JP2006116716A - 光走査装置、光走査装置の画素クロック生成方法および画像形成装置 - Google Patents

光走査装置、光走査装置の画素クロック生成方法および画像形成装置 Download PDF

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淳史 大森
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雅章 石田
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Abstract

【課題】簡単な構成で、高速かつ高精度の光走査を可能とし、画像形成装置に適用することで、画像濃度ムラを低減し、走査幅の揺らぎ補正をすることができ、リニアリティの大きな変動を補正可能な光走査装置を得る。
【解決手段】一走査ライン上を複数の光ビームで走査し、被走査媒体上で光束を重ね合わせることで、各発光点P1,P2,P3,P4の発熱量低減とそれに伴う光源部の温度分布の低減、光量変動抑制を行う。光源部は発光点P1,P2,P3,P4が主走査方向に複数個並ぶ発光点列を複数ライン分有する面発光レーザで構成されている。主走査方向に並ぶ複数の発光点はそれぞれ発光、消光の2値変調を行うように構成されて基準発光レベルが異なり、一定の時間間隔で発光、消光の変調が行われ、発光点の配置順と発光レベルの大きさの順を一致させた制御が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に用いられる光走査装置、光走査装置の画素クロック生成方法および画像形成装置に関するもので、特に光源として用いられる半導体レーザとして面発光レーザを用いたことを特徴とするものである。
図17は、電子写真プロセスを利用したレーザプリンタ、デジタル複写機等の一般的な画像形成装置の従来を概略的に示す。図17において、光源である半導体レーザユニット1001から発光されたレーザ光は、モータによって回転駆動される光偏向器としてのポリゴンミラー(回転多面鏡)1002により偏向走査されるようになっている。偏向走査されたレーザ光はfθ機能を有する走査レンズ1003を介することによって、被走査媒体である感光体1004上に光スポットが形成され、この光スポットが感光体1004上を走査することによって感光体1004の表面を露光し静電潜像を形成するように構成されている。
感光体1004の表面を露光するレーザ光の1ライン毎に、フォトディテクタ1005が走査開始端側でレーザ光を検出して信号を出力し、この検出信号を位相同期回路1009に入力するようになっている。位相同期回路1009は、上記検出信号同期して、クロック生成回路1008により生成されたクロック信号を画像クロック(画素クロック)信号として画像処理ユニット1006に向けて出力するようになっている。画像処理ユニット1006は、上記画像クロックとともに画像データをレーザ駆動回路1007に向けて出力し、レーザ駆動回路1007は、上記画像データと、位相同期回路1009により1ライン毎に位相が設定された画像クロックに従い、半導体レーザユニット1001を駆動するように構成されている。このようにして、半導体レーザユニット1001は、画像処理ユニット1006により生成された画像データに従い、レーザ駆動回路1007を介して半導体レーザの発光時間および消光時間をコントロールすることにより、被走査媒体である感光体1004の表面の露光をコントロールし、感光体1004の表面に静電潜像を形成するようになっている。位相同期回路1009は、クロック生成回路1008により生成されたクロック信号を、ポリゴンミラー1002により偏向走査された半導体レーザ1001の光を検出するフォトディテクタ1005に同期した位相に設定し画像クロックとして出力するようになっている。
ところが近年、印刷速度すなわち画像形成速度の高速化、画像の高画質化の要求が高まっている。それに対して光偏向器であるポリゴンモータの高速化や、レーザ変調の基準クロックとなる画素クロックの高速化で対応してきたが、どちらの高速化手段にも限界が近づいてきており、従来技術の延長上では対応しきれなくなってきている。そこで、複数の光源を用いたマルチビームを採用することで、高速化対応がなされてきている。マルチビームによる光走査方法によれば、光偏向器の偏向により同時に走査できる光束が増えるため、光偏向器であるポリゴンモータの回転速度や、画素クロック周波数を低くすることが可能となり、高速にかつ安定した光走査および画像形成が可能となる。上記マルチビームを構成する光源としては、シングルビームのレーザを複数組み合わせたものや、複数個の発光素子を一つのレーザチップに組み込んでマルチビームの光源を構成したレーザダイオード(LD)アレイなどを用いたものが知られている。
上記マルチビームを構成するLDアレイなどの半導体レーザはきわめて小型であり、かつ少ない駆動電流により高速で直接変調を行うことが出来るので、近年レーザプリンタ等の光源として広く用いられている。しかし、半導体レーザの駆動電流と光出力との関係は、温度により変化する特性を有するので、半導体レーザの光強度を所望の値に設定しようとする場合、温度変化に伴う光出力の変動が問題となる。特に、複数の光源を同一チップ上に構成する面発光レーザの場合、光源間の距離が短いため、発光、消光による温度変化や温度クロストークなどの影響を考慮して、光量変動などの変動要因を考慮する必要がある。
従来技術では、複数の光源を2次元的に配置し、複数の光束を光偏向器で偏向して被走査媒体上を走査することにより、発光点間の発熱によるクロストークの影響を発生させることなく、発光点の配置密度を最大とする光走査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、面発光レーザを用いた画像形成装置において、画素単位で各半導体レーザチップの発光強度を可変する手段および発光時間を制御する手段を有することで、画素の静電潜像を制御する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、面発光レーザを用いた光走査装置において、光源の配置を規定した構成とすることにより、熱ストロークの問題を回避し、かつ、記録画像の高密度化を実現する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−272615号公報 特開2003−072135号公報 特開2001−350111号公報
しかしながら、面発光レーザ等の複数の光源を有する光走査装置の従来方式では、一般に一つの光源で一つの画素を構成するため、光源毎の温度分布(温度のばらつき)や温度クロストークが発光レベルばらつきの要因となり、それがさらに画像の濃度ばらつきを発生させるという問題がある。
また、一つの光源が劣化した場合、その特性劣化による発光レベルの低減が、画像濃度の低減に直接つながるという問題もある。
本発明は上記の問題を解決するために発明されたもので、簡単な構成で、高速かつ高精度の光走査を可能とし、これを画像形成装置に適用することで、画像濃度ムラを低減し、走査幅の揺らぎ補正をすることができ、なおかつリニアリティの大きな変動を有する場合にも変動の補正が可能な光走査装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記の光走査装置を搭載することによって、画像濃度ムラを低減し、走査幅の揺らぎ補正をすることができ、なおかつリニアリティの大きな変動を有する場合にも変動の補正が可能な画像形成装置、およびタンデムカラー型の画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するために、本発明は、一走査ライン上を複数の光ビームで走査し、被走査媒体上で光束を重ね合わせることで、各発光点の発熱量低減とそれに伴うレーザチップ上の温度分布の低減、さらには光量変動抑制を行うようにしたことを最も大きな特徴とする。
本発明はまた、面発光半導体レーザの利点を活かすために、主走査方向に並ぶ複数の発光点を被走査媒体上の略同一ライン上で走査するようにし、例えば被走査媒体が感光体である場合、複数の発光点による光走査の重ね合わせにより高精度な光走査を可能とした光走査装置を構成したことを特徴とする。
本発明によれば、複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査することによるパワー変調を実現することができ、高精度な光走査が可能となる。また光源として面発光レーザを用いる場合、通常のレーザ光と比較して動作電流、発熱量ともに小さくすることができ、発散性も小さいため、光学系による光の利用効率が高く、省エネルギー化を図ることができる。
複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査するとともに、複数ライン同時に走査する構成とすることにより、高速かつ高精度の光走査が可能となる。
複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査するとともに、発光点の配置順と発光レベルの大きさの順を一致させた発光レベル制御を行う構成とすることにより、発光点間の発熱量の差が低減された発光点配置が可能となり、レーザチップ上の温度を発光レベル毎にある程度安定した分布を構成することが可能となり、高精度の光走査が可能となる。
複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査するとともに、略一定光量での発光点からの走査光の重ね合わせを行う構成とするにより、レーザチップ上での発光点間の温度差が低くなり、安定した高精度の光走査が可能となる。
複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査するとともに、被走査媒体上の基準点から一定間隔単位で変調を行うように発光タイミングを制御する構成とすれば、複数の発光点からのレーザ光を重ね合わせて走査しながら静電潜像を形成することができるため、走査光のドット単位でのパワー変調が容易な構成となり、高精度で安定した光走査が可能となる。
複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査するとともに、複数の発光点による光ビームの発光タイミングを制御して、被走査媒体上での発光・消光タイミングをずらす制御方式とすることにより、被走査媒体上でのパワーおよびパルス幅変調を実現することが可能になり、高精度でより精細の高い光走査が可能となる。
複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査するとともに、発光レベルの高い発光点間の距離を長くして、高発熱体同士の間隔を設けて放熱を促す構成とすることにより、レーザチップ表面上の局所的な温度分布の発生、および温度変動を低減することができ、もって、発光レベルの安定化が可能となり、高精度の光走査が可能となる。
複数の発光点からの光ビームを重ね合わせて走査するとともに、発光点の発光レベルに対してその大きさと比較した1次または2次関数で求めた距離を発光点間隔とする構成にすることより、最小ピッチで低コストの面発光レーザを用いた光走査装置を実現することができる。
本発明にかかる光走査装置を画像形成装置に適用することにより、高速で高精度の画像を形成することが可能な画像形成装置を得ることができる。
本発明にかかる光走査装置をタンデムカラー型画像形成装置に適用することにより、高速で高精度のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明にかかる光走査装置およびこれを用いた画像形成装置の実施例を説明する。
本発明の実施例を説明する前に、面発光レーザを用いた光走査方法の一般的な例を、図16を参照しながら説明する。図16において、長方形状の部材は光源部を構成する半導体レーザチップであって、図16はこの光源部を正面から見た状態を示している。光源部を正面から見て短辺方向をx軸方向、長辺方向をy軸方向とする。x方向に4個の発光点が等間隔で一直線上に並んだ発光点列が、y軸方向に4列等間隔で並んでいる。光源部は発光面を回転面として所定の回転角度だけ回転させられ、これによって一つ一つの発光点から放射された光ビームで被走査面に形成されるビームスポットが、副走査方向に等間隔になるように構成されている。y軸方向の発光点間隔は、発光点全体として被走査媒体上でy0[dpi]となる間隔で配置されているものとする。換言すれば、被走査媒体上での発光点間隔y0[dpi]に対して約1/4の間隔で発光源が走査される構成となり、実質的には4y0[dpi]の精細度で高精度の光走査が可能となっている。
しかし、上記構成の場合、各発光点での変調の頻度や強度の違いにより、面発光レーザの発光面上の温度が場所によって異なる温度分布ないしは温度のばらつきが発生する。この温度分布によって各発光点の発光レベルが変動し、安定した光走査が困難になり、画像形成装置においては感光体上において安定した静電潜像の形成が困難となる。
そこで本発明では、光源部を、主走査方向に並ぶ複数の発光点を被走査媒体の同一線上を走査させる構成にすることにより、単独の発光点による光走査を行う場合に比べて、被走査面上において、安定した、また高品質のビームスポットを形成することができるようにした。図1、図2に本発明にかかる光走査装置の実施例1を示す。図1、図2の(a)は光源である面発光型の半導体レーザチップの発光面を示しており、(b)は各発光点の発光レベルの例を示している。
図1は、横方向を主走査方向としたとき、複数の発光点(図示の例では4個の発光点)を主走査方向に一列に配置してなる実施例を示す。図2は、縦方向を副走査方向としたとき、複数の発光点を主走査方向に一列に配置してなる発光点列を、副走査方向にも複数列配置した実施例を示す。図2に示す例では、4個の発光点P1,P2,P3,P4を主走査方向に一列に配置してなる発光点列を、副走査方向に4列配置している。各発光点列を符号A,B,C,Dで示している。これら複数の発光点から出射されたレーザ光は、図17に示すポリゴンミラー1002のような光偏向器により主走査方向に偏向され、走査光学系により被走査媒体上に光スポットとして収束されるとともに被走査媒体上を走査するようになっている。
図1の例において、発光点を左から順にP1,P2,P3,P4としたとき、それぞれの発光点の、発光時の光出力を上記発光点順に順次小さくなるように設定する。例えば、発光点P1,P2,P3,P4の順に、発光出力を1000,500,250,125[μW]に設定する。各発光点から放射された光ビームが被走査媒体上の特定の位置に画素を生成する場合を考えると、発光レベルの異なる発光点の発光タイミングを画素に合わせて設定することにより、被走査媒体上で走査タイミングの異なる複数の、かつ、発光レベルの異なる光ビームの重ね合わせが可能となる。
上記実施例における光ビームの重ね合わせの模式図を図3に示す。図3の横軸は被走査面における主走査方向の位置を、縦軸は各光源の発光レベルを示している。図3の最も下の段には、複数の発光点から放射される複数の光束が被走査媒体である感光体上を走査することによって蓄積される静電潜像電荷量を示している。一定の間隔で縦方向に引いた点線相互間は被走査媒体上の1ドットに相当する範囲を示している。この1ドットに相当する範囲ごとに各発光点の発光、消光のタイミングが制御される。これを換言すると、主走査方向に並ぶ複数の発光点P1,P2,P3,P4はそれぞれ発光、消光の2値変調を行うように構成されていることになる。各発光点P1,P2,P3,P4の光出力は上記のように発光点P1が最大で、以下、P2,P3,P4の順に1/2,1/4,1/8となっている。感光体上に蓄積される静電潜像電荷量は、各発光点からの光出力の重ね合わせに相当する電荷量となる。したがって、1ドットに相当する範囲においていずれの発光点も発光しなければ、そのドットの静電潜像電荷量はゼロとなる。各発光点P1,P2,P3,P4の光量分布の並べ方を変更することで熱クロストークの影響を低減することができ、なおかつ光量変動を小さくした光走査装置を構成することができる。
本実施例は、異なる発光点からの光ビームを被走査媒体上のある1ドットを形成するために、制御手段によって発光タイミング制御を行い、複数の発光源による光量の重ね合わせにより1ドットを形成する光走査装置の一実施例でもある。主走査方向に位置の異なる複数の発光点から光偏向器を経て被走査媒体上を走査する光束を、被走査媒体上の同一位置に照射するためには、各発光点の発光タイミングを次のように制御する。例えば、被走査媒体上への走査開始がP1,P2,P3,P4の順に行われる場合、発光制御信号はP1<P2<P3<P4の順に入力される必要がある。図3に示すP1〜P4のチャートは上記各発光点の発光制御信号のタイミングではなく、被走査媒体上での静電潜像形成の位置に対する発光レベルの変化を示したものである。したがって、図3に示す各発光点の発光制御信号の出力タイミングは、発光点P1に対して発光点P2、P3、P4が光源の間隔と走査速度に応じた時間間隔分だけ遅れて出力されるようになっている。
以上説明した実施例において、複数の発光点から放射され偏向走査される走査光の重ね合わせにより、光走査装置において走査光が光学系を経ていくことなどにより発生する光量変動に対して、例えば、発光レベルの低い発光点から順に、変動分を補正するような光出力レベル補正を行うことにより、光量変動を抑制した高精度の光走査が可能となる。また、上記のように、主走査方向に並ぶ複数の発光点P1,P2,P3,P4はそれぞれ発光、消光の2値変調を行うように構成されており、併せて基準発光レベルが書く発光点ごとに異なり、かつ一定の時間間隔で発光、消光の変調が行われ、発光点の配置順と発光レベルの大きさの順を一致させた制御が行われるようになっている。このように構成することによって、所期の目的を達成することができる。
図4は本発明の実施例2を示す。この実施例は、図1または図2に示す実施例における光源ユニットに関し、発光点P1〜P4の発光レベルのパターンを各種変形したものである。光量A1のパターンは発光点P1からP2、P3、P4の順に発光レベルを段階的に下げた設定のパターンを示している。本パターンは隣り合う光源同士の発光レベルの差が小さく、隣り合う光源同士の発光による温度差が小さい構成とすることができる。光量A1のパターンを副走査方向にも当てはめた場合、変調頻度にもよるが、全体的にみてP1側のレーザチップ温度が高く、P4側が低くなる。上記光量A1のパターンに対して、光量A2、A3のパターンは、発光点の並びと発光レベルの高低の並びが一致しない場合の実施例を示している。この場合、レーザチップ全体に対して発光レベルの高い光源が散らばるため、温度分布もばらつき、光源部の局所的な温度変動が抑制される。
図4において、光量A4,A5のパターンは4つの発光点P1〜P4に対して2種類の発光レベルパターンを有する例を示している。すなわち、外側の発光点P1,P4の発光レベルを250[μW]として、内側の発光点P2,P3の発光レベル500[μW]よりも低くした例と、外側の発光点P1,P4の発光レベルを500[μW]として、内側の発光点P2,P3の発光レベル250[μW]よりも高くした例を示している。この例の特徴としては、発光レベルの種類が少ないため、各発光点の変調データを生成しやすいという点がある。図4において、光量A6のパターンは、各発光点の発光レベルを略同一とした場合の例を示す。より具体的には、各発光点P1〜P4の発光レベルを400[μW]としている。この例では各発光点の発光レベルは略同一であるため、各発光点での変調時間の差がレーザチップ表面上の温度差となって現れてくる。よって、逆に変調時間が略同一となるように、各発光点での変調データを与えることで、高精度の光走査が可能となる。図4に示す各発光レベルパターンは、あくまでも一例であり、実際の発光レベル制御は、感光体の感度や走査速度、ビームスポット径などにより最適な値に設定する必要がある。
図5に本発明にかかる光走査装置の実施例3を示す。本実施例は、図2に示す実施例に対して、走査ライン毎に主走査方向の光源の位置を変更する例を示している。図5において、光源部は、主走査方向に4個の発光点P1,P2,P3,P4を等間隔Δxで配列するとともに、この4個の発光点からなる発光点列を副走査方向にA,B,C,Dの4列に等間隔で配列したものである。そして、発光点列A,Cに対し、発光点列B,Dを主走査方向に発光点間隔の1/2だけ、したがってΔx/2だけ主走査方向にずらしている。本実施例において、例えば主走査方向および副走査方向に配置した複数の発光点が、互いに正三角形の配置をなす場合、互いの発光点間距離が全て略同一となる。この場合、各発光点の発光レベルを、図4の光量パターンA6に示すように全て400μWとして、変調頻度も略一定となるように設定するとよい。こうすることによって、温度分布の局所的な変動などがおきにくい、高精度の光走査が可能となる。
図6に本発明にかかる光走査装置の実施例4を示す。図6に示すように、この実施例は発光点P1〜P4の発光レベルを略同一の発光レベルとした実施例である。複数の発光点の発光レベルが等しいため、同一ライン上を走査する発光点に与える変調データの変調頻度が略一定となるようにデータ生成する制御方式をとることにより、各発光点での発熱量が略一定となり、光源部を構成するレーザチップ上に極端な温度分布が生じない、安定した光変調および光走査による高精度の画素生成が可能となる。またパワー変調をかけるように複数の発光点の発光タイミング生成をすることによって、一ラインでの光量分布を補正することが可能となる。
図7に本発明にかかる光走査装置の実施例5を示す。実施例5は、走査光の重ね合わせ方法として、各発光点P1〜P4の発光レベルを異ならせるとともに、各発光点から放射される光ビームで被走査媒体である感光体上を走査するタイミングを制御するようにしたものである。このような構成にすることにより、例えば、強調したい走査位置の両端で他の発光点からの光束を短いタイミング間隔だけ走査することが可能になり、図7に丸付きの「1」の部分で示すように、画像のエッジが強調された静電潜像を形成することが可能となり、高精度で高精細度の静電潜像の形成と、これを画像形成装置に適用した場合には高精度で高精細度の画像形成が可能となる。同様にして図7で丸付きの「2」の部分で示すように、発光レベルを高く変更する直前に発光レベルを若干下げた光束による光走査を行うことで、「1」の部分で示すようなエッジ部の強調をより強めた形での静電潜像および画像形成が可能となる。
図8、図9に本発明にかかる光走査装置の実施例6を示す。この実施例は、各発光点P1〜P4を図8、図9の右側の表(b)に示す発光レベルでの変調を行う場合に、発光点間隔を発光レベルの大きさに応じて設定することを特徴とする。より具体的には、発光点P1は発光レベルが1000[μW]、発光点P2は発光レベルが500[μW]となっていて、互いに隣り合う発光点P1,P2相互は発光レベルが高い発光点同士であり、発熱量が高くなるため、放熱効率を考慮して発光点間隔Δxaを広くとっている。一方、発光点P3,P4は発光レベルがそれぞれ250、125[μW]と比較的低く、発熱量も低くなっている。そこで、発光点P2,P3の間隔Δxbは、発光点P1,P2の間隔Δxaに比べて小さい間隔になっており、発光点P3,P4の間隔Δxcは、発光点P2,P3の間隔Δxbに比べてさらに小さい間隔Δxcになっている。このように、発光レベルの低い発光点同士の間隔を狭くしても、互いの発光点からの発熱量が少ないため、発光点の発熱の影響による光出力レベル変動などの影響を受けにくくなる。
図8に示す例は4個の発光点P1〜P4を主走査方向に1列に配列した光源部からなっているのに対し、図9に示す例は、4個の発光点P1〜P4を主走査方向に配列してなる発光点列を4列、副走査方向に等間隔に配置してなるものである。図9に示す例において、各発光点列A,B,C,Dを構成する4個の発光点P1〜P4の副走査方向の配置間隔および発光レベルは、図8に示す例と同じである。
図10に本発明にかかる光走査装置の実施例7を示す。図10において、光源部は、4個の発光点P1〜P4が主走査方向に配列されることにより構成されていて、それぞれの発光点P1,P2,P3,P4の発光レベルは8P0,4P0,2P0,P0に設定されて意る。発光点P1は発光点P2に比べて発光レベルが2倍になっており、発光点P3の4倍、発光点P4の8倍である。前に述べたように、発光点の発光レベルが高くなると、一般的に発熱量も高くなるため、本実施例では例えば発光点P3とP4の間隔をx(P3−P4)=x0としたとき、発光点P2、P3間は、発光点P2が発光点P3の2倍の発光レベルであることから、これらの発光点間隔も同様に2倍とり、x(P2−P3)=2x0とする。同様に発光点P1、P2間は、発光点P1が発光点P3の4倍の発光レベルであるので、これらの発光点間隔はx(P1−P2)=4x0とする。このように発光レベルの大きさに対して一次関数での発光点間隔を取ることにより、発光レベルの高い他の発光点の発熱による発光レベルへの影響を低減することができる。
同様にして発光レベルの大きさに対して2次関数に基づいて発光点間隔を設定してもよい。たとえば、発光レベルの大きさの二乗に比例した距離に発光点間隔を設定してもよい。この方式の場合、発光点P3,P4間の間隔をx(P3−P4)=x0としたとき、発光点P2,P3間の間隔はx(P2−P3)=4x0、発光点P1,P2間の間隔はx(P1−P2)=16x0となり、発光レベルの大きさに対して一次関数での発光点間隔を取る場合と同様に、発光レベルの高い他の発光点の発熱による発光レベルへの影響を低減することができる。
次に、これまで説明してきた本発明にかかる光走査装置の画素クロック生成方法をより具体化した光走査装置の構成例および本発明にかかる画像形成装置の実施例について説明する。
上記画素クロック生成方法を用いた光走査装置の例を図11に示す。図11において、光源ユニット801の背面には半導体レーザの制御を司る駆動回路および画素クロック生成装置が組み込まれたプリント基板802が装着されている。プリント基板802は、光軸と直交する方向の光学ハウジングの壁面にスプリングにより押し付けられ、調節ネジ803により傾きが合わせられて姿勢が保持されている。なお、調節ネジ803はハウジング壁面に形成された突起部に螺合される。光学ハウジング内部には、上記したシリンダレンズ805、ポリゴンミラーを回転駆動するポリゴンモータ808、fθレンズ806、トロイダルレンズ、および折り返しミラー807が各々位置決めされ支持されている。また、同期検知センサを実装するプリント基板809が、ハウジング壁面に光源ユニットと同様に、外側より装着されている。光学ハウジングは、カバー811により上部が封止され、壁面から突出した複数の取り付け部810にて画像形成装置本体のフレーム部材にネジ固定されている。
本発明にかかる走査装置であって、複数の光源を用いて構成するマルチビーム走査装置(マルチビーム光学系)の例について説明する。
図11,図12に、マルチビーム走査装置の光源部の構成例を示す。図12に示す構成例では、4個の発光点が間隔ds=25μmでモノリシックに配列された半導体レーザアレイ801が、コリメートレンズの光軸を対称として主走査方向に配置されている。図11に示すように、半導体レーザアレイ801を含む光源ユニットから射出した複数の光ビームは、シリンダレンズ805を介してポリゴンミラー808で一括して偏向走査され、fθレンズ806、折り返しミラー807により図示されない被走査媒体としての感光体上に結像される。各発光点の発光信号を制御する画像処理装置内のバッファメモリには、各発光点に対応する1ライン分の印字データが蓄えられている。ポリゴンミラー808の偏向反射面1面毎に上記印字データが読み出され、被走査媒体上の走査線上で印字データに対応して光ビームが点滅し、走査線に従って静電潜像が形成される。かかる静電潜像による画像記録が4ライン同時に、同じ走査線上で行われ、前述のとおり高精度の画像記録が行われる。
図13に、発光点をx軸方向と,y軸方向に平面に配置した面発光レーザからなる光走査装置の光源部の構成例を示す。この構成例は、水平方向(主走査方向)に3個、垂直方向(副走査方向)に4個、計12個の発光点を有する面発光レーザを用いた例である。この構成例を、図11に示す光走査装置に適用することにより、一つの走査線上を水平方向に配置した3つの光源により走査し、垂直方向4本の走査線を同時に走査するように構成することができる。3つの光ビームの重ね合わせにより感光体上の静電潜像の強度分布を生成することが可能となり、それを4走査線で同時に走査可能な構成となっているため、高精度でかつ高速の光走査が可能となる。
本発明にかかる光走査装置を適用した画像形成装置の実施例を図14に示す。図14において、被走査面である感光体ドラム901の周囲には、電子写真プロセスを実行することにより画像を形成するための各種ユニットないしは装置が配置されている。具体的には、感光体ドラム901の表面を高圧に帯電する帯電チャージャ902、均一に帯電された感光体ドラム901の表面を光ビームスポットで走査することにより静電潜像を形成する光走査装置900、光走査装置900により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903、現像ローラにトナーを供給するトナーカートリッジ904、感光体ドラムに残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース905が配置されている。感光体ドラム901へは、上記したように光偏向器であるポリゴンミラーの偏向反射面の1面毎に複数ラインが同時に走査され、潜像記録が行われる。給紙トレイ906から給紙コロ907により記録紙が供給され、この記録紙はレジストローラ対908により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて送り出され、感光体ドラムを通過する際に転写チャージャ906によって記録紙にトナーが転写され、定着ローラ909で定着されて排紙ローラ912により排紙トレイ910に排出される。
本発明にかかる光走査装置を、複数の感光体を有する画像形成装置であるタンデムカラー画像形成装置に搭載した例を図15に示す。タンデムカラー画像形成装置は、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの各色に対応した別々の感光体が必要であり、光走査光学系はそれぞれの感光体に対応して、別の光路を経て潜像を形成する。したがって、各感光体上で発生する主走査方向のドット位置ずれは異なる特性を有する場合が多い。
図15に、多色対応の画像形成装置のうち、本発明に関係のある部分の構成を副走査対応方向の断面で示す。図15において、符号5はポリゴンミラー、6は第1走査レンズ、7は第2走査レンズ、8は防塵ガラス、9は感光体、10は受光手段、13〜15はミラー、16は中間転写ベルトをそれぞれ示している。ポリゴンミラー5は偏向反射面を2段にわたり有していて、これに対応して走査光学系を構成する第1走査レンズ6を上下に配備している。さらに、走査光学系を構成する第1走査レンズ6と第2走査レンズ7を、ポリゴンミラー5を中心とし、対向させて配備することにより、4つの被走査面に対応させた各走査光学系を配備している。有効画角の外の両側に配備されたミラーにより光ビームを受光手段である感光体ドラム9の表面に導光するようになっている。また、中間転写ベルト16上に計測用のパターン像を形成し、各走査光学系毎に複数個配備されたセンサにより上記計測用のパターン像を検出し、各色毎のドット位置を計測するようになっている。
このように、本発明にかかる画像形成装置を、さらにタンデムカラー画像形成装置に展開することにより、高画質の画像を高速で得ることができる。特に画質の面では光学系による光量変動に対して本発明は特に有効であり、各画像形成ステーション間の光量変動のいばらつきを効果的に低減した、色再現性の良い画像を得ることができる。
本発明にかかる光走査装置の実施例を示すもので、(a)は光源の発光面を示す正面図、(b)は各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置の他の実施例を示すもので、(a)は光源の発光面を示す正面図、(b)は各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置における各発光点の発光レベルパターンの一例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置のさらに他の実施例における各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置のさらに他の実施例を示すもので、(a)は光源の発光面を示す正面図、(b)は各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置のさらに他の実施例における各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置のさらに他の実施例における各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置のさらに他の実施例を示すもので、(a)は光源の発光面を示す正面図、(b)は各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置のさらに他の実施例を示すもので、(a)は光源の発光面を示す正面図、(b)は各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置のさらに他の実施例を示すもので、(a)は光源の発光面を示す正面図、(b)は各発光点の発光レベルの例を示す図である。 本発明にかかる光走査装置の機構的な構成部分の例を示す斜視図である。 本発明にかかる光走査装置に適用される光源部の構成例を示す斜視図である。 本発明にかかる光走査装置に適用される光源部の他の構成例を示す斜視図である。 本発明にかかる画像形成装置の一実施例を示す副走査対応方向の断面図である。 本発明にかかる画像形成装置の他の実施例を概略的に示す副走査対応方向の断面図である。 面発光レーザを用いた光走査方法の一般的な例を示す正面図である。 従来の光走査装置の例を示す光学配置図および制御系のブロック図である。
符号の説明
P1 発光点
P2 発光点
P3 発光点
P4 発光点
A 発光点列
B 発光点列
C 発光点列
D 発光点列

Claims (13)

  1. 光源部から出射された複数の光ビームを光偏向器により被走査媒体上で走査させることにより像を形成する光走査装置において、
    光源部は、主走査方向に一列に並んだ複数の発光点を有していてこの複数の発光点から出射される複数の光束が上記被走査媒体の同一線上を走査するように構成され、
    上記複数の発光点の発光タイミングを制御する制御手段を有していることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、光源部は発光点が主走査方向に複数個並ぶ発光点列を複数ライン分有する面発光レーザで構成されていることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または2記載の光走査装置において、主走査方向に並ぶ複数の発光点はそれぞれ発光、消光の2値変調を行うように構成されるとともに基準発光レベルが異なり、かつ一定の時間間隔で発光、消光の変調が行われ、発光点の配置順と発光レベルの大きさの順を一致させた制御が行われることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1または2記載の光走査装置において、主走査方向に並ぶ複数の発光点はそれぞれ発光、消光の2値変調を行うように構成され、主走査方向に並ぶ複数の発光点の発光レベルが全て略一定であり、消光レベルとの2値変調を行う制御方式を有することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1または2記載の光走査装置において、異なる発光点から出射され被走査媒体上を走査される光束は、被走査媒体上の基準点から一定間隔単位で変調を行う発光タイミング制御を行い、複数の発光点による光量の重ね合わせにより静電潜像を形成することを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項1または2記載の光走査装置において、複数の発光点による発光タイミングを制御して被走査媒体上での発光・消光タイミングをずらすことにより、被走査媒体上でのパワーおよびパルス幅変調を実現することを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1または2記載の光走査装置において、複数の発光点相互の間隔をそれぞれの発光点の発光レベルに基づいて設定することを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7記載の発明において、発光レベルの高い発光点を基準として、発光レベルに対して1次または2次関数に基づいて発光点間隔が設定されることを特徴とする光走査装置。
  9. 感光体と、この感光体に対して電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する電子写真プロセス実行手段を備えた画像形成装置であって、電子写真プロセスのうち露光プロセスに実行手段として請求項1乃至8のいずれかに記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9記載の画像形成装置において、光偏向手段により偏向された光束を、複数の被走査媒体上に導く導光手段を用い、上記複数の被走査媒体上を走査して画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  11. 光源部から出射された複数の光ビームを光偏向器により被走査媒体上で走査させることにより像を形成する光走査装置の画素クロック生成方法であって、
    光源部は、主走査方向に一列に並んだ複数の発光点を有していてこの複数の発光点から出射される複数の光束が上記被走査媒体の同一線上を走査するように構成し、
    上記複数の発光点の発光タイミングを制御することにより画素クロックを生成することを特徴とする光走査装置の画素クロック生成方法。
  12. 請求項11記載の光走査装置の画素クロック生成方法において、主走査方向に並ぶ複数の発光点はそれぞれ発光、消光の2値変調を行うとともに基準発光レベルを異ならせ、かつ一定の時間間隔で発光、消光の変調を行い、発光点の配置順と発光レベルの大きさの順を一致させて制御することを特徴とする光走査装置の画素クロック生成方法。
  13. 請求項11記載の光走査装置の画素クロック生成方法において、主走査方向に並ぶ複数の発光点はそれぞれ発光、消光の2値変調を行い、主走査方向に並ぶ複数の発光点の発光レベルを全て略一定とし、消光レベルとの2値変調を行うことを特徴とする光走査装置の画素クロック生成方法。
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