁の圧力室内の圧力は圧力調整通路により低圧側冷媒通路の冷媒吸入室側へ逃げるため、スプリングの付勢力によるスプール弁の閉弁作動が阻害されることがなく、応答性を高めることができる。
【0016】
しかも、この圧力調整通路はスプール弁の全開位置では、絞り手段によってほぼ全閉にされるため、該スプール弁が全開となる圧縮機の高負荷時に圧力室に導入された高温,高圧の冷媒が圧力調整通路を経由して冷媒吸入室へ多量に漏出することがなく、スプール弁全開時の冷房性能の劣化を防止することができると共に、このスプール弁の全開状態時でも絞り手段によって圧力室内の圧力の逃げは僅かに確保されているから、前記ソレノイドの消磁による該スプール弁の全開位置からの閉弁作動に些かも支障を来すことはない。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、スプール弁自体に絞り通路を設けて、スプリング室を冷媒吸入室側に開放したスプール弁の作動バランス保持用の通路とで圧力調整通路を構成しているので、圧縮機ハウジングの通路穴加工を極力少なくすることができて、圧縮機ハウジングの設計の自由度を拡大できると共に加工工数を削減できることと併せて、スプール弁全開時に圧力調整通路をほぼ全閉にする絞り手段は、スプール弁の全開規制ストッパおよび又はスプール弁に設けた絞り通路の開口端に溝を加工するだけで構成できて専用部品を必要としないため、コスト的に有利に得ることができる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、流量制御弁のスプール弁に設けたスプール溝の両側面の受圧面積を等しくしてあるため、流量制御弁のスプリングのばね力と、圧力室に作用する作動圧力とを管理するだけでスプール弁の開閉ストロークの精度を出すことができ、精度の高い流量制御を行わせることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、所定の励磁電流によりパイロット弁を所定開度にしてある場合に、車両を急加,減速した際には同一の駆動源で駆動されている圧縮機の回転数が変動するため、低圧側冷媒通路の流量制御弁上流のエバポレータ側圧力が変化してしまうが、フイードバック手段によって該エバポレータ側圧力を一定圧に保持させることができるため、該車両の急加,減速に伴うエバポレータの制御温度の変動を回避することができる。
【0020】
よって、空気調和装置においては、室内吹出し空気の温度変動がなくなり、安定した空気調和を行うことができる。
【0021】
請求項に記載の発明によれば、クランク室は圧力調整通路によって低圧側冷媒通路の流量制御弁よりも上流のエバポレータ側に連通して同圧に保持されるため、クランク室のブローバイガスによる圧力変動をなくして容量可変制御の精度を高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0023】
図1において、1は圧縮機ハウジングで複数のシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、シリンダブロック2の前側に配置されて該シリンダブロック2との間にクランク室5を形成するフロントハウジング4と、シリンダブロック2の後側にバルブプレート9を介装して配置されて冷媒吸入室7と冷媒吐出室8とを形成するリヤハウジング6とを備えている。
【0024】
クランク室5内にはドライブシャフト10に固設したドライブプレート11と、ドライブシャフト10に揺動自在に嵌装したスリーブ12にピン13により揺動自在に連結したジャーナル14と、該ジャーナル14の外周に螺合固定した斜板15とを備えている。
【0025】
ジャーナル14はドライブプレート11にその弧状の長孔16とピン17とを介して連結して、該長孔16によって揺動が規制されている。
【0026】
各シリンダボア3に嵌装したピストン18は、斜板15を挾んだ一対のシュー19を介して該斜板15に連結してある。
【0027】
ドライブシャフト10の外側の端部にはプーリー20を軸受21を介して回転自在に装着してあり、該プーリー20の内周に螺合固定した第1駆動伝達プレート22と、ドライブシャフト10の端末に固定した第2駆動伝達プレート23とをある一定以上の駆動トルクでは摺動可能に連結して、プーリー20によりドライブシャフト10を回転するようにしてある。
【0028】
斜板15はリヤハウジング6に配設した圧力調整手段30により調整される冷媒吸入室7とクランク室5との差圧によって生じる斜板15のピン17周りのモーメントにより傾斜角度が制御され、この斜板15の角度変化によりピストン18のストロークを変化して冷媒の吐出容量を変化させるようになっている。
【0029】
圧力調整手段30は図2にも示すように、冷媒吸入室7の上流となる冷媒入口24の近傍の低圧側冷媒通路25に設けられて、該冷媒吸入室7への冷媒流入量を直接制御する流量制御弁31と、該流量制御弁31を駆動制御する流量制御弁駆動機構32とで構成している。
【0030】
図1では構造を理解し易くするため、便宜的に流量制御弁31を流量制御弁駆動機構32に対して直角に配置した状態に示しており、このため、該流量制御弁31がリヤハウジング6の側方へ突出した状態に見えるが、実際には流量制御弁31は流量制御弁駆動機構32と平行に配設されて圧縮機のコンパクト化が図られている。
【0031】
流量制御弁31は、低圧側冷媒通路25に直交状態に配置したスプール弁33と、スプール弁33を閉弁方向に付勢するスプリング34を配設したスプリング室37と、スプール弁33を開弁方向に作用させる圧力を蓄圧する圧力室35とを備えている。
【0032】
スプール弁33のスプール溝36の両側面36a,36bは受圧面積を等しくしてある。
【0033】
スプリング34を収容したスプリング室37は、通路38により低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よりも下流の冷媒吸入室7側に連通してある。
【0034】
流量制御弁駆動機構32は、冷媒吐出室8と圧力室35とを連通する通路40に設けられて、冷媒吐出室8の高圧側冷媒を作動圧力として圧力室35へ導入制御するパイロット弁としてのボール弁41と、励磁電流に応じてボール弁41の弁開度を制御するソレノイド42とを備えている。
【0035】
ボール弁41は常態にあってはスプリング43によって弁座に着座して閉弁するようにしてある。
【0036】
ソレノイド42は励磁電流が供給されることによりアーマチュア44を図2の上方へ移動させ、プランジャ45を押動してボール弁41の弁開度を制御するようにしてある。
【0037】
流量制御弁駆動機構32は、低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よりも上流のエバポレータ側の圧力を検出して、前記ソレノイド42の励磁電流によって可変制御される該エバポレータ側の圧力を一定に保持させるフイードバック手段46を備えている。
【0038】
フイードバック手段46は、大気圧室48と冷媒圧室49とを隔成するダイヤフラム47と、冷媒圧室49に前記エバポレータ側の圧力を導入するフイードバック通路50と、ダイヤフラム47に保持され、前記ソレノイド42のプランジャ45と同軸上に対向配置されてボール弁41の開度を制御するプランジャ51とを備えていて、前記ボール弁41が所定開度に制御されている状態時に、低圧側冷媒通路25の前記エバポレータ側の圧力が一定圧よりも変化した時に、該圧力変化をダイヤフラム47で感知してプランジャ51によりボール弁41を閉弁方向又は開弁方向に作動させ、流量制御弁31の弁開度を調整して前記エバポレータ側の圧力を一定に保持させるようにしてある。
【0039】
前記冷媒圧室49は圧力調整通路52によりクランク室5に連通させて、該クランク室5を低圧側冷媒通路25の前記流量制御弁31の上流のエバポレータ側に連通させている。
【0040】
一方、前記流量制御弁31には、圧力室35内の圧力を低圧側冷媒通路25の冷媒吸入室7側へ逃がす圧力調整通路53を設けると共に、スプール弁33の全開時に該圧力調整通路53をほぼ全閉にする絞り手段60を設けてある。
【0041】
本実施形態にあっては、図3にも示すようにスプール弁33に圧力室35とスプリング室37とを連通する所要の絞り断面積の絞り通路61を設けて、該絞り通路61と前記スプリング室37を冷媒吸入室側に開放する通路38とで圧力調整通路53を構成している。
【0042】
また、スプリング室37には、前記絞り通路61のスプリング室側の開口端61aを閉塞し得る位置に、スプール弁33の全開時にその端面に当接して全開位置を規制する全開規制ストッパ62を設けてあり、この全開規制ストッパ62の端面に、スプール弁33の全開規制状態で前記絞り通路61よりも絞り面積が小さいオリフィスを形成する溝63を設けて前記絞り手段60を構成している。
【0043】
前記溝63は前述に替えて絞り通路61の開口端61aに設けてもよいし、あるいはこれら全開規制ストッパ62の端面と絞り通路61の開口端61aの両方に設けるようにしてもよい。
【0044】
以上の実施形態の構造によれば、ソレノイド42を励磁すると励磁電流に応じてボール弁41の弁開度が制御され、冷媒吐出室8の高圧側冷媒が該ボール弁41を通過して通路40へ流れ、流量制御弁31の圧力室35に作動圧力として導入される。
【0045】
この圧力室35内の圧力に応じてスプール弁33はスプリング34のばね力に抗して開弁する方向に移動し、低圧側冷媒通路25の流路を拡大して冷媒吸入室7への冷媒流入量を制御し、該冷媒吸入室7とクランク室5との差圧を調整して斜板15の傾斜角度を制御し、ピストン18のストロークを変化させて冷媒吐出量を制御することにより図外のエバポレータの温度制御が行われる。
【0046】
ここで、前記流量制御弁31は圧力室35内の圧力を低圧側冷媒通路25の冷媒吸入室側へ逃がす圧力調整通路53を備えているため、スプール弁33が所要の開度で開弁している状態で前記ソレノイド42の消磁によりパイロット弁41が閉弁すると、圧力室35内の作動圧力を該圧力調整通路53から速かに冷媒吸入室側へ逃がしてスプリング34の付勢力によるスプール弁33の閉弁作動を阻害することがなく、応答性を高めることができる。
【0047】
しかも、この圧力調整通路53はスプール弁33の全開位置では、絞り手段60によってほぼ全閉にされるため、該スプール弁33が全開となる圧縮機の高負荷時に圧力室35に導入された高温,高圧の冷媒が圧力調整通路53を経由して冷媒吸入室7へ多量に漏出することがなく、スプール弁33の全開時における冷房性能の劣化を防止することができると共に、このスプール弁33の全開状態時でも絞り手段60によって圧力室35内の圧力の逃げは僅かに確保されているから、前記ソレノイド42の消磁による該スプール弁33の全開位置からの閉弁作動に些かも支障を来すことはない。
【0048】
本実施形態では、スプール弁33自体に絞り通路61を設けて、スプリング室37を冷媒吸入室7に開放した該スプール弁33の作動バランス保持用の通路38とで前記圧力調整通路53を構成しているので、その通路構成に際してはリヤハウジング6にはこの通路38の穴加工を施すだけでよく、従って、リヤハウジング6の通路穴加工を極力少なくすることができて、リヤハウジング6の設計の自由度を拡大できると共に加工工数を削減することができる。
【0049】
また、前述の絞り手段60はスプール弁33の全開ストッパ62の端面に溝63を加工するだけで構成できて専用部品を必要としないため、前記リヤハウジング6の加工工数を削減できることと相俟ってコスト的に有利に得ることができる。
【0050】
一方、冷凍サイクルの稼働中におけるエバポレータの凍結防止の目的で、冷媒吸入室7への冷媒流入量を0にして低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よりも上流のエバポレータ側の圧力低下を止めるには、ソレノイド42への供給電流を0にして該ソレノイド42を消磁すればよく、該ソレノイド42の消磁によりボール弁41が閉弁して流量制御弁31の圧力室35への作動圧力の供給を停止するから、スプール弁33はスプリング34のばね力によって閉弁作動して低圧側冷媒通路25を遮断し、冷媒吸入室7への冷媒流入量を0にして斜板15の傾斜角度を制御して、ピストンストロークを減少させると共に該低圧側冷媒通路25のエバポレータ側圧力の低下を止め、エバポレータの凍結を防止する。
【0051】
このように、エバポレータの凍結防止作動時には、ソレノイド42への励磁電流の供給を停止すればよいので、電力消費を節減することができるとともにスプール弁33の全閉作動により圧縮機の負荷をほぼ0にするため、駆動源の出力の向上を図ることができる。
【0052】
また、前述したようにソレノイド42への励磁電流の供給を停止して流量制御弁31のスプール弁33を閉弁作動させると、冷媒吸入室7の圧力が降下してシリンダ内圧とクランク室5との差圧が最大となり、ピン17周りのモーメントにより斜板15の傾斜を立ててピストン18のストロークを最小にさせて圧縮機の圧縮仕事をほぼ0にするため、ソレノイド42の励,消磁で圧縮機の稼働を断・続させることができて、従来、圧縮機への駆動力の伝達を断続していたクラッチを廃止していわゆるクラッチレスとすることができ、例えば電磁クラッチの場合における重量のあるマグネット,コイル等を不要とすることができる。
【0053】
従って、圧縮機の構造を簡単にできて小型,軽量化とクラッチへ通電する配線の廃止を実現できると共にコスト的に有利に得ることができる。
【0054】
また、流量制御弁駆動機構32のソレノイド42に所定の励磁電流を供給してボール弁41を所定開度にしてある状態で、車両を急加,減速すると圧縮機の回転変動で低圧側冷媒通路25の流量制御弁31上流のエバポレータ側圧力が変化してしまうが、この圧力変化はフイードバック手段46のダイヤフラム47により直ちに感知されてプランジャ51を介してボール弁41が閉弁方向又は開弁方向に作動されて、該エバポレータ側圧力を前記ソレノイド42の励磁電流に見合った一定の圧力に保持させることができるため、車両の急加,減速に伴うエバポレータの制御温度の変動を回避することができる。
【0055】
ここで、前述の流量制御弁31のスプール弁33に設けたスプール溝36の両側面36a,36bは受圧面積を等しくしてあるから、スプール弁33を閉弁方向に付勢するスプリング34のばね力と、圧力室35に作用する作動圧力とを管理するだけでスプール弁33の開閉ストロークの精度を出すことができ、精度の高い流量制御を行わせることができる。
【0056】
また、クランク室5は圧力調整通路52によって低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よりも上流のエバポレータ側に連通して同圧に一定に保持されるため、クランク室5のブローバイガスによる圧力変動をなくして容量可変制御の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態における圧力調整手段を系統的に示す断面説明図。
【図3】図2に示した圧力調整手段の流量制御弁の構造を拡大して示す略示的断面説明図。
【符号の説明】
5 クランク室
7 冷媒吸入室
8 冷媒吐出室
25 低圧側冷媒通路
30 圧力調整手段
31 流量制御弁
32 流量制御弁駆動機構
33 スプール弁
34,43 スプリング
35 圧力室
36 スプール溝
37 スプリング室
38 スプリング室と冷媒吸入室との連通路
40 圧力室と冷媒吐出室との連通路
41 パイロット弁
42 ソレノイド
46 フイードバック手段
52 流量制御弁駆動機構の圧力調整通路
53 流量制御弁の圧力調整通路
60 絞り手段
61 絞り通路
61a 開口端
62 全開規制ストッパ
63 溝

Claims (4)

  1. 冷媒吸入室(7)に流入する冷媒流量を制御して冷媒吸入室(7)とクランク室(5)との差圧を調整する圧力調整手段(30)を備えた斜板式可変容量圧縮機において、
    前記圧力調整手段(30)を、スプール弁(33),該スプール弁(33)を閉弁方向に付勢するスプリング(34)を配設したスプリング室(37),およびスプール弁(33)を開弁方向に作用させる圧力を蓄圧する圧力室(35)を備え、前記冷媒吸入室(7)の上流の低圧側冷媒通路(25)に設けられた流量制御弁(31)と、
    冷媒吐出室(8)と圧力室(35)とを連通する通路(40)に設けられて、常態にあってはスプリング(43)により閉弁され、ソレノイド(42)の励磁電流により弁開度が制御されて冷媒吐出室(8)の高圧側冷媒を作動圧力として圧力室(35)へ導入制御するパイロット弁(41)を有する流量制御弁駆動機構(32)と、で構成し、
    かつ、前記流量制御弁(31)には圧力室(35)内の圧力を低圧側冷媒通路(25)の冷媒吸入室(7)側へ逃がす圧力調整通路(53)を設けると共に、スプール弁(33)の全開時に該圧力調整通路(53)をほぼ全閉にする絞り手段(60)を設け、
    流量制御弁(31)のスプリング室(37)を通路(38)を介して低圧側冷媒通路(25)の冷媒吸入室(7)側に連通すると共に、スプール弁(33)に圧力室(35)とスプリング室(37)とを連通する絞り通路(61)を設けて、これら通路(38)と絞り通路(61)とにより圧力調整通路(53)を構成し、かつ、スプリング室(37)内にスプール弁(33)の全開時にその端面に当接して前記絞り通路(61)のスプリング室(37)側の開口端(61a)を閉塞する全開規制ストッパ(62)を設けると共に、該全開規制ストッパ(62)の端面又は絞り通路(61)のスプリング室(37)側の開口端(61a)に、前記スプール弁(33)の全開規制状態で絞り通路(61)よりも絞り面積が小さいオリフィスを形成する溝(63)を設けて絞り手段(60)を構成したことを特徴とする斜板式可変容量圧縮機。
  2. スプール弁(33)は、そのスプール溝(36)の両側面の受圧面積を等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  3. 流量制御弁駆動機構(32)は、低圧側冷媒通路(25)の流量制御弁(31)よりも上流のエバポレータ側の圧力を検出して、パイロット弁(41)の所定開度状態時に該エバポレータ側の圧力が一定圧よりも変化した時にパイロット弁(41)を閉弁方向又は開弁方向に作動させ、流量制御弁(31)の弁開度を調整して前記エバポレータ側の圧力を一定に保持させるフイードバック手段(46)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  4. 流量制御弁駆動機構(32)は、クランク室(5)と、低圧側冷媒通路(25)の流量制御弁(31)よりも上流のエバポレータ側とを連通する圧力調整通路(52)を備えていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の斜板式可変容量圧縮機。
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