JP2001090658A - 斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

斜板式可変容量圧縮機

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JP2001090658A
JP2001090658A JP26948799A JP26948799A JP2001090658A JP 2001090658 A JP2001090658 A JP 2001090658A JP 26948799 A JP26948799 A JP 26948799A JP 26948799 A JP26948799 A JP 26948799A JP 2001090658 A JP2001090658 A JP 2001090658A
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pressure
valve
refrigerant
chamber
swash plate
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JP26948799A
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Yasuo Mameta
康生 豆田
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Marelli Corp
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Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外気低温時における始動時の斜板の傾動立上
がり性を良好にしてデミスト性の向上を図る。 【解決手段】 外気温度が低い時に圧縮機を始動した場
合、圧力調整手段30によって冷媒吸入室7に流入する
冷媒流量が少なく制御されて冷媒吐出量が少ない状態に
あるが、冷媒吐出室8の下流の拡張室26内に設けた圧
力調整弁54が閉弁状態にあって冷媒吐出室8からの冷
媒流出が阻止されているため、該冷媒吐出室8の圧力上
昇が迅速に行われて圧力調整手段30の制御による斜板
15の傾動の立上がりが速かに行われ、冷媒吐出量を増
大してデミスト性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用空調装置等の
冷凍サイクルに介装されて、冷媒ガスの圧縮に用いられ
る斜板式可変容量圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】斜板式可変容量圧縮機の中には、例えば
特公平6−89741号公報に示されているように、圧
縮機駆動プーリーに電磁クラッチを組込んだ所謂クラッ
チ付きタイプを基本構造として、ソレノイドの励磁電流
によってパイロット弁の開度を制御して、冷媒吐出室の
高圧側冷媒をピストン弁の背部に作用させ、該ピストン
弁により冷媒吸入室に流入する冷媒流量を制御して冷媒
吸入室とクランク室との圧力を調整する圧力調整手段を
備えたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】冷媒吐出室はその下流
の冷媒出口の直前に設けられた冷媒の脈動を減衰させる
ための拡張室を経由して常時コンデンサに連通している
ため、外気温度が低い時に圧縮機を始動した場合に、冷
媒吸入室に流入する冷媒流量がもともと少なく制御され
て冷媒吐出量が少ない上に、前述のように冷媒吐出室が
コンデンサに連通していて該冷媒吐出室の冷媒が低温の
通過空気により冷却されるコンデンサ側へ流出して冷媒
吐出室の圧力上昇が緩くなってしまうことから、圧力調
整手段の制御による斜板の傾動の立上がりが悪くなって
デミスト性が鈍くなってしまうことは否めない。
【0004】また、圧縮機が停止した時には、コンデン
サの冷却作用によって該コンデンサの内圧が冷媒吐出室
の内圧よりも低くなることから、冷媒吐出室内の冷媒が
コンデンサ側へ吸引されてこの冷媒吸引に伴って潤滑オ
イルが圧縮機から吸出されて圧縮機の潤滑油が少なくな
る可能性がある。
【0005】そこで、本発明は外気温度が低い時におけ
る圧縮機始動時の斜板の傾動立上がり性を良好にしてデ
ミスト性を向上することができ、かつ、圧縮機を停止し
た際における圧縮機からの潤滑油の流出を回避して圧縮
機の潤滑油減少の防止を図ることができる斜板式可変容
量圧縮機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、冷媒吐出室の高圧側冷媒を制御動作圧力源として、
冷媒吸入室に流入する冷媒流量を制御して冷媒吸入室と
クランク室との圧力を調整する圧力調整手段を備えた斜
板式可変容量圧縮機において、前記冷媒吐出室の下流
に、冷媒吐出室内の所要値以上の圧力上昇で開弁する圧
力調整弁を設けたことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の圧力調整弁を冷媒吐出室の下流に設けた拡張室に配
設したことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明にあっては、請求項1,2
に記載の圧力調整弁が、弁ケースに摺動自在に設けたプ
ランジャタイプの弁体と、弁ケースのスプリング室に配
設されて弁体を閉弁する進出方向に付勢するスプリング
とからなる逆止弁であることを特徴としている。
【0009】請求項4の発明にあっては、請求項3に記
載の圧力調整弁のスプリング室を、連通路を介してクラ
ンク室に連通したことを特徴としている。
【0010】請求項5の発明にあっては、請求項1〜4
に記載の圧力調整手段を、スプール弁,該スプール弁を
閉弁方向に付勢するスプリング,およびスプール弁を開
弁方向に作用させる圧力を蓄圧する圧力室を備え、冷媒
吸入室の上流の低圧側冷媒通路に設けられた流量制御弁
と、冷媒吐出室と圧力室とを連通する通路に設けられ
て、常態にあってはスプリングにより閉弁され、ソレノ
イドの励磁電流により弁開度が制御されて冷媒吐出室の
高圧側冷媒を作動圧力として圧力室へ導入制御するパイ
ロット弁を有する流量制御弁駆動機構と、で構成したこ
とを特徴としている。
【0011】請求項6の発明にあっては、請求項5に記
載のスプール弁は、そのスプール溝の両側面の受圧面積
を等しくしたことを特徴としている。
【0012】請求項7の発明にあっては、請求項5,6
に記載の流量制御弁駆動機構は、低圧側冷媒通路の流量
制御弁よりも上流のエバポレータ側の圧力を検出して、
パイロット弁の所定開度状態時に該エバポレータ側の圧
力が一定圧よりも変化した時にパイロット弁を閉弁方向
又は開弁方向に作動させ、流量制御弁の弁開度を調整し
て前記エバポレータ側の圧力を一定に保持させるフイー
ドバック手段を備えていることを特徴としている。
【0013】請求項8の発明にあっては、請求項5〜7
に記載の流量制御弁駆動機構は、クランク室と、低圧側
冷媒通路の流量制御弁よりも上流のエバポレータ側とを
連通する圧力調整通路を備えていることを特徴としてい
る。
【0014】請求項9の発明にあっては、請求項5〜8
に記載の流量制御弁駆動機構は、流量制御弁の圧力室と
冷媒吸入室とを連通する圧力調整通路を備えていること
を特徴としている。
【0015】
【発明の効果】請求項1,2に記載の発明によれば、外
気温度が低い時に圧縮機を始動した場合、圧力調整手段
によって冷媒吸入室に流入する冷媒流量が少なく制御さ
れて冷媒吐出量が少ない状態にあるが、冷媒吐出室の下
流に設けた圧力調整弁が閉弁状態にあって冷媒吐出室か
らの冷媒流出が阻止されているため、該冷媒吐出室の圧
力上昇が迅速に行われて前記圧力調整手段の制御による
斜板の傾動の立上がりが速かに行われ、冷媒吐出量を増
大してデミスト性を向上することができる。
【0016】また、圧縮機が停止して冷媒吐出室の圧力
が所要値を下回ると圧力調整弁が閉弁するため、コンデ
ンサの冷却作用により該コンデンサの内圧が冷媒吐出室
の内圧よりも低下しても、該冷媒吐出室内の冷媒がコン
デンサ側へ吸引されることがなく、従って、冷媒吸引に
伴う圧縮機からの潤滑オイルの外部流出を阻止して、該
圧縮機の潤滑油減少の防止を図ることができる。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1,2の発明の効果に加えて、圧力調整弁としてスプリ
ングのばね力により閉弁する逆止弁を用いているため、
構造が簡単で、かつ、開弁圧の設定も容易であることか
らコスト的に有利に得ることができる。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、圧力調整弁が閉弁すると弁体が
弁ケース内から最大に進出して、該弁体と弁ケースとの
オーバーラップが最小となってそれらの間の流路抵抗が
小さくなり、圧力調整弁の下流側の冷媒通路とクランク
室との圧力差により弁体と弁ケースとの間のクリアラン
スを通って前記冷媒通路からクランク室へ冷媒と共に潤
滑オイルが流入して回収され、潤滑オイルの外部流出抑
制効果を更に高めることができる。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜4の発明の効果に加えて、流量制御弁駆動機構のソレ
ノイドへの供給電流を0にして該ソレノイドを消磁する
とパイロット弁が閉弁し、流量制御弁の圧力室への作動
圧力の供給を遮断するため、スプール弁が閉弁して冷媒
吸入室への冷媒流入量を0にし、低圧側冷媒通路の流量
制御弁上流のエバポレータ側圧力の低下を止めて、エバ
ポレータの凍結防止を行わせることができる。
【0020】従って、エバポレータの凍結防止作動時に
は、ソレノイドへの励磁電流の供給を停止すればよいの
で、電力消費を節減することができると共にスプール弁
の全閉作動により圧縮機の負荷をほぼ0にするため、駆
動源の出力の向上を図ることができる。
【0021】また、このようにソレノイドへの励磁電流
の供給を停止して流量制御弁のスプール弁を閉弁作動さ
せることにより、冷媒吸入室の圧力が降下してその冷媒
を吸入したシリンダ内圧とクランク室との差圧が最大と
なり、各ピストンにかかる力によるモーメントにより斜
板の傾斜を立ててピストンストロークを最小にさせて圧
縮機の圧縮仕事をほぼ0にするため、ソレノイドの励,
消磁で圧縮機の稼動を断・続させることができてクラッ
チレスとすることができる。
【0022】従って、圧縮機の構造を簡単にできて小
型,軽量化を実現できると共にコスト的に有利に得るこ
とができる。
【0023】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
の発明の効果に加えて、流量制御弁のスプール弁に設け
たスプール溝の両側面の受圧面積を等しくしてあるた
め、スプール弁を閉弁方向に付勢するスプリングのばね
力と、圧力室に作用する作動圧力とを管理するだけでス
プール弁の開閉ストロークの精度を出すことができ、精
度の高い流量制御を行わせることができる。
【0024】請求項7に記載の発明によれば、請求項
5,6の発明の効果に加えて、所定の励磁電流によりパ
イロット弁を所定開度にしてある場合に、車両を急加,
減速した際には同一の駆動源で駆動されている圧縮機の
回転数がそれに伴って変動するため低圧側冷媒通路の流
量制御弁上流のエバポレータ側圧力が変化してしまう
が、フイードバック手段によって該エバポレータ側圧力
を一定圧に保持させることができるため、該車両の急
加,減速に伴うエバポレータの制御温度の変動を回避す
ることができる。
【0025】よって、空気調和装置においては、室内吹
出し空気の温度変動がなくなり、安定した空気調和を行
うことができる。
【0026】請求項8に記載の発明によれば、請求項5
〜7の発明の効果に加えて、クランク室は圧力調整通路
によって低圧側冷媒通路の流量制御弁よりも上流のエバ
ポレータ側に連通して同圧に一定に保持されるため、ク
ランク室のブローバイガスによる圧力変動をなくして容
量可変制御の精度を高めることができる。
【0027】請求項9に記載の発明によれば、請求項5
〜8の発明の効果に加えて、流量制御弁の圧力室は圧力
調整通路によって冷媒吸入室に連通しているため、パイ
ロット弁が閉弁した際に圧力室の作動圧力を速かに冷媒
吸入室へ逃がしてスプール弁を閉弁作動させることがで
きるので、応答性を高めることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0029】図1において、1は圧縮機ハウジングで複
数のシリンダボアを有するシリンダブロック2と、シリ
ンダブロック2の前側に配置されて該シリンダブロック
2との間にクランク室5を形成するフロントハウジング
4と、シリンダブロック2の後側にバルブプレート9を
介装して配置されて冷媒吸入室7と冷媒吐出室8とを形
成するリヤハウジング6とを備えている。
【0030】クランク室5内にはドライブシャフト10
に固設したドライブプレート11と、ドライブシャフト
10に揺動自在に嵌装したスリーブ12にピン13によ
り揺動自在に連結したジャーナル14と、該ジャーナル
14の外周に螺合固定した斜板15とを備えている。
【0031】ジャーナル14はドライブプレート11に
その弧状の長孔16とピン17とを介して連結して、該
長孔16によって揺動が規制されている。
【0032】各シリンダボア3に嵌装したピストン18
は、斜板15を挾んだ一対のシュー19を介して該斜板
15に連結してある。
【0033】ドライブシャフト10の外側の端部にはプ
ーリー20を軸受21を介して回転自在に装着してあ
り、該プーリー20の内周に螺合固定した第1駆動伝達
プレート22と、ドライブシャフト10の端末に固定し
た第2駆動伝達プレート23とをある一定以上の駆動ト
ルクでは摺動可能に連結して、プーリー20によりドラ
イブシャフト10を回転するようにしてある。
【0034】斜板15はリヤハウジング6に配設した圧
力調整手段30により調整される冷媒吸入室7とクラン
ク室5との差圧によって生じる斜板15のピン17周り
のモーメントにより傾斜角度が制御され、この斜板15
の角度変化によりピストン18のストロークを変化して
冷媒の吐出容量を変化させるようになっている。
【0035】圧力調整手段30は図2にも示すように、
冷媒吸入室7の上流となる冷媒入口24の近傍の低圧側
冷媒通路25に設けられて、該冷媒吸入室7への冷媒流
入量を直接制御する流量制御弁31と、該流量制御弁3
1を駆動制御する流量制御弁駆動機構32とで構成して
いる。
【0036】流量制御弁31は、低圧側冷媒通路25に
直交状態に配置したスプール弁33と、スプール弁33
を閉弁方向に付勢するスプリング34と、スプール弁3
3を開弁方向に作用させる圧力を蓄圧する圧力室35と
を備えている。
【0037】スプール弁33のスプール溝36の両側面
36a,36bは受圧面積を等しくしてある。
【0038】スプリング34を収容したスプリング室3
7は、通路38により低圧側冷媒通路25の流量制御弁
31よりも下流の冷媒吸入室7側に連通してある。
【0039】流量制御弁機構32は、冷媒吐出室8と圧
力室35とを連通する通路40に設けられて、冷媒吐出
室8の高圧側冷媒を作動圧力として圧力室35へ導入制
御するパイロット弁としてのボール弁41と、励磁電流
に応じてボール弁41の弁開度を制御するソレノイド4
2とを備えている。
【0040】ボール弁41は励磁電流が供給されること
によりアーマチュア44を図2の上方へ移動させ、プラ
ンジャ45を押動してボール弁41の弁開度を制御する
ようにしてある。
【0041】流量制御弁駆動機構32は、低圧側冷媒通
路25の流量制御弁31よりも上流のエバポレータ側の
圧力を検出して、前記ソレノイド42の励磁電流によっ
て可変制御される該エバポレータ側の圧力を一定に保持
させるフイードバック手段46を備えている。
【0042】フイードバック手段46は、大気圧室48
と冷媒圧室49とを隔成するダイヤフラム47と、冷媒
圧室49に前記エバポレータ側の圧力を導入するフイー
ドバック通路50と、ダイヤフラム47に保持され、前
記ソレノイド42のプランジャ45と同軸上に対向配置
されてボール弁41の開度を制御するプランジャ51と
を備えていて、前記ボール弁41が所定開度に制御され
ている状態時に、低圧側冷媒通路25の前記エバポレー
タ側の圧力が一定圧よりも変化した時に、該圧力変化を
ダイヤフラム47で感知してプランジャ51によりボー
ル弁41を閉弁方向又は開弁方向に作動させ、流量制御
弁31の弁開度を調整して前記エバポレータ側の圧力を
一定に保持させるようにしてある。
【0043】前記冷媒圧室49は圧力調整通路52によ
りクランク室5に連通させて、該クランク室5を低圧側
冷媒通路25の前記流量制御弁31の上流のエバポレー
タ側に連通させている。
【0044】また、流量制御弁31の圧力室35に連絡
する通路40のボール弁41よりも下流側には、冷媒吸
入室7に連絡する圧力調整通路53を連通してあり、該
圧力調整通路53により前記圧力室35と冷媒吸入室7
とを連通している。
【0045】ここで、前記シリンダブロック2には、図
3にも示すようにリヤハウジング6の冷媒吐出室8に連
絡する拡張室26を設けて、該拡張室26によって冷媒
吐出室8から該拡張室26に設けた冷媒出口27に至る
間で吐出冷媒の脈動を減衰するようにしてあり、この拡
張室26内に前記冷媒吐出室7内の所要値以上の圧力上
昇で開弁する圧力調整弁54を設けてある。
【0046】本実施形態では前述の圧力調整弁54を、
スプリング56のばね力でプランジャタイプの弁体55
を押圧して、該プランジャタイプの弁体55により冷媒
吐出室8と拡張室26との連通口28を閉塞する逆止弁
を用いて、スプリング56のばね力の設定によって冷媒
吐出室8の内圧が所要値以上に上昇すると弁体55が開
弁作動するようにしてある。
【0047】弁体55とスプリング56とを収容した弁
ケース57は連通口28の周囲に固設してあり、該弁ケ
ース57の胴部には弁体55により開閉される複数の開
窓部57aを設けてあると共に、後端にはスプリング室
58を拡張室26に開放する開放口57bを設けてあ
る。
【0048】以上の実施形態の構造によれば、ソレノイ
ド42を励磁すると励磁電流に応じてボール弁41の弁
開度が制御され、冷媒吐出室8の高圧側冷媒が該ボール
弁41を通過して通路40へ流れ、流量制御弁31の圧
力室35に作動圧力として導入される。
【0049】この圧力室35内の圧力に応じてスプール
弁33はスプリング34のばね力に抗して開弁する方向
に移動し、低圧側冷媒通路25の流路を拡大して冷媒吸
入室7への冷媒流入量を制御し、該冷媒吸入室7とクラ
ンク室5との差圧を調整して斜板15の傾斜角度を制御
し、ピストン18のストロークを変化させて冷媒吐出量
を制御することにより図外のエバポレータの温度制御が
行われる。
【0050】ここで、外気温度が低い時に圧縮機を始動
した場合、冷媒吐出室8内が圧力降下していることに加
えて、ソレノイド42の励磁によるボール弁41の弁開
度が小さく、流量制御弁31の圧力室35への高圧側冷
媒導入に基づくスプール弁33の弁開度が小さくされて
冷媒吸入室7に流入する冷媒流量がもともと少いため、
斜板15の傾動の立上がりが悪くなる傾向にあるが、冷
媒吐出室8の下流の拡張室26内に設けた逆止弁54が
該冷媒吐出室8の内圧が所要値以上に上昇するまでは閉
弁状態にあって冷媒吐出室8からの冷媒流出を阻止して
いるため、該冷媒吐出室8の圧力上昇が迅速に行われ
る。
【0051】この結果、前記圧力室35の内圧上昇も速
かに行われてスプール弁33を適正開度に拡大し、斜板
15の傾動の立上がりを速かに行って冷媒吐出量を増大
してデミスト性を向上することができる。
【0052】従って、前記逆止弁54のスプリング56
のばね力は前記斜板15の傾動の立上がり性を考慮して
適宜に設定される。
【0053】また、圧縮機が停止し、もしくは後述する
ように圧縮機の圧縮仕事がほぼ0になって冷媒吐出室8
の圧力が所要値を下回ると逆止弁54が閉弁するため、
図外のコンデンサの冷却作用により該コンデンサの内圧
が冷媒吐出室8の内圧よりも低下しても、該冷媒吐出室
8内の冷媒がコンデンサ側へ吸引されることがなく、従
って、冷媒吸引に伴う圧縮機からの潤滑オイルの外部流
出を阻止して、該圧縮機の潤滑油減少の防止を図ること
ができる。
【0054】このような圧縮機の機能上の効果とは別
に、本実施形態では前述のように圧力調整弁としてスプ
リング56のばね力により閉弁する逆止弁54を用いて
いるため、構造が簡単で、かつ、開弁圧の設定も容易で
あることからコスト的に有利に得ることができる。
【0055】一方、冷凍サイクルの稼動中におけるエバ
ポレータの凍結防止の目的で、冷媒吸入室7への冷媒流
入量を0にして低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よ
りも上流のエバポレータ側の圧力低下を止めるには、ソ
レノイド42への供給電流を0にして該ソレノイド42
を消磁すればよく、該ソレノイド42の消磁によりボー
ル弁41が閉弁して流量制御弁31の圧力室35への作
動圧力の供給を停止するから、圧力室35内の圧力は圧
力調整通路53を通して冷媒吸入室7へ逃げるので、ス
プール弁33はスプリング34のばね力によって閉弁作
動して低圧側冷媒通路25を遮断し、冷媒吸入室7への
冷媒流入量を0にして斜板15の傾斜角度を制御して、
ピストンストロークを減少させると共に該低圧側冷媒通
路25のエバポレータ側圧力の低下を止め、エバポレー
タの凍結を防止する。
【0056】このように、エバポレータの凍結防止作動
時には、ソレノイド42への励磁電流の供給を停止すれ
ばよいので、電力消費を節減することができると共にス
プール弁33の全閉作動により圧縮機の負荷をほぼ0に
するため、駆動源の出力の向上を図ることができると共
に、省エネルギーとすることができる。
【0057】また、前述したようにソレノイド42への
励磁電流の供給を停止して流量制御弁31のスプール弁
33を閉弁作動させると、冷媒吸入室7の圧力が降下し
てシリンダ内圧とクランク室5との差圧が最大となり、
ピン17周りのモーメントにより斜板15の傾斜を立て
てピストン18のストロークを最小にさせて圧縮機の圧
縮仕事をほぼ0にするため、ソレノイド42の励,消磁
で圧縮機の稼動を断・続させることができて、従来圧縮
機への駆動力の伝達を断続していたクラッチを廃止して
所謂クラッチレスとすることができ、例えば電磁クラッ
チの場合重量のあるマグネット,コイル等を不要とする
ことができる。
【0058】従って、圧縮機の構造を簡単にできて小
型,軽量化とクラッチへ通電する配線の廃止を実現でき
ると共にコスト的に有利に得ることができる。
【0059】また、流量制御弁駆動機構32のソレノイ
ド42に所定の励磁電流を供給してボール弁41を所定
開度にしてある状態で、車両を急加,減速すると圧縮機
の回転数変動で低圧側冷媒通路25の流量制御弁31上
流のエバポレータ側圧力が変化してしまうが、この圧力
変化はフイードバック手段46のダイヤフラム47によ
り直ちに感知されてプランジャ51を介してボール弁4
1が閉弁方向又は開弁方向に作動されて、該エバポレー
タ側圧力を前記ソレノイド42の励磁電流に見合った一
定の圧力に保持させることができるため、車両の急加,
減速に伴うエバポレータの制御温度の変動を回避するこ
とができる。
【0060】ここで、前述の流量制御弁31のスプール
弁33に設けたスプール溝36の両側面36a,36b
は受圧面積を等しくしてあるから、スプール弁33を閉
弁方向に付勢するスプリング34のばね力と、圧力室3
5に作用する作動圧力とを管理するだけでスプール弁3
3の開閉ストロークの精度を出すことができ、精度の高
い流量制御を行わせることができる。
【0061】また、クランク室5は圧力調整通路52に
よって低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よりも上流
のエバポレータ側に連通して同圧に一定に保持されるた
め、クランク室5のブローバイガスによる圧力変動をな
くして容量可変制御の精度を高めることができる。
【0062】更に、流量制御弁31の圧力室35は圧力
調整通路53によって冷媒吸入室7に連通しているた
め、流量制御弁駆動機構32のソレノイド42の消磁に
よりボール弁41が閉弁した際に、前記圧力室35の作
動圧力を速かに冷媒吸入室7側へ逃がしてスプール弁3
3を閉弁作動させることができるので、応答性を高める
ことができる。
【0063】前記実施形態では逆止弁54を冷媒吐出室
8と拡張室26との連通口28を直接開閉するように設
けているが、要は外気低温時における圧縮機の始動の際
に冷媒吐出室8内からの冷媒流出を阻止できればよいか
ら、例えば、図4に示すように逆止弁54を冷媒出口2
7周りに設けるようにしてもよい。
【0064】この実施形態では弁ケース57の一端を冷
媒出口27を囲繞して固設すると共に、該弁ケース57
の他端に弁口57cを設け、この弁口57cをスプリン
グ56により付勢した弁体55で閉塞するようにしてい
る。
【0065】従って、この実施形態にあっても前記第1
実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】図5は本発明の第3実施形態を示すもの
で、本実施形態にあっては拡張室26の前記連通口28
と対向する側壁に弁ケース57Aを一体的に設け、該弁
ケース57Aにスプリング56と、該スプリング56に
より付勢されて連通口28を閉塞するプランジャタイプ
の弁体55とを配設し、そして、スプリング室58を連
通路59を介してクランク室5に連通してある。
【0067】従って、この第3実施形態の構造によれ
ば、前記第1実施形態と同様の効果が得られる他、逆止
弁54が閉弁すると弁体55が弁ケース57Aから最大
に進出して、該弁体55と弁ケース57Aとのオーバー
ラップが最小となってそれらの間の流路抵抗が小さくな
り、拡張室26とクランク室5との圧力差により弁体5
5と弁ケース57Aとの間のクリアランスを通って拡張
室26からクランク室5へ冷媒と共に潤滑オイルが流入
して回収され、潤滑オイルの外部流出抑制効果を更に高
めることができる。
【0068】以上の第1〜3実施形態ではソレノイド4
2の励,消磁で圧縮機の稼動を断・続させる所謂クラッ
チレス構造としてあるため、圧縮機の連続運転により斜
板の傾斜が立って圧縮機の圧縮仕事がほぼ0の運転状態
では、依然として斜板15は回転し続けているため最小
容量で冷媒が冷媒吐出室8へ吐出されることになるが、
この場合でも逆止弁54によって冷媒の漏出が阻止され
るから冷媒の漏出によるエバポレータの凍結防止を図る
ことができる。
【0069】なお、本発明はクラッチレスの圧縮機に限
定されるものではなく、従来と同様のクラッチ付きの圧
縮機に適用することもできることは云うまでもない。
【0070】また、拡張室26を有しない圧縮機では、
逆止弁を吐出口通路の途中もしくは圧縮機の冷媒吐出口
からコンデンサまでの配管途中に設ければよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態における圧力調整手段を系
統的に示す断面説明図。
【図3】本発明の一実施形態における圧力調整弁配設部
分を示す略示的断面説明図。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図3と同様の説明
図。
【図5】本発明の第3実施形態を示す図3と同様の説明
図。
【符号の説明】
5 クランク室 7 冷媒吸入室 8 冷媒吐出室 25 低圧側冷媒通路 26 拡張室 30 圧力調整手段 31 流量制御弁 32 流量制御弁駆動機構 33 スプール弁 34,43,56 スプリング 35 圧力室 40 通路 41 パイロット弁 42 ソレノイド 46 フイードバック手段 52,53 圧力調整通路 54 圧力調整弁(逆止弁) 55 弁体 57,57A 弁ケース 58 スプリング室 59 連通路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒吐出室(8)の高圧側冷媒を制御動
    作圧力源として、冷媒吸入室(7)に流入する冷媒流量
    を制御して冷媒吸入室(7)とクランク室(5)との圧
    力を調整する圧力調整手段(30)を備えた斜板式可変
    容量圧縮機において、前記冷媒吐出室(8)の下流に、
    冷媒吐出室(8)内の所要値以上の圧力上昇で開弁する
    圧力調整弁(54)を設けたことを特徴とする斜板式可
    変容量圧縮機。
  2. 【請求項2】 圧力調整弁(54)を、冷媒吐出室
    (8)の下流に設けた拡張室(26)内に配設したこと
    を特徴とする請求項1に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  3. 【請求項3】 圧力調整弁(54)が、弁ケース(5
    7)に摺動自在に設けたプランジャタイプの弁体(5
    5)と、弁ケース(57)のスプリング室(58)に配
    設されて弁体(55)を閉弁する進出方向に付勢するス
    プリング(56)とからなる逆止弁であることを特徴と
    する請求項1,2に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  4. 【請求項4】 圧力調整弁(54)のスプリング室(5
    8)を、連通路(59)を介してクランク室(5)に連
    通したことを特徴とする請求項3に記載の斜板式可変容
    量圧縮機。
  5. 【請求項5】 圧力調整手段(30)を、スプール弁
    (33),該スプール弁(33)を閉弁方向に付勢する
    スプリング(34),およびスプール弁(33)を開弁
    方向に作用させる圧力を蓄圧する圧力室(35)を備
    え、冷媒吸入室(7)の上流の低圧側冷媒通路(25)
    に設けられた流量制御弁(31)と、 冷媒吐出室(8)と圧力室(35)とを連通する通路
    (40)に設けられて、常態にあってはスプリング(4
    3)により閉弁され、ソレノイド(42)の励磁電流に
    より弁開度が制御されて冷媒吐出室(8)の高圧側冷媒
    を作動圧力として圧力室(35)へ導入制御するパイロ
    ット弁(41)を有する流量制御弁駆動機構(32)
    と、で構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか
    に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  6. 【請求項6】 スプール弁(33)は、そのスプール溝
    (36)の両側面の受圧面積を等しくしたことを特徴と
    する請求項5に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  7. 【請求項7】 流量制御弁駆動機構(32)は、低圧側
    冷媒通路(25)の流量制御弁(31)よりも上流のエ
    バポレータ側の圧力を検出して、パイロット弁(41)
    の所定開度状態時に該エバポレータ側の圧力が一定圧よ
    りも変化した時にパイロット弁(41)を閉弁方向又は
    開弁方向に作動させ、流量制御弁(31)の弁開度を調
    整して前記エバポレータ側の圧力を一定に保持させるフ
    イードバック手段(46)を備えていることを特徴とす
    る請求項5,6に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  8. 【請求項8】 流量制御弁駆動機構(32)は、クラン
    ク室(5)と、低圧側冷媒通路(25)の流量制御弁
    (31)よりも上流のエバポレータ側とを連通する圧力
    調整通路(52)を備えていることを特徴とする請求項
    5〜7の何れかに記載の斜板式可変容量圧縮機。
  9. 【請求項9】 流量制御弁駆動機構(32)は、流量制
    御弁(31)の圧力室(35)と冷媒吸入室(7)とを
    連通する圧力調整通路(53)を備えていることを特徴
    とする請求項5〜8の何れかに記載の斜板式可変容量圧
    縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013165A (ja) * 2006-06-06 2008-01-24 Denso Corp 車両用空調装置

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JP2008013165A (ja) * 2006-06-06 2008-01-24 Denso Corp 車両用空調装置

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