JP4086279B2 - 反応性接着剤組成物及びその接着シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応性接着剤組成物および反応性接着シートに関する。本発明の反応性接着剤組成物は、比較的短時間の硬化で優れた接着性を示し、かつ耐熱性を有する接着層を形成できる。当該接着層を有する接着シートは、電子部品等の固定用途、特にICパッケージ等の電子部品内で使用される金属の補強材とポリイミドフィルム等の耐熱フィルムの接着やICチップの固定等に有利に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
電子部品等の固定用途において、信頼性の向上の目的で各種接着剤が使用されている。特に、フレキシブルプリント配線板と補強材との固定、ボールグリッドアレイ等の半導体装置に用いられる回路基板と補強板または放熱板の固定等の構造接着用途や、部品搬送時の仮固定等の製造プロセス上での接着用途において、接着剤が多く用いられるようになってきている。
【0003】
こうした用途においてはフレキシブルな回路基板にはポリイミドフィルムが用いられ、また補強材には金属材料やガラスエポキシ板等が用いられているため、当該用途に用いられる接着剤には、これら材料に対する良好な接着性が求められる。また、こうした用途では部品実装時のハンダリフローの条件である200℃以上の高温に耐えうる高耐熱性を有し、生産性向上の目的から低圧・低温・短時間での接着処理が可能であることが要求される。
【0004】
従来、このような電子部品等の接着用途に用いられる接着剤としては、たとえば、エポキシ系接着剤やポリイミド系接着剤が検討されてきた。近年では、半導体装置に課せられるプレッシャークッカーテスト等での熱安定性、温度サイクル試験での良好な応力緩和性等の要請から、低弾性で低吸水性も有する接着シートが求められている。
【0005】
このような低弾性化と高耐熱性の要求を両立しうる接着シートの接着剤としては、主鎖にエポキシ基を導入したポリマーに、これと反応性を有する化合物を配合し、架橋・硬化反応させたものが知られている。前記エポキシ基を導入したポリマーとしては、特に、分子内にエポキシ基を有するエチレン系共重合体が接着性、低吸水性の点で好ましい。当該エチレン系共重合体を架橋・硬化には従来公知の反応が利用でき、その反応に供しうる化合物としては、例えばボンドファースト技術資料の5頁〔住友化学工業株式会社,1996年5月発行〕に記載されている。なかでも反応性の点からエポキシ樹脂、フェノール樹脂、酸無水物、カルボン酸類から選択された少なくとも1つが好適に用いられる。
【0006】
しかし、前記エチレン系共重合体に前記化合物を硬化剤として適用しても、耐熱性は十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のエチレン系共重合体を使用した反応性接着剤組成物および反応性接着シートが有していた前記のごとき問題点を解決して、優れた耐熱性を有し、また接着性、応力緩和性の良好な反応性接着剤組成物および反応性接着シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す接着剤組成物により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0009】
すなわち本発明は、分子内にエポキシ基を有するオレフィン系共重合体(a)、分子内にカルボキシル基を含有するオレフィン系共重合体(b)、及び芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体(c)を含有することを特徴とする反応性接着剤組成物、に関する。
【0010】
上記本発明の反応性接着剤組成物は、互いに反応性を有する官能基を分子内に含有するオレフィン系共重合体(a)とオレフィン系共重合体(b)をブレンドすることにより、加熱硬化時にオレフィン共重合体同士が架橋構造を形成する。その結果、接着性を損なうことなく優れた耐熱性が得られる。また従来、オレフィン系共重合体(a)の硬化剤に用いられている化合物は、殆どがその構造中に芳香環を有しているため、相溶性が悪く、経日で相分離または偏析等を起こし、貯蔵安定性に問題がったが、オレフィン系共重合体(b)は、オレフィン系共重合体(a)と極性の近い高分子材料同士であり貯蔵安定性にも優れる。
【0011】
前記反応性接着剤組成物において、オレフィン系共重合体(b)の使用量は、オレフィン系共重合体(a)100重量部に対して、5〜150重量部が好ましく、より好ましくは10〜100重量部、さらに好ましくは10〜50重量部である。5重量部未満であると耐熱性を十分に向上し難く、150重量部より多くなると接着性の点で好ましくない。
【0012】
前記反応性接着剤組成物は、芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体(c)を含有する。ブロック共重合体(c)により可撓性を付与できる。
【0013】
前記ブロック共重合体(c)の芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)の重量比が(c1)/(c2)=10/90〜40/60であることが好ましい。
【0014】
芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)の割合が少なくなると、接着剤組成物の流動性が低下し短時間の接着が困難になる場合があるため、芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)の割合は10重量%以上、さらには15重量%以上とするのが好ましい。一方、芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)の割合が多くなると、オレフィン系共重合体(a)、(b)との相溶性が悪くなる傾向があるため芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)の割合は40重量%以下、さらには30重量%以下とするのが好ましい。
【0015】
ブロック共重合体(c)の使用量は、オレフィン系共重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)の総量100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、5〜100重量部、さらには10〜50重量部、特に15〜30重量部が好ましい。5重量部以上で可撓性を付与効果がよくなる。100重量部より多くなると、接着性、耐熱性が低下する傾向がる。
【0016】
前記反応性接着剤組成物は、エポキシ樹脂及びその硬化剤を含有することができる。エポキシ樹脂により更に、耐熱性を向上できる。オレフィン系共重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)をブレンドしている本発明の反応性接着剤組成物は、エポキシ樹脂及びその硬化剤をある一定範囲まで添加しても、相分離または偏析等を起こすことなく貯蔵安定性に優れる。
【0017】
エポキシ樹脂及びその硬化剤の総量は、オレフィン系共重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)の総量100重量部に対して、200重量部以下が好ましく、10〜200重量部、20〜100重量部、さらには30〜60重量部とするのが好ましい。200重量部を超えると接着性が低下する傾向がある。また、耐熱性を向上させるには10重量部以上とするのが好ましい。
【0018】
前記本発明の反応性接着剤組成物は、エポキシ基の硬化促進剤をさらに含んでいてもよい。硬化促進剤の添加により、硬化開始温度を任意に設定でき、ポリエステル等の比較的耐熱温度が低い材料から、ポリイミド等の高耐熱材料の接着まで幅広い材料に対して使用することができる。
【0019】
また本発明は、基材の片面または両面に、前記反応性接着剤組成物から形成された接着層を有することを特徴とする反応性接着シートに関する。前記本発明の接着剤組成物を接着層とする反応性接着シートは、貯蔵安定性がよく、耐熱性、接着性、応力緩和性に優れる。また、本発明は前記反応性接着シートに形成された接着層を使用することにより組み立てられた電子部品に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物に用いられる、分子内にエポキシ基を含有するオレフィン系共重合体(a)は、たとえば、エチレンやプロピレンの重合体または共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体中に、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマーを共重合またはグラフト重合させたポリマーがあげられる。オレフィン系共重合体(a)は1種が単独でまたは2種以上が併用して用いられる。
【0021】
オレフィン系共重合体(a)は、エチレンやプロピレンのモノマーユニット含有量が少なくとも50重量%であり、またエポキシ基を有するモノマーのモノマーユニット含有量は2〜30重量%、さらには5〜15重量%であることが好ましい。2重量%未満であると接着性が乏しくなり、さらに架橋起点が少なく硬化後の耐熱性に劣る傾向がある。一方、30重量%より多くなると、硬化後の弾性率が大きくなり応力緩和性が低下する傾向にあり、また、エポキシ基の吸湿性のため、接着層の吸湿性も大きくなり、ハンダリフロー時に吸湿した水分の気化による蒸気圧により剥離が発生するという問題がある。
【0022】
オレフィン系共重合体(a)としては、エチレン系共重合体が好ましく。その具体例としては、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体等があげられる。このようなオレフィン系共重合体(a)は、たとえば、住友化学工業株式会社製のポンドファーストという商品群より入手できる。
【0023】
分子内にカルボキシル基を含有するオレフィン系共重合体(b)としては、たとえば、エチレンやプロピレンの重合体または共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体中に、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基を有する官能性モノマーを共重合またはグラフト重合させたポリマーが挙げられる。これらオレフィン系共重合体(b)は1種が単独でまたは2種以上が併用して用いられる。
【0024】
オレフィン系共重合体(b)は、エチレンやプロピレンのモノマーユニット含有量が少なくとも50重量%であり、またカルボキシル基を有するモノマーのモノマーユニット含有量は4〜30重量%、さらには10〜15重量%であることが好ましい。4重量%未満であると接着性が乏しくなり、さらに架橋起点が少なく硬化後の耐熱性に劣る傾向がある。一方、30重量%より多くなると、硬化後の弾性率が大きくなり応力緩和性が低下する傾向にあり、また、カルボキシル基の吸湿性のため、接着層の吸湿性も大きくなり、ハンダリフロー時に吸湿した水分の気化による蒸気圧により剥離が発生するという問題がある。
【0025】
このようなオレフィン系共重合体(b)としては、EAA、EMAA等として市販品で入手でき、例えば日本ポリケム株式会社よりノバテックEAA、ダウ・ケミカル日本株式会社よりプリマコール、三井・デュポンポリケミカル株式会社よりニュクレルという商品名で入手できる。
【0026】
本発明の接着剤組成物は、前記オレフィン系共重合体(a)、オレフィン系共重合体(b)を、通常、前記割合で含有し、さらに芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体(c)を含有する。
【0027】
ブロック共重合体(c)の芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)としては、スチレン重合体ブロックがあげられ、共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)としてはブタジエン重合体ブロックまたはイソプレン重合体ブロックがあげられる。ブロック共重合体(c)としては、SIS型、SBS型、SIBS型等のブロック共重合体を特に制限なく使用することができる。
【0028】
ブロック共重合体(c)としては、熱安定性が良好なことからブロック共重合体(c)の水素化物を用いるのが好ましい。なお、ブロック共重合体(c)の水素化は、オレフィン性不飽和二重結合を飽和する程度に行われる。水素化ブタジエン−スチレンブロツク共重合体はSEBSとして、水素化インプレン−スチレンブロック共重合体はSEPSとして市販品で入手できる。また本発明のブロック共重合体(c)は、マレイン酸、アクリル酸またはその無水物等によりカルボン酸変性されていてもよい。カルボン酸変性されているブロック共重合体(c)は、オレフィン系共重合体(a)との反応性を有し、耐熱性の点より好ましい。特に、本発明のブロック共重合体(b)としては、カルボン酸変性されているブロック共重合体(b)の水素化物が好適である。このような、ブロック共重合体(b)の市販品としてはタフテックMシリーズ(旭化成工業(株)社製)、クレイトンFG1901X(シェルジャパン(株)社製)等があげられる。
【0029】
また本発明の接着剤組成物にはエポキシ樹脂およびその硬化剤を配合できる。エポキシ樹脂としては、たとえば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等があげられる。
【0030】
エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、キシレン樹脂等のフェノール樹脂;無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸等の酸無水物;ピロメリット酸、トリメリット酸等のカルボン酸類及びビニルエーテルを付加したブロックカルボン酸類があげられる。
【0031】
さらに本発明の接着剤組成物には、エポキシ樹脂の硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤としては、各種イミダゾール系化合物及びその誘導体、アミン系触媒、りん系触媒、ジシアンジアミド、ヒドラジン化合物及びこれらをマイクロカプセル化したものが使用できる。このような硬化促進剤の配合量は、所望とする硬化速度より適宜選定できるが、通常接着剤組成物の固形分100重量部に対して10重量部以下である。好ましくは0.01〜10重量部程度、より好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
【0032】
さらに本発明の接着剤組成物には無機充填剤を含有することができる。無機充填剤を含有することにより線膨張率のコントロール、耐熱性の付与、導電性及び熱伝導性の付与等の効果があり好ましい。無機充填剤としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ホウ素、その他金属粉等があげられる。無機充填剤は、特に樹脂との相溶性、密着性向上の観点よりシランカップリング剤にて表面処理したものが好ましい。
【0033】
さらには、本発明の接着剤組成物には、接着シートの諸特性を劣化させない範囲で有機充填剤、顔料、老化防止剤、シランカップリング剤、粘着付与剤などの公知の各種の添加剤を、必要により添加することができる。
【0034】
本発明の接着シートは、基材上に、前記接着剤組成物による接着層を形成することにより作製する。接着層の形成は、無溶剤で接着剤組成物を混合・撹拌し、離型処理フィルムへ押出すホットメルトコーティング方法、溶剤へ接着剤組成物を溶解し離型処理フィルムへ塗布した後、溶剤を乾燥する方法、また接着剤組成物を水中または溶剤中にて高速撹拌し水分散体としたものを離型処理フィルムへ塗布し水分を乾燥する方法等が挙げられる。これらのなかでも低温にて接着シートを作成できるという点で溶剤を使用した作成方法が好ましい。
【0035】
前記溶剤としては特に限定はないが、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤が溶解性が良好であり好適に用いられる。離型処理フィルムとしては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド等のプラスチックフィルム及び、グラシン紙、ポリエチレンをラミネートした上質紙等にシリコーン、フッ素等の離型処理を施した剥離ライナが挙げられる。
【0036】
基材としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエ−テルケトン等のプラスチックフィルム基材及びその多孔質基材、セルロース、ポリアミド、ポリエステル、アラミド等の不織布基材、アルミ箔、SUS箔等の金属フィルム基材、スチールウール基材、金属メッシュ基材等が含まれる。基材として剥離性フィルムを用いる場合には、剥離性フィルムに形成した接着層を上記基材上に転写することもできる。
【0037】
反応性接着シートには、基材の片面または両面に接着層を設けることができる。また、得られた接着フィルムはシート状やテープ状などとして使用することができる。接着フィルムの接着層の厚さは、10〜200μm程度とするのが好ましい。
【0038】
このようにして得られる本発明の反応性接着シートは、電子部品固定用として使用したときの耐熱性、接着性に優れた接着層を有し、また相分離、樹脂の偏析等少なく経日での貯蔵安定性に優れる。
【0039】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0042】
実施例1
エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート3元共重合体(住友化学工業(株)製,ボンドファースト7M)、エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、ニュクレルN1560)、マレイン酸変性ブロック共重合体の水素化物(旭化成工業(株)製、タフテックM1943)をそれぞれ表1の組成比となるように配合し、濃度20重量%となるようにトルエン溶媒に80℃で溶解し、回転速度3000rpmのディスパーにて撹拌しながら室温まで冷却し、ディスパージョン溶液を得た。次いで、イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業(株)製、C11Z)を表1の組成比となるように配合して接着剤組成物の溶液を作成した。
【0043】
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に室温で塗布した後、120℃で3分間乾燥させることにより、厚さ50μmの熱硬化型接着剤の層を形成して、反応性接着シートを作成した。
【0044】
実施例2
エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート3元共重合体(住友化学工業(株)製,ボンドファースト7M)、エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、ニュクレルN1560)、マレイン酸変性ブロック共重合体の水素化物(旭化成工業(株)製、タフテックM1943)をそれぞれ表1の組成比となるように配合し、濃度20重量%となるようにトルエン溶媒に80℃で溶解し、回転速度3000rpmのディスパーにて撹拌しながら室温まで冷却し、ディスパージョン溶液を得た。次いで、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製,エピコート828)、フェノール樹脂(昭和高分子(株)製,ショーノールBRG−555)およびイミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業(株)製、C11Z)を表1の組成比となるように配合して接着剤組成物の溶液を作成した。
【0045】
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に室温で塗布した後、120℃で3分間乾燥させることにより、厚さ50μmの熱硬化型接着剤の層を形成して、反応性接着シートを作成した。
【0046】
比較例1
エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製、ニュクレルN1560)、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製,エピコート828)およびイミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業(株)製、C11Z)をそれぞれ表1の組成比となるように配合し、濃度20重量%となるように60℃のトルエン溶媒に溶解して接着剤組成物の溶液を作成した。
【0047】
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に60℃の雰囲気中で塗布した後、120℃で3分間乾燥させることにより、厚さ50μmの熱硬化型接着剤の層を形成して、反応性接着シートを作成した。
【0048】
比較例2
エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート3元共重合体(住友化学工業(株)製,ボンドファースト7M)、フェノール樹脂(昭和高分子(株)製,ショーノールBRG−555)およびイミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業(株)製、C11Z)をそれぞれ表1の組成比となるように配合し、濃度20重量%となるように室温でトルエン溶媒に溶解して接着剤組成物の溶液を作成した。
【0049】
この接着剤組成物の溶液を、剥離ライナとしてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に室温で塗布した後、120℃で3分間乾燥させることにより、厚さ50μmの熱硬化型接着剤の層を形成して、反応性接着シートを作成した。
【0050】
上記の実施例1〜2及び比較例1〜2の反応性接着シートについて、以下の方法により、接着力試験およびハンダ耐熱性試験を行った。これらの結果を表1に示す。
【0051】
<90°ピール接着強度>
幅10mm、長さ50mmの接着シートを、厚さが75μmのポリイミドフィルムに接着し、これをSUS(BA304)に接着した。このサンプルを200℃×1MPa×1秒のプレス条件で圧着し、150℃の熱風オーブン中で加熱処理により2時間硬化させた後、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気条件で30分放置後、23℃の雰囲気条件で、引張り速度50mm/minで90°方向に引張り、その中心値を90°ピール接着強度(N/cm)とした。
【0052】
<ハンダ耐熱性>
接着シートの接着層により、SUS(BA304)とポリイミドフィルム(75μm)とを、両者間に気泡が入らないように貼り合わせた。これを30mm角に切断したサンプルを、200℃×1MPa×1秒のプレス条件で圧着し、150℃の加熱処理により2時間硬化させた後、35℃/80%RHの加湿条件に168時間放置した後、SUS(BA304)を上にして、260℃に溶融したハンダ浴浮かせた状態で60秒間処理した。処理後のシート貼り合わせ状態を目視で観察し、接着剤の発泡と、接着異常(浮き、しわ、剥がれ、ずれ)の有無を判別し、○:変化・異常なし、×:変化・異常あり、と評価した。
【0053】
<貯蔵安定性>
接着シートを−30℃の雰囲気に500時間保存し、剥離ライナ面への樹脂の偏析及び層分離状態を目視にて観察した。○:変化・異常なし、×:剥離ライナの重剥離化・偏析あり、と評価した。
【0054】
【表1】
表1中、エチレン系共重合体(a):エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート3元共重合体(住友化学工業(株)製,ボンドファースト7M,グリシジルメタクリレート含有量6重量%,メチルアクリレート30重量%)であり、エチレン系共重合体(b):エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル(株)製,ニュクレルN1560,メタクリル酸のモノマーユニット15重量%含有)であり、ブロック共重合体(c):マレイン酸変性ブロック共重合体の水素化物(旭化成工業(株)製、タフテックM1943,芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)の重量比が(c1)/(c2)=20/80)であり、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製,エピコート828)であり、フェノール樹脂(昭和高分子(株)製,ショーノールBRG−555)であり、硬化促進剤:イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業(株)製、C11Z)である。
【0055】
上記の表1から明らかなように、本発明の実施例1〜2の各反応性接着シートは、接着性及び耐熱性に優れている。また貯蔵安定性にも優れている。これに対して比較例に示す、接着シートは耐熱性が不十分である。
Claims (8)
- 分子内にエポキシ基を有するオレフィン系共重合体(a)、分子内にカルボキシル基を含有するオレフィン系共重合体(b)、及び芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)を有するブロック共重合体(c)を含有することを特徴とする反応性接着剤組成物。
- オレフィン系共重合体(b)の使用量が、オレフィン系共重合体(a)100重量部に対して、5〜150重量部であることを特徴とする請求項1記載の反応性接着剤組成物。
- ブロック共重合体(c)の芳香族ビニル化合物重合体ブロック(c1)と共役ジエン系化合物重合体ブロック(c2)の重量比が(c1)/(c2)=10/90〜40/60であることを特徴とする請求項1または2に記載の反応性接着剤組成物。
- ブロック共重合体(c)の使用量が、オレフィン系共重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)の総量100重量部に対して、100重量部以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反応性接着剤組成物。
- さらにエポキシ樹脂及びその硬化剤を含有し、その総量が、オレフィン系共重合体(a)およびオレフィン系共重合体(b)の総量100重量部に対して、200重量部以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反応性接着剤組成物。
- エポキシ樹脂の硬化促進剤をさらに含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反応性接着剤組成物。
- 基材の片面または両面に、請求項1〜6のいずれかに記載の反応性接着剤組成物から形成された接着層を有することを特徴とする反応性接着シート。
- 請求項7記載の反応性接着シートに形成された接着層を使用することにより組み立てられた電子部品。
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