JP2001090657A - 斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

斜板式可変容量圧縮機

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JP2001090657A
JP2001090657A JP26947999A JP26947999A JP2001090657A JP 2001090657 A JP2001090657 A JP 2001090657A JP 26947999 A JP26947999 A JP 26947999A JP 26947999 A JP26947999 A JP 26947999A JP 2001090657 A JP2001090657 A JP 2001090657A
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JP
Japan
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valve
pressure
flow control
spring
refrigerant
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JP26947999A
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English (en)
Inventor
Yasuo Mameta
康生 豆田
Masaru Saito
勝 斉藤
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
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Publication date
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチレスにして小型軽量化を図ることが
できると共に、パイロット弁制御用のソレノイドの消磁
により冷媒吸入量を0にしてエバポレータの凍結防止を
行える斜板式可変容量圧縮機の提供を図る。 【解決手段】 流量制御弁駆動機構32のソレノイド4
2を消磁するとパイロット弁41が閉弁して流量制御弁
31の圧力室35への作動圧力の導入を遮断し、スプー
ル弁33を閉弁させて低圧側冷媒通路25を遮断して冷
媒吸入室7への冷媒吸入量が0にされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用空調装置等の
冷凍サイクルに介装されて、冷媒ガスの圧縮に用いられ
る斜板式可変容量圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】斜板式可変容量圧縮機の中には、例えば
特公平6−89741号公報に示されているように、ソ
レノイドの励磁電流によってパイロット弁の開度を制御
して、冷媒吐出室の高圧側冷媒をピストン弁の背部に作
用させ、該ピストン弁により冷媒吸入室に流入する冷媒
流量を制御するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の斜板式可変
容量圧縮機は、圧縮機駆動プーリーに電磁クラッチを組
込んだ所謂クラッチ付きタイプのものを基本構造として
いるため、構造が複雑となってしまうばかりでなく重量
が嵩んでしまい、また、部品点数も嵩んでコスト的にも
不利となってしまうことは否めない。
【0004】また、クラッチを接続した圧縮機駆動状態
にあって、エバポレータの凍結を回避するために圧縮機
の冷媒吸入室の冷媒流入量を0にしたい場合には、パイ
ロット弁を作動するソレノイドの励磁電流を最大にして
ピストン弁を閉弁側へフルストロークさせる必要があっ
て、消費電力が大きくなってしまう。
【0005】そこで、本発明はクラッチを付設しなくて
も圧縮機の稼動を断・続制御できてクラッチレスとする
ことができると共に、冷媒の流量制御を司どるパイロッ
ト弁を作動するソレノイドを消磁することで圧縮機の冷
媒吸入室への冷媒流入量を0にして、エバポレータの凍
結防止を行わせることができる斜板式可変容量圧縮機を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、冷媒吸入室に流入する冷媒流量を制御して冷媒吸入
室とクランク室との圧力を調整する圧力調整手段を備え
た斜板式可変容量圧縮機において、前記圧力調整手段
を、スプール弁,該スプール弁を閉弁方向に付勢するス
プリング,およびスプール弁を開弁方向に作用させる圧
力を蓄圧する圧力室を備え、前記冷媒吸入室の上流の低
圧側冷媒通路に設けられた流量制御弁と、冷媒吐出室と
圧力室とを連通する通路に設けられて、常態にあっては
スプリングにより閉弁され、ソレノイドの励磁電流によ
り弁開度が制御されて冷媒吐出室の高圧側冷媒を作動圧
力として圧力室へ導入制御するパイロット弁を有する流
量制御弁駆動機構と、で構成し、かつ、前記流量制御弁
のスプリングのばね特性を、スプール弁の開弁作動時に
該スプール弁の所要の開度位置からばね力が立上がる非
線形のばね特性としたことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の流量制御弁のスプリングを、スプール弁を全閉位置
に保持してその開弁作動時に初期ばね力を付与する自由
長の長い第1スプリングと、該スプール弁の所要の開度
位置から該スプール弁に当接して前記第1スプリングと
協働してスプール弁に複合ばね力を付与する自由長の短
い第2スプリングとで構成して、非線形のばね特性を得
るようにしたことを特徴としている。
【0008】請求項3の発明にあっては、請求項1,2
に記載のスプール弁は、そのスプール溝の両側面の受圧
面積を等しくしたことを特徴としている。
【0009】請求項4の発明にあっては、請求項1〜3
に記載の流量制御弁駆動機構は、低圧側冷媒通路の流量
制御弁よりも上流のエバポレータ側の圧力を検出して、
パイロット弁の所定開度状態時に該エバポレータ側の圧
力が一定圧よりも変化した時にパイロット弁を閉弁方向
又は開弁方向に作動させ、流量制御弁の弁開度を調整し
て前記エバポレータ側の圧力を一定に保持させるフイー
ドバック手段を備えていることを特徴としている。
【0010】請求項5の発明にあっては、請求項1〜4
に記載の流量制御弁駆動機構は、クランク室と、低圧側
冷媒通路の流量制御弁よりも上流のエバポレータ側とを
連通する圧力調整通路を備えていることを特徴としてい
る。
【0011】請求項6の発明にあっては、請求項1〜5
に記載の流量制御弁駆動機構は、流量制御弁の圧力室と
冷媒吸入室とを連通する圧力調整通路を備えていること
を特徴としている。
【0012】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、流量制
御弁駆動機構のソレノイドへの供給電流を0にして該ソ
レノイドを消磁するとパイロット弁が閉弁し、流量制御
弁の圧力室への作動圧力の供給を遮断するため、スプー
ル弁が閉弁して冷媒吸入室への冷媒流入量を0にし、低
圧側冷媒通路の流量制御弁上流のエバポレータ側圧力の
低下を止めて、エバポレータの凍結防止を行わせること
ができる。
【0013】従って、エバポレータの凍結防止作動時に
は、ソレノイドへの励磁電流の供給を停止すればよいの
で、電力消費を節減することができると共にスプール弁
の全閉作動により圧縮機の負荷をほぼ0にするため、駆
動源の出力の向上を図ることができる。
【0014】また、このようにソレノイドへの励磁電流
の供給を停止して流量制御弁のスプール弁を閉弁作動さ
せることにより、冷媒吸入室の圧力が降下してその冷媒
を吸入したシリンダ内圧とクランク室との差圧が最大と
なり、各ピストンにかかる力によるモーメントにより斜
板の傾斜を立ててピストンストロークを最小にさせて圧
縮機の圧縮仕事をほぼ0にするため、ソレノイドの励,
消磁で圧縮機の稼動を断・続させることができてクラッ
チレスとすることができる。
【0015】従って、圧縮機の構造を簡単にできて小
型,軽量化を実現できると共にコスト的に有利に得るこ
とができる。
【0016】一方、ソレノイドを励磁すると励磁電流に
応じてパイロット弁が開弁し、冷媒吐出室の高圧側冷媒
がパイロット弁を通過して流量制御弁の圧力室に作動圧
力として導入されてスプール弁がスプリングのばね力に
抗して開弁し、その際に該圧力室の作動圧力でスプール
弁の開弁初期動作が大きくなる傾向となるが、前記スプ
リングはスプール弁の所要の開弁位置からばね力が立上
がる非線形のばね特性を備えているため、この立上がり
ばね力によってスプール弁の開弁初期動作が大きくなる
のを抑制して該開弁動作を適正にすることができる。
【0017】また、このように流量制御弁のスプリング
は非線形のばね特性を備えていて、スプール弁のある所
定の開弁位置からばね力が立上がるため圧力室の開弁作
動圧力を大きくすることができ、その分、パイロット弁
の開弁ストロークを大きく設定することができるから、
多少の圧力変動でパイロット弁がハンチングを引き起す
ようなことはない。
【0018】これらのことから、流量制御弁および流量
制御弁駆動機構で構成する圧力調整手段による冷媒吸入
室とクランク室との圧力調整の制御作動の安定度を高め
られて、冷凍サイクルがハンチングを引き起すのを回避
することができ、品質感および信頼性を一段と向上する
ことができる。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、流量制御弁のスプリングとして
自由長の異なる2つのスプリングを用いることによって
非線形のばね特性を容易に得ることができ、設計の自由
度を高められると共に構造を簡単にすることができてコ
スト的に有利に得ることができる。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、請求項
1,2の発明の効果に加えて、流量制御弁のスプール弁
に設けたスプール溝の両側面の受圧面積を等しくしてあ
るため、流量制御弁のスプリングのばね力と、圧力室に
作用する作動圧力とを管理するだけでスプール弁の開閉
ストロークの精度を出すことができ、精度の高い流量制
御を行わせることができる。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜3の発明の効果に加えて、所定の励磁電流によりパイ
ロット弁を所定開度にしてある場合に、車両を急加,減
速した際には同一の駆動源で駆動されている圧縮機の回
転数が変動するため、低圧側冷媒通路の流量制御弁上流
のエバポレータ側圧力が変化してしまうが、フイードバ
ック手段によって該エバポレータ側圧力を一定圧に保持
させることができるため、該車両の急加,減速に伴うエ
バポレータの制御温度の変動を回避することができる。
【0022】よって、空気調和装置においては、室内吹
出し空気の温度変動がなくなり、安定した空気調和を行
うことができる。
【0023】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜4の発明の効果に加えて、クランク室は圧力調整通路
によって低圧側冷媒通路の流量制御弁よりも上流のエバ
ポレータ側に連通して同圧に一定に保持されるため、ク
ランク室のブローバイガスによる圧力変動をなくして容
量可変制御の精度を高めることができる。
【0024】請求項6に記載の発明によれば、請求項1
〜5の発明の効果に加えて、流量制御弁の圧力室は圧力
調整通路によって冷媒吸入室に連通しているため、パイ
ロット弁が閉弁した際に圧力室の作動圧力を速かに冷媒
吸入室へ逃がしてスプール弁を閉弁作動させることがで
きるので、応答性を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0026】図1において、1は圧縮機ハウジングで複
数のシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、シ
リンダブロック2の前側に配置されて該シリンダブロッ
ク2との間にクランク室5を形成するフロントハウジン
グ4と、シリンダブロック2の後側にバルブプレート9
を介装して配置されて冷媒吸入室7と冷媒吐出室8とを
形成するリヤハウジング6とを備えている。
【0027】クランク室5内にはドライブシャフト10
に固設したドライブプレート11と、ドライブシャフト
10に揺動自在に嵌装したスリーブ12にピン13によ
り揺動自在に連結したジャーナル14と、該ジャーナル
14の外周に螺合固定した斜板15とを備えている。
【0028】ジャーナル14はドライブプレート11に
その弧状の長孔16とピン17とを介して連結して、該
長孔16によって揺動が規制されている。
【0029】各シリンダボア3に嵌装したピストン18
は、斜板15を挾んだ一対のシュー19を介して該斜板
15に連結してある。
【0030】ドライブシャフト10の外側の端部にはプ
ーリー20を軸受21を介して回転自在に装着してあ
り、該プーリー20の内周に螺合固定した第1駆動伝達
プレート22と、ドライブシャフト10の端末に固定し
た第2駆動伝達プレート23とをある一定以上の駆動ト
ルクでは摺動可能に連結して、プーリー20によりドラ
イブシャフト10を回転するようにしてある。
【0031】斜板15はリヤハウジング6に配設した圧
力調整手段30により調整される冷媒吸入室7とクラン
ク室5との差圧によって生じる斜板15のピン17周り
のモーメントにより傾斜角度が制御され、この斜板15
の角度変化によりピストン18のストロークを変化して
冷媒の吐出容量を変化させるようになっている。
【0032】圧力調整手段30は図2にも示すように、
冷媒吸入室7の上流となる冷媒入口24の近傍の低圧側
冷媒通路25に設けられて、該冷媒吸入室7への冷媒流
入量を直接制御する流量制御弁31と、該流量制御弁3
1を駆動制御する流量制御弁駆動機構32とで構成して
いる。
【0033】流量制御弁31は、低圧側冷媒通路25に
直交状態に配置したスプール弁33と、スプール弁33
を閉弁方向に付勢するスプリング34と、スプール弁3
3を開弁方向に作用させる圧力を蓄圧する圧力室35と
を備えている。
【0034】スプール弁33のスプール溝36の両側面
36a,36bは受圧面積を等しくしてある。
【0035】スプリング34はそのばね特性を、図4に
示すようにスプール弁33の開弁作動時に該スプール弁
33の所要の開度位置S1 からばね力が立上がる非線形
のばね特性としてある。
【0036】本実施形態ではこのスプリング34を図3
にも示すように、スプール弁33を全閉位置に保持して
その開弁作動時に初期ばね力を付与する自由長の長い第
1スプリング34Aと、該スプール弁33の所要開度位
置S1 から該スプール弁33に当接して前記第1スプリ
ング34Aと協働してスプール弁33に複合ばね力を付
与する自由長の短い第2スプリング34Bとで構成し
て、前述の非線形のばね特性を得るようにしている。
【0037】スプリング34を収容したスプリング室3
7は、通路38により低圧側冷媒通路25の流量制御弁
31よりも下流の冷媒吸入室7側に連通してある。
【0038】流量制御弁機構32は、冷媒吐出室8と圧
力室35とを連通する通路40に設けられて、冷媒吐出
室8の高圧側冷媒を作動圧力として圧力室35へ導入制
御するパイロット弁としてのボール弁41と、励磁電流
に応じてボール弁41の弁開度を制御するソレノイド4
2とを備えている。
【0039】ボール弁41は常態にあってはスプリング
43によって弁座に着座して閉弁するようにしてある。
【0040】ソレノイド42は励磁電流が供給されるこ
とによりアーマチュア44を図2の上方へ移動させ、プ
ランジャ45を押動してボール弁41の弁開度を制御す
るようにしてある。
【0041】流量制御弁駆動機構32は、低圧側冷媒通
路25の流量制御弁31よりも上流のエバポレータ側の
圧力を検出して、前記ソレノイド42の励磁電流によっ
て可変制御される該エバポレータ側の圧力を一定に保持
させるフイードバック手段46を備えている。
【0042】フイードバック手段46は、大気圧室48
と冷媒圧室49とを隔成するダイヤフラム47と、冷媒
圧室49に前記エバポレータ側の圧力を導入するフイー
ドバック通路50と、ダイヤフラム47に保持され、前
記ソレノイド42のプランジャ45と同軸上に対向配置
されてボール弁41の開度を制御するプランジャ51と
を備えていて、前記ボール弁41が所定開度に制御され
ている状態時に、低圧側冷媒通路25の前記エバポレー
タ側の圧力が一定圧よりも変化した時に、該圧力変化を
ダイヤフラム47で感知してプランジャ51によりボー
ル弁41を閉弁方向又は開弁方向に作動させ、流量制御
弁31の弁開度を調整して前記エバポレータ側の圧力を
一定に保持させるようにしてある。
【0043】前記冷媒圧室49は圧力調整通路52によ
りクランク室5に連通させて、該クランク室5を低圧側
冷媒通路25の前記流量制御弁31の上流のエバポレー
タ側に連通させている。
【0044】また、流量制御弁31の圧力室35に連通
する通路40のボール弁41よりも下流側には、冷媒吸
入室7に連絡する圧力調整通路53を連通してあり、該
圧力調整通路53により前記圧力室35と冷媒吸入室7
とを連通している。
【0045】以上の実施形態の構造によれば、ソレノイ
ド42を励磁すると励磁電流に応じてボール弁41の弁
開度が制御され、冷媒吐出室8の高圧側冷媒が該ボール
弁41を通過して通路40へ流れ、流量制御弁31の圧
力室35に作動圧力として導入される。
【0046】この圧力室35内の圧力に応じてスプール
弁33はスプリング34のばね力に抗して開弁する方向
に移動し、低圧側冷媒通路25の流路を拡大して冷媒吸
入室7への冷媒流入量を制御し、該冷媒吸入室7とクラ
ンク室5との差圧を調整して斜板15の傾斜角度を制御
し、ピストン18のストロークを変化させて冷媒吐出量
を制御することにより図外のエバポレータの温度制御が
行われる。
【0047】ここで、前述のようにスプール弁33の全
閉状態からソレノイド42の励磁によりボール弁41を
開弁させ、圧力室35内に冷媒吐出室8の高圧側冷媒を
作動圧力として導入して該スプール弁33を開弁させた
場合、該圧力室35の内圧上昇によってスプール弁33
の開弁初期動作が大きくなる傾向となるが、前記スプリ
ング34はスプール弁33の所要の開弁位置からばね力
が立上がる非線形のばね特性を備えているため、この立
上がりばね力によってスプール弁33の開弁初期動作が
大きくなるのを抑制して該開弁初期動作を適正にするこ
とができる。
【0048】また、このようにスプリング34のばね力
の立上がりによってスプール弁33の開弁操作力が大き
くなることから圧力室35内の開弁作動圧力を大きくす
ることができ、その分、ボール弁41の開弁ストローク
を大きく設定することが可能となるから、多少の圧力変
動でボール弁41がハンチングを引き起すようなことは
ない。
【0049】これらのことから、流量制御弁31および
流量制御弁駆動機構32で構成する圧力調整手段30に
よる冷媒吸入室8とクランク室5との圧力調整の制御作
動の安定度を高められて、冷凍サイクルがハンチングを
引き起すのを回避し、前記エバポレータの温度制御の精
度を高めることができるため品質感および信頼性を一段
と向上することができる。
【0050】本実施形態ではスプリング34の非線形ば
ね特性を得るために自由長の異なる2つのスプリング、
即ち、自由長の長い第1スプリング34Aと自由長の短
い第2スプリング34Bとを用いているため、設計の自
由度を高められると共に構造を簡単にすることができて
コスト的に有利に得ることができる。
【0051】一方、冷凍サイクルの稼動中におけるエバ
ポレータの凍結防止の目的で、冷媒吸入室7への冷媒流
入量を0にして低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よ
りも上流のエバポレータ側の圧力低下を止めるには、ソ
レノイド42への供給電流を0にして該ソレノイド42
を消磁すればよく、該ソレノイド42の消磁によりボー
ル弁41が閉弁して流量制御弁31の圧力室35への作
動圧力の供給を停止するから、スプール弁33はスプリ
ング34のばね力によって閉弁作動して低圧側冷媒通路
25を遮断し、冷媒吸入室7への冷媒流入量を0にして
斜板15の傾斜角度を制御して、ピストンストロークを
減少させると共に該低圧側冷媒通路25のエバポレータ
側圧力の低下を止め、エバポレータの凍結を防止する。
【0052】このように、エバポレータの凍結防止作動
時には、ソレノイド42への励磁電流の供給を停止すれ
ばよいので、電力消費を節減することができるとともに
スプール弁33の全閉作動により圧縮機の負荷をほぼ0
にするため、駆動源の出力の向上を図ることができる。
【0053】また、前述したようにソレノイド42への
励磁電流の供給を停止して流量制御弁31のスプール弁
33を閉弁作動させると、冷媒吸入室7の圧力が降下し
てシリンダ内圧とクランク室5との差圧が最大となり、
ピン17周りのモーメントにより斜板15の傾斜を立て
てピストン18のストロークを最小にさせて圧縮機の圧
縮仕事をほぼ0にするため、ソレノイド42の励,消磁
で圧縮機の稼動を断・続させることができて、従来、圧
縮機への駆動力の伝達を断続していたクラッチを廃止し
ていわゆるクラッチレスとすることができ、例えば電磁
クラッチの場合における重量のあるマグネット,コイル
等を不要とすることができる。
【0054】従って、圧縮機の構造を簡単にできて小
型,軽量化とクラッチへ通電する配線の廃止を実現でき
ると共にコスト的に有利に得ることができる。
【0055】また、流量制御弁駆動機構32のソレノイ
ド42に所定の励磁電流を供給してボール弁41を所定
開度にしてある状態で、車両を急加,減速すると圧縮機
の回転数変動で低圧側冷媒通路25の流量制御弁31上
流のエバポレータ側圧力が変化してしまうが、この圧力
変化はフイードバック手段46のダイヤフラム47によ
り直ちに感知されてプランジャ51を介してボール弁4
1が閉弁方向又は開弁方向に作動されて、該エバポレー
タ側圧力を前記ソレノイド42の励磁電流に見合った一
定の圧力に保持させることができるため、車両の急加,
減速に伴うエバポレータの制御温度の変動を回避するこ
とができる。
【0056】ここで、前述の流量制御弁31のスプール
弁33に設けたスプール溝36の両側面36a,36b
は受圧面積を等しくしてあるから、スプール弁33を閉
弁方向に付勢するスプリング34のばね力と、圧力室3
5に作用する作動圧力とを管理するだけでスプール弁3
3の開閉ストロークの精度を出すことができ、精度の高
い流量制御を行わせることができる。
【0057】また、クランク室5は圧力調整通路52に
よって低圧側冷媒通路25の流量制御弁31よりも上流
のエバポレータ側に連通して同圧に一定に保持されるた
め、クランク室5のブローバイガスによる圧力変動をな
くして容量可変制御の精度を高めることができる。
【0058】更に、流量制御弁31の圧力室35は圧力
調整通路53によって冷媒吸入室7に連通しているた
め、流量制御弁駆動機構32のソレノイド42の消磁に
よりボール弁41が閉弁した際に、前記圧力室35の作
動圧力を速かに冷媒吸入室7側へ逃がしてスプール弁3
3を閉弁作動させることができるので、応答性を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態における圧力調整手段を系
統的に示す断面説明図。
【図3】図2の流量制御弁のスプール弁全閉状態を示す
断面説明図。
【図4】本発明の一実施形態における流量制御弁のスプ
リングのばね特性を示す線図。
【符号の説明】
5 クランク室 7 冷媒吸入室 8 冷媒吐出室 25 低圧側冷媒通路 30 圧力調整手段 31 流量制御弁 32 流量制御弁駆動機構 33 スプール弁 34,43 スプリング 34A 第1スプリング 34B 第2スプリング 35 圧力室 40 通路 41 パイロット弁 42 ソレノイド 46 フイードバック手段 52,53 圧力調整通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H045 AA04 AA10 AA27 BA20 BA28 BA31 BA32 BA47 CA02 DA12 DA13 DA25 DA41 EA33 3H076 AA06 BB21 BB28 BB31 BB32 BB34 BB38 BB41 BB43 BB50 CC41 CC84 CC86

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒吸入室(7)に流入する冷媒流量を
    制御して冷媒吸入室(7)とクランク室(5)との圧力
    を調整する圧力調整手段(30)を備えた斜板式可変容
    量圧縮機において、 前記圧力調整手段(30)を、スプール弁(33),該
    スプール弁(33)を閉弁方向に付勢するスプリング
    (34),およびスプール弁(33)を開弁方向に作用
    させる圧力を蓄圧する圧力室(35)を備え、前記冷媒
    吸入室(7)の上流の低圧側冷媒通路(25)に設けら
    れた流量制御弁(31)と、 冷媒吐出室(8)と圧力室(35)とを連通する通路
    (40)に設けられて、常態にあってはスプリング(4
    5)により閉弁され、ソレノイド(42)の励磁電流に
    より弁開度が制御されて冷媒吐出室(8)の高圧側冷媒
    を作動圧力として圧力室(35)へ導入制御するパイロ
    ット弁(41)を有する流量制御弁駆動機構(32)
    と、で構成し、 かつ、前記流量制御弁(31)のスプリング(34)の
    ばね特性を、スプール弁(33)の開弁作動時に該スプ
    ール弁の所要の開度位置からばね力が立上がる非線形の
    ばね特性としたことを特徴とする斜板式可変容量圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 流量制御弁(31)のスプリング(3
    4)を、スプール弁(33)を全閉位置に保持してその
    開弁作動時に初期ばね力を付与する自由長の長い第1ス
    プリング(34A)と、該スプール弁(33)の所要の
    開度位置から該スプール弁(33)に当接して前記第1
    スプリング(34A)と協働してスプール弁(33)に
    複合ばね力を付与する自由長の短い第2スプリング(3
    4B)とで構成して、非線形のばね特性を得るようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載の斜板式可変容量圧
    縮機。
  3. 【請求項3】 スプール弁(33)は、そのスプール溝
    (36)の両側面の受圧面積を等しくしたことを特徴と
    する請求項1,2に記載の斜板式可変容量圧縮機。
  4. 【請求項4】 流量制御弁駆動機構(32)は、低圧側
    冷媒通路(25)の流量制御弁(31)よりも上流のエ
    バポレータ側の圧力を検出して、パイロット弁(41)
    の所定開度状態時に該エバポレータ側の圧力が一定圧よ
    りも変化した時にパイロット弁(41)を閉弁方向又は
    開弁方向に作動させ、流量制御弁(31)の弁開度を調
    整して前記エバポレータ側の圧力を一定に保持させるフ
    イードバック手段(46)を備えていることを特徴とす
    る請求項1〜3の何れかに記載の斜板式可変容量圧縮
    機。
  5. 【請求項5】 流量制御弁駆動機構(32)は、クラン
    ク室(5)と、低圧側冷媒通路(25)の流量制御弁
    (31)よりも上流のエバポレータ側とを連通する圧力
    調整通路(52)を備えていることを特徴とする請求項
    1〜4の何れかに記載の斜板式可変容量圧縮機。
  6. 【請求項6】 流量制御弁駆動機構(32)は、流量制
    御弁(31)の圧力室(35)と冷媒吸入室(7)とを
    連通する圧力調整通路(53)を備えていることを特徴
    とする請求項1〜5の何れかに記載の斜板式可変容量圧
    縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100429401C (zh) * 2004-06-11 2008-10-29 株式会社Tgk 用于斜盘式可变容积式压缩机的控制阀

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