JP4085662B2 - レーザ光源、点灯制御方法、駆動回路、及び画像形成装置 - Google Patents

レーザ光源、点灯制御方法、駆動回路、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光源、点灯制御方法、駆動回路、及び画像形成装置に係わり、特に、レーザビームを出力する複数の発光点が設けられた単一のレーザ光源を備え、且つ前記複数の発光点から出力されたレーザビーム各々により感光体を走査露光して感光体上に静電潜像を形成する画像形成装置におけるレーザ光源、前記レーザ光源の点灯制御方法、この点灯制御方法を適用可能な駆動回路、及びこの点灯制御方法を適用可能な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザビームプリンタや複写機等の画像形成装置では、例えば図18に示すように、図中矢印A方向に回転すると共に帯電器100によって一様帯電された感光体101上を、図示しないレーザ光源やポリゴンミラー(回転多面鏡)102等を含んで構成された光走査装置(レーザ露光装置)104によって、レーザビーム106を所望の出力画像信号に応じて点滅させて露光することによりデジタル画像の静電潜像を感光体101上に形成し、これを現像器108により現像することで顕像化し、得られたトナー像を図中矢印B方向へ搬送される記録媒体110上に転写器112により転写し、定着器114により定着させるという、所謂電子写真方式によってデジタル画像を形成するのが一般的である。なお、感光体101上に残ったトナーは、クリーニング装置116によりクリーニングされる。
【0003】
静電潜像を感光体101上に形成させるための光走査装置104に用いられるレーザ光源としては、一般に半導体レーザ(レーザダイオード:LD)が用いられる。半導体レーザからは、形成すべき画像に応じて変調されたレーザビーム106が出力される。また、このようなレーザビームによる感光体101への画像の書き出しタイミングを得るために、ポリゴンミラー102で偏向されたレーザビーム106の走査光路上の画像書き出し側に図示しない受光素子(フォトダイオード)が設けられている。この受光素子上を通過したレーザビーム(SOS信号:Start Of Scan)を検出することで水平同期を取り、これにより画像の書き出しタイミングを決定している。さらに、レーザビーム106はポリゴンミラー102によって偏向されると共に、図示しない光学系によりビーム径や感光体101上における走査速度等が補正されて感光体101上に結像される。
【0004】
カラー画像を形成するカラーレーザビームプリンタ等のカラー画像形成装置としては、図19に示すように、帯電器100、感光体101、光走査装置104、現像器108、転写器112、及びクリーニング装置116で構成される画像形成部を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色分設け、これら画像形成部を搬送ベルト118の移動方向(図中矢印B方向)に沿って配置したもの(所謂タンデム型)が知られている。このようなカラー画像形成装置では、各色毎に、感光体101への帯電、露光、現像が施され、各感光体101に形成された各トナー像を記録媒体110へ順次各転写器112により転写し、その後定着器114で定着することによりカラー画像を形成している。
【0005】
このようなタンデム型のカラー画像形成装置では、光走査装置が4個必要となるため装置が大型化したり、各色用のレーザビームによる感光体への書き込み位置を正確に合せるための技術が必要であった。
【0006】
画像形成装置の大型化を防ぐため、例えば特開平10−20608号公報には、図20、21、22に示すような画像形成装置120、122、124が提案されている。
【0007】
図20に示す画像形成装置120は、Y、M、C、Kの画像データに基づいて変調された4本のレーザビームを出射する光走査装置11と、光走査装置11から出射された4本のレーザビームに対応して設けられ、該レーザビームによる露光により表面に静電潜像をそれぞれ形成する感光体ドラム32と、により構成されている。
【0008】
光走査装置11は、近接した4本のレーザビーム13を出射するマルチビームレーザアレイ(Quadレーザ)12と、マルチビームレーザアレイ12から出射された拡散する4本のレーザビームをそれぞれ平行ビームにするコリメータレンズ14と、コリメータレンズ14を通過した4本のレーザビームをそれぞれ副走査方向に集束させるシリンドリカルレンズ16と、シリンドリカルレンズ16を通過した4本のレーザビームを所定の方向に反射する反射ミラー18と、反射ミラー18で反射した4本のレーザビームを所定方向へ反射偏向するポリゴンミラー20と、ポリゴンミラー20で反射偏向した4本のレーザビームをそれぞれ主走査方向、及び副走査方向に集束させて感光体ドラム32の露光ライン上を等速度で走査させるfθレンズ22と、fθレンズ22を通過した4本のレーザビームを所定の方向に反射する反射ミラー24と、出射窓支持部材25上に支持され、反射ミラー24で反射した4本のレーザビームを感光体ドラム32の配列位置に応じた方向に分離する光分離多面鏡26と、光分離多面鏡26で分離された4本のレーザビームをそれぞれ対応する感光体ドラム32に導く最終ミラー(シリンドリカルミラー)28と、で構成されている。
【0009】
光分離多面鏡26は、入射する4本のレーザビームの中心を通り、これらのレーザビームの光軸と平行な面に関して対称な位置に、それぞれレーザビームの入射方向に対して互いに異なった所定の角度で2面ずつ配置させられ、入射した4本のレーザビームを4つの異なった方向に反射する反射面を有して構成されている。反射面の反射角は、感光体ドラム32の配列位置に応じて最終ミラー28の位置と含めてマルチビームレーザアレイ12から感光体ドラム32までの各光路長が等しくなるように設定される。
【0010】
最終ミラー28は、光分離多面鏡26に入射する4本のレーザビームの中心を通り、それらのレーザビームの光軸に平行な面に関して対称で、且つ、感光体ドラム32の配列位置に基づいて光分離多面鏡26の反射面の反射角との関係を含めてマルチビームレーザアレイ12から感光体ドラム32までの各光路長が等しくなるように設定された位置に配置されている。
【0011】
また、図20に示すように、マルチビームレーザアレイ12は制御装置15によって制御される。また、制御装置15は、図示しないAPC回路を含んでおり、マルチビームレーザアレイ12に設けられたレーザビーム13のバックビームを検知するための図示しないフォトダイオードの出力(レーザビームの光量)をモニタして、光量が予め定めた所定光量になるように光量調整する、所謂APC(Auto Power Control)制御を行うことができると共に、入力された画像信号に応じて各レーザビームのオンオフのタイミングを制御する。
【0012】
次に、図21に示す画像形成装置122について説明する。なお、図20に示した画像形成装置120と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0013】
画像形成装置122は、最終ミラー28を反射ミラーとし、最終ミラー28で反射したレーザビームをそれぞれ副走査方向に集束させるシリンドリカルレンズ30を備えている。
【0014】
次に、図22に示す画像形成装置124について説明する。なお、図20に示した画像形成装置120と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】
画像形成装置124は、感光体ドラム32が中間転写ドラム34上に配置されており、中間転写ドラム34の下方に転写ロール36が配置された構成である。
【0016】
また、特開平6−286226号公報にも、マルチビームレーザアレイを光源とする光走査装置を備えた画像形成装置が記載されている。
【0017】
これらの画像形成装置では、4本のレーザビームを出射するマルチビームレーザアレイ12からの各レーザビーム13を、Y(イエロー)色用、M(マゼンダ)色用、C(シアン)色用、K(ブラック)色用に各々割り当て、各レーザビームを各色毎に設けられた感光体ドラム32に略平行に入射させる事で、1つの光走査装置で4色分の画像を形成させている。また、これらの画像形成装置では、各色毎の感光体ドラム32に形成されたトナー像を順次中間転写体に重ね合わせた後、用紙上に一括して転写するため、高速かつコンパクトで安価な構成とすることができる。このようにマルチビームレーザアレイを光源として使用することにより、ポリゴンミラー等の光学部品を共通にして光走査装置を1つにすることができるため、装置をコンパクトに構成することができると共に、処理の高速化を図ることができる。
【0018】
ところで、一般的に、半導体レーザの特性として、半導体レーザに供給する駆動電流と出力光量との関係には以下のような関係がある。すなわち、駆動電流が所定の閾値電流Ith以下の場合にはレーザ発振せずLED発光し(LED発光領域:自然発光領域)、閾値電流Ithを超えた場合には駆動電流に略比例した出力光量でレーザ発振する(I−L特性)。
【0019】
このような半導体レーザを使用した画像形成装置では、前述したAPC制御を行うことにより、半導体レーザを所望の出力光量に調整する。すなわち、レーザビームのバックビームを検知するためのフォトダイオードの出力、すなわちレーザビームの光量に略比例した電流を電圧変換して得られるモニタ電圧と光量設定電圧とを比較し、モニタ電圧が光量設定電圧と一致するように駆動電流を制御することにより、所望の出力光量に調整する。このようなAPC制御を行うことにより、むらの少ない画像を得ることができる。
【0020】
また、半導体レーザは、前述のように、駆動電流値が所定のしきい値電流値Ith以上となった場合に該駆動電流値の大きさに応じた光量のレーザ光を出力するが、この駆動電流を通電し続けるとチップ自体が発熱し、出力光量が低下することが知られている。すなわち、通電による発熱でレーザの効率が低下する温度によるI−L特性シフトが生じる。したがって同一光量を連続的に得ようとするときは、駆動電流値を大きくしなければならない。
【0021】
一方、マルチビームレーザアレイは、通常数百μm(ミクロン)程の大きさ位の同一のレーザチップ上に、光を出力する複数の発光点を現在一般的なものでは10μmから100μm間隔で配列され、出力光量をモニタするためのPDは、該複数の発光点で共通に1つのみ設けられている。すなわち、マルチビームレーザアレイは、発光点は複数だがPDは1つだけであるので、画像形成装置では、各発光点毎に独立して光量調整を行うことが必要とされるが、同時に複数の発光点の光量調整を行うことはできない。このため、画像形成装置では、画像形成に際して、時系列的に各発光点を1つずつ点灯して当該発光点の光量調整を実施した後、画像形成を行うようになっている。
【0022】
マルチビームレーザアレイの場合は、各発光点が上記で説明したような半導体レーザと同様の出力特性を有し、各発光点の出力光量は他の発光点の点灯により発生する熱により影響を受けることになる。すなわち、マルチビームレーザアレイを使用する場合は、光量低下を引き起こす発光点が複数個存在するため、各発光点間の熱干渉(熱クロストーク)が問題となる。
【0023】
具体的に、4つの発光点が略直線上に配列されたマルチビームレーザアレイについて説明する。各発光点を一方の端部からCH1、CH2、CH3、CH4(図4(C)参照)とすると、図23に示すように、CH1についてAPC制御を行ってCH1の出力光量が所定光量になるように調整した後(T1の期間)、CH1を該所定光量にて連続点灯しているときに(T2の期間)、CH2が点灯されると、CH2の発光による発熱によりCH1の発光量がΔAだけ低下する(T3の期間)。同様に、CH1の発光量は、さらにCH3の点灯が加わるとCH3の発光による発熱によりさらにΔBだけ低下し(T4の期間)、さらにCH4の点灯が加わるとさらにΔCだけ低下する(T5の期間)。このような光量の低下が他の発光点にも発生し、所謂熱クロストークが発生する。
【0024】
この熱クロストークによる光量低下量は、熱源となる他の発光点との距離が近い程大きい。マルチビームレーザアレイ12では、内側の発光点であるCH2,CH3から出射されるレーザビームは、外側の発光点であるCH1,CH4から出射されるレーザビームと比較して両側に熱源となる発光点を有するため熱干渉による光量変動が大きくなる。
【0025】
これは、両側に発光点を有するCH2、CH3は、片側にしか発光点を有さないCH1、CH4に比べて、隣り合う発光点による発熱の影響を多く受けると共に、発生した熱が逃げにくいためである。これにより、CH2,CH3は、CH1,CH4と比べて熱クロストークによる光量変動が大きくなる。
【0026】
このようなマルチビームレーザアレイにおける熱クロストークによる光量変動を防止するための技術として、特開平9−214697号公報には、レーザチップ内の隣接しない点灯順序により、順次光量調整することで、光量調整時のレーザチップの発熱による熱クロストークの影響を低減する技術がある。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画像形成時は、プリントスピードの高速化のためにYMCKの各色成分の画像の書き込みが同時に並行して行われるため、複数の発光点が同時に点灯されることがあり、従来技術は、発光点を1つずつ点灯して各発光点の光量調整を行う際の光量調整時の熱クロストークの影響を除去するものであり、画像形成時の複数の発光点の同時点灯による熱クロストークには対応できなかった。
【0028】
以下、この複数の発光点の同時点灯による熱クロストークについて詳しく説明する。図24に、レーザビームの点灯数と規格化出力光量比との関係を示す。図24に示す規格化光量比は、レーザアレイ光源のパッケージ温度が約25°Cの場合において、各レーザビームの出射出力光量を一定に合せたときの光量を1とし、点灯数を増加させた時のレーザ出射出力光量の比率を表したものである。図24から明らかなように、レーザビームの点灯数に比例して光量が低下するのが判る。
【0029】
また、図25に、レーザの光量変動ΔP(%)と濃度差ΔDとの関係を示す。図25から明らかなように、光量変動ΔPと濃度差ΔDとは比例関係にあり、光量変動ΔPが大きくなるに従って濃度差ΔDも大きくなるのが判る。
【0030】
すなわち、事前に正確に光量調整を行っていても、画像形成時に同時に複数の発光点が点灯されると、その点灯本数や点灯時間等により、レーザチップ内で発熱による熱クロストークが発生するため、出力光量が低下し、所望の出力光量を得ることができなくなってしまう。このような画像形成時の熱クロストークによる光量低下は、出力画像上に濃度変動となってあらわれ、特に、前述したように内側と外側の発光点とでは光量低下量が異なるため、カラー画像の場合は色味が変化してしまい、所望の出力画像が得られなくなってしまうという問題があった。
【0031】
また、近年の画像形成装置の高画質化に伴って、より豊かな階調性を得るために、光走査装置の出射レーザビームのパワーレンジを広くとる、すなわちより広い出射パワーのダイナミックレンジを確保することが求められ、出射パワーの保証最低光量は低くなる傾向にあるが、マルチビームレーザアレイでは、出射パワーを低くしていくと、熱クロストークの出射光量への寄与率が大きくなる傾向があることが知られている。
【0032】
図26に、マルチビームレーザアレイのレーザ出射光量(mW)と光量変動ΔP(%)との関係を示す。なお、図26に示す光量変動ΔPは、周波数600Hzでデューティを10%、90%にしてパルス点灯させ、レーザアレイ光源のパッケージ温度が約60°Cの場合において、デューティ90%で点灯した時の収束光量とデューティ10%で点灯した時のピーク光量との比で、通称ドループと呼ばれている光量変化である。図26から明らかなように、各レーザの出射光量が低下するに従って光量変動ΔP、すなわち熱クロストーク量が急激に増加するのが判る。
【0033】
すなわち、階調性を得ようとする場合、低濃度になる程、熱クロストークの影響が大きくなってしまい、リニアな階調特性が得られなくなってしまう。このような熱クロストークの影響を少なくしようとすると、逆にダイナミックレンジが確保できず豊かな階調性を得ることができないということになる。
【0034】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、マルチビームレーザアレイを使用する画像形成装置において、熱クロストークの影響による出力画像の濃度変動を目立たなくすることができると共に、ダイナミックレンジを広くすることが可能な点灯制御方法、駆動回路、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、感光体を走査露光する際に用いられ、Y色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するY色用の発光点、M色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するM色用の発光点、C色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するC色用の発光点、及びK色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するK色用の発光点が前記レーザビームの出力方向と交差した所定方向に沿って配置された単一のレーザ光源であって、濃度変動に対する人間の相対感度が低い前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点が前記所定方向の外側になるように、相対感度の高い前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点が前記所定方向の内側になるように配置した、ことを特徴としている。また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載のレーザ光源の点灯制御方法であって、記発光点各々に対して、点灯開始時の出力光量を、自動的に光量を制御する場合の設定出力光量よりも高くし、且つ前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点の方が、前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点よりも、前記点灯開始時の出力光量が高くなるように、各々対応する発光点の出力波形を制御する、ことを特徴としている。
【0036】
請求項に記載の発明によれば、Y色用の発光点、M色用の発光点、C色用の発光点、及びK色用の発光点がレーザビームの出力方向と交差した所定方向に沿って配置された単一のレーザ光源を光源として用いて画像を形成する際に、発光点の各々に対して、点灯開始時の出力光量を、自動的に光量を制御する場合の設定出力光量よりも高くし、且つY色用の発光点及びK色用の発光点の方が、M色用の発光点及びC色用の発光点よりも、点灯開始時の出力光量が高くなるように、各々対応する発光点の出力波形を制御する。したがって、発光点の各々が同時に点灯されて、熱クロストークにより出力光量が低下してしまっても、該低下分を例えば点灯開始時の光量により補うように光出力波形を変えることができ、従来よりも熱クロストークの影響による出力画像の濃度変動を目立たなくすることができる。また、熱クロストークの影響を低減できるので、低出力側にパワーレンジを広げても、熱クロストークによる濃度変動を目立たせなくなり、従来よりもダイナミックレンジを広げることができる。
【0037】
なお、画像形成装置では、前述したように一般にAPC制御が行われるが、APC制御は所定期間点灯し続けて行われるため、このように点灯開始時のみ出力光量を変化させることによるAPC制御結果への影響はなく、本発明を適用可能であることは言うまでもない。
【0038】
請求項に記載の発明は、請求項1記載のレーザ光源を駆動する駆動回路であって、前記発光点各々に対して、点灯開始時の出力光量を、自動的に光量を制御する場合の設定出力光量よりも高くし、且つ前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点の方が、前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点よりも、前記点灯開始時の出力光量が高くなるように、各々対応する発光点の出力波形を整形する波形整形手段を備えた、ことを特徴としている。
【0039】
請求項に記載の発明によれば、発光点の各々がレーザビームの出力方向と交差した所定方向に沿って配置された単一のレーザ光源を駆動するために、発光点各々に対して波形整形手段が設けられており、この波形整形手段により、点灯開始時の出力光量を、自動的に光量を制御する場合の設定出力光量よりも高くし且つY色用の発光点及びK色用の発光点の方が、M色用の発光点及びC色用の発光点よりも、点灯開始時の出力光量が高くなるように、各々対応する発光点の出力波形が整形される。すなわち、発光点の各々について、発光点の各々が同時に点灯されて、熱クロストークにより出力光量が低下してしまっても、波形整形手段により該低下分を例えば点灯開始時の光量により補うように光出力波形を整形することができる。したがって、前記単一のレーザ光源を用いて感光体を走査露光して画像を形成した際に、従来よりも熱クロストークの影響による出力画像の濃度変動を目立たなくすることができる。また、熱クロストークの影響を低減できるので、低出力側にパワーレンジを広げても、熱クロストークによる濃度変動を目立たせなくなり、従来よりもダイナミックレンジを広げることができる。
【0042】
これは、例えば、請求項に記載されているように、前記波形整形手段が、前記点灯開始時の出力光量が高くなるように前記出力波形にオーバーシュートを発生させるオーバーシュート回路を備え、前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点の光出力波形のオーバーシュート量を前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点の光出力波形のオーバーシュート量よりも大きくすることで実現可能である。また、請求項に記載されているように、前記発光点の各々に対して該発光点の点灯開始前からレーザ発振電流以下のバイアス電流を予め印加するためのバイアス電流源を備え、前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点に印加するバイアス電流値を前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点に印加するバイアス電流値よりも大きくすることでも実現可能である。
【0043】
請求項に記載の発明は、請求項1記載のレーザ光源を備えた光走査装置によって、前記4つの発光点から出力されたレーザビーム各々により感光体を走査露光して感光体上に静電潜像を形成する画像形成装置である。また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置であって、前記レーザ光源の駆動を、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の駆動回路により制御する、ことを特徴とするものである。
【0044】
請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、レーザビームを出力する複数の発光点が設けられた単一のレーザ光源を駆動するために上記の駆動回路が用いるので、従来よりも熱クロストークの影響による出力画像の濃度変動を目立たなくすることができる。また、熱クロストークの影響を低減できるので、低出力側にパワーレンジを広げても、熱クロストークによる濃度変動を目立たせなくなり、従来よりもダイナミックレンジを広げることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。
【0046】
[概略構成]
図1には、本実施形態に係る画像形成装置10の概略構成が示されている。図1に示すように、画像形成装置10は、Y、M、C、Kの画像データに基づいて変調された4本のレーザビームを出射する光走査装置11、光走査装置11を制御する制御装置15、C色用のレーザビームを検出するためのSOSセンサ17、該SOSセンサ17からのSOS信号に基づいて各色画像の画像書き出しタイミングを決定するためのタイミング信号を出力するタイミング信号発生回路19、光走査装置11から出射された4本のレーザビームに対応して設けられ、該レーザビームによる露光により表面に静電潜像をそれぞれ形成する4個の感光体ドラム32、Y色用及びM色用の感光体ドラム32に各々形成された色画像、C色用及びK色用の感光体ドラム32に各々形成された色画像を転写するための2個の中間転写ロール33、該2個の中間転写ロール33に各々形成されたY色画像及びM色画像が重ね合された色画像とC色画像及びK色画像が重ね合された色画像とを転写するための中間転写ドラム34、及び中間転写ドラム34上に形成されたY色画像、M色画像、C色画像、及びK色画像が重ね合されたカラー画像を記録媒体に転写するための転写ロール36により構成されている。
【0047】
光走査装置11は、近接した4本のレーザビーム13を出射するマルチビームレーザアレイ12と、マルチビームレーザアレイ12から出射された4本のレーザビームをそれぞれ平行光化にするコリメータレンズ14と、コリメータレンズ14を通過した4本のレーザビームをそれぞれ副走査方向に集束させるシリンドリカルレンズ16と、シリンドリカルレンズ16を通過した4本のレーザビームを所定の方向に反射する反射ミラー18と、反射ミラー18で反射した4本のレーザビームを所定方向へ反射偏向するポリゴンミラー20と、ポリゴンミラー20で反射偏向した4本のレーザビームをそれぞれ主走査方向、及び副走査方向に集束させて感光体ドラム32の露光ライン上を等速度で走査させるfθレンズ22と、fθレンズ22を通過した4本のレーザビームを所定の方向に反射する反射ミラー24と、反射ミラー24で反射した4本のレーザビームを感光体ドラム32の配列位置に応じた方向に分離する光分離多面鏡26と、光分離多面鏡26で分離された4本のレーザビームを反射する反射ミラー27と、反射ミラー27で反射されたレーザビームをそれぞれ対応する感光体ドラム32に導く最終ミラー(シリンドリカルミラー)28と、C色用のレーザビームをSOSセンサ17へ導くためのピックアップミラー38と、で構成されている。
【0048】
光分離多面鏡26は、入射する4本のレーザビームの中心を通り、これらのレーザビームの光軸と平行な面に関して対称な位置に、それぞれレーザビームの入射方向に対して互いに異なった所定の角度で2面ずつ配置させられ、入射した4本のレーザビームを4つの異なった方向に反射する反射面を有して構成されている。反射面の反射角は、感光体ドラム32の配列位置に応じて最終ミラー28の位置と含めてマルチビームレーザアレイ12から感光体ドラム32までの各光路長が等しくなるように設定される。
【0049】
最終ミラー28は、光分離多面鏡26に入射する4本のレーザビームの中心を通り、それらのレーザビームの光軸に平行な面に関して対称で、且つ、感光体ドラム32の配列位置に基づいて光分離多面鏡26の反射面の反射角との関係を含めてマルチビームレーザアレイ12から感光体ドラム32までの各光路長が等しくなるように設定された位置に配置されている。
【0050】
図2には、光走査装置11の走査光学系の光軸を含む平面における展開図が示されている。ここで、図2(A)は副走査方向の展開図に対応し、マルチビームレーザアレイ12から出射されたレーザビームは、コリメータレンズ14、及びシリンドリカルレンズ16によりポリゴンミラー20上で集束し、次いでfθレンズ22により光分離多面鏡26の反射面上で集束し、更に最終ミラー28により感光体ドラム32上で集束する。即ち、副走査方向では、マルチビームレーザアレイ12の出射面とポリゴンミラー20、また、ポリゴンミラー20と光分離多面鏡26、更に、光分離多面鏡26と感光体ドラム32のドラム面が光学的に共役関係になっている。
【0051】
一方、図2(B)は主走査方向の展開図に対応し、マルチビームレーザアレイ12から出射されたレーザビームは、コリメータレンズ14により平行ビームにされ、次いでfθレンズ22により感光体ドラム32上に結像される。
【0052】
以上の構成において、マルチビームレーザアレイ12からY、M、C、Kの画像データに基づいて変調された4本のレーザビームが出射されると、コリメータレンズ14により平行ビームにされた後、シリンドリカルレンズ16により副走査方向に集束され、更にポリゴンミラー20で反射偏向される。反射偏向された4本の偏向ビームはfθレンズ22により主走査方向、及び副走査方向にそれぞれ集束され、反射ミラー24により光分離多面鏡26に導かれ、そこで感光体ドラム32の配列位置に応じた方向に分離される。分離された4本のレーザビームはそれぞれ対応する感光体ドラム32に導く最終ミラー28で反射され、予め帯電を受けて回転する感光体ドラム32を露光して、感光体ドラム32の表面に静電潜像を形成する。
【0053】
[マルチビームレーザアレイの詳細構成]
次に、マルチビームレーザアレイ12について説明する。マルチビームレーザアレイ12としては、図3に示すような一般的なT0管タイプパッケージのものを用いることができる。
【0054】
詳しくは、図3(B)に示すように、マルチビームレーザアレイ12は、レーザアレイ40がステム74上に設けられ、これが図3(A)に示すようなウィンドウキャップ72でパッケージングされた構成となっている。ウィンドウキャップ72の上部には、窓部76が設けられており、この窓部76に対応するウィンドウキャップ72の内側には、ガラス78が封止接着剤80により接着されている。図4(A)に示すように、窓部76から4本のレーザビーム13が出射される。
【0055】
また、ステム74には、レーザアレイチップ48から出射されるレーザビームのバックビームを光量検知するためのフォトダイオード82が実装され、レーザアレイチップ48が表面実装されたサブマウント44にヒートシンク42が表面実装されている。また、サブマウント44上に形成された引き出しパターン電極と外部電極62、レーザアレイチップ48のn電極とグランド電極63、フォトダイオード82と外部電極65は、例えば金線ボンデイングにより各々電気的に接続されている。ウィンドウキャップ72は、電気溶接によりステム74に接続されている。なお、フォトダイオード82は、入射したレーザビームが反射して戻らないように、図3(B)に示すように所定角度で傾斜して配置してある。
【0056】
レーザアレイチップ48は、図4(B)に示すように、n層84、活性層86、及びp層88が積層された構成となっている。図4(C)に示すように、n層84は、n型基板層84A及びnクラッド層84Bが積層されてなり、p層88は、pクラッド層88A、電流搾取層88B、及び個別P電極層88Cが積層されて成る。活性層86には、レーザビーム13の射出方向と直交する方向(図4(C)において左右方向)に沿って4つの発光点90が配置されており、各発光点90間には、p層88からトレンチ(溝)92が各々形成されている。
【0057】
このように上記ではカソードコモンタイプのマルチビームレーザアレイを示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アノードコモンタイプのマルチビームレーザアレイで構成してもよい。
【0058】
ところで、上記構成のマルチビームレーザアレイにおける各発光点90に対する色の割当については、具体的に、本実施の形態では、図4(C)に示した4つの発光点90を左側からCH1、CH2、CH3、CH4として、CH1に人間の色に対する相対感度が最も高いM色を、CH4に相対感度が次に高いC色を割り当て、CH2に相対感度が低いK色を、CH3に相対感度が低いY色をそれぞれ割り当てている。これにより、図2(A)において、マルチビームレーザアレイ12の上側から順にCH1、CH2、CH3、CH4と配置されているとすると、上側から順にM色、K色、Y色、C色の画像形成用のレーザビームが出射される。ポリゴンミラー20へ入射されるレーザビームの位置は、コリメータレンズ14によって上下逆転されるため、上側から順にC色、Y色、K色、M色となる。このため、図1に示すように、記録媒体35の搬送方向上流側から順にY色用の感光体ドラム32、M色用の感光体ドラム32、C色用の感光体ドラム32、K色用の感光体ドラム32が配置されることとなる。
【0059】
このように、CH1、CH4に相対感度が高いM色、C色を、CH2、CH3に相対感度が低いY色、K色をそれぞれ割り当てることにより、熱クロストークにより光量低下が発生した場合でも、相対感度が高いM色、C色の色画像に対応するレーザビームが熱クロストークの影響を受けにくい両側の発光点から各々出射され、相対感度が低いK色、Y色の色画像に対応するレーザビームが熱クロストークの影響を受けやすい内側の発光点から各々出射されるため、たとえ熱クロストークにより光量低下が発生したとしても、該熱クロストークの影響による濃度変動を目立たなくすることができる。
【0060】
なお、全てのレーザビームを同一の設定光量で発光させた場合は、本実施形態では、光走査装置を、単一のポリゴンミラー及び単一のfθレンズを用いた構成とし、さらに各反射ミラー等の数も各色で同一となっているため、各色のレーザビームの出力パワーはほぼ同一となる。
【0061】
なお、CH1にC色を、CH4にM色を割り当て、CH2にY色を、CH3にK色をそれぞれ割り当てるようにしてもよい。
【0062】
[マルチビームレーザアレイの制御系]
次に、マルチビームレーザアレイ12の駆動を制御する制御系について説明する。マルチビームレーザアレイ12は、図1、図5に示すように、駆動回路200を介して制御装置15と接続されており、駆動回路200は、制御装置15からの制御信号に基づいて、マルチビームレーザアレイ12の4つの発光点90各々を点灯させるための駆動電流をマルチビームレーザアレイ12に供給するようになっている。すなわちマルチビームレーザアレイ12の各発光点90の点灯は制御装置15によって制御されている。
【0063】
詳しくは、制御装置15は、YMCKの各色毎に、当該色画像に対応する画像信号、光量調整を指示する光量調整信号、光量調整のための点灯を指示する強制点灯信号、及び光量制御の目標値となる光量設定電圧を制御信号として駆動電流生成回路202へ出力する。
【0064】
駆動回路200は、各発光点90に供給する駆動電流を生成するための駆動電流生成回路202と、各発光点90毎に設けられ、駆動電流生成回路202で当該発光点90のために生成された駆動電流の電流値(電流波形)を変更して、当該発光点90の光出力波形を所望の形状に整形する波形整形手段としての波形整形回路204とを備えている。
【0065】
駆動電流生成回路202は、各発光点90毎に、図6に示すような構成、すなわちバイアス電流源206、スイッチング電流源208、スイッチング回路210、比較回路212、及びS/H回路214を備えている。
【0066】
バイアス電流源206は、レーザが発振する閾値電流以下の所定電流値のバイアス電流を対応する発光点90に供給するためのものであり、スイッチング電流源208は、所定電流値のスイッチング電流を供給するためのものである。バイアス電流源206の出力は、スイッチング回路210を介してスイッチング電流源208の出力と接続されている。
【0067】
スイッチング回路210には、制御信号からSOS前点灯信号、強制点灯信号、画像信号といった対応する発光点90の点灯を指示する信号が入力されるようになっており、スイッチング電流源208は、この入力信号に基づいて、スイッチング電流源208からのスイッチング電流をバイアス電流源206の出力側へ出力するか否かを切替えるようになっている。すなわち、発光点90を点灯させるときのみ、スイッチング回路210を介してスイッチング電流源208からスイッチング電流が出力され、バイアス電流源206からのバイアス電流と足し合わせられて、駆動電流として駆動電流生成回路202から出力されるようになっている。
【0068】
スイッチング電流の電流値(スイッチング電流値)については、バイアス電流との和によって、閾値電流を超え、且つ対応する発光点90から所定の出力光量が得られるように設定されている。このスイッチング電流値の設定は、比較回路212及びS/H回路214の動作により行われるようになっている。
【0069】
詳しくは、比較回路212には、フォトダイオード82からのモニタ電流が電流電圧変換回路(図示省略)によりモニタ電圧に変換されて入力されると共に、制御装置15からの光量設定電圧も入力される。比較回路212では、モニタ電圧と光量設定電圧とを比較し、該比較結果を示す信号をS/H回路214へ出力する。
【0070】
S/H回路214は、スイッチング電流源208と接続され、比較回路212からの比較結果に基づいて、スイッチング電流源208のスイッチング電流値を変化させ、モニタ電圧が光量設定電圧と略一致するようなスイッチング電流を生成するようになっている。
【0071】
また、このS/H回路214には、制御装置15からの光量調整信号が入力されるようになっており、該入力信号により光量調整が指示されている場合のみ、上記の如くスイッチング電流値を変化させてスイッチング電流値を調整し、それ以外の場合は調整後の状態を保持するようになっている。
【0072】
このように構成された駆動電流生成回路202に対して、制御装置15は、APC制御時には、マルチビームレーザアレイ12の各発光点90それぞれについて時系列に時間をずらして、光量調整を指示する光量調整信号、光量調整のための点灯を指示する強制点灯信号、及び光量設定電圧を駆動電流生成回路202へ出力する。これにより、駆動電流生成回路202では、マルチビームレーザアレイ12の各発光点90(CH1〜4)それぞれについて、時系列に、バイアス電流とスイッチング電流の和を駆動電流として供給して各発光点90を1つずつ点灯させ、フォトダイオード82からのモニタ電流を電圧変換して出力光量を示すモニタ電圧に変換すると共に、このモニタ電圧と光量設定電圧と比較して、該光量設定電圧で設定されている光量となるように当該発光点90に供給するスイッチング電流値を変化させることで駆動電流値を調整する。
【0073】
また、制御装置15は、SOSセンサ17にレーザビームが入射して得られたSOS信号に基づいてタイミング信号発生回路19で生成された各色の画像の書出しタイミングを決定するための信号(M−TOP、Y−TOP、K−TOP、C−TOP信号)が入力されるようになっている。制御装置15は、画像形成時は、このタイミング信号発生回路19からの入力信号と同期して、各色画像に対応する画像信号を駆動電流生成回路202へ出力する。これにより、駆動電流生成回路202では、マルチビームレーザアレイ12の各発光点90それぞれについて、各色画像に対応する画像信号に基づいて、APC制御により調整後の駆動電流の供給をON/OFF切換える。これにより、各CHの発光点90は、各々対応する色の画像信号に基づくタイミングで且つ光量設定電圧の値に応じた光量で発光する。
【0074】
また、駆動電流生成回路202から出力された各発光点90の駆動電流は、波形整形回路204を介して、対応する発光点90へと供給されるようになっている。
【0075】
この波形整形回路204は、詳しくは、駆動電流生成回路202においてスイッチング回路210がONされた直後、すなわち供給開始直後の駆動電流値を意図的に大きくし、レーザの光出力波形にオーバーシュートを発生させる、つまり、LD点灯開始時の立ち上がりの光強度を定常点灯時よりも強くするためのものである。このような波形整形回路204は、従来の画像形成装置にも出力画像の縦横比を改善するために用いるものもある(特開2001−96794号公報参照)。
【0076】
詳しくは、図7(A)に示すように、画像形成装置の出力画像の縦横比の理想値(正常値)は1、すなわち、同じドット数のラインを縦方向(副走査方向)に描いても、横方向(主走査方向)に描いても、同じ太さになるのが理想状態(正常状態)であるが、図7(B)に示すように、一般に、PWM方式(Pulse Width Modulation)による画像形成では、横方向に描かれるライン(横ライン)の太さは、主に副走査方向のレーザビーム径(図7(C)参照)に依存する。これに対して、縦方向に描かれるライン(縦ライン)の太さは、主にLDの点灯時間に依存し、1ドットの点灯時間は、高解像度化に伴って短くなる。
【0077】
詳しくは、図8に示すように、レーザビームの点灯をONして(A)、感光体にレーザビームを走査露光すると(B)、理想的な矩形波上の光出力波形でLDが駆動された場合、LD点灯開始位置近傍の感光体の露光量は、所定の露光量よりも低くなる(C)。露光量が少ないと、感光体に形成される潜像が浅くなり、付着するトナー量が印字に必要なトナー量より足りなくなるので(D)、特にLDの短時間点灯させて形成される縦ラインが横ラインに比べて細くなってしまう。
【0078】
このように感光体の露光量によって形成される潜像の状態が異なることを逆に利用して、波形整形回路204によりLD点灯開始時の立ち上がりの光強度を定常よりも強くして露光することにより、従来では浅く狭い潜像しか形成することができなかったものを、深く広い潜像にすることを可能とし、縦横比の改善を図っていた。
【0079】
本実施の形態では、このような波形整形回路204を各発光点90毎に設け、波形整形回路204各々におけるオーバーシュート量を制御することにより、各発光点90の熱クロストークによる光量変動分を補って、発光点間の熱クロストークによる光量変動量の差異を低減するために用いるようになっている。言いかえると、発光点90毎に波形整形回路204を設けたことで、各発光点90毎にオーバーシュート量を設定することが容易に行える。
【0080】
詳しくは、図9に示されているように、熱クロストークによる光量低下分を考慮して、熱クロストークによる光量低下量が大きい内側の発光点の方が、熱クロストークによる光量低下量が小さい外側の発光点よりもオーバーシュート量が大きくなるように、各々対応する発光点90の位置に応じて各波形整形回路204におけるオーバーシュート量が設定されている。
【0081】
具体的に、CH1、CH2、CH3、CH4に接続された波形整形回路を波形整形回路204A、220B、220C、220Dとすると、波形整形回路204B、220Cが図9(A)、出力波形、波形整形回路204A、220Dが図9(B)のような光出力波形が得られるように、すなわち波形整形回路204B、220Cの方が波形整形回路204A、220Dよりもオーバーシュート量が相対的に大きくなるように設定されている。したがって、CH1,CH4から出射されるレーザビームよりもCH2,CH3から出射されるレーザビームの方がオーバーシュート時の光強度が強くなる。
【0082】
このような波形整形回路204は、例えば、図10に示すように抵抗RとコンデンサCにより構成された従来公知のスナバ回路230や、図11に示すようにインダクタンスLと抵抗R、コンデンサCにより構成されたRLCによるオーバーシュート回路232を用いることで実現でき、オーバーシュート量についてはスナバ定数やRLCのオーバーシュート回路定数により設定することができる。すなわち、各発光点90の熱クロストークによる光量変動に応じて、該光量変動量を補い且つ発光点間の光量変動量の差異を低減するように、スナバ定数やオーバーシュート回路定数を設定すればよい。
【0083】
なお、レーザ駆動電流の流れる信号ラインの基板上の長さ等により、光出力波形が若干異なることがあるが、ライン長をできるだけ短く、ほぼ同一となるようにパターンを引くことにより、同一のスナバ定数、あるいは、オーバーシュート回路定数を設定すれば、ビーム毎にほぼ同一の光出力波形を得ることが可能である。
【0084】
[出力調整回路の構成例]
図12〜図16に波形整形回路204の具体的な構成例を示す。なお、マルチビームレーザアレイ12の各発光点90に設けられる波形整形回路204は、それぞれ同様の回路構成でよいため、図12〜図16では、1つの発光点90に対応する回路構成のみを示し、他の発光点に対する回路構成は省略する。
【0085】
図12は、スナバ回路230を用いる場合の波形整形回路204の回路構成例である。なお、本例では、駆動電流生成回路202として電流を引き込むタイプを使用している。これは、レーザ駆動電流を押し出すタイプの駆動電流生成回路202よりも、高速対応可能であるためである。
【0086】
図12に示す波形整形回路204は、スナバ回路230及び極性反転回路234を備えて構成されており、マルチビームレーザアレイ12の発光点90へ供給される駆動電流は、極性反転回路234によってマルチビームレーザアレイ12として使用しているQUADレーザの極性に合わせられ、スナバ回路230によってオーバーシュートが発生されるようになっている。このようなスナバ回路230を備えた波形整形回路204を発光点毎に設けることにより、マルチビームレーザアレイ12の各発光点90からの光出力波形の整形が可能となる。
【0087】
図13は、オーバーシュート回路232を用いる場合の波形整形回路204の回路構成例である。図13に示す波形整形回路204では、図12のスナバ回路230に代えて、オーバーシュート回路232がレーザ駆動電流ラインに設けられて構成されており、オーバーシュート回路232によって駆動電流にオーバーシュートを発生させることができる。したがって、このようなオーバーシュート回路232を備えた波形整形回路204を発光点毎に設けることによっても、マルチビームレーザアレイ12の各発光点90からの光出力波形を整形することが可能となる。
【0088】
図14は、レーザ駆動電流を押し出すタイプの駆動電流生成回路202を使用する場合に、スナバ回路230を用いた場合の波形整形回路204の回路構成例であり、この場合、極性反転回路234を省略できる。図15もレーザ駆動電流を押し出すタイプの駆動電流生成回路202を使用する場合に、スナバ回路230を用いた場合の波形整形回路204の回路構成例であり、駆動電流生成回路202では、負荷抵抗ROに流れる電流をON/OFFスイッチングすることで、発光点90への駆動電流の供給をOFF/ONし、発光点90を消灯/点灯するようになっている。
【0089】
図16は、電流引き込みタイプの駆動電流生成回路202を使用する場合に、スナバ回路230を用いた場合の波形整形回路204の別の回路構成例である。図16に示す波形整形回路204では、スナバ回路230によって駆動電流にオーバーシュートを発生させて光出力波形を整形すると共に、極性反転回路234によって高速化を実現しつつ、レーザとの極性を合せるようになっている。
【0090】
上記例に示したように、スナバ回路230又はオーバーシュート回路232を備えた波形整形回路204では極性反転回路234を追加することにより、極性を反転させることが可能となる。すなわち、駆動電流生成回路202とレーザの極性が合わなければ、極性反転回路234を設けるだけで対応可能であり、マルチビームレーザアレイ12としてカソードコモンタイプのものでも、カソードコモンタイプとは逆の極性であるアノードコモンタイプのものでも使用可能である。
【0091】
[作用]
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0092】
制御装置15に対して形成すべき画像の画像信号が出力され、画像形成命令が発生すると、制御装置15は駆動回路200に対して制御信号を出力することによって、マルチビームレーザアレイ12に対してAPC制御を行い、設定光量になるように各レーザビームの光量を調整する。
【0093】
ここで、フォトダイオード82は図3に示すように1つしかないため、各CHについて時系列的に順次設定する必要がある。まず、図17に示すように、CH1のレーザビーム、すなわちM色の画像形成用のレーザビームをt1〜t2の間強制点灯させる。なお、最初はレーザ保護のため、光量設定電圧の値はレーザが発光しない値としておき、駆動回路200の駆動電流生成回路202では、フォトダイオード82からの出力電流を電圧に変換したモニタ電圧(モニタ光量)を監視しながらS/H回路214によりスイッチング電流源208のスイッチング電流値を上げていき、モニタ電圧が画像形成に必要な設定レベルを示す光量設定電圧と略同等になるように調整するよになっている。
【0094】
なお、光量設定電圧は、製造時などにおいて、感光体上における画像形成に必要な光量でレーザビームが出力されたときのモニタ電圧に予め調整されている。これは各レーザビーム毎に調整される。これにより、光走査装置の光学部品の透過率、反射率などのばらつきを吸収している。
【0095】
そして、モニタ電圧がM色用の光量設定電圧になったら、M色用のレーザビームの光量設定を終了し、以降はS/H回路214によってこのときのスイッチング電流源208のスイッチング電流値が保持される。
【0096】
次にM色の画像形成用のレーザビームを消灯させ、次にCH3のレーザビーム、すなわちY色の画像形成用のレーザビームをt3〜t4の間強制点灯させ、M色の画像形成用のレーザビームと同様の光量設定を行う。以下、同様にしてK色、C色についても光量設定を行う。
【0097】
なお、上記では、駆動回路200内ででアナログ的にAPC制御を行って光量設定するようにしたが、制御装置15でモニタ電圧と光量設定電圧と比較し、モニタ電圧が光量設定電圧と一致するように光量設定電圧の値を調整するようにしてもよい。
【0098】
一方、C色の画像形成用のレーザビーム、すなわちCH4からのレーザビームは、ピックアップミラー38によってSOSセンサ17へ導かれ、SOSセンサ17からSOS信号がタイミング信号発生回路19へ出力される。タイミング信号発生回路19では、SOS信号を検知すると、内部のカウンタをリセットしてカウントを開始する。そして、カウント値がM色用の予め定めたカウント値になった時点でM色の色画像の書き出しタイミングを決定するための図17に示すようなM−TOP信号をマルチビームレーザアレイ12へ出力する。
【0099】
同様に、カウント値がK色用の予め定めたカウント値になった時点でK色の色画像の書き出しタイミングを決定するためのK−TOP信号をマルチビームレーザアレイ12へ出力し、カウント値がY色用の予め定めたカウント値になった時点でY色の色画像の書き出しタイミングを決定するためのY−TOP信号をマルチビームレーザアレイ12へ出力し、カウント値がC色用の予め定めたカウント値になった時点でC色の色画像の書き出しタイミングを決定するためのC−TOP信号をマルチビームレーザアレイ12へ出力する。
【0100】
なお、各カウント値は、最終的に記録媒体35へ転写される各色画像の書き出し位置が一致するようなカウント値に予め設定されている。
【0101】
制御装置15では、図17に示すように、M−TOP信号を受信した後所定のタイミングでM色用の画像信号1を駆動回路200を出力し、駆動回路200において、この画像信号1に基づいてCH1への駆動電流の供給がON/OFFされることによって、M色の画像形成用のレーザビームの変調が開始され、M色用の感光体ドラム32上にM色の色画像の静電潜像が形成される。
【0102】
なお、スキャナモータの回転変動を吸収できるようにするため、SOS信号が発生してから次のSOS信号が発生すると予測できるタイミングより早いタイミングでレーザビームの変調を開始させる。
【0103】
その後、制御装置15は、Y−TOP信号を受信した後所定のタイミングでY色用の画像信号2を駆動回路200を出力する。これにより、駆動回路200においてこの画像信号2に基づいてCH3への駆動電流の供給がON/OFFされてY色の画像形成用のレーザビームの変調が開始され、Y色用の感光体ドラム32上にY色の色画像の静電潜像が形成される。
【0104】
その後、制御装置15は、K−TOP信号を受信した後所定のタイミングでK色用の画像信号3を駆動回路200を出力する。これにより、駆動回路200においてこの画像信号3に基づいてCH2への駆動電流の供給がON/OFFされて、K色の画像形成用のレーザビームの変調が開始され、K色用の感光体ドラム32上にK色の色画像の静電潜像が形成される。
【0105】
その後、制御装置15は、C−TOP信号を受信した後所定のタイミングでC色用の画像信号4を駆動回路200へ出力する。これにより、駆動回路200においてこの画像信号4に基づいてCH4への駆動電流の供給がON/OFFされて、C色の画像形成用のレーザビームの変調が開始され、C色用の感光体ドラム32上にC色の色画像の静電潜像が形成される。
【0106】
各感光体上に形成された静電潜像は、各感光体毎に設けられた現像器によって現像される。そして、Y色のトナー像及びM色のトナー像は一方の中間転写ロール33に重ね合されて転写され、C色のトナー像及びK色のトナー像は他方の中間転写ロール33に重ね合されて転写される。そして、各中間転写ロール33に形成された重ね合されたトナー像は、中間転写ドラム34にさらに重ね合されて転写される。中間転写ドラム34上に形成されたY色、M色、C色、K色の色画像が重ね合されたカラー画像は、記録媒体35に転写ロール36により転写される。
【0107】
このようにしてカラー画像が形成されるが、図17に示すように、複数のレーザビームが同時に点灯される期間があり(図中t10〜t15の期間)、この期間は、熱クロストークの影響により各レーザビームの出力光量は低下する。このとき各色の画像を形成するためのレーザビームは、それぞれ対応する色画像を示す画像信号に基づいて1画素の点灯時間を変更するPWM方式による変調が行われるようになっており、基本的には1画素毎に各レーザビームの点灯がON/OFFされる。
【0108】
すなわち、YMCK各色の画像形成用のレーザビームは、1画素につき1回ずつ点灯されるようになっており、この1回毎の点灯では、駆動回路200では各発光点毎に設けられた波形整形回路204によって、図9に示したように、点灯開始時に通常よりも大きい出力光量、すなわちAPC制御により設定した所定の設定光量よりも大きい出力光量となるオーバーシュートが得られる。その後、略一定光量に収束する。
【0109】
したがって、複数のレーザビームを同時点灯したために、熱クロストークの影響により収束後の光量がAPC制御により設定した所定の設定光量よりも低下してしまっても、該低下分をオーバーシュート時の光量により補うことができるので、熱クロストークによる濃度変動を目立たないようにすることができる。
【0110】
また、熱クロストークの影響が大きいCH2、CH3の方が(図9(A)参照)、熱クロストークの影響が少ないCH1、CH4(図9(B)参照)よりも大きなオーバーシュートが得られるように、各発光点90に対応する波形整形回路204のオーバーシュート量が設定されているため、各発光点90間の熱クロストークによる相対的な光量変化、すなわち、各色間の相対的な濃度変化を少なくすることができる。これにより、カラー画像上における熱クロストークの影響による色味の変化を従来よりも低減することができるので、より良好な画像を得ることができる。なお、本実施の形態では、内側の発光点と外側の発光点の両者にオーバーシュートを発生させる場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、外側の発光点については定常よりも高くせずに、内側の発光点についてのみオーバーシュートを発生させるようにしても、熱クロストークによる各色間の相対的な濃度変化を低減することができる。
【0111】
また、高階調性を実現しようとした場合、光走査装置でそれぞれの感光体に静電潜像を形成するときのパワーレンジを広げる必要があるが、光走査装置のマルチビームレーザアレイの出射パワーは、レーザ単品ではレーザ破壊が発生せず品質を保証できる上限光量が最大定格出力として規定されているため、低出力側にパワーレンジを広げる必要がある。図26に示したように、低出力になるに従って光量変動が大きくなる、すなわち熱クロストークが大きくなるが、本実施の上記のように、出力光量にオーバーシュートを発生させることにより、熱クロストークの影響を低減することができるので、低出力側にパワーレンジを広げた場合でも、濃度変動を目立たなくすることができ、高階調性を実現することができる。
【0112】
また、光出力波形の変更によるAPC制御への影響が心配されるが、APC制御は所定期間点灯し続けて行われるため、上記のように点灯開始時のみ出力光量を大きくさせるように光出力波形を変更することによるAPC制御結果への影響はない。
【0113】
なお、上記では、波形整形回路204によってオーバーシュート量を調整する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1点灯毎の点灯開始時に通常よりも大きな出力光量が得られればよい。例えば、一般に、各発光点90には点灯開始時により大きな電流(突入電流)が流れること、またこの突入電流は、点灯直前に各発光点90に印加されている電流値、すなわちバイアス電流値によって大きさが変わることが知られており、バイアス電流値によって上記の如く点灯開始時の光量を制御することも可能である。
【0114】
すなわち、熱クロストークの影響の小さい発光点よりも熱クロストークの影響の大きい発光点の方がより大きな電流値のバイアス電流が供給されるように、駆動電流生成回路202内の各発光点毎に設けられたバイアス電流源206のオフセット電流値を設定しておいても、図9に示した如く外側の発光点よりも内側の発光点の方が点灯開始時に大きな出力光量が得られる。
【0115】
この場合、各発光点毎に設けた波形整形回路204のオーバーシュート量については、画像の縦横比改善のためだけに用いるように設定してもよいし、バイアス電流値と共に熱クロストークの影響低減のために用いるように設定してもよい。また、波形整形回路204を省略することもできる。
【0116】
なお、上記では、マルチビームレーザアレイとして4つの発光点を有するQuadレーザを使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、複数(2つ以上)の発光点を有するレーザ光源の何れを使用した場合でも、各発光点各々の点灯開始時の光出力波形を変えるようにすれば、上記と同様に、熱クロストークの影響による濃度変動を低減することができる。また、3つ以上の発光点を有するレーザ光源であれば、複数の発光点のうち温度上昇しにくく熱クロストークの影響が少ない発光点よりも、温度上昇しやすく熱クロストークの影響が大きい発光点の出力光量の方が、点灯開始時の出力光量が定常よりもより高くなるようにすれば、上記と同様に、各色間の相対的な濃度変化を少なくでき、より良好な画像を得ることができる。
【0117】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、マルチビームレーザアレイを使用する画像形成装置において、熱クロストークの影響による出力画像の濃度変動を目立たなくすると共に、ダイナミックレンジを広くすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】 (A)は光走査装置の副走査方向の展開図、(B)は光走査装置の主走査方向の展開図である。
【図3】 (A)はマルチビームレーザアレイの上面断面図、(B)はウインドウキャップが外された状態のマルチビームレーザアレイの側面図である。
【図4】 (A)はマルチビームレーザアレイの外観図、(B)はレーザアレイチップの斜視図、(C)は、レーザアレイチップの概略断面図である。
【図5】 マルチビームレーザアレイの制御系の構成を示した概略ブロック図である。
【図6】 駆動電流生成回路における各色毎の回路構成を示す概略ブロック図である。
【図7】 (A)は理想的な縦横比、(B)はレーザビーム径よりもドットサイズが小さい高解像度画像形成時の縦横比、(C)はレーザビームのスポット径を示す図である。
【図8】 (A)は発光点(LD)の点灯タイミングを示し、(B)、(C)、(D)は、(A)に示すタイミングで点灯した場合の感光体上におけるレーザビームの走査軌跡、露光量、トナー量を示す図である。
【図9】 (A)は内側の発光点の光出力波形、(B)は外側の発光点の光出力波形を示す図である。
【図10】 スナバ回路を示す回路図である。
【図11】 オーバーシュート回路を示す回路図である。
【図12】 波形整形回路の一例を示す回路図である。
【図13】 波形整形回路の一例を示す回路図である。
【図14】 波形整形回路の一例を示す回路図である。
【図15】 波形整形回路の一例を示す回路図である。
【図16】 波形整形回路の一例を示す回路図である。
【図17】 レーザの点灯タイミングを示すタイミングチャートである。
【図18】 従来における画像形成装置の概略構成図である。
【図19】 従来における画像形成装置の概略構成図である。
【図20】 従来における画像形成装置の概略構成図である。
【図21】 従来における画像形成装置の概略構成図である。
【図22】 従来における画像形成装置の概略構成図である。
【図23】 複数のレーザビームを同時に点灯した場合の光量低下を示す線図である。
【図24】 マルチビームレーザアレイのレーザの点灯数と規格化出力光量比との関係を示す線図である。
【図25】 半導体レーザの光量変動と濃度差との関係を示す線図である。
【図26】 マルチビームレーザアレイのレーザ出射光量と光量変動との関係を示す線図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
11 光走査装置
12 マルチビームレーザアレイ
15 制御装置
20 ポリゴンミラー
32 感光体ドラム
35 記録媒体
82 フォトダイオード
90 発光点
101 各感光体
200 駆動回路
202 駆動電流生成回路
204 波形整形回路
206 バイアス電流源
208 スイッチング電流源
210 スイッチング回路
212 比較回路
214 S/H回路
230 スナバ回路
232 オーバーシュート回路
234 極性反転回路

Claims (7)

  1. 感光体を走査露光する際に用いられ、Y色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するY色用の発光点、M色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するM色用の発光点、C色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するC色用の発光点、及びK色の画像データに基づいて変調されたレーザビームを出力するK色用の発光点が前記レーザビームの出力方向と交差した所定方向に沿って配置された単一のレーザ光源であって、
    濃度変動に対する人間の相対感度が低い前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点が前記所定方向の外側になるように、相対感度の高い前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点が前記所定方向の内側になるように配置した、
    ことを特徴とするレーザ光源
  2. 請求項1記載のレーザ光源の点灯制御方法であって、
    記発光点各々に対して、点灯開始時の出力光量を、自動的に光量を制御する場合の設定出力光量よりも高くし、且つ前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点の方が、前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点よりも、前記点灯開始時の出力光量が高くなるように、各々対応する発光点の出力波形を制御する、
    ことを特徴とする点灯制御方法。
  3. 請求項1記載のレーザ光源を駆動する駆動回路であって、
    前記発光点の各々に対して、点灯開始時の出力光量を、自動的に光量を制御する場合の設定出力光量よりも高くし、且つ前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点の方が、前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点よりも、前記点灯開始時の出力光量が高くなるように、各々対応する発光点の出力波形を整形する波形整形手段を備えた、
    ことを特徴とする駆動回路。
  4. 前記波形整形手段が、前記点灯開始時の出力光量が高くなるように前記出力波形にオーバーシュートを発生させるオーバーシュート回路を備え、
    前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点の光出力波形のオーバーシュート量を前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点の光出力波形のオーバーシュート量よりも大きくした、
    ことを特徴とする請求項3に記載の駆動回路。
  5. 前記発光点の各々に対して該発光点の点灯開始前からレーザ発振電流以下のバイアス電流を予め印加するためのバイアス電流源を備え、
    前記Y色用の発光点及び前記K色用の発光点に印加するバイアス電流値を前記M色用の発光点及び前記C色用の発光点に印加するバイアス電流値よりも大きくした、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の駆動回路。
  6. 請求項1記載のレーザ光源を備えた光走査装置によって、前記発光点の各々から出力されたレーザビーム各々により感光体を走査露光して感光体上に静電潜像を形成する画像形成装置。
  7. 前記レーザ光源の駆動を、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の駆動回路により制御する、
    ことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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