JP4084295B2 - デスケーリングノズル - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延された圧延鋼の表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズル及びこのノズルに有用な超硬チップに関する。
熱延鋼材は、鋼スラブを酸化性雰囲気の加熱炉で1100〜1400℃程度に加熱し、圧延機で熱間圧延することにより製造されている。前記加熱炉での加熱により鋼スラブの表面には酸化鉄で構成されたスケールが生成し、このスケールを除去されないまま熱間圧延すると、圧延鋼板の表面にスケール疵が生じ、製品価値を低下させる。このようなスケールを除去するため、水を高圧で噴射するためのデスケーリングノズルが提案されている。
特開平8−24937号公報(特許文献1)には、鋼板の表面温度を850℃以上にし、ノズルから吐出された液体の流れのうち液滴流領域で生成した液滴を前記鋼板の表面に衝突させて清浄にする鋼板表面の清浄方法が開示されている。この文献には、ノズルから吐出させた液体を、0.5重量%以上のSiを含有する鋼板の表面に衝突させることも記載されている。
特開2000−334335号公報(特許文献2)には、出口流路の入口を形成する楕円形の開口部と、この楕円形の開口部に向かって細くなる供給流路とを備えており、楕円の長軸線の方向の出口流路の側壁のみが流れ方向に拡大されており、楕円の短軸線の方向の側壁が供給流路の軸線に対してほぼ並行に延びている高圧噴射ノズルが開示されている。
しかし、これらのノズルは水を高圧で噴射する必要があり、低圧又は低流量で効率よくスケールを除去することが困難である。
特開2000−263124号公報(特許文献3)には、吐出圧力40MPa以上の圧力でノズルから水を吐出させ、吐出孔から鋼板までの距離150mm以下で鋼板の表面に衝突させてスケールを除去するためのデスケーリングノズルであって、吐出流の吐出方向がノズル軸心に垂直な面内の幅方向に広がりを有し、この幅方向と垂直な厚み方向に1.5〜2.5°の範囲の壊食厚み角度を有するデスケーリングノズルが開示されている。この文献には、吐出孔の上流側に径拡大部を有し、この径拡大部の内径が吐出孔の7〜10倍であり、前記径拡大部の長さが100mm以上であるデスケーリング用フラットスプレーノズルとともに、高Si鋼の熱間圧延において、吐出孔から鋼板までの距離を75〜150mmとして、吐出圧力40MPa以上の圧力でノズルから水を吐出させて鋼板表面のデスケーリングを行う方法も開示されている。
しかし、上記デスケーリングノズルやデスケーリング方法では、壊食量を大きくするためには、高圧及び高い流量で水を吐出させる必要がある。さらに、吐出孔に対する径拡大部の内径が大きいため、ノズルが大型化する。
特公平6−73697号公報(特許文献4)には、整流器を備え、かつ全長に亘って実質的に等しい径の整流流路と、この整流流路の下流側に形成され、かつ下流側に向かって次第に径が小さくなる絞り流路と、この絞り流路の下流側に形成され、かつノズル先端面に形成した溝の底部で噴射口が開口した噴射通路とで構成されたスケール除去用ノズルが開示されている。
特開平9−94486号公報(特許文献5)には、下流側にいくにつれて径が小さくなる流路と、この流路に連なって先端部に至る長孔状のオリフィスとが超硬合金製ノズル本体に形成されたデスケーリング用ノズルが開示されている。このノズルは、ノズル本体の先端部に形成され、かつ側壁が上流側にいくにつれて狭まる傾斜壁を有する凹面部と、この凹面部の底部で前記オリフィスが開口した噴射口とを備えている。この文献には、前記凹面部が、傾斜壁の上流端から軸方向に延びる周壁を備えていてもよいことも記載されている。
これらの文献に記載されているノズルは、超高圧水によるオリフィスの耐摩耗性を改善するために有用である。しかし、デスケーリング効率を高めるためには、高圧及び高い流量で水を吐出させる必要がある。
DE92U17671号明細書(特許文献6)には、ノズル先端部に形成された吐出孔と、この吐出孔から上流側に向かって角度約50°で拡がる第1の円錐状流路と、この第1の円錐状流路の上流端から上流方向に延び、かつ吐出孔の内径に対して約2倍程度の内径を有する第1の円筒状流路と、この第1の円筒状流路の上流端から上流方向に角度約70〜80°で拡がる第2の円錐状流路と、この第2の円錐状流路の上流端から上流方向に延び、かつ吐出孔の内径に対して約4倍程度の内径を有する第2の円筒状流路と、この円筒状流路の上流端から上流方向に緩やかに拡がって延びる傾斜流路とを備えたノズルが記載されている(特許文献6の図1)。
しかし、このノズルでも、デスケーリング効率を高めるためには、高圧及び高い流量で水を吐出させる必要がある。また、2つの円錐状流路を形成する必要があるため、構造が複雑化する。特に、2つの円錐状流路を有するノズルチップを超硬合金で調製することはかなり困難である。
特開平8−24937号公報(特許請求の範囲) 特開2000−334335号公報(特許請求の範囲) 特開2000−263124号公報(特許請求の範囲) 特公平6−73697号公報(特許請求の範囲) 特開平9−94486号公報(特許請求の範囲) DE92U17671号明細書(図1)
従って、本発明の目的は、低圧及び/又は低流量であってもスケールを効率よく除去できるデスケーリングノズル及び超硬ノズルチップを提供することにある。
本発明の他の目的は、鋼板の冷却を抑制しつつデスケーリング性能を向上できるデスケーリングノズル及び超硬ノズルチップを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、小型でデスケーリング性能の高いデスケーリングノズル及び超硬ノズルチップを提供することにある。
本発明の別の目的は、熱間圧延における鋼材のデスケーリングに有効なデスケーリングノズル及び超硬ノズルチップを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、先端部の凹面で開口した吐出孔から延びるノズル孔を特定の円錐状テーパ部として形成すると、低圧及び/又は低流量であってもデスケーリング効率を大きく改善できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のデスケーリングノズルは、ノズルから水を吐出させて鋼板表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズルであって、ノズルが、先端部の凹面又は凹部で開口した吐出孔と、この吐出孔から延びるテーパ部(円錐状又は紡錘状テーパ部など)と、このテーパ部に連なる径大部(円筒状径大部など)とで構成されたノズル孔を備えている。このノズルにおいて、前記テーパ部のテーパ角θは、特に制限されず、30〜80°(例えば、40〜70°)程度に形成してもよい。また、吐出孔の短径D2に対する径大部の内径D1の割合(D1/D2)は3以上であってもよく、3以上7未満であってもよい。前記ノズルを小型化するため、上記吐出孔の短径D2に対する径大部の内径D1の割合(D1/D2)は、例えば、3〜6(例えば、4〜6)程度であってもよい。吐出孔の形状は楕円形状であってもよい。さらに、このノズルは、通常、ノズルからの吐出流がノズル軸心に対して垂直な面内の一方向(幅方向)に広がりを形成する。さらに、前記ノズルは、前記吐出流の幅方向に対して垂直な方向(厚み方向)に、壊食厚み角度1.5〜3°を有していてもよい。
より具体的には、ノズルの流路は、先端部の凹面又は凹部で楕円形状に開口した吐出孔と、この吐出孔からテーパ角θ40〜60°で上流側に拡がって延びるテーパ状流路と、このテーパ状流路の上流端からほぼ同じ内径で延びる円筒状流路とで構成してもよい。また、楕円形状の吐出孔の長径と短径との割合は1.2〜2.5程度であってもよく、吐出孔の短径D2に対する円筒状流路の内径D1の割合(D1/D2)は4〜6程度であってもよい。
前記ノズルは、通常、先端部にノズルチップ(超硬合金製ノズルチップ)が装着されている。そのため、本発明は、前記ノズル先端部に装着されるノズルチップも含む。このノズルチップは、超硬合金で形成され、かつ吐出孔の短径D2に対する上流端の内径D1の割合(D1/D2)が3以上である。ノズルチップは、先端部に形成された凹面又は凹部で開口した吐出孔と、この吐出孔から上流方向に向かって所定のテーパ角θで延びる円錐状流路とを備えていてもよい。また、前記凹面又は凹部は、先端部から上流方向にいくにつれて半径方向の内方へ傾斜した傾斜側壁を備えていてもよい。
前記ノズルは、低圧(例えば、圧力5〜30MPa)及び/又は低吐出流量(例えば、吐出流量40〜200リットル/分)でノズルから水を吐出させて鋼板のスケールを除去するデスケーリングノズルとして有用である。また、吐出孔と鋼板との距離600mm以下(例えば、200mm以下)で、ノズルから水を吐出させて鋼板(例えば、低Si鋼板又は普通鋼板)表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズルとして有用である。
このようなノズルでは、ノズル孔が、先端部の凹面で開口した吐出孔と、この吐出孔に至るテーパ部と、径大部とを有しているため、低い吐出圧や低い吐出流量であっても衝突力を高めることができ、デスケーリング効率を改善できる。また、低い流量で壊食効率も改善できるため、鋼板の温度低下も大きく抑制できる。
なお、本明細書において、「径大部」は、吐出孔に連なるテーパ部から上流方向に連なる流路を意味し、テーパ部の上流端から実質的に同じ内径D1で延びる流路を意味する。そのため、「径大部」は「円筒状流路」と同義に用いることができる。テーパ部の上流端から「実質的に同じ内径」とは傾斜角度0〜3°(特に0〜2°)で延びる流路の平均内径を意味し、傾斜角度3°を越える角度をテーパ角と規定することができる。なお、「実質的に同じ内径で延びる流路」とは、その流路の内径D1に対する流路長さLの比(L/D1)が1以上である流路を意味する。また、実質的に同じ内径部であっても、流路の内径D1に対する流路長さLの比(L/D1)が1未満(L/D1<1)の部位は、テーパ部の一部とする。そのため、吐出孔から上流方向に、実質的に同じ内径で延びる円筒状流路と、この円筒状流路から上流方向にテーパ状に延びる円錐状流路とが形成されたノズル又はノズルチップや、吐出孔から上流方向に、テーパ状に延びる円錐状流路と、この円錐状流路から上流方向に実質的に同じ内径で延びる円筒状流路とが形成されたノズルやノズルチップにおいて、前記円筒状流路の内径D1に対する流路長さLの比(L/D1)が1未満(L/D1<1)であるとき、これらの円筒状流路はテーパ状流路を構成する。さらに、「吐出孔の短径に対する径大部の内径の割合」とは、「吐出孔の短径に対する径大部の下流端(又はテーパ部の上流端)の内径の割合」を意味する。
本発明では、ノズル孔が、凹面で開口した吐出孔から延びるテーパ部と径大部とを有しているため、低圧及び/又は低流量であってもスケールを効率よく除去できる。また、低い吐出流量でも効率よくデスケーリングを行うことができるので、鋼板の冷却を抑制しつつデスケーリング性能を向上できる。さらに、小型であってもデスケーリング性能を改善できる。そのため、熱間圧延において低Si含量の鋼板のデスケーリングに有効である。
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
図1は本発明のデスケーリングノズルの一例を示す概略斜視図であり、図2は図1のII-II線概略断面図であり、図3は図1のノズル先端部の概略正面図である。
このデスケーリングノズル1は、図1乃至図3に示されるように、上流側から水が流入可能であり、かつ円筒状流路(又はノズル孔)を備えた円筒状ケーシング2と、このケーシングが装着可能な円筒状ノズルケース11と、このノズルケースの先端部に装着され、かつ流路(又はノズル孔)を経て先端部から吐出流を噴出させるための超硬合金製ノズルチップ12とで構成されており、これらの部材の軸芯にはノズル孔又は流路が軸線方向に形成されている。なお、この例では、円筒状ケーシング2は、前記ノズルケース11に対して螺着可能な第1のケーシング2aと、このケーシングに対して装着可能な第2のケーシング2bとで構成され、かつ第1及び第2のケーシング2a,2bは螺合などにより互いに一体化している。
前記第2のケーシング2bの上流側端部の周面及び端面(平坦面)には、夾雑物の流入を規制しつつ水を流入させるため、軸方向に延びる複数のスリット(又は流入口)3が周方向に所定間隔毎に形成され、フィルタを構成している。また、第2のケーシング2b内の流路には、フィルタから流入した水をノズル孔に案内するため、整流ユニット(又は整流器若しくはスタビライザ)4が配設されており、この整流ユニット4は、芯体から放射方向に延びる複数の整流板(整流羽根)5と、芯体の上流側及び下流側に同軸に形成され、かつそれぞれ先端部を上下流方向に向けて形成された鋭角な円錐部(上流側又は下流側が先細り状態の円錐部)6a,6bとを備えている。フィルタを構成し、かつ整流ユニットを備えた第2のケーシング2bは、フィルタユニット又は整流ケーシングと称することもできる。なお、整流ユニット4の整流板5はケーシングの内壁に当接しているとともに、整流ユニット4は固定手段(係止、装着、溶着、固着など)により下流側への移動が規制されている。
前記円筒状ケーシング2の流路は、第2のケーシング2bの上流側端部(流入口)から整流ユニット4の下流端に至り、かつ実質的に同じ内径の円筒状流路P1と、前記整流ユニット4の下流端から下流方向に向かって第1のケーシング2aの途中部に至り、かつ緩やかな傾斜でテーパ状に狭まる傾斜流路(環状傾斜流路)P2と、この傾斜流路の下流端から下流方向に向かって延び、かつ実質的に同じ内径の円筒状流路P3とを備えている。この例では、傾斜流路(環状傾斜流路)P2を形成する傾斜壁(テーパ部)のテーパ角は、例えば、5〜10°程度に形成されている。
前記ノズルケース11内には、先端部から上流方向に向かって、超硬合金製ノズルチップ12と、前記第1のケーシング2aの下流端と実質的に同じ内径の流路が形成されたブシュ(又は環状側壁)17とが順次装着されており、前記ノズルチップ12は掛止段部13により先端部方向への抜けが規制されている。前記ノズルチップ12の先端面には、断面U字状の湾曲溝14が半径方向に形成されているとともに、この湾曲溝14の湾曲凹面には、楕円形状の吐出孔15が開口している。なお、断面U字状の湾曲溝14の底面は、吐出孔15を最下部として延出方向(又は半径方向)にいくにつれて両端部が隆起した湾曲状底面であってもよい。
そして、ノズル1の軸線方向に延びるノズル孔は、前記湾曲凹面14で楕円形状に開口した吐出孔(又は噴出口)15と、ノズルチップ12に形成され、かつ前記吐出孔15から軸線の上流方向に向かって直線的に拡径して延びるテーパ部(又は円錐状傾斜壁)16により形成された円錐状流路P5と、前記ブシュ17により形成され、かつ前記テーパ部16の上流端から軸線方向に沿って実質的に同じ内径で上流方向へ連なる円筒状流路P4とで構成されている。すなわち、ノズル1の流路(ノズル孔)は、先端部の湾曲凹面14で楕円形状に開口した吐出孔15と、この吐出孔からテーパ側壁(円錐状側壁)16により所定のテーパ角θで上流側に拡がって延びるテーパ状流路(又は円錐状流路)P5と、このテーパ状流路の上流端からブシュ17の環状側壁によりほぼ同じ内径で延びる円筒状径大流路(テーパ状流路P5の上流端から整流ユニット4の上流端に至るまでの流路)P4〜P1とで構成されている。なお、前記テーパ部16の上流端から実質的に同じ内径で延びる流路(この例では、径大部の上流端から緩やかな傾斜流路P2の下流端までの円筒状流路P3及びP4)を径大部18とすることができる。
さらに、楕円形状の吐出孔15の長径/短径比は、1.5〜1.8程度に形成され、楕円形状の吐出孔15と径大部18との関係について、吐出孔15の短径D2に対する径大部18(円筒状流路P3及びP4、又は整流ユニットから下流方向に延びる傾斜流路P2の下流端)の内径D1の割合(D1/D2)は、ノズルを小型化するため、4.5〜6.9程度に設定されている。さらには、低圧及び/又は低流量であっても衝突力を高めるため、前記テーパ部16の角度(テーパ角)θは、45〜55°程度に設定されている。
なお、前記ノズルケース11や円筒状ケーシング2の適所(この例では、ノズルケース)には、アダプター(図示せず)を利用して導管(図示せず)にノズル1を取り付けるための鍔部(又はフランジ)19などの取付部を形成できる。また、ノズルケース11には、位置決め精度を高め、所定方向にフラット又は帯状吐出流を噴出させるため、導管に対する位置決め用凸部20を形成してもよい。
このようなノズル1を利用すると、ノズル孔の径大部18を経てテーパ部16が直線的に傾斜して吐出孔15に至っているため、シャープな衝突力分布を実現でき、小型であっても低圧及び低流量で効率よくスケールを除去できる。また、低圧及び低流量でデスケーリングできるため、鋼板の冷却を抑制しつつデスケーリング性能を改善できる。さらに、鋼板に対してノズル1を近接させることにより、さらに衝突力を向上でき、デスケーリング性能を改善できる。そのため、前記ノズル1は、水を吐出させ、熱間圧延などの鋼板表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズル(又はフラットデスケーリングノズル)として有用である。
なお、本発明のノズルでは、径大部から所定のテーパ部を経て吐出孔に至るノズル孔を有し、かつフラットスプレーノズルを構成できる限り、吐出孔を含めてノズル孔の形状は特に制限されず、種々のノズル孔が利用できる。例えば、ノズル先端部の凹面は、前記断面U字状溝(断面湾曲面)に限らず、湾曲凹面(開口部側が広がり、上流部側が狭まった湾曲面、例えば、球面状の凹部面、楕円面状の凹部面、茶碗状凹部面、ラッパ状凹部などの湾曲凹面など)であってもよい。さらに、ノズル先端部の凹面は、湾曲状又は直線状に傾斜した側壁を有する凹部で形成してもよい。
図4は本発明のノズル先端部の他の例を示す部分概略斜視図であり、図5は図4のノズルの先端部を示す概略断面図である。この例では、ノズルケース21に装着された超硬合金製ノズルチップ22の先端部には、楕円形状の凹部24(又は環状凹部)が形成され、この凹部24は、ノズルの先端部から上流側にいくにつれて半径方向の内方へ直線状又は湾曲して傾斜した(又は狭まる)傾斜側壁24aと、この傾斜側壁の上流端から軸線方向に延びる周壁24bとを備えている。そして、このような凹部24の中央部には、前記楕円形状凹部24の長軸と軸線を同じくして楕円形状の吐出孔25が開口している。この吐出孔(又は前記周壁の上流端)25から上流方向には、前記と同様に、テーパ状環状側壁(又はテーパ側壁)26により所定のテーパ角θで拡がるテーパ状流路(又は円錐状流路)P5と、ブシュ又は環状側壁27によりほぼ同じ内径で延びる流路(径大流路又は径大部)P4(又はP4〜P1)とが形成されている。
このようなノズルでも、前記径大部及びテーパ部を経て吐出孔から水を噴出できるので、低圧及び/又は低流量であってもデスケーリング効率を向上できる。さらに、吐出孔の全周に亘って、周壁により所定の厚みを確保できるとともに、テーパ部(又はテーパ側壁)と傾斜側壁との角度を大きく形成でき厚肉化できるので、吐出孔を含めてノズル孔の耐摩耗性を改善できる。また、吐出孔の全周に亘って傾斜側壁が形成され、吐出孔が深部に位置するので、ノズルからの吐出流が鋼板などから跳ね返っても、吐出孔やその周辺に衝突するおそれが少なくなる。そのため、ノズルの耐久性を改善できる。
なお、前記凹部又は凹面の周壁がなくても、吐出孔の全周に亘って厚肉化でき、ノズルの耐摩耗性を向上できるので、前記凹部又は凹面の周壁は特に必要はなく、前記傾斜側壁で吐出孔が開口していてもよい。また、周壁の壁面は軸線方向に延びる平坦面である必要はなく、アール状の湾曲面であってもよい。前記傾斜側壁は、吐出水と接触可能であってもよいが、吐出部での耐摩耗性を改善するとともに、吐出孔からの噴射パターンを維持するためには、傾斜側壁に対して吐出水が非接触であるのが好ましい。そのため、前記傾斜側壁は、吐出水と非接触な角度、例えば、45〜80°、特に50〜70°程度に傾斜角を調整してもよい。
ノズル孔は、通常、先端部の凹面又は凹部で開口した吐出孔と、吐出孔から延びるテーパ部と、このテーパ部に連なる径大部とで構成すればよく、前記吐出孔とチップ端面との間には、通常、傾斜壁が形成されている。
吐出孔は、前記特定の楕円形状に限らず、扁平状などの種々の形状の吐出孔が採用できるが、通常、楕円形状である。例えば、楕円形状の吐出孔において、長径と短径との割合は、例えば、長径/短径=1.2〜3、好ましくは1.2〜2.5、さらに好ましくは1.4〜2程度である。
前記テーパ部は所定の角度で直線状に傾斜していてもよく、異なる複数の傾斜角で傾斜していてもよく、湾曲して傾斜していてもよい。図6はテーパ部の他の例を示す概略断面図である。
この例では、ノズルケース31に装着されたノズルチップ32には、吐出孔から上流方向に延びるテーパ部(テーパ側壁)36が形成されており、このテーパ部は、2つのテーパ部、例えば、テーパ角(傾斜角度)θ1の大きな第1のテーパ部(円錐状側壁)36aと、この第1のテーパ部の上流端に連なって第1のテーパ部36aよりもテーパ角(傾斜角度)θ2が小さな第2のテーパ部(円錐台状側壁)36bとで構成されている。なお、第1のテーパ部36aのテーパ角θ1は50〜90°(例えば、50〜80°)程度、第2のテーパ部36bのテーパ角θ2は20〜55°(例えば、30〜50°)程度に形成してもよい。また、第2のテーパ部36bの上流端からは、ブシュ又は環状側壁37で形成された円筒状流路が連なっている。
前記テーパ部は、角度の異なる複数のテーパ部(例えば、3以上のテーパ部)で構成された多段テーパ部であってもよい。複数のテーパ部のテーパ角は、上流方向に向かって、順次、大きく形成してもよく、小さく形成してもよい。なお、複数のテーパ部は、先端部のテーパ部から上流方向に離れて形成されていてもよいが、通常、先端部のテーパ部に対して隣接又は連続して形成されている。さらに、吐出孔から軸線方向の上流側に向かって内径が連続的に大きくなるテーパ部が形成されている限り、紡錘状の湾曲面(湾曲テーパ面)によりテーパ面を形成してもよい。
前記テーパ部の角度(テーパ角)θは、特に制限されず、20〜80°程度の範囲から選択してもよく、通常、例えば、30〜80°、好ましくは35〜75°(例えば、35〜60°)、さらに好ましくは40〜70°、特に40〜60°程度の範囲から選択できる。なお、テーパ部が複数のテーパ部や湾曲部で構成されている場合、前記テーパ角θは、吐出側(下流側)に位置する最小の孔部(吐出孔)と、上流側に位置する径大部の始端部とを結ぶ線で形成される角度を意味する。
また、吐出孔の短径D2に対する径大部の内径D1の割合(D1/D2)は、特に制限されず、2〜10程度であってもよい。ノズルを小型化するためには、割合(D1/D2)は、3以上(特に、3以上7未満)、例えば、3〜6.9(例えば、3〜6)、好ましくは3.5〜6.9(例えば、3.5〜6)、さらに好ましくは4〜6.5(例えば、4〜6)程度であり、4.5〜6(例えば、4.5〜5.5)程度であってもよい。なお、径大部の内径D1は、8〜20mm(例えば、8〜15mm、好ましくは9〜15mm)程度であってもよい。
径大部は、通常、実質的に同じ内径に形成する場合が多いものの、デスケーリング効率を損なわない限り、前記傾斜部のように、角度0〜3°で上流方向に向かって内径が若干拡大して傾斜していてもよい。前記例の筒状ケーシングの傾斜流路(環状傾斜流路)P2のテーパ角は、例えば、3°を越え25°以下(好ましくは5〜15°)程度に形成してもよい。径大部(円筒状径大部又は径大流路部)の全体の長さは、特に制限されず、例えば、30〜300mm(例えば、50〜200mm)、好ましくは50〜150mm(例えば、75〜150mm)程度である。なお、テーパ部の上流端から実質的に同じ内径で延びる径大部の長さ(例えば、前記図2に示す例では、第1のケーシングの途中部まで延びる流路の長さ)は、例えば、25〜200mm(例えば、30〜150mm)、好ましくは35〜150mm(例えば、40〜125mm)程度であってもよい。
本発明のノズルは、前記吐出孔から上流方向に延びるテーパ部と、このテーパ部からほぼ同じ内径で延びる径大部とを備えていればよく、前記筒状ケーシングは必ずしも必要ではない。また、筒状ケーシングは第1のケーシングと第2のケーシングとで構成する必要はなく、単一のケーシングで構成してもよい。
さらに、ノズルの上流側において整流ユニットは必ずしも必要ではないが、通常、整流手段、例えば、前記スタビライザ(又は整流ユニット)が配設されている。なお、前記スタビライザは、径大部(又は径大流路)の上流側に配設すればよく、前記のように、実質的にほぼ同じ内径の径大部又は円筒部の上流側に、内径が漸次緩やかに増大する傾斜部(又は傾斜流路)を形成し、この傾斜部(又は傾斜流路)の上流側のケーシング内にスタビライザを配設してもよく、実質的にほぼ同径の径大部の上流側の所定位置に固定して配設してもよい。前記スタビライザの構造は特に制限されず、放射状に延びる複数の羽根(整流板又は翼)や格子状又はハニカム状流路で構成してもよく、前記のように、ノズルと同軸に延びる軸部又は芯体から周方向の所定間隔毎に放射状に延びる複数の羽根で構成してもよい。さらには、スタビライザの上流側及び/又は下流側には、円錐部は必ずしも必要ではないが、水を案内するための整流案内部材(例えば、前記円錐部や円錐状又はノーズ状案内部材)を取付又は配設する場合が多い。なお、整流板の数は特に制限されず、例えば、4〜16枚程度であってもよい。
筒状ケーシングの上流側端部には、前記平坦な端面に限らず、湾曲端面又は膨出状端面を形成してもよい。図7はケーシングの上流側端部の他の例を示す概略図である。
この例では、筒状ケーシング42の上流側の端部はノーズ状又は頭部状の湾曲端部として形成されており、筒状ケーシング42の端部の周面及び湾曲面には、軸方向に延びる複数のスリット43が所定間隔をおいて周方向に形成されている。このようなケーシングのスリットでも、円滑に水を流入させ、吐出孔から均一で高い衝突力分布で吐出流を噴出できる。
なお、前記フィルタを構成する流入口は、軸方向に延びるスリットに限らず、周方向に延びるスリット、ランダム方向に延びるスリットで形成してもよく、複数の孔で形成してもよい。また、流入口は、周面及び端面の双方に限らず、筒状ケーシングの周面に形成してもよく、上流側端面に形成してもよい。さらに、前記フィルタを構成する流入口を筒状ケーシングに形成することなく、筒状ケーシングの上流側端部内に、ケーシング上流側端部が開口した状態で、整流ユニットを配設してもよい。
前記より明らかなように、本明細書は、ほぼ同じ内径を有する円筒状径大部(径大流路)に連なるノズル孔を形成するためのノズルチップであって、先端部の凹面又は凹部で開口する吐出孔と、この吐出孔から上流方向に向かって所定のテーパ角θで形成されたテーパ部(又は円錐状壁部)とを備えたノズルチップをも開示する。このようなノズルチップは、(1)吐出孔から上流方向にテーパ角θ30〜80°で延び、かつ上流端に至るテーパ部で形成された円錐状流路を有するノズルチップ、(2)吐出孔から上流方向に実質的に同じ内径で延び、かつ内径D1に対する長さLの比(L/D1)が1未満(L/D1<1)である流路と、この流路から上流方向にテーパ角θ30〜80°で延びるテーパ部で形成された円錐状流路とを有するノズルチップであってもよい。また、ノズルチップは、(3)吐出孔から上流方向にテーパ角θ30〜80°で延びるテーパ部で形成された円錐状流路と、この円錐状流路から上流方向に実質的に同じ内径で延びる流路とを有していてもよい。このノズルチップ(3)において、円錐状流路から上流方向に延びる流路は、内径D1に対する流路長さLの比(L/D1)が1未満(L/D1<1)であってもよく、1以上であってもよい。
ノズルチップは、先端部に形成された凹面又は凹部と、この凹面又は凹部の中央部に形成された吐出孔と、この吐出孔から上流側に向かって所定のテーパ角θで延びる円錐状流路とを備えていてもよい。さらに、ノズルチップの先端部に形成された凹部は、ノズルの先端部から上流方向にいくにつれて半径方向の内方へ傾斜した傾斜側壁を備えていてもよい。
また、本明細書は、先端部に前記ノズルチップが装着されたノズルケース、特に、先端部に装着された前記ノズルチップと、このノズルチップのテーパ部の上流端に配設され、かつテーパ部の上流端から前記径大部と実質的に同じ内径の流路を形成するためのブシュとを備えたノズルケースをも開示する。
前記ノズルは、高圧及び/又は高流量で鋼板(例えば、Si含有量が0.5重量%以上、特にSi含有量が1重量%以上の高Si含有鋼板)のスケールを除去するためにも有用である。このような方法では、30MPaを越える圧力(例えば、35〜80MPa、好ましくは37〜60MPa、さらに好ましくは40〜50MPa程度)の高圧で水を吐出又は噴出させてもよい。また、吐出孔からは、大きな吐出流量、例えば、80リットル/分以上の流量(例えば、80〜300リットル/分、好ましくは80〜250リットル/分、さらに好ましくは80〜150リットル/分程度)で水を噴出させてもよい。
本発明のノズルは、低圧及び/又は低流量であってもデスケーリング効率を大きく改善できる。そのため、好ましいデスケーリング方法では、低圧、例えば、吐出圧又は噴出圧5〜30MPa(好ましくは8〜25MPa、さらに好ましくは10〜20MPa、特に12〜18MPa)程度でノズルから水を吐出させることにより、鋼板のスケールを除去できる。また、水の流量が低流量であっても、ノズルから水を吐出させて鋼板のスケールを除去できる。そのため、デスケーリング過程での鋼板の冷却を抑制でき、熱間圧延を円滑に行うことができる。水の吐出流量又は噴出流量は、例えば、40〜200リットル/分程度の範囲から選択でき、通常、45〜150リットル/分、好ましくは50〜100リットル/分程度であってもよい。本発明のノズル及び方法では、小さな吐出流量、例えば、40〜100リットル/分(例えば、50〜80リットル/分)程度であっても高いデスケーリング性を実現できる。
本発明の方法において、被処理基材(鋼板)に対する吐出距離(スプレー距離)はデスケーリング効率を損なわない限り、例えば、600mm以下(例えば、50〜500mm程度)の範囲から適当に選択できる。効率的にデスケーリングするためには、鋼板に対してノズルは近接させて使用される。前記吐出距離は、200mm以下(好ましくは50〜200mm、さらに好ましくは50〜180mm、特に75〜170mm)程度である。吐出距離は、通常、50〜150mm(例えば、75〜150mm)程度である。
なお、ノズルからの吐出流は、通常、ノズル軸心に対して垂直な面内の一方向(面方向又は幅方向)に広がりを形成する。このようなノズル(フラットスプレーノズル)は、通常、前記幅方向に対して垂直な方向(厚み方向)に、所定の壊食厚み角度φを備えており、所定の壊食厚み角度φで水が吐出又は噴出される。壊食厚み角度φはデスケーリング効率を損なわない限り特に制限されず、例えば、1.5〜3°(好ましくは2〜2.5°)程度である。なお、壊食厚み角度φは下記式に従って算出できる。
φ=2tan-1[(t−d)/2H]
(式中、t(mm)は壊食厚み、d(mm)はノズル吐出孔の短径、H(mm)はスプレー距離又は噴射距離を示す)
このようなノズルでは、シャープでしかも均一な衝突力分布を実現できる。すなわち、本発明のノズル及び方法では、吐出流の衝突力分布において、幅方向の両側ではシャープな立ち上がりを示すだけでなく、幅方向の全体に亘ってほぼ均一な衝突力を示す。また、本発明のノズルや方法では、衝突力分布において、吐出流の幅方向の広範囲に亘り均一で高い衝突力が得られる。この点、幅方向の中央部の衝突力が強く、側部にいくにつれて衝突力が小さくなる山形状の衝突力分布を示す従来のノズルとは、衝突力分布の点で大きく異なる。
そのため、本発明のノズル及び方法では、低圧及び/又は低流量であっても、アルミニウム壊食量を大きくできる。アルミニウム壊食量は、例えば、アルミニウムJIS−5050について、圧力15MPa及び吐出流量66リットル/分の条件で水を噴射したとき、ノズルからの噴射又はスプレー距離(吐出孔と鋼板との距離)150mmでは0.01〜0.015g程度、噴射距離130mmでは0.02〜0.025g程度、噴射距離100mmでは0.028〜0.033g程度である。
本発明は種々の鋼板表面のデスケーリング(熱間圧延工程での鋼板表面のデスケーリング)に利用でき、鋼板の種類は特に制限されない。例えば、鋼板はSi含有量の多い高Si鋼板であってもよいが、Si含有量の少ない低Si鋼(例えば、Si0.5重量%以下(0.2〜0.5重量%程度)の普通鋼など)のデスケーリングに有効に利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜3
スプレーとして、図2に示すスプレーノズルを用いた。このノズルは、ノズルチップの吐出孔(長径3.78mm,短径2.31mm,長径/短径=1.6の楕円形状)、テーパ部のテーパ角θ=50°、ノズルケース及び第1のケーシングの途中部まで延びる内径11mmφ及び長さ43.4mmの円筒状流路(径大部)、この円筒状流路(径大部)の上流端からテーパ角7.5°で延びる傾斜部傾斜流路(長さ36.1mm)、この傾斜流路の上流端から内径16mmφで延び、且つスタビライザ(羽根の軸方向の長さ16mm、軸部から放射状に延出た羽根の数8枚)が装着された円筒状流路、第2のケーシングの上流側端部に形成された複数のスリットを有している。なお、吐出孔の短径D2に対して第1のケーシングの途中部まで延びる円筒状流路(径大部)の内径D1の割合(D1/D2)は4.8である。前記スタビライザは、上流側及び下流側にそれぞれ先端部が上流側及び下流側に向いた円錐状部材を備えている。
そして、スプレーの噴出圧(水圧)15MPa及び吐出流量66リットル/分に設定し、スプレー距離150mm及びアルミニウム壊食時間900秒(実施例1)、スプレー距離130mm及びアルミニウム壊食時間900秒(実施例2)、スプレー距離100mm及びアルミニウム壊食時間600秒(実施例3)の条件で、アルミニウムJIS−5050について、アルミニウム(Al)壊食量(30秒当たりの換算値)と衝突力分布を調べた。
比較例1〜3
図8に示すノズルを用いた。このノズルは、ノズルチップの断面U字状溝の凹面で開口した吐出孔(長径3.78mm,短径2.31mm,長径/短径=1.6の楕円形状)55、この吐出孔から上流方向に向かって内径5mmφで延びる流路(長さ10mm)P15、この流路の上流端から上流方向に向かって所定のテーパ角で緩やかに拡がって延び、かつ上流端の内径が7.6mmφの傾斜流路(長さ22mm)P14、この傾斜流路の上流端から上流方向に向かってテーパ角θ=7.5°で緩やかに傾斜して拡がり、かつ上流端の内径が13mmφである絞り流路(長さ54mm)P13、この絞り流路の上流端と同じ内径を有し、かつ実施例と同様のスタビライザ54が装着されているとともに、上流側端部の流入口53と連なる円筒状流路P12を有している。
そして、上記ノズルを用いて、実施例と同様にしてアルミニウム壊食量(30秒当たりの換算値)と衝突力分布を調べた。
結果を表1に示すとともに、実施例1〜3における吐出流の幅方向の衝突力分布を図9〜11に示し、比較例1〜3における吐出流の幅方向の衝突力分布を図12〜14に示す。
Figure 0004084295
表及び図から明らかなように、比較例に比べて、実施例では高いデスケーリング性が得られる。
比較例4
実施例1のスプレーノズルに代えて、下記のスプレーノズルを用いる以外、実施例1と同様にして、アルミニウム(Al)壊食量を調べたところ、アルミニウム(Al)壊食量(30秒当たりの換算値)は0.004gであった。このスプレーノズルは、ノズルチップの断面U字状溝の凹面で開口した吐出孔(長径3.78mm,短径2.31mm,長径/短径=1.6の楕円形状)と、この吐出孔から上流方向に向かってテーパ角50°で拡がり、かつ上流端の内径が6mmφである傾斜流路と、この傾斜流路の上流端から上流方向に向かって約5°のテーパ角で緩やかに拡がって延び、かつ上流端の内径が11mmφの傾斜流路(長さ11mm)と、この傾斜流路の上流端から上流方向に向かってテーパ角θ=7.5°で緩やかに傾斜して拡がり、かつ上流端の内径が13mmφである絞り流路(長さ54mm)と、この絞り流路の上流端と同じ内径を有し、かつ実施例と同様のスタビライザが装着されているとともに、上流側端部の流入口と連なる円筒状流路とを有している。
比較例5
実施例1のスプレーノズルに代えて、DE92U17671号明細書に記載のスプレーノズルに対応する下記のスプレーノズルを用いる以外、実施例1と同様にして、アルミニウム(Al)壊食量を調べたところ、アルミニウム(Al)壊食量(30秒当たりの換算値)は0.007gであった。このスプレーノズルは、ノズルチップの断面U字状溝の凹面で開口した吐出孔(長径3.78mm,短径2.31mm,長径/短径=1.6の楕円形状)と、この吐出孔から上流方向に向かってテーパ角50°で拡がり、かつ上流端の内径が6mmφである第1の傾斜流路と、この傾斜流路の上流端から上流方向に内径6mmφで延びる円筒状流路(長さ9mm)と、この円筒状流路の上流端から上流方向に向かってテーパ角80°で延びる第2の傾斜流路と、この第2の傾斜流路の上流端から上流方向に内径11mmφで延びる円筒状流路(長さ43mm)と、この円筒状流路の上流端から上流方向に向かってテーパ角θ=7.5°で緩やかに傾斜して拡がり、かつ上流端の内径が13mmφである絞り流路(長さ54mm)と、この絞り流路の上流端と同じ内径を有し、かつ実施例と同様のスタビライザが装着されているとともに、上流側端部の流入口と連なる円筒状流路とを有している。
本発明のデスケーリングノズルの一例を示す概略斜視図である。 図1のII-II線概略断面図である。 図1のノズル先端部の概略正面図である。 本発明のノズル先端部の他の例を示す部分概略斜視図である。 図4のノズルの先端部を示す概略断面図である。 テーパ部の他の例を示す概略断面図である。 ケーシングの上流側端部の他の例を示す概略図である。 比較例で用いたノズルを示す概略縦断面図である。 実施例3での吐出流の幅方向の衝突力分布を示すグラフである。 実施例2での吐出流の幅方向の衝突力分布を示すグラフである。 実施例1における吐出流の幅方向の衝突力分布を示すグラフである。 比較例3における吐出流の幅方向の衝突力分布を示すグラフである。 比較例2における吐出流の幅方向の衝突力分布を示すグラフである。 比較例1における吐出流の幅方向の衝突力分布を示すグラフである。
符号の説明
1…デスケーリングノズル
2…円筒状ケーシング
4…整流ユニット
11,21,31…ノズルケース
12,22,32…ノズルチップ
14…湾曲溝
15,25…吐出孔
16,26…テーパ部(又は円錐状傾斜壁)
36a,36b…テーパ部
17,27,37…ブシュ(又は環状側壁)
18…径大部
24…凹部
P1…円筒状流路
P2…傾斜流路
P3…円筒状流路
P4…円筒状流路
P5…円錐状流路

Claims (11)

  1. ノズルから水を吐出させて鋼板表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズルであって、ノズルが、先端部の凹面又は凹部で開口した吐出孔と、この吐出孔からテーパ角θ30〜80°で延びるテーパ部と、このテーパ部に連なる径大部とで構成されたノズル孔を備えており、前記吐出孔の短径D2に対する径大部の内径D1の割合(D1/D2)が3以上であるデスケーリングノズル。
  2. ノズルから水を吐出させて鋼板表面のスケールを除去するためのデスケーリングノズルであって、ノズルが、先端部の凹面又は凹部で開口した吐出孔と、この吐出孔から延びるテーパ部と、このテーパ部に連なる径大部とで構成されたノズル孔を備えており、前記吐出孔の短径D2に対する径大部の内径D1の割合(D1/D2)が3以上7未満であるデスケーリングノズル。
  3. テーパ部のテーパ角θが30〜80°である請求項2記載のデスケーリングノズル。
  4. 吐出孔が楕円形状であり、吐出孔の短径D2に対する径大部の内径D1の割合(D1/D2)が3〜6である請求項1又は2記載のノズル。
  5. 圧力5〜30MPa及び吐出流量40〜200リットル/分でノズルから水を吐出させて鋼板のスケールを除去するデスケーリングノズルであって、円錐状テーパ部のテーパ角θが40〜70°であり、吐出孔の短径D2に対する円筒状径大部の内径D1の割合(D1/D2)が4〜6である請求項1記載のノズル。
  6. ノズルからの吐出流がノズル軸心に対して垂直な面内の一方向(幅方向)に広がりを形成し、この幅方向に対して垂直な方向(厚み方向)に、壊食厚み角度1.5〜3°を有する請求項1又は2記載のノズル。
  7. ノズルの流路が、先端部の凹面又は凹部で楕円形状に開口した吐出孔と、この吐出孔からテーパ角θ40〜60°で上流側に拡がって延びるテーパ状流路と、このテーパ状流路の上流端からほぼ同じ内径で延びる円筒状流路とで構成されている請求項1又は2記載のノズル。
  8. 楕円形状の吐出孔の長径と短径との割合が1.2〜2.5であり、吐出孔の短径D2に対する円筒状流路の内径D1の割合(D1/D2)が4〜6である請求項7記載のノズル。
  9. 先端部にノズルチップが装着されており、このノズルチップが、先端部に形成された凹面又は凹部と、この凹面又は凹部で開口した吐出孔と、この吐出孔から所定のテーパ角θで上流方向に延びる円錐状流路とを備えており、前記凹面又は凹部が、先端部から上流方向にいくにつれて半径方向の内方へ傾斜した傾斜側壁を備えている請求項1又は2記載のノズル。
  10. 超硬合金で形成され、かつ吐出孔の短径D2に対する上流端の内径D1の割合(D1/D2)が3以上である、請求項1又は2に記載のノズル先端部に装着される超硬ノズルチップ。
  11. 先端部に形成された凹面又は凹部で開口した吐出孔と、この吐出孔から上流方向に向かって所定のテーパ角θで延びる円錐状流路とを備えている請求項10記載の超硬ノズルチップ。
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