JP2014176884A - デスケーリングノズルおよびデスケーリング装置並びにデスケーリング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】デスケーリングノズルから高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去する、デスケーリングノズルおよびデスケーリング装置並びにデスケーリング方法を提供する。
【解決手段】デスケーリングノズル10の吐出口3から噴射した液滴の平均粒子径を、200μm以上の大きさにすることでスケール除去能力を向上させる。
【選択図】図3
【解決手段】デスケーリングノズル10の吐出口3から噴射した液滴の平均粒子径を、200μm以上の大きさにすることでスケール除去能力を向上させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、デスケーリングノズルから高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去する、デスケーリングノズルおよびデスケーリング装置並びにデスケーリング方法に関する。
従来のデスケーリング装置においては、スケール除去能力を向上させるために、水の噴射圧力から鉄鋼製品(鋼板)表面に対する水の衝撃力を推定する式を基にして、スケールを除去するために必要な衝撃力を決定している(例えば特許文献1参照)。また、P(リン)やSi(シリコン)の重量%を基にして、スケールを除去するために必要な衝撃力を決定している(例えば特許文献2参照)。また、デスケーリング装置を変更することなく、スケール除去能力を向上させるためには、鋼板とデスケーリングノズルとの距離を短くすることが必要であった(例えば特許文献3参照)。
高速高圧噴霧の大きさについて 機械学会論文集 15(52) 9−14頁 1949年
しかしながら、従来のスケール除去能力を向上させる方策は、酸化被膜を除去するために必要な衝撃力を得るためには、デスケーリング水として用いる水の高圧化および流量の増大を実施する必要がある。そのため、デスケーリング装置を駆動するモータのランニングコストの上昇、およびポンプなどの周辺機器を巨大化させる必要があった。また、鋼板とデスケーリングノズルとの距離は、鋼板の反りや対象とする鋼板の厚みの変動などがあることから理想的な距離に近づけることが必ずしもできない。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、周辺設備のランニングコストを増大させずに、デスケーリング能力を向上させ得るデスケーリングノズルおよびデスケーリング装置並びにデスケーリング方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、周辺設備のランニングコストを増大させずに、デスケーリング能力を向上させ得るデスケーリングノズルおよびデスケーリング装置並びにデスケーリング方法を提供することを目的とする。
本発明者は、スケール除去能力を向上させる方策として、デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の大きさに着目した。
ところで、液滴がスケール表面に衝突するときの衝撃力は、一般的に、ρを液滴密度、Cを音速、Uを液滴速度とするとき、ρCUからなる水撃の式から求められる。この水撃の式によると、130m/sの液滴が、鋼板のスケール表面に衝突する場合、200MPaの応力が発生する。これにより、普通鋼の疲労限度に近い応力を発生させて、スケールを効果的に剥離させることができる。
ところで、液滴がスケール表面に衝突するときの衝撃力は、一般的に、ρを液滴密度、Cを音速、Uを液滴速度とするとき、ρCUからなる水撃の式から求められる。この水撃の式によると、130m/sの液滴が、鋼板のスケール表面に衝突する場合、200MPaの応力が発生する。これにより、普通鋼の疲労限度に近い応力を発生させて、スケールを効果的に剥離させることができる。
ここで、図1に示すように、デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が200μm未満と小さい場合、デスケーリングノズルから噴射された液滴は、噴射された直後に、静止空気中において空気抵抗を受け急激に減速する。そのため、減速した状態で鋼板のスケール表面に衝突して所望の衝撃力を得ることが難しい。
これに対し、液滴の平均粒子径が200μm以上と大きい場合、図1に示すように、液滴が100mm進んだときにおける液滴の速度は130m/s(以上)となるため、平均粒子径が200μm以上の大きさであれば減速量の変化が少ない。本発明者は、この結果から、噴射した液滴の平均粒子径を200μmよりも大きくすることで、スケール除去能力を向上させることができることを見出した。なお、衝撃回数を稼ぐためにも可及的に200μmに近い粒子径の液滴を生成させることが望ましい。
そして、本発明者は、上記知見に基づいて鋭意検討した結果、デスケーリングノズルの内部において、流体は非常に速い流速を有して乱流状態にあるところ、乱流強度を低下させて液滴の粒子径を大きくすると、デスケーリング能力が向上するという知見を得て、液滴の平均粒子径を200μmよりも大きくするためには、デスケーリングノズルの吐出口の開口側端部から所定の範囲内に整流器を設けることが特に有効であり、また、デスケーリング水として用いる水の粘度を上げることが特に有効であることを見出したのである。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明のうち、本発明の一態様に係るデスケーリングノズルは、高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去するためのデスケーリングノズルであって、自身内部のデスケーリング水のノズル流路に、前記デスケーリング水の吐出口の開口側端部から前記ノズル流路の直径の3倍以下の位置に整流器を有し、該整流器を経て前記デスケーリング水の吐出口から噴射したときの液滴の平均粒子径が、200μm以上の大きさとされていることを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係るデスケーリングノズルにおいて、前記整流器が、250メッシュ以上の一枚の金網であることは好ましい。また、前記整流器が、一枚以上のパンチングメタルであることは好ましい。また、前記整流器が、250メッシュ以上のハニカム構造を有することは好ましい。
さらに、本発明のうち、本発明の一態様に係るデスケーリング装置は、デスケーリングノズルから高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去するデスケーリング装置であって、前記デスケーリングノズルとして、本発明の一態様に係るデスケーリングノズルを備え、該デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が、200μm以上の大きさであることを特徴とする。
さらに、本発明のうち、本発明の一態様に係るデスケーリング装置は、デスケーリングノズルから高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去するデスケーリング装置であって、前記デスケーリングノズルとして、本発明の一態様に係るデスケーリングノズルを備え、該デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が、200μm以上の大きさであることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング装置は、鉄鋼製品の表面にノズルから高圧のデスケーリング水を噴射して前記鉄鋼製品表面の酸化被膜を除去するデスケーリング装置において、前記ノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が、前記デスケーリング水として用いる水の粘度を高めることにより200μm以上の大きさとされていることを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係るデスケーリング装置において、前記デスケーリング水として用いる水の粘度を200mPa・s以上に高めて前記吐出口から噴射した液滴の平均粒子径を200μm以上の大きさにすることは好ましい。また、前記デスケーリング水として用いる水の粘度を調整する増粘剤として、ポリアクリロニトリルを質量濃度で0.2%以上使用することは好ましい。
さらに、本発明のうち、本発明の一態様に係るデスケーリング方法は、デスケーリングノズルから高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去するデスケーリング方法であって、デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が、200μm以上の大きさであるデスケーリング水により前記鉄鋼製品の酸化被膜を除去することを特徴とする。
本発明によれば、デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径を200μm以上の大きさとしたデスケーリング水により鉄鋼製品の酸化被膜を除去するので、デスケーリング水の水量や水圧を増加させなくとも、鉄鋼製品の酸化被膜を一層確実に除去することができる。そのため、圧延ロールへの噛み込みによる欠陥を減らすことができる。また、鋼板表面に対する水の衝撃力を現状に維持する場合には、デスケーリング水として供給する液体の圧力や流量を減少させることができる。そのため、ポンプの動力を減らすことができる。したがって、本発明によれば、周辺設備のランニングコストを増大させずに、デスケーリング能力を向上させることができる。
以下、本発明の一態様に係るデスケーリングノズルを備えるデスケーリング装置の一実施形態について説明する。
図2に示すように、鉄鋼製品の圧延工程は、圧延材(鉄鋼製品)Kを加熱する加熱炉50と、この加熱炉50から取り出された圧延材Kからスケールを除去するために加熱炉50出側(HSB)に設置された加熱炉出側デスケラ60と、それに続いて粗圧延を行なう粗圧延機70と、それに続いて仕上げ圧延を行なう仕上げ圧延機80とから構成されている。
図2に示すように、鉄鋼製品の圧延工程は、圧延材(鉄鋼製品)Kを加熱する加熱炉50と、この加熱炉50から取り出された圧延材Kからスケールを除去するために加熱炉50出側(HSB)に設置された加熱炉出側デスケラ60と、それに続いて粗圧延を行なう粗圧延機70と、それに続いて仕上げ圧延を行なう仕上げ圧延機80とから構成されている。
本発明のデスケーリング装置は各圧延工程に配置される。すなわち、加熱炉出側デスケラ60には、加熱炉出側に、デスケーリングノズル(以下、単に「ノズル」ともいう)の装着用アダプター61が圧延材Kの上下に配置される。同様に、粗圧延機70の粗圧延入側(RSB)にはノズルの装着用アダプター62が、仕上げ圧延機80の仕上げ圧延入側(FSB)にはノズルの装着用アダプター63がそれぞれ圧延材Kの上下に配置される。各装着用アダプター61、62、63のそれぞれには、後述するデスケーリングノズル10が装着されている。装着用アダプター61、62、63に装着されたノズル10は、ポンプ30、アキュムレータ40に配管を通して接続されており、高圧のデスケーリング水を圧延材Kの表面に噴射することができる。なお、このデスケーリング装置は、複数台のポンプ30とアキュムレータ40とを有するため、噴射される高圧水の圧力と吐出量とを常に安定して確保することができる。
次に、上記ノズル10について詳しく説明する。
図3に示すように、このノズル10は、軸方向に延びる略円筒状のケーシング2を有する。ケーシング2の内部には、ノズル10の軸線方向に沿って円筒状のノズル流路7が形成されている。ケーシング2は、ノズル10の上流側となる一端に、凸の半球状をなす流入口1を有する。流入口1には、径方向に放射状に延びる複数のスリットが周方向に所定の間隔でフィルタ4として形成されている(同図(b)参照)。複数のフィルタ4は、不純物の流入を規制しつつ水をノズル流路7に流入させるようになっている。
図3に示すように、このノズル10は、軸方向に延びる略円筒状のケーシング2を有する。ケーシング2の内部には、ノズル10の軸線方向に沿って円筒状のノズル流路7が形成されている。ケーシング2は、ノズル10の上流側となる一端に、凸の半球状をなす流入口1を有する。流入口1には、径方向に放射状に延びる複数のスリットが周方向に所定の間隔でフィルタ4として形成されている(同図(b)参照)。複数のフィルタ4は、不純物の流入を規制しつつ水をノズル流路7に流入させるようになっている。
ケーシング2内のノズル流路7の途中部分には、整流羽根(又はスタビライザ)5が配設されている。整流羽根5は、中心から放射方向に延びる複数の整流板5aを有し、隣り合う整流板5a同士の間が整流羽根内流路6となっている(同図(c)参照)。整流羽根5は、複数の整流羽根内流路6により、流入口1から流入した水を整流羽根5よりも下流側のノズル流路7に導いて吐出口3に案内する。なお、ノズル流路7は、ケーシング2の上流側端部(流入口1)から整流羽根5の下流端に至り、かつ実質的に同じ内径(つまり、ケーシング2の上流側端部の内径と同じ内径)Dをもつ円筒状流路である。
ケーシング2の他端には、ノズル流路7に連続してテーパ部8が形成されている。テーパ部8のテーパ角θは、噴射された水が低圧及び/又は低流量であっても衝撃力を高めるため、45〜55°程度に設定されている。そして、このテーパ部8の出側に連続してデスケーリング水の吐出口3が形成されている。吐出口3は超硬合金製であり、ここからデスケーリング水を噴射する。吐出口3は平面視(不図示)が楕円形状をなし、その長径/短径比が、1.5〜1.8程度に形成される。
ここで、本実施形態のノズル10は、ケーシング2内部のノズル流路7に整流器9を設けている。以下、この整流器9について詳しく説明する。
ところで、この種のデスケーリングノズルの内部において、流体は非常に速い流速を有して乱流状態にある。乱流は以下の式であらわされる(但し、Reはレイノルズ数、Uは代表速度、Lは代表長さ、νは拡散係数)。
Re=UL/ν>2000
ところで、この種のデスケーリングノズルの内部において、流体は非常に速い流速を有して乱流状態にある。乱流は以下の式であらわされる(但し、Reはレイノルズ数、Uは代表速度、Lは代表長さ、νは拡散係数)。
Re=UL/ν>2000
通常、ノズル内部では流体はレイノルズ数で150000程度であり、層流と乱流の境界である2000を大きく超える範囲である。これに対し、従来から存在している羽根型の整流装置(例えば整流羽根5)によれば、レイノルズ数を35000程度まで低減させられる。しかし、依然としてノズル内で流体は乱流状態である。ここで、図4に示すように、層流化した流体は、ノズル10の吐出口3から噴射されるときに微細な液滴を発生させ難くすることができる。
このような知見により、本発明者は、上記ノズル10において、デスケーリング水の吐出口3の近傍に整流器9を設けたところ、図5に示すように、整流器9と吐出口3の開口側端部からの距離Xが、ノズル流路7のノズル内径(ノズル流路の直径)Dと比較して大きくなると(換言すると、整流器〜吐出口の距離Xとノズル内径Dとの比X/Dが大きくなると)、乱流強度が増加することから液滴の粒子径が小さくなり、デスケーリング能力が低下するという知見を得た。
そこで、本実施形態では、ノズル10において、吐出口3の開口側端部からノズル内径(ノズル流路の直径)Dの3倍以下(X/D≦3)の位置に整流器9を設けている。この整流器9としては、表1に示すように、250メッシュ以上の一枚の金網、または、一枚以上のパンチングメタルであることは好ましい。また、250メッシュ以上のハニカム構造を有することは好ましい。なお、表1において、試験番号1〜6のうち、試験番号1が従来例(整流器9なし)、試験番号2が比較例(整流器が250メッシュ未満(200メッシュ)により平均粒子径が200μm未満)、試験番号3,4が本発明例、試験番号5,6が比較例(整流器の装着位置がノズル内径(ノズル流路の直径)Dの3倍を超えており平均粒子径が200μm未満)である。
次に、上述した鉄鋼製品のデスケーリング装置およびこれに装着されたデスケーリングノズル10、並びにこのノズル10を用いた鉄鋼製品のスケール除去方法の作用・効果について説明する。
上記デスケーリング装置の装着用アダプター61、62、64には、上述したノズル10がそれぞれ装着され、このノズル10によれば、ノズル流路7に、吐出口3の開口側端部からノズル内径Dの3倍以下の位置に整流器9を設けているので、レイノルズ数を2000未満にまで低減させることができ、吐出直前の流体が層流化される。図4に示したように、層流化した流体は、ノズル10の吐出口3から噴射されるときに微細な液滴を発生させ難い。
上記デスケーリング装置の装着用アダプター61、62、64には、上述したノズル10がそれぞれ装着され、このノズル10によれば、ノズル流路7に、吐出口3の開口側端部からノズル内径Dの3倍以下の位置に整流器9を設けているので、レイノルズ数を2000未満にまで低減させることができ、吐出直前の流体が層流化される。図4に示したように、層流化した流体は、ノズル10の吐出口3から噴射されるときに微細な液滴を発生させ難い。
そのため、このノズル10によれば、整流器9を経て吐出口3から噴射したときの液滴の平均粒子径を、200μm以上の大きさにすることができる。平均粒子径が200μm以上の大きさの液滴であると、図1に示したように、液滴が100mm進んだときにおける、液滴の速度が130m/s以上となるので、速度の速い状態で鉄鋼製品のスケール表面に衝突させることができる。したがって、このデスケーリングノズル10およびこれを備えたデスケーリング装置、並びにこのノズル10を用いてその吐出口3から噴射した液滴の平均粒子径が200μm以上の大きさであるデスケーリング水により鉄鋼製品の酸化被膜を除去するスケール除去方法であれば、上述したように、普通鋼の疲労限度に近い応力を好適に発生させ、スケールを効率良く剥離させることができる。
なお、本発明に係るデスケーリングノズルおよびデスケーリング装置並びにデスケーリング方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、平均粒子径が200μm以上の大きさの液滴を得るために、デスケーリング水のノズル流路7の所定位置に整流器9を設けた例で説明したが、本発明に係るデスケーリング装置およびデスケーリング方法は、これに限定されず、デスケーリング水として用いる水の粘度を高めることによっても実現することができる。
例えば、上記実施形態では、平均粒子径が200μm以上の大きさの液滴を得るために、デスケーリング水のノズル流路7の所定位置に整流器9を設けた例で説明したが、本発明に係るデスケーリング装置およびデスケーリング方法は、これに限定されず、デスケーリング水として用いる水の粘度を高めることによっても実現することができる。
すなわち、液滴径(d)の大きさは、非特許文献1によると、以下の式により推定することができる(但し、Dはノズル径(mm)、Vは液滴速度(m/s)、σは表面張力(kg/m)、gは重力加速度(m/s2)、γは液体の比重(kg/m3)、μは粘性係数(kg/m2)である。)。
d=4.72×103(D/V)×√((σg/γ)×(1+0.034×106(μg/γ))
したがって、液滴径を大きくするためには、デスケーリング水として用いる水の粘度を調整することによっても達成することができる(以下、第二実施形態ともいう)。
d=4.72×103(D/V)×√((σg/γ)×(1+0.034×106(μg/γ))
したがって、液滴径を大きくするためには、デスケーリング水として用いる水の粘度を調整することによっても達成することができる(以下、第二実施形態ともいう)。
具体的には、例えば30℃の水の粘度は0.854mPa・sであり、このときの液滴の平均粒子径は約130μm程度である。そこで、これを平均粒子径が200μmの液滴にするためには、液体の粘度を200mPa・s以上に高めればよい。液滴の平均粒子径については、平均粒子径が200μm以上の大きさであれば、減速量の変化が少ない(図1参照)。そのため、衝撃回数を稼ぐためにも可及的に200μmに近い粒子径の液滴を生成させることが望ましい。
この第二実施形態では、デスケーリング水として用いる水の粘度を200mPa・s以上に高めるために、増粘剤として、ポリアクリロニトリルを質量濃度で0.2%以上使用した。また、質量濃度の上限としては1.0%未満が好適である。試験結果を表2に示す。なお、表2において、試験番号1〜5のうち、試験番号1が従来例(増粘剤なし)、試験番号2が比較例(質量濃度で0.2%未満(0.1%wt)により平均粒子径が200μm未満)、試験番号3,4,5が本発明例である。
なお、デスケーリング水として用いる水の粘度を調整する増粘剤はポリアクリロニトリルに限定されず、液体の粘度を200mPa・s以上に高めることができれば、その他の粘度調整剤を増粘剤として使用することができる。例えば他の増粘剤として、CMC(セルロース)、ポリエチレングリコール、アルギン酸ナトリウム等を使用しても同様に液滴径を大きくすることができる。
1 流入口
2 ケーシング
3 吐出口
4 フィルタ
5 整流羽根
6 整流羽根内流路
7 ノズル流路
8 テーパ部
9 整流器
10 デスケーリングノズル
2 ケーシング
3 吐出口
4 フィルタ
5 整流羽根
6 整流羽根内流路
7 ノズル流路
8 テーパ部
9 整流器
10 デスケーリングノズル
Claims (9)
- 高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去するためのデスケーリングノズルであって、
自身内部のデスケーリング水のノズル流路に、前記デスケーリング水の吐出口の開口側端部から前記ノズル流路の直径の3倍以下の位置に整流器を有し、該整流器を経て前記デスケーリング水の吐出口から噴射したときの液滴の平均粒子径が、200μm以上の大きさとされていることを特徴とするデスケーリングノズル。 - 前記整流器は、250メッシュ以上の一枚の金網であることを特徴とする請求項1に記載のデスケーリングノズル。
- 前記整流器は、一枚以上のパンチングメタルであることを特徴とする請求項1に記載のデスケーリングノズル。
- 前記整流器は、250メッシュ以上のハニカム構造を有することを特徴とする請求項1に記載のデスケーリングノズル。
- デスケーリングノズルから高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去するデスケーリング装置であって、
前記デスケーリングノズルとして、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデスケーリングノズルを備え、該デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が、200μm以上の大きさであることを特徴とするデスケーリング装置。 - 鉄鋼製品の表面にノズルから高圧のデスケーリング水を噴射して前記鉄鋼製品表面の酸化被膜を除去するデスケーリング装置において、
前記ノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が、前記デスケーリング水として用いる水の粘度を高めることにより200μm以上の大きさとされていることを特徴とするデスケーリング装置。 - 前記デスケーリング水として用いる水の粘度を200mPa・s以上に高めて前記吐出口から噴射した液滴の平均粒子径を200μm以上の大きさにすることを特徴とする請求項6に記載のデスケーリング装置。
- 前記デスケーリング水として用いる水の粘度を調整する増粘剤として、ポリアクリロニトリルを質量濃度で0.2%以上使用することを特徴とする請求項6または7に記載のデスケーリング装置。
- デスケーリングノズルから高圧のデスケーリング水を鉄鋼製品の表面に噴射して該表面の酸化被膜を除去するデスケーリング方法であって、
デスケーリングノズルの吐出口から噴射した液滴の平均粒子径が、200μm以上の大きさであるデスケーリング水により前記鉄鋼製品の酸化被膜を除去することを特徴とするデスケーリング方法。
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WO2022030188A1 (ja) * | 2020-08-04 | 2022-02-10 | 株式会社共立合金製作所 | 整流部材およびそれを備えたノズル |
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