JP4086361B2 - 仮設足場連結用アンカ− - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物を構築する際に組み立てられる仮設足場を躯体の胴縁材に連結するのに使用される仮設足場連結用アンカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物を構築する際に組み立てられる仮設足場は、足場の揺れや転倒を防ぐため足場止め金具によって躯体の横胴縁材に連結される。この足場止め金具を躯体の横胴縁材に連結するアンカー構造としては、従来、図3に示すように、外壁板の継ぎ目部分に若干の間隙90を保持して骨組みされる1対の横胴縁材91,91にアンカーナット92が溶接によって固着されたものとなっていた。従って、このアンカーナット92に足場止め金具93の基端を連結し、この足場止め金具93の先端を仮設足場の支柱(図示せず)に連結することにより、この足場止め金具93によって仮設足場を躯体の横胴縁材91に連結することができるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来では、アンカーナットを横胴縁材に溶接によって固着していたため、その溶接作業に多大の手間と時間を要し、作業能率を向上することができないという問題があった。特に、外壁板の板厚が50mm以下の場合、この外壁板の取付施工はビス止めで行われるため、施工業者は溶接機を所有していないことが多い。このため外注業者にアンカーナットの溶接を依頼しなければならず、その分だけコストや工期の面で不利になる。
【0004】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、溶接を用いることなく、簡単な作業でアンカーナットを横胴縁材に固着することができるようにした仮設足場連結用アンカーを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の仮設足場連結用アンカーは、
外壁板の継ぎ目部分に若干の間隙を保持して1対の横胴縁材が平行に骨組みされ、この横胴縁材に足場止め金具を連結するための仮設足場連結用アンカーであって、
前記間隙に横胴縁材の前面側から挿入可能なプレート部材を備え、このプレート部材の前端に前記横胴縁材の前面で係止される座金を介して前記足場止め金具を着脱可能に連結するためのアンカーナットが固着され、プレート部材の後端には前記間隙から横胴縁材の背面側に突出する突出部が形成され、この突出部には横胴縁材の背面で係止される楔部材を嵌合するための楔穴が形成され、前記アンカーナットが外壁板の板厚内に収まる寸法に形成されている構成とした。
【0006】
本発明の仮設足場連結用アンカーを取り付けるに際しては、まず、プレート部材の後端を横胴縁材の間隙内に前面側から差し込んで挿入する。この挿入状態では、横胴縁材の背面側に突出部が突出することから、次に、この突出部に形成された楔穴に楔部材を打ち込んで嵌合させれば、この楔部材が横胴縁材の背面に係止すると共に、座金が横胴縁材の前面に係止して、プレート部材が横胴縁材に固着される。そして、このプレート部材の前端にアンカーナットが固着されているため、このアンカーナットはプレート部材を介して横胴縁材の前面に固着されることになる。
【0007】
このようにして本発明の仮設足場連結用アンカーを横胴縁材に固着したのち、足場止め金具の基端をアンカーナットに連結すると共に、足場止め金具の先端を仮設足場の支柱に連結することにより、この足場止め金具によって仮設足場を躯体の横胴縁材に連結することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施の一形態である仮設足場連結用アンカーの取付状態を側面から見た断面図、図2は平面から見た断面図である。
【0009】
図において、1,1は1対の横胴縁材で、外壁板2,2の継ぎ目部分に若干の間隙10を保持して平行に骨組みされ、この横胴縁材1,1に足場止め金具3を連結するための仮設足場連結用アンカー4が固着されている。この場合、横胴縁材1としては、100mm×50mmのリップ付き溝型鋼が用いられている。又、外壁板2としては50mm板厚のALC板が用いられ、これが前記間隙10の中心位置で継ぎ合わされるように横胴縁材1,1の前面にビス止めされる。又、この横胴縁材1,1の背面には縦胴縁材5が一定の間隔で取り付けられ、この縦胴縁材5の外面に内装板6が取り付けられる。尚、縦胴縁材5としては21mm板厚の木材が用いられている。
【0010】
前記仮設足場連結用アンカー4は、前記間隙10に横胴縁材1,1の前面側から挿入可能なプレート部材40を備え、このプレート部材40の前端に座金41を介してアンカーナット42が固着され、プレート部材40の後端には前記間隙10から横胴縁材1,1の背面側に突出する突出部43が形成され、この突出部43には横胴縁材1,1の背面で係止される楔部材45を嵌合するための楔穴46が形成されている。この場合、アンカーナット42は外壁板2の板厚内に収まり、又、突出部43及び楔部材45は縦胴縁材5の板厚内に収まるように、その寸法が設定されている。
【0011】
尚、前記楔部材45の片面には多数の溝47が刻設され、この溝47を楔穴46の穴縁に係合させることにより楔部材45の抜けを防止するようにしている。
【0012】
次に、前記仮設足場連結用アンカー4を横胴縁材1,1に取り付ける際の手順を説明する。まず、プレート部材40の後端を横胴縁材1,1の間隙10内に前面側から差し込んで挿入する。この挿入状態では、横胴縁材1,1の背面側に突出部43が突出することになる。次に、この突出部43に形成された楔穴46に楔部材45を打ち込んで嵌合させるもので、これにより楔部材45が横胴縁材1,1の背面に係止すると共に、座金41が横胴縁材1,1の前面に係止して、プレート部材40が横胴縁材1,1に固着される。そして、このプレート部材40の前端にはアンカーナット42が固着されているため、このアンカーナット42はプレート部材40を介して横胴縁材1,1の前面に固着されることになる。
【0013】
以上のように、プレート部材40を間隙10に挿入した状態で、楔穴46に楔部材45を打ち込むだけの手間で仮設足場連結用アンカー4を横胴縁材1,1に簡単に取り付けることができるため、溶接を用いることによる不利を解消して作業能率を大幅に向上することができる。
【0014】
このようにして仮設足場連結用アンカー4を横胴縁材1,1に固着したのちは、足場止め金具3の基端をアンカーナット42に螺合して連結すると共に、足場止め金具の先端を仮設足場の支柱(図示せず)に連結することにより、この足場止め金具3によって仮設足場を躯体の横胴縁材1,1に連結することができる。
【0015】
尚、外壁板2,2の取り付けは、仮設足場を組み立てたのちに行われるもので、この際、座金41及びアンカーナット42と干渉する部分に予め切欠部20を形成しておき、取付け後、仮設足場を解体する際にその切欠部20をコーキング剤によって埋め戻すことになる。又、仮設足場を解体する場合には、足場止め金具3をアンカーナット42から取り外すことになるが、仮設足場連結用アンカー4は、横胴縁材1,1に固着したまま使い捨てされる。
【0016】
以上、本発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれに限られることはない。例えば、仮設足場連結用アンカーを構成するプレート部材、座金、アンカーナット、楔部材等の各寸法は、横胴縁材、外壁板、縦胴縁材等の寸法に応じて設計するもので、要は、所定の強度を持ち、外壁板及び縦胴縁材の板厚内に収まるように寸法設定すればよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の仮設足場連結用アンカーにあっては、上記のように構成したため、プレート部材を間隙に挿入した状態で、楔穴に楔部材を打ち込むだけの手間で簡単に取り付けることができる。従って、溶接を用いることによる不利を解消して作業能率を大幅に向上することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である仮設足場連結用アンカーの取付状態を側面から見た断面図である。
【図2】この仮設足場連結用アンカーの取付状態を平面から見た断面図である。
【図3】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 横胴縁材
10 間隙
2 外壁板
3 足場止め金具
4 仮設足場連結用アンカー
40 プレート部材
41 座金
42 アンカーナット
43 突出部
45 楔部材
46 楔穴

Claims (1)

  1. 外壁板の継ぎ目部分に若干の間隙を保持して1対の横胴縁材が平行に骨組みされ、この横胴縁材に足場止め金具を連結するための仮設足場連結用アンカーであって、
    前記間隙に横胴縁材の前面側から挿入可能なプレート部材を備え、このプレート部材の前端に前記横胴縁材の前面で係止される座金を介して前記足場止め金具を着脱可能に連結するためのアンカーナットが固着され、プレート部材の後端には前記間隙から横胴縁材の背面側に突出する突出部が形成され、この突出部には横胴縁材の背面で係止される楔部材を嵌合するための楔穴が形成され、前記アンカーナットが外壁板の板厚内に収まる寸法に形成されていることを特徴とした仮設足場連結用アンカー。
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